JP2005352253A - 電気光学装置、及び電子機器 - Google Patents

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英樹 金子
Yasushi Okajima
康 岡島
Setsunai Kiyose
摂内 清瀬
Tsutomu Taniguchi
勤 谷口
Osamu Kanbara
修 神原
Hitoshi Tsuchiya
仁 土屋
Tomohiro Maeda
智宏 前田
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Abstract

【課題】 更なる薄型化を実現すると共に、明環境下や暗環境下であっても鮮明な表示色を実現できる電気光学装置、及び当該電気光学装置を備えた電子機器を提供する。
【解決手段】 単位画素内に複数のドットを具備し、当該ドット内には、自発光素子10と反射型液晶素子20とが設けられ、当該自発光素子10及び当該反射型液晶素子20は、同一側に表示を行うことを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電気光学装置、及び電子機器に関するものである。
従来、携帯電話等の電子機器に用いられる表示装置として、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス装置(以下、有機EL装置と称する。)が知られている。
液晶表示装置は、電極間に液晶層が設けられた構成を有しており、電極間に印加される電圧に応じて液晶分子配列が変化することにより、液晶層の光透過量が制御されるようになっている。当該液晶表示装置においては、光源の光を利用して透過表示を行う透過型液晶表示装置や、外光を利用して反射表示を行う反射型液晶表示装置が知られている。また、近年では、透過表示と反射表示とを兼ね備えた半透過反射型液晶表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、有機EL装置は、蛍光能を有する発光層を単位画素内に備えた構成となっており、正孔と電子が発光層内で再結合し、励起状態から失活して発光する現象を利用したものである(例えば、特許文献2参照。)。また、近年においては、インクジェット法を用いることにより、予め形成されたバンク間に高分子型発光材料を塗布成膜して有機EL装置を製造する方法が提案されている。このような方法を用いることにより、蒸着法の場合と比べてマスクを用いることなく、所定パターンで発光層を形成することが可能となっている。
特開2004−145097号公報 特開2003−100455号公報
ところで、上記特許文献に記載された技術においては、更なる表示装置の薄型化と、明環境下や暗環境下における鮮明な表示色の実現と、を共に実現することができないことが本発明者らによって見出された。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、更なる薄型化を実現すると共に、明環境下や暗環境下であっても鮮明な表示色を実現できる電気光学装置、及び当該電気光学装置を備えた電子機器を提供することを目的とする。
本発明者らは、液晶表示装置や有機EL装置には、以下に示すような欠点を見出した。
液晶表示装置について説明すると、半透過反射型液晶表示装置においてはバックライト等の光源が必須の構成要素であるため薄型化が困難であることを、本発明者らは見出した。また、有機EL装置においては、太陽光のような強い外光が照射されるような明環境では、鮮明な表示色で表示を行うことが困難であることを本発明者らは見出した。
そこで、本発明者らは、上記に基づいて以下の手段を有する本発明を想到した。
即ち、本発明の電気光学装置は、単位画素内に複数のドットを具備し、当該ドット内には自発光素子と反射型液晶素子とが設けられ、当該自発光素子及び当該反射型液晶素子は、同一側に表示を行うことを特徴としている。
ここで、「同一側に表示を行う」とは、電気光学装置における同一の視認側において、自発光素子及び反射型液晶素子が表示を行うことを意味している。換言すれば、自発光素子及び反射型液晶素子の表示が、観察者側から見て電気光学装置の同一面において視認されることを意味する。
また、電気光学装置とは、電界により物質の屈折率が変化して光の透過率を変化させる電気光学効果を有するものの他、電気エネルギーを光学エネルギーに変換するもの等も含んで総称したものである。
このようにすれば、自発光素子及び反射側液晶素子の表示を電気光学装置の同一側において、視認することができる。
また、前記電気光学装置においては、前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、同期駆動することが好ましい。
このように、自発光素子及び反射型液晶素子が同期駆動することにより、暗環境下でも明環境下でも表示色が鮮明な表示を行うことができる。
具体的に説明すると、暗環境下では外光の強度が弱いために、反射型液晶素子による表示が殆ど視認されないが、自発光素子の発光による表示が視認される。ここで、自発光素子による表示は、高輝度、高コントラスト、広視角化を実現することができる。
これに対して、明環境下では外光の強度が強いために、自発光素子による表示が殆ど視認されないが、反射型液晶素子による外光反射による表示が視認される。ここで、外光を利用した反射型表示を実現することができる。
また、中間の明るさの環境下(暗環境でもなく、明環境でもない)では、自発光素子による表示も、反射型液晶素子による表示も視認される。従って、このような自発光素子及び反射型液晶素子がドット内で同期駆動するので、電気光学装置は暗環境や明環境といった環境が異なる場合でも表示色が鮮明な表示を行うことができる。
更に、本発明の電気光学装置は、自発光素子及び反射型液晶素子を各々切り替えて表示を行うものではなく、自発光素子及び反射型液晶素子は同期駆動しているので、切り替えて表示を行うための光センサや、切り替え手段等が不要になる。ここで、自発光素子及び反射型液晶素子を切り替えて表示を行う場合には、中間の明るさの環境下では、表示の切り替えが連続することによる表示不良が生じてしまうが、上記のように、自発光素子及び反射型液晶素子を同期駆動させることによって、このような表示不良が生じるのを防止することができる。
また、本発明の電気光学装置は、バックライトを利用して透過表示を行うものではないため、バックライトが不要になり、更に、反射型液晶素子においては視認側のみに偏光板があればよいので偏光板の枚数が削減される。従って、電気光学装置の構成を簡略化することができ、薄型化を実現できる。
また、前記電気光学装置においては、前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、一のスイッチング素子によって同時に駆動することを特徴としている。
このようにすれば、自発光素子及び反射型液晶素子の各々にスイッチング素子を設ける必要がないので、スイッチング素子近傍の配線構造を簡素化することができる。
また、このような構成においては、一のスイッチング素子に接続された一の共通電極上に、自発光素子及び反射型液晶素子を形成することができる。
また、前記電気光学装置においては、前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、各々にスイッチング素子を有し、当該各々のスイッチング素子の動作を同期させる同期駆動手段を備えていることを特徴としている。
このように、自発光素子及び反射型液晶素子の各々にスイッチング素子が設けられているので、各素子の駆動、表示に適した信号を各々に供給することが可能となる。例えば、一方が電流駆動型であり、他方が電圧駆動型であるといった、駆動方式や表示方式が各々異なる場合においては、各々にスイッチング素子が設けられていることによって、各々を好適に駆動させて、表示することができる。
また、同期駆動手段が設けられているので、駆動方式や表示方式が異なる場合であっても、各々の素子を同期して駆動させることができる。
また、前記電気光学装置においては、前記自発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴としている。
このようにすれば、発光層において電子と正孔が再結合することにより生じた発光光を取り出すことができる。これにより、高輝度、高コントラスト、広視角化を実現することができる。
特に、高分子型有機エレクトロルミネッセンス素子であることが好ましい。高分子型は、液滴吐出法を用いて塗布成膜することが可能であるので、所定領域のみに有機エレクトロルミネッセンス素子を形成することができる。
また、前記電気光学装置においては、前記反射型液晶素子は、誘電異方性が負の液晶からなる液晶層を備えていることを特徴としている。
このような垂直配向モードの液晶層は、電圧非印加時では黒表示となるノーマリーブラックモードであるので、高コントラストを実現することができる。また、広視野角の表示を実現できる。
また、前記電気光学装置においては、前記自発光素子と前記反射型液晶素子は、隔壁によって区画されていることを特徴としている。
このように隔壁が設けられることにより、液滴吐出法による各素子の形成を容易に行うことができる。また、当該隔壁はスペーサとしても機能するので、自発光素子と反射型液晶素子を挟持する基板間を所定の間隔で保持することができる。
更に、当該隔壁によって自発光素子と反射型液晶素子が区画されることにより、電気光学装置の全面に亘って隔壁が形成されることとなり、電気光学装置の強度を向上させることができる。
また、前記電気光学装置においては、前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、対向する基板間に設けられ、当該対向する基板のうち、一方の基板は金属基板であることを特徴としている。
ここで、金属基板は、光が透過しない基板であるために、発光光や反射光を取り出す基板とは反対側の基板として用いられる。
このようにすれば、金属基板自体を反射板として利用することが可能となり、反射型液晶素子における反射膜を形成する必要がなく、素子構造の簡素化を実現し、反射膜形成工程を省くことができる。
また、金属基板は、ガラス基板と比較して単位厚さ当りの強度が大きいので、ガラス基板より薄い金属基板を用いて電気光学装置を構成することが可能となる。即ち、電気光学装置の薄型化を実現することができる。更に、薄型の金属基板は可塑性を有するため、フレキシブルな電気光学装置を実現することができる。
また、前記電気光学装置においては、前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、対向する基板間に設けられ、当該対向する基板のうち、一方の基板は樹脂基板であることを特徴としている。
ここで、樹脂基板が透明性を有する場合には、発光光や反射光を取り出す側の基板として用いることが可能であり、また、樹脂基板が非透明性である場合には、発光光や反射光を取り出す基板とは反対側の基板として用いられる。
このように樹脂基板を用いることにより、金属基板やガラス基板を用いる場合と比較して、電気光学装置の軽量化を実現することができる。また、樹脂基板は可塑性を有するため、フレキシブルな電気光学装置を実現することができる。
また、本発明の電子機器は、先に記載の電気光学装置を具備することを特徴としている。このような電子機器としては、例えば、携帯電話機、移動体情報端末、時計、ワープロ、パソコン等の情報処理装置等を例示することができる。また、大型の表示画面を有するテレビや、大型モニタ等を例示することができる。このように電子機器の表示部に、本発明の電気光学装置を採用することによって、明環境でも暗環境でも鮮明な表示色を実現すると共に、薄型化を達成した表示部を備える電子機器を実現できる。
以下、本発明の電気光学装置及び電子機器について、図面を参照して説明する。なお、各図において、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る電気光学装置の第1実施形態について説明する。
図1は電気光学装置の配線構造を示す配線構造図であり、図2は電気光学装置の各ドット領域の平面図、図3は図2のA−A’断面である。
図1に示すように、電気光学装置1は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下ではTFTと略記する)を用いたアクティブマトリクス方式によって駆動するようになっている。具体的には、複数の走査線101…と、複数の信号線102…と、ドット領域X…と、が設けられている。ここで、走査線101…と信号線102…は、互いに直角に交差する方向に延在している。更に、信号線102には、シフトレジスタ、レベルシフタ、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されており、走査線101には、シフトレジスタ及びレベルシフタを備える走査線駆動回路80が接続されている。
また、ドット領域X…は、走査線101…と信号線102…との各交点付近に設けられたものであり、スイッチングTFT(スイッチング素子)112と、保持容量113と、電気光学素子110とを有している。ここで、スイッチングTFT112は、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極を備えており、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されることによって、当該ゲート電極の電界が作用してソース電極及びドレイン電極が導通し、信号線102の画素信号をドレイン電極に供給するようになっている。また、保持容量113は、走査線101…とスイッチングTFT112のドレイン電極側とを接続する所謂コンデンサであり、信号線102の画素信号を保持するようになっている。また、電気光学素子110は、保持容量113及びスイッチングTFT112のドレイン電極側に接続されており、信号線102の画素信号に応じて駆動するものである。
このような電気光学装置1においては、走査線101が駆動されてスイッチングTFT112がオン状態になると、そのときの信号線102の電位が保持容量113に保持され、該保持容量113の状態に応じて電気光学素子110に電力が供給されるようになっている。
また、このようなドット領域Xが3つまとまることによって、単位画素が構成されている。当該3つのドット領域Xとは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の表示色を各々表示するものである。このようなRGBは、後述する発光層及びカラーフィルタによって表示される。そして、このようなドット領域Xを3つ備えた単位画素が電気光学装置1の表示面全体に複数設けられることによって、フルカラーの画像表示を行うようになっている。
次に、上記3つのドット領域Xを備えた単位画素の構成を説明すると共に、電気光学素子110について詳述する。
図2に示すように、単位画素Pは、RGBの各々の表示色に対応したRドット領域Xr、Gドット領域Xg、Bドット領域Xbとを備えている。そして、各ドット領域Xr、Xg、Xbの各々には、電気光学素子110が設けられている。当該電気光学素子110は、上記のようにスイッチングTFT112のON/OFFによって駆動するものである。そして、電気光学素子110は、有機EL素子部(自発光素子)10と反射液晶素子部(反射型液晶素子)20とによって構成されている。
有機EL素子部10は、蛍光能を有する発光層に正孔と電子を注入して、正孔と電子が発光層内で再結合し、励起状態から失活して発光する現象を利用するものであり、本発明の自発光素子として機能するものである。従って、当該有機EL素子部10は、対向する電極間に電流が流れることによって発光光を得る電流駆動型の素子である。
一方、反射液晶素子部20は、電極間に液晶層が設けられた構成を有しており、電極間に印加される電圧に応じて液晶分子配列が変化することにより、液晶層の光透過量が制御されるようになっている。従って、当該反射液晶素子部20は、対向する電極間に電圧が印加されることによって光透過量を制御する電圧駆動型の素子である。
有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の各々には、有機EL素子電極31aと液晶素子電極31bとが設けられている。そして、当該電極31a、31bは導通部31cによって導通されている。即ち、有機EL素子電極31a、液晶素子電極31b、及び導通部31cは、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20に対して同電位を付与する共通画素電極31を構成するものである。そして、当該共通画素電極31には、先述のスイッチングTFT112が接続されており、当該スイッチングTFT112のON/OFF駆動によって、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20が同一側に表示が行われる。
これによって、電気光学装置1における同一の視認側において、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20が表示を行うことが可能となる。換言すれば、観察者側から見て、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の表示が電気光学装置1の同一面において視認される。
また、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、電気光学装置1の同一面に表示を行うだけでなく、同期して駆動するようになっている。
ここで、有機EL素子電極31aは、有機EL素子部10の陽極であり、後述する正孔注入層を介して発光層に正孔を供給する機能を有している。従って、その表面は、正孔注入性を良好にするための洗浄や表面処理が施されていることが好ましい。
また、液晶素子電極31bは、反射液晶素子部20における陰極(後述)との間に電圧を印加するものである。また、液晶素子電極31bの平面形状は、8角形となっており、垂直配向液晶(後述)に電圧が印加された際に液晶素子電極31bの全体に傾倒させるようになっている。
このような共通画素電極31の材料としては、Al等の金属材料や、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下、ITOと略記する)等の透明導電膜が採用される。ここで、ITOを採用した場合には、十分な光反射性を付与するために、Al等の金属反射膜がITOの下面に形成されていることが好ましい。
また、有機EL素子電極31aと液晶素子電極31bは、共通の材料で形成されているが、各々の表面状態を異ならせてもよい。例えば、有機EL素子電極31aのみに対して正孔注入性を向上させる表面処理が施されてもよい。また、液晶素子電極31bのみに対して光反射膜が形成されてもよい。また、インクジェット法(液滴吐出法)を用いて各種の材料液体を共通画素電極31上に吐出する場合には、当該共通画素電極31上で当該材料液体が濡れ広がるように親液処理を施してもよい。
また、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、バンク(隔壁)30によって区画されている。このようなバンク30は、単に有機EL素子部10と反射液晶素子部20とを区画するだけでなく、インクジェット法を用いて有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を形成する際に好適にバンク30、30の間に液体材料を収容するようになっている。また、当該バンク30はスペーサとしても機能するので、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を挟持する基板間を所定の間隔で保持するようになっている。更に、電気光学装置1の全面に亘ってバンク30が形成されることとなり、電気光学装置1の強度が向上するようになっている。
次に、電気光学素子110の断面形状、即ち、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の断面形状について説明する。
図3に示すように、電気光学素子110は、対向する上下基板2、3の間に挟持された構成となっている。
上基板2は、視認側の基板であるため、透明性を有する材料基板からなるものである。また、視認だけでなく、外光を効率的に電気光学素子110内に取り入れるために、透過性が優れたものであることが好ましい。このような材料基板としては、ガラス基板や樹脂基板が好適である。特に、樹脂基板は、可撓性を有すると共に、ガラス基板よりも軽量であることから、フレキシブルかつ軽量な電気光学装置1を実現するには好適な材料基板である。
また、下基板3は、必ずしも透明性を有する必要はなく、ガラス基板、樹脂基板、金属基板等からなるものである。そして、特に、樹脂基板や薄型化された金属基板を下基板3として採用することにより、フレキシブルな電気光学装置1を実現することが可能となる。また、樹脂基板は、ガラス基板や金属基板よりも軽量であるので、軽量化には好適な材料基板である。また、金属基板を採用する場合には、Al等の反射性金属を採用することが好ましい。このようにすれば、反射膜を別途形成する必要がなくなり、金属基板表面による反射表示が実現可能となる。
また、下基板3上には、平坦化膜114が形成されている。当該平坦化膜114は、下基板3上に形成されたスイッチングTFT112を始めとする各種配線・素子による凹凸形状を平坦化するものである。また、平坦化だけでなく、共通画素電極31と、スイッチングTFT112や各種配線・素子との絶縁性を得るようになっている。
また、平坦化膜114上には、有機EL素子部10と反射液晶素子部20を区画するためのバンク30が形成されている。バンク30は、平坦化膜114の直上に形成される第1バンク30aと、当該第1バンク30a上に形成される第2バンク30bとによって構成される。第1バンク30aは、SiO等の親液性材料からなるものであり、後述するインクジェット法を用いて液体材料と塗布形成した際に、共通画素電極31内に好適に液体材料が濡れ広がらせるものである。第2バンク30bは、アクリル樹脂やポリイミド樹脂等のからなるものであり、その表面にはフッ素プラズマ処理が施され、撥液性を有している。
(有機EL素子部)
次に、有機EL素子部10について説明する。
有機EL素子部10は、有機EL素子電極31aの側から上基板2に向けて、正孔注入層11と発光層12とが順次形成された構成を有している。
正孔注入層11の形成材料としては、特に3,4−ポリエチレンジオシチオフェン/ポリスチレンスルフォン酸(PEDOT/PSS)の分散液、即ち、分散媒としてのポリスチレンスルフォン酸に3,4−ポリエチレンジオキシチオフェンを分散させ、さらにこれを水に分散させた分散液が好適に用いられる。
なお、正孔注入層11の形成材料としては、前記のものに限定されることなく種々のものが使用可能である。例えば、ポリスチレン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレンやその誘導体などを、適宜な分散媒、例えば前記のポリスチレンスルフォン酸に分散させたものなどが使用可能である。
発光層12の形成材料としては、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の発光材料が用いられる。また、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色の発光層12をRドット領域Xr、Gドット領域Xg、Bドット領域Xbの各々に設けることで、フルカラー表示が可能となる。
発光層12の形成材料として具体的には、(ポリ)フルオレン誘導体(PF)、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体(PPV)、ポリフェニレン誘導体(PP)、ポリパラフェニレン誘導体(PPP)、ポリビニルカルバゾール(PVK)、ポリチオフェン誘導体、ポリメチルフェニルシラン(PMPS)などのポリシラン系などが好適に用いられる。また、これらの高分子材料に、ペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素などの高分子系材料や、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等の低分子材料をドープして用いることもできる。
また、赤色の発光層12の形成材料としては例えばMEHPPV(ポリ(3−メトキシ6−(3−エチルヘキシル)パラフェニレンビニレン)を、緑色の発光層12の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンとF8BT(ジオクチルフルオレンとベンゾチアジアゾールの交互共重合体)の混合溶液を、青色の発光層12の形成材料としては例えばポリジオクチルフルオレンを用いる場合がある。また、このような発光層12については、特にその厚さについては制限がなく、各色毎に好ましい膜厚が調整されている。
なお、本実施形態においては、有機EL素子部10は、正孔注入層11及び発光層12を備えた構成となっているが、当該構成に電子注入層を加えてもよい。
この場合、電子注入層は発光層12の上に形成されるものであり、当該電子注入層の材料は、発光層12の各種材料に応じて適宜選択される。具体的な材料としては、アルカリ金属のフッ化物として、LiF(フッ化リチウム)、NaF(フッ化ナトリウム)、KF(フッ化カリウム)、RbF(フッ化ルビジウム)、CsF(フッ化セシウム)などや、あるいはアルカリ金属の酸化物、即ちLiO(酸化リチウム)、NaO(酸化ナトリウム)などが好適に用いられる。また、この電子注入層の厚さとしては、0.5nm〜10nm程度とするのが好ましい。
(反射液晶素子部)
次に、反射液晶素子部20について説明する。
反射液晶素子部20は、液晶素子電極31bの側から上基板2に向けて、カラーフィルタ21と、液晶層22と、垂直配向膜23と、偏光層24とが順次形成された構成を有している。
カラーフィルタ21は、光が透過することにより、当該光に含まれる波長のうち、いずれかを選択的に透過させる波長選択性を有するものである。換言すれば、反射液晶素子部20においてRGBの各々の表示色で光を透過させるものである。このようなカラーフィルタは、RGBの色毎にRドット領域Xr、Gドット領域Xg、Bドット領域Xbの各々に設けられている。これにより、反射液晶素子部20はフルカラー表示が可能となる。
液晶層22は、誘電異方性が負の液晶からなるものである。このような垂直配向型の液晶層22は、電圧の非印加状態では、垂直方向に液晶分子が配置するものである。このような状態では、液晶層22は全く光を透過させないので、ノーマリーブラックモードを実現することが可能となる。そして、電圧の印加状態では、電圧量に応じて徐々に傾倒し、光透過量も増加するものである。そして、電圧の非印加状態における液晶分子の配列状態から概ね90°傾倒することにより、光を全透過させるものである。
配向膜23は、液晶層22の上側(上基板2側)と下側(下基板3側)に設けられており、液晶層22の液晶分子を膜面に対して垂直に配向させる垂直配向膜として機能するものである。このような配向膜23の材料としては、例えば、ポリイミド等の材料を採用することが好ましい。また、当該配向膜23には、ラビングなどの配向処理は施されていない。このようにラビングを施さずに分割配向させる垂直配向液晶(負の誘電異方性を持つ液晶分子)を用いた反射液晶素子部20では、電極開口や電極上誘電体等をドット領域X内で部分的に設けることで画素内の電界を好適に歪ませて液晶分子が倒れる方向を制御する必要がある。この液晶配向制御が不十分であった場合には、液晶分子が面内において、ある程度の大きさのドメインを保ちつつランダムな方向に倒れてしまう。このような状態では表示領域の面内の一部で視野角特性が異なる領域が発生してしまい、結果としてざらざらとしたムラが見える不良となる。そこで、液晶層22の液晶分子を配向規制し、つまり初期状態において垂直配向にある液晶分子について電極間に電圧を印加した際の傾倒方向を規制させるために突起部25が設けられている。当該突起部25は配向規制手段として機能するものであり、アクリル樹脂等の有機膜からなる樹脂材料によって形成されており、液晶層22に突出するように形成されている。
偏光層24は、水溶性成分を含んでおり、ドクターブレード法等によって塗布形成されたものである。このような塗布工程においては、一方向への応力を印加しながら偏光層24が形成されるので、当該偏光層24は配向性が有するものとなる。また、当該偏光層24は、水溶性を示す二色性染料を含んで構成され、0.1μm〜3.0μm程度の層厚を有している。この場合、二色性染料は例えば酸性染料を主体として構成され、具体的にはアニオン性の解離基を含みリオトロピック液晶性を示すものにて構成されている。
更に、上記構成を有する電気光学素子110においては、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20と、バンク30を被覆するように共通陰極32が設けられている。当該共通陰極32は、共通画素電極31に対して対向配置された部位であり、有機EL素子部10に対して電子を注入する機能を有し、反射液晶素子部20に電位を付与する機能を有している。また、当該共通陰極32は、有機EL素子部10の発光光を透過させると共に、反射液晶素子部20における反射光を透過させるものである。従って、その材料としては、ITO等の透明導電膜が採用される。また、このような共通陰極32は、有機EL素子部10と反射液晶素子部20とにおいて共通の材料が採用されるが、各素子部10、20に対向する面の表面状態や形状を異ならせてもよい。例えば、有機EL素子部10側においては、電子注入性を向上させるための低仕事関数の金属薄膜を形成してもよい。また、反射液晶素子部20側においては、液晶層22の液晶分子の配向規制手段としてのスリットを設けてもよい。このように、スリットを設けた場合では、突起部25を設ける必要がなく、配向膜23の構成が簡素になる。
また、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を形成する方法としては、インクジェット法が好適に採用される。このようなインクジェット法を用いることにより、有機EL素子部10に正孔注入層11や発光層12、反射液晶素子部20のカラーフィルタ21や液晶層22が形成される。なお、有機EL素子部10において、電子注入層を備える場合には、当該電子注入層をインクジェット法によって形成してもよい。
更に、このようなインクジェット法を用いることにより、微細なドット領域X内に有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を正確に塗り分ける(吐出し分ける)ことが可能となる。
インクジェット法としては、帯電制御方式、加圧振動方式、電気機械変換式、電気熱変換方式、静電吸引方式などが挙げられる。
帯電制御方式は、材料に帯電電極で電荷を付与し、偏向電極で材料の飛翔方向を制御してノズルから吐出させるものである。
また、加圧振動方式は、材料に超高圧を印加してノズル先端側に材料を吐出させるものであり、制御電圧をかけない場合には材料が直進してノズルから吐出され、制御電圧をかけると材料間に静電的な反発が起こり、材料が飛散してノズルから吐出されない。
また、電気機械変換方式(ピエゾ方式)は、ピエゾ素子(圧電素子)がパルス的な電気信号を受けて変形する性質を利用したもので、ピエゾ素子が変形することによって材料を貯留した空間に可撓物質を介して圧力を与え、この空間から材料を押し出してノズルから吐出させるものである。
また、電気熱変換方式は、材料を貯留した空間内に設けたヒータにより、材料を急激に気化させてバブル(泡)を発生させ、バブルの圧力によって空間内の材料を吐出させるものである。
また、静電吸引方式は、材料を貯留した空間内に微小圧力を加え、ノズルに材料のメニスカスを形成し、この状態で静電引力を加えてから材料を引き出すものである。
また、この他に、電場による流体の粘性変化を利用する方式や、放電火花で飛ばす方式などの技術も適用可能である。
上記インクジェット法のうち、ピエゾ方式は、材料に熱を加えないため、材料の組成に影響を与えにくいという利点を有している。
上述したように、本実施形態の電気光学装置1においては、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20が、電気光学装置1における同一の視認側において表示を行うので、観察者側は、電気光学装置1の同一面において有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の表示を視認することができる。
また、ドット領域X内に有機EL素子部10及び反射液晶素子部20が設けられ、当該有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は同期駆動するので、暗環境下でも明環境下でも表示色が鮮明な表示を行うことができる。
具体的に説明すると、暗環境下では外光の強度が弱いために、反射液晶素子部20による表示が殆ど視認されないが、有機EL素子部10の発光による表示が視認される。ここで、有機EL素子部10による表示は、高輝度、高コントラスト、広視角化を実現することができる。
これに対して、明環境下では外光の強度が強いために、有機EL素子部10による表示が殆ど視認されないが、反射液晶素子部20による外光反射による表示が視認される。ここで、外光を利用した反射型表示を実現することができる。
また、中間の明るさの環境下では、有機EL素子部10による表示も、反射液晶素子部20による表示も視認される。従って、このような有機EL素子部10及び反射液晶素子部20がドット領域X内で同期駆動するので、電気光学装置1は暗環境や明環境といった環境が異なる場合でも、表示色が鮮明な表示を行うことができる。
また、電気光学装置1は、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を各々切り替えて表示を行うものではなく、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は同期駆動しているので、切り替えて表示を行うための光センサや、切り替え手段等が不要になる。ここで、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を切り替えて表示を行う場合には、中間の明るさの環境下では、表示の切り替えが連続することによる表示不良が生じてしまうが、上記のように、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を同期駆動させることによって、このような表示不良が生じるのを防止することができる。
また、電気光学装置1は、バックライトを利用して透過表示を行うものではないため、バックライトが不要になり、更に、反射液晶素子部20においては視認側のみに偏光層24があればよいので偏光層24の数が削減される。従って、電気光学装置1の構成を簡略化することができ、薄型化を実現できる。
また、このような電気光学装置1においては、有機EL素子部10が有機エレクトロルミネッセンス素子であるので、発光層12において電子と正孔が再結合することにより生じた発光光を取り出すことができる。これにより、高輝度、高コントラスト、広視角化を実現することができる。また、当該発光層12は高分子材料からなるので、インクジェット法を利用して発光層12を形成することが可能となり、ドット領域X上の所定領域のみに発光層12を形成することができる。
また、反射液晶素子部20の液晶層22は、誘電異方性が負の液晶からなるので、電圧非印加時ではノーマリーブラックモードとなり、高コントラストを実現することができる。また、広視野角の表示を実現できる。
また、電気光学装置1は、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、各ドット領域X毎に一つ設けられたスイッチングTFT112によって同時に駆動するので、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の各々にスイッチングTFT112を設ける必要がなく、スイッチングTFT112近傍の配線構造を簡素化することができる。
また、有機EL素子部10と反射液晶素子部20は、バンク30によって区画されているのでインクジェット法による各素子の形成を容易に行うことができる。また、当該バンク30はスペーサとしても機能するので、有機EL素子部10と反射液晶素子部20を挟持する基板間を所定の間隔で保持することができる。更に、当該バンク30によって有機EL素子部10と反射液晶素子部20が区画されることにより、電気光学装置1の全面に亘ってバンク30が形成されることとなり、電気光学装置1の強度を向上させることができる。
また、下基板3として、金属基板を採用した場合には、金属基板自体を反射板として利用することが可能となり、反射液晶素子部20における反射膜を形成する必要がなく、素子構造の簡素化を実現し、反射膜形成工程を省くことができる。また、金属基板は、ガラス基板と比較して単位厚さ当りの強度が大きいので、ガラス基板より薄い金属基板を用いて電気光学装置1を構成することが可能となる。即ち、電気光学装置1の薄型化を実現することができる。更に、薄型の金属基板は可塑性を有するため、フレキシブルな電気光学装置1を実現することができる。
また、上基板2として、樹脂基板を採用した場合には、樹脂基板が透明性を有する場合には、発光光や反射光を取り出す側の基板として用いることができる。また、下基板3として非透明性の樹脂基板を採用した場合には、発光光や反射光を取り出す基板とは反対側の基板として用いることができる。
このような樹脂基板を用いることにより、金属基板やガラス基板を用いる場合と比較して、電気光学装置1の軽量化を実現することができる。また、樹脂基板は可塑性を有するため、フレキシブルな電気光学装置1を実現することができる。
また、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、インクジェット法を利用して製造されているので、微細なドット領域X毎に有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を正確に形成することができる。ここで、インクジェット法以外の方法、例えば、蒸着法等の真空成膜法を用いる場合には、微細なドット領域X内にマスクを形成して、必要な部分のみに蒸着を行う必要がある。ここで、マスクを形成するには、高精度な位置決めが要求される。これに対して、インクジェット法は、高精度に位置決めされたマスクを用いることなく、微細なドット領域X内の所定領域のみに所定材料を塗布形成することができる。即ち、インクジェット法を用いることにより、有機EL素子部10や反射液晶素子部20を構成する材料を微細なドット領域X内に形成することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の第2実施形態について説明する。
また、本実施形態においては、上記の第1実施形態と異なる部分について説明する。従って、同一構成には同一符号を付して説明を簡素化している。
図4は電気光学装置の配線構造を示す配線構造図であり、図5は電気光学装置の各ドット領域の平面図、図6は図5のB−B’断面である。
本実施形態における電気光学装置は、有機EL素子部10と反射液晶素子部20が各々異なるスイッチングTFTによって駆動するようになっており、更に、各々のスイッチングTFTを同期させる同期駆動手段を備えた構成となっている。
具体的に説明すると、図4に示すように電気光学装置1’は、データ線同期回路(同期駆動手段)130と、走査線同期回路(同期駆動手段)120とを具備している。更に、電気光学装置1’は、有機EL素子データ線駆動回路100aと有機EL素子走査線駆動回路80aとによって有機EL素子部10を駆動させるようになっている。また、電気光学装置1’は、反射液晶素子データ線駆動回路100bと反射液晶素子走査線駆動回路80bとによって反射液晶素子部20を駆動させるようになっている。
そして、このような有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、後述する信号線102a、102bと、走査線101a、101bを介して駆動するようになっている。
ここで、データ線同期回路130は、有機EL素子データ線駆動回路100a及び反射液晶素子データ線駆動回路100bの信号を同期させる機能を有している。また、走査線同期回路120は、有機EL素子走査線駆動回路80a及び反射液晶素子走査線駆動回路80bの信号を同期させる機能を有している。
次に、電気光学装置1’の配線構造について詳細を説明する。電気光学装置1’は、上記の第1実施形態と同様にスイッチング素子として薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリクス方式によって駆動するようになっている。具体的には、複数の有機EL素子走査線101a…と、複数の反射液晶素子走査線101b…と、複数の有機EL素子信号線102a…と、複数の反射液晶素子信号線102b…と、ドット領域X…と、が設けられている。そして、ドット領域Xは、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20を有している。そして、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、各々に接続されたスイッチングTFT112a、112bを介して、データ線駆動回路100a、100bと走査線駆動回路80a、80bとによって駆動するようになっている。
具体的には、有機EL素子部10は、有機EL素子走査線101a…と有機EL素子信号線102b…との各交点付近に設けられたものであり、スイッチングTFT112aと、有機EL素子保持容量113aとを有している。ここで、スイッチングTFT112aは、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極を備えており、有機EL素子走査線101aを介して走査信号がゲート電極に供給されることによって、当該ゲート電極の電界が作用してソース電極及びドレイン電極が導通し、有機EL素子信号線102aの画素信号をドレイン電極に供給するようになっている。また、有機EL素子保持容量113aは、有機EL素子走査線101a…とスイッチングTFT112aのドレイン電極側とを接続する所謂コンデンサであり、有機EL素子信号線102aの画素信号を保持するようになっている。従って、有機EL素子部10は、有機EL素子保持容量113a及びスイッチングTFT112aのドレイン電極側に接続されており、有機EL素子信号線102aの画素信号に応じて駆動するものである。
一方、反射液晶素子部20は、反射液晶素子走査線101b…と反射液晶素子信号線102b…との各交点付近に設けられたものであり、スイッチングTFT112bと、反射液晶素子保持容量113bとを有している。ここで、スイッチングTFT112bは、ゲート電極、ソース電極、及びドレイン電極を備えており、反射液晶素子走査線101bを介して走査信号がゲート電極に供給されることによって、当該ゲート電極の電界が作用してソース電極及びドレイン電極が導通し、反射液晶素子信号線102bの画素信号をドレイン電極に供給するようになっている。また、反射液晶素子保持容量113bは、反射液晶素子走査線101b…とスイッチングTFT112bのドレイン電極側とを接続する所謂コンデンサであり、反射液晶素子信号線102bの画素信号を保持するようになっている。従って、反射液晶素子部10は、反射液晶素子保持容量113b及びスイッチングTFT112bのドレイン電極側に接続されており、反射液晶素子信号線102bの画素信号に応じて駆動するものである。
そして、このようなドット領域Xが3つまとまることによって、単位画素が構成されている。当該3つのドット領域Xとは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の3色の表示色を各々表示するものである。このようなRGBは、先述した発光層12及びカラーフィルタ21によって表示される。そして、このようなドット領域Xを3つ備えた単位画素が電気光学装置1’の表示面全体に複数設けられることによって、フルカラーの画像表示を行うようになっている。
次に、上記3つのドット領域Xを備えた単位画素の構成について詳述する。
図5に示すように、単位画素Pは、RGBの各々の表示色に対応したRドット領域Xr、Gドット領域Xg、及びBドット領域Xbを備えている。そして、各ドット領域Xr、Xg、Xbの各々には、有機EL素子部10と反射液晶素子部20が設けられている。そして、有機EL素子部10は、上記のようにスイッチングTFT112aのON/OFFによって駆動するものであり、反射液晶素子部20は、上記のようにスイッチングTFT112bのON/OFFによって駆動するものである。
また、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の各々には、有機EL素子電極31aと液晶素子電極31bとが設けられている。そして、当該電極31a、31bは各々独立しており、非導通状態となっている。即ち、有機EL素子電極31a及び液晶素子電極31bは、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20に対して各々異なる画素信号が付与されるようになっている。
ここで、有機EL素子部10は、電流駆動型の素子であるので、当該電流駆動型に適した画素信号が有機EL素子電極31aに付与されて駆動する。一方、反射液晶素子部20は、電圧駆動型の素子であるので、当該電圧駆動型に適した画素信号が液晶素子電極31bに付与されて駆動する。
そして、上記のように、データ線同期回路130及び走査線同期回路120が設けられていることから、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、駆動形態が異なるものの、同期して駆動するようになっている。
そして、このように有機EL素子電極31a及び液晶素子電極31bが独立して形成されていることから、各電極を駆動形態に適した構造にすることができる。具体的には、有機EL素子電極31aは、正孔注入性を良好にするための洗浄や表面処理が施されていることが好ましい。また、仕事関数が高い材料によって形成されていることが好ましい。例えば、ITOを採用することが好ましい。
一方、液晶素子電極31bは、Al等の反射性を有する金属によって形成されていることが好ましい。なお、基材として透明導電膜を採用し、その下面に金属反射膜が形成されていてもよい。
また、有機EL素子電極31a及び液晶素子電極31bの各々には、親液性が付与されていてもよい。この場合、電極31a、31b上に、インクジェット法を用いて材料液体を塗布形成するのに有効である。
次に、図6を参照し、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の断面形状について説明する。
有機EL素子部10は、有機EL素子電極31a上に正孔注入層11と発光層12とが順次形成された構成を有している。反射液晶素子部20は、液晶素子電極31b上にカラーフィルタ21と、液晶層22と、垂直配向膜23と、偏光層24とが順次形成された構成を有している。更に、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20と、バンク30を被覆するように共通陰極32が設けられている。
このように有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、各々独立した電極上に素子が形成されているので、有機EL素子部10は電流駆動するようになっている。また、反射液晶素子部20は、電圧駆動するようになっている。
上述したように、本実施形態の電気光学装置1’においては、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20は、各々にスイッチングTFT112a、112bを有し、当該各々のスイッチングTFT112a、112bの動作を同期させるデータ線同期回路130及び走査線同期回路120を有しているので、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の駆動、表示に適した信号を各々に供給することができる。即ち、電流駆動型である有機EL素子部10においては、電流量が好適に制御された信号によって駆動させることができる。また、電圧駆動型である反射液晶素子部20においては、電圧量が好適に制御された信号によって駆動させることができる。このように駆動形態が異なる場合であっても、データ線同期回路130及び走査線同期回路120によって有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の駆動を同期させることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る電気光学装置の第3実施形態について説明する。
また、本実施形態においては、上記の第2実施形態と異なる部分について説明する。従って、同一構成には同一符号を付して説明を簡素化している。
上記の第2実施形態においては、有機EL素子部10及び反射液晶素子部20に対して、共通陰極32が全面に形成されている構成となっているが、本実施形態においては、陰極が有機EL素子部10及び反射液晶素子部20の各々において独立している構成となっている。このように独立した陰極を各々設けることにより、有機EL素子部10における駆動電流が反射液晶素子部20に影響を与えることがない。また、反射液晶素子部20における駆動電圧が有機EL素子部10に影響を与えることがない。
また、独立した陰極を設けることにより、有機EL素子部10においては、電子注入性を向上させることが可能な陰極構造を採用することが可能となる。具体的には、光透過性であって、仕事関数が低い材料から構成される。当該陰極の材料としては、例えばカルシウム金属又はカルシウムを主成分とする合金を有機EL層12側に積層して第1の陰極層とし、その上層にアルミニウム又はアルミニウムを主成分とする合金、もしくは銀又は銀−マグネシウム合金などを積層して第2の陰極層とした積層体を採用することができる。なお、第2の陰極層は第1の陰極層を覆って、酸素や水分などとの化学反応から保護するとともに、陰極50の導電性を高めるために設けられる。したがって、化学的に安定で仕事関数が低く、単層構造でもよく、また金属材料に限るものではない。また、このような積層構造においては、光透過性が確保される膜厚で陰極が構成される。
(電子機器)
図7は、本発明の電子機器の実施形態を示している。
本例の電子機器は、上述した電気光学装置を表示手段として備えている。
図7は、携帯電話の一例を示した斜視図である。図7において、符号1000は携帯電話本体を示し、符号1001は前記電気光学装置を用いた表示部を示している。当該図7に示す電子機器は、表示部に本発明の電気光学装置を備えているので、明環境でも暗環境でも鮮明な表示色を実現すると共に、薄型化を達成した表示部を備える電子機器を実現できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
本発明の第1実施形態における電気光学装置の等価回路図。 本発明の第1実施形態における電気光学装置のドット領域を示す平面図。 本発明の第1実施形態における電気光学装置のドット領域を示す断面図。 本発明の第2実施形態における電気光学装置の等価回路図。 本発明の第2実施形態における電気光学装置のドット領域を示す平面図。 本発明の第2実施形態における電気光学装置のドット領域を示す断面図。 本発明の電気光学装置を備える電子機器を示す図。
符号の説明
1、1’ 電気光学装置、2 上基板(基板)、3 下基板(基板)、10 有機EL素子部(自発光素子)、20 反射液晶素子部(反射型液晶素子)、22 液晶層、30 バンク(隔壁)、112、112a、112b スイッチングTFT(スイッチング素子)、120 走査線同期回路(同期駆動手段)、130 データ線同期回路(同期駆動手段)、P 単位画素、X、Xr、Xg、Xb ドット領域(ドット)、1000 携帯電話(電子機器)




Claims (10)

  1. 単位画素内に複数のドットを具備し、
    当該ドット内には、自発光素子と反射型液晶素子とが設けられ、
    当該自発光素子及び当該反射型液晶素子は、同一側に表示を行うことを特徴とする電気光学装置。
  2. 前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、同期駆動することを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、一のスイッチング素子によって同時に駆動することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、各々にスイッチング素子を有し、
    当該各々のスイッチング素子の動作を同期させる同期駆動手段を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電気光学装置。
  5. 前記自発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電気光学装置。
  6. 前記反射型液晶素子は、誘電異方性が負の液晶からなる液晶層を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の電気光学装置。
  7. 前記自発光素子と前記反射型液晶素子は、隔壁によって区画されていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の電気光学装置。
  8. 前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、対向する基板間に設けられ、
    当該対向する基板のうち、一方の基板は金属基板であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の電気光学装置。
  9. 前記自発光素子及び前記反射型液晶素子は、対向する基板間に設けられ、
    当該対向する基板のうち、一方の基板は樹脂基板であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれかに記載の電気光学装置。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の電気光学装置を具備することを特徴とする電子機器。




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