【技術分野】
【0001】
本発明は、何らかの病因による表面又は深部の慢性及び急性の創傷を治療するための、例えばSarcophaga又はLucilia属に属する様々な種のハエ幼虫の抽出物の局所適用に関する。
【0002】
創傷治癒は、複合現象であり、複数の標的細胞及び標的構造が、規則正しい順序の工程で互いにかみあわなければならない。これらの工程は、創傷(慢性/急性)のタイプにかかわりなく進行し、それぞれの段階の持続期間は変動する。一般に、3つの主な段階、滲出期、増殖期及び上皮形成又は修復期に区別することができる。滲出期では、急性損傷の止血及び血管収縮反応が優勢である。主な臨床的特徴は、創傷の水腫及び創傷からの疼痛である。生じた血管の損傷は、血小板の作用により閉鎖される。化学走性活性を有する血小板が放出される。マクロファージ、好中球及びリンパ球は、その中で移動する。これにより、組織デブリドマンに非常に有効であるファゴサイトーシス系が準備される。
【0003】
細胞デトリタスが除去された後、繊維芽細胞及び血管内皮細胞の移動に伴い増殖期が始まる。繊維芽細胞及び内皮細胞が中に移動するため細胞内容物が大量に増加する。同時に、サイトカイン及び成長因子の放出が高まり、順に新しい脈管形成及び細胞増殖が刺激される。さらに、この段階でマトリックスの変換が起こる。これは、タイプIIIコラーゲンの形成及びタイプIコラーゲンへの変換のために生じる。その結果、良好な毛管作用を有する、マクロファージ、繊維芽細胞及びマスト細胞が豊富な肉芽組織となる。
【0004】
この増殖期の後に上皮形成及び修復期がくる。この最終段階では、創傷の収縮と周辺ケラチン生成細胞の創傷への移動が起こる。新脈管形成及び毛細血管密度における減少が起こる。対照的に、コラーゲン量が増加する。この工程は、生じた瘢痕組織の機械的強度に関連する。
【0005】
これらの複合的な相互作用が損なわれると、創傷治癒が遅れる可能性がある。障害となる工程の原因によるが、創傷が6〜8週間存在すると、創傷治癒の慢性障害と言われる。これは、多くの免疫学的障害、静脈瘤症、動脈閉塞性疾患に伴い、感染後、そして例えば真性糖尿病において生じる。創傷治癒を促進する手段は、上記一連の工程を促進又は整えるのに役立つ。この点について記載すべき方法は、肉芽形成を促進する手段に加えて、主に創傷洗浄手段である。しかし、上皮形成は最新の創傷ドレッシングによって促進することもできる。創傷治癒が遅れる主な理由の一つは、肉芽組織の不十分な形成である。これは、内因性創傷デブリドマンの減少、又は感染症、血流障害、免疫学的障害により細胞及び組織デトリタスが過剰に形成されることによって生じることがある。
【0006】
これらの場合、治療上、創傷洗浄手段を使用する。洗浄の目的は、清潔な創傷床を作ることである。このため、まず軟膏や外皮の残留物を取り除き、そして存在する壊死をできる限り切除する必要がある。後者は、鋭匙(掻爬)又は鉗子及びはさみのいずれかを用いて外科的に行う。別法の可能性としては、好ましくは変性タンパク質を分解する酵素の軟膏を用いることである。これには、酵素、例えばトリプシン、キモトリプシン、ウシ由来の酵素、例えば膵酵素、又はコラゲナーゼ、フィブロリシン、ストレプトキナーゼ又は仔ウシ血液透析物が含まれる。これと平行して、標準的な消毒を、例えば過マンガン酸カリウム又はRivanol(R)浴で行う。また、消毒手段は、銀又はヨウ素を含む製剤を用いて実施することもできる。
【0007】
しかし、酵素製品は、多くの場合、患者において限定された有効性しか示さない。これは、多くの場合、酵素の用量が非常に低く、知られている酵素製品の半減期が6〜12時間であるためである。このため、毎日、さらには1日数回、ドレッシングを替えなければならない。一部の製品は、局所適用できる抗生物質と組合せた製品である。組合せ製品の欠点は、外皮感作のリスクである。
【0008】
慢性下肢潰瘍のほとんど60〜70%の患者は、軟膏基剤又は局所製剤の他の成分に対する1またはそれ以上の感作で苦しんでいる。
従って、局所性抗生物質の使用は避けられており、その理由として一つは耐性が発生するためであり、そしてもう一つは感作率が高いためである。
【0009】
また、創傷にLucilia sericata種の幼虫(ウジ)を置くことは知られている。この治療は、長年の民間療法に基づき、そして部分的には戦争による創傷にハエウジが混成するという軍医官による所見及び観察に基づく。この種のウジは、壊死組織でのみ養われる。これには、この物質が唾液の分泌によってほとんど予め消化されており、ウジによって摂取されるのみであるということが含まれている。咀嚼又は噛む作用という意味においてL. sericataのウジによる食物の積極的な摂取があるわけではない。このため、ウジが、他の身体領域又は影響を受けてない体腔に入りこむことはできないことは確実である。ウジ治療は、非常に高い治療上の有効性を示す。しかし、現在の治療方法は、極めて複雑で、費用がかかり、そして大きな業務上の努力を必要とする。ヒトに使用するためのウジは、管理された条件下で成長させなければならない。養殖及び実験室から患者への運搬に際して確実に無菌状態にしなければならない。治療上の有効性は、計測することができない。創傷に適用するウジの数を決定することはできるが、それによって得られる酵素活性の測定はできない。ウジは、幼虫からさなぎに、次いで最終的にハエに変態する生物学的発育過程に従う。このため、幼虫の適用は、短い間隔で繰り返されなければならない。治療を実施するには、患者及び医療業務の提供者に、高度なコンプライアンスが必要であり、これは心理的に文化及び文明的な境界を越えることが必要だからである。さらに、幼虫の口鉤の挿入は、非常に痛みを伴う可能性がある。
【0010】
特許出願WO 01/31033は、Lucilia sericata種の生きているウジによって外部に分泌された、創傷治癒性を有すると考えられるタンパク質を記載している。しかし、この仮定を支持する創傷の生理学的な実験を欠いている。出願WO 01/31033は、分泌されたタンパク質の極少量の単離を記載しているが、しかし、商業的な量のタンパク質を得るための経済的な工程を開発する必要がある。また、油中の乾燥ハエ幼虫粉末の油性製剤が知られており、これは中国において創傷治療のために存在し、使用されてきた。(Yang Zheng.: China-Science: House fly yields medicine, expert say. In: Inter Press Service; 03.09. 1997, 97:314231NLDB)。油の欠点は、それによって副作用としてアレルギーが生じる可能性があることである。中国製品の油性製剤は、西洋の医薬品における創傷治療の現状技術と対照的である。現在の一般的な見解では、最新の創傷ドレッシングは、親水性環境を有すべきであり、これにより創傷を被覆する疎水性製剤の使用よりも良好な治癒が観察される(Pontieri-Lewis V. (1999) Principles for selecting the right wound dressing. Medsurg Nurs 8:267-70; Casey G (2001) Wound dressings. Paediatr Nurs 13:39-42; Casey G (2000) Modern wound dressings. Nurs Stand 15:47-51; Ruszczak Z, Schwarz RA (2000) Modern aspects of wound healing: an update. Dermatol Surg 26:219-229; Probst W (2000) Lokale Behandlung chronischer Wunden. Pharm Ztg 145:3907-3920; Strobel H-G (2000) Wundfibel; Qualitasstandards zur Wundbehandlung an der Universitatsklinik Essen. Krankenhauspharmazie 21:350-361)。油性製剤の欠点は、特に免疫細胞の移動及び機能を阻害し、新しく形成される細胞の増殖を妨害することである。
【発明の開示】
【0011】
ここで、何らかの病因による表面、深部、慢性又は急性の創傷を治療するための有効な方法を見いだす試みにおいて、さまざまな種、例えばSarcophaga又はLucilia属の新鮮なハエ幼虫からの本発明の抽出物は、記載した欠点を取り除くことができることが見出された。
【0012】
本発明のハエ幼虫の抽出物は、適用及び用量に関してウジ治療における顕著なさらなる改善を示す。また、抽出物では、最新の親水性創傷ドレッシングに用いることができる。製造方法の標準化により、治療をよりよく制御することが可能となる。最終製品として、ハエ幼虫の抽出物は、ウジの発育周期に左右されない連続的な効率性を有する。
【0013】
従って、本発明は、ハエ幼虫をまず冷却し、次いで均質化し、そして最後に得られたホモジネートからハエ幼虫の未溶解成分を除く、ハエ幼虫から入手可能なハエ幼虫の抽出物に関する。
【0014】
必要に応じて、均質化の前に抽出媒体を加えることができる。抽出媒体は、水を含むか又は有機溶媒である。可溶性成分は、さらに保存することもできるし、又は直ちに創傷に局所適用することもできる。本発明の抽出物は、局所適用において、何らかの病因による表面、深部、慢性又は急性の創傷における創傷治癒効果を有する。
【0015】
適切なハエ幼虫は、例えばSarcophaga、Lucilia、Musca、Calliphora 及び Stomoxys属由来のものである。また、本発明の方法において前記属からのハエ幼虫混合物を使用することもできる。例えば、前記属からの適切な種類は、Lucilia sericata、Lucilia caesar、Lucilia cuprina、Sarcophaga carnaria、Sarcophaga agyrostoma、Musca domestica、Calliphora erythrocephala、Calliphora vicina又はStomoxys calcitransである。例えばSarcophaga 及び Lucilia属はいたるところにいて、当業者は、例えば餌として新鮮な肉を用いることによりこれらの昆虫を容易に見いだすことができる。
【0016】
本発明のハエ幼虫の抽出物は、例えば新鮮な肉上でLucilia sericata 及び/又は Sarcophaga carnaria種の卵又は幼虫を養うことによって製造する。幼虫は、肉上で成長及び成育して、蛹化段階に入る直前に採集される。これに関して、卵から孵化した後、5日〜8日の期間に幼虫を採集することが好都合である。
【0017】
各場合、卵から幼虫が孵化した後、約5〜8日、蛹化前に幼虫を殺して処理した。さらに処理してハエ幼虫の抽出物にする前及びその間は殺した幼虫を冷却しておく。可能な冷却温度は、0℃より下の温度であり、すなわち冷凍状態、例えば0℃〜−80℃の温度である。しかし、0℃〜15℃、好ましくは0℃〜10℃、特に2℃〜6℃の温度で作業することもできる。また、幼虫を、均質化のためもしくはさらなる処理のため凍結することもでき、又はすでに冷凍状態で粉砕して均質化することもできる。
【0018】
この目的では、幼虫をまず最初に外的に実質的に殺菌し、ウジの体に付着すると考えられるすべての分泌物及び排出物(SE)を除く。これは、濃度が減少する防腐剤溶液(aseptic solution)中で複数の洗浄工程によって実施する。滅菌NaCl溶液を最後の洗浄工程で使用して幼虫を外的に実質的に殺菌する。また、これによりウジの全ての分泌物及び排出物を洗浄し、ウジを氷上に保存する。
【0019】
幼虫は、例えば機械的粉砕又は超音波によって均質化する。ハエ幼虫は、このようにして均質化することもできるし、又は好ましくは抽出媒体を添加して均質化することもできる。ハエ幼虫のグラム湿潤重量当たり0.1ml〜500mlの抽出液、好ましくは0.5ml〜100ml、非常に好ましくは1〜5mlの抽出液を加える。滅菌抽出液は、特に適切であり、例えば純水、生理的食塩水、緩衝液、電解液、砂糖又はタンパク質溶液及び水性乳濁液、並びに有機溶媒である。また、抽出媒体の添加を完全に省いて、単に圧力下でウジの液体成分を取り出すこともできる。また、抽出物は、有機溶媒の添加によって活性物質を沈殿させ、続いてそれを抽出することによって製造することができる。ホモジネートを固体と可溶性成分へ分離することは、例えば濾過又は遠心分離によって行う。ハエ幼虫の抽出物は、必要に応じて冷凍又は凍結乾燥によって保存する。また、活性分子を安定化するため、他の知られている薬剤、例えばプロテアーゼインヒビター、トレハロース、エクトイン又は緩衝液を使用することもできる。
【0020】
均質の液体を得た後、抽出物を濾過、例えば0.1μm〜0.4μmの細孔径を有するフィルタを用いて滅菌濾過する。最終工程において、抽出物を等分し、液体窒素中で凍結する。恒常的な貯蔵は、約−21℃〜−80℃の温度又は液体窒素中で行う。また、濾過により滅菌して得られた抽出物は、凍結乾燥することができる。
【0021】
また、本発明の抽出物は、慣用の精製法によってさらに精製することができ、又は例えば選択的沈殿工程もしくはクロマトグラフィもしくは電気泳動法によって分画することができる。
【0022】
また、本発明は、有効含量の本発明のハエ幼虫抽出物を、医薬上適切な生理学上許容される担体、添加剤及び/又は他の活性物質及び賦形剤と共に有する医薬に関する。
【0023】
本発明のハエ幼虫の抽出物は、薬理学的性質のため、何らかの病因による表面又は深部の慢性及び急性の創傷治療に適切である。
【0024】
用語「何らかの病因による慢性及び急性の創傷」は、例えば創傷、例えば二次的過程によって意図的に又は意図せずに回復する外科的創傷、切り傷、刺傷、擦過傷、咬傷、熱傷又は射撃損傷、及び主に外科縫合又は一次的な創傷閉鎖によって治療することができない他の創傷を意味する。また、急性創傷なる用語は、重複感染のために一次癒合を受けることができない全ての創傷、そして4週間及びそれより短い間、顕在する全ての創傷を意味する。慢性創傷は、上皮の整合性の損失に関連する全ての損傷であり、4週間よりも長い間、顕在する。これは、特に真性糖尿病、静脈瘤症もしくは静脈血栓症、リウマチ性障害、脈管炎、動脈閉塞性疾患、リンパ管の障害、血液学的障害に基づく、そして創傷の感染症の間又は後に十分に回復しない創傷を意味する。
【0025】
また、本発明は、本発明のハエ幼虫の抽出物を、医薬上適切なそして生理学上許容される担体及び必要に応じて他の適切な活性物質、添加剤又は賦形剤と共に適切な剤形に変換することからなる医薬の製造方法に関する。
【0026】
また本発明は、何らかの病因による表面又は深部の慢性及び急性の創傷を治療する医薬を製造するため本発明のハエ幼虫抽出物の使用に関する。
【0027】
本発明の医薬は、通常、局所的に適用される。
皮膚への局所使用に適した医薬組成物は、好ましくは液剤、懸濁剤、粉剤、リポソーム製剤、ゲル剤、ローション剤、ペースト剤、スプレー剤又はエアゾル剤である。また、使用できる担体は、ポリエチレングリコール、アルコール及びこれらの物質のうちの2つまたはそれ以上の組合せである。これらのリストは決して限定するものとしてみなされるわけではない。本発明のハエ幼虫の抽出物は、抽出条件に左右されるが組成物の0.1重量%〜100重量%、例えば1.0重量%〜60重量%の濃度で存在する。
【0028】
また、経皮的投与も可能である。経皮的使用に適した医薬組成物は、患者の表皮と長期的に緊密に接触するのに適した個々の硬膏剤の形態をとることができる。このタイプの硬膏剤は、場合により緩衝化された水溶液中の本発明のハエ幼虫抽出物を、接着剤中に溶解及び/又は分散して、又はポリマー中に分散して含むことに適している。適切な活性物質の濃度は、約0.1重量%〜75重量%、好ましくは1重量%〜70重量%である。例えば、Pharmaceutical Research, 2(6): 318 (1986)に記載されているような電気輸送又はイオントフォレーゼによって放出される活性物質については、特別な可能性がある。
【0029】
また、本発明のハエ幼虫の抽出物は、ガーゼ、アルギネート、親水コロイド物質、発泡体及びシリコーン被覆材でできた創傷被覆材を通して創傷に適用することができ、それらは、これらのハエ幼虫の抽出物で被覆、含浸又は処理されており、これにより創傷中に又は創傷面上にハエ幼虫の抽出物を供給することができる。
【0030】
適切な固体又は医薬形態は、例えば顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤又は滴剤及び活性物質の遅延放出製品であり、これらの製造においては慣用の賦形剤又は担体が用いられる。
【0031】
頻繁に使用され、記載することができる賦形剤は、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及び他の糖、タルク、乳タンパク質、ゼラチン、デンプン、セルロース及びその誘導体、ポリエチレングリコール並びに溶媒、例えば滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロールである。
【0032】
また、本発明のハエ幼虫の抽出物は、不活性形態でハエ幼虫の抽出物を含み、次いで創傷中に又は創傷上に適用され、特定の物質を添加することによって活性化される医薬形態で使用することができる。単純な例は、生理学的な溶液(例えば0.9%NaCl)中に溶解される粉末又は凍結乾燥物の使用である。また、医薬製剤は、安定性が十分な場合、溶液であることができる。
【0033】
適切な医薬組成物は、創傷を機械的洗浄した後、適用する。創傷の機械的洗浄は、例えばリンガーラクテートの浴によって又はリンガーラクテートで創傷をすすぐことによって実施する。本発明のハエ幼虫抽出物の適用後、創傷を、場合により親水コロイド創傷ドレッシング又は接触粘着性の外科用被膜によって被覆する。ドレッシングは、毎日、本発明のハエ幼虫の抽出物を新しく投与する度に替える。
【実施例1】
【0034】
本発明のハエ幼虫抽出物の製造
Lucilia sericata 及び/又はSarcophaga carnaria種の幼虫を、ほとんど又は全く汚染することなく新鮮な馬肉上で養い、蛹化段階に入る直前に採集した。いくつかの洗浄工程において、濃度が減少する防腐剤溶液中で、そして最終洗浄工程では滅菌NaCl溶液中で、実質的な外的無菌状態の幼虫を製造した。次いで、幼虫の頭部を切り落とした、すなわち前方三分の一を幼虫の身体の残りから分離した。幼虫の両方の部分を、直ちに氷上の担体媒体中で別々に保存した。次いで、幼虫を均質化した。これは、機械的粉砕及び超音波を用いた均質化によっていくつかの工程で実施した。約4℃まで注意深く連続的に冷却した。均質の液体を得た後、抽出物を滅菌濾過した(Milliporeフィルタ)。最終処理工程において、抽出物を等分し、液体窒素中で凍結した。恒常的貯蔵は、−21℃〜−80℃で行った。
【実施例2】
【0035】
創傷治療
実施例1のようにして、等しい重量比率のウジ及び生理食塩水から製造したハエ幼虫の抽出物2ml部分を、慢性再発性下肢潰瘍で数年間苦しんでいる82歳の女性患者に適用した。潰瘍は静脈由来のものであり、脈管炎という意味で鎮痛剤の摂取によっても影響を受けていた。治療の開始時に両下肢に数個の潰瘍があり、いくつかはフィブリン沈着物があった。患者を診察した後、ステロイドの全身の投与で治療を開始し、実施例1のように製造したハエ幼虫の抽出物を同時に局所適用してデブリドマンを促進した。Fibrolan(R)軟膏及び本発明の抽出物の水溶液を比較に使用した。Fibrolan(R)軟膏はRote Liste中に含まれており、活性物質としてウシ血漿からのプラスミン及びウシ膵臓からのデオキシリボヌクレアーゼを含む製品である。幼虫からの抽出物について、幼虫の前方部分と後方部分からの抽出物で区別した。治療開始時に貼付を行い、治療を通して維持した。本発明抽出物の閉塞性適用は、鮮創効果及び創傷閉鎖の速度に関してFibrolan(R)軟膏の使用よりも明らかに優れていることがわかった。治療結果をカラー写真で記録した。
【0036】
実施例1のように製造したハエ幼虫の抽出物を、脈管炎に由来する下肢潰瘍で数年間苦しんでいる87歳の女性患者に使用した。ステロイドを全身摂取した後、さらなる潰瘍は生じなかった。局所治療では、Fibrolan(R)軟膏と本発明の抽出物とを比較した。最初に本発明の抽出物で治療した潰瘍は、Fibrolan(R)軟膏で治療した比較潰瘍よりも多くの顕著な壊死及びフィブリン沈着物を有した。8日間治療した後、本発明の抽出物で治療した潰瘍のデブリドマンは、Fibrolan(R)軟膏と比較して明らかに速いことがわかった。治療結果をカラー写真で記録した。【Technical field】
[0001]
The present invention relates to the topical application of extracts of various species of fly larvae belonging to the genus Sarcophaga or Lucilia, for treating surface and deep chronic and acute wounds of any etiology.
[0002]
Wound healing is a complex phenomenon, in which multiple target cells and target structures must engage each other in a regular and ordered process. These processes proceed regardless of the type of wound (chronic / acute) and the duration of each stage varies. In general, a distinction can be made between three main phases, the exudative phase, the proliferative phase and the epithelialization or repair phase. In the exudation phase, acute injury hemostasis and vasoconstriction responses predominate. The main clinical features are wound edema and pain from the wound. The resulting vascular damage is closed by the action of platelets. Platelets with chemotactic activity are released. Macrophages, neutrophils and lymphocytes migrate in it. This provides a phagocytosis system that is very effective for tissue debridement.
[0003]
After cell detritus is removed, the growth phase begins with the migration of fibroblasts and vascular endothelial cells. As fibroblasts and endothelial cells migrate in, the cell contents increase in large quantities. At the same time, the release of cytokines and growth factors is increased, which in turn stimulates new angiogenesis and cell proliferation. In addition, matrix transformation occurs at this stage. This occurs due to the formation of type III collagen and conversion to type I collagen. The result is a granulation tissue rich in macrophages, fibroblasts and mast cells with good capillary action.
[0004]
This growth phase is followed by an epithelialization and repair phase. In this final stage, wound contraction and peripheral keratinocyte migration to the wound occur. Angiogenesis and a decrease in capillary density occurs. In contrast, the amount of collagen increases. This process is related to the mechanical strength of the resulting scar tissue.
[0005]
If these complex interactions are compromised, wound healing may be delayed. Depending on the cause of the disturbing process, if the wound is present for 6-8 weeks, it is said to be a chronic disorder of wound healing. This is associated with many immunological disorders, varicose veins, arterial occlusive disease, and occurs after infection and for example in diabetes mellitus. The means for promoting wound healing is useful for promoting or arranging the above-described series of steps. The method to be described in this respect is mainly a wound cleaning means in addition to the means for promoting granulation. However, epithelialization can also be promoted by modern wound dressings. One of the main reasons for delayed wound healing is inadequate formation of granulation tissue. This may be caused by a decrease in endogenous wound debridement or excessive formation of cell and tissue detritus due to infection, blood flow disturbances, immunological disorders.
[0006]
In these cases, a therapeutic means for wound cleaning is used. The purpose of cleaning is to create a clean wound bed. For this reason, it is first necessary to remove ointments and skin residues, and to remove as much necrosis as possible. The latter is performed surgically using either sharp scissors or forceps and scissors. An alternative possibility is to use an ointment of an enzyme that preferably degrades the denatured protein. This includes enzymes such as trypsin, chymotrypsin, bovine derived enzymes such as pancreatic enzymes, or collagenase, fibrolysin, streptokinase or calf hemodialysate. In parallel, performs standard disinfection, for example, potassium permanganate or Rivanol (R) bath. The disinfecting means can also be carried out using a preparation containing silver or iodine.
[0007]
However, enzyme products often show limited effectiveness in patients. This is often because the enzyme dose is very low and the half-life of known enzyme products is 6-12 hours. For this reason, the dressing must be changed every day and several times a day. Some products are products combined with topical antibiotics. The disadvantage of the combined product is the risk of skin sensitization.
[0008]
Almost 60-70% of patients with chronic leg ulcers suffer from one or more sensitizations to other components of the ointment base or topical formulation.
Therefore, the use of topical antibiotics is avoided, partly because resistance develops and another because of the high sensitization rate.
[0009]
It is also known to place Lucilia sericata species larvae (maggots) in wounds. This treatment is based on many years of folk remedies and in part based on the observations and observations of military officers that flies are mixed with war wounds. This type of maggot is fed only by necrotic tissue. This includes the fact that this substance is almost pre-digested by saliva secretion and is only taken by the maggot. There is no active intake of food by L. sericata maggots in the sense of chewing or chewing. Thus, it is certain that the maggot cannot enter other body regions or unaffected body cavities. Uzi treatment exhibits a very high therapeutic efficacy. However, current treatment methods are extremely complex, expensive, and require significant operational effort. Uzi for use in humans must be grown under controlled conditions. Sterile conditions must be ensured during aquaculture and transport from laboratory to patient. The therapeutic effectiveness cannot be measured. The number of maggots applied to the wound can be determined, but the resulting enzyme activity cannot be measured. Maggots follow a biological developmental process that transforms from larvae to pupae and then finally to flies. For this reason, the application of larvae must be repeated at short intervals. To perform treatment, patients and health care providers need a high degree of compliance because it is necessary to cross psychological cultural and civilization boundaries. Furthermore, the insertion of larval mustache can be very painful.
[0010]
Patent application WO 01/31033 describes proteins believed to have wound healing properties that are secreted externally by living maggots of the species Lucilia sericata. However, it lacks physiological experiments on wounds that support this assumption. Application WO 01/31033 describes the isolation of very small amounts of secreted protein, but there is a need to develop an economic process to obtain commercial quantities of protein. Also known is an oily formulation of dried fly larvae powder in oil, which has existed and been used for wound treatment in China. (Yang Zheng .: China-Science: House fly yields medicine, expert say. In: Inter Press Service; 03.09. 1997, 97: 314231NLDB). The disadvantage of oil is that it can cause allergies as a side effect. The Chinese product oily formulation contrasts with the current state of the art of wound treatment in Western medicine. In the current general view, modern wound dressings should have a hydrophilic environment, whereby better healing is observed than the use of hydrophobic formulations covering the wound (Pontieri-Lewis V. (1999) Principles for selecting the right wound dressing. Medsurg Nurs 8: 267-70; Casey G (2001) Wound dressings. Paediatr Nurs 13: 39-42; Casey G (2000) Modern wound dressings. Nurs Stand 15: 47- 51; Ruszczak Z, Schwarz RA (2000) Modern aspects of wound healing: an update.Dermatol Surg 26: 219-229; Probst W (2000) Lokale Behandlung chronischer Wunden. Pharm Ztg 145: 3907-3920; Strobel HG (2000) Wundfibel; Qualitasstandards zur Wundbehandlung an der Universitatsklinik Essen. Krankenhauspharmazie 21: 350-361). The disadvantages of oily formulations are in particular that they inhibit immune cell migration and function and prevent the growth of newly formed cells.
DISCLOSURE OF THE INVENTION
[0011]
Here, in an attempt to find an effective method for treating surface, deep, chronic or acute wounds of any etiology, the extract of the present invention from various species, such as fresh fly larvae of the genus Sarcophaga or Lucilia, It has been found that the described drawbacks can be eliminated.
[0012]
The fly larvae extract of the present invention shows a significant further improvement in maggot treatment with respect to application and dosage. The extract can also be used in modern hydrophilic wound dressings. The standardization of the manufacturing method makes it possible to better control the treatment. As a final product, the fly larva extract has a continuous efficiency independent of the development cycle of the maggots.
[0013]
Thus, the present invention relates to an extract of fly larvae available from fly larvae that cools the fly larvae first, then homogenizes and removes the undissolved components of the fly larvae from the final homogenate.
[0014]
If necessary, an extraction medium can be added prior to homogenization. The extraction medium contains water or is an organic solvent. The soluble component can be further stored or immediately applied topically to the wound. The extracts of the present invention have a wound healing effect in surface, deep, chronic or acute wounds of any etiology in topical application.
[0015]
Suitable fly larvae are, for example, from the genera Sarcophaga, Lucilia, Musca, Calliphora and Stomoxys. It is also possible to use a fly larvae mixture from said genus in the method of the invention. For example, suitable species from said genus are Lucilia sericata, Lucilia caesar, Lucilia cuprina, Sarcophaga carnaria, Sarcophaga agyrostoma, Musca domestica, Calliphora erythrocephala, Calliphora vicina or Stomoxys calcitrans. For example, the genus Sarcophaga and Lucilia are everywhere, and those skilled in the art can easily find these insects, for example, by using fresh meat as food.
[0016]
The fly larvae extract of the present invention is produced, for example, by feeding Lucilia sericata and / or Sarcophaga carnaria sp. Eggs or larvae on fresh meat. Larvae grow and grow on the meat and are collected just before entering the hatching stage. In this regard, it is advantageous to collect larvae during a period of 5 to 8 days after hatching from the egg.
[0017]
In each case, after the larvae hatched from the eggs, the larvae were killed and processed about 5-8 days before hatching. The killed larvae are allowed to cool before and during further processing to obtain fly larvae extracts. Possible cooling temperatures are temperatures below 0 ° C., ie in the frozen state, for example temperatures from 0 ° C. to −80 ° C. However, it is also possible to work at temperatures between 0 ° C. and 15 ° C., preferably between 0 ° C. and 10 ° C., in particular between 2 ° C. and 6 ° C. The larvae can also be frozen for homogenization or further processing, or already ground and frozen for homogenization.
[0018]
For this purpose, the larvae are first substantially sterilized externally first, excluding all secretions and discharges (SE) that are thought to adhere to the body of the maggot. This is done by multiple washing steps in an aseptic solution of decreasing concentration. Sterile NaCl solution is used in the final washing step to substantially sterilize the larvae externally. This also cleans all secretions and discharges of the maggots and stores the maggots on ice.
[0019]
Larvae are homogenized by, for example, mechanical grinding or ultrasound. The fly larvae can be homogenized in this way or preferably by adding an extraction medium. 0.1 ml to 500 ml of extract, preferably 0.5 to 100 ml, very preferably 1 to 5 ml of extract per gram wet weight of fly larvae is added. Sterile extracts are particularly suitable, for example pure water, physiological saline, buffers, electrolytes, sugar or protein solutions and aqueous emulsions, and organic solvents. It is also possible to completely remove the liquid component of the maggot under pressure by completely omitting the addition of the extraction medium. The extract can also be produced by precipitating the active substance by the addition of an organic solvent and subsequently extracting it. Separating the homogenate into solid and soluble components is performed, for example, by filtration or centrifugation. The fly larvae extract is stored by freezing or freeze-drying as required. Other known agents such as protease inhibitors, trehalose, ectoin or buffers can also be used to stabilize the active molecule.
[0020]
After obtaining a homogeneous liquid, the extract is filtered, eg, sterile filtered using a filter having a pore size of 0.1 μm to 0.4 μm. In the final step, the extract is aliquoted and frozen in liquid nitrogen. Constant storage is performed at a temperature of about -21 ° C to -80 ° C or in liquid nitrogen. The extract obtained by sterilization by filtration can be freeze-dried.
[0021]
The extract of the present invention can be further purified by a conventional purification method, or can be fractionated by, for example, a selective precipitation step or chromatography or electrophoresis.
[0022]
The present invention also relates to a medicament having an effective content of the fly larvae extract of the present invention together with pharmaceutically suitable physiologically acceptable carriers, additives and / or other active substances and excipients.
[0023]
Due to their pharmacological properties, the fly larvae extract of the present invention is suitable for the treatment of superficial or deep chronic and acute wounds of any etiology.
[0024]
The term “chronic and acute wounds of any etiology” refers to wounds such as surgical wounds that are intentionally or unintentionally recovered by secondary processes, cuts, stabs, abrasions, bites, burns or shooting injuries, and It refers to other wounds that cannot be treated primarily by surgical sutures or primary wound closure. Also, the term acute wound refers to all wounds that cannot undergo primary healing due to superinfection, and all wounds that manifest for 4 weeks and shorter. Chronic wounds are all damage associated with loss of epithelial integrity and are manifested for longer than 4 weeks. This is based in particular on diabetes mellitus, varicose veins or venous thrombosis, rheumatic disorders, vasculitis, arterial occlusive diseases, lymphatic disorders, hematological disorders, and during or after wound infection It means a wound that does not heal.
[0025]
The present invention also relates to a suitable dosage form of the fly larvae extract of the present invention together with a pharmaceutically suitable and physiologically acceptable carrier and optionally other suitable active substances, additives or excipients. The present invention relates to a method for producing a medicament comprising converting into
[0026]
The invention also relates to the use of the fly larvae extract of the invention for the manufacture of a medicament for treating superficial or deep chronic and acute wounds of any etiology.
[0027]
The medicament of the present invention is usually applied topically.
Pharmaceutical compositions suitable for topical use on the skin are preferably solutions, suspensions, powders, liposome formulations, gels, lotions, pastes, sprays or aerosols. Also usable carriers are polyethylene glycol, alcohols and combinations of two or more of these materials. These lists are in no way regarded as limiting. The fly larvae extract of the present invention is present at a concentration of 0.1% to 100%, eg 1.0% to 60% by weight of the composition, depending on the extraction conditions.
[0028]
Transdermal administration is also possible. Pharmaceutical compositions suitable for transdermal uses can take the form of individual plasters suitable for long-term close contact with the patient's epidermis. This type of plaster is suitable for containing the fly larvae extract of the present invention in an optionally buffered aqueous solution dissolved and / or dispersed in an adhesive or dispersed in a polymer. . A suitable active substance concentration is about 0.1% to 75% by weight, preferably 1% to 70% by weight. For example, there are special possibilities for active substances released by electrotransport or iontophoresis as described in Pharmaceutical Research, 2 (6): 318 (1986).
[0029]
Also, the fly larvae extract of the present invention can be applied to a wound through a wound dressing made of gauze, alginate, hydrocolloid material, foam and silicone dressing, which extracts these fly larvae Coated, impregnated or treated with an object, so that an extract of fly larvae can be supplied in or on the wound surface.
[0030]
Suitable solid or pharmaceutical forms are, for example, granules, powders, solutions, suspensions, emulsions or drops and delayed release products of the active substance, customary excipients or carriers are used in their production.
[0031]
Excipients that are frequently used and can be described are magnesium carbonate, titanium dioxide, lactose, mannitol and other sugars, talc, milk protein, gelatin, starch, cellulose and its derivatives, polyethylene glycols and solvents such as sterile Water and mono- or polyhydric alcohols such as glycerol.
[0032]
Also, the fly larvae extract of the present invention comprises a fly larvae extract in an inactive form, which is then applied in or on the wound and activated by the addition of specific substances. Can be used. A simple example is the use of a powder or lyophilizate which is dissolved in a physiological solution (eg 0.9% NaCl). A pharmaceutical formulation can also be a solution if the stability is sufficient.
[0033]
A suitable pharmaceutical composition is applied after the wound has been mechanically cleaned. Mechanical cleaning of the wound is performed, for example, by a ringer lactate bath or by rinsing the wound with ringer lactate. After application of the fly larvae extract of the present invention, the wound is optionally coated with a hydrocolloid wound dressing or contact adhesive surgical coating. The dressing is changed every day with a fresh dose of the fly larvae extract of the present invention.
[Example 1]
[0034]
Production of the fly larvae extract of the present invention
Lucilia sericata and / or Sarcophaga carnaria larvae were fed on fresh horse meat with little or no contamination and were collected just before entering the hatching stage. Substantially externally sterile larvae were produced in preservative solutions of decreasing concentration in several washing steps and in sterile NaCl solution in the final washing step. The larvae's head was then cut off, i.e. one third of the front was separated from the rest of the larvae body. Both parts of the larva were immediately stored separately in a carrier medium on ice. The larvae were then homogenized. This was done in several steps by mechanical grinding and homogenization using ultrasound. Careful and continuous cooling to about 4 ° C. After obtaining a homogeneous liquid, the extract was sterile filtered (Millipore filter). In the final processing step, the extract was aliquoted and frozen in liquid nitrogen. Constant storage was performed at -21 ° C to -80 ° C.
[Example 2]
[0035]
Wound treatment As in Example 1, a 2 ml portion of fly larvae extract made from an equal weight ratio of maggot and saline was applied to an 82 year old female patient suffering from chronic recurrent leg ulcers for several years . The ulcer was derived from a vein and was also influenced by the intake of analgesics in the sense of vasculitis. There were several ulcers on both lower limbs at the start of treatment, some with fibrin deposits. After examining the patient, treatment was started with systemic administration of steroids, and the extract of fly larvae produced as in Example 1 was simultaneously applied topically to promote debridement. Fibrolan using an aqueous solution of an extract of (R) ointment and the present invention in comparison. Fibrolan (R) ointment it is included in the Rote Liste, a product comprising a deoxyribonuclease from plasmin and bovine pancreas from bovine plasma as active substance. Extracts from larvae were distinguished by extracts from the front and rear parts of the larvae. Affixed at the start of treatment and maintained throughout treatment. Occlusive application of the present invention extract was found to be clearly superior to the use of Fibrolan (R) ointment terms of speed of the debriding effect and wound closure. Treatment results were recorded as color photographs.
[0036]
The fly larvae extract produced as in Example 1 was used in an 87 year old female patient suffering for several years with leg ulcers from vasculitis. No further ulceration occurred after systemic steroid intake. The topical treatment was compared with extracts of Fibrolan (R) ointment and the present invention. The first ulcer treated with the extract of the present invention, than comparative ulcers treated with Fibrolan (R) ointment had many significant necrosis and fibrin deposits. After treatment for 8 days, debridement of the treated ulcers extract of the present invention, it was found that clearly faster compared to Fibrolan (R) ointment. Treatment results were recorded as color photographs.