JP2005500813A - インスリン受容体シグナル伝達の調節 - Google Patents

インスリン受容体シグナル伝達の調節 Download PDF

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Abstract

ヒトISM遺伝子はINRシグナルの調節因子として同定され、その結果、欠陥を持つINRシグナルに関連した障害のための治療標的である。ISM調節因子を同定し、ISMの活性を調節する薬剤のスクリーニングを含む方法が提供される。

Description

【技術分野】
【0001】
本出願は、その全体が出典として取込まれ、2001年1月12日に出願された米国仮出願番号:60/261,335, 60/261,532, 60/261,590, 60/261,361, 60/261,531,60/261,457, 60/261,694, 60/261,226, 60/261,304, 60/261,459, 60/261,456, 60/261,589, 60/261,461, 60/261,697, 60/261,458, 60/261,695, 60/261,336, 60/261,518,及び60/261,303,に基づく優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
インスリンは脊椎動物における代謝を制御する中心的なホルモンである(Steiner等, 1989, In Endocrinology, DeGroot, eds. Philadelphia, Saunders:1263-1289)。ヒトにおいて、インスリンは上昇した血液グルコースレベルに応答して膵臓のβ細胞によって分泌されるが、本来、食事のあとに起こる。インスリン分泌の即効性の効果は、筋肉、脂肪組織、及び肝臓によるグルコース摂取を誘導することである。インスリンの長期間の効果は、肝臓におけるグリコーゲン及び脂肪組織におけるトリグリセリドを合成する酵素活性を増強することである。インスリンは、筋肉中でのカリウム輸送の増大、脂肪組織の細胞分化の促進、ナトリウムの腎臓貯留、及び卵巣によるアンドロゲン産生の促進を含む、「古典的な」代謝活性の範囲を超えた他の活性を発揮することができる。インスリンの分泌及び/又はインスリンへの応答における欠陥は、糖尿病の要因になり、多大なる経済的重要性を有している。米国内において、糖尿病は、患者が医者を訪れる上で四番目によくある理由となっている;それは、労働年齢層の個々人において、腎臓疾患の最終段階、非外傷性の足切断、及び失明の主な原因となっている(Warram等, 1995, In Joslin's Diabetes Mellitus, Kahn及びWeir, eds., Philadelphia, Lea & Febiger, pp201-215;Kahn等, 1996, Annu. Rev. Med. 47:509-531;Kahn, 1998, Cell 92:593-596)。糖尿病における役割を超えて、インスリン耐性の現象は、肥満症、卵巣高アンドロゲン症、高血圧症を含む他の病原性疾患と関連していた。
【0003】
医薬業界では、脂質欠損とインスリン耐性とを結びつける分子機構を理解することに興味が持たれている。高脂血症及び遊離脂肪酸レベルの上昇は、しばしば同一患者において発症し、2型糖尿病及び循環器病疾患へと進行する主たる危険因子である肥満症及びインスリン耐性を含む、幾つかの疾患間の関連において定義される「代謝症候群」と相関する。現在の研究により、グルコースレベルに加えて、脂質レベルのコントロールが2型糖尿病、心臓疾患、及び他の代謝症候群の徴候を治療するのに必要とされることが示唆されている(Santomauro AT等, Diabetes (1999)48:1836-1841)。
ショウジョウバエ及びシー・エレガンスなどのモデル生物のゲノムを操作及びスクリーニングする能力は、遺伝子、経路、細胞内過程の有意な進化的保存性に起因して、より複雑な脊椎動物生物と直接関連性を有する生化学的過程を解析するための強力な手段が提供する。そのようなモデル生物の特定の経路に関与する遺伝子の新規機能を同定することは、哺乳動物において相関する経路及びそれらを調節する方法の理解に直接貢献する(Miklos GL及びRubin GM, Cell 1996, 86:521-529を参照のこと)。ショウジョウバエ及びシー・エレガンスはヒトの病理に罹患しないが、種々の実験モデルは病態を模倣することができる。病態モデルとショウジョウバエ又はシー・エレガンス遺伝子の修飾された発現との関連は、ヒト疾患とヒトオルソログとの関連性を同定し得る。
【0004】
一例において、遺伝学的スクリーニングは、既知遺伝子の誤発現(mis-expression)−一般に、減少した、増大した又は異所的な発現−の原因となる、変異(一般に可視化可能又は選択可能)表現型を示す脊椎動物モデル生物中で行われる。さらなる遺伝子は、ランダム又はターゲットされた形で変異導入される。さらなる遺伝子変異が、元々の変異表現型を変化させるとき、この遺伝子は直接又は間接的に遺伝的エントリーポイント及びその関連経路と相互作用する「修飾因子」として同定される。遺伝的エントリーポイントが、脂質代謝疾患などヒトの病理に関連するヒト遺伝子のオルソログである場合、スクリーニングにより規治療のためのターゲットである修飾遺伝子を同定することができる。
遺伝学的スクリーニングでは、RNA干渉(RNAi)技術が利用され、これによる外来性の二本鎖(ds)RNAの導入により、相同な配列を含む遺伝子の活性が破壊され、特定の機能喪失表現型を誘導する(Fire等, 1998, Nature391:806-811)。dsRNAの導入に適する方法には、インジェクション、摂食、及びベイジング(bathing)(Tabara等, 1998, Science 282:430-431)が含まれる。
また、遺伝学的スクリーニングでは、興味あるパターンで過剰又は誤発現がされた場合、特定の表現型を付与し、又は既存の突然変異表現型を修飾する遺伝子を同定するための誤発現(mis-expression)技術も利用される。例示的な誤発現スクリーニングは、ショウジョウバエの「EP」スクリーニングで、隣接するゲノム配列上で作用するように方向付けされた遺伝子制御配列を含むP-エレメントのランダムな挿入を本質的に保持するショウジョウバエの系統を使用するものである(Rorth P, 1996, Proc Natl Acad Sci USA 93:12418-22;Rorth P等, Development (1998) 125:1049-1057;WO0015843)。
【0005】
インスリンレセプター(INR)シグナル経路は、シー・エレガンス及びショウジョウバエにおいて広く研究されてきた。例えば、シー・エレガンスINRのオルソログであるdaf-2を介するシグナルは、生殖性の成長及び正常な成体の一生を含む種々の現象を仲介することが知られていた(US PAT NO 6,225,120;Tissenbaum HA及びRuvkun G, 1998, Genetics 148:703-17;Ogg S及びRuvkun G, 1998, Mol Cell 2:887-93;Lin K等, 2001, Nat Genet 28:139-45を参照のこと)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
INRシグナルの修飾因子が、ショウジョウバエ又はシー・エレガンスを用いた遺伝学的スクリーニングにおいて同定された。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の概要
本発明はISMポリペプチド又は核酸を含むアッセイ系を用い;試験薬剤が存在しなければ該系が対照の活性を提供する条件下において、試験薬剤を該アッセイ系に接触させ;及び、試験薬剤により偏向された活性と対照の活性との間の差違が、該試験薬剤がINRシグナル調節薬剤の候補であると同定する、アッセイ系の試験薬剤により偏向された活性を検出する、候補INRシグナル調節薬剤を同定する方法を提供する。候補試験薬剤は、小分子調節因子、抗体、及び、中でもアンチセンスオリゴマー及びPMOsなどの核酸調節因子を含む。
本発明の一実施態様において、本アッセイ系はISMを発現する培養細胞又は非ヒト動物を含み、本アッセイ系はINRシグナルにおける薬剤により偏向された変化を検出する。
ある実施態様において、候補INRシグナル調節薬剤は、無細胞又は細胞ベースのアッセイにおいて同定され、INRシグナルに関連した活性における薬剤により偏向された変化を検出する第二のアッセイ系は、候補薬剤の活性を調節するINRシグナルを確認するために用いられる。好まし実施態様において、第二のアッセイは、INRシグナルと関連した活性における薬剤により偏向された変化を検出する。好ましい第二のアッセイ系は、培養細胞で実施される。
さらに、本発明は、哺乳動物細胞におけるINRシグナルを調節する方法であって、該細胞をISMポリペプチド又は核酸と特異的に結合する薬剤と接触させることを含む方法を含む。好ましい実施態様において、該薬剤は、INRシグナルに関連した症状を呈していることが予見される哺乳動物に対して投与される。好ましい薬剤には、小分子調節因子、核酸調節因子、又は抗体が含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の詳細な説明
我々は、インスリンレセプター(INR)シグナルの新規な脊椎動物修飾因子及びそのヒトオルソログを同定した。これらの遺伝子(核酸及びポリペプチド)のヒトオルソログは、ISMs(Insulin receptor Signaling Modifiers)として集合的に称される。
不活性化されるとINRシグナルの回復をもたらす遺伝子の同定を目的として、リバースジェネティクスによるスクリーニングが、INR機能を欠損したシー・エレガンスモデルを用いて行われた。シー・エレガンスINRシグナル経路は、正常では有害な条件においてのみ生じる代替性の発生的な運命である、dauer状態への導入を負に制御する(Riddle DL及びPS Albert, 1997. In C. elegans II, DL Riddle, T. Blumenthal, BJ Meyer, 及びJR Priess, eds., p.739-768)。シー・エレガンスのインスリンレセプターであるdaf-2が変異により不活性化されると、動物は環境的状態に拘わらずdauer状態に入る(Kimura KD,等, 1997, Science 277:942)。我々は、daf-2機能欠損変異のdauer形成表現型の修飾因子(サプレッサー)を同定するためにRNAiベースのスクリーニングを用いた。本スクリーニングは、各々daf-2のリガンド結合ドメインにミスセンス変異を含む2匹の線虫系統を用い、これらの遺伝子の機能低下を引き起こすために、線虫遺伝子のcDNA又はエキソンに富むゲノム断片に由来するdsRNAによるこれらの系統のRNAi処理に関わるものであった。潜在的なサプレッサーは、RNAi処理でノックダウンした場合に、幼虫期で成長停止させずむしろインスリンレセプター変異系統の成長を可能ならしめるような遺伝子として同定された。これらの遺伝子のヒト(又はマウス)オルソログであって、インスリンシグナルに関連した病態を治療するためにデザインされた療法の候補ターゲットを決定するために、標準的な配列解析が用いられた。多くの糖尿病の症状は、インスリンシグナルの減少の結果であるため、アンタゴニスト療法のための候補ターゲットは、変異した場合にNIRシグナルを回復する遺伝子である。シー・エレガンスによるスクリーニングにより、アミノ酸配列が配列番号:2,4,6,8,10,12,14,16,18,20及び22に提供される遺伝子が同定された。
【0009】
過剰発現によるスクリーニングは、ショウジョウバエ中で行われた。Dinr(GI1362614)と命名されたショウジョウバエのインスリンレセプターを解するシグナルは、細胞のサイズ及び細胞数のコントロールに関係していた(Fernandez R,等, 1995, EMBO J 14:3373-3384;Brogiolo W等, Stocker H及びHafen E, 2000, Curr Opin Genet Dev 10:529-35;Chen C等, 1996, Endocrinology 137:846-56)。Dinrのドミナントネガティブ形態の誤発現により、ショウジョウバエの眼においてsmall eye表現型が生じた。過剰発現スクリーニングには、隣接するゲノム配列を転写するために配置されたGAL4制御プロモーターを含むPエレメントベクター(「EPエレメント」)の挿入を保持するショウジョウバエ系統のコレクションを用いた(Rorth P, 1996, Proc Natl Acad Sci USA 93:121418-22;Rorth P等, 1998, Development 125:1049-57)。各EP系統を、眼の中でGAL4のみならずドミナントネガティブなDinrを発現する系統と交雑させた。得られた子孫は、small eye表現型における変化について調べられた。P挿入部位を取り囲む配列情報は、過剰発現された遺伝子を同定するために使用された。
ショウジョウバエのスクリーニングにより、アミノ酸配列が配列番号:24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64,66,68,70,72,74及び76中に提供される遺伝子が同定された。
【0010】
ISMタンパク質とINRシグナルとの新たな関連性が、脊椎動物のスクリーニングにより同定された。出願人が知る限り、糖尿病(例えば、タイプIIの糖尿病)、グルコース代謝及び/又はINRシグナル及び配列番号:18,30,32,34,36,38,40,50,52,54,56,58,64,66,68,70,72,74及び76に示されるISMタンパク質との関連性についてはすでに開示されている。配列番号:2,4,6,8,10,12,14,16,20,22,24,26,28,42,44,46,48,60,及び62中に示されるものを含む他のISMタンパク質に関しては、これらのタンパク質の活性と糖尿病、グルコース代謝、又は他のINRシグナルの出力結果との関係についてすでに報告されていた。しかし、出願人が知る限り、ここで記載される方法は、これらのタンパク質が直接インスリン代謝の効果を制御するINRシグナルに対して影響を与え及び/又は相互作用を行うであろうことを、初めて提示する。
ISM遺伝子(即ち、核酸及びポリペプチド)は、INRシグナルに関連した障害の治療に対して魅力的な薬物標的である。好ましい例として、治療は、糖尿病及び/又は代謝症候群に関連する病態を治療するためにINRを介するシグナルを増大することに関与する。
本発明は、INRシグナルの更なる解明及びINRシグナルに関連する病態に対する診断及び治療様式を開発するために有用な、ISMの機能の評価方法、及びISM活性を調節(一般に阻害又はアゴナイズ)する方法をインビトロ及びインビボにおいて提供する。ここで用いられように、INRシグナルに関連する病態は、INRシグナルが健康状態を維持することに寄与する病態、並びに経過がINRシグナルの調節により変更され得る病態を含む。
【0011】
ISM 核酸及びポリペプチド
ヒトISM核酸(cDNA)配列は、配列番号:1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25,27,29,31,33,35,37,39,41,43,45,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67,69,71,73,及び75中に提示されている。これらに対応するタンパク質配列は、配列番号:2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,30,32,34,36,38,40,42,44,46,48,50,52,54,56,58,60,62,64,66,68,70,72,74及び76中に提示されている。本発明のISMタンパク質は、特定の機能ドメインを持つ幾つかのカテゴリーのタンパク質を含む。ISMsは、キナーゼ(配列番号:2,4,6,8,10,12,14,16,18,20,22,24,26,28,34,36,38,40,44,46,50,60,及び62)、プロテアーゼ(配列番号:30,32,74,及び76)、デサチュラーゼ(配列番号:48)、及び生合成酵素(配列番号:42及び52)のクラスに属する酵素として同定されている。他のクラスには、ミトコンドリア輸送タンパク質(配列番号:54,56及び58)、特異的結合タンパク質(配列番号:64及び66)、及び転写タンパク質(配列番号:68,70,72)が含まれる。
【0012】
「ISMポリペプチド」という用語は、全長ISMタンパク質又は断片、又は「機能的に活性のある」、つまりISMタンパク質の誘導体又は断片が全長、野生型ISMタンパク質に付随する一又は複数の機能的な活性を示す、それらの誘導体のことを意味する。一例として、断片又は誘導体は、以下で論じられるように、それが、免疫化、阻害的抗体の作出などの免疫アッセイにおいて使用され得るような抗原性を有してもよい。好ましくは、機能的に活性なISM断片又は誘導体は、酵素活性、シグナル活性、天然の細胞内基質と結合する能力などのISMタンパク質に付随した一又は複数の生物学的活性を示す。酵素として同定されたISMタンパク質に関して、好ましいISMポリペプチドは酵素(キナーゼ、プロテアーゼ、デサチュラーゼ、生合成的、など)活性を示す。他の好ましいISMポリペプチドは、特定のタンパク質クラスにより、輸送、結合又は転写活性を示す。一実施態様において、機能的に活性なISMポリペプチドは、細胞ベースの又は動物アッセイなどにおいて、欠陥のある内在性のISM活性をレスキューすることができるISM誘導体である;レスキューする誘導体は、同一又は異なる種に由来するものであってもよい。ISM断片が調節剤を同定するためのアッセイにおいて使用される場合、その断片は、好ましくはC-又はN-末端又は、特に触媒ドメインなどのISMドメインを含み、好ましくは、少なくとも10、好ましくは少なくとも20、さらに好ましくは少なくとも25、及び最も好ましくは少なくとも50のISMタンパク質に隣接するアミノ酸を含む。好ましいISM断片は、キナーゼとして同定されたISMについては、キナーゼドメインなどの触媒ドメインを含む。他の好ましいISM断片は、特異的結合ドメインを含む。機能的ドメインは、PFAMプログラム(Bateman A等, 1999 Nucelic Acids Res 27:260-262;ウェッブサイトは pfam.wustl.edu)を用いて同定され得る。
【0013】
「ISM核酸」という用語は、ISMポリペプチドをコードするDNA又はRNA分子を意味する。好ましくは、ISMポリペプチド又は核酸又はそれらの断片は、ヒト由来であるが、ヒトISMと少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、好ましくは85%、さらにより好ましくは90%、及び最も好ましくは95%の配列同一性を持つそれらのオルソログ又は誘導体であり得る。ここで用いられる場合、特定された対象配列、又はそれらの特定された部分に関する「パーセント(%)配列同一性」は、デフォルト値にセットされたサーチパラメーターを用いたプログラムWU-BLAST-2.0a19(Altschul等, J. Mol. Biol. (1997)215:403-410;http://blast.wustl.edu/blast/README.html)によって作成されるように、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を達成するために必要ならばギャップを導入した後、対象配列(又は特定されたその部分)中のヌクレオチド又はアミノ酸と同一である候補誘導体配列中のヌクレオチド又はアミノ酸のパーセンテージとして定義される。HSP S及びHSP S2パラメーターは、ダイナミックな値で、特定の配列の構成及び対象の配列がサーチされる特定のデーターベースの構成に依存するプログラム自体により設定される。「%同一性値」は一致する同一ヌクレオチド又はアミノ酸数をパーセント同一性が報告されている配列長で除することにより決定される。「パーセント(%)アミノ酸配列類似性」は、%アミノ酸配列同一性を決定するためのものと同一ではあるが、計算上同一のアミノ酸に加えて保存的なアミノ酸置換を含む計算を行うことにより決定される。保存的なアミノ酸置換は、アミノ酸がタンパク質の折り畳み又は活性がそれ程影響を受けないような類似の特徴を有する他のアミノ酸と置換されることである。互いに置換し得る芳香族アミノ酸は、フェニルアラニン、トリプトファン、及びチロシンである;交換可能な疎水性アミノ酸は、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、及びバリンである;交換可能な極性アミノ酸は、グルタミン及びアスパラギンである;交換可能な塩基性アミノ酸は、アルギニン、リジン及びヒスチジンである;交換可能な酸性アミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸である;及び交換可能な小アミノ酸は、アラニン、セリン、スレオニン、システイン及びグリシンである。
【0014】
あるいは、核酸配列に関するアライメントは、Smith及びWatermanの(Smith及びWaterman, 1981, Advances in Applied Mathematics 2:482-489;database:European Bioinformatics Institute wwwz.ebi.ac.uk/bic.sub--sw/;Smith及びWaterman, 1981, J.of Molec.Biol., 147:195-197;Nicholas等, 1998, "A Tutorial on Searching Sequence Databases and Sequence Scoring Methods"(www.psc.edu)及びここに引用される文献;W.R.Pearson, 1991, Genomics 11:635-650)局所的同一性アルゴリズムによって提供される。このアルゴリズムは、Dayhoff(Dayhoff:Atlas of Protein Sequences and Structure, M. O. Dayhoff ed., 5 suppl. 3:353-358, National Biomedical Research Foundation, Washington, D.C., USA)によって開発され、Gribskov(Gribskov 1986 Nucl. Acids Res. 14(6):6745-6763)によって標準化されたスコアー化マトリクスを使用してアミノ酸に適用され得る。Smith-Watermanアルゴリズムは、疑問(query)配列に類似する配列に関し、データーベースをサーチするために使用される。Smith-Watermanは、疑問(query)配列とデーターベース配列との間の至適なアライメントがどのように作り出されるかを決定するためのダイナミックなプログラムを使用する。このアライメントは、疑問(query)配列がデーターベース配列と一致するために受けるべき変換を決定することにより得られる。変換には、一つの文字を他に変換すること、及び文字列を挿入又は欠失させることを含む。スコアーは、各文字と文字の比較のために割り当てられる−−正確な一致又は幾つかの置換に関してはポジティブスコアーで、他の置換及び挿入/欠失に関してはネガティブスコアーである。挿入又は欠失ギャップにおける最初の文字は、ギャップオープンペナルティーによってスコアー化され、その後の文字はギャップエクステンションペナルティーによってスコアー化される。スコアーは、統計的に導かれるスコアー化マトリクス群から得られる。最も高いスコアーが生じる変換の組合わせは、疑問(query)配列とデーターベース配列との間のアライメントを作成するために用いられる。Smith-Watermanアルゴリズムは、デフォルトのパラメーターがスコアー化のために用いられる場合に使用される(例えば、12のギャップオープンペナルティー、2のギャップエクステンションペナルティー)。作成されたデーターより、「一致」値は「配列同一」を示す。
【0015】
対象の核酸分子の誘導体核酸分子は、ISM核酸配列にハイブリダイズする配列を含む。ハイブリダイゼーションの緊縮性は、ハイブリダイゼーション及び洗浄中における、温度、イオン強度、pH、及びホルムアミドなどの変性剤の存在によってコントロールされ得る。通常用いられる条件は、容易に入手可能な手順書(例えば、Current Protocol in Molecular Biology, Vol.1, Chap.2.10, John Wiley & Sons, Publishers (1994);Sambrook等, Molecular Cloning, Cold Spring Harbor (1989))中に詳説されている。ある実施態様において、本発明の核酸分子は、ISMヌクレオチドを含む核酸分子と、以下を含む緊縮なハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズすることができる:6X 1強度クエン酸(SSC)(1XSSCは、0.15M NaCl, 0.015M クエン酸ナトリウム;pH7.0)、5Xデンハード溶液、0.05% ピロリン酸ナトリウム及び100μg/ml ニシン精子DNAを含む溶液中、8時間から一晩、65℃で核酸を含むフィルターのプレハイブリダイゼーション;6X SSC、1X デンハード溶液、100μg/ml 酵母tRNA及び0.05% ピロリン酸ナトリウムを含む溶液中、18-20時間、65℃でのハイブリダイゼーション;及び0.2X SSC及び0.1% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)含む溶液中、1時間、65℃でのフィルターの洗浄。他の実施態様において、以下を含む中程度の緊縮性なハイブリダイゼーション条件が使用される:35%ホルムアミド、5X SSC、50mM Tris-HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.1% PVP、0.1% フィコール、1% BSA、及び500μg/ml 変性サケ精子DNAを含む溶液中、6時間、40℃での核酸を含むフィルターの前処理;35%ホルムアミド、5X SSC、50mM Tris-HCl(pH7.5)、5mM EDTA、0.02% PVP、0.02% フィコール、0.2% BSA、100μg/ml サケ精子DNA及び10%(重量/体積)硫酸デキストランを含む溶液中、18-20時間、40℃でのハイブリダイゼーション;その後、2X SSC及び0.1% SDSを含む溶液中、1時間、55℃での2度の洗浄を行う。あるいは、低い緊縮性の条件は以下を含むものが使用される:20% ホルムアミド、5XSSC、50mM リン酸ナトリウム(pH7.6)、5X デンハード溶液、10% 硫酸デキストラン、及び20μg/ml 変性剪断サケ精子DNAを含む溶液中、8時間から一晩、37℃でのインキュベーション;同一のバッファー中18から20時間のハイブリダイゼーション;及び1XSSC中、約37℃、1時間のフィルターの洗浄。
【0016】
ある実施態様において、ISMはヒトISMのオルソログである。これらの遺伝子のヒトオルソログを同定する方法は、当該技術分野において既知である。通常、異なる種におけるオルソログは、一又は複数のタンパク質モチーフ及び/又は3次元構造の存在に起因する同一の機能を保持する。オルソログは、一般に、タンパク質ベイト配列を使用するBLAST分析などの、配列相同性分析によって、通常同定される。フォワードBLASTの結果から得られた最もよく的中した配列が、リバースBLASTにおいて元々の疑問(query)配列を検索する場合(Huynen MA及びBork P, Proc Natl Acad Sci (1998) 95:5849-5856;Huynen MA等, Genome Research (2000)10:1204-1210)、配列が潜在的オルソログであると評価される。CLUSTAL(Thompson JD等, 1994, Nucleic Acids Res 22:4673-4680)などの複数配列のアライメントのためのプログラムは、オルソログタンパク質の保存された領域及び/又は残基を強調し、系統樹を作成するために使用され得る。多様な種に由来する複数の相同配列(例えば、BLAST分析を介して検索される)を表す系統樹において、2つの種に由来するオルソログ配列は、一般に、これら2つの種に由来する全ての他の配列に関し、系統樹上において最も近いようである。タンパク質の折り畳みに関する構造的スレッディング又は他の分析(例えば、ProCeryon, Biosciences, Salzburg, Austria)によっても、潜在的オルソログは同定される。進化において、遺伝子の倍化が種分化の後に起こる場合、ショウジョウバエなどのある種における単一遺伝子が他の種、例えばヒトにおける複数遺伝子(パラログ)と一致することもある。ここで用いられる場合、「オルソログ」という用語は、パラログを含む。
【0017】
ISM 核酸及びポリペプチドの単離、生産、発現及び誤発現
ISM核酸及びポリペプチドは、ISMの機能を調節する薬剤を同定し、試験するために、またINRシグナルにおけるISMの関与に関連した他の用途のために有用である。ISM核酸は、任意の利用可能な方法を用いて得られる。例えば、DNAライブラリーをスクリーニングし又はポリメラーゼ鎖反応(PCR)を用いることよって対象のcDNA又はゲノムDNA配列を単離する技術は当該技術分野において周知である。
ISMポリペプチドを得るために多様な方法が利用可能である。通常、ポリペプチドに関して意図された使用により、発現、生産及び精製方法の詳細が決定される。例えば、調節剤のスクリーニングにおける使用のためのポリペプチドの生産には、これらのタンパク質の特異的な生物学的活性を保存する方法が必要であるが、抗体作製のためのポリペプチドの生産には、特定のエピトープの構造的な完全性が要求される。スクリーニング又は抗体作製のために精製されるポリペプチドの発現には、特定のタグの付加が必要である(即ち、融合タンパク質の生産)。管形成(tubulogenesis)における関与など、ISMの機能を評価するために使用される細胞ベースのアッセイのためのISMポリペプチドの過剰発現は、これらの細胞活性のある真核細胞生物株における発現を必要とする。タンパク質の発現、生産、及び精製のための技術は、当該技術分野において周知である;従って、何れか適切な手段が使用される(例えば、Higgins SJ及びHames BD(eds.) Protein Expression:A Practical Approach, Oxford University Press Inc., New York 1999;Stanbury PF等, Principles of Fermentation Technology, 2nd edition, Elsevier Science, New York, 1995;Doonan S(ed.)Protein Purification Protocols, Humana Press, New Jersey, 1996;Coligan JE等, Current Protocols in Protein Science(eds.), 1999, John Wiley & Sons, New York;U.S. Pat.No.6,165,992)。
【0018】
ISMポリペプチドをコードするヌクレオチド配列は、挿入されたタンパク質コード化配列の発現のために、任意の適当なベクター中に挿入することができる。プロモーター/エンハンサーエレメントを含む必要な転写及び翻訳シグナルは、天然のISM遺伝子及び/又はその隣接領域に由来してもよく、又は異種性であり得る。多様な宿主−ベクター発現系が利用されるが、例えば、ウィルス(例えば、ワクシニアウィルス、アデノウィルスなど)に感染した哺乳動物細胞系;ウィルス(例えば、バキュロウィルス)に感染した昆虫細胞の系;酵母ベクターを含む酵母、又はバクテリオファージ、プラスミド、又はコスミドDNAで形質転換されたバクテリアなどの微生物である。修飾、及び/又は特異的な加工など、遺伝子産物の発現を修飾する宿主細胞株が使用されてもよい。
ISMポリペプチドは、場合によっては、異種のタンパク質配列とペプチド結合を介して連結される、融合体又はキメラ産物として発現してもよい。ある適用において、異種の配列は、転写レポーター遺伝子(例えば、GFP又は他の蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ、β−ガラクトシダーゼなど)をコードする。キメラ産物は、所望のアミノ酸配列をコードする適当な核酸配列を適切なコード化フレームとなるように標準的な方法を用いて互いに連結し、キメラ産物を発現することによって調製され得る。また、キメラ産物は、タンパク質合成技術、例えば、ペプチド合成装置(Hunkapiller等, Nature(1984) 310:105-111)の使用などにより調製することもできる。
【0019】
ISMポリペプチドは標準的な方法(例えば、イオン交換、アフィニティー及びゲル排除クロマトグラフィー;遠心;溶解度差;電気泳動)を用いて単離及び精製することができる。あるいは、天然のISMタンパク質は、標準的な方法により天然資源から精製することができる(例えば、イムノアフィニティー精製)。タンパク質が得られれば、定量化され、イムノアッセイ、バイオアッセイ、又は他の結晶化等の物理的性質の測定などの適当な方法によってその活性が測定される。
また、本発明の方法では、ISM又はINRシグナルに関連する他の遺伝子の変更された発現(誤発現)に関して操作されている細胞を使用してもよい。ここで用いられ場合、誤発現には、異所的な発現、過剰発現、過少発現、及び不発現(例えば、遺伝子ノックアウト又はさもなければ正常に生じる発現をブロックすることによる)を含む。
【0020】
遺伝学的に修飾された動物
本発明の方法では、ISM及び/又はINRシグナルに関与することが知られている他の遺伝子の発現を変更するために遺伝学的に修飾されている非ヒト動物を用いてもよい。好ましくは、遺伝学的に修飾された動物は哺乳動物であり、特にマウス又はラットである。好ましい非哺乳動物種には、ゼブラフィッシュ、シー・エレガンス、及びショウジョウバエが含まれる。好ましくは、変更されたISM又は他の遺伝子に発現により、変更された遺伝子の正常な発現を示すコントロールの動物と比較したINRシグナルの修飾されたレベル、プラズマグルコース又はインスリンの修飾されたレベル又は修飾された脂質プロファイルなどの検出可能な表現型が生じる。遺伝学的に修飾された動物は、INRシグナルに関連した病態の動物モデルにおいてINRシグナルをさらに解明するために、また後述するように、候補治療剤のインビボ試験のために使用され得る。
好ましい遺伝学的修飾動物は、トランスジェニックであり、少なくともそれらの細胞の一部は、安定なゲノム挿入又は典型的にはモザイクである余分な染色体エレメントのいずれかとして存在する非天然核酸を有する。好ましいトランスジェニック動物は、子孫の動物の全ての細胞に安定に伝達される生殖系列挿入を有する。
非天然核酸は、都合のよい方法により宿主動物中に導入される。トランスジェニックな非ヒト動物を作製する方法は、当該技術分野において周知である(マウスに関しては、Brinster 等, Proc. Nat. Acad. Sci. USA 1985, 82:4438-42;U.S.Pat. Nos.4,736,866, 4,870,009,4,873,191, 6,127,598;Hogan, B., Manipulating the Mouse Embryo, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N. Y., (1986)を参照のこと;相同組換えに関しては、Capecchi, Science 1989, 244:1288-1292;Joyner等, Nature 1989, 338:153-156を参照のこと;粒子照射に関しては、U.S.Pat.No., 4,945,050を参照のこと;ショウジョウバエに関しては、 Rubin及びSpradling, Science (1982) 218:348-53, U.S.Pat.No.4,670,388;トランスジェニック昆虫に関しては、Berghammer A.J.等, Nature 1999, 402:370-371を参照のこと;ゼブラフィッシュに関しては、Lin S. Methods Mol Biol. (2000);136:375-3830を参照のこと;魚類、両生類、及び鳥類に関しては、Houdebine及びChourrout, Experientia (1991)47:897-905を参照のこと;ラットに関しては、Hammer等, Cell (1990)63:1099-1112を参照のこと;胚幹(ES)細胞に関しては、Teratocaricinomas and Embryonic Stem Cells, A Practical Approach, E.J. Robertson, ed., IRL Press (1987)を参照のこと;家畜に関しては、Pursel等, Science (1989) 244:1281-1288を参照のこと;非ヒト動物クローンに関しては、Wilmut, I.等. (1997) Nature 385:810-813, PCT公開WO97/07668及びWO97/07669を参照のこと;導入遺伝子の制御された発現に対するリコンビナーゼ系に関しては、Lakso等, PNAS (1992) 89:6232-6236を参照のこと;U.S.Pat.No.4,959,317[cre.loxPに関して]及びO'Gorman等. (1991) Science 251:1351-1355;U.S.Pat.No.5,654,182[FLP/FRTに関して]を参照のこと)。
トランスジェニック動物のゲノム中におけるホモ接合性又は異種接合性の変更により、異所性の発現、過剰発現(例えば、複数遺伝子コピー)過少発現及び不発現(例えば、遺伝子ノックアウト又はさもなければ正常に生じる発現をブロックすることによる)を含む天然遺伝子の誤発現を生じ得る。ある用途において、「ノックアウト」動物は、典型的には、内在性遺伝子中の変更によりその遺伝子の機能低下が誘導され、好ましくは遺伝子発現が検出不能又は僅かなものとなるような相同組換えを用いて作製される。
【0021】
ISM 修飾剤
本発明はISM及び/又はINRシグナルの機能と相互作用し及び/又は調節する薬剤を同定するための方法を提供する。そのような薬剤は、INRシグナルと関連する様々な診断及び治療的適用、並びにISMタンパク質及びそのINRシグナルへの貢献の更なる解析において有用である。従って、本発明はISM相互作用又は修飾剤を投与することによるISM活性を特異的に変更する段階を含むINRシグナルを調節するための方法も提供する。
好ましい実施態様において、ISM調節剤はISM活性を阻害又は増強し、あるいは転写、タンパク質発現、タンパク質局在、及び細胞内又は細胞外活性を含むISMの正常な機能に影響を与える。さらなる好ましい実施態様において、候補INRシグナル調節剤は、ISMの機能を特異的に調節する。「特異的調節剤」、「特異的に調節する」などの用語は、ここではISMポリペプチド又は核酸と直接結合し、好ましくはISMの機能を阻害、増強、あるいは変更する調節剤を意味する。また、その用語は、ISMと結合相手又は基質との相互作用を変更する(例えば、ISMの結合相手又はタンパク質/結合相手の複合体との結合及び機能を阻害することにより)調節剤も含む。
好ましいISM調節剤は、小分子化学剤、抗体及び他の生物治療剤を含むISM相互作用タンパク質、及びアンチセンスオリゴマー及びRNAを含む核酸調節因子を含む。調節剤は、例えば、併用療法などの場合他の活性成分を、及び/又は適切な担体又は賦形剤を含む組成物として、治療的組成物中に製剤化される。化合物の製剤化及び投与に関する技術は、"Remington's pharmaceutical Sciences"Mack Publishing Co., Easton, PA, 19th edition中に見つけられる。
【0022】
小分子調節因子
当該技術分野においては、「小分子」化合物と称される化学薬剤は、典型的には有機物で、非ペプチド分子であり、分子量10,000未満、好ましくは5,000未満、より好ましくは1,000未満、最も好ましくは500未満を有する。このクラスの調節因子は、化学的に合成される分子、例えば、コンビナトリアルケミカルライブラリーに由来する化合物を含む。合成化合物は、ISMタンパク質の既知又は推測された特徴に基づいて合理的にデザインされるか又は同定され、又は化合物ライブラリーをスクリーニングすることにより同定される。このクラスの他の適当な調節因子は、天然の産物、特に植物又は菌類などの生物体に由来する二次代謝物であり、また、ISM調節活性に対して化合物ライブラリーをスクリーニングすることでも同定される。化合物を生産し、得る方法は、当該技術分野において周知である(Schreiber SL, Science (2000)151:1964-1969;Radmann J及びGunther J, Science (2000)151:1947-1948)。
後述のスクリーニングアッセイから同定された小分子調節因子は、候補臨床化合物が設計され、至適化され、合成されるリード化合物として使用され得る。そのような臨床的化合物は、INRシグナルに関連した病態を治療する場合に有用性を示す。候補小分子調節剤の活性は、後述されるように、構造決定及び候補調節因子の修飾及び試験などの反復性の二次的な機能的妥当性確認を介して数倍改善される。さらに、候補臨床化合物は臨床的及び薬理学的特徴に特に留意して生産される。例えば、試薬は、医薬品の開発に関して活性を至適化し毒性を最小にするインビトロ及びインビボのアッセイを用いて誘導体化され、再スクリーニングされる。
【0023】
タンパク質調節因子
ISM相互作用タンパク質は内在性のもの、すなわち、例えば、ISMの発現、局在化、及び/又は活性を調節するISM経路のメンバーのような、通常ISMと遺伝学的又は生化学的に相互作用するものである。ISM調節因子には、ISM相互作用タンパク質及びISMタンパク質そのもののドミナントネガティブな形態が含まれる。酵母2ハイブリッド法及び変異体スクリーニングは、内在性のISM相互作用を同定するための好ましい方法を提供する(Finley, R. L.等 (1996) in DNA Cloning-Expression Systems: A Practical Approach, eds. Glover D. & Hames B. D (Oxford University Press, Oxford, England), pp. 169-203;Fashema SF等, Gene (2000) 250: 1-14;Drees BL Curr Opin Chem Biol (1999) 3: 64-70;Vidal M及びLegrain P Nucleic Acids Res (1999) 27: 919-29;及びU. S. Pat. No. 5,928,868)。マススペクトロメトリーは、タンパク質複合体の解明に関し、これに代わる好ましい方法を提供する例えば、Pandley A and Mann M, Nature (2000) 405: 837-846;Yates JR 3rd, Trends Genet (2000) 16: 5-8中に総説されている)。
特異的な生物療法
ISM相互作用タンパク質には、生物療法的な適用がある。薬学的に受容可能な担体中に製剤化された生物療法剤及び投与量は、シグナル伝達経路を活性化又は阻害するために使用される。この調節は、リガンドと結合し、その結果その経路の活性を阻害することにより;又はレセプターに結合し、レセプターの活性化を阻害するか又は活性化することにより達成される。あるいは、生物療法は、それ自体レセプターを活性化し又は阻害する能力のあるリガンドである。生物療法剤及びそれらを生産する方法は、U.S.Pat.No. 6,146,628中に詳細に記載されている。
【0024】
抗体調節因子
好ましい実施態様において、ISM相互作用タンパク質は抗体である。さらなる好ましい実施態様において、治療上の有用性を持つ抗体アゴニスト又はアンタゴニストが産生される。
ISMポリペプチドに特異的に結合する抗体は、既知の方法を用いて産生される。好ましくは、抗体は哺乳類ISMポリペプチドに、より好ましくは、ヒトISMに特異的である。抗体は、ポリクローナル、モノクローナル(mAbs)、ヒト化又はキメラ抗体、単一鎖抗体、Fab断片、F(ab’)2断片、FAb発現ライブラリーによって産生される断片、抗イデオタイプ(抗Id)抗体、及び上述のいずれかのエピトープ結合断片であってもよい。108 M-1好ましくは109 M-1から1010 M-1又はさらに強い親和性を持つモノクローナル抗体は、既述のように(Harlow E及びLane D, 1988 Antibodies: A Laboratory Manual, CSH Laboratory Press;(Harlow E及びLane D, 1999 Using Antibodies: A Laboratory Manual, CSH Laboratory Press;Goding (1986) Monoclonal Antibodies: Principles and Practice (2d ed) Academic Press, New York; and U. S. Pat. Nos. 4,381,292; 4,451,570;及び4,618,577)、標準的な手順により作製することができる。抗体は、ISMの粗細胞抽出物又は実質的に精製されたそれらの断片に対して作製してもよい。ISM断片を用いる場合、好ましくは、ISMタンパク質の少なくとも10、より好ましくは少なくとも20の連続したアミノ酸を含む。特別な実施態様においては、ISM特異的抗原及び/又は免疫原は、免疫応答を刺激するキャリアタンパク質と連結される。例えば、対象のポリペプチドはキーホールリンペットヘモシアニン(KLH)キャリアーと共有結合的に連結され、その結合体は、免疫応答を増強するフロイント完全アジュバント中にエマルジョン化される。実験用ウサギ又はマウスなどの適当な免疫系は、従来の手順に従って免疫化される。
【0025】
異なる動物種由来の異なる部分を含むISMポリペプチドに特異的なキメラ抗体を作製することができる。例えば、抗体がその生物学的活性をヒト抗体から、その結合特異性をマウス断片から誘導するように、ヒトイムノグロブリンの定常領域をマウスmAbの可変領域に結合させてもよい。キメラ抗体は、各種由来の適切な領域をコードする遺伝子を同時にスプライシングすることによって産生される(Morrison等, Proc. Natl. Acad. Sci. (1984) 81: 6851-6855; Neuberger等, Nature (1984) 312: 604-608; Takeda等, Nature (1985) 31: 452-454)。キメラ抗体の一形態であるヒト化抗体は、マウス抗体の相補性決定領域(CDRs)(Carlos, T. M., J. M. Harlan. 1994. Blood 84: 2068-2101)をヒトフレームワーク領域及び定常領域のバックグラウンド中に、組換えDNA技術を(Riechmann LM,等, 1988 Nature 323: 323-327)用いて移植することにより、産生することができる。ヒト化抗体は、〜10%のマウス配列と〜90%のヒト配列を含むため、抗体特異性を保持しながら、免疫原性をさらに減少又は除去する(Co MS,及びQueen C. 1991 Nature 351; 501-501; Morrison SL. 1992 Ann. Rev. Immun. 10: 239-265)。ヒト化抗体及びそれらの産生方法は、当該技術分野において周知である(US PAT NO: 5,530,101;US PAT NO : 5,585,089;US PAT NO : 5,693,762, 及びUS PAT NO : 6,180,370)。
【0026】
組換体で、アミノ酸ブリッジを介してFv領域の重鎖及び軽鎖と連結させることにより形成される単一鎖ポリペプチドであるISM特異的単一鎖抗体を生産することができる(U. S. Pat. No. 4,946,778;Bird, Science (1988) 242: 423-426;Huston等, Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1988) 85: 5879-5883;及びWard等., Nature (1989)334: 544-546)。
抗体産生のための他の適切な技術は、インビトロにおいてリンパ球を抗原性ポリペプチド或いはファージ又は類似のベクター中の抗体ライブラリーの選択に曝すことを必要とする(Huse等, Science (1989) 246: 1275-1281)。
ここで用いられる場合、T細胞抗原レセプターは抗体調節因子の範囲に含まれる(Harlow及びLane, 1988, 上掲)。
本発明のポリペプチド及び抗体は、修飾を行い又は行わずに使用される。しばしば、ポリペプチド及び抗体は、検出可能なシグナルを提供するか又は対象のタンパク質を発現させると細胞に毒性を有する基質と、共有結合的又は非共有結合的に結合させることにより標識化される(Menard S,等, Int J. Biol Markers (1989) 4: 131-134)。様々な標識及び結合技術が知られており、科学的及び特許文献中に広範囲にわたり報告されている。適切な標識には、放射性核種、酵素、基質、コファクター、阻害因子、蛍光成分、蛍光放射ランタニド金属、化学発成分、生物発光成分、磁気粒子などが含まれる(U. S. Pat. Nos. 3,817,837; 3,850,752; 3,939,350; 3,996,345; 4,277,437; 4,275,149; and 4,366,241)。また、組換体免疫グロブリンを産生してもよい(U. S. Pat. No. 4,816,567)。細胞質タンパク質に対する抗体は、膜貫通毒素タンパク質との結合により送達されそれらの標的に到達する(U. S. Pat. NO. 6,086,900)。
【0027】
患者に対して治療上用いられる場合、本発明の抗体は典型的には非経口的に、可能な場合には標的部位に、又は静脈中に投与される。治療上効果的な投与量及び投与計画は臨床試験によって決定される。典型的には、投与される抗体の量は、患者の体重あたり約0.1 mg/kg〜約10 mg/kgの範囲である。非経口的投与に関して、抗体は薬学的に受容可能な媒体と共に単位投与量の注射可能な形態(例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン)で製剤化される。そのような媒体は、本質的に無毒であり治療的なものではない。例として、水、食塩水、リンガー溶液、デキストロース溶液、及び5%ヒト血清アルブミンが挙げられる。不揮発性油、エチルオレイン酸、又はリポソーム担体などの非水系の媒体も使用される。媒体には、バッファー及び保存剤など、等張性及び化学的安定性、又はその他治療的能力を増強するような少量の添加物が含まれる。このような媒体中における抗体の濃度は、典型的には、約1 mg/ml〜約10 mg/mlの範囲内である。免疫療法については、文献中にさらに記載がある(US Pat. No. 5,859,206;WO0073469)。
【0028】
核酸調節因子
他の好ましいISM調節剤には、アンチセンスオリゴマー又は二本鎖RNA(dsRNA)など、一般にISM活性を阻害するような核酸分子が含まれる。
好ましいアンチセンスオリゴマーは、ISM核酸の機能、例えば、DNA複製、転写、ISM RNA転移、ISM RNAからのタンパク質の翻訳、RNAスプライシング、及びISM RNAが関与する任意の触媒的活性を妨げる。ある実施態様において、アンチセンスオリゴマーは、ISM mRNAに対して結合するのに十分に相補的であり、好ましくは5'非翻訳領域に結合することによりISM mRNAからの翻訳を阻害するオリゴヌクレオチドである。ISM特異的なアンチセンスオリゴヌクレオチドは、好ましくは少なくとも6から200ヌクレオチドの範囲内である。ある実施態様において、オリゴヌクレオチドは好ましくは少なくとも10,15,又は20ヌクレオチド長である。他の実施態様において、オリゴヌクレオチドは好ましくは少なくとも50, 40, 又は30ヌクレオチド長である。オリゴヌクレオチドは、DNA又はRNA、DNAとRNAのキメラ混合物、それらの誘導体又は修飾型、一本鎖又は二本鎖であり得る。オリゴヌクレオチドは塩基部分、糖部分、又はリン酸骨格において修飾され得る。オリゴヌクレオチドは、ペプチド、細胞膜を通過する輸送を促進する薬剤、ハイブリダイゼーションをトリガーする薬剤及びインターカレート剤などの他の付加的なグループを含んでもよい。
他の実施態様において、アンチセンスオリゴマーは、ホスホロチオエートモルホリノオリゴマー(PMO)である、PMOは、6つで構成されるモルホリン環と連結された遺伝的塩基(A, C, G,又はT)の一つを各々含む、4つの異なるモルホリノサブユニットから構築される。これらのサブユニットのポリマーは、非イオン的なホスホジアミデートサブユニット間連結によって結合される。PMOs及び他のアンチセンスオリゴヌクレオチドを生産し、使用する方法は、当該技術分野において周知である (例えば、W099/18193; Summerton J,及びWeller D, Antisense Nucleic Acid Drug Dev 1997,7: 187-95;Probst JC, Methods 2000, 22: 271-281;US PAT NO: 5,325,033;US PAT NO: 5,378,841を参照のこと)。
【0029】
アンチセンスオリゴマーは、通常、研究試薬、診断薬、及び治療薬として使用される。例えば、アンチセンスオリゴマーは、特異的に遺伝子発現を阻害し、しばしば特定の遺伝子の機能を解明するために用いられる(例えば、US PAT NO 6,165,790を参照のこと)。また、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、例えば、生物学的経路の種々のメンバーの機能同士を区別するためにも用いられる。アンチセンスオリゴマーは、動物及びヒトの疾病状態の治療において治療成分として用いられ、安全で効果的であることが多くの臨床試験により示されてきた(Milligan JF等, 1993, J Med Chem 36: 1923-1937;Tonkinson JL等, 1996, Cancer Invest 14: 54-65)。従って、本発明の一側面において、ISM特異的アンチセンスオリゴマーは、INRシグナルにおけるISMの機能をさらに解明するためにアッセイにおいて用いられる。ゼブラフィッシュは、アンチセンスオリゴマーを用いたINRシグナルの研究に対して特に有用なモデルである。例えば、PMOsはゼブラフィッシュの胚中の一又は複数の遺伝子をインビボで選択的に不活性化するために用いられる。PMOsを1-16細胞期においてゼブラフィッシュにインジェクトすることにより、ショウジョウバエによるスクリーニングから明らかになる候補標的につき、この脊椎動物モデル系にて確証される。本発明の他の側面において、PMOsはINRシグナルの他の治療的調節因子の同定に関し、ゼブラフィッシュゲノムをスクリーニングするために用いられる。本発明のさらなる側面において、ISM特異的アンチセンスオリゴマーは、代謝病態の治療のための治療剤として用いられる。
これに代わる好ましいISM調節剤は、RNA干渉(RNAi)を媒介する二本鎖RNA種である。RNAiは、動物及び植物における、配列特異的な、転写後の遺伝子サイレンシング過程であり、サイレンスされる遺伝子と配列上相同である二本鎖RNA(dsRNA)によって開始される。シー・エレガンス、ショウジョウバエ、植物及び哺乳動物において遺伝子をサイレンスするためのRNAiの使用に関連する方法は、当該技術分野において知られている(Fire A,等, 1998 Nature 391: 806-811;Fire, A. Trends Genet. 15,358-363 (1999);Sharp, P. A. RNA interference 2001. Genes Dev. 15,485-490 (2001);Hammond, S. M.,等, Nature Rev Genet 2,110-1119 (2001);Tuschl, T. Chem Biochem. 2,239-245 (2001);Hamilton, A.等, Science 286,950-952 (1999);Hammond, S. M.,等, Nature 404,293-296 (2000);Zamore, P. D.,等, Cell 101,25-33 (2000);Bernstein, E.,等, Nature 409,363-366 (2001);Elbashir, S. M.,等, Genes Dev. 15,188-200 (2001);WO0129058;W09932619, 及びElbashir SM,等, 2001, Nature 411: 494-498)。
【0030】
アッセイ系
本発明は、ISM活性の特異的調節因子を同定するためのアッセイ系を提供する。ここで使用される場合、「アッセイ系」には、特定の現象又は複数の現象を検出及び/又は測定するアッセイの結果を実行し、解析するために必要な全ての構成要素が含まれる。一般に、第一のアッセイは、ISM核酸又はタンパク質に関する調節因子の特異的な生化学的又は分子的影響を同定し又は確認するために使用される。一般に、第二のアッセイは、第一のアッセイによって同定されたISM調節剤の活性をさらに評価し、調節剤がINRシグナルと関連する様式において、ISMに影響を与えることを確認する。ある場合において、ISM調節因子は、「第二のアッセイ」において「第一のアッセイ」で同定され、確認されないまま直接試験されることもある。
好ましい実施態様において、本アッセイ系は、薬剤が存在しなければ該系が対照の活性を提供する条件下において、ISMポリペプチド又は核酸を含む適切なアッセイ系と候補薬剤を接触させることを含み、該アッセイ系が検出する特定の分子的現象に基づくものである。本方法は、候補薬剤の存在下において同様のタイプの活性(「該系の薬剤により偏向された活性」)を検出することをさらに含む。薬剤によって偏向された活性と対照の活性の差は、候補薬剤がISM活性を調節し、結果的にINRシグナルを調節することを示す。ここで用いられる差は、統計学的に有意なものである。本アッセイ系は、一般に、当該技術分野において周知のポジティブ及び/又はネガティブなコントロールを含む。
【0031】
第一のアッセイ
試験された調節因子のタイプは、一般に第一のアッセイのタイプにより決定される。
小分子調節因子に関する第一のアッセイ
小分子調節因子に関して、スクリーニングアッセイは、候補調節因子を同定するために使用される。スクリーニングアッセイは、細胞ベースであり、又は標的タンパク質の関連する生化学的反応を再現し、保持する無細胞系を用いてもよい(Sittampalam GS等, Curr Opin Chem Biol (1997) 1: 384-91及びこれに添付の文献中に総説されている)。ここで用いられる場合、「細胞ベース」という用語は、生細胞、死細胞、又は膜、小胞体又はミトコンドリア画分などの特定の細胞内画分を用いたアッセイを意味する。「無細胞」という用語には、実質的に精製されたタンパク質(内在性又は組換え法により作製されたもののいずれか)、部分精製された細胞抽出物、又は粗抽出物を用いるアッセイが含まれる。スクリーニングアッセイは、タンパク質−DNA相互作用、タンパク質−タンパク質相互作用(例えば、レセプター−リガンド結合)、転写活性(例えば、レポーター遺伝子を用いたもの)、酵素活性(例えば、基質の性質を介したもの)、第二メッセンジャーの活性、免疫原性及び細胞の形態若しくは他の細胞の性質における変化を含む種々の分子現象を検出する。適切なスクリーニングアッセイは、検出される特定の分子現象に関する出力を提供するために、蛍光による、放射活性による、比色的、分光光度法的な、及び電流測定的な方法を含む広範囲な方法を使用する。
好ましい実施態様において、スクリーニングアッセイは、蛍光偏光、時間分解蛍光、及び蛍光共鳴エネルギー転移を含む蛍光技術を用いる。これらの系は、標識色素分子からの放出シグナルの強度が相手分子との相互作用に依存する、タンパク質−タンパク質又はDNA−タンパク質相互作用をモニターする手段を提供する(例えば、Selvin PR, Nat Struct Biol (2000) 7: 730-4;Fernandes PB, Curr Opin Chem Biol(1998)2: 597-603;Hertzberg RP及びPope AJ, Curr Opin Chem Biol (2000) 4: 445-451を参照のこと)。
ISM調節因子をスクリーニングするために適合させた適切なアッセイ形式は、当該技術分野において知られている。種々のISMタンパク質クラスに対して有用なアッセイの例が下記に挙げられている。
【0032】
膜結合又は細胞内に存在する重要なシグナル伝達タンパク質であるタンパク質キナーゼは、アデノシン三リン酸(ATP)からタンパク質基質中のセリン、スレオニン又はチロシンへのγリン酸の転移を触媒する。[γ-32P又は33P]ATPからの転移をモニターする放射性アッセイは、しばしば、キナーゼ活性をアッセイするために用いられる。残存する放射標識ATPからのリン酸標識産物の分離は、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、ガラスフィルター又はペプチド又はタンパク質に結合する他のマトリクスを用いたろ過、及び洗浄により残存する放射標識ATPの除去を可能ならしめる固相マトリクスへのペプチド又はタンパク質基質の吸着/結合を含む種々の方法によって達成することができる。一例において、シンチレーションアッセイは、[γ-33P]ATPからビオチン化ペプチド基質へのγリン酸の転移をモニターする。基質は、シグナルを伝達するストレプタビジンコート化ビーズ上に捕獲される(Beveridge M等, J Biomol Screen (2000) 5: 205- 212)。本アッセイは、シンチレーション近接アッセイ(SPA)を使用するが、SPAビーズの表面に拘束されたレセプターに結合した放射性リガンドのみがそれに固定化されたシンチラント(scintillant)よって検出され、フリーなリガンドから結合したものを分離することなく測定されるような結合を可能にする。タンパク質キナーゼ活性の他のアッセイでは、リン酸化された基質を特異的に認識する抗体が使用される。例えば、キナーゼレセプターの活性化(KIRA)アッセイは、培養細胞中で無傷のレセプターを刺激した後、可溶化されたレセプターを特異的な抗体で捕獲し、リン酸化チロシンのエライザを介してリン酸化を定量化することにより、チロシンキナーゼ活性を測定する(Sadick MD, Dev Biol Stand (1999) 97: 121-133)。抗体に基づくタンパク質キナーゼ活性に関するアッセイ他の例は、TRF(時間分解蛍光定量法)である。この方法は、マイクロタイタープレートウェル上にコートされたポリマー状基質へのリン酸の転移を検出するために、ユーロピウムキレート標識抗リン酸化チロシン抗体を利用する。次に、リン酸化の量は時間分解、解離増強蛍光を用いて検出される(Braunwalder AF,等, Anal Biochem 1996 Jul 1; 238 (2): 159-64)。ミエリン塩基性タンパク質、カゼイン、ヒストン、などのリン酸化基質、又はポリグルタミン酸/チロシンなどの合成基質、及び放射標識ATPによる一般的なアッセイが、タンパク質キナーゼに対して確立されている。
【0033】
ホスホイノシチドキナーゼは、ホスファチジルイノシトール基質のリン酸化を触媒する。脂質キナーゼ活性に対するアッセイは、脂質基質へのリン酸の転移を検出するために放射標識基質などの標識化基質を用いる。一例として、アッセイでは、リン酸化を検出するためにクロマトグラフィー技術が用いられる(Sbrissa D等, 1999, J Biol Chem 274: 21589-21597)。他の例において、アッセイでは、「フラッシュプレート」技術 (U. S. Patent No. 5,972,595)が用いられるが、疎水性基質がマルチウェルプレートの各ウェル中に固相支持体上に固定化されている。放射標識リン酸による基質のリン酸化は、結合した放射活性の増加として測定され、シンチラント(scintillant)の近くへの接近により検出される。
脂肪酸CoAリガーゼは脂肪酸鎖の伸長を触媒する。アッセイでは、例えば標識化された伸長産物のクロマトグラフィー(例えば、HPLC)解析を用いて、脂肪酸基質の伸長が検出される。長鎖脂肪酸は14-Cで標識化される(Moon YA等, 2001, J Biol Chem 276: 45358-66)。
脂肪酸デサチュラーゼは、飽和脂肪酸分子中への二重結合の挿入を触媒する。ある適用において、脂肪酸デサチュラーゼ活性の阻害因子に関する放射アッセイは、脂肪酸基質の変換を検出するために薄層クロマトグラフィーを用いる (Obukowicz等, Biochem Pharmacol (1998) 55: 1045-1058) 。
ミトコンドリアのアデニン輸送は、ミトコンドリア区画から細胞質へのアデノシンの通過を媒介する。ミトコンドリアのアスパラギン酸/グルタミン酸担体は尿素サイクルとアスパラギン酸/リンゴ酸NADHシャトルの双方において重要なステップを触媒する。ミトコンドリアの輸送アッセイは、輸送された分子を直接測定し(例えば、Ruck A等, 1998, FEBS Lett 426: 97-101)、無傷のミトコンドリア又は再構成された小胞中での輸送活性を検出する(例えば、Haucke V及びSchatz G, 1997, EMBO J 16: 4560-7;Genchi G等, 1996 Plant Physiol 112: 845-51)。一例において、小胞は標識化された基質の存在下で再構成される(Palmieri F等, 1995, Methods Enzymol 260: 349-69)。ミトコンドリアの輸送のためのアッセイは、ミトコンドリアタンパク質の起電性の又は蛍光性の特性を選択的に検出する(例えば、Burstovetsky N等, 1996, Proc Natl Acad Sci USA 93: 664-8;Streicher-Scott J, 1994, Arch Biochem Biophys 15: 548-54;U. S. Pat. No. 6,183,948)。
p-ヒドロキシベンゾエートポリプレニルトランスフェラーゼ(COQ2)は、電子伝達系の必須の構成要素であるユビキノンの生合成に関与する (Ashby MN等, 1992, J Biol Chem 267: 4128-4136)。COQ2活性に関するアッセイは、ユビキノンの生合成を検出するためにクロマトグラフィー法を用いてもよい(例えば、Uchida N等, 2000 J Bacteriol 182:6933-6939)。あるいは、アッセイによりCOQ2ポリプレニルトランスフェラーゼ活性(p-ヒドロキシベンゾエートとポリプレニルジホスフェートとの縮合)が直接検出される。
【0034】
特異的結合活性を持つタンパク質の活性を検出するために、様々なアッセイが利用可能である。典型的なアッセイでは、蛍光標識されたタンパク質、ペプチド又はその他の分子の結合を測定するための蛍光偏光、蛍光偏光、及びレーザスキャン技術が使用される(Lynch BA等, 1999, Anal Biochem 275: 62-73;Li HY, 2001, J Cell Biochem 80: 293-303; Zuck P等, Proc Natl Acad Sci USA 1999, 96: 11122-11127)。他の例では、結合活性はシンチレーション近接アッセイ(SPA)によって検出されるが、ストレプタビジンコート化SPA上で捕獲されたビオチン化ペプチドプローブと放射標識化された相手分子を用いる。本アッセイは、SPAビーズ内で固定化されたシンチラント(scintillant)を介してペプチドプローブに結合した放射標識化プローブを特異的に検出する(Sonatore LM等, 1996, Anal Biochem 240: 289-297)。
転写複合体の一部であるタンパク質は、上述のように、結合活性に関してアッセイされる。他の適切なアッセイは、転写活性を測定する。一例において、転写活性は、定量的RT-PCR(例えば、TaqMan(登録商標)、PE Applied Biosystems)を用いて検出される。他の例においては、作用可能に応答遺伝子制御配列に結合された転写レポーター(例えば、ルシフェラーゼ、GFP、β−ガラクトシダーゼなど)が使用される(例えば、Berg M等, 2000, J Biomol Screen, 5: 71-76)。
好ましいスクリーニングアッセイは、ハイスループット又は超ハイスループットであり、従って、リード化合物に対する化合物ライブラリーをスクリーニングする自動化された費用効率のよい手段を提供する(Fernandes PB, 1998, 上掲; Sundberg SA, Curr Opin Biotechnol 2000, 11: 47-53)。
【0035】
細胞ベースのスクリーニングアッセイは、通常、ISM及び特定のアッセイで要求される補助的なタンパク質の組換体発現のための系を必要とする。無細胞アッセイは、しばしば組換えにより生産されて精製された又は実質的に精製されたタンパク質を使用する。組換体タンパク質を産生するための適切な方法は、それらの関連する生物学的活性を保持し、活性を至適化するのに十分な純度であり、アッセイの再現性を保証するタンパク質の十分量を生産する。酵母2ハイブリッド法及び変異体スクリーニング、及びマススペクトロメトリーは、タンパク質−タンパク質の相互作用の決定、及びタンパク質複合体の解明のための好ましい方法を提供する。ある適用において、スクリーニングアッセイ中でISM相互作用タンパク質が使用される場合、ISMタンパク質との相互作用タンパク質の結合特異性は、結合平衡定数(通常、少なくとも約107 M-1, 好ましくは少なくとも約108 M-1、さらに好ましくは少なくとも約109 M-1である)、免疫原性特性を含む様々な既知の方法によってアッセイされる。酵素及びレセプターに関しては、各々基質及びリガンドプロセッシングによってアッセイされる。
スクリーニングアッセイは、ISMポリペプチド、その融合タンパク質又はポリペプチドの活性若しくは融合タンパク質を保持する細胞又は膜に特異的に結合し、又は調節するための候補薬剤の能力を測定する。ISMポリペプチドは全長又は機能的なISM活性を保持するそれらの断片であってもよい。ISMポリペプチドは、検出又は固着するためのペプチドタグなどの他のポリペプチド、又はその他のタグと融合してもよい。ISMポリペプチドは好ましくはヒトISMであり、上述したようにそれらのオルソログ又は誘導体である。好ましい実施態様において、スクリーニングアッセイは、候補薬剤に基づくISMと結合標的、例えば、内在性又は外来性のタンパク質又はISM特異的な結合活性を有するその他の基質との相互作用の調節を検出し、正常なISM遺伝子機能を評価するのに使用され得る。
また、あるスクリーニングアッセイが抗体及び核酸調節因子を試験するためにも使用される;核酸調節因子に関し、適切なアッセイ系はISM mRNA発現に関与するものである。
【0036】
抗体調節因子のための第一のアッセイ
抗体調節因子に関し、適切な第一のアッセイはISMタンパク質に対する抗体の親和性及び特異性を試験する結合アッセイである。抗体親和性及び特異性の試験のための方法は、当該技術分野において周知である(Harlow及びLane, 1988,1999, 上掲)。酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)は、ISM特異的抗体を検出するための好ましい方法である;他には、FACSアッセイ、放射性イムノアッセイ、及び蛍光アッセイが含まれる。
核酸調節因子のための第一のアッセイ
核酸調節因子に関し、第一のアッセイは、ISM遺伝子発現、好ましくはRNA発現を阻害するための核酸調節因子の能力を試験する。一般に、発現解析には、類似の細胞集団中(例えば、内在性又は組換えによりISMを発現する細胞又は動物の2つのプール)、核酸調節因子の存在下及び非存在下においてISMの発現を比較することが含まれる。mRNA及びタンパク質発現を解析する方法は、当該技術分野において周知である。例えば、ノザンブロッティング、スロットブロッティング、リボヌクレアーゼプロテクション、定量的RT-PCR(例えば、TaqMan(登録商標)、PE Applied Biosystems)、又はマイクロアレイ解析がISM mRNA発現が核酸調節因子で処理された細胞内において減少することを確認するために使用される (例えば、Current Protocols in Molecular Biology (1994) Ausubel FM等, eds., John Wiley & Sons, Inc., chapter 4;Freeman WM等, Biotechniques (1999) 26: 112-125;Kallioniemi OP, Ann Med 2001, 33: 142-147;Blohm DH及びGuiseppi-Elie, ACurr Opin Biotechnol 2001,12: 41-47)。また、タンパク質発現がモニターされてもよい。タンパク質は、最も一般的には、ISMタンパク質又は特異的ペプチドのいずれかに対する特異的抗体又は抗血清により検出される。ウェスタンブロッティング、エライザ、又はインサイツ検出を含む種々の手段が利用可能である(Harlow E及びLane D, 1988 and 1999, 上掲)。
【0037】
第二のアッセイ
第二のアッセイは、調節剤がINRシグナルに関連する様式でISMに影響を与えることを確認するために上述の方法のいずれかにより同定されたISM調節剤の活性をさらに評価するために用いられる。ここで用いられる場合、ISM調節剤は臨床的候補化合物又は既に同定されている調節剤から誘導された他の薬剤を含む。また、第二アッセイは特定の遺伝学的又は生化学的経路に対する調節因子の活性を試験し、又は調節因子のISMとの相互作用の特異性を試験するために使用されてもよい。
第二のアッセイは、一般に、類似の細胞又は動物集団(例えば、内在性又は組換えによりISMを発現する2つのプール)を候補調節因子の存在下又は非存在下において比較する。通常、そのようなアッセイは候補ISM調節剤による細胞又は動物の処理により、未処理(又はモック又は偽薬処理された)細胞又は動物と比較して、INRシグナルが変化するか否かを試験する。INRシグナルの変化は、INR経路の構成要素に対する修飾、又はそれらの発現又は活性における修飾として検出される。また、アッセイは正常又は欠損INRシグナルの出力、ここではグルコースの取込みなどの即時的な出力、又はグリコーゲン及びトリグリセリド代謝、脂肪細胞の分化、又は糖尿病若しくは他のINR関連病態の発症などの長期的な影響を含んで用いられるが、その出力をも検出する。あるアッセイでは、変更されたINR又は相互作用経路における遺伝子発現、又はINRシグナル若しくはINRシグナルの出力に関連する経路に関して操作された細胞又は動物を記述するためにここでは使用される、感作された遺伝学的なバックグラウンドを用いる。
【0038】
細胞ベースのアッセイ
細胞ベースのアッセイは、種々のインスリン感受性哺乳動物細胞を使用し、内在性INRシグナルを検出し、又はINR及び/又は他のINR経路の構成要素の組換え発現によるものである。例示的なインスリン感受性細胞には、脂肪細胞、肝細胞、及び膵臓β細胞が含まれる。適切な脂肪細胞には、インスリン感受性アッセイにおいて最も一般的に使用される3T3L1細胞、並びにマウス又はヒトのバイオプシーによる初代培養細胞が含まれる。適切な肝細胞には、ラット肝細胞腫H4-II-E細胞株が含まれる。適切なβ細胞には、至適化されたグルコース感受性インスリン分泌を行うラットINS-I細胞が含まれる(clone 823-13など, Hohmeier et al., 2000, Diabetes 49: 424)。他の適切な細胞には、INRを過剰発現するように操作されたL6管状筋細胞、CHO細胞が含まれる。あるアッセイ系に関して、インスリン耐性な状態を誘導するグルコサミン、遊離脂肪酸又はTNFαなどの因子で細胞を処理することが有用である。候補調節因子は、典型的には、細胞培養液中に添加されるが、細胞にもインジェクトされるか又は他のいずれかの効果的な手段によって送達される。
細胞ベースのアッセイは、一般に、ISM調節剤によるインスリン応答性細胞の処理がインスリン刺激に応答してINRシグナルを変更させるかどうか(「インスリン感受性」)を試験する;このようなアッセイは当該技術分野において周知である(例えば、 Sweeney等, 1999, J Biol Chem 274: 10071を参照のこと)。好ましい実施態様において、アッセイはISM機能がインスリン感受性を増加を阻害するか否か決定するために実施される。
【0039】
一例において、INRシグナルはインスリン応答性遺伝子の発現を測定することにより評価される。肝細胞は、これらのアッセイに対して好ましいものである。多くのインスリン応答性遺伝子が知られている(例えば、p85 PI3 kinase, ヘキソキナーゼII, グリコーゲンシンテターゼ、リポタンパク質リパーゼなど;PEPCKはINRシグナルに応答して特異的に下方制御される)。すでに記述されているような、発現解析に関する任意の有用な手段が使用される。典型的には、mRNA発現が検出される。好ましい適用において、Taqman解析はmRNA発現を直接測定するために使用される。あるいは、発現は、インスリン応答遺伝子の制御配列(例えば、エンハンサー/プロモーター領域)のコントロール下において、レポーター遺伝子(ルシフェラーゼ、GFP又は他の蛍光タンパク質、β−ガラクトシダーゼなど)をコードする配列を含む遺伝子組換えレポーターコンストラクトから間接的にモニターされる。レポーターコンストラクトの作製及び使用方法は周知である。
また、INRシグナルはINRシグナル経路の構成要素の活性を測定することによっても測定され、当該技術分野において周知である(例えば、Kahn及びWeir, Eds., Joslin's Diabetes Mellitus, Williams & Wilkins, Baltimore, MD, 1994を参照のこと)。適切なアッセイは、IRS、PI3K、Akt、GSK3などを含む経路のメンバーのリン酸化を、例えば、リン酸化されたタンパク質を特異的に認識する抗体を用いて検出する。また、アッセイは経路構成要素の特異的なシグナル活性における変化も検出する(例えば、PI3K, GSK3, Aktなどのキナーゼ活性)。キナーゼアッセイ、並びにリン酸化タンパク質基質の検出方法は、当該技術分野において周知である(例えば、Ueki K等, 2000, Mol Cell Biol ; 20: 8035-46を参照のこと)。
【0040】
他の例において、アッセイでは、好ましくは肝細胞を用いて、インスリン刺激への応答におけるグリコーゲン合成が測定される。グリコーゲン合成は、グリコーゲン含有量の測定、及び放射標識などで標識されたグルコースを用いたグリコーゲン合成の定量を含む、種々の手段によってアッセイされる(例えば、Aiston S及びAgius L, 1999, Diabetes 48: 15-20;Rother KI et al., 1998, J Biol Chem 273: 17491-7を参照のこと)。
他の適切なアッセイでは、インスリン刺激に応答したグルコース(典型的には標識化グルコース)の細胞内取込みが測定される。脂肪細胞はこれらのアッセイに対して好ましい。また、アッセイにおいて、主として筋肉及び脂肪細胞中でのインスリンに誘導されるグルコースの取込みの主なメディエーターであり、インスリン刺激の後細胞表面へ特異的に移行する、グルコーストランスポーター(GLUT)4の移行が測定される。このようなアッセイは、GLUT-4特異的抗体を使用して内在性GLUT4の移行を検出するか又は特定のエピトープに特異的な抗体を使用して外因的に導入されたエピトープタグ化GLUT4を検出する (例えば、Sweeney, 1999, 上掲;Quon MJ et al., 1994, Proc Natl Acad Sci USA 91: 5587-91を参照のこと)。
他の好ましいアッセイは、グルコースに応答したβ細胞からのインスリン分泌を検出する。このようなアッセイは典型的にはエライザ(例えば、Bergsten及びHellman, 1993, Diabetes 42: 670-4を参照のこと)、又は放射性イムノアッセイを用いる (RIA;例えば、Hohmeier等, 2000, 上掲を参照のこと)。
【0041】
動物アッセイ
代謝疾患の種々の非ヒト動物モデルは、候補ISM調節因子の試験をするために使用される。このようなモデルは、典型的には、脂質代謝、脂肪生成、及び/又はINRシグナル経路に関与する遺伝子を誤発現(例えば、過剰発現するか又は発現を欠如する)するように操作された遺伝学的に修飾された動物を用いる。さらに、特定の摂食状態、及び/又は投与又はある種の生物学的に活性な化合物は、脂質及び/又は代謝疾患の動物モデルに貢献し又は作成する。アッセイは、一般に、経口投与、インジェクション(静脈内、皮下、腹腔内)、ボーラスによる投与などにより、候補調節因子の全身的な送達を必要とする。
ある実施態様において、アッセイでは、糖尿病及び/又はインスリン耐性のモデルマウスが使用される。ob(レプチン)又はdb(レプチンレセプター)などレプチン経路において、又はINR又はインスリンレセプター基質(IRS)などINRシグナル経路において遺伝子がノックアウトされているマウスは、糖尿病の症状を示し、肝臓の脂質の蓄積(脂肪肝)、及び、しばしば、増大した血漿脂質レベルを示す(Nishina等, 1994, Metabolism 43: 549- 553;Michael et al., 2000, Mol Cell 6: 87-97; Bruning JC等, 1998, Mol Cell 2: 559-569)。C57BL/6などのある種の感受性の高い野生型マウスは、高脂肪食餌を与えると類似の症状を呈する(Linton及びFazio, 2001, Current Opinion in Lipidology 12: 489-495)。従って、これらのモデルマウスを用いる適切なアッセイでは、候補調節因子の投与により肝臓における脂質の蓄積が変更され、好ましくは減少されるかどうかが試験される。血漿及び脂肪細胞中の脂質レベルも試験される。脂質含有量をアッセイする方法は、典型的にはFPLC又は比色アッセイ(Shimano H等, 1996, J Clin Invest 98: 1575-1584;Hasty等, 2001, J Biol Chem 276: 37402-37408)、及び放射標識基質(Horton JD等, 1999, J Clin Invest 103: 1067-1076)の取り込みのシンチレーション測定などの脂質合成が当該技術分野において周知である。他の有用なアッセイでは、血中グルコースレベル、インスリンレベル、及びインスリン感受性が試験される(例えば、Michael MD, 2000, Molecular Cell 6:87)。インスリン感受性はグルコース耐性試験又はインスリン耐性試験などによって常套的に試験される。
【0042】
他の実施態様において、アッセイでは、リポタンパク質及び心臓血管疾患のマウスモデルが使用される。例えば、アポリポタンパク質E(apoE)のノックアウトマウスは、上昇した血漿コレステロール及び自発的な動脈障害を示す(Zhang SH, 1992, Science 258: 468-471)。また、コレステロールエステル転移タンパク質(CETP)を過剰発現する遺伝子導入マウスも、増大した血漿脂質レベル及び(特に、超低比重リポタンパク質[VLDL]及び低比重リポタンパク質[LDL]コレステロールレベル)及び動脈におけるプラーク形成(Marotti KR等, 1993, Nature 364: 73-75)を示す。これらのモデルを使用するアッセイでは、候補調節因子の投与が前アテローム発生のLDL及びVLDLのレベルを減少させ、HDLを増加させ、若しくは全脂質(トリグリセリドを含む)レベルを減少させることにより血漿脂質レベルを変更させるかどうか試験される。さらに、動脈の形態及び障害の形成の組織学的な解析(即ち、障害の数及び大きさ)により、候補調節因子がアテローム性動脈硬化の進行及び/又は重篤さを減じることができるかどうかが示される。Apo-A1、PPARγ、及びLDLR中のスカベンジャーレセプター(SR)-B1のノックアウト又はApoE-nullバックグラウンドを含む、アテローム性動脈硬化に対する多くの他のマウスモデルが利用可能である(例えば、Glass CK及びWitztum JL, 2001, Cell 104: 503-516中に総説されている)。
他の実施態様において、血漿脂質レベル及びアテローム性動脈硬化の進行を変更させる候補調節因子の能力が、多重性脂質障害に関するマウスモデル中で試験される。例えば、レプチン及びLDLレセプター遺伝子の両方がノックアウトされているマウスは、高コレステロール症、高トリグリセリド血症及び動脈障害を示し、障害を受けた燃料代謝、増大した血漿残余リポタンパク質、糖尿病、及びアテローム性動脈硬化同士の関連性のモデルを提供する(Hasty AH等, 2001, 上掲)。
【0043】
診断方法
ISMがINRシグナルに関係しているとの発見により、INRシグナルに関連する疾患及び障害の診断的及び予後の評価のため、及びそのような疾患及び障害への素因を持つ患者の同定のために用いられる様々な方法が提供される。既に記述されたように、サンプル中のISM発現を評価する任意の方法が用いられる。例えば、そのような方法は、上述されたように:(1)ISM遺伝子変異の存在の検出、又は非障害状態と比較したISM mRNAの過剰又は過少発現のいずれかの検出;(2)非障害状態と比較したISM遺伝子産物の過剰又は過少存在量の検出;及び(3)ISMに媒介される生物学的経路における混乱(perturbations)又は異常性の検出のための、ISMオリゴヌクレオチド及びISMに対する抗体などの試薬を利用してもよい。
特許、特許明細書、公開公報、及びGenbank確認番号を通じてアクセス可能な遺伝子及び配列及び提示されたウェッブサイトを含む全ての出典は、それらの全体がそのまま取り込まれる。

Claims (22)

  1. INRシグナル調節剤の候補を同定する方法であって、前記方法が:
    (a)ISMポリペプチド又は核酸を含むアッセイ系を提供し;
    (b)試験薬剤が存在しなければ該系が対照活性を提供する条件下において、試験薬剤を該アッセイ系に接触させ;及び
    (c)試験薬剤により偏向された活性と対照の活性との間の差違が、該試験薬剤がINRシグナル調節剤の候補であると同定し、該アッセイ系の試験薬剤により偏向された活性を検出する段階を含む方法。
  2. 該アッセイ系がISMポリペプチドを含むスクリーニングアッセイを包含し、候補試験薬剤が小分子調節因子である、請求項1に記載の方法。
  3. 該スクリーニングアッセイが、キナーゼ活性、脂肪酸伸長、脂肪酸不飽和化、ミトコンドリア輸送、ユビキノン生合成、タンパク質結合、及び転写から成るグループから選択される活性を検出する請求項2に記載の方法。
  4. 該アッセイ系がISMポリペプチドを含む結合アッセイを包含し、候補試験薬剤が抗体である請求項1に記載の方法。
  5. 該アッセイ系がISM核酸を含む発現アッセイを包含し、候補試験薬剤が核酸調節因子である請求項1に記載の方法。
  6. 核酸調節因子がアンチセンスオリゴマーである請求項5に記載の方法。
  7. 核酸調節因子がPMOである請求項6の方法。
  8. アッセイ系がISMを発現する培養細胞又は非ヒト動物を含み、アッセイ系がINRシグナル又はINRシグナルの出力における薬剤によって偏向された変化を検出するアッセイを包含する、請求項1に記載の方法。
  9. 該アッセイ系が培養細胞を含む請求項8に記載の方法。
  10. 該アッセイがインスリン応答遺伝子の発現、INRシグナル経路構成成分のリン酸化、INRシグナル経路構成成分のキナーゼ活性、グリコーゲン合成、グルコースの取込み、GLUT4移行、及びインスリン分泌から成るグループから選択される現象を検出する、請求項9に記載の方法。
  11. 該アッセイ系が非ヒト動物を含む請求項8に記載の方法。
  12. 該非ヒト動物が糖尿病及び/又はインスリン耐性のモデルを提供するマウスである請求項11に記載の方法。
  13. 該アッセイ系が肝臓性脂質の蓄積、血漿性脂質の蓄積、脂肪性脂質の蓄積、血漿のグルコースレベル、血漿インスリンレベル、及びインスリン感受性から成るグループから選択される現象を検出するアッセイを包含する請求項12に記載の方法。
  14. (d)ISMを発現する培養細胞又は非ヒト動物を含む第二のアッセイ系を提供し、
    (e)試験薬剤又はそれから誘導される薬剤が存在しなければ該系が対照の活性を提供する条件下において、(b)の試験薬剤又はそれから誘導される薬剤を第二のアッセイ系に接触させ;及び
    (f)第二のアッセイ系の薬剤により偏向された活性と対照の活性との間の差違が、該試験薬剤又はそれから誘導される薬剤が候補INRシグナル調節薬剤であることを確認し、第二のアッセイ系がINRシグナルに関連する活性又はINRシグナル出力中の薬剤によって偏向される変化を検出する第二のアッセイを包含する第二のアッセイ系の薬剤により偏向された活性を検出する:
    さらなる段階を含む請求項1に記載の方法。
  15. 該第二のアッセイ系が培養細胞を含む請求項14に記載の方法。
  16. 該第二のアッセイが、インスリン応答遺伝子の発現、INRシグナル経路構成成分のリン酸化、INRシグナル経路構成成分のキナーゼ活性、グリコーゲン合成、グルコースの取込み、GLUT4移行、及びインスリン分泌から成るグループから選択される現象を検出する請求項15に記載の方法。
  17. 該第二のアッセイ系は非ヒト動物を含む請求項17に記載の方法。
  18. 該非ヒト動物が糖尿病及び/又はインスリン耐性のモデルを提供するマウスである請求項18に記載の方法。
  19. 該第二のアッセイ系が肝臓性脂質の蓄積、血漿性脂質の蓄積、脂肪性脂質の蓄積、血漿のグルコースレベル、血漿インスリンレベル、及びインスリン感受性から成るグループから選択される現象を検出するアッセイを包含する請求項18に記載の方法。
  20. ISMポリペプチド又は核酸と特異的に結合する薬剤と細胞を接触させることを含む哺乳動物細胞中で、INRシグナルを調節する方法。
  21. 該薬剤がINRシグナルに関連する症状を呈するがあらかじめ決定された哺乳動物に投与される請求項20に記載の方法。
  22. 該薬剤が小分子調節因子である核酸分子又は抗体である請求項20に記載の方法。
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