JP2005501084A - 進行性腎臓線維症を治療するための非ペプチドccr1受容体アンタゴニスト - Google Patents

進行性腎臓線維症を治療するための非ペプチドccr1受容体アンタゴニスト Download PDF

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Abstract

本発明は、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む、製薬組成物に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む、製薬組成物に関する。本発明はまた、哺乳動物における進行性腎臓線維症を治療する上でこのような製薬組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
炎症過程の重要な成分は、白血球の選択個体群が循環から遊走して活性化し、患部組織中にこれらが蓄積することを伴う。白血球トラフィッキングの考えは新しいものではないが、付着分子のセレクチン及びインテグリン群、及びケモカインとして知られている選択化学走化性サイトカインの大型群の発見及び特徴付けを受けて、この考えが最近復活している。ケモカイン受容体は白血球上に発現させられ、ケモカインの結合に続いてシグナルを処理する。これにより、このようなシグナルは最終的に変換させられて、白血球がケモカイン源にむかって遊走され又は活性化される。従って、末梢血から器官、皮膚、関節又は結合組織における管外部位への白血球の遊走及び活性化を調節することにより、ケモカインは、宿主防御の維持並びに免疫応答の発生において重要な役割を果たす。
【0003】
本来、分子のケモカイン群は2つの群に分けられた。すなわち「C-X-C」サブ群及び「C-C」サブ群である。これらのサブ群の両方の特徴は、分子中の高度保存位置における4つのシステイン残基の存在である。「C-C」ケモカイン・サブ群の場合、最初の2つの残基は互いに隣接しており、これに対して、「C-X-C」サブ群の場合、単一アミノ酸残基がシステイン残基を分離する。「-C-」ケモカインという最近の記述は、「-C」ケモカインが「C-C」サブ群又は「C-X-C」サブ群中に存在する4つのシステイン残基のうちの2つを欠いている点で、新しいケモカイン群を表すと考えられる。
【0004】
ケモカインの「C-C」サブ群の1つの員は、マクロファージ炎症タンパク質-1α(「MIP-1α」)である。このMIP-1αは細胞、例えばマクロファージ、T及びBリンパ球、好中球及び線維芽細胞によって発現させられる。最近の研究(Karpus, W.J.他、J. Immunol (1995)第155巻、第5003〜5010頁参照)では、多発性硬化症のマウス試験自己免疫脳脊髄炎(EAE)モデルにおけるMIP-1αの役割が、強力にin vivoコンセプト検証されている。多発性硬化症は、T及びBリンパ球及びマクロファージによって媒介される自己免疫疾患である。この疾患により、中枢神経系内の白質に広範囲な炎症及び脱髄が生じる。この研究は、MIP-1αに対する抗体が初期疾患及び再発性疾患の両方の発生を防止し、また、中枢神経系内への単核細胞の侵入を防止するのを示した。これらの抗体による治療は、進行中の臨床疾患の重症度を改善することもできる。これらの結果により、研究者は、MIP-1αが多発性硬化症の病因学において重要な役割を果たすことを結論している。別の研究(Godiska, R他、J.Neuroimmunol. (1995), 第58巻、第167〜176頁参照)によって実証されているように、急性EAE経過中、SJLマウス(Th1疾患、例えばEAEに罹り易いマウスの菌株)の損傷及び脊髄において、MIP-1αを含む多数のケモカインに対応するmRNAがアップレギュレートされる。
【0005】
RANTESは、C-Cケモカイン・サブ群の別の員である(RANTESという名称は、タンパク質及びその遺伝子の観察され予期された本来の特徴のうちのいくつかから引き出された頭文字である:Regulated upon Activation Normal T cell Expressed presumed Secreted)。多種多様の組織がRANTESをMIP-1αと類似するパターンで発現させることが判っている。リウマチ様関節炎の進行にRANTESの異常な生成が関与しているという証拠が多数の研究から得られている。(Rathanaswami,P.他、J.Biol. Chem. (1993),第268巻、第5834〜5839頁、及びSnowden, N.他、Lancet(1994), 第343巻、第547〜548頁参照)。リウマチ様関節炎は、部分的には記憶Tリンパ球及び単球の侵入を特徴とする慢性炎症疾患である。この侵入は、炎症性組織によって放出された化学走化性因子によって媒介されると考えられている。リウマチ様関節炎の病理生理学にRANTESが関与しているという強力な証拠がその他の研究から得られている(Barnes, D.A.他、J.Clin. Invest.(1988)第101巻、第2910-2919頁及びPlater-Zyberk, C.A.他、Immunol. Lettl (1997), 第57巻、第117〜120頁参照)。例えば、ラット・アジュバント誘発型関節炎(「AIA」)モデルの場合、RANTESに対する抗体は、疾患の発生を大幅に低減した。
【0006】
これら及びその他の研究により、MIP-1αレベルが多発性硬化症のEAEモデル中で増大し、RANTESレベルがリューマチ様関節炎において増大するという強力な証拠が提供される(例えばGlabinski, A.R.他、Am. J. Pathol.(1997), 第150巻、第617〜630頁;Glabinski, A.R.他、Methods Enzymol.(1997),第288巻、第182〜190頁;及びMiyagishi, R.S.他、J.Neuroimmunol.(1997), 第77巻、第17〜26頁参照)。加えて、上述のように、これらのケモカインはT細胞及び単球のための化学誘引物質である。これらのT細胞及び単球は、これらの疾患の病理生理学に関与する主要な細胞型である。従って、これらのケモカインのうちのいずれかの活性を阻害する任意の分子が、これらの疾患を治療する上で有益となり、従って、抗炎症剤として有用となる。
【0007】
MIP-1α及びRANTESが進行性腎臓線維症に連関するという証拠もある。この進行性腎臓線維症は、末期腎臓病への進行のための主な予測因子であり、混合型の尿細管間質の白血球細胞侵入、線維芽細胞の増殖、及び、尿細管細胞壊死及びアポトーシスを引き起こす細胞外マトリックス生成の増加を特徴とする(Becker,G.J.及びHewitson, T.D., Curr.Opin. Nephrol. Hypertens.(2000), 第9巻、第133〜138頁;Harris, D.C.H., Curr. Opin. Nephrol. Hypertens.(2001), 第10巻、第303〜313頁;及びZeisberg, M.他、Curr. Opin. Nephrol Hypertens.(2001), 第10巻、第315〜320頁参照)。このプロセスにおいて、侵入マクロファージ及び侵入リンパ球が、炎症メディエーター、例えばサイトカイン、酸化窒素、成長因子、及び反応性酸素種の主要な源である。白血球侵入を阻害することにより、このような炎症メディエーターの生成量は低下する。従って白血球侵入の阻害は、進行性腎臓線維症を食い止め、また末期腎臓病を予防するか又は遅らせるための治療上の選択肢となり得る。
【0008】
白血球侵入は、局所分泌されたケモカインによってトリガーされる。高血圧又は全身性免疫疾患とは無関係な進行性腎臓線維症、片側性尿管閉塞(UUO)のために幅広く利用されるマウス・モデルにおいて、MIP-1α、RANTES及びMIP-1βの発現量は、腎臓線維症の進行と並行して増大する(Vielhauser, V.他、J. Amer. Soc. Nephrol. (2001), 第12巻、第1173〜1187頁参照)。MIP-1α及びRANTESは「C-C」ケモカイン受容体CCR1及びCCR5に対応するリガンドなので、循環する単核細胞上に配置されたこれらの受容体は、進行性腎臓線維症において有用な治療上の標的であると云える。UUO後のCCR1受容体の発現量は、そのリガンドと並行して増加する(Vielhauer, V.他、(2001)前出)。CCR1受容体は、単核細胞が炎症組織中に遊走するのを媒介することが知られているので、その活性を阻害するいかなる分子も、進行性腎臓線維症を治療する上で有益となる。
【0009】
或る特定の小分子が、RANTES及びMIP-1αの活性を阻害することによる非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストであることが最近判った。従って、これらの小分子は、抗炎症剤として有用である。国際公開第98/56771号パンフレット;米国特許出願第09/094,397号明細書(1998年6月9日出願)、米国特許第6,207,665号明細書(2001年3月27日発行);Hesselgesser, J.他 J.Biol.Chem.(1998),第273巻、第15687〜15692頁; Ng,H.P.他、J.Med.Chem(1999)、第42巻、第4680〜4694頁;Liang, M.他、Eur. J. Pharmacol. (2000a)、第389巻、第41〜49頁;Liang, M.他,J.Biol.Chem.(2000b),第275巻、第19000〜19008頁;Horuk, R.他、J.Biol.Chem.(2001a),第276巻、第4199〜4204頁;及びHoruk, R.他、Immunol.Lett.(2001b), 第76巻、第193〜201頁を参照されたい。これらの特許出願明細書及び刊行物の開示内容全体を参考のため本明細書中に引用する。
【発明の開示】
【0010】
発明の概要
本発明は、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む、製薬組成物に関する。具体的には本発明は、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤、及び、米国特許第6,207,665号明細書に開示された化合物から選択された、治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む、製薬組成物に関する。
【0011】
本発明はまた、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物を、投与を必要とする哺乳動物に投与する方法であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物を哺乳動物に投与する方法に関する。具体的には、本発明は、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物を、投与を必要とする哺乳動物に投与する方法であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤、及び、米国特許第6,207,665号明細書に開示された化合物から選択された、治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物を哺乳動物に投与する方法に関する。
【0012】
本発明はまた、哺乳動物における進行性腎臓線維症を治療する方法であって、該方法が、製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む製薬組成物を、該治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における進行性腎臓線維症を治療する方法に関する。具体的には本発明は、哺乳動物における進行性腎臓線維症を治療する方法であって、該方法が、製薬上許容可能な賦形剤、及び、米国特許第6,207,665号明細書に開示された化合物から選択された、治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む製薬組成物を、該治療を必要とする哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における進行性腎臓線維症を治療する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
発明の詳細な説明
A. 定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される下記の用語は、特に断らない限り、以下に示す意味を有する:
「アミノカルボニル」とは基-C(O)NH2を意味する。
【0014】
「フェニル」とは、任意には、ヒドロキシ、ハロ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルケニル、ニトロ、シアノ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、カルボキシ、アルコキシカルボニル及びアミノカルボニルから成る群から選択された1又は2以上の置換基により置換されたベンゼン基を意味する。
「製薬上許容可能な塩」とは、酸添加塩及び塩基添加塩の双方を含む。
「製薬上許容可能な酸添加塩」とは、遊離塩基の生物学的効果及び特性を維持し、生物学的又はその他の面で不所望ではない塩であって、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸など、並びに、有機酸、例えば酢酸、プロピオン酸、ピルビン酸、マレイン酸、マロン酸、琥珀酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸及びサリチル酸などと一緒に形成された塩を意味する。
【0015】
「製薬上許容可能な塩基添加塩」とは、遊離酸の生物学的効果及び特性を維持し、生物学的又はその他の面で不所望ではない塩を意味する。これらの塩は、無機塩基又は有機塩基を遊離酸に添加することにより調製される。無機塩基に由来する塩の一例としては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、アンモニウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、亜鉛塩及びアルミニウム塩などが挙げられる。好ましい無機塩は、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩である。有機塩基に由来する塩の一例としては、第1級アミン、第2級アミン及び第3級アミンの塩、自然発生置換型アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン及びポリアミン樹脂などが挙げられる。具体的に好ましい有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
【0016】
「ウレイド」とは、式-N(H)-C(O)-NH2の基を意味する。
上述の定義及び例から、置換型アルキル基を含有する基に関して、アルキル基の任意の炭素上に任意の置換が発生し得ることは明らかである。
「哺乳動物」は、ヒト及び家畜、例えば猫、犬、豚、牛、羊、山羊、馬及びウサギなどを含む。
「進行性腎臓線維症」とは、本発明の目的において、尿細管細胞基底膜の拡張、白血球及び線維芽細胞系統の細胞の侵入、及び線維組織による間質領域の徐々の置換を含む事象の組み合わせによる腎臓間質の拡張;及び局所的な尿細管変性及び拡張と関連する腎臓間質の拡張、を特徴とする疾患の状態を意味する。
【0017】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、それらの構造において不斉炭素原子を有していてよい。従って、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、単一立体異性体、ラセミ化合物として、また、鏡像異性体とジアステレオマーとの混合物として存在してよい。このような全ての単一立体異性体、ラセミ化合物、及びこれらの混合物は、本発明の範囲内にあるものとする。非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト内部の或る特定の炭素原子の絶対配置は、もしこれが既知の場合には、適切な絶対記述子R又はSによって示される。記述子「trans」は、R1a置換基がピペラジン平面の対向側にあることを示すために用いられる。記述子「cis」は、R1a置換基がピペラジン平面の同じ側にあることを示すために用いられる。
【0018】
本明細書中に使用される、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストのための命名法は、I.U.P.A.C.システムの改変形である。本発明において検討される非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、米国特許第6,207,665号明細書に記載されているように、ピペラジン誘導体と命名される。
【0019】
「治療上有効な量」とは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト、好ましくは下記式(I)の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの量が、これを必要とする哺乳動物、好ましくはヒトに投与された時に、進行性腎臓線維症の下記の治療に効果をもたらすのに十分であることを意味する。「治療上有効な量」を構成する本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの量は、利用される非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト、拒絶の重症度、及び治療されるべきヒトの年齢に応じてを変化させることになるが、しかし、当業者が自身の知識および本明細書の開示内容を考慮しつつ規定通りに決定することができる。
【0020】
本明細書中に使用される「治療」は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける進行性腎臓線維症の治療を対象にし、そして、
(i) 具体的には哺乳動物、好ましくはヒトの腎臓に損傷が与えられるのに続いて、進行性腎臓線維症の状態がこの哺乳動物に発生するのを予防するか;
(ii) この状態を阻害する、すなわち、進行性腎臓線維症の発生を制止するか;又は
(iii) この状態を軽減する、すなわち、進行性腎臓線維症を退行させる
ことを含む。
【0021】
B. 好ましい実施態様
「発明の概要」において上述した製薬組成物のうち、製薬組成物の好ましい群は、該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが下記式(I):
【化1】
Figure 2005501084
から、単一立体異性体又はその混合物;又は製薬上許容可能なその塩として選択された化合物であり、
上記式中:
R1aは、アルキル又はヒドロキシアルキルから成る群から独立して選択された1又は2以上の置換基であり;
R2は、第4位置でフルオロであり;
R3は、第4位置でクロロと置換され、第2位置でアミノカルボニル、ウレイド又はグリシンアミドによって置換されたフェニルであり;
R4は、-Oであり;
R5は、メチレンであり;そして
R6は、-C(O)-である、
組成物を含む。
【0022】
この製薬組成物群のうち、好ましい製薬組成物サブ群は、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(アミノカルボニル)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(trans)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(trans)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;及び
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン
から成る群から選択されている、組成物を含む。
【0023】
この製薬組成物群のうち、好ましい別の製薬組成物サブ群は、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジンである、組成物を含む。
【0024】
この製薬組成物サブ群のうち、製薬組成物の好ましいクラスは、該製薬組成物を必要とする哺乳動物がヒトである、製薬組成物を含む。
「発明の概要」において上述した投与方法のうち、方法の好ましい群は、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、投与を必要とする哺乳動物に投与される方法を含む。
【0025】
この方法群のうち、好ましい方法サブ群は、該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが下記式(I):
【化2】
Figure 2005501084
から、単一立体異性体又はその混合物;又は製薬上許容可能なその塩として選択された化合物であり、
上記式中:
R1aは、アルキル又はヒドロキシアルキルから成る群から独立して選択された1又は2以上の置換基であり;
R2は、第4位置でフルオロであり;
R3は、第4位置でクロロと置換され、第2位置でアミノカルボニル、ウレイド又はグリシンアミドによって置換されたフェニルであり;
R4は、-Oであり;
R5は、メチレンであり;そして
R6は、-C(O)-である、
方法を含む。
【0026】
この方法サブ群のうち、方法の好ましいクラスは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(アミノカルボニル)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(trans)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(trans)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;及び
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン
から成る群から選択されている、方法を含む。
【0027】
この方法サブ群のうち、方法の別の好ましいクラスは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジンである、方法を含む。
方法のこのクラスのうち、方法の好ましいサブクラスは、該投与を必要とする哺乳動物がヒトである方法を含む。
【0028】
「発明の概要」において上述した治療方法のうち、方法の好ましい群は、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが下記式(I):
【化3】
Figure 2005501084
から、単一立体異性体又はその混合物;又は製薬上許容可能なその塩として選択された化合物であり、
上記式中:
R1aは、アルキル又はヒドロキシアルキルから成る群から独立して選択された1又は2以上の置換基であり;
R2は、第4位置でフルオロであり;
R3は、第4位置でクロロと置換され、第2位置でアミノカルボニル、ウレイド又はグリシンアミドによって置換されたフェニルであり;
R4は、-Oであり;
R5は、メチレンであり;そして
R6は、-C(O)-である、
方法を含む。
【0029】
この方法サブ群のうち、方法の好ましいクラスは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(アミノカルボニル)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(trans)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(trans)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;及び
(2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン
から成る群から選択されている、方法を含む。
【0030】
この方法サブ群のうち、方法の別の好ましいクラスは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジンである、方法を含む。
この方法サブ群のうち、方法の好ましいクラスは、該治療を必要とする哺乳動物がヒトである方法を含む。
この方法サブ群のうち、方法の別の好ましいクラスは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、該治療を必要とする哺乳動物に投与される方法を含む。
【0031】
C. 発明の組成物の有用性
本明細書に開示された製薬組成物は、哺乳動物、好ましくはヒトにおける進行性腎臓線維症を治療するのに有用である。
ヒト腎臓生検研究から、或る特定のケモカイン受容体の発現を介して白血球が尿細管間質に侵入することが、腎臓病の進行に重要な役割を果たすことが明らかになってきている。(Segerer, S.他、J. Am. Soc. Nephrol. (2000), 第11巻、第152〜176頁;Segerer, S.他、Am. J. Kidney Dis.(2001), 第37巻、第518〜531頁;Furiuchi, K.他、Am J. Nephrol. (2000), 第20巻、第291〜299頁;及びGrandaliano, G.他、Kidney Int.(2000), 第58巻、第182〜192頁参照)。上述のように、進行性腎臓線維症のために広範囲に使用される動物モデルにおいて、UUO後に腎臓線維症が進行するのと並行して、CCR1受容体及びそのリガンドのうちの2種、MIP-1α及びRANTESが発現する(Vielhauer, V.他(2001)前出)。
【0032】
これらの研究に基づいて、CCR1受容体を介して作用するMIP-1α及びRANTESが、進行性腎臓線維症において重要な役割を果たすという理論を支持する証拠がある。本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、MIP-1α及びRANTESの活性を阻害することが判っている。従って、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、進行性腎臓線維症を治療する上で有用である。
【0033】
更に詳しく後述するように、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、マウスにおけるUUO後の間質細胞侵入及び進行性腎臓線維形成を実質的に低減する。具体的には、治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、進行性腎臓線維症を治療する能力を明示する。
【0034】
D. 本発明の化合物の試験
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、CCR1受容体を介して作用するケモカインMIP-1α及びRANTESの活性を阻害することを実証するために、既述のいくつかのin vitroアッセイを採用することができる。例えば米国特許第6,207,665号明細書及びHesselgesser, J.他(1998)(前出)、Ng,H.P.他(1999)(前出)、Liang, M.他(2000a)(前出)及びLiang, M.他 (2000b)を参照されたい。
【0035】
米国特許第6,207,665号明細書に開示された非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト、すなわち、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン(BX471)を、実施例1に記載されているようなin vitro結合アッセイによって、マウスCCR1受容体との結合に関して試験した。この結果を図1に示す。置換結合研究のスキャッチャード分析により明らかになったように、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471は、マウスCCR1受容体に結合する125I-MIP-1αを、215±46nMのKiで置換することができる(図1参照)。競合結合研究において、BX471は、ヒトCCR1受容体に結合する125I-MIP-1αを、1±0.3nMのKiで置換することができた(Liang, M.他(2000b)(前出)参照)。同じ非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、実施例2において後述するようなカルシウム・フラックス・アッセイを実施することにより、マウスCCR1受容体の機能性in vitroアンタゴニストであることが判った。この実施例2の結果を図2に示す。10nMのヒトMIP-1αによって誘発される細胞内Ca2++濃度の一時的な上昇は、70nMの非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471と共にヒトCCR1受容体発現細胞を前インキュベートすることにより、阻害された(図2左側参照)。ヒトCCR1受容体を阻害するためのIC50は、5.8±1 nMであることが測定された。1 nMのマウスMIP-1αによって誘発される細胞内Ca2++濃度の一時的な上昇は、10〜1000nMの非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471と共にマウスCCR1受容体発現細胞を前インキュベートすることにより、阻害された(図2右側)。マウスCCR1受容体を阻害するためのIC50は、198±7 nMであることが測定された。これらのデータは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、ヒトCCR1受容体のインヒビターほどには、マウスCCR1受容体の強力なインヒビターとはならないものの、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、in vitroでマウスCCR1受容体との結合を巡って効果的に競合し、そしてこのマウスCCR1受容体の強力な機能性アンタゴニストであることを実証した。
【0036】
実施例3において後述するように、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを用いてマウスにおいて、薬物動力学研究を行った。その結果を図3に示す。20 mg/kgの非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471を単回皮下投与した後、血漿試料を調製し、血漿中の化合物濃度をHPLC-MSによって測定した(図3参照)。BX471は〜9μMのピーク血漿レベルに30分間で達し、このレベルは2時間後に〜0.4μMまで急速に低下した。4〜8時間で、BX471血漿レベルは0.1μM未満まで低下した。この研究は、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを1日当たり20mg/kgで3回皮下投与することが、24時間の適切な薬剤レベルを提供することを示した。
【0037】
哺乳類における進行性腎臓線維症を治療する上での本発明の製薬組成物の有用性を実証するために採用可能なin vivoアッセイは、マウスUUOモデルである(例えばDiamond, J.R.他、Semin. Nephrol. (1998), 第18巻、第594〜602頁、及びHruska,K.A.他、Am J. Physiol. Renal Physiol.(2000),第280巻、第F130〜F143頁参照)。本発明の製薬組成物を、実施例4において後述するように、このin vivoアッセイにおいて試験した。実施例5において後述するように、閉塞腎臓の尿細管周囲間質における白血球の侵入及び活性化線維芽細胞の蓄積を、皮質腎臓切片の免疫組織化学によって特徴付けした。その結果を図5に示し、図4で定量化する。このモデルの場合、CD45+白血球、炎症の細胞マーカーが、UUOから6日後に閉塞腎臓の尿細管周囲間質内に蓄積し、UUOから10日後に数がさらに増大した(図5A及びB)。UUOから10日後、尿細管周囲間質内にCD45+白血球、CD3+リンパ球及びF4/80+マクロファージの顕著な侵入物が生じた。この侵入物は閉塞腎臓(黒のバー)に観察されたが、しかし閉塞されていない対側腎臓(白いバー)には観察されなかった(図4の「ビヒクル」)。このモデルの場合、活性FSP-1+線維芽細胞、線維症の細胞マーカーが、UUOから6日後に、マーキングされた尿細管拡張の領域において、閉塞腎臓の尿細管周囲間質内に蓄積し、UUOから10日後にはさらに数が増大した(図5E(FSP-1+線維芽細胞)。FSP-1+線維芽細胞の蓄積は閉塞腎臓(黒のバー)に観察されたが、しかし閉塞されていない対側腎臓(白いバー)には観察されなかった(図4の「ビヒクル」)。これらのデータは、UUOから6日後に白血球侵入及び腎臓線維症が閉塞腎臓の尿細管周囲間質内で容易に検出可能であり、そしてUUOから10日後にはさらに増大することを実証した。
【0038】
非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト、すなわち、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン(BX)20mg/kgを1日当たり3回にわたって投与された動物において、閉塞腎臓の尿細管周囲間質内の侵入白血球及び活性化線維芽細胞の平均数は有意に減少した。この投与は、UUOに続いて10日間にわたって行われるか(図4の「BX 1-10d」;及び図5Dの(CD45+白血球)及び図5Fの(FSP-1+線維芽細胞))、UUOから6〜10日後に5日間にわたって行われる(図4の「BX 6-10d」;及び図5Cの(CD45+白血球))。UUOから1〜5日後から5日間にわたって非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストで治療された動物の閉塞腎臓においては(図4の「BX 1-5d」)、侵入白血球又は活性化線維芽細胞の数は有意には減少しない。このデータは非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、UUO直後に10日にわたって、又はUUOから6〜10日後に5日間にわたって動物に投与された場合に、閉塞腎臓内の間質白血球侵入及び線維芽細胞蓄積を実質的に低減することができることを実証している。
【0039】
UUO後の閉塞腎臓における細胞侵入をさらに特徴付けするために、実施例6において後述するように、リアルタイム定量RT-PCRによって、腎臓ケモカイン受容体発現を測定した。その結果を図6に示す。UUOから10日後に、閉塞されていない腎臓と比較して閉塞された腎臓において、腎臓CCR1、CCR2及びCCR5 mRNA発現量が著しく増大した(図6AのUUO及びCLKを比較)。ビヒクル処理された動物と比較して、UUO後10日間にわたって非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471を投与されたマウスの閉塞腎臓において、腎臓CCR1(p=0.005)及びCCR5(p=0.003)mRNA発現量が有意に低減した(図6Bの「BX471」及び「ビヒクル」を比較されたい)。腎臓CCR2 mRNA発現量も低減したが、しかしこの減少は統計的な有意性には達しなかった(p=0.07)。このデータは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、UUO直後の10日間にわたって動物に投与された場合に、閉塞腎臓におけるケモカイン受容体発現細胞の侵入量を実質的に低減できることを実証した。
【0040】
CCR5+T細胞は、慢性炎症性傷害に関与するリンパ球に対するマーカーである。ヒト腎臓生検において、CCR5+T細胞は大部分が尿細管間質中に配置され、これらの存在は疾患の活性と関連する(Segerer, S.他、(2001)(前出)参照)。UUOに続いて閉塞腎臓内の細胞侵入物のケモカイン受容体発現を特徴付けするために、実施例7で後述するように、腎臓細胞分離体上でフローサイトメトリー分析を実施した。その結果を図7に示す。ビヒクル(64.3%)を投与された動物の閉塞腎臓に侵入するCCR5+ CD8+T細胞の数は、対側腎臓(44%,データは示さず)に侵入するか又は末梢血(16.7%)中に存在するCCR5+ CD8+T細胞の数と比較して、顕著に増加した(図7B)。非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471(44.2%, p=0.007)を投与された動物の閉塞腎臓に侵入するCCR5+ CD8+T細胞の数は、ビヒクルで処理された動物と比較して著しく低減された。CCR5+ CD4+T細胞、CCR2+ CD4+T細胞又はCCR2+ CD8+T細胞の数の増加は、ビヒクルで処理された動物の対側腎臓又は末梢血と比較して閉塞腎臓内には認められず、又は、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471を投与された動物と比較して、ビヒクルを投与された動物の閉塞腎臓内には認められなかった(図7、データは示さない)。このデータは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、UUO後10日間にわたって動物に投与された場合に、閉塞腎臓内のCCR5+ CD8+T細胞の侵入を低減することができた。
【0041】
UUO後の閉塞腎臓内の間質容積、コラーゲン堆積、尿細管腔損傷及び尿細管細胞損傷に対する本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を特徴付けするために、実施例4において後述するように、銀染色された腎臓切片の形態計測分析を実施した。その結果を図5に示し、図8で定量化した。拡張した尿細管の領域において線維組織が堆積するのに伴う間質空間の著しい拡張が、ビヒクルを投与された動物の閉塞腎臓内に、UUOから6〜10日後に観察された(図5G及びH)。ビヒクルを投与された動物の閉塞されていない対側腎臓(白いバー)と比較して、閉塞腎臓(黒いバー)における間質容積、間質コラーゲン、尿細管腔損傷及び尿細管細胞損傷が著しく増大した(図8の「ビヒクル」)。UUO後10日間にわたって(図8の「BX1-10d」;図5J)、又はUUOから6〜10日後5日間にわたって(図8の「BX6-10d」;図5I)非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを投与された動物の閉塞腎臓において、間質容積及び間質コラーゲンが低減した。UUOから1〜5日後5日間にわたって非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを投与された動物の閉塞腎臓内で、間質容積又は間質コラーゲンは有意には低減されなかった(図8の「BX1-5d」)。閉塞腎臓内の尿細管拡張及び尿細管上皮細胞損傷のパラメータは、CCR1受容体アンタゴニストで動物を治療することによる影響を受けなかった。これらのデータは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、UUO直後に10日間にわたって、又はUUOから6〜10日後5日間にわたって動物に投与された場合に、閉塞腎臓内の間質容積及び間質コラーゲンを実質的に低減することができることを実証した。
【0042】
UUO後の閉塞腎臓におけるコラーゲン堆積をさらに特徴付けするために、実施例6及び8において後述するように、コラーゲンI mRNA及びタンパク質の発現を評価した。その結果を図9に示す。ビヒクルで処理された動物と比較して、UUO後の10日間にわたって非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストBX471を投与された動物の閉塞腎臓内では、腎臓コラーゲンI mRNA発現量が有意に低減された(図9A;p<0.05)。特異的コラーゲンI抗体を使用したウェスタン・ブロットは、ビヒクルを投与した動物の閉塞されていない対側腎臓と比較して、閉塞腎臓に由来する腎臓抽出物中のコラーゲンIタンパク質が増大することを実証した(図9Bの「UUOビヒクル」と「CLKビヒクル」とを比較されたい)。これらのデータは、非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、UUO後10日間にわたって動物に投与された場合に、閉塞腎臓内のコラーゲンI mRNA及びタンパク質の発現量を実質的に低減できることを実証した。
【0043】
E. 本発明の組成物の投与
本発明の製薬組成物は、許容された投与様式、又は同様の有用性を提供する作用物質のうちのいずれかを介して投与することができる。従って、投与は例えば経口、鼻腔、非経口、局所、経皮、又は直腸において、固形物、半固形物、凍結乾燥粉末、又は液体投与形、例えば錠剤、座剤、丸薬、軟質弾性カプセル剤、硬質ゼラチン・カプセル剤、散剤、溶液、懸濁液又はエアロゾルなどで、好ましくは正確な用量を単純に投与するのに適した単位用量形で行うことができる。組成物はコンベンショナルな製薬キャリヤ又は賦形剤、及び作用物質としての本発明の化合物を含んでよく、さらに、その他の医薬品、薬剤、キャリヤ、アジュバントなどを含むことができる。
【0044】
一般に、所期の投与様式に応じて、製薬組成物は、組成物の約1重量%〜99重量%の活性成分、すなわち非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト又は製薬上許容可能なその塩、及びシクロスポリンAと、約99重量%〜約1重量%の好適な製薬賦形剤とを含有することになる。好ましくは、組成物は約5重量%〜75重量%が活性成分となり、残りは好適な製薬的な賦形剤である。
【0045】
好ましい投与ルートは、好都合な毎日の投与計画を用いた経口投与である。この投与計画は、心臓移植の拒絶の重症度に従って調節することができる。このような経口投与の場合、本発明の製薬組成物は、通常採用される製薬的賦形剤のうちの1又は2種以上、例えば製薬等級のマンニトール、ラクトース、澱粉、前ゼラチン化澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルカム、セルロースエーテル誘導体、グルコース、ゼラチン、サクロース、クエン酸塩、没食子酸プロピルなどを組込むことにより、形成される。このような組成物は、溶液、懸濁液、錠剤、丸薬、カプセル剤、散剤など徐放性配合物などの形態を成す。
【0046】
好ましくは、このような製薬組成物は、カプセル剤、キャプレッツ剤又は錠剤の形態を成し、従って、希釈剤、例えばラクトース、サクロース及びリン酸二カルシウムなど;崩壊剤、例えばクロスカルメロースナトリウム又はこの誘導体;滑剤、例えばステアリン酸マグネシウムなど;及びバインダー、例えば澱粉、アラビアゴム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン及びセルロースエーテル誘導体などを含有することになる。
【0047】
本発明の製薬組成物は、例えば体内でゆっくりと溶解するキャリヤ、例えばポリオキシエチレングリコール及びポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG 1000(96%)及びPEG 4000(4%)中の約0.5%〜約50%の活性成分を使用することにより、座剤になるように配合することができる。
例えば本発明の製薬組成物(約0.5%〜約20%)及び任意の製薬的なアジュバントをキャリヤ、例えば水、食塩水、水性デキストロース、グリセロール、エタノールなどに溶解、分散させるなどして溶剤又は懸濁液を形成することによって、製薬的に投与可能な液状組成物を調製することができる。
【0048】
所望の場合には、本発明の製薬組成物は少量の補助物質、例えば湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤及び酸化防止剤など、例えばクエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含有することもできる。
【0049】
上記組成物を調製するために用いることができる実際の方法が当業者に良く知られているか、或いは明らかとなる。例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, 第18版(Mack Publishing Company, Easton, Pennsylvania, 1990)。投与されるべき製薬組成物は、いかなる場合にも、製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の、進行性腎臓線維症の治療のための本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含有することになる。
【0050】
治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト、好ましくは式(I)の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、採用された特定化合物の活性;化合物の代謝安定性及び作用の長さ;患者の体重、全身的な健康状態、性別及び栄養状態;投与の様式及び時間;排泄速度;拒絶プロセスの重症性、及び治療を受ける宿主、を含む種々の因子を応じて変化することになる。一般に、治療上有効な一日用量は、1日当たり約0.14mg〜約14.3mg/体重kg;好ましくは、1日当たり約0.7mg〜約10mg/体重kg;最も好ましくは、1日当たり約1.4mg〜約7.2mg/体重kgの式(I)の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストである。例えば、体重70kgの人物に投与するためには、投与範囲は、1日当たり約10mg〜約1.0g/体重kg;好ましくは1日当たり約50mg〜約700mg/体重kg、及び最も好ましくは1日当たり約100mg〜約500mg/体重kgの非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストである。
【0051】
F . 本発明の組成物の調製
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを、米国特許第6,207,665号明細書に記載された方法に従って調製する。
本発明を実施するのを支援する指針として下記の実施例を提供するが、これらの実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0052】
実施例 1
in vitro アッセイ
非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストのためのin vitro結合アッセイ
このアッセイは、マウスCCR1受容体と結合するための、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト、好ましくは式(I)の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの親和性を実証する。
【0053】
試薬及び溶液:
ケモカイン:MIP-1α及びRANTES(Peprotech Inc.)
細胞:293MR(ヒトCCR1受容体を発現させるHEK293細胞)及び293M3X(マウスCCR1受容体を発現させるHEK293細胞)細胞株は、Hesselgesser, J.他(1998)(前出)及びLiang, M.他(2000a)(前出)に記載されている。293M3X細胞にプラスミドpEAK-Gqiをトランスフェクトすることにより、Lipofectamine(Life Technologies)を使用して、キメラGタンパク質Gqi5を過剰発現させ、続いてピューロマイシン(Edge BioSystems)中で選択することにより、293M3X/pEAK10-Gqi5細胞株を生成した。プラスミドpLEC-Gqi5-HA(Molecular Devices)からHinDIII/NotIフラグメントを、HinDIII/NotIで消化されたpEAK10(Edge BioSystems)中に連結することによって、PEAK10-Gqi5を構成した。
【0054】
リガンド:New England Nuclearから入手した125I-MIP-1α(特異的活性は2200Ci/mmol, 25μCi/バイアル)を1mL H2O中で再構成した。
【0055】
アッセイ緩衝液:130 mM NaCl, 5mM KCl, 1 mM MnCl2, 50mM Tris-HCl, 30μg/ml バシトラシン、0.1% BSA, pH7.4。
【0056】
洗浄緩衝液:リン酸緩衝溶液(PBS)
本発明の化合物:化合物のストック溶液は、100% DMSO中1mMであった。アッセイにおける最高濃度は10μMであり、化合物の効力に応じて変化することができる。最高濃度から連続1:3希釈液をアッセイ緩衝液で形成した。6つの濃度のそれぞれの化合物を典型的にはスクリーニングすることにより、用量曲線を形成し、この曲線からKi値を決定した。
【0057】
アッセイ手順:
総量100μLの96ウェル・v底マイクロタイター・プレートで、アッセイを実施した。
ヒト(293MR)又はマウス(293M3X)CCR1受容体を安定的に発現させるHEK293を成長させ、これによりT-225cm2フラスコ内に密集単層にした。細胞をPBS中で一度洗浄し、そしてアッセイ緩衝液中で約0.2〜1.0 x 106個の細胞/mLに再懸濁させた。濃度が変動する無標識MIP-1α又は化合物の存在又は不存在において、4℃で30分間にわたって、125I-MIP-1αと一緒に細胞をインキュベートした。
【0058】
Hesselgesser, J.他(1998)(前出)及びLiang, M.他(2000a)(前出)に記載されているようなケイ素/パラフィン油混合物を通して遠心分離を行うことにより、細胞懸濁液からアリコートを取り出し、緩衝液から細胞を分離することにより、反応を終了した。
【0059】
100nM又は1μMの無標識MIP-1αの存在において、非特異性結合を決定した。アッセイ内の化合物の濃度は典型的には、1:3希釈において10μM又は30nMであるのが典型的であり、より強力な化合物の濃度は、効力に応じて低くなった。
【0060】
計算:
6つの濃度ポイントを有する各化合物の用量曲線を生成し、結合データは、コンピュータ・プログラムIGOR(Wavemetrics)を備えた曲線であって、これにより、親和性及び部位数を決定した。
このアッセイで試験されると、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、マウスCCR1受容体に結合する親和性を示した。
【0061】
実施例 2
in vitro アッセイ:カルシウム・フラックス
非ペプチド CCR1 受容体アンタゴニストのための機能性 in vitro アッセイ
CCR1受容体は、遊離した細胞内カルシウムを動態化することにより、そのリガンド、MIP-1α及びRANTESの結合に応答するので、蛍光色素flou-3を使用してカルシウム・フラックス・アッセイによって生物学的活性を測定することができる。下記のアッセイにおいて、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストがこの生物学的応答をブロックする能力を測定した。
【0062】
プロトコル:
1) 実施例1に記載したように、293MR及び293M3XpEAK10-Gqi5細胞を成長させた。酵素を含有しない、PBSに基づく解離緩衝液(Life Technologies)を使用して、細胞をフラスコから浮かせた。
【0063】
2) HanksBSS(Life Technologies), 20mM Hepes, 3.2mM CaCl2, 1%熱不活性化ウシ胎仔血清、2.5mMプロベネシド、0.04%Pluronic F-127, 4μM fluo-3, pH7.4中に1〜2 x 106個の細胞/mLで再懸濁することにより、fluo-3を細胞にローディングし、そして1〜1.5時間にわたって37℃でインキュベートした。
【0064】
2) インキュベート後、これらの細胞を遠心分離し、そしてHanksBSS, 20mM Hepes, 1mM CaCl2, 1%熱不活性化ウシ胎仔血清、2.5mMプロベネシド、pH7.4中に1 x 106個の細胞/mLで再懸濁することにより、ペレット化した。
【0065】
3) 種々の濃度の本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの存在又は不存在において、37℃で15分にわたって、fluo-3がローディングされた細胞を、予めインキュベートした。
【0066】
4) 細胞を10nM MIP-1α(Peprotech Inc)で刺激し、FeliX version 1.41を実行するPTO Deltascan Model 4000分光蛍光計(Photon Technologies International)において、Ca2+放出量を時間の関数として測定した。
【0067】
5) (最大値に関して)100μLの0.1% Triton X-100を添加し、これに続いて(最小値に関して)100μLの500mMのEGTA、pH8.5を添加することによって、放出されたnM Ca2+に関して、データを補正した。
【0068】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、このアッセイで試験されると、MIP-1αとマウスCCR1受容体との結合に応答したCa2+動態化を阻害する能力を明示した。
【0069】
実施例 3
in vivo アッセイ
マウスにおける薬物動力学研究
これらの研究において、意識のある成熟した、生後第12+/-週のオスのC57BL/6マウス(Charles River)を使用した。
【0070】
1リットルの滅菌プラスチック・ボトル内にシクロデキストリン(400g, Sigma-Aldrich)を添加することにより、40%シクロデキストリンの溶液を調製した。緩衝されていない食塩水を添加し、この混合物を一晩混合して溶解した。食塩を添加して総容積1リットルにした。溶液を0.45μmフィルターを通して滅菌ボトル内に濾過し、標識付けして4℃で保存した。食塩水中の40%シクロデキストリン中に化合物を溶解することにより、化合物の20mg/mlシクロデキストリン溶液(pH3.3)を調製した。混合物を撹拌して溶解させる。溶解が完了したあと、1M KOHを添加することにより、溶液のpHを4.5に上昇させた。溶液を0.45μmフィルターを通して濾過し、そして4℃で保存した。
【0071】
40%シクロデキストリン/食塩水のビヒクル中に、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを調製し、これをマウスに皮下(s.c.)投与した(20mg/kgの単回注射)。種々の時点で、EDTAを含有する管内に心臓穿刺により血液試料を捕集し、これを遠心分離し、そして、薬剤レベルに関して分析されるまで血漿を凍結保存した。
【0072】
UV検出方法を用いたHPLC又はHPLC-MS(陽イオンモード下で作動されるエレクトロスプレイ・モード)によって、血漿試料を分析した。血漿中に構成された校正曲線を通して、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの濃度を決定し、そして同一条件下で分析した。これらの分析における内基準として、関連化合物を使用した。
【0073】
HPLC-UV 法:
1) 固定量の内基準及び混合ウェルを含有する、氷で冷却された200μL酸性メタノール(1%酢酸)に、血漿試料の100μLアリコートを添加した。
【0074】
2) 5,000 x gで遠心分離することにより、結果として生じるタンパク質沈殿物を除去し、上澄みを捕集した。
【0075】
3) 並行して、典型的には0.3〜25μMの範囲の、本発明の種々の量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストで、対照血漿試料をスパイクし、上記のように処理した。
【0076】
4) 真空蒸発器内で上澄みを乾燥するまで蒸発させ、1:2メタノール:水溶液(0.1%TFA含有)とともに再構成し、30秒間にわたって渦流形成し、そして遠心分離することにより沈殿物を除去した。
【0077】
5) YMC AQ ODS逆相カラム上に、結果として生じた上澄みを注入し、1mL/分の流量で勾配HPLC条件下で分析した。UV検出器を230nmに設定した。
【0078】
6) 勾配条件は下記の通りであった:初め、溶剤A22%/溶剤B78%;2分、溶剤A22%/溶剤B78%;33分、溶剤A45%/溶剤B55%;37分、溶剤A80%/溶剤B20%;47分、溶剤A80%/溶剤B20%;49分、初期条件へ戻る。
【0079】
7) 内基準ピークと化合物との間のピーク領域比を、基準曲線の濃度範囲全体にわたって計算し、そしてこの比を使用して校正曲線を構成した。当該化合物の濃度を、化合物と内基準ピークとの間のピーク領域比を計算することにより、この曲線から導出した。
【0080】
HPLC-MS 法:
1) 使用される方法は上述の方法と類似しているが、但しここでは、メタノール沈澱ステップで試料調製を停止させ、勾配法の代わりに短無勾配法を用いた。
【0081】
2) 3.57kVで作業されるエレクトロ・スプレイ入口と一緒にFISION VG Plattform 単四極子機器を使用した。流量1mL/分でYMC AQ ODS逆相カラムを採用した。この場合流れ全体を、214nmでUV検出器内に流入させた。
【0082】
3) この流れを分割して50μL/分を質量分析計に注入した。カラム上に50μLが注入された1試料当たり7.5分の総走行時間全体にわたって、クロマトグラムを収集した。単一陽イオン化モードでイオンを収集した。
【0083】
4) イオン電流(本発明の対照非ペプチドCCR1受容体アンタゴニスト及び内基準)よりも下の領域を積分し、そして、上述のような校正曲線を生成することにより、定量化を達成した。
【0084】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、このアッセイで試験されると、20mg/kgで皮下投与されたときに8時間にわたってマウス血漿中の十分な薬剤レベルを明示した。
【0085】
実施例 4
in vivo アッセイ
C57BL/6 マウスにおける片側性尿管閉塞
これらの研究において、意識のある成熟した、生後第12+/-週のオスのC57BL/6マウス(Charles River)を使用した。
片側性尿管閉塞(UUO)を、全身エーテル麻酔下で正中腹部切開を介して、左尿管を2/0 Mersilineで結紮した。UUOから10日後に、吸入エーテルで全身麻酔しながら頸部脱臼により殺した。個体内対照として、対側腎臓を使用した。
【0086】
群I(ビヒクル):UUO直後から開始して8時間のインターバルで10日間にわたって、50μLのビヒクル(食塩水中40%のシクロデキストリン)を対照マウスに皮下処置した。
群II(BX 1-5d): UUO直後から開始して8時間のインターバルで5日間にわたって、50μLビヒクル中20mg/kg BX471をマウスに処置した。
群III(BX 6-10d): UUOから6日後から開始して8時間のインターバルで5日間にわたって、50μLビヒクル中20mg/kg BX471をマウスに処置した。
群IV(BX 1-10d): UUO直後から開始して8時間のインターバルで10日間にわたって、50μLビヒクル中20mg/kg BX471をマウスに処置した。
【0087】
各マウスから、閉塞された、及び閉塞されていない対側腎臓を正中切断により鉛直方向に分割して、2つの半部にした。PBS中4%のホルマリン中に下半部を固定し、パラフィン中に包埋した。供給元の指示書(Bio-Optica)に従って商業的なキットを使用して、2つのμm切片を過ヨウ素酸-Schiff試薬及び銀で染色した。間質細胞をカウントするために、ブラインド観察者によって12の高出力フィールド(hpf, 400x)を分析した。1高出力フィールド当たり、陽性細胞をカウントし、糸球体フィールド又は直接的な糸球体周囲フィールドにおける陽性細胞を省いた。染色に関連するエッジの影響を回避するために、被膜下フィールド(最大50μm)は評価しなかった。
【0088】
Vielhauer, V(2001)(前出)において記載されているように、間質容積の定量化を実施した。各腎臓の銀染色された組織(hpf, 400x)のオーバーラッピングしない12の皮質フィールドの写真上に、100個(10x10)のサンプリング点を含有するグリッドをスーパーインポーズすることにより、間質容積指数(Iint)を決定した。間質空間に重なる点の数をカウントする一方、糸球体、脈管又は尿細管構造上に生じた点をカウントから排除し、そして100全ての点の数に関連付けした。間質コラーゲンに重なる点の量によって、コラーゲン沈澱(Icol)の量を表した。尿細管基底膜、ボーマン嚢又は脈管周囲組織はカウントしなかった。
【0089】
上記方法によって、尿細管細胞損傷も定量化した。尿細管細胞損傷指数(ITCD)の場合、平らにされた又は壊死性の尿細管細胞に重なる点の数をカウントし、そして全ての点の数に関連付けした。糸球体、脈管又は正常尿細管構造、並びに尿細管層をカウントから排除した。尿細管層に重なる点の数をカウントすることにより、尿細管拡張指数(ITdil)を同様に評価した。
【0090】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、このアッセイで試験されると、UUO後の閉塞腎臓における尿細管周囲間質内の白血球侵入、線維芽細胞活性化、間質容積及びコラーゲン沈澱を低減する能力を明示した。
【0091】
実施例 5
in vivo アッセイ
免疫組織化学
パラフィン包埋切片上で全ての免疫学的研究を実施した。これらの切片からパラフィンを取り除き、これらの切片を5分間にわたってマイクロ波処理し、3%ペルオキシダーゼ、アビジン及びビオチン(Vector Blocking kit, Vector Laboratories)で20分間にわたってブロックした。PBSで洗浄後、周囲温度で1時間にわたって一次抗体と一緒にスライスをインキュベートした。一次抗体として、下記ラット及びウサギ抗体:1:100ラット抗-mCD45(白血球、Pharmingen); 1:50ラット抗-F4/80(マクロファージ、Serotec); 1:50ラット抗-CD3(リンパ球、Serotec);及び1:500ラット抗-FSP1(活性化された線維芽細胞, Dr. F. Strutz, Goettingen, Germany)が使用された。供給元の指示に従って商業的なマウス・リンク及び標識キットでシグナルを検出した(Biogenix SuperSensitive)。シグナル発生のために、3-アミノ-9-エチルカルバゾール-1基質を使用した。全ての染色をhemalaun(Sigma-Aldrich)で対比染色した。
【0092】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、このアッセイで試験されると、UUO後の閉塞腎臓における尿細管周囲間質内の白血球侵入及び線維芽細胞活性化を低減する能力を明示した。
【0093】
実施例 6
in vivo アッセイ
ケモカイン受容体及びコラーゲン I mRNA 発現
各マウスから、液体窒素中で両腎臓の試験片をスナップ凍結し、-80℃で保存した。Chomczynski, P及びSacci, N., Anal. Biochem. (1987),第162巻、第156〜159頁に記載されているように、総RNAを調製した。RNAペレットを空気乾燥させ、DEPC処理水中に溶解し、そして-80℃で保存した。1μgの総RNAに、修飾MMLV逆転写酵素(Superscript, Life Technologies)を使用して、42℃で1時間にわたって、ランダム・プライム(Hexamer, Roche)逆転写を施した。熱活性化されたTaq DNAポリメラーゼ(Amplitaq Gold, PE Biosystems)を使用して、TaqMan ABI 7700 配列検出システム(PE Biosystems)においてリアルタイムRT-PCRを実施した。熱サイクラー条件を2分間50℃、10分間95℃で保持し、続いて15秒95℃及び60秒60℃の40サイクルを行った。GAPDHを基準遺伝子として使用した。下記のオリゴヌクレオチド・プライマー(300nM)及びプローブ(100nM)(PE Biosystems)を使用した:(a)マウス・コラーゲン1α1(gb X54876; bp 1984-2102); 順プライマー:5'-TGCTTTCTGCCCGGAAGA-3';逆プライマー:5'-GGGATGCCATCTCGTCCA-3';内部蛍光標識付けプローブ(FAM):5'-CCAGGGTCTCCCTTGGGTCCTACATCT-3';(b)マウスGAPDH(gb M32599, bp 730-836);順プライマー:5'-CATGGCCTTCCGTGTTCCTA-3';逆プライマー:5'-ATGCCTGCTTCACCACCTTCT-3';内部蛍光標識付けプローブ(VIC):5'-CCCAATGTGTCCGTCGTGGATCTGA-3';(c)マウスCCR1(gb NM 009912, bp 487-586);順プライマー:5'-TTAGCTTCCATGCCTGCCTTATA-3';逆プライマー;5'-TCCACTGCTTCAGGCTCTTGT-3';内部蛍光標識付けプローブ(T1):5'-ACTCACCGTACCTGTAGCCCTCATTTCCC-3';(d)マウスCCR2(gb NM 009915, bp 984-1095);順プライマー: 5'-CCTTGGGAATGAGTAACTGTGTGA-3';逆プライマー:5'-ACAAAGGCATAAATGACAGGATTAATG-3';内部蛍光標識付けプローブ(T1, FAM):5'-TGACAAGCACTTAGACCAGGCCATGCA-3';及び(e)マウスCCR5(gb D83648, bp 1065-1191);順プライマー:5'-CAAGACAATCCTGATCGTGCAA-3';逆プライマー:5'-TCCTACTCCCAAGCTGCATAGAA-3';内部蛍光標識付けプローブ(T1, FAM):5'-TCTATACCCGATCCACAGGAGAACATGAAGTTT-3'。
【0094】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、このアッセイで試験されると、UUO後の閉塞腎臓におけるケモカイン受容体及びコラーゲンI mRNAの発現を低減する能力を明示した。
【0095】
実施例 7
in vivo アッセイ
フロー・サイトメトリー
上述のように(Vielhauer, V.他(2001)(前出))、閉塞された対側腎臓から、侵入白血球を含む腎臓細胞を調製した。コラゲナーゼ型I及びデオキシリボヌクレアーゼ型III(両方ともSigma-Aldrich)で37℃で、機械的に分解された組織を消化させた。その結果生じた上澄み、及び麻酔したマウスから球後穿刺によって採取された血液試料を次いでフロー・サイトメトリーのために標識付けした。腎臓細胞懸濁液及びEDTA中の全血試料を、マウスCCR2又はCCR5に対する5μg/mLのラット・モノクローナル抗体、又は、イソタイプ対照ラットIgG2b(Pharmingen)と一緒に60分にわたって氷上でインキュベートした。洗浄後、ビオチンで標識付けされた抗ラット・ポリクローナル抗体と一緒に、次いでフィコエリトリンで標識付けされたストレプトアビジン(両方ともDakoから入手した)と一緒に、細胞をインキュベートした。白血球サブセットを同定するために、直接的に接合された下記の細胞特異的抗体の組み合わせ:CD11bフルオレセイン-イソチオシアネート(クローンM1/70)、CD4アロフィコシアニン、及びCD8 Cy-chrome(全てPharmingenから入手)の組み合わせとともに、試料を最後にインキュベートした。FACS溶解溶液(Becton-Dickenson)でエリトロサイトを溶解した後、染色された細胞をフロー・サイトメータ上で分析した(FACScalibur, Becton-Dickenson)。光散乱特性及びCD11bの発現によって単球/マクロファージを同定し、そしてCD4又はCD8の発現によって、Tリンパ球を同定した。イソタイプ対照抗体による染色に従って、ケモカイン受容体陽性細胞を定義するためのカットオフを設定した。ほぼ100,000個のゲート事象を各分析において捕集した。
【0096】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、アッセイで試験されると、UUO後の閉塞腎臓におけるCCR5+CD8+T細胞の侵入を低減する能力を明示した。
【0097】
実施例 8
in vivo アッセイ
コラーゲン I タンパク質発現
各マウスから、液体窒素中で両腎臓の試験片をスナップ凍結し、-80℃で保存した。RIPA緩衝液(50mM Tris-HCl, pH 8.0, 1% Nonidet p-40, 0.5% デオキシコール酸ナトリウム、150 mM NaCl, 0.1% SDS, 完全プロテアーゼ・インヒビター錠(Roche))中で腎臓を均質化した。抽出されたタンパク質を10分間にわたってローディング緩衝液中で煮沸し、還元条件下で8% SDS-PAGEによって分解し、そして、Immobilon-P膜(Millipore)に移した。ブロッキング後、ウサギ・ポリクローナル抗コラーゲンI抗体(ブロッキング溶液中1:1000、Chemicon)と一緒に、フィルターをインキュベートし、そして、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼと接合されたヤギ抗ラビット抗体(ブロッキング溶液中1:5000, Jackson ImmunoResearch)を使用して、免疫複合体を視覚化し、次いで、強化された化学発光(ECL, Amersham Pharmacia)による検出のためにこれを処理した。
【0098】
本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストは、このアッセイで試験されると、UUO後の閉塞腎臓においてコラーゲンIタンパク質の発現を低減する能力を明示した。
【0099】
実施例 9
この実施例9は、経口投与のための本発明の代表的な製薬組成物の調製を示す:
【0100】
A. 成分 %wt./wt.
活性成分 20.0%
ラクトース 79.5%
ステアリン酸マグネシウム 0.5%
【0101】
上記成分を混合して、それぞれ100mgを含有する硬質シェル・ゼラチン・カプセル内に計量分配する。1つのカプセルは総一日用量に近似する。
【0102】
B. 成分 %wt./wt.
活性成分 20.0%
ステアリン酸マグネシウム 0.5%
澱粉 8.6%
ラクトース 69.6%
PVP(ポリビニルピロリジン) 0.9%
【0103】
ステアリン酸マグネシウムを除いて上記成分を合体させ、顆粒化液として水を使用して顆粒化する。次いでこの配合物を乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムと混合し、そして適切な錠剤成形機で錠剤成形した。
【0104】
C. 成分
活性成分 0.1g
プロピレングリコール 20.0g
ポリエチレングリコール400 20.0g
ポリソルベート80 1.0g
水 q.s. 100mL
【0105】
活性成分をプロピレングリコール、ポリエチレングリコール400及びポリソルベート80中に溶解させる。次いで十分量の水を、撹拌しながら添加し、これにより、100mLの溶液を提供し、これにより濾過してボトリングする。
【0106】
D. 成分 %wt./wt.
活性成分 20.0%
落花生油 78.0%
Span 60 2.0%
【0107】
上記成分を溶融し、混合し、軟質弾性カプセル内に充填する。
【0108】
E. 成分 %wt./wt.
活性成分 1.0%
メチル又はカルボキシメチルセルロース 2.0%
0.9%食塩水 q.s. 100mL
【0109】
上記成分をセルロース/食塩溶液中に溶解し、濾過し、そして使用のためにボトリングする。
【0110】
実施例 10
この実施例10は、非経口投与のための本発明の代表的な製薬組成物の調製を示す。
【0111】
成分
活性成分 0.02g
プロピレングリコール 20.0g
ポリエチレングリコール400 20.0g
ポリソルベート80 1.0g
0.9%食塩溶液 q.s. 100mL
【0112】
活性成分を、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール400及びポリソルベート80中に溶解する。次いで、十分量の0.9%食塩溶液を、撹拌しながら添加し、これにより、100mLのI.V.溶液を提供する。この溶液を0.2μm膜フィルターを通して濾過し、滅菌条件下でパッケージングする。
【0113】
実施例 11
この実施例11は、座剤の形の本発明の代表的な製薬組成物の調製を示す。
成分 %wt./wt.
活性成分 1.0%
ポリエチレングリコール1000 74.5%
ポリエチレングリコール4000 24.5%
【0114】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴上で混合し、そして、2.5g総重量を含有する型内に注ぐ。
【0115】
実施例 12
この実施例12は、吸入のための本発明の代表的な製薬組成物の調製を示す:
成分 %wt./wt.
微粉化活性成分 1.0%
微粉化ラクトース 99.0%
【0116】
成分を粉砕し、混合し、そして計量供給ポンプを備えた吸入器内にパッケージングする。
【0117】
実施例 13
この実施例13は、噴霧器の形の本発明の代表的な製薬組成物の調製を示す。
成分 %wt./wt.
活性成分 0.005%
水 89.995%
エタノール 10.000%
【0118】
活性成分をエタノール中に溶解し、水とブレンドした。次いで配合物を、計量供給ポンプを備えた噴霧器内にパッケージングする。
【0119】
実施例 14
この実施例14は、エアロゾルの形の本発明の代表的な製薬組成物の調製を示す。
成分 %wt./wt.
活性成分 0.10%
プロペラント11/12 98.90%
オレイン酸 1.00%
【0120】
活性成分をオレイン酸及びプロペラント中に分散させる。次いで、結果として生じた混合物を、調量弁を備えたエアロゾル容器内に注ぐ。
【0121】
本発明をその特定の実施態様を参照しながら説明してきたが、本発明の本質及び範囲を逸脱することなしに、種々の変更を加え、等価物と置き換え得ることは当業者には明らかである。さらに、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス工程を本発明の対象、本質及び範囲に適合させるために、数多くの変化実施態様を作り出すことができる。このような全ての変化実施態様は、添付の特許請求の範囲内に入るものとする。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】図1は、放射性同位体標識付けされたMIP-1αと、マウスCCR1発現細胞との結合に対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である。
【図2】図2は、ヒト及びマウスCCR1発現細胞中の細胞内Ca2+のMIP-1α誘発型上昇に対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である。
【図3】図3は、マウス中への皮下投与の後の、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの血漿濃度を示す。
【図4】図4は、片側性尿管閉塞後のマウスの尿細管周囲間質における白血球の侵入及び活性化線維芽細胞の蓄積に対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である(定量分析)。
【図5】図5は、片側性尿管閉塞後のマウスの尿細管周囲間質における白血球の侵入及び活性化線維芽細胞の蓄積に対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である(組織学)。
【図6】図6は、片側性尿管閉塞後のマウスの腎臓細胞上のケモカイン受容体の発現に対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である。
【図7】図7は、マウスの閉塞された腎臓及び血液から分離されたT細胞上におけるCCR2及びCCR5の発現に対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である。
【図8】図8は、片側性尿管閉塞後のマウスの腎臓への組織病理学的損傷に対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である。
【図9】図9は、片側性尿管閉塞後のマウスの腎臓内のコラーゲンI mRNA及びタンパク質のレベルに対する、本発明の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストの効果を示す図である。

Claims (15)

  1. 哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含むことを特徴とする、製薬組成物。
  2. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが下記式(I):
    Figure 2005501084
    から、単一立体異性体又はその混合物;又は製薬上許容可能なその塩として選択された化合物であり、
    上記式中:
    R1aは、アルキル又はヒドロキシアルキルから成る群から独立して選択された1又は2以上の置換基であり;
    R2は、第4位置でフルオロであり;
    R3は、第4位置でクロロと置換され、第2位置でアミノカルボニル、ウレイド又はグリシンアミドによって置換されたフェニルであり;
    R4は、-Oであり;
    R5は、メチレンであり;そして
    R6は、-C(O)-である、
    請求項1に記載の製薬組成物。
  3. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(アミノカルボニル)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (trans)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (trans)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;及び
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン
    から成る群から選択される、請求項2に記載の製薬組成物。
  4. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジンである、請求項2に記載の製薬組成物。
  5. 該製薬組成物を必要とする哺乳動物がヒトである、請求項4に記載の製薬組成物。
  6. 哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物を、投与を必要とする哺乳動物に投与する方法であって、該組成物が製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含むことを特徴とする、哺乳動物における進行性腎臓線維症の治療に有用な製薬組成物を哺乳動物に投与する方法。
  7. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが下記式(I):
    Figure 2005501084
    から、単一立体異性体又はその混合物;又は製薬上許容可能なその塩として選択された化合物であり、
    上記式中:
    R1aは、アルキル又はヒドロキシアルキルから成る群から独立して選択された1又は2以上の置換基であり;
    R2は、第4位置でフルオロであり;
    R3は、第4位置でクロロと置換され、第2位置でアミノカルボニル、ウレイド又はグリシンアミドによって置換されたフェニルであり;
    R4は、-Oであり;
    R5は、メチレンであり;そして
    R6は、-C(O)-である、
    請求項6に記載の方法。
  8. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(アミノカルボニル)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (trans)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (trans)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;及び
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン
    から成る群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジンである、請求項7に記載の方法。
  10. 該投与を必要とする哺乳動物がヒトである、請求項7に記載の方法。
  11. 哺乳動物における進行性腎臓線維症を治療する方法であって、該方法が、製薬上許容可能な賦形剤及び治療上有効な量の非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストを含む製薬組成物を、該治療を必要とする哺乳動物に投与することを含むことを特徴とする、哺乳動物における進行性腎臓線維症を治療する方法。
  12. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが下記式(I):
    Figure 2005501084
    から、単一立体異性体又はその混合物;又は製薬上許容可能なその塩として選択された化合物であり、
    上記式中:
    R1aは、アルキル又はヒドロキシアルキルから成る群から独立して選択された1又は2以上の置換基であり;
    R2は、第4位置でフルオロであり;
    R3は、第4位置でクロロと置換され、第2位置でアミノカルボニル、ウレイド又はグリシンアミドによって置換されたフェニルであり;
    R4は、-Oであり;
    R5は、メチレンであり;そして
    R6は、-C(O)-である、
    請求項11に記載の方法。
  13. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(アミノカルボニル)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (trans)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (trans)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン;及び
    (2R,5S)-1-((4-クロロ-2-(グリシンアミド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2,5-ジメチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジン
    から成る群から選択される、請求項12に記載の方法。
  14. 該非ペプチドCCR1受容体アンタゴニストが、(2R)-1-((4-クロロ-2-(ウレイド)フェノキシ)メチル)カルボニル-2-メチル-4-(4-フルオロベンジル)ピペラジンである、請求項12に記載の方法。
  15. 該治療を必要とする哺乳動物がヒトである、請求項14に記載の方法。
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