JP2005353233A - 有機ホログラム素子、光ピックアップ用半導体レーザモジュール、光ピックアップ及び有機ホログラム素子の作製方法 - Google Patents

有機ホログラム素子、光ピックアップ用半導体レーザモジュール、光ピックアップ及び有機ホログラム素子の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 凹凸状周期構造の凹部に材料を充填する際に発生する、凹凸状周期構造の基板法線方向からの格子倒れを防ぎ、素子としての回折効率の素子間均一性を向上させることである。
【解決手段】 第1の回折格子4を構成する凹凸状周期構造の凹部に透明な材料8を充填する際に発生する、凹凸状周期構造の基板法線方向からの格子倒れを、当該第1の回折格子4に対する第2の回折格子7の噛み合わせ構造により防止するようにした。よって、有機ホログラム素子1としての回折効率の素子間均一性を向上させることができ、この結果、素子量産性の向上を図ることができ、歩留良く素子を生産でき、この量産効果により素子コストも低減させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、入射する光を分離するために利用される有機ホログラム素子、この有機ホログラム素子を備える光ピックアップ用半導体レーザモジュール、光ピックアップ及び有機ホログラム素子の作製方法に関する。
近年、様々な光記録媒体に対応する光ピックアップが研究開発されている。一つは、波長780nmのレーザ光を用いるCD(Compact Disc)系の読取り用光ピックアップ、書込み用光ピックアップであり、また、波長660nm程度のレーザ波長を用いるDVD(Digital Versatile Disc)系の読取り用、書込み用の光ピックアップである。また、将来の高密度光ディスクとして、より短波長の青色レーザ光を用いた光ディスク用ピックアップも研究開発が盛んに行われている。これらの光ピックアップは、個別の技術課題はあるものの、ピックアップ部分の小型化や、低コスト化等の共通の課題を持っており、これらの課題に対する開発が盛んである。
光ピックアップの小型化や低コスト化に対して有効な構成として、ホログラム素子を利用した光学系が採用されている。これは、レーザ光の往路、復路の分離を行うための素子であり、従来はビームスプリッタ等の光学素子を使用していたため、光学系が大型化していた部分を解決するだけでなく、半導体レーザチップと同一面に信号検出素子を配置できるため、光路の設計が容易になり、かつ、部品点数も低減できると言うメリットを持っている。また、記録密度の異なる複数種類の記録媒体の書込み、読取りを一つの光ピックアップで行う場合においても、光路を共通化可能であることから、有効な光学系であると考えられている。
このようなホログラム素子の例を挙げると、第一に、特許文献1に示されるように複屈折材料であるニオブ酸リチウム基板を用いて偏光ホログラム素子を作製してなる一般的なホログラム素子の例がある。
第二に、特許文献2によれば、光学的等方性基板上に有機膜(ポリアセチレン配向膜)を形成することで、低コストな偏光分離素子が提供されている。第三に、特許文献3によれば、光学的等方性基板上に複屈折性を持った高分子膜を形成することにより、低コストな偏光分離素子が提供されている。
特開2000−199820公報 特開2000−221325公報 特開2000−75130公報
ところが、特許文献1の場合、基板が高価であることや、その加工性において回折素子パターンを狭ピッチ化することが困難であり、その回折角度を大きく取ることができない等の問題点がある。これにより、素子の低コスト供給やホログラム素子を用いた光学系を小型化することができない。
これに対して、特許文献2,3の場合には、素子も低コスト化可能であり、格子ピッチも狭ピッチ化することが可能であるために、素子の低コスト供給や偏光ホログラム素子を用いた光学系を小型化することが可能である。
しかし、特許文献2の場合においては、有機膜の形成に蒸着等の方法を利用しており、その工程コストとしては、特許文献3の場合と比較し、高価となってしまい、低コスト化に限界がある。この点、特許文献3においては、工程コストも抑えられ、低コスト化が可能である。
ここで、ホログラム素子の回折効率特性に注目すると、(1)式に示すQ値が1より大きい場合には、体積ホログラム効果が発生し、入射角度依存性が発生する。このため、ホログラム素子のピッチの狭ピッチ化を行う際には、回折格子の基板面からの格子の倒れによる±1次回折光の不均一性が発生することがあり、格子倒れが発生しやすい有機材料によるホログラム素子においては、その防止策が必要である。
Q=(2πλ0T)/(n0Λ2) ………………………………(1)
ただし、λ0:入射光波長、T:回折格子深さ(格子厚み)、n0:回折格子平均屈折率、Λ:格子周期である。
本発明の目的は、凹凸状周期構造の凹部に材料を充填する際に発生する、凹凸状周期構造の基板法線方向からの格子倒れを防ぎ、それによりホログラム素子としての回折効率の素子間均一性を向上させ、これにより、素子量産性を向上させ、歩留良く素子が生産でき、量産効果により素子コストも低減させることができるようにすることである。
本発明の他の目的は、上記目的を実現する上で回折効率を向上させることである。
本発明の他の目的は、上記目的を実現する上で有機ホログラム素子の強度を高めることである。
本発明の他の目的は、上記目的を実現する上で有機ホログラム素子の作製プロセスを簡略化させることである。
本発明の他の目的は、上記目的を実現する上で有機ホログラム素子の高機能化を図れるようにすることである。
本発明の他の目的は、上記目的を実現する上で偏光方向により完全透過と回折とを行わせることができる偏光ホログラム素子としての機能を持たせるようにすることである。
本発明の目的は、特性の均一性の高い光ピックアップ用半導体レーザモジュール又は光ピックアップを提供することである。
請求項1記載の発明の有機ホログラム素子は、光学的に透明な第1の基板と、この第1の基板上に積層されて凹凸状の第1の回折格子が形成された有機フィルム材料膜と、光学的に透明で前記第1の回折格子に対向させた第2の基板と、この第2の基板上に前記第1の回折格子とほぼ同一のパターンで形成されて前記第1の回折格子の凹部分に凸部分が噛み合うように配置させた凹凸状の第2の回折格子と、これらの第1の回折格子と第2の回折格子との噛み合わせ部分に充填されて両者を接着する光学的に透明な材料と、よりなる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の有機ホログラム素子において、前記光学的に透明な材料の屈折率と、前記第2の回折格子部分の屈折率とが同一である。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の有機ホログラム素子において、前記光学的に透明な材料と、前記第2の回折格子部分の材料とが同一である。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れか一記載の有機ホログラム素子において、前記第1の回折格子の凹部分の深さよりも前記第2の回折格子の凹部分の深さの方が深い。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れか一記載の有機ホログラム素子において、前記光学的に透明な材料は、光硬化性の有機材料である。
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れか一記載の有機ホログラム素子において、前記有機フィルム材料膜の材料は、直交する光学軸の屈折率が異なるように光学的異方性を持つ有機材料である。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の有機ホログラム素子において、前記光学的に透明な材料の屈折率は、光学的異方性を持つ有機材料の進相軸又は遅相軸の何れかの光学軸の屈折率とほぼ同一の屈折率である。
請求項8記載の発明の光ピックアップ用半導体レーザモジュールは、レーザ光を発する半導体レーザチップと、光信号を受光するための受光素子と、前記半導体レーザチップから出射されたレーザ光を目的方向に透過させ光信号を含む戻り光を前記受光素子に向けて回折させる請求項1ないし7の何れか一記載の有機ホログラム素子と、を同一パッケージ内に実装してなる。
請求項9記載の発明の光ピックアップは、請求項8記載の光ピックアップ用半導体レーザモジュールと、この光ピックアップ用半導体レーザモジュールから出射されたレーザ光を光記録媒体に集光照射させるとともに当該光記録媒体からの戻り光を前記光ピックアップ用半導体レーザモジュール内に導く対物レンズと、を備える。
請求項10記載の発明の有機ホログラム素子の作製方法は、光学的に透明な第1の基板上に有機フィルム材料膜を積層させて当該有機フィルム材料膜上に凹凸状の第1の回折格子を形成する工程と、光学的に透明な第2の基板上に前記第1の回折格子とほぼ同一パターンの第2の回折格子を形成する工程と、前記第1の回折格子の凹部内に光学的に透明な材料を充填させるとともに当該第1の回折格子の凹部分に凸部分が噛み合うように前記第2の回折格子を位置決め配置させる工程と、これらの第1の回折格子と第2の回折格子との噛み合わせ部分に充填させた前記光学的に透明な材料により両者を接着する工程と、を備える。
請求項1記載の発明によれば、第1の回折格子を構成する凹凸状周期構造の凹部に透明な材料を充填する際に発生する、凹凸状周期構造の基板法線方向からの格子倒れを、当該第1の回折格子に対する第2の回折格子の噛み合わせ構造により、防止することができる。よって、有機ホログラム素子としての回折効率の素子間均一性を向上させることができ、この結果、素子量産性の向上を図ることができ、歩留良く素子を生産でき、この量産効果により素子コストも低減させることができる。
請求項2記載の発明によれば、主な回折格子である第1の回折格子の凹部分の屈折率が統一されるために、不要な回折光の発生を防ぐことができ、必要な回折光を効率よく取り出すことができる。
請求項3記載の発明によれば、主な回折格子である第1の回折格子の凹部分の材料が統一されるために、屈折率の微小な不一致も回避され、不要な回折光の発生を防ぐことができ、必要な回折光を効率よく取り出すことができる。
請求項4記載の発明によれば、第1の回折格子の凹部分の深さよりも、第2の回折格子の凹部分の深さの方が深いので、両者を噛み合わせる際に両回折格子形状間に必ずギャップを持たせることができ、よって、透明な材料による接着強度を保つことができ、素子としての強度を高めることができる。
請求項5記載の発明によれば、光硬化性の有機材料を使用しているので、光照射のみのプロセスで両回折格子を接着固定することが可能になるため、熱印加等のプロセスが必要無くなり、素子作製プロセスを簡略化させることができる。
請求項6記載の発明によれば、有機フィルム材料が光学的異方性を持った材料であるので、入射するレーザ光の偏光方向の違いによる回折効率の違いを、素子に持たせることができる。
請求項7記載の発明によれば、有機フィルム材料膜上の凹凸状の第1の回折格子内に充填する光学的に透明材料の屈折率が光学的異方性を持った有機材料の進相軸又は遅相軸の何れかの光学軸屈折率とほぼ同一の屈折率であるので、回折格子の一方の軸方向は屈折率が同一となり、完全に透過することができ、それと直交する偏光方向のみ回折することが可能な、偏光ホログラム素子を実現することができる。
請求項8記載の発明によれば、均一性の高い請求項1ないし7の何れか一記載の有機ホログラム素子を搭載しているので、特性の均一性の高い光ピックアップ用半導体レーザモジュールを提供することができる。
請求項9記載の発明によれば、均一性の高い請求項1ないし7の何れか一記載の有機ホログラム素子を搭載した光ピックアップ用半導体レーザモジュールを搭載しているので、特性の均一性の高い光ピックアップを提供することができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項1記載の有機ホログラム素子を量産性よく生産することができ、よって、歩留良く有機ホログラム素子を生産でき、この量産効果により素子コストも低減させることができる。
本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。図1は本実施の形態の有機ホログラム素子1の構成例を示す概略断面図、図2はその作製方法を工程順に示す概略断面図である。
本実施の形態の有機ホログラム素子1は、光学的に透明な1.0mm厚みのBK7基板2上にエポキシ系の紫外線硬化型樹脂3(約40μm厚さ)を介して、第1の回折格子4が形成された厚さ約100μmのポリエステル系の有機複屈折膜(有機フィルム材料膜)5が形成された部品と、光学的に透明な1.0mm厚みのBK7基板6の下部にエポキシ系の紫外線硬化型樹脂にて形成した厚み約100μmの樹脂層部分に、第2の回折格子7が形成された部品とを備え、これらの部品をその回折格子4,7同士が噛み合う、即ち、第1の回折格子4の凹部分に第2の回折格子7の凸部分が入り込んで噛み合うように対向配置させ、これらの回折格子4,7同士を第1の回折格子4の凹部分に充填させた光学的に透明な材料であるエポキシ系の紫外線硬化型樹脂8を用いて接着することにより構成されている。
ここで、第1の回折格子4はその格子ピッチが1.9μm、凹凸デューティが0.5、格子深さd1が2.7μmとして形成されている。また、有機複屈折膜5の屈折率は、1.58と1.67であり、紫外線硬化型樹脂3,8の屈折率は1.58(ともに波長660nmにおける屈折率)とされている。また、第2の回折格子7その格子ピッチが1.9μm、凹凸デューティが0.2、格子深さd2が2.7μmとして形成されている。即ち、第2の回折格子7は第1の回折格子4に対して噛み合い可能なように第1の回折格子4とほぼ同一のパターンで形成されている。
このような有機ホログラム素子1の作製方法について図2を参照して簡単に説明する。まず、図2(a)に示すように、BK7基板2上に接着剤3を介して有機複屈折膜5を形成する。ここでは、スピン法を用いて形成する。そのプロセスとしては、BK7基板2上に接着剤3をスピンコート法で形成し、気泡を混入させないように有機複屈折膜5をBK7基板2上に搭載させる。その後、基板2を回転させ、余分な接着剤3を振り切り、かつ、遠心力によって有機複屈折膜5の平坦化を実施し、最後に紫外線を照射することで形成すればよい。
次に、図2(b)に示すように、第1の回折格子4部分を形成する。回折格子4の形成にはドライエッチングを用い、酸素プラズマによるドライエッチングを実施することにより形成した。エッチングマスクにはアルミ金属薄膜を利用し、フォトリソ工程とウェットエッチングによりアルミマスクパターンを形成し、エッチングマスクとしている。
次に、図2(c)に示すように、別のBK7基板6上(図中では、下部)にエポキシ系紫外線硬化型樹脂材料9をスピンコート法で約100μmで形成し、紫外線照射によって硬化させる。そして、図2(d)に示すように、第2の回折格子7部分を形成する。回折格子7の形成にはドライエッチングを用い、酸素プラズマによるドライエッチングを実施することにより形成した。エッチングマスクにはアルミ金属薄膜を利用し、フォトリソ工程とウェットエッチングによりあるマスクパターンを形成し、エッチングマスクとしている。
この後、図2(e)に示すように、第1の回折格子4の凹部内に光学的に透明な材料であるエポキシ系の紫外線硬化型樹脂8を充填させるとともに当該第1の回折格子4の凹部分に凸部分が噛み合うように第2の回折格子7を位置決め配置させ、これらの第1の回折格子4と第2の回折格子7との噛み合わせ部分に充填させた紫外線硬化型樹脂8により両者を接着させる。ここで、エポキシ系の紫外線硬化型樹脂8は材料ボッティングとスピンコートを行い、アライメント作業を実施して位置合せを行い、スピンコート後に紫外線を照射してエポキシ系紫外線硬化型樹脂8を硬化させることで接着固定させるようにした。
このように形成された本実施の形態の有機ホログラム素子1の動作について説明する。ここではDVD用光ピックアップで使用される波長660nmのレーザ光を扱う場合について説明する。レーザ光が有機ホログラム素子1に入射すると回折光が発生する。ここでは、有機複屈折膜5上に回折格子4を形成しているため、入射するレーザ光の偏光方向によって回折効率が異なる。ここでは、有機複屈折膜5の1.58の屈折率を持つ光学軸方向の偏光では、充填している樹脂8の屈折率と同様なので、回折格子4が存在しないと同等であり、回折効率が低い。そのため、ほとんどのレーザ光が透過することになる。一方、その直交する偏光方向では充填している樹脂8とに屈折率差が存在するため、約32%の回折効率が得られることになる。
ここで、有機ホログラム素子の格子倒れについて説明する。回折格子の倒れの現象は格子埋め込みの際に発生すると考えられる。一般に、回折格子に対する樹脂の充填を図3のように行っている。ここでは、φ100mm基板を用い、素子サイズは3mm×3mmのサイズの場合を示している。なお、図3は回折格子の倒れ現象を模式的に示すために、簡素化した図にしている。まず、図3(a)に示すように、回折格子100(回折格子4に相当)を上面にし、充填する樹脂101(樹脂8に相当)をウエハ102上にボッティングする。その後、図3(b)に示すように、スピンコートにより樹脂101を広げる。最終的には図3(c)に示すように樹脂101を平坦化し、紫外線硬化させることで、格子100内に樹脂を充填する。ここで、スピンコートの遠心力によって回折格子100が、周辺側に傾く場合がある。又は、逆に、樹脂硬化の際の収縮によって、図3(c)の場合とは逆に内側に格子100が傾く場合がある。ここに、有機ホログラム素子においては、Q値が約1.85であるため、このように回折格子が傾く場合には、傾きだけで約±3%程度の±1次光の効率ばらつきが発生してしまい、加工の公差よりも大きなばらつきを持ってしまう。そのため加工の公差を厳しくしなければならなくなり生産性が低下する。
そこで、本実施の形態においては、第1の回折格子4に対して第2の回折格子7を噛み合わせる素子構成としている。このような噛み合い構造により、一つ一つの格子凸部分の格子倒れが防止できる。そのため、有機ホログラム素子1の±1次回折効率の均一性が保たれることになる。これにより、素子の特性の均一性が向上し、素子歩留が向上することとなる。これにより素子生産性が向上し、素子コストも低減できることとなる。
また、第2の回折格子7と充填樹脂材料8とが同一の材料を使用し、屈折率も同一であるため、第2の回折格子7は回折格子としては機能せず、回折格子形状部として存在することとなり、不要な回折光を発生させることのない有機ホログラム素子1を実現できる。そのため、有機ホログラム素子1としての効率が向上する。また、充填樹脂材料8が光硬化型樹脂であるため、素子作製工程を簡略化させることもできる。一方、第1の回折格子4を形成している材料が複屈折材料であるため、有機ホログラム素子1に偏光性が付加され、かつ、複屈折材料の一方の軸方向屈折率と、充填樹脂材料8の屈折率とを合わせているため、有機ホログラム素子1が偏光ホログラム素子として機能することになる。
図4に有機ホログラム素子1の変形構成例を示す。図1では、第1,2の回折格子4,7についてその格子深さをd1=d2=2.7μmとした例を示したが、図4では、d1=2.7μm、d2=5μmとすることで、第1の回折格子4の凹部分の深さよりも第2の回折格子7の凹部分の深さの方が深くなるようにした構成例を示している。他の構成内容、作製方法、及び動作は図1で説明した場合と同じである。
このような構成の有機ホログラム素子1によれば、図1等の構成による場合の効果に加えて、第1の回折格子4の格子深さよりも、第2の回折格子7の格子深さの方が深いため、回折格子4の凸部と回折格子7の凹部との間に必ずギャップが確保され、これにより、充填樹脂材料8による接着の強度が増すことになり、素子強度を高めることができる。
つづいて、前述したような構成の有機ホログラム素子1を用いた光ピックアップ用半導体レーザモジュール11に関する実施の形態を図5を参照して説明する。図5は本実施の形態の光ピックアップ用半導体レーザモジュール11の構成例を示す概略断面図である。
本実施の形態の光ピックアップ用半導体レーザモジュール11は、ステム12に半導体レーザチップ13と受光素子14とを実装し、このステム12を内蔵するパッケージ15に例えば図4に示した構成の有機ホログラム素子1を一体に実装させることにより構成されている。ここに、半導体レーザチップ13としては例えばDVD用の波長660nmのレーザ光を発するものが用いられている。
このような光ピックアップ用半導体レーザモジュール11において、半導体レーザチップ13から出射された波長660nmのレーザ光は有機ホログラム素子1をそのまま透過し、当該光ピックアップ用半導体レーザモジュール11より出射される。その際には、有機ホログラム素子1の透過率の高い偏光方向と、半導体レーザチップ13の偏光方向とを合わせて実装することにより、半導体レーザチップ13から出射されたレーザ光の光量がほぼ全て光ピックアップ用半導体レーザモジュール11より出射される。
次に、受光については、有機ホログラム素子1部分に入射したレーザ光(戻り光)は、所定の光学系により偏光方向が90°回転して入射するようになっており、それによって有機ホログラム素子1においてレーザ光が回折し、一方の回折光が受光素子14に入射し、信号を受光できる構成となっている。
ここで、本実施の形態の光ピックアップ用半導体レーザモジュール11は、前述したように有機ホログラム素子1が、回折効率や透過率の均一性の高いホログラム素子であるため、モジュールの均一性も高い光ピックアップ用半導体レーザモジュールを実現することができる。
さらに、前述したような構成の光ピックアップ用半導体レーザモジュール11を用いた光ピックアップ21に関する実施の形態を図6を参照して説明する。図6は本実施の形態の光ピックアップ21の構成例を示す概略断面図である。
本実施の形態の光ピックアップ21は、前述の光ピックアップ用半導体レーザモジュール11の出射光路上に、レーザ光を平行光化させるコリメータレンズ22、1/4波長板23及び対物レンズ24を順に配設させてなり、対象となるDVD等の光記録媒体25に対してレーザ光を集光照射させたり、光記録媒体25からの戻り光を受光素子14に受光させたりし得る構成とされている。なお、実際の光ピックアップ21は他にも対物レンズアクチュエータ等の構成部品が存在するが、図6では簡略化した構成を示している。
このような構成において、光ピックアップ用半導体レーザモジュール11から出射したレーザ光は、コリメータレンズ22、1/4波長板23、対物レンズ24を通過し、光記録媒体25に集光照射される。光記録媒体25に照射されたレーザ光は、光記録媒体25の情報を持って、反射され、再度対物レンズ24等の光学系を通過し、光ピックアップ用半導体レーザモジュール11に戻る。その際には、1/4波長板23を往復するため、光ピックアップ用半導体レーザモジュール11には偏光方向が出射光とは90°回転して戻ることになり、光ピックアップ用半導体レーザモジュール11において受光素子14に回折させることで信号を受光することができる。
本実施の形態の光ピックアップ21は、用いている有機よるホログラム素子1が、回折効率や透過率の均一性の高いホログラム素子であるため、特性の均一性も高い光ピックアップ21を実現することができる。
本発明の一実施の形態の有機ホログラム素子の構成例を示す概略断面図である。 その作製方法を工程順に示す概略断面図である。 回折格子に対する樹脂充填工程を示す概略断面図である。 有機ホログラム素子の変形構成例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態の光ピックアップ用半導体レーザモジュールの構成例を示す概略断面図である。 本発明の一実施の形態の光ピックアップの構成例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 有機ホログラム素子
2 第1の基板
4 第1の回折格子
5 有機フィルム材料膜
6 第2の基板
7 第2の回折格子
8 透明な材料
11 光ピックアップ用半導体レーザモジュール
13 半導体レーザチップ
14 受光素子
15 パッケージ
21 光ピックアップ
24 対物レンズ
25 光記録媒体

Claims (10)

  1. 光学的に透明な第1の基板と、
    この第1の基板上に積層されて凹凸状の第1の回折格子が形成された有機フィルム材料膜と、
    光学的に透明で前記第1の回折格子に対向させた第2の基板と、
    この第2の基板上に前記第1の回折格子とほぼ同一のパターンで形成されて前記第1の回折格子の凹部分に凸部分が噛み合うように配置させた凹凸状の第2の回折格子と、
    これらの第1の回折格子と第2の回折格子との噛み合わせ部分に充填されて両者を接着する光学的に透明な材料と、
    よりなることを特徴とする有機ホログラム素子。
  2. 前記光学的に透明な材料の屈折率と、前記第2の回折格子部分の屈折率とが同一である、ことを特徴とする請求項1記載の有機ホログラム素子。
  3. 前記光学的に透明な材料と、前記第2の回折格子部分の材料とが同一である、ことを特徴とする請求項1又は2記載の有機ホログラム素子。
  4. 前記第1の回折格子の凹部分の深さよりも前記第2の回折格子の凹部分の深さの方が深い、ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか一記載の有機ホログラム素子。
  5. 前記光学的に透明な材料は、光硬化性の有機材料である、ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか一記載の有機ホログラム素子。
  6. 前記有機フィルム材料膜の材料は、直交する光学軸の屈折率が異なるように光学的異方性を持つ有機材料である、ことを特徴とする請求項1ないし5の何れか一記載の有機ホログラム素子。
  7. 前記光学的に透明な材料の屈折率は、光学的異方性を持つ有機材料の進相軸又は遅相軸の何れかの光学軸の屈折率とほぼ同一の屈折率である、こと特徴とする請求項6記載の有機ホログラム素子。
  8. レーザ光を発する半導体レーザチップと、
    光信号を受光するための受光素子と、
    前記半導体レーザチップから出射されたレーザ光を目的方向に透過させ光信号を含む戻り光を前記受光素子に向けて回折させる請求項1ないし7の何れか一記載の有機ホログラム素子と、
    を同一パッケージ内に実装してなることを特徴とする光ピックアップ用半導体レーザモジュール。
  9. 請求項8記載の光ピックアップ用半導体レーザモジュールと、
    この光ピックアップ用半導体レーザモジュールから出射されたレーザ光を光記録媒体に集光照射させるとともに当該光記録媒体からの戻り光を前記光ピックアップ用半導体レーザモジュール内に導く対物レンズと、
    を備えることを特徴とする光ピックアップ。
  10. 光学的に透明な第1の基板上に有機フィルム材料膜を積層させて当該有機フィルム材料膜上に凹凸状の第1の回折格子を形成する工程と、
    光学的に透明な第2の基板上に前記第1の回折格子とほぼ同一パターンの第2の回折格子を形成する工程と、
    前記第1の回折格子の凹部内に光学的に透明な材料を充填させるとともに当該第1の回折格子の凹部分に凸部分が噛み合うように前記第2の回折格子を位置決め配置させる工程と、
    これらの第1の回折格子と第2の回折格子との噛み合わせ部分に充填させた前記光学的に透明な材料により両者を接着する工程と、
    を備えることを特徴とする有機ホログラム素子の作製方法。
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JP2007264604A (ja) * 2006-02-28 2007-10-11 Canon Inc 光学素子及び光学素子の製造方法

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