JP2005502147A - 興奮性神経細胞の伝達特性を記述するための人工ニューロンを有する装置、および、人工ニューロンを使って、興奮性神経細胞の伝達特性を求める方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、人工ニューロンを用いて、興奮性神経細胞の伝達特性を求めて記述することに関する。興奮性神経細胞を記述する第1の人工ニューロンは、外部シナプス活性に相応する第1の入力信号の供給用の第1の入力側と、内部シナプス活性に相応する第2の入力信号の供給用の第2の入力側と、活動電位活性に相応する出力信号の送出用の出力側とを有している。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工ニューロンを使って、興奮性神経細胞の伝達特性を求めて記述することに関する。
【0002】
[1]から、神経細胞(ニューロン)およびその生物学的機能、すなわち、神経細胞の生物学的特性を人工ニューロンによってシミュレーションすることが公知である。
【0003】
図2には、そのような、人工ニューロンによってシミュレートされる神経細胞200の構造が略示されている。
【0004】
脳の基本モジュールである、この神経細胞200は、所謂樹状突起210、すなわち、管状に、たいていかなり分岐した細い突起を有していて、この突起を用いて、神経細胞200は入力信号を受け取る。この入力信号、つまり、所謂シナプス活性は、神経細胞200内で、殊に、神経細胞の細胞体220内で処理され、電気神経パルス乃至電位(活動電位または「スパイク」活性とも呼ばれる)を伝達する。
【0005】
電気神経パルスは、神経繊維230、所謂軸索を介して伝達され、軸索は、その端部が分岐している231。
【0006】
その部分の、分枝231の端部には、脹れ部であるシナプス240が形成されており、このシナプスを介して、神経細胞200の電気神経パルスが、当該神経細胞に結合された後続の神経細胞に分配される。
【0007】
従って、そのようなシナプス240は、2つの神経細胞間のコンタクト箇所、乃至、軸索230の一端と別のニューロンの樹状突起210との間のコンタクト箇所であることが明らかである。
【0008】
更に、[1]から、2つの種類のシナプスないし神経細胞を区別することが公知であり、つまり、興奮性シナプス251乃至神経細胞、および、抑制性シナプス252乃至神経細胞に区別される。
【0009】
抑制性シナプス252は、伝送乃至伝達すべき電位を低下し、興奮性シナプス251は、伝送すべき電位を高める。
【0010】
神経細胞の構成および機能用、並びに、神経伝導路の別の実施例は、[1]に示されている。
【0011】
更に、[1]から、(生物学的)神経細胞をシミュレートした人工神経細胞(人工ニューロン)が公知である。
【0012】
具体的には、そのような人工ニューロンは、生物学的な神経細胞の伝達特性に相応して、人工ニューロンの入力量を、人工ニューロンの出力量に写像する。
【0013】
生物学的モデルによると、人工ニューロンは、3つの構成要素から成り立っている:つまり、細胞体、樹状突起、軸索の3つの構成要素からなり、樹状突起は、人工ニューロンへの入力信号を加算し、軸索は、人工ニューロンの出力信号を外側に伝導し、分岐し、シナプスを介して後続の人工ニューロンの樹状突起と結合する。
【0014】
シナプスの強さ、乃至、シナプスの種類は、たいてい数値乃至数値の符号によって示される。この値は、結合の荷重として示される。
【0015】
生物学的モデルに相応して、人工ニューロンの伝達特性乃至写像特性は、[1]に記載されているようにして写像することができる。
【0016】
生物学的モデルに対して、神経細胞を、そのような人工ニューロンによってシミュレートするのは、極めて理想状態にすぎず、即ち、人工ニューロンによって実施することができる伝達特性は、神経細胞が持っている伝達特性と一致せず、乃至、精確に一致するとは限らない。
【0017】
例えば、[1]では、殊に、興奮性神経細胞と抑制性神経細胞との間での、神経細胞の伝達特性に作用を及ぼす各神経細胞間の交互作用の影響は、理想状態では、人工ニューロンによって考慮されない。
【0018】
人工ニューロンの別の実施例、および、その機能については、[1]に示されている。
【0019】
更に、[2]から、個別ニューロンを相互に結合することが公知である。そのような、相互に結合したニューロンの配置構成は、ニューラルネットと呼ばれる。ニューラルネットの基本、例えば、ニューラルネットの種々異なる種類、ニューラルネットのトレーニング方法、生物学的神経細胞の配列構造の特徴については、[2]に説明されている。
【0020】
[3]からは、複雑系の記述時にミーンフィールドモデルを用いることが公知である。ミーンフィールドモデルでは、系の各コンポーネント間の統計的な交互作用の影響が、平均的な交互作用の影響によって近似されている。従って、解析的に記述できない統計的系を、解析的に記述可能な決定系に還元することができる。
【0021】
[4]からは、ニューロン構造の記述時にミーンフィールドモデルを用いることが公知である。
【0022】
[5]からは、公知の磁気共鳴トモグラフィの発展技術であるfMRI技術が公知である。
【0023】
従来公知の磁気共鳴トモグラフィ(核スピントモグラフィ、短縮してMRとも呼ばれる)は、負担となるエックス線ビームを用いずに人体の断面画像を形成する画像形成方法である。その代わり体組織の特性は強磁場にさらされる。体組織、例えば、脳、または、脊髄内の病気の変化の様子を検出することができる。
【0024】
体組織内、例えば、患者の脳内の機能障害は、何れにせよ、従来の磁気共鳴トモグラフィを用いて検出することができない。
【0025】
これを検出することができるのは、機能的核スピントモグラフィ、つまり、fMRI技術である。
【0026】
fMRI技術を用いて、間接的に、患者の脳の領域内で、ニューロンの活性を測定することができる。それによって、脳の個別領域内のニューラル活性と関連する所謂BOLD信号(Blood Oxygenation Level Dependent)が測定される。
【0027】
そのようなfMRI測定の結果は、所定の時間に亘る、例えば、知覚プロセスの間、特定の認識過程または運動タスクの結果としての、個別領域の活性の経過特性を示す。従って、脳の機能障害が、測定されたfMRI信号内にインプリシットに含まれる。
【0028】
数学的方法を使用して、fMRI測定が解析され、そうすることによって、脳内の機能障害およびその原因を直接推定することができるようになる。
【0029】
この解析方法には、脳内のニューロン構造およびその(伝達)特性に基づく、脳の数学モデルが含まれている。
【0030】
目下使用されている公知の解析方法は、たいてい、あまり精確でなく、従って、場合によっては診断時に誤って推定したり、効率が悪い、即ち、各々の解析方法を用いる際に遅速でコスト高であるという欠点がある。
【0031】
たいていの公知の方法での、この欠点は、一般的に、この方法に基づいて構成された、脳内のニューロン構造のモデリング、殊に、ニューロンのモデリング並びにその特性が、生物学的モデル乃至実物と不十分にしか一致していないことに起因する。
【0032】
[6]から、fMRI解析方法用のソフトウェアツール、”fmri.pro”が公知である。[7]からは、fMRI技術を実行するための装置が公知である。
【0033】
従って、本発明の課題は、機能、殊に、神経細胞の伝達特性が改善され、即ち、公知の人工ニューロンによるシミュレーションよりも、生物学的パターンと一致してシミュレーション可能な装置並びに所属の方法を提供することにある。
【0034】
この課題は、各独立請求項記載の各要件を有する方法並びに装置によって解決される。
【0035】
興奮性神経細胞の伝達特性を記述するための人工ニューロンを有する装置であって、前記神経細胞によって、外部および内部シナプス活性を活動電位活性に変換する装置において、
第1の人工ニューロンを有しており、該第1の人工ニューロンは、興奮性神経細胞を記述し、該興奮性神経細胞は、外部シナプス活性に相応する第1の入力信号の供給用の第1の入力側と、内部シナプス活性に相応する第2の入力信号の供給用の第2の入力側と、活動電位活性に相応する出力信号の送出用の出力側とを有しており、
前記第2の入力側を介して前記第1の人工ニューロンと結合された前記第2の人工ニューロンを有しており、該第2の人工ニューロンは、抑制性神経細胞を記述し、該第2の人工ニューロンは、前記第1の人工ニューロンの第2の入力信号を形成するのである。
【0036】
興奮性神経細胞の伝達特性によって、外部シナプス活性及び内部シナプス活性を活動電位活性に変換する際に、当該興奮性神経細胞の伝達特性を求めるための方法において、
人工ニューロンを用いて以下の各ステップ:
興奮性神経細胞を記述する第1の人工ニューロンに、第1の入力側で、外部シナプス活性に相応する第1の入力信号を供給し、
前記第1の人工ニューロンの第2の入力側に、内部シナプス活性に相応して、第2の入力側を介して前記第1の人工ニューロンと結合された、抑制性神経細胞を記述する第2の人工ニューロンを形成する第2の入力信号を供給し、
前記第1の人工ニューロンの出力側から、活動電位活性に相応する出力信号を取り出し、
前記第1の入力信号および前記第2の入力信号および出力信号を用いて、伝達特性を求める
のである。
【0037】
人工ニューロンとは、本発明では、計算要素に供給された各入力量を、予め決めることができる写像を用いて、当該計算要素から送出可能な出力量に写像することである。
【0038】
写像は、線形に行っても非線形に行ってもよく、抑制性神経細胞または興奮性神経細胞の機能乃至伝達特性を記述することができる。
【0039】
本発明では、興奮性神経細胞および抑制性神経細胞、ないし、第1の人工ニューロンおよび第2の人工ニューロンはユニットと見なすことができる。そのようなユニットは、「ボクセル」と呼んでもよい。
【0040】
本発明は、脳内で生起しているような、複雑な神経細胞構造の記述、並びに、その複雑な活性パターンを特に簡単且つ精確なやり方で行うことができるという特別な利点を有している。従って、本発明によると、神経細胞乃至神経細胞構造の機能障害について、高い信頼度で推定することができる。
【0041】
本発明の装置は、特に、本発明の方法、または、後述の本発明の実施例を実施するのに適している。
【0042】
本発明の有利な実施例は、従属請求項に記載されている。
【0043】
後述の実施例は、方法にも装置にも関している。
【0044】
本発明および後述の実施例は、ソフトウェアでもハードウェアでも、例えば、特別な電気回路を用いて構成してもよい。
【0045】
更に、本発明または後述の実施例を、本発明または実施例を実施するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ読み出し可能なメモリ媒体によって構成してもよい。
【0046】
本発明または後述の実施例を、本発明または実施例を実施するコンピュータプログラムが記憶されたメモリ媒体を有するコンピュータプログラム生成体によって構成してもよい。
【0047】
本発明の実施例では、別の興奮性神経細胞を記述し、且つ、第1の入力側を介して第1の人工ニューロンと結合された別の人工ニューロンによって形成するとよい。
【0048】
別の構造的な実施例では、第1の人工ニューロンは、セルフフィードバックによって、第1の人工ニューロンの別の出力側を第1の人工ニューロンの第3の入力側と結合する自己刺激信号によって自己刺激するためのセルフフィードバックを有している。
【0049】
殊に脳のように、膨大な数の個別神経細胞を有する高次の神経細胞構造の記述の場合、第1の人工ニューロンによって記述される興奮性神経細胞は、多数の興奮性神経細胞、殊に、脳または脳の領域内の多数の興奮性神経細胞を示すようにすると目的に適っている。
【0050】
それに相応して、第2のニューロンを記述する抑制性神経細胞が、殊に、脳または脳の領域内の多数の抑制性神経細胞を示すようにすると目的に適っている。
【0051】
そのような場合、多数の興奮性神経細胞および多数の抑制性神経細胞が、所定の同じ脳領域に割当られ、乃至、同じ脳領域に属していることが可能である。
【0052】
一般的に、その種の1つの代表にまとめられて、1つの代表によって記述された神経細胞は、ポピュレーションと呼ばれる。
【0053】
それに相応して、多数の抑制性の神経細胞がまとめられた場合、抑制性のポピュレーションが生じ、乃至、多数の興奮性の神経細胞がまとめられた場合、興奮性のポピュレーションが生じる。興奮性ポピュレーションおよび抑制性ポピュレーションからまとめられたユニットは、ボクセルとも呼べる。
【0054】
更に、各神経細胞を1つのポピュレーションにまとめる際、ミーンフィールドモデルが使われる。そうすることによって、個別神経細胞間の個別の交互作用の影響は考慮されず、この個別交互作用は、平均化された交互作用によって近似される。
【0055】
そのようなミーンフィールドモデルは、個別神経細胞の記述の際、または、個別ボクセルの記述の際に使ってもよい。
【0056】
例えば、脳内の、そのような高次神経細胞の記述時に、更に、少なくとも2つの、一般的にはいくつかのボクセルが相互に、信号線路を介して相互に結合される。
【0057】
2つのボクセルを、第1のボクセルの第1の人工ニューロンの出力信号が、第1の入力信号として、第2のボクセルの第1の人工ニューロンに供給され、並びに、別の入力信号として、第2のボクセルの第2の人工ニューロンに供給されるように結合することができる。
【0058】
具体的には、この場合、第1のボクセルの興奮性神経細胞は、第2のボクセルの興奮性神経細胞にも抑制性神経細胞にも結合されている。
【0059】
しかし、他の結合形態も可能である。
【0060】
生物学的モデルの記述精度を改善するために、興奮性および抑制性神経細胞を、各々の人工ニューロンによって非線形に写像するようにすると目的に適っている。
【0061】
生物学的モデルで、つまり、実際の興奮性または実際の抑制性神経細胞での測定によって、各々の入力および出力神経信号を、例えば、電流周波数に関連付けて測定することによって求めて、それから、相応の写像を抽出し、この写像を各々の神経細胞の記述時に使用するようにすると、目的に適っている。
【0062】
この写像を、生理学的及び/又は神経解剖学的知識を用いることによって決めてもよい。
【0063】
生物学的に矛盾しないようにして、写像のために、微分方程式、即ち、時間によって変わる方程式を立てると有意義であり、例えば:
【0064】
【数1】
その際:
τ:時定数
d/dt:時間変数tの導関数
a,b:神経細胞用乃至ポピュレーション用のインデックス
m=「スパイク」活性
h=シナプス活性
g(.)=写像規則
である。
【0065】
生物学的パターンの記述精度を改善するために、荷重乃至荷重値を用いて人工ニューロンの入力信号及び/又は出力信号を荷重付けしても目的に適っている。
【0066】
そのような、生理学的及び/又は神経解剖学的知識を用いて決定することができる荷重によって、生物学的モデル、例えば、神経信号を神経細胞の軸索からシナプスを介して後続の神経細胞の樹状突起への伝達をシミュレートする神経伝導路、殊に、シナプス伝達をシミュレートすることができる。本発明の実施例では、生物学的モデルのシミュレーション時の理想化の範囲内で、荷重は全て、同じ、及び/又は、時間によって変わらないように設定される。
【0067】
本発明の別の実施例では、生物学的モデルでの活性電位または「スパイク」活性に相応する出力信号は、活性電位の数及び/又は統計量が出力信号から求められるように後続処理される。
【0068】
従って、実施例によって記述された神経細胞の活性、即ち、神経細胞のニューロン活性の程度乃至高さを推定することができる。
【0069】
実施例では、本発明が、機能的核磁気共鳴トモグラフィ(fMRI)で使用されている。この実施例では、患者の脳の活性が、その脳の所定の活性状態で、活性状態がBlood Oxygenation Level Dependent(BOLD)信号によって記述され、この信号がfMRIによって測定され、BOLD信号の場合に、第1の入力信号として、本発明を用いて、脳の活性を示す出力信号が求められる。
【0070】
本発明の実施例について、図示の実施例を用いて、以下詳細に説明する。
【0071】
その際、
図1は、1実施例によるボクセル内の神経伝導路を略示した図、
図2は、神経細胞の構造を略示した図、
図3は、1実施例によるfMRIを実施する装置を示す図、
図4は、1実施例による人工ボクセルでの神経伝導路の略図、
図5は、1実施例によるボクセルでの神経伝導路のステップ略図、
図6は、1実施例による相互に結合された2つのボクセルでの神経伝導路の略図、
図7は、ボクセルの伝達特性を記述する、入力信号および出力信号を用いた1実施例によるボクセルの伝達特性の略図
である。
【0072】
実施例:機能的核スピントモグラフィ
図3は、核スピントモグラフィ乃至核磁気共鳴トモグラフィ(略語:fMRI)、機能的核スピントモグラフ乃至磁気共鳴トモグラフ300を示す。
【0073】
[5]からは、公知の磁気共鳴トモグラフィの発展技術であるfMRI技術の原理が公知である。
【0074】
核スピントモグラフ300は、閉じたチューブ310を有しており、チューブは、マグネット320内に、マグネットがチューブ310内に強い磁場を形成するように装着されている。
【0075】
さらに、核スピントモグラフィ300は、チューブ310内で移動可能な患者用ガントリ330を有しており、このガントリの上に、検査の際に患者が載置される。
【0076】
更に、核スピントモグラフ300は、制御装置331を有しており、この制御装置は、検査の際に患者用ガントリ330をコントロールおよび制御することができ、例えば、チューブ320内に患者用ガントリ330を装入するのを制御することができる。
【0077】
別のコンポーネントとして、核スピントモグラフ300は、BOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)の測定用の測定装置340、測定されたBOLD信号の評価用の評価装置341を有しており、この場合、高性能コンピュータ、ならびに、操作員用の操作乃至相互作用装置342、検査結果の表示用の表示装置343を有している。
【0078】
核スピントモグラフ300のコンポーネントは、例えば、データおよび信号が伝送可能な、信号またはデータ線路を介して、機能上相互に接続されている。
【0079】
図3に示されている機能的核スピントモグラフ300は、fMRI技術に基づいて、患者の脳領域内のニューラル活性を測定することができる。
【0080】
そのために、測定装置340を用いて、各々の領域内のニューラル活性と関連した、患者の脳の個別領域内でBOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)が測定される。
【0081】
そのようなfMRI測定の結果は、所定時間に亘る、例えば、所定の知覚プロセスまたは検査中患者によって実行される運動過程の結果としての認識過程中の個別領域の活性の経過を示す。患者脳内の機能障害は、従って、測定されたfMRI信号内にインプリシットに含まれている。
【0082】
相応の解析方法を利用する、ないし、実行する評価装置341を使用して、fMRI測定、即ち、脳の個別領域内で測定されたBOLD信号が解析され、そうすることによって、脳の活性が、脳内の検査領域内の相応の活性パターンの形式で求められ、それから、脳内の機能障害と、その原因を直接推定することができる。
【0083】
評価装置340によって利用される解析方法には、能内のニューロン構造、および、その(伝達)特性に基づく脳のモデルが形成され、このモデルに基づいて、測定されたBOLD信号が解析されて、評価される。
【0084】
解析方法、ならびに、脳のモデル、脳内のニューロン構造およびその(伝達)特性について、以下、図1および4の図を用いて説明する。
【0085】
検査の結果乃至推定は、表示装置343に表示され、評価装置341と接続された操作および相互作用装置342を用いて更に処理される。
【0086】
評価方法の基礎
一般的に、使われている図では、信号線路内での信号の流れ方向、例えば、神経伝導路内での神経信号の流れ方向は、矢印方向によって示されている。
【0087】
図1には、相互に結合された個別神経細胞を含む膨大な数の、脳内の複雑な神経細胞構造が示されている。
【0088】
この基本構造100、ボクセルでは、興奮性神経細胞101は、抑制性神経細胞102と第1の神経伝導路103と第2の神経伝導路104を介して結合されており、その際、抑制性神経細胞102の神経信号は、興奮性神経細胞101に伝達可能であり、興奮性神経細胞101の神経信号は、抑制性神経細胞102に伝達可能である。
【0089】
更に、興奮性神経細胞101は、第3の神経伝導路105(樹状突起)を有しており、この第3の神経伝導路105(樹状突起)を用いて、別のボクセルの別の神経細胞の神経信号が、興奮性神経細胞101内に伝達可能である(シナプス後活性h)。
【0090】
興奮性神経細胞101は、第4の神経伝導路106(軸索)を有しており、この軸索を用いて、神経信号が、興奮性神経細胞101から第2の別のボクセルの第2の別の神経細胞に伝達可能である(スパイク活性M)。
【0091】
更に、興奮性神経細胞101および抑制性神経細胞102は、各々自己刺激神経伝導路107および108を有している。
【0092】
各神経伝導路103〜108には、荷重w(w1〜w6;111〜116)が割当られており、各荷重は、各々の神経信号のシナプス伝達を示す。
【0093】
図4には、図1に示されたボクセル100の相応のボクセルモデル400が示されている。
【0094】
本質、構成、機能の点で相応の生物学的および所属のモデル化された各コンポーネントは、同じ参照記号を付けている。
【0095】
このボクセルモデル400では、第1の人工ニューロン101は、第1の信号伝導路103と第2の信号伝導路104とを介して、第2の人工ニューロン102と結合されており、第2の人工ニューロン102の信号は、第1の人工ニューロン101に伝達可能であり、第1の人工ニューロン101の信号は、第2の人工ニューロン101に伝達可能である。
【0096】
更に、第1の人工ニューロン101は、第3の信号伝導路105を有しており、この第3の信号伝導路105を用いて、別のボクセルの別の人工ニューロンの信号が、第1の人工ニューロン101に伝達可能である(シナプス後活性h)。
【0097】
人工ニューロン101は、第4の信号伝導路106を有しており、この第4の信号伝導路106を用いて、信号が第1の人工ニューロン101から第2の別のボクセルの第2の別の人工ニューロンに伝達可能である(スパイク活性M)。
【0098】
各信号伝導路103〜106には、荷重w(w1〜w4;111〜114)が割当られており、各荷重は、各信号の基礎となっている神経信号のシナプス伝達を示す。
【0099】
図5には、生物学的基本構造体100並びにボクセルモデル400で経過乃至実行されるステップ501〜504のリストアップ500が示されている。
【0100】
第1のステップ501では、外部シナプス活性に相応する興奮性神経細胞を記述するニューロンが供給される。
【0101】
第2のステップ502では、第1のニューロンの第2の入力側に、内部シナプス活性に相応していて、第2の入力側を介して第1のニューロンと結合された、抑制性神経細胞を記述する第2のニューロンから生成された第2の入力信号が供給される。
【0102】
第3のステップ503では、第1のニューロンの出力側から、活動電位活性に相応する出力信号が出力される。
【0103】
第4のステップ504では、第1の入力信号および第2の入力信号および出力信号を用いて、生物学的基本構造体100乃至ボクセル乃至モデル400の伝達特性が求められる。
【0104】
図6には、2つのボクセル乃至ボクセルモデル120および121の結合が、ボクセル100乃至ボクセルモデル400により図示されている。
【0105】
本質、構成、機能の点で、相応の生物学的および所属のモデル化された構成要素は、各々図1および図4の参照記号と同じ参照記号を有している。
【0106】
2つのボクセル乃至ボクセルモデル120および121は、第1のボクセル120の興奮性神経細胞101が、伝導路106および110を介して、第2のボクセル121の興奮性神経細胞122とも、第2のボクセル121の抑制性神経細胞123とも結合されるように相互に結合されている。
【0107】
付加的な伝導路107〜109並びに付加的な荷重115〜118が図示されている。この伝導路乃至荷重には、上述のことが相応に該当する。
【0108】
前述のボクセル乃至ボクセルモデルに関して(図1,4および6)、BOLD信号の解析用の解析方法の範囲内で使われる機能的な関連について、以下説明する:
後述の機能的な関連には、限定的ではない以下の仮定が基礎となっている。この仮定は、本発明を限定するものではなく、複雑な関連を簡単にするために使うにすぎない。本発明の基本的な観点は、それによって損なわれるものではない。
【0109】
仮定1:神経細胞構造体に、[3]および[4]に記載されているようなミーンフィールドモデルによる関連が基礎となる。
【0110】
仮定2:全ての荷重は、同じ大きさ、および、時間により変化しないものと仮定される。興奮性ニューロンの出力信号が伝達される伝導路の荷重は正である。抑制性ニューロンの出力信号が伝達される伝導路の荷重は負である。
【0111】
以下の参照記号が使われる:
e:興奮性ニューロン
i:抑制性ニューロン
1,2:ボクセル1またはボクセル2のインデックス
a,b:ポピュレーション1またはポピュレーション2のインデックス
w:荷重
h:シナプス活性、動的な場合
H:シナプス活性、静的な場合
M乃至m:スパイク活性(M:静的な場合;m:動的な場合)
τ:時定数
d/dt:時間変数tの導関数
g(.):写像規則
以下の方程式が成り立つ:
【0112】
【数2】
【0113】
【数3】
【0114】
測定されたBOLD信号の解析:
選択された脳領域の機能障害の検査時に、この領域で測定されたBOLD信号は、上述のモデルにシナプス活性(He2+Hi2)として供給される。
【0115】
モデルを使用して、このモデルから、相応の活性Me2が、選択された脳領域内のニューラル活性の直接量として求められる。
【0116】
図7には、例として、第1および第2の脳領域用の、そのようなBOLD信号の第1および第2の時間経過特性701および702が、それから求められた第1および第2のスパイク活性乃至相応の第1および第2のニューラル活性パターンの第1および第2の所属の時間経過特性711および712と共に示されている。
【0117】
スパイク活性Me2の信号経過特性、乃至、この信号経過特性によって形成された、脳領域内の活性パターンが、この領域内の機能障害として検出可能である。
【0118】
この明細書で、以下の刊行物が引用されている:
[1] Zell,A.,”Simulation Neuronaler Netze”,S.35〜51,S.55〜86,Addison−Wesley Longman Verlag GmbH,1994,3.Unveraenderter Nachdruck,R.Oldenbourg Verlag,ISBN 3−486−24350−0,2000
[2] Zell,A.,”Simulation Neuronaler Netze”,S.87〜114,Addison−Wesley Longman Verlag GmbH,1994,3.Unveraenderter Nachdruck,R.Oldenbourg Verlag,ISBN 3−486−24350−0,2000
[3] J.J.Binney,N.J.Dowrick,A.J.Fischer,M.E.J.Newman,”The Theory of Critical Phenomena”,Kap.6:Mean−Field Theory, Clarendon Press Oxford 1992
[4] C.Koch,I.Segev(Hrsg), ”Methods of Neural Modeling:From Ions to Networks”, Kap 13: D.Hansel and H. Sompolinsky: ”Modeling Feature Selectivity in Local Circuits”,MIT Press, Cambridge, 1998
[5] A.W.Toga and J.C.Maziotta (Hrsg), ”Brain Mapping: The Methods”, Kap 9: M.S. Cohen: ”Rapid MRI and Functional Applications”, Academic Press 1996
[6] Beschreibung fuer eine Software ”fmri.pro” zur quantitativen fMRI−Analyse, erhaeltlich am 07.09.2001, unter
http://www/med.uni−muenchen.de/radin/html/
arbeitsgruppen/fmri/ccfmri.html
[7] Beschreibung fMRI−Geraet,erhaeltlich am 07.09.2001, unter http://www.unipublic.unizh.ch/campus/uni−news/2001/0147/fmri.html
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】1実施例によるボクセル内の神経伝導路を略示した図
【図2】神経細胞の構造を略示した図
【図3】1実施例によるfMRIを実施する装置を示す図
【図4】1実施例による人工ボクセルでの神経伝導路の略図
【図5】1実施例によるボクセルでの神経伝導路のステップ略図
【図6】1実施例による相互に結合された2つのボクセルでの神経伝導路の略図
【図7】ボクセルの伝達特性を記述する、入力信号および出力信号を用いた1実施例によるボクセルの伝達特性の略図
【0001】
本発明は、人工ニューロンを使って、興奮性神経細胞の伝達特性を求めて記述することに関する。
【0002】
[1]から、神経細胞(ニューロン)およびその生物学的機能、すなわち、神経細胞の生物学的特性を人工ニューロンによってシミュレーションすることが公知である。
【0003】
図2には、そのような、人工ニューロンによってシミュレートされる神経細胞200の構造が略示されている。
【0004】
脳の基本モジュールである、この神経細胞200は、所謂樹状突起210、すなわち、管状に、たいていかなり分岐した細い突起を有していて、この突起を用いて、神経細胞200は入力信号を受け取る。この入力信号、つまり、所謂シナプス活性は、神経細胞200内で、殊に、神経細胞の細胞体220内で処理され、電気神経パルス乃至電位(活動電位または「スパイク」活性とも呼ばれる)を伝達する。
【0005】
電気神経パルスは、神経繊維230、所謂軸索を介して伝達され、軸索は、その端部が分岐している231。
【0006】
その部分の、分枝231の端部には、脹れ部であるシナプス240が形成されており、このシナプスを介して、神経細胞200の電気神経パルスが、当該神経細胞に結合された後続の神経細胞に分配される。
【0007】
従って、そのようなシナプス240は、2つの神経細胞間のコンタクト箇所、乃至、軸索230の一端と別のニューロンの樹状突起210との間のコンタクト箇所であることが明らかである。
【0008】
更に、[1]から、2つの種類のシナプスないし神経細胞を区別することが公知であり、つまり、興奮性シナプス251乃至神経細胞、および、抑制性シナプス252乃至神経細胞に区別される。
【0009】
抑制性シナプス252は、伝送乃至伝達すべき電位を低下し、興奮性シナプス251は、伝送すべき電位を高める。
【0010】
神経細胞の構成および機能用、並びに、神経伝導路の別の実施例は、[1]に示されている。
【0011】
更に、[1]から、(生物学的)神経細胞をシミュレートした人工神経細胞(人工ニューロン)が公知である。
【0012】
具体的には、そのような人工ニューロンは、生物学的な神経細胞の伝達特性に相応して、人工ニューロンの入力量を、人工ニューロンの出力量に写像する。
【0013】
生物学的モデルによると、人工ニューロンは、3つの構成要素から成り立っている:つまり、細胞体、樹状突起、軸索の3つの構成要素からなり、樹状突起は、人工ニューロンへの入力信号を加算し、軸索は、人工ニューロンの出力信号を外側に伝導し、分岐し、シナプスを介して後続の人工ニューロンの樹状突起と結合する。
【0014】
シナプスの強さ、乃至、シナプスの種類は、たいてい数値乃至数値の符号によって示される。この値は、結合の荷重として示される。
【0015】
生物学的モデルに相応して、人工ニューロンの伝達特性乃至写像特性は、[1]に記載されているようにして写像することができる。
【0016】
生物学的モデルに対して、神経細胞を、そのような人工ニューロンによってシミュレートするのは、極めて理想状態にすぎず、即ち、人工ニューロンによって実施することができる伝達特性は、神経細胞が持っている伝達特性と一致せず、乃至、精確に一致するとは限らない。
【0017】
例えば、[1]では、殊に、興奮性神経細胞と抑制性神経細胞との間での、神経細胞の伝達特性に作用を及ぼす各神経細胞間の交互作用の影響は、理想状態では、人工ニューロンによって考慮されない。
【0018】
人工ニューロンの別の実施例、および、その機能については、[1]に示されている。
【0019】
更に、[2]から、個別ニューロンを相互に結合することが公知である。そのような、相互に結合したニューロンの配置構成は、ニューラルネットと呼ばれる。ニューラルネットの基本、例えば、ニューラルネットの種々異なる種類、ニューラルネットのトレーニング方法、生物学的神経細胞の配列構造の特徴については、[2]に説明されている。
【0020】
[3]からは、複雑系の記述時にミーンフィールドモデルを用いることが公知である。ミーンフィールドモデルでは、系の各コンポーネント間の統計的な交互作用の影響が、平均的な交互作用の影響によって近似されている。従って、解析的に記述できない統計的系を、解析的に記述可能な決定系に還元することができる。
【0021】
[4]からは、ニューロン構造の記述時にミーンフィールドモデルを用いることが公知である。
【0022】
[5]からは、公知の磁気共鳴トモグラフィの発展技術であるfMRI技術が公知である。
【0023】
従来公知の磁気共鳴トモグラフィ(核スピントモグラフィ、短縮してMRとも呼ばれる)は、負担となるエックス線ビームを用いずに人体の断面画像を形成する画像形成方法である。その代わり体組織の特性は強磁場にさらされる。体組織、例えば、脳、または、脊髄内の病気の変化の様子を検出することができる。
【0024】
体組織内、例えば、患者の脳内の機能障害は、何れにせよ、従来の磁気共鳴トモグラフィを用いて検出することができない。
【0025】
これを検出することができるのは、機能的核スピントモグラフィ、つまり、fMRI技術である。
【0026】
fMRI技術を用いて、間接的に、患者の脳の領域内で、ニューロンの活性を測定することができる。それによって、脳の個別領域内のニューラル活性と関連する所謂BOLD信号(Blood Oxygenation Level Dependent)が測定される。
【0027】
そのようなfMRI測定の結果は、所定の時間に亘る、例えば、知覚プロセスの間、特定の認識過程または運動タスクの結果としての、個別領域の活性の経過特性を示す。従って、脳の機能障害が、測定されたfMRI信号内にインプリシットに含まれる。
【0028】
数学的方法を使用して、fMRI測定が解析され、そうすることによって、脳内の機能障害およびその原因を直接推定することができるようになる。
【0029】
この解析方法には、脳内のニューロン構造およびその(伝達)特性に基づく、脳の数学モデルが含まれている。
【0030】
目下使用されている公知の解析方法は、たいてい、あまり精確でなく、従って、場合によっては診断時に誤って推定したり、効率が悪い、即ち、各々の解析方法を用いる際に遅速でコスト高であるという欠点がある。
【0031】
たいていの公知の方法での、この欠点は、一般的に、この方法に基づいて構成された、脳内のニューロン構造のモデリング、殊に、ニューロンのモデリング並びにその特性が、生物学的モデル乃至実物と不十分にしか一致していないことに起因する。
【0032】
[6]から、fMRI解析方法用のソフトウェアツール、”fmri.pro”が公知である。[7]からは、fMRI技術を実行するための装置が公知である。
【0033】
従って、本発明の課題は、機能、殊に、神経細胞の伝達特性が改善され、即ち、公知の人工ニューロンによるシミュレーションよりも、生物学的パターンと一致してシミュレーション可能な装置並びに所属の方法を提供することにある。
【0034】
この課題は、各独立請求項記載の各要件を有する方法並びに装置によって解決される。
【0035】
興奮性神経細胞の伝達特性を記述するための人工ニューロンを有する装置であって、前記神経細胞によって、外部および内部シナプス活性を活動電位活性に変換する装置において、
第1の人工ニューロンを有しており、該第1の人工ニューロンは、興奮性神経細胞を記述し、該興奮性神経細胞は、外部シナプス活性に相応する第1の入力信号の供給用の第1の入力側と、内部シナプス活性に相応する第2の入力信号の供給用の第2の入力側と、活動電位活性に相応する出力信号の送出用の出力側とを有しており、
前記第2の入力側を介して前記第1の人工ニューロンと結合された前記第2の人工ニューロンを有しており、該第2の人工ニューロンは、抑制性神経細胞を記述し、該第2の人工ニューロンは、前記第1の人工ニューロンの第2の入力信号を形成するのである。
【0036】
興奮性神経細胞の伝達特性によって、外部シナプス活性及び内部シナプス活性を活動電位活性に変換する際に、当該興奮性神経細胞の伝達特性を求めるための方法において、
人工ニューロンを用いて以下の各ステップ:
興奮性神経細胞を記述する第1の人工ニューロンに、第1の入力側で、外部シナプス活性に相応する第1の入力信号を供給し、
前記第1の人工ニューロンの第2の入力側に、内部シナプス活性に相応して、第2の入力側を介して前記第1の人工ニューロンと結合された、抑制性神経細胞を記述する第2の人工ニューロンを形成する第2の入力信号を供給し、
前記第1の人工ニューロンの出力側から、活動電位活性に相応する出力信号を取り出し、
前記第1の入力信号および前記第2の入力信号および出力信号を用いて、伝達特性を求める
のである。
【0037】
人工ニューロンとは、本発明では、計算要素に供給された各入力量を、予め決めることができる写像を用いて、当該計算要素から送出可能な出力量に写像することである。
【0038】
写像は、線形に行っても非線形に行ってもよく、抑制性神経細胞または興奮性神経細胞の機能乃至伝達特性を記述することができる。
【0039】
本発明では、興奮性神経細胞および抑制性神経細胞、ないし、第1の人工ニューロンおよび第2の人工ニューロンはユニットと見なすことができる。そのようなユニットは、「ボクセル」と呼んでもよい。
【0040】
本発明は、脳内で生起しているような、複雑な神経細胞構造の記述、並びに、その複雑な活性パターンを特に簡単且つ精確なやり方で行うことができるという特別な利点を有している。従って、本発明によると、神経細胞乃至神経細胞構造の機能障害について、高い信頼度で推定することができる。
【0041】
本発明の装置は、特に、本発明の方法、または、後述の本発明の実施例を実施するのに適している。
【0042】
本発明の有利な実施例は、従属請求項に記載されている。
【0043】
後述の実施例は、方法にも装置にも関している。
【0044】
本発明および後述の実施例は、ソフトウェアでもハードウェアでも、例えば、特別な電気回路を用いて構成してもよい。
【0045】
更に、本発明または後述の実施例を、本発明または実施例を実施するコンピュータプログラムが記憶されている、コンピュータ読み出し可能なメモリ媒体によって構成してもよい。
【0046】
本発明または後述の実施例を、本発明または実施例を実施するコンピュータプログラムが記憶されたメモリ媒体を有するコンピュータプログラム生成体によって構成してもよい。
【0047】
本発明の実施例では、別の興奮性神経細胞を記述し、且つ、第1の入力側を介して第1の人工ニューロンと結合された別の人工ニューロンによって形成するとよい。
【0048】
別の構造的な実施例では、第1の人工ニューロンは、セルフフィードバックによって、第1の人工ニューロンの別の出力側を第1の人工ニューロンの第3の入力側と結合する自己刺激信号によって自己刺激するためのセルフフィードバックを有している。
【0049】
殊に脳のように、膨大な数の個別神経細胞を有する高次の神経細胞構造の記述の場合、第1の人工ニューロンによって記述される興奮性神経細胞は、多数の興奮性神経細胞、殊に、脳または脳の領域内の多数の興奮性神経細胞を示すようにすると目的に適っている。
【0050】
それに相応して、第2のニューロンを記述する抑制性神経細胞が、殊に、脳または脳の領域内の多数の抑制性神経細胞を示すようにすると目的に適っている。
【0051】
そのような場合、多数の興奮性神経細胞および多数の抑制性神経細胞が、所定の同じ脳領域に割当られ、乃至、同じ脳領域に属していることが可能である。
【0052】
一般的に、その種の1つの代表にまとめられて、1つの代表によって記述された神経細胞は、ポピュレーションと呼ばれる。
【0053】
それに相応して、多数の抑制性の神経細胞がまとめられた場合、抑制性のポピュレーションが生じ、乃至、多数の興奮性の神経細胞がまとめられた場合、興奮性のポピュレーションが生じる。興奮性ポピュレーションおよび抑制性ポピュレーションからまとめられたユニットは、ボクセルとも呼べる。
【0054】
更に、各神経細胞を1つのポピュレーションにまとめる際、ミーンフィールドモデルが使われる。そうすることによって、個別神経細胞間の個別の交互作用の影響は考慮されず、この個別交互作用は、平均化された交互作用によって近似される。
【0055】
そのようなミーンフィールドモデルは、個別神経細胞の記述の際、または、個別ボクセルの記述の際に使ってもよい。
【0056】
例えば、脳内の、そのような高次神経細胞の記述時に、更に、少なくとも2つの、一般的にはいくつかのボクセルが相互に、信号線路を介して相互に結合される。
【0057】
2つのボクセルを、第1のボクセルの第1の人工ニューロンの出力信号が、第1の入力信号として、第2のボクセルの第1の人工ニューロンに供給され、並びに、別の入力信号として、第2のボクセルの第2の人工ニューロンに供給されるように結合することができる。
【0058】
具体的には、この場合、第1のボクセルの興奮性神経細胞は、第2のボクセルの興奮性神経細胞にも抑制性神経細胞にも結合されている。
【0059】
しかし、他の結合形態も可能である。
【0060】
生物学的モデルの記述精度を改善するために、興奮性および抑制性神経細胞を、各々の人工ニューロンによって非線形に写像するようにすると目的に適っている。
【0061】
生物学的モデルで、つまり、実際の興奮性または実際の抑制性神経細胞での測定によって、各々の入力および出力神経信号を、例えば、電流周波数に関連付けて測定することによって求めて、それから、相応の写像を抽出し、この写像を各々の神経細胞の記述時に使用するようにすると、目的に適っている。
【0062】
この写像を、生理学的及び/又は神経解剖学的知識を用いることによって決めてもよい。
【0063】
生物学的に矛盾しないようにして、写像のために、微分方程式、即ち、時間によって変わる方程式を立てると有意義であり、例えば:
【0064】
【数1】
その際:
τ:時定数
d/dt:時間変数tの導関数
a,b:神経細胞用乃至ポピュレーション用のインデックス
m=「スパイク」活性
h=シナプス活性
g(.)=写像規則
である。
【0065】
生物学的パターンの記述精度を改善するために、荷重乃至荷重値を用いて人工ニューロンの入力信号及び/又は出力信号を荷重付けしても目的に適っている。
【0066】
そのような、生理学的及び/又は神経解剖学的知識を用いて決定することができる荷重によって、生物学的モデル、例えば、神経信号を神経細胞の軸索からシナプスを介して後続の神経細胞の樹状突起への伝達をシミュレートする神経伝導路、殊に、シナプス伝達をシミュレートすることができる。本発明の実施例では、生物学的モデルのシミュレーション時の理想化の範囲内で、荷重は全て、同じ、及び/又は、時間によって変わらないように設定される。
【0067】
本発明の別の実施例では、生物学的モデルでの活性電位または「スパイク」活性に相応する出力信号は、活性電位の数及び/又は統計量が出力信号から求められるように後続処理される。
【0068】
従って、実施例によって記述された神経細胞の活性、即ち、神経細胞のニューロン活性の程度乃至高さを推定することができる。
【0069】
実施例では、本発明が、機能的核磁気共鳴トモグラフィ(fMRI)で使用されている。この実施例では、患者の脳の活性が、その脳の所定の活性状態で、活性状態がBlood Oxygenation Level Dependent(BOLD)信号によって記述され、この信号がfMRIによって測定され、BOLD信号の場合に、第1の入力信号として、本発明を用いて、脳の活性を示す出力信号が求められる。
【0070】
本発明の実施例について、図示の実施例を用いて、以下詳細に説明する。
【0071】
その際、
図1は、1実施例によるボクセル内の神経伝導路を略示した図、
図2は、神経細胞の構造を略示した図、
図3は、1実施例によるfMRIを実施する装置を示す図、
図4は、1実施例による人工ボクセルでの神経伝導路の略図、
図5は、1実施例によるボクセルでの神経伝導路のステップ略図、
図6は、1実施例による相互に結合された2つのボクセルでの神経伝導路の略図、
図7は、ボクセルの伝達特性を記述する、入力信号および出力信号を用いた1実施例によるボクセルの伝達特性の略図
である。
【0072】
実施例:機能的核スピントモグラフィ
図3は、核スピントモグラフィ乃至核磁気共鳴トモグラフィ(略語:fMRI)、機能的核スピントモグラフ乃至磁気共鳴トモグラフ300を示す。
【0073】
[5]からは、公知の磁気共鳴トモグラフィの発展技術であるfMRI技術の原理が公知である。
【0074】
核スピントモグラフ300は、閉じたチューブ310を有しており、チューブは、マグネット320内に、マグネットがチューブ310内に強い磁場を形成するように装着されている。
【0075】
さらに、核スピントモグラフィ300は、チューブ310内で移動可能な患者用ガントリ330を有しており、このガントリの上に、検査の際に患者が載置される。
【0076】
更に、核スピントモグラフ300は、制御装置331を有しており、この制御装置は、検査の際に患者用ガントリ330をコントロールおよび制御することができ、例えば、チューブ320内に患者用ガントリ330を装入するのを制御することができる。
【0077】
別のコンポーネントとして、核スピントモグラフ300は、BOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)の測定用の測定装置340、測定されたBOLD信号の評価用の評価装置341を有しており、この場合、高性能コンピュータ、ならびに、操作員用の操作乃至相互作用装置342、検査結果の表示用の表示装置343を有している。
【0078】
核スピントモグラフ300のコンポーネントは、例えば、データおよび信号が伝送可能な、信号またはデータ線路を介して、機能上相互に接続されている。
【0079】
図3に示されている機能的核スピントモグラフ300は、fMRI技術に基づいて、患者の脳領域内のニューラル活性を測定することができる。
【0080】
そのために、測定装置340を用いて、各々の領域内のニューラル活性と関連した、患者の脳の個別領域内でBOLD(Blood Oxygenation Level Dependent)が測定される。
【0081】
そのようなfMRI測定の結果は、所定時間に亘る、例えば、所定の知覚プロセスまたは検査中患者によって実行される運動過程の結果としての認識過程中の個別領域の活性の経過を示す。患者脳内の機能障害は、従って、測定されたfMRI信号内にインプリシットに含まれている。
【0082】
相応の解析方法を利用する、ないし、実行する評価装置341を使用して、fMRI測定、即ち、脳の個別領域内で測定されたBOLD信号が解析され、そうすることによって、脳の活性が、脳内の検査領域内の相応の活性パターンの形式で求められ、それから、脳内の機能障害と、その原因を直接推定することができる。
【0083】
評価装置340によって利用される解析方法には、能内のニューロン構造、および、その(伝達)特性に基づく脳のモデルが形成され、このモデルに基づいて、測定されたBOLD信号が解析されて、評価される。
【0084】
解析方法、ならびに、脳のモデル、脳内のニューロン構造およびその(伝達)特性について、以下、図1および4の図を用いて説明する。
【0085】
検査の結果乃至推定は、表示装置343に表示され、評価装置341と接続された操作および相互作用装置342を用いて更に処理される。
【0086】
評価方法の基礎
一般的に、使われている図では、信号線路内での信号の流れ方向、例えば、神経伝導路内での神経信号の流れ方向は、矢印方向によって示されている。
【0087】
図1には、相互に結合された個別神経細胞を含む膨大な数の、脳内の複雑な神経細胞構造が示されている。
【0088】
この基本構造100、ボクセルでは、興奮性神経細胞101は、抑制性神経細胞102と第1の神経伝導路103と第2の神経伝導路104を介して結合されており、その際、抑制性神経細胞102の神経信号は、興奮性神経細胞101に伝達可能であり、興奮性神経細胞101の神経信号は、抑制性神経細胞102に伝達可能である。
【0089】
更に、興奮性神経細胞101は、第3の神経伝導路105(樹状突起)を有しており、この第3の神経伝導路105(樹状突起)を用いて、別のボクセルの別の神経細胞の神経信号が、興奮性神経細胞101内に伝達可能である(シナプス後活性h)。
【0090】
興奮性神経細胞101は、第4の神経伝導路106(軸索)を有しており、この軸索を用いて、神経信号が、興奮性神経細胞101から第2の別のボクセルの第2の別の神経細胞に伝達可能である(スパイク活性M)。
【0091】
更に、興奮性神経細胞101および抑制性神経細胞102は、各々自己刺激神経伝導路107および108を有している。
【0092】
各神経伝導路103〜108には、荷重w(w1〜w6;111〜116)が割当られており、各荷重は、各々の神経信号のシナプス伝達を示す。
【0093】
図4には、図1に示されたボクセル100の相応のボクセルモデル400が示されている。
【0094】
本質、構成、機能の点で相応の生物学的および所属のモデル化された各コンポーネントは、同じ参照記号を付けている。
【0095】
このボクセルモデル400では、第1の人工ニューロン101は、第1の信号伝導路103と第2の信号伝導路104とを介して、第2の人工ニューロン102と結合されており、第2の人工ニューロン102の信号は、第1の人工ニューロン101に伝達可能であり、第1の人工ニューロン101の信号は、第2の人工ニューロン101に伝達可能である。
【0096】
更に、第1の人工ニューロン101は、第3の信号伝導路105を有しており、この第3の信号伝導路105を用いて、別のボクセルの別の人工ニューロンの信号が、第1の人工ニューロン101に伝達可能である(シナプス後活性h)。
【0097】
人工ニューロン101は、第4の信号伝導路106を有しており、この第4の信号伝導路106を用いて、信号が第1の人工ニューロン101から第2の別のボクセルの第2の別の人工ニューロンに伝達可能である(スパイク活性M)。
【0098】
各信号伝導路103〜106には、荷重w(w1〜w4;111〜114)が割当られており、各荷重は、各信号の基礎となっている神経信号のシナプス伝達を示す。
【0099】
図5には、生物学的基本構造体100並びにボクセルモデル400で経過乃至実行されるステップ501〜504のリストアップ500が示されている。
【0100】
第1のステップ501では、外部シナプス活性に相応する興奮性神経細胞を記述するニューロンが供給される。
【0101】
第2のステップ502では、第1のニューロンの第2の入力側に、内部シナプス活性に相応していて、第2の入力側を介して第1のニューロンと結合された、抑制性神経細胞を記述する第2のニューロンから生成された第2の入力信号が供給される。
【0102】
第3のステップ503では、第1のニューロンの出力側から、活動電位活性に相応する出力信号が出力される。
【0103】
第4のステップ504では、第1の入力信号および第2の入力信号および出力信号を用いて、生物学的基本構造体100乃至ボクセル乃至モデル400の伝達特性が求められる。
【0104】
図6には、2つのボクセル乃至ボクセルモデル120および121の結合が、ボクセル100乃至ボクセルモデル400により図示されている。
【0105】
本質、構成、機能の点で、相応の生物学的および所属のモデル化された構成要素は、各々図1および図4の参照記号と同じ参照記号を有している。
【0106】
2つのボクセル乃至ボクセルモデル120および121は、第1のボクセル120の興奮性神経細胞101が、伝導路106および110を介して、第2のボクセル121の興奮性神経細胞122とも、第2のボクセル121の抑制性神経細胞123とも結合されるように相互に結合されている。
【0107】
付加的な伝導路107〜109並びに付加的な荷重115〜118が図示されている。この伝導路乃至荷重には、上述のことが相応に該当する。
【0108】
前述のボクセル乃至ボクセルモデルに関して(図1,4および6)、BOLD信号の解析用の解析方法の範囲内で使われる機能的な関連について、以下説明する:
後述の機能的な関連には、限定的ではない以下の仮定が基礎となっている。この仮定は、本発明を限定するものではなく、複雑な関連を簡単にするために使うにすぎない。本発明の基本的な観点は、それによって損なわれるものではない。
【0109】
仮定1:神経細胞構造体に、[3]および[4]に記載されているようなミーンフィールドモデルによる関連が基礎となる。
【0110】
仮定2:全ての荷重は、同じ大きさ、および、時間により変化しないものと仮定される。興奮性ニューロンの出力信号が伝達される伝導路の荷重は正である。抑制性ニューロンの出力信号が伝達される伝導路の荷重は負である。
【0111】
以下の参照記号が使われる:
e:興奮性ニューロン
i:抑制性ニューロン
1,2:ボクセル1またはボクセル2のインデックス
a,b:ポピュレーション1またはポピュレーション2のインデックス
w:荷重
h:シナプス活性、動的な場合
H:シナプス活性、静的な場合
M乃至m:スパイク活性(M:静的な場合;m:動的な場合)
τ:時定数
d/dt:時間変数tの導関数
g(.):写像規則
以下の方程式が成り立つ:
【0112】
【数2】
【0113】
【数3】
【0114】
測定されたBOLD信号の解析:
選択された脳領域の機能障害の検査時に、この領域で測定されたBOLD信号は、上述のモデルにシナプス活性(He2+Hi2)として供給される。
【0115】
モデルを使用して、このモデルから、相応の活性Me2が、選択された脳領域内のニューラル活性の直接量として求められる。
【0116】
図7には、例として、第1および第2の脳領域用の、そのようなBOLD信号の第1および第2の時間経過特性701および702が、それから求められた第1および第2のスパイク活性乃至相応の第1および第2のニューラル活性パターンの第1および第2の所属の時間経過特性711および712と共に示されている。
【0117】
スパイク活性Me2の信号経過特性、乃至、この信号経過特性によって形成された、脳領域内の活性パターンが、この領域内の機能障害として検出可能である。
【0118】
この明細書で、以下の刊行物が引用されている:
[1] Zell,A.,”Simulation Neuronaler Netze”,S.35〜51,S.55〜86,Addison−Wesley Longman Verlag GmbH,1994,3.Unveraenderter Nachdruck,R.Oldenbourg Verlag,ISBN 3−486−24350−0,2000
[2] Zell,A.,”Simulation Neuronaler Netze”,S.87〜114,Addison−Wesley Longman Verlag GmbH,1994,3.Unveraenderter Nachdruck,R.Oldenbourg Verlag,ISBN 3−486−24350−0,2000
[3] J.J.Binney,N.J.Dowrick,A.J.Fischer,M.E.J.Newman,”The Theory of Critical Phenomena”,Kap.6:Mean−Field Theory, Clarendon Press Oxford 1992
[4] C.Koch,I.Segev(Hrsg), ”Methods of Neural Modeling:From Ions to Networks”, Kap 13: D.Hansel and H. Sompolinsky: ”Modeling Feature Selectivity in Local Circuits”,MIT Press, Cambridge, 1998
[5] A.W.Toga and J.C.Maziotta (Hrsg), ”Brain Mapping: The Methods”, Kap 9: M.S. Cohen: ”Rapid MRI and Functional Applications”, Academic Press 1996
[6] Beschreibung fuer eine Software ”fmri.pro” zur quantitativen fMRI−Analyse, erhaeltlich am 07.09.2001, unter
http://www/med.uni−muenchen.de/radin/html/
arbeitsgruppen/fmri/ccfmri.html
[7] Beschreibung fMRI−Geraet,erhaeltlich am 07.09.2001, unter http://www.unipublic.unizh.ch/campus/uni−news/2001/0147/fmri.html
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】1実施例によるボクセル内の神経伝導路を略示した図
【図2】神経細胞の構造を略示した図
【図3】1実施例によるfMRIを実施する装置を示す図
【図4】1実施例による人工ボクセルでの神経伝導路の略図
【図5】1実施例によるボクセルでの神経伝導路のステップ略図
【図6】1実施例による相互に結合された2つのボクセルでの神経伝導路の略図
【図7】ボクセルの伝達特性を記述する、入力信号および出力信号を用いた1実施例によるボクセルの伝達特性の略図
Claims (14)
- 興奮性神経細胞の伝達特性を記述するための人工ニューロンを有する装置であって、前記神経細胞によって、外部および内部シナプス活性を活動電位活性に変換する装置において、
第1の人工ニューロンを有しており、該第1の人工ニューロンは、興奮性神経細胞を記述し、該興奮性神経細胞は、外部シナプス活性に相応する第1の入力信号の供給用の第1の入力側と、内部シナプス活性に相応する第2の入力信号の供給用の第2の入力側と、活動電位活性に相応する出力信号の送出用の出力側とを有しており、
前記第2の入力側を介して前記第1の人工ニューロンと結合された前記第2の人工ニューロンを有しており、該第2の人工ニューロンは、抑制性神経細胞を記述し、該第2の人工ニューロンは、前記第1の人工ニューロンの第2の入力信号を形成する
ことを特徴とする装置。 - 別の興奮性神経細胞を記述して、第1の入力側を介して第1の人工ニューロンと接続されている別の人工ニューロンの第1の入力信号が形成される請求項1記載の装置。
- 第1の人工ニューロンは、自己刺激信号によって自己刺激するための自己フィードバックを有しており、該自己フィードバックによって、前記第1の人工ニューロンの別の出力側は、当該第1の人工ニューロンの第3の入力側と結合されている請求項1又は2記載の装置。
- 第1の人工ニューロンによって記述される興奮性神経細胞は、多数の興奮性神経細胞を示し、及び/又は、第2の人工ニューロンによって記述される抑制性神経細胞は、多数の抑制性神経細胞を示す請求項1から3迄の何れか1記載の装置。
- 多数の興奮性神経細胞および多数の抑制性神経細胞は、所定の脳領域に割当られている請求項4記載の装置。
- 各入力信号及び/又は各出力信号は、荷重を付けられており、該荷重付けの際、シナプス伝達の各々に相応している請求項1から5迄の何れか1記載の装置。
- 荷重は全て同じである請求項6記載の装置。
- 荷重は全て時間によって変わらない請求項6又は7記載の装置。
- 出力信号は、活性電位の数及び/又は統計量が求められるように更に処理される請求項1から8迄の何れか1記載の装置。
- 伝達特性には、ミーンフィールドモデル(Mean−Field Modell)が基礎となっている請求項1から9迄の何れか1記載の装置。
- 第1の入力信号は、Blood Oxygenation Level Dependent−Signal信号(BOLD−信号)である請求項1から10迄の何れか1記載の装置。
- 脳の活性状態がBOLD信号によって記述されて、前記BOLD信号用に第1の入力信号として、脳の活性を示す出力信号が求められるようにして、所定の活性状態用に脳活性の検出のために使用する請求項1記載の装置。
- 機能的核スピントモグラフィ(fMRI)で、第1の入力信号として使用されて、前記第1の入力信号としてのBOLD信号用に、脳活性を示す出力信号が求められるように用いる請求項11又は12記載の装置。
- 興奮性神経細胞の伝達特性によって、外部シナプス活性及び内部シナプス活性を活動電位活性に変換する際に、当該興奮性神経細胞の伝達特性を求めるための方法において、
人工ニューロンを用いて以下の各ステップ:
興奮性神経細胞を記述する第1の人工ニューロンに、第1の入力側で、外部シナプス活性に相応する第1の入力信号を供給し、
前記第1の人工ニューロンの第2の入力側に、内部シナプス活性に相応して、第2の入力側を介して前記第1の人工ニューロンと結合された、抑制性神経細胞を記述する第2の人工ニューロンを形成する第2の入力信号を供給し、
前記第1の人工ニューロンの出力側から、活動電位活性に相応する出力信号を取り出し、
前記第1の入力信号および前記第2の入力信号および出力信号を用いて、伝達特性を求める
ことを特徴とする方法。
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