JP2005502216A - 無線通信システムにおけるパワーレベル調節のための方法および装置 - Google Patents

無線通信システムにおけるパワーレベル調節のための方法および装置 Download PDF

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Abstract

無線通信システム810における送信機の再初期化のための方法および装置である。移動局38と基地局32と間の通信リンクに問題が生じた場合、その移動局およびインフラストラクチャは潜在的な再開基地局34と予め打合せをする。移動局38は、この再開プロセス中送信機をディスエーブルする。回復時に、送信機の送信パワーレベルは、ハンドオフ指令メッセージが受信されるまで、パイロット強度測定メッセージの送信のためにインクリメントされる。送信パワーレベルは最大値にインクリメントされる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無線音声およびデータ通信に関する。とくに、本発明は、無線通信システムにおける呼回復のための新しい改善された方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムは典型的に、セルおよび、またはセクタとそれぞれ関連付けられ、多数の移動局(MS)と通信する複数の基地局(BS)を含んでいる。基地局は基地局制御装置(BSC)によって制御されている。移動局がシステム中を移動すると、基地局から受信された信号の品質が変動する。基地局と所定の移動局との間の通信リンクが劣化したとき、1以上の別の基地局とのリンクを設定することによって通信を失わないようにすることができる。ハンドオフプロセスがこのような代りの通信リンクを開始させる。ハンドオフ状態において、インフラストラクチャは種々の基地局および移動局と交渉する。しかしかながら、信号品質の劣化があまりに急速であるために、交渉を進められないことが多い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、種々の状況において呼回復を行うための方法および装置が必要とされている。さらに、無線通信システムにおいて呼回復をするための信頼性の高い方法が必要とされている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
開示されている実施形態では、無線通信システムにおける回復困難な呼に対する新しい改善された方法が提供される。1つの特徴によると、複数の基地局を有する無線通信システムにおいて、複数の各基地局は隣接した基地局を含む近隣のセットを有し、その近隣の基地局のそれぞれがデフォルトチャンネルを有しており、デフォルトチャンネル情報を移動局に送信し、呼回復トリガーの発生を検出し、および近隣のセット中の全ての基地局に対して各デフォルトチャンネルで送信するように命令するステップを含む方法が行われる。
【0005】
1つの特徴において、無線装置は、アンテナと、このアンテナに結合されたプロセッサと、アンテナおよびプロセッサに結合された送信回路と、アンテナおよびプロセッサに結合された受信回路とを備え、基地局に隣接する各々に対するデフォルトチャンネル割当が含まれている隣接するもののリストを受取るようにプロセッサにより実行可能であるコンピュータ読出し可能な第1の命令セットと、呼回復トリガーを識別し、それに応答して送信回路をディスエーブルするようにプロセッサにより実行可能であるコンピュータ読出し可能な第2の命令セットと、および近隣の1以上のものによるハンドオフを設定するようにプロセッサにより実行可能であるコンピュータ読出し可能な第3の命令セットとを含んでいる。
【0006】
別の特徴によると、無線装置は、送信機回路と、予め定められたパワー制御命令を発生するように呼回復動作に続いて動作する回復調節装置と、ならびにこの回復調節装置および送信機回路に結合され、この送信機回路をパワー制御命令に応答して調節するように動作するパワー調節装置とを含んでいる。
【0007】
さらに別の特徴によると、コンピュータプログラムは、コンピュータ実行可能な命令を含むコンピュータ読出し可能な媒体上に組入れられ、このプログラムは、特別な事象を識別するように動作する第1の命令セットと、特別な事象中に呼回復をディスエーブルするように動作する第2の命令セットと、および無線通信システムに特別な事象を通知するように動作する第3の命令セットとを含んでいる。
【0008】
別の特徴によると、無線通信システムにおいて、呼回復方法は、第1の送信パワーレベルでパイロット強度測定メッセージを送信し、予め定められた期間待機し、第1の送信パワーレベルより大きい第2の送信パワーレベルでパイロット強度測定メッセージを送信するステップを含んでいる。
【0009】
無線装置は、アンテナと、このアンテナに結合されたプロセッサと、アンテナおよびプロセッサに結合された送信回路と、呼回復中にパイロット強度測定メッセージの送信パワーをインクリメントするようにプロセッサにより実行可能であるコンピュータ読出し可能な第1の命令セットとを含んでいる。
【0010】
【発明の実施の形態】
1実施形態による無線システム中での呼回復方法は、潜在的に通信リンクを失う恐れのある移動局に対して利用可能であると共に呼回復を行うことのできる近隣のセルおよび、またはセクタに関する情報を提供する。呼回復可能な基地局はそれぞれ、予め定められたコードにより識別されるデフォルト順方向呼回復チャンネルを有している。別の実施形態において、2以上のデフォルト順方向呼回復チャンネルが近隣のものごとに割当てられ、移動局はハッシュ関数、IMSI(International Mobile Station Identification)、TIMSI(Temporary International Mobile Station Identification)、ESN(Electronic Serial Number)、システム時間、またはその組合せを使用して、各回復可能な基地局からの送信を受信するためにどのチャンネルを使用すべきかを決定論的に決定する。その後、移動局はそのチャンネルを使用して信号を回復基地局から受信することができる。移動局は、それが基地局にアクセスしたとき、多数の近隣の回復基地局からのパワー制御サブチャンネルを組合せるようにオーバーヘッドメッセージによって命令されることができる。これはまた、移動局が基地局のカバレージエリア中に移動し、その移動局がアイドル状態である、すなわち、連続している通信リンクを有しない期間中のときにトラフィックチャンネルメッセージによって呼開始時に行われるか、あるいはその移動局に対してアクティブなセットが変化した場合のハンドオフ時に行われてもよい。
【0011】
図1は、多数のセル12、14、16、18、20、22、24を有する無線通信システム10を示している。セル12、14、16、18、20、22、24は無線エアインターフェースによってBSC26と通信している。各セル12、14、16、18、20、22、24は、地理的および、または送信隣接地域内のセルから構成された対応した隣接するもののセットを有している。たとえば、セル18は、セル12、14、16、20、22、24を含む隣接地域セットを有している。以降“IS−95規格”と呼ばれる“二重モード広帯域スペクトラム拡散セルラーシステムに対するTIA/EIA/IS95移動局−基地局適合規格”または以降“cdma2000規格”と呼ばれる“cdma2000スペクトラム拡散システムに対するTIA/EIA/IS−2000規格”により指定される符号分割多元アクセス(CDMA)システムのような広帯域伝送システムにおいて、スペクトラム拡散信号は同じチャンネル帯域幅を占有し、各信号がそれ自身の異なった擬似ランダム雑音(PN)シーケンスを有している。CDMAシステムの動作は、共にその権利が本出願人に譲渡され、ここにおいて参照文献とされている米国特許第 4,901,307号明細書(“SPREAD SPECTRUM MULTIPLE ACCESS COMMUNICATION SYSTEM USING SATELLITE OR TERRESTRIAL REPEATERS”) および米国特許第 5,103,459号明細書(“SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING WAVEFORMS IN A CDMA CELLULAR TELEPHONE SYSTEM”)に記載されている。この方式では、多数のユーザが同じチャンネル帯域幅によってメッセージを同時に送信する。
【0012】
図2は、MS38と通信しているBS1のラベルを付けられた基地局32を含む図1のシステム10の一部分を示している。BS132は図1のセル18内に位置している。BS2およびBS3のラベルをそれぞれ付けられた他の2つの基地局34および36はそれぞれセル16、24内に位置している。無線エアインターフェースは、BS132からMS38に通信するための順方向リンク(FL)およびMS38からBS132に通信するための逆方向リンク(RL)用の媒体を提供する。MS38はシステム10内を移動することができるので、BS132との間の信号の品質は劣化することを認識されたい。呼を開始するために、MS38はアクセスチャンネル上での送信を行う。BS132、BS234およびBS336はチャンネル割当メッセージをページングチャンネルで送信する。このチャンネル割当によって、各基地局に対するウォルシュコードインデックスが識別される。
【0013】
信号品質は一般に、信号対雑音比(SNR)として測定され、チップ当りのパイロット信号エネルギ対受信された合計パワー密度(E/I)として表されることができる。図3は、BS132およびBS234に対するMS38で測定された信号品質を表している。BS234に対する信号品質は時間tで増加し始め、TADDとラベル付けされたしきい値レベルを越えて時間tまで増加し続ける。しきい値レベルTADDは、これを越えた場合にある基地局のアクティブセット(AS)に対して別の基地局を追加するようにある基地局に通知するようにMS38が命令される基準信号品質を示している。ASは、MS38とアクティブに通信しており、通信を送受信する基地局から構成されている。ASは典型的に候補セット(CS)内にある基地局から選択される。CSは、MS38とアクティブに通信するものとなる候補の基地局を含んでいる。CSは典型的に近隣のもののセット内の基地局から選択される。
【0014】
引き続き図3を参照すると、BS234の信号品質が改善しているあいだに、BS132の信号品質は劣化している。BS234から受信された信号のエネルギレベルの増加は、BS132からの信号の劣化を一層増進する。これは、所定の基地局に対する信号品質がその基地局からの信号エネルギの、存在する他の全ての信号に対する比較であるためである。時間tにおいて、MS38により測定されたBS234の信号エネルギはTADDより上である。これは、適切なアクション、すなわち、ハンドオフに対するトリガーが必要とされていることをMS38に示す。時間tにおいて、MS38は、BS132およびBS234の両者に対する測定情報を含むパイロット強度測定メッセージ(PSMM)をBS132およびBSC26に送信する。時間tにおいて、BSC26はMS38に対してこのBSC26からBS234へのリンクを設定する。BSC26はセレクタを含んでいる。BSC26は、MS38に関してBS132、BS234およびBSC26の間に“迂回中継”通信ネットワークを形成する通信リンクを設定する。時間tにおいて、BS132は、BS132およびBS234を識別する情報ならびにそれらの関連したコードインジケータを含むハンドオフ指令メッセージ(HDM)をBS132およびBS234からの順方向リンク(FL)チャンネルに対して送信する。この情報によって、MS38はBS132およびBS234の両者から信号を受信して復調することが可能になる。時間tにおいて、MS38はBS132からHDMを受信し、BS132からの信号に加えてBS234からの信号を復調し始める。この例では、ハンドオフに関与する新しい基地局は1つだけであることに注意されたい。しかしながら、任意の数の基地局がこのようなハンドオフ状態に関与することが可能であり、MS38と通信しているそれら基地局がASを形成する。MS38は、それがシンボルを含む信号をASの中の多数の基地局から受信したときに、これらの信号を結合して、さらに強い信号を生じさせることができる。この結合プロセスはFLの“ソフト結合”と呼ばれ、通常は最適な比率の結合、すなわち、信号品質に基づいた加重で行われる。時間tにおいて、MS38はBS132から受信されたHDMに対する肯定応答、またはハンドオフの成功的な完了を示すハンドオフ完了メッセージ(HCM)を送信する。
【0015】
再び図3を参照すると、BS234の信号品質が非常に急速に増加する状況が生じている。この場合、BS132の信号強度に関するBS234の信号強度はBS132の信号品質の劣化を助長する。MS38は、BS234またはこのBS234によりMS38に対して使用されたチャンネルを識別するのに必要な擬似ランダム雑音(PN)オフセットのようなハンドオフに必要な情報を受信する前に、インフラストラクチャと通信するのを妨害される。
【0016】
典型的なCDMAハンドオフプロセスにおいて、移動局が1つの基地局のカバレージエリアから別の基地局のカバレージエリアに移動するとき、ハンドオフは通信リンクの損失を阻止する。1つのタイプのハンドオフであるソフトハンドオフにおいて、移動局は2以上の基地局との接続を同時に維持する。移動局の現在の位置はソースセルと考えられ、その移動局が移動する次のセルはターゲットセルと呼ばれることができる。移動局は、多数の基地局のFLで受信された多数の信号を復調するためにレイクタイプの受信機を使用する。2つの信号が結合され、その結果品質の改善された複合信号が得られる。ソフトハンドオフに関与した多数の基地局のそれぞれは、別々に受信された信号を復調しながら、復調され、復号された情報をBSCに送信する。このBSCは、受信された多数のフレームから最良のフレームを選択するセレクタを含んでいる。種々の状況およびシステム要求に対して、別のタイプのハンドオフが使用されてもよい。
【0017】
移動局支援ハンドオフ(MAHO)において、移動局は多数の基地局からのFLパイロット信号に対する信号品質の測定を行う。この情報は、ソース基地局に報告される。その信号品質は、ASへの基地局の追加を決定するために種々のしきい値と比較される。所定のパイロットの信号品質がパイロット検出しきい値TADDより大きい場合、そのパイロットはASに追加される。別の実施形態では、パイロットは最初にCSに追加され、その後ASに追加されることができる。実際、しきい値により、基地局の状態をあるセットから別のセットに転送することが可能となる。
【0018】
ハンドオフ交渉が不可能である場合、呼回復により情報が(約束の)時間前に移動局に提供される。呼回復は種々の状況で開始される。正常な動作において、移動局および基地局は、それらの適切な動作を決定するためにトリガーを使用する。たとえば、システム10内で動作する移動局は種々のしきい値を使用して、どの情報が基地局に報告のために戻されるかを決定する。上述した1つのしきい値TADDは、基地局をASに追加するための信号品質レベルを示す。移動局がTADDより上の測定値を有する信号を受信したとき、その移動局はその基地局をCS中に移動し、その基地局をもっと頻繁にサーチし、この状況をその既存のASによってシステムに報告する。別のしきい値であるT DROPは、基地局がASからドロップされるであろうレベルより低い信号品質レベルを提供する。T TDROPより長い期間にわたって移動局がT DROPより低い測定値を有する信号を受信したとき、その移動局はこの状況をその既存のASによってシステムに報告する。それぞれの場合に、AS内の基地局はこの情報を基地局制御装置に中継する。
【0019】
呼回復に対して、AS内の基地局は種々のトリガーの可能性がある任意のものを捜す。第1のタイプの呼回復トリガーは、FL信号品質があるしきい値より長い期間中別のしきい値レベルより低いときに発生する。このタイプのトリガーには、基地局が連続したパワー制御(PC)リクエストを移動局から受取って基地局における送信レベルを増加させた場合が含まれる。基地局はすでに移動局に最大限界(ceiling)パワーレベルで送信していることが多い。たとえば、FLトラフィック送信は予め定められた期間中高いレベルに維持される。移動局は多数のリクエストを送信し、パワー、すなわち、UPコマンドを増加することができる。その代り、移動局は多数の消去を報告してもよい。消去は、しきい値レベルより大きいビットが意図された値の確信なしに受信されたときに行われる。別の場合においては、移動局は、その外部ループ設定点が高いか、あるいはその最大許容レベルであるか、または延長された時間のあいだそれらのレベルであることを基地局に示すメッセージを送信する。
【0020】
第2のタイプのトリガーは、ある応答が移動局からなされることが期待されているが、応答がないか、あるいは異なった応答が受信されたときに発生する。このタイプのトリガーには、肯定応答を必要とする基地局により送られたメッセージに対する移動局からの肯定応答の欠如が含まれる。メッセージは、トリガーを満足させる前に予め定められた回数再送信されてもよい。この予め定められた回数は、固定されていてもよいし、あるいは可変的であってもよく、無線によって変更可能であってよい。同様に、基地局は繰返されたRLメッセージを、肯定応答を必要とする移動局から受信してもよく、そのメッセージは基地局による肯定応答の送信に続いて受信される。
【0021】
第3のタイプのトリガーは逆方向リンクの低い品質、たとえば、RLのフレームエラーレート(FER)がしきい値より上である場合等に関する。その代りに、RLは予め定められた期間中高レベルに維持されてもよい。さらに別の状況は、高いRL設定点を有していてもよい。ASに追加されるべき基地局はまた回復アクションを開始する呼回復トリガーを有している。最も重要なトリガーは、所定の移動局に関して潜在的な問題が存在するBSCからの通知である。このようなことが生じたときに、基地局は移動局からの信号のサーチを開始する。
【0022】
移動局はまた種々の呼回復トリガーを使用して呼回復に入ってもよい。第1のタイプのトリガーは、受信された信号の中に異常な数のエラーがあるときに生じる。たとえば、移動ウインドウにわたるFL消去は予め定められたしきい値レベルを越える可能性がある。1実施形態において、しきい値レベルは、消去を経験した12の連続したフレームである。この場合、移動局はその送信機部分をオフに切替え、2以上のFL連続フレームが消去を行われないときに、送信機をオンに切替えて戻すことができる。
【0023】
移動局に対する第2のタイプの回復トリガーは、パワーの増加を命令するPCコマンドを移動局が基地局から受取ったときに発生する。基地局は、移動局からの通路損失が大きいためにRL信号の受信が困難である可能性がある。
【0024】
第3のタイプの回復トリガーは、基地局からの肯定応答を必要とする1以上のRLメッセージが応答されていないときに発生する。これは、再送信再試行トリガーと呼ばれる。同様に、移動局からのメッセージに対する基地局からの応答が不適切であるか、あるいは応答がなされない可能性がある。肯定応答を実際に送信した移動局に後続して肯定応答を必要とする繰り返されたFLメッセージを受信したとき、類似したタイプのトリガーが発生する。
【0025】
第4のタイプの回復トリガーは、移動局が予め定められた期間中高レベルで送信を行ったときに発生する。この場合、RLは十分なエネルギで基地局に接続していないと仮定される。
【0026】
1実施形態において、種々の呼回復トリガーの1つまたは多数のものに対してフレキシブルなしきい値が設定される。呼回復トリガーは、システム10内における送信しようとした多数の試行に基づいていてもよい。これらの試行は、シグナリングと物理的リンクとの間のリンク層において行われることが多い。リンク層はレイヤ2と呼ばれ、以下図8を参照として説明する。図1のシステム10のような回復可能なシステムにおいて、MS38は、FLのような通信リンクが劣化しているときに呼を維持するように回復処理を行う。トリガーはしばしば回復動作を開始し、その場合トリガーは、パラメータまたは計量が何時しきい値にパスしたかを示す。これらのしきい値は動的であり、システム10の状態または環境に適応してもよい。同様に、しきい値はシステム10の動作の履歴または統計的記録に基づいて調節されてもよい。
【0027】
1実施形態において、PLに関して繰り返された送信の数、または連続した消去の間の時間、もしくはMS38による送信機のディスエーブリングは、BS132および、またはBSC26のようなシステム10のインフラストラクチャから送信された命令に応答してもよい。別の実施形態において、指定された許容可能な最大再送信数のような特定のアクションに対して固定されたパラメータが規定される。別の実施形態において、移動局の状態および、または位置がトリガーを生じさせる。MS38の現在の送信レベルが予め定められた最大値に近いことにより、呼回復がトリガーされることができる。別のトリガーには、内部ループパワー制御の不足である現在のASにおける送信の消去により測定されたFLの品質が含まれ、この場合MS38により所望されたSNRと内部ループ等により提供されたSNRが異なる。さらに別の実施形態は、特定のパラメータと移動局の状態とをトリガーとして組合せることができる。
【0028】
システム10のインフラストラクチャは、呼回復トリガーのしきい値を決定するのに役に立つオペレーショナルタイプ情報をMS38に提供することができ、また、トリガーしきい値として使用するためにMS38に提供される固定されたパラメータを選択するときにこのような情報を使用することができる。1実施形態では、障害が発生しているか、あるいはドロップしてしまっている呼による再試行の典型的な回数を使用する。別の実施形態は、RLのローディングを使用して、しきい値を設定し、調節する。さらに別の実施形態は、所定のセルのセクタのようなシステム10内におけるMS38の位置を使用してもよい。さらに別の実施形態は、既知の移動局トラフィックパターンと協調して曜日および、または時刻を考慮する。これらのメカニズムの任意のものの組合せはまた、適応可能であるか、あるいは必要とされた場合には実施されることができる。
【0029】
図1および2のシステム10において、各基地局32、34、36は、それが通信している移動局にオーバーヘッド情報を送信する。各基地局32、34、36に対するオーバーヘッド情報には、その各近隣のもののリストが含まれている。近隣のもののリストにより、その近隣のものの対応した擬似ランダム雑音(PN)コードオフセットが識別される。
【0030】
図4を参照とすると、BSC26は、BS132およびBS234との迂回中継接続を設定することにより種々のトリガーの任意のものに応答する。1実施形態において、呼回復の方法100は図6Aおよび6Bに示されているように開始される。図5には、1つの例としての特定の信号品質曲線が示されている。この例では、潜在的な問題を有しているものとしてMS38を識別する時間がある。
【0031】
図6Aおよび6Bに示されている1実施形態のこの呼回復方法100においては、ステップ102において、BS132は隣接している基地局のセットに対するデフォルトチャンネル割当をMS38に送信する。隣接しているもののセット内の基地局は、呼回復を実施するのに必要なソフトウェアおよび、またはハードウェアを有すると共に隣接しているセットに送信を行った基地局のカバレージエリアと重複するカバレージエリアを有している回復可能な装置である。デフォルトチャンネル割当により、BS234に対するコードを含む隣接しているもののセット内で基地局により使用されるデフォルトチャンネルコードインデックスが識別される。回復可能である隣接しているもののセット内の各基地局は、呼回復が必要とされたときに移動局を識別するために使用されるデフォルト拡散コードを有している。1実施形態の拡散コードは特定のウォルシュコードである。ステップ104においてBS234は再送信再試行トリガーをMS38に送信する。再送信再試行トリガーは、MS38が呼回復動作を開始する前に行う再試行の数を指令する。その後、決定ダイヤモンドブロック106において、BS132は、回復トリガーが発生したかどうかを決定する。回復トリガーが発生していない場合、このプロセスはトリガーの発生を待つ。トリガーが発生すると、プロセスはステップ108に進み、MS38に対応した各デフォルトチャンネルで送信を行うようにBS132のNS中の全ての基地局に対して命令する。NS内の基地局のあるものは、FLまたはRLが弱いために通信リンクを設定できない可能性があるが、しかしながら、NS内の各基地局はMS38への送信を開始することに注意されたい。多数の送信により、MS38ではFL信号がさらに強くなり、BSC26へのRLはさらに信頼性の高いものになる。
【0032】
本発明によると、RLメッセージの再試行の数、すなわち連続した消去に対して許容される時間量はBSC26により決定され、無線リンク専用メッセージおよび放送を介してMS38に提供される。別の実施形態は、他のパラメータとは異なる固定されたパラメータを使用する。1実施形態では、移動体の状態の関数が含まれる。移動体の状態は、最大送信レベルに比較してMS38の実際の送信レベルがどれ程近いかを考慮することができる。同様に、別の移動体の状態は、現在のASに関する消去のようなFLの品質を考慮することができる。さらに別の移動体の状態は、内部ループ不足を考慮することができる。この内部ループ不足は、ターゲットSNRと内部ループPCにより伝送されたSNRとの間の差である。別の実施形態は移動体の状態と送信のタイプとを組合せる。
【0033】
再試行の許容可能な数は、ドロップされた呼または障害の生じた呼に関する統計にしたがって調節されることができる。たとえば、ある平均再試行数を越えると、障害の生じている呼のほとんどが回復しない可能性がある。別の考慮事項にはRLローディング、MS38の位置および、または時刻または日付が含まれる。後者の場合、ある定まった移動トラフィックパターンは、迅速な呼回復を必要とする移動局の数に影響を及ぼす。
【0034】
図6Aを続けて参照とすると、BSC26はステップ110においてMSの現在のASを決定する。その後、ステップ112においてBSC26はHDMタイマーを開始させ、ステップ114においてHDMを送信する。この時点で、システム10は通信リンクをデフォルトチャンネルから外す(move off)ことを所望する。デフォルトチャンネルはシステム10内の移動局の任意のものによる使用に対して利用可能であり、したがって使用が最適化される。MS38は所定のデフォルトチャンネルを使用するが、そのチャンネルは別の移動局による使用に対して利用できない。NS内の基地局は、デフォルトチャンネルでの送信と並列の、別のまたは新しいチャンネルでの送信を開始するように命令される。これは、ハンドオフ状態の開始である。
【0035】
決定ダイヤモンドブロック118において、BSC26がハンドオフの終了を示すメッセージをMS38から受取っている場合、プロセスはステップ120に進み、デフォルトチャンネルでのNSのメンバーとのMS38の通信リンクを遮断する。その後、プロセスはステップ124に進む。逆に、ハンドオフ終了メッセージが受信されていない場合、決定ダイヤモンドブロック122において、BSC26は、HDMタイマーが時間終了であるか否かをチェックする。HDMタイマーが時間終了している場合、適切なデフォルトチャンネルはMS38への送信を終了させ、ステップ124において呼回復が取消され、ステップ125においてデフォルトチャンネルおよび新しいチャンネルの両方の使用が遮断される。ステップ126において正常な動作が再開する。決定ダイヤモンドブロック122においてタイマーが時間終了になっていない場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック118に戻って、MS38からのハンドオフ終了メッセージを待つ。
【0036】
図6Bは方法100の一部分を詳細に示しており、ステップ110は、ステップ130でタイマーを初期化するものとして示されている。決定ダイヤモンドブロック132において、BSC26はMS38からのPSMMをチェックする。PSMMが受取られている場合、プロセスはステップ134に進み、PSMM中に含まれている隣接するものを含むようにASを設定する。PSMMが受取られていない場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック138に進み、タイマー(ステップ130において初期化された)が時間終了であるか否かを決定する。タイマーが時間終了である場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック144に進む。タイマーが時間終了でない場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック132に戻る。
【0037】
ステップ134においてASが設定された後、決定ダイヤモンドブロック136においてRLが強化されることになった場合、決定ダイヤモンドブロック140において、BSC26は、PSMM中に含まれない隣接するものがMS38の信号を獲得したか否かを決定する。これらの隣接するものはヒアリング・ネイバーズ(HN)と呼ばれ、ステップ142においてASに追加される。その後、プロセスは図6Aのステップ112に戻る。
【0038】
PSMMを受信せずにタイマーが時間終了となった場合、決定ダイヤモンドブロック144において、RL MS38信号を獲得した隣接するもの、すなわちHNが存在するか否かをBSC26が決定する。この場合、ステップ146においてASはこれらのHNを含むように設定される。決定ダイヤモンドブロック144においてHNが見出されない場合、ステップ148において呼回復が終了し、その呼は終了する。
【0039】
この方法では、決定ダイヤモンドブロック110において、MS38の送信機がオフに切替えられているか否かが決定される。送信機がオフである場合、ステップ110でBSC26は送信機をオンに切替えるようにMS38に命令する。
【0040】
図7Aおよび7Bには1実施形態による移動局の呼回復方法200が示されている。ステップ202において、MS38はAS(0)中の基地局と通信する。これによって、現在のASが識別される。決定ダイヤモンドブロック204で、回復トリガーが発生している場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック208に進む。回復トリガーは上述したものの1つであるか、あるいはMS38が再開タイプ動作を必要としている、すなわち、MS38がおそらくFL通信リンクを失っていることを示す別の表示であることができる。トリガーが発生しない場合、ステップ206において正常な動作が再開する。決定ダイヤモンドブロック208において、MS38の送信機がエネーブルされているか否かが決定される。送信機がエネーブルされている場合、プロセスはステップ214に進み、否の場合には、決定ダイヤモンドブロック210においてMS38がトリガー状態をチェックする。MS38が送信機をディスエーブルするであろうことを示すトリガー状態が存在する場合、ステップ212において適切なアクションがとられ、プロセスはステップ214に進む。送信機がディスエーブルされる予定であることを示すトリガーがない場合、プロセスはステップ214に進む。このステップ214において待機タイマーが設定される。決定ダイヤモンドブロック216において待機タイマーはチェックされ、時間終了のとき、ステップ218において回復タイマーが開始される。待機タイマーが時間終了でない場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック222に進み、MS38が正常な動作モードに戻っているか否かが決定される。正常な動作である場合、プロセスはステップ206に進み、そうでない場合はプロセスは戻って、待機タイマーの時間終了を待つ。
【0041】
図7Aを続けて参照すると、ステップ218においてMS38の送信機がディスエーブルされた場合、ステップ220で送信機がエネーブルされる。MS38は、時間期間Yのあいだ予め定められたプリアンブルを送信する。プリアンブルは、MS38の送信に関する情報を提供するが、実際のデータまたはシンボルは提供しない。MS38は、ステップ228でPSMM情報を送信する。決定ダイヤモンドブロック230において、HDMが受信されている場合、あるいはある肯定応答が受信されてPSMMを確認している場合、MS38は、ASが更新される予め定められた期間Xが経過するのを待つ。決定ダイヤモンドブロック230においてHDMまたはPSMM肯定応答が受信されない場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック232に進み、PSMMが最大の許容可能な回数を越えて送信されていないことをチェックする。PSMMが再送されることができる、すなわち、最大数に達していない場合、プロセスはステップ228に戻り、PSMMが再送される。しかしながら、最大数に達している場合、プロセスはステップ236に進み、呼回復が終了する。
【0042】
別の呼回復方法によると、BSC26は、BS132の隣接する回復可能なもの全てに潜在的な問題を通知する。BSCは、MC38の送信機部分をオンに切替えるようにMC38に命令すると共に、隣接するもののセット内の基地局にMS38の送信を聞くように命令する。MS38からの信号の検出および獲得時、隣接したもののセットの中の各基地局はレポートを送信する。このレポートは基地局のサブセットから受信され、サブセットは隣接したもののセットの中の全ての基地局または基地局の一部分を含んでいてもよい。BSC26は、サブセット中の各基地局のデフォルトチャンネルをMS38に通知する。その後、サブセットの基地局は適切なデフォルトチャンネルを使用してMS38との通信を開始する。
【0043】
さらに別の方法において、隣接するもののセットのサブセットは、もっとも最近送信されたPSMMに基づいて決定される。最後に送信されたPSMMは正しく受信されていない可能性があるという問題が存在し、その場合サブセットを識別するために使用されるPSMMは正しくない。一例として、最後に受信されたPSMMがBS132およびBS336を識別するが、受信されなかったBS132およびBS234を識別する後続的なPSMMをMS38が送信した場合、呼回復は妨げられる。BSC26はBS336との迂回中継ネットワークを設定し、このBS336はMS38に対するデフォルトチャンネルでの送信を開始する。残念ながら、MS38は、呼回復のためにBS234との通信が設定されるであろうと仮定し、異なったデフォルトチャンネル上のものを除外して処理する。BS336からの過剰の送信は無駄にされ、事実上システム10内において雑音をさらに生じさせる。
【0044】
呼回復がMS38により開始されたとき、タイマーは、呼回復トリガーの発生に続くこのような開始を遅延するために使用されてもよい。タイマーの期間はBSC26によって設定されてもよい。タイマーが時間終了になったとき、MS38はプリアンブルをRLパイロットチャンネルで送信する。プリアンブルには、呼回復メッセージが含まれている。1実施形態において、プリアンブルはBSC26によって設定されてもよい予め定められた定数である。別の実施形態において、プリアンブルはシステムオペレータによって決定される可変長のものである。プリアンブルの送信に続いて、MS38はFL変更に関するメッセージを送信する。メッセージはPSMMであってもよい。メッセージはBS234による受信を確実にするために何回も送信されてもよい。
【0045】
上記の方法を組合せることにより、呼回復に対する種々の利点が得られる。1実施形態において、呼回復方法はソースセル基地局の無線送信環境に基づいている。回復可能な隣接するものが少なく、たとえば2つである場合、BSC26は隣接するもの全てに各デフォルトチャンネルで送信するように命令する。ASは更新され、MS38の送信機は遅延なしにエネーブルされる。回復可能である隣接するもののセットをさらに大きくするために、BSC26は隣接するものにMS38からの信号を聞くように命令する。隣接するものがMS38から信号を受信することができるか否かに関して報告するためにそれらの隣接したものを待ったことにより発生した遅延の後、これらのヒアリング・ネイバーズはデフォルトチャンネルを使用するように命令される。同様に、PSMMが予め定められた期間内にMS38から受信された場合、PSMMにより識別されたそれらの基地局はデフォルトチャンネルを使用するように命令される。固定した数の連続した良好なフレームによって規定されたようにFLが適切に動作しているとき、PCサブチャンネルを介して送信されたPCコマンドは有効とみなされることに留意すべきである。
【0046】
図8は、図1の無線通信システム10のアーキテクチャを層構造フォーマットで示している。アーキテクチャ700は、シグナリング層702、リンク層704および物理層706の3つの層を含んでいる。シグナリング層702は、上位層シグナリング708、データサービス710および音声サービス712を提供する。シグナリング層702は、音声、パケットデータ、単純な回路データおよび同時音声およびパケットデータサービスを提供する。この層において、下位の2つの層に対応したプロトコルおよびサービスが提供される。リンク層704は、リンクアクセス制御(LAC)サブレーヤ714および媒体アクセス制御(MAC)サブレーヤ716に細分される。アプリケーションおよびシグナリング層712のプロトコルはLACサブレーヤ714により提供されたサービスを使用する。リンク層704は、シグナリング層702の上位レベルプロトコルと物理層706のアプリケーションとの間のインターフェースとして機能する。
【0047】
MACサブレーヤ716はさらに多重化およびサービスの品質(QoS)伝送ブロック722を含んでいる。リンク層704は信号層702を物理層724に結合する。物理層706は送信の物理チャンネル724から構成されている。
【0048】
図9は、1実施形態による図1のシステム10の動作のタイミングシナリオを示している。図6A、6B、7Aおよび7Bの方法を参照とする。水平軸は時間を表し、垂直軸は、送信に使用された種々のチャンネルを表している。ソースセル基地局BS132は中央に示されており、情報はトラフィックチャンネルを介してMS38に送信される。MS38に対して送信チャンネルTxおよび受信機チャンネルRxの2つのチャンネルが示されている。受信機チャンネルRxおよびRxに対して2つのシナリオが示されている。ターゲット基地局である隣接した基地局BS234もまた示されている。デフォルトチャンネルおよび新しいチャンネルの両方が示されている。新しいチャンネルは、ハンドオフ後にMS38との通信のために使用されるべきチャンネルである。AS(0)として識別された第1のASから送信を受信したMS38により処理が始まる。MS38はソースセルBS132に対してトラフィックチャンネルで同時に送信する。時間tにおいて、呼回復トリガーが発生する。MS38およびBS132の両者はトリガーを認識する。トリガーは、FLの送信パワーを増加せよというMS38からBS132への連続のPCリクエストのような共通した事象であってもよいし、あるいは別々の事象であってもよいことを認識すべきである。また、MS38およびBS132は同時にトリガーを認識しなくてもよい。MS38はBS132の前にトリガーを認識する所に位置していてもよい。
【0049】
時間tでトリガーが識別されたとき、BS132は隣接した基地局BS234からのデフォルトチャンネル送信を開始する。このような開始は、BSC26によって行われてもよい。時間tにおいて、BS234はデフォルトチャンネルでの送信を開始する。この送信はBS132からの同じ送信と並行している。トリガーが発生したとき、MS38は予め定められた待ち時間のあいだ送信機をディスエーブルする。時間tで待ち期間は終了し、MS38は時間期間Y中にプリアンブルを送信する。同時に、MS38のASはAS(0)からAS(1)に変更される。AS(1)において識別された基地局は、最後のPSMM中に列挙された全ての基地局である。別の実施形態において、AS(1)はBS132の隣接した全てのものであってもよい。
【0050】
時間tにおいて、プリアンブルは終了し、MS38は現在のPSMMを送信し始める。時間tにおけるPSMMの受信に応答して、BS132およびBS234は時間tにおいてHDMを送信する。時間tにおいて、HDMはASの変更をAS(2)に信号で知らせる。時間tにおいて次のPSMMが送信され、MS38で受信された信号を識別するためにPSMMが周期的に送信されることに注意すべきである。
【0051】
時間tにおいて、BS234はMS38に対して新しいチャンネルで送信を開始する。時間tにおいて、MS38はデフォルトチャンネルでのMS38に対する送信の終了をトリガーするHCMを送信する。図9に示されているシナリオにおいて、呼回復は時間tに始まり、時間tに終了する。時間tにおいて、ハイドオフは完了し、BS234はMS38に対する現在のソースセル基地局となる。
【0052】
受信機チャンネルRxに対する別のシナリオが示されている。ここにおいて、AS(0)は時間tまでアクティブなままである。時間tに続いて、MS38は予め定められた時間期間XにわたってAS(0)から受信し続け、この期間Xの後にAS(1)への変更が行われる。このシナリオにおいて、AS(1)は、MS38からの信号を受信することのできる基地局だけを含んでいる。時間tにおいて、AS(1)からAS(2)への次の変更がHDMに応答して行われる。このシナリオは、MS38から信号を獲得することのできる隣接するものだけが各デフォルトチャンネルを介して送信するように命令される方法に対応する。
【0053】
呼回復が終了し、ハンドオフが行われると、MS38は初期送信パワーレベルを決定しなければならない。1実施形態によると、図1のシステム10は送信パワーレベルの調節のために閉ループパワー制御を使用する。別の実施形態は開ループのパワー制御方法を使用する。開ループとは、受信機が直接関与しない送信機(移動または基地局のいずれかの)制御された動作のことである。たとえば、特定の逆方向リンク開ループパワー制御は、基地局から順方向リンクによって受信された信号のパワーレベルに基づいて逆方向リンクの送信パワーを調節するように移動局に求める。閉ループパワー制御は開ループ動作を拡張し、それによって受信機はパワー調節決定を行うことにアクティブに参加する。たとえば、RL閉ループパワー制御に対して、基地局は所定の移動局から受信された信号のパワーレベルをしきい値と比較する。その後、基地局は、この比較に基づいて逆方向リンク送信パワーの増加または減少を行うように移動局に命令する。反対に、移動局はFLで受信された信号のパワーレベルを監視し、基地局に対してFLの品質に関するフィードバックを行う。閉ループ動作は、所定のリンクのレイリーフェーディングのようなフェーディングに関連したパワー変動を補償するために使用される。
【0054】
ハンドオフの直後で、パワー制御の設定の前に、MS38は初期パワーレベルで送信を開始する。RL送信パワーレベルは、MS38の送信機をディスエーブルする直前から再開してもよい。パワーレベルは、閉ループパワー制御が再開するまで、この初期レベルのままであってよい。
【0055】
別の実施形態において、パワーレベルは、送信機をディスエーブルする前に最後のレベルで開始され、その後パワー制御が再開するとき予め定められたレートで徐々に増加される。増加の速度は典型的にBS132および、またはBS234によって設定され、固定された値または変数であってよい。増加は、RL閉ループパワー制御が再開するまで連続する。
【0056】
別の実施形態は、帯域で受信された全パワーに基づいて開ループ制御により回復をスタートする。この手順は、アクセス手順に類似している。これは、MS38に可視である多数の順方向リンク基地局に対して補正されてもよい。開ループ制御は、閉ループパワー制御が再開するまで続く。図10は、この実施形態によるパワー調節を示している。水平軸は時間を表し、垂直軸は送信パワーレベルを表している。最初の時間tにおいて、送信パワーは初期パワーレベルである。最初の時間期間の後、時間tにおいて、送信パワーは予め定められたインクリメント値だけ増加される。インクリメント値は固定された値であってもよいし、あるいは時間の経過と共に増加または減少する変数であってもよい。1実施形態において、インクリメント値はシステム10の状態に適応可能であり、応答し、インクリメント値は1つの時間期間から次の時間期間まで増加あるいは減少することができる。最後に、予め定められた数の時間期間後に予め定められた最大送信パワーレベルに達することができる。その時、送信パワーは閉ループパワー制御の再開を待つシーリング(ceiling)である。
【0057】
さらに別の実施形態において、初期送信パワーは、受信されたパイロットの信号品質に基づいている。信号品質は、意図されたASに対してパイロットE/IまたはパイロットEによって測定される。開ループパワー制御において、送信パワーは典型的にT=(−R)+kとして与えられる関係を有しており、ここでkは累積補正定数であり、TはRL送信エネルギであり、RはFL受信エネルギである。閉ループパワー制御方法に対して、送信パワーは典型的にT=(−R)+k+y(t)として与えられる関係を有しており、ここでy(t)は追加の累積補正変数である。項[k+y(t)]はβと呼ばれる。別の形態においては、以下の関係はT+R=+k+y(t)を維持する。
【0058】
初期送信パワーの決定により、前の送信のβが新しい送信に対して適用される。したがって、新しい送信パワーレベルは、T(t)=(−R(t)+T(0)+R(0))として計算され、ここでT(0)は呼回復の前の送信エネルギであり、R(0)は呼回復の前の受信エネルギである。このようにして、送信パワーは、受信パワーレベルに対する送信パワーレベルの前の比にしたがって調節される。
【0059】
図11には、広域携帯電話またはパーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)のような図1のシステム10において動作する無線装置MS38が示されている。MS38は、送受信するためのアンテナ300を含んでいる。アンテナ300は、受信機通路を送信機通路から分離するデュプレクサ302に接続されている。このデュプレクサは、受信機回路308に接続されて受信機通路を形成し、増幅器304および送信機回路306に接続されて送信機通路を形成する。増幅器304はさらに、増幅器304の制御を行うパワー調節装置310に接続されている。増幅器304は送信機回路306から送信信号を受信する。
【0060】
アンテナ300を介して受信された信号は、閉ループパワー制御方式を行うパワー制御装置314に供給される。パワー制御装置314は通信バス318に接続される。通信バスはMS38内のモジュール間の共通接続を行う。通信バス318はさらにメモリ322および呼調節装置316に接続されている。メモリ322は、MS38に適応可能な種々の動作および機能のためのコンピュータ読出し可能命令を記憶している。プロセッサ320はメモリ322中に記憶された命令を行う。正常な動作条件のために、パワー制御装置はPC信号をマルチプレクサ312を介してパワー調節装置310に発生する。その後、パワー調節装置310はPC信号を増幅レベルとして増幅器304に転送する。
【0061】
呼回復が行われたとき、MS38は送信機をディスエーブルしてもよい。送信機が再度エネーブルされたとき、ハンドオフ終了信号が回復調節装置316に供給される。ハンドオフ終了信号は、予め定められたPC信号を発生するように回復調節装置316に命令する。そのようにして発生されたPC信号は、上述した初期RL送信パワー発生用方式の任意のものを行ってもよいし、あるいは別の方法を行ってもよい。ハンドオフ終了信号はまた、マルチプレクサ312を制御するように供給される。呼回復に続いて、回復調節装置316により発生されたPC信号は、パワー調節装置310に転送される。並行して、閉ループパワー制御が始まる。閉ループパワー制御が完全に再開すると、ハンドオフ終了信号が無効にされ、マルチプレクサ312はパワー制御装置314により発生されたPC信号を選択し、パワー調節装置310に供給する。回復調節装置316の動作は、ソフトウェア命令で動作するマイクロプロセッサ320によって行われてもよいし、あるいは効率的で信頼性の高い動作のためにハードウェアで行われてもよい。
【0062】
1実施形態において、MS38またはBS132の特定の動作は、特別な事象と考えられる。特別な事象には、誤トリガーを発生させる可能性のある種々の条件および手順が含まれる。換言すると、特別な事象は、呼回復トリガーが発生するが、そのトリガーがインポートを有しない状況を生じさせる可能性がある。1つの特別な事象は、移動局位置ロケータサーチである。MS38は、グローバルポジショニングシステム(GPS)用の別の周波数でサーチするように命令される。GPS情報は、MS38の位置を示す。移動局位置ロケータのサーチは周期的に行われる。典型的に、MS38はこのようなサーチのタイミングに関するアプリオリ情報を有している。別の実施形態は任意の数の特別な事象を行うことができ、それにおいてトリガーは特別事象中無効にされる。
【0063】
別の事象には、トリガーが無視されることのできる期間中にMS38によりとられるアクションが含まれていてもよい。これらのタイプの事象において、MS38はソースセルBS132に特別な事象を通知する。1実施形態において、特別な事象は候補周波数サーチであり、MS38は異なった周波数に同調して、隣接した基地局からその周波数で送られた信号を捜す。これによって、たとえば、個人通信システム(PCS)周波数とセルラー周波数との間のスイッチング等、異なった周波数のカバレージの間のトランジションをさらに良好にすることが可能になる。移動局により開始されるこのタイプの特別な事象が発生したとき、MS38は、特定の時間期間中、あるいは別の通知がなされるまでMS38に関するトリガーを無視するようにソースセルBS132に通知する。
【0064】
1実施形態によると、特別な事象中のこのような誤トリガーを避けるために、BS132のようなソースセル基地局は、少なくともサーチの開始およびそのサーチに割当てられた時間の長さを含むサーチのタイミングをMS38に通知する。MS38は、特別な事象中に呼回復を開始する呼回復トリガーをディスエーブルする。
【0065】
別の実施形態において、MS38は、まもなく発生する特別な事象をBS132に通知する。この通知に応答して、BS132は特別な事象を承認するか、その事象を拒否するか、あるいはその事象を再度スケジュール化する。再び、これによってMS38は特別な事象中に呼回復トリガーをディスエーブルするのに十分な情報を得る。
【0066】
ここにまでは、無線通信システム内において通信を維持する新しい改善された方法が説明された。移動局と対応したソースセル基地局との間の通信リンクに問題が生じているとき、移動局およびインフラストラクチャは潜在的な再開基地局と予め打合せをする(prearrange)。ソースセル基地局は、潜在的な再開局として回復可能な隣接したものの全てと交信する。回復可能な隣接したものは、予め規定されたデフォルトチャンネルを移動局とのソフトハンドオフに適合させる。デフォルトチャンネルは、ハンドオフの最初の部分中のみ一時的に使用される。各再開基地局は、送信の再開のためにデフォルトチャンネルを使用するように命令される。再開送信は、呼回復動作とみなされる。移動局は再開基地局とのソフトハンドオフを設定し、FLはデフォルトチャンネルを使用する。その後、再開基地局は別のチャンネルでの送信を開始する。ハンドオフが終了すると、再開基地局は移動局への送信に関してデフォルトチャンネルの使用を中断する。1実施形態において、ソースセル基地局は、送信中におよび通信リンク問題が大きくなる前に、回復可能な隣接したもののリストをオーバーヘッドとして移動局に提供する。このようにして、ハンドオフ情報の受信前にFLが失われる状況に対して、移動局はハンドオフを行うのに十分な情報を入手している。
【0067】
別の実施形態において、2以上のデフォルトチャンネルは隣接したものBS234に割当てられる。多数のデフォルトまたは再開チャンネルを使用することにより、システム10の呼回復能力が増加する。その後、各隣接したものはMS38のような2以上の移動局の呼回復に貢献する。動作において、呼回復の前に、ソースセルBS132は、BS234に割当てられた多数のチャンネルに対応した識別子をMS38に提供する。MS38およびBS234はそれぞれ、識別子を特定のチャンネルにマップするためのハッシュ関数のような決定性関数を記憶している。とくにハッシュ関数を使用することにより、擬似ランダム処理手順が行われる。さらに、電子製造番号がMS38に割当てられている。電子製造番号は、MS38中に記憶されてもよいし、あるいは呼回復時にMS38に提供されてもよい。呼回復時に、ソースセルBS132はMS38の電子製造番号をBS234に提供する。BS234およびMS38は共に予め定められた関数を使用して適切なデフォルトチャンネルを計算する。
【0068】
データ構造に対するハッシュ関数は、そのデータ構造中に丁度1つのプローブを使用して1組のワードセットの中のキーワードの認識を可能にする。ハッシュ関数は、その引数(argument)を予め定められたタイプの結果にマップする。ハッシュ関数は決定性であり、無国籍(stateless)である。すなわち、返却値は引数だけに依存し、等しい引数からは等しい結果が得られる。ハッシュ関数は衝突を最小化することが重要であり、ここで、衝突は、同じ値にハッシュする2つの異なった引数として定義されている。ハッシュ値の分布が均一であることもまた重要であり、すなわち、ハッシュ関数が予め定められたタイプの任意の特定の値を戻す確率は、それが任意の別の値を戻す確率とほぼ同じでなければならない。別の実施形態においては、呼回復時に多数のデフォルトチャンネルを識別するために別の形態の暗号関数が実施されてもよい。
【0069】
呼回復時、移動局の送信パワーレベルは基地局により制御されない。移動局が送信機をエネーブルするか、あるいは再開されると、選択すべき送信パワーに関する決定が行われる。1実施形態において、プリアンブルおよびPSMMの送信に対する初期パワーレベルは、呼回復の前に予め定められている。この初期レベルは固定したレベルであってもよいし、あるいはシステム構成、環境考慮事項、地理的考慮事項、使用の履歴、あるいは通信に影響を与える種々のファクタの任意のものに基づいてダイナミックに調節されてもよい。
【0070】
図1のシステムに関して、MS38は、プリアンブルおよびPSMM情報を送信するための送信パワーレベルを決定する。種々のシナリオが送信パワーを調節するために実施されることができ、図12Aおよび12Bにはその中の2つが示されている。図12Aに示されている1実施形態において、プリアンブルおよびPSMMは、kで示されている予め定められたインターバルで送信される。送信パワーレベルは、固定した値PFixedに予め定められている。この固定した値は、呼回復に入る前の最後の送信パワーレベルであってもよい。固定した送信パワーレベルは、その送信機を最後にディスエーブルしたときからのこのMS38における合計受信パワーの増加または減少である差によって調節された最後の送信パワーレベルである。その代り、送信パワーレベルは、インクリメント値Δを加算する等、前の送信パワーレベルの関数として計算されてもよい。1実施形態において、送信パワーレベルは、基地局により移動局に以前に送信された一定のレベルである。別の実施形態では、移動局の、たとえば、送信機能力に関連した限界等の限界にしたがって一定のレベルが決定される。
【0071】
示されているように、最初のプリアンブルは時間tに送信され、PSMMは時間tに送信される。プリアンブルおよびPSMMは時間tまで送信される。例示的な実施形態において、プリアンブルはPSMMの送信中にアクティブである逆方向パイロットであることに注意されたい。時間tにおいて、インターバルkが始まり、時間tまで続く。時間tにおいて、次のプリアンブルが送信される。このプロセスは、そのPSMMが受信されたBS132からMS38が肯定応答を受取るまで続行する。この肯定応答はHDMメッセージであってもよいし、あるいはPSMMのレイヤ2の肯定応答であってもよい。MS38は、それが予め定められた時間期間内にHDMまたは肯定応答を受信できなかった場合、プリアンブルおよびPSMM情報の送信を中断し、呼回復を取消す。順方向リンクが適切な送信品質を有していることがMS38により決定された場合は常に、送信パワーレベルによるパワー制御が再開される。1実施形態において、品質基準は、順方向リンクを介して2つ連続して受信された正しいフレームにより満足される。1実施形態によると、順方向リンク品質が送信に対して十分なものになり、逆パワー制御が再開すると、移動局はまた、それがプリアンブルなしでk間隔を隔てられたPSMM送信を続けるので、逆方向リンクでの正常なトラフィックの送信を再開する。送信品質基準を満足させるリンクの適切さは典型的に、システム構成およびパラメータによって決定されるが、しかしながら、いくつかの任意の基準が使用されてもよい。さらに、その基準はシステムの動作をダイナミックに調節することができる。
【0072】
図12Bは、送信機の再初期化中に送信パワーレベルが段階的に調節される別の実施形態を示している。最初のプリアンブルおよびPSMMはパワーレベルPで送信される。プリアンブルおよび後続的にパイロットチャンネルの送信パワーに対するPSMMおよびプリアンブルの合計送信パワーの比は、デシベルで表される予め定められた比yに維持されている。プリアンブルおよびPSMMは図12Aの実施形態のようにkのインターバルで繰り返されるが、しかしながら、合計送信パワーは連続する発生と共に増加する。サイズの増加は段階的であってよく、そのインクリメントまたはステップのサイズはシステムに対して予め定められ、指定されている。その代り、インクリメントまたはステップのサイズは基地局により移動局ユーザに提供されてもよい。別の実施形態では、変化する時間インターバルが実施されることができることを認識すべきである。さらに、プリアンブルおよびPSMM情報に対する送信回数は、時間にわたって、あるいは発生単位で変化してもよい。送信パワーレベルは最大値PMAXに増加する。送信パワーレベルはさらに増加するのだが、しかし連続的な送信のためにその最大値に維持されている。1実施形態において、レベルPMAXはBS132によって決定され、MS38に送信される。別の実施形態ではPMAXのレベルを固定することもできる。HDMまたはPSMMのレイヤ2肯定応答を受信したとき、移動局は正常なトラフィックおよび基地局からの逆方向パワー制御を再開する。別の実施形態によると、プリアンブルおよびPSMMの送信は、HDMまたはPSMMのレイヤ2肯定応答が受信されるまで続き、一方基地局による逆パワー制御は、順方向リンク受信品質が予め定められたレベルに達したときに再開する。
【0073】
図13は、1実施形態による呼回復中の移動局における送信機再開の方法400を示している。ステップ402において、プリアンブルおよびPSMMに対する送信パワーPTXは、回復プロセスの前の移動局の最後の送信パワーレベルPTxOLDの関数として初期化される。1実施形態において、PTXは、回復プロセスの前に移動局で受信された合計パワーPRxOLDと、および呼回復の開始後に移動局で受信された合計パワーPRxNEWとによって調節することによりPTxOLDに等しく設定される。この等化は、図13のステップ402に示されているように行われる。初期化された送信パワーレベルは、その送信機を最後にディスエーブルしたときからのこのMS38における合計受信パワーの増加または減少である差により調節された最後の送信パワーレベルである。このパワーレベルにしたがって、プリアンブルおよびPSMMが送信される。別の実施形態は、予め定められたパワーレベルを初期送信パワーとして使用することができる。移動局は、PSMM情報が送られている基地局から肯定応答を受信するのを待っている。示されている実施形態において、移動局は決定ダイヤモンドブロック404においてHDMの受信をチェックする。別の実施形態では、PSMMのレイヤ2の肯定応答がチェックされる。さらに別の実施形態においては、レイヤ2の肯定応答またはHDMのいずれかがチェックされる。移動局はプリアンブルおよびPSMM情報をkのインターバルで送信する。送信の間および送信中に、移動局はHDMをチェックし続けている。HDMがkのインターバル中に受信された場合、移動局はステップ406において正常なトラフィック処理に戻り、基地局から受信されたパワー制御命令により逆パワー制御を続行する。kのインターバル中にHDMが受信されない場合、移動局は次のプリアンブルおよびPSMMを送信する準備を整える。移動局は決定ダイヤモンドブロック408において現在の送信パワーPTxと最大パワーレベルPMAXとを比較する。1実施形態において、プロセスは、ステップ406に続いて受信された送信の品質をチェックすることに注意すべきである。1実施形態において、プロセスは2つ連続して受信された良好なフレームをチェックする。2つの連続した良好なフレームが受信されなかった場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック408に進む。しかしながら、2つの連続した良好なフレームが受信された場合は、プロセスは制御されたパワーレベルでプリアンブルおよびPSMMを送信し、決定ダイヤモンドブロック416にジャンプする。
【0074】
同様に、移動局はステップ404においてHDMまたは別のPSMMの肯定応答の受信をチェックするが、2つの連続した良好なフレームの受信後、逆方向パワー制御は再度アクティブにされることを認識すべきである。2つの連続した良好なフレームの受信に対する影響は、プリアンブルおよびPSMMに対する送信パワーを増加させるプロセスから外れることである。
【0075】
TxはPMAXより小さいとき、プロセスはステップ412に進み、PTxを増加させる。この増加は、固定したインクリメント値によるものであってもよいし、あるいは可変的な段階サイズであってもよい。別の実施形態は、各増加の前に各送信パワーレベルで多数回送信することができる。移動局は、ステップ414において調節されたパワーレベルでプリアンブルおよびPSMMを送信する。その後プロセスは決定ダイヤモンドブロック416に進み、送信機の再初期化について時間終了かどうかを決定する。PTxがPMAX以上である場合、プロセスはPMAXで送信するためにステップ410に進む。決定ダイヤモンドブロック408から続けると、時間終了でない場合、プロセスは決定ダイヤモンドブロック404に戻る。時間終了である場合、移動局はステップ418において呼回復を終了する。
【0076】
1実施形態において、基地局で呼回復を不必要にトリガーすることを避けるために、移動局ユーザは、ハードハンドオフ候補周波数をサーチしている“オフ・タイム”を報告する。このサーチ期間中、移動局ユーザは呼回復をトリガーするのに十分な時間期間のあいだ現在の周波数から外れている可能性がある。これは実際の呼回復状態ではないという表示を基地局に提供することにり、呼回復は回避される。
【0077】
送信機の再初期化と並行して、移動局は順方向リンクが回復するのを待ち、回復は典型的にその移動局で受信された2つの連続した正しいフレームによって規定される。回復のとき、逆方向パワー制御がエネーブルされる。
【0078】
以上、無線通信システムにおいてパワーレベルを調節するための新しい改善された方法および装置を説明してきた。種々の例、実施形態、特徴および図面は理解を明瞭にするために示されたものであり、本発明の技術的範囲内の別の実施形態を排除するものではない。当業者は、上記の説明において一貫して参照とされたデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボルおよびチップが、電圧、電流、電磁波、磁界または磁気粒子、光フィールドまたは粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表されることができることを認識するであろう。同様に、種々の実施形態は特定の分極方式に関して説明されているが、表明(assertion)および否定(negation)は相対的な用語であり、高いまたは低い論理レベルに厳密には限定していない。
【0079】
当業者はさらに、ここに開示されている実施形態との関連で説明された種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアおよび、またはそれらの組合せとして解釈されることができることを認識するであろう。種々の例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路およびステップは、それらの機能に関して一般的に説明されてきた。機能は、特定のアプリケーションおよびシステム全体に課せられる設計制約に応じてハードウェア、ソフトウェアまたはファームウェアとして実施される。当業者はさらに、これらの環境下におけるハードウェアおよびソフトウェアの交換可能性、ならびに記載されている機能を特定の各アプリケーションに対して実施する最良の方法を認識する。さらにフロー図に関して、可能な機能ステップは本発明の技術的範囲を逸脱せずに交換可能である。
【0080】
ここに開示されている実施形態との関連で説明されている種々の例示的な論理ブロック、モジュール、回路およびアルゴリズムステップは、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラム可能なゲートアレイ(FPGA)またはその他のプログラム可能な論理装置、ディスクリートゲートまたはトランジスタ論理、ディスクリートなハードウェアコンポーネントにより構成され、あるいは実施されることができる。ここに記載されている機能を行うように設計されたファームウェア命令のセットを実行するプロセッサ、任意の通常のプログラム可能なソフトウェアモジュールおよびプロセッサ、あるいはそれらの任意の組合せは、ここに記載されている機能を実施するように設計されることができる。プロセッサは都合よくマイクロプロセッサであることができるが、しかし別の実施形態では、プロセッサは、任意の通常のプロセッサ、制御装置、マイクロ制御装置、プログラム可能な論理装置、論理要素のアレイ、または状態マシンであってもよい。ソフトウェアはランダムアクセスメモリ(RAM)のメモリ、フラッシュメモリ、読出し専用メモリ(ROM)のメモリ、電気的にプログラム可能なROM(EPROM)メモリ、電気的消去可能なプログラム可能なROM(EEPROM)メモリ、レジスタ、ハードディスク、取り出し可能なディスク、CD−ROM、あるいは技術的に知られている任意の別の形態の記憶媒体中に配置されることができる。例示的なプロセッサは情報の読出しおよび書込みを行うように記憶媒体に有効に結合される。別の実施形態において、記憶媒体はプロセッサと一体であってもよい。プロセッサおよび記憶媒体は、特定用途向け集積回路(ASIC)内に位置していてもよい。ASICは電話機またはその他のユーザ端末内に配置されることができる。別の実施形態では、プロセッサおよび記憶媒体は電話機またはその他のユーザ端末内に配置されることができる。プロセッサはデジタル信号プロセッサ(DSP)とマイクロプロセッサとの組合せとして、あるいはDSPコア等と共同する2つのマイクロプロセッサとして構成されてもよい。
【0081】
しかしながら、ここに開示されている実施形態に対して本発明の技術的範囲を逸脱することなく種々の変更を行うことが可能であることは当業者に明らかになるであろう。上記の好ましい実施形態の説明は、当業者が本発明を構成し、あるいは使用できるようにするために示されたものである。これらの実施形態に対する種々の修正は当業者に容易に明らかになり、この明細書に規定されている一般原理は発明力を要することなく別の実施形態に適応されることができる。したがって、本発明はここに示されている実施形態に制限されるものではなく、ここに開示されている原理および新しい特徴に一致する広い技術的範囲を与えられている。
【図面の簡単な説明】
【図1】
1実施形態による無線通信システムのブロック図。
【図2】
1実施形態による図1の無線通信システムの一部分のブロック図。
【図3】
1実施形態による図2における無線システムの2つの基地局の信号品質を示すタイミング図。
【図4】
1実施形態による図1の無線通信システムの一部分の回復期間中のブロック図。
【図5】
1実施形態による無線システムの2つの基地局の信号品質を示すタイミング図。
【図6A】
1実施形態による基地局において呼回復を行う方法を示すフロー図。
【図6B】
1実施形態による基地局において呼回復を行う方法を示すフロー図。
【図7A】
1実施形態による移動局において呼回復を行う方法を示すフロー図。
【図7B】
1実施形態による移動局において呼回復を行う方法を示すフロー図。
【図8】
1実施形態による図1のシステムのアーキテクチャ層のブロック図。
【図9】
1実施形態による図1のシステムの呼回復動作を示すタイミング図。
【図10】
本発明の1実施形態による呼回復に後続する移動局における送信パワーレベルの初期化を示すタイミング図。
【図11】
1実施形態による無線通信システムにおける移動局を示すブロック図。
【図12A】
1実施形態による移動局の回復期間中における送信パワーの再開を示すタイミング図。
【図12B】
1実施形態による移動局の回復期間中における送信パワーの再開を示すタイミング図。
【図13】
1実施形態による移動局の回復期間中における送信パワーの再開を示すフロー図。

Claims (9)

  1. 第1の送信パワーレベルでパイロット強度測定メッセージを送信し、
    予め定められた期間待機し、
    第1の送信パワーレベルより大きい第2の送信パワーレベルでパイロット強度測定メッセージを送信するステップを含んでいる無線通信システムにおいて呼回復を行う方法。
  2. 第2の送信パワーレベルは、最大送信パワーレベルである請求項1記載の方法。
  3. 請求項1記載の方法を行うように動作可能なコンピュータ読出し可能な媒体上に記憶されたコンピュータプログラム。
  4. 呼回復を開始し、
    ハンドオフ指令メッセージを受信する前に送信パワーレベルをインクリメントするステップを含んでいる無線通信システムにおける方法。
  5. 各送信パワーレベルでパイロット強度測定メッセージを送信するステップをさらに含んでいる請求項4記載の方法。
  6. パイロット強度測定メッセージは、予め定められた時間インターバルで送信される請求項4記載の方法。
  7. パイロット強度測定メッセージは、プリアンブルメッセージを含んでいる請求項4記載の方法。
  8. アンテナと、
    このアンテナに結合されたプロセッサと、
    アンテナおよびプロセッサに結合された送信回路と、
    呼回復中にパイロット強度測定メッセージの送信パワーをインクリメントするようにプロセッサにより実行可能であるコンピュータ読出し可能な第1の命令セットとを含んでいる無線装置。
  9. さらに、送信パワーを最大パワーレベルより低く維持するようにプロセッサにより実行可能であるコンピュータ読出し可能な第2の命令セットを含んでいる請求項8記載の装置。
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