JP2005350366A - 油中水型皮膚外用組成物 - Google Patents

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JP2005350366A JP2004170208A JP2004170208A JP2005350366A JP 2005350366 A JP2005350366 A JP 2005350366A JP 2004170208 A JP2004170208 A JP 2004170208A JP 2004170208 A JP2004170208 A JP 2004170208A JP 2005350366 A JP2005350366 A JP 2005350366A
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Abstract

【課題】 乳化安定性、特に極性油性成分を配合した場合の乳化安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を提供する。
【解決手段】 アクリル酸系モノマー(A)と、ポリオキシアルキレン基含有モノマー(B)と、オルガノポリシロキサン含有モノマー(C)とを構成モノマーとして含有し、前記モノマー(A)の含有量が構成モノマー全量に対して20質量%以上である共重合体高分子を含有することを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は油中水型皮膚外用組成物、特に乳化安定性の向上、さらには極性油性成分を配合した場合の乳化安定性の改善に関する。
従来、油相を外相、水相を内相とした油中水型の乳化物が、各種化粧料において用いられている。このような油中水型の乳化物は、水中油型の場合と比較して、皮膚の保護や柔軟性の付与、皮膚の水分の蒸散抑制等の点で優れており、皮膚外用剤としての適した剤型であると考えられる。また、油中水型乳化物の乳化剤としては、従来、HLB1〜12程度の親油性界面活性剤、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪酸エステル系界面活性剤、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン系界面活性剤等が使用されてきた。
しかしながら、これらの乳化剤を用いた油中水型乳化物は、乳化安定性に乏しく、高温条件下あるいは経時により水相と油相の分離が生じてしまい、製剤としての安定化が極めて困難であった。また、外相である油相中にワックスを配合することによって剤型を安定化するという方法も行われているが、高温条件下でワックスが融解あるいは軟化してしまうために、製剤の安定性が十分でなく、さらにのびが重くなる、塗布時にべたつくなどといった新たな使用性上の問題も生じてしまっていた。
一方、油中水型乳化物の油相として高級脂肪酸エステル等の極性油分を用いることにより、非極性油分やシリコーン油に溶解しにくい成分(例えば、特定の紫外線吸収剤や薬剤等)を製剤中に配合することが可能となる。しかしながら、極性油分を配合した油中水型乳化物を調製しようとした場合には、一般的な乳化剤の親油性部位(例えば、長鎖アルキル基)では、極性油分に対する親和性が低いために成分分離を引き起こしやすく、安定な製剤を得ることができなかった。さらに、極性油分との親和性を高める目的で、乳化剤の親油性部位の極性を高めようとした場合、当該乳化剤全体のHLB(親水性−親油性バランス)が親水側に傾いてしまうために、乳化物が水中油型になりやすくなってしまい、油中水型の乳化系で安定に保持することができないという問題があった。
本発明は前述の課題に鑑み行われたものであり、乳化安定性、特に極性油性成分を配合した場合の乳化安定性に優れた油中水型皮膚外用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らが、前述の課題に鑑み鋭意研究を行った結果、アクリル酸系モノマーと、ポリオキシアルキレン基含有モノマーと、オルガノポリシロキサン含有モノマーとを特定の割合で含有した共重合体高分子を、油中水型乳化物の乳化剤として用いることによって、従来用いられていた油中水型界面活性剤と比較して乳化安定性に優れており、さらには極性油性成分を配合した場合の乳化安定性にも極めて優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物は、下記一般式(1)で示されるモノマー(A)と、下記一般式(2)で示されるモノマー(B)と、下記一般式(3)で示されるモノマー(C)と、を構成モノマーとして含有し、前記モノマー(A)の含有量が構成モノマー全量に対して20質量%以上である共重合体高分子を含有することを特徴とする。
Figure 2005350366
(上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基を表し、Rは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
Figure 2005350366
(上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基、Rは炭素数1〜4の2価炭化水素基、Rは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基を表し、lは1〜50の整数を表す。)
Figure 2005350366
(上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基、Rは炭素数1〜4の2価炭化水素基、Rは炭素数1〜6の炭化水素基を表し、mは0〜500、nは1〜3の整数を表す。)
また、前記油中水型皮膚外用組成物において、さらに極性油性成分を含有することが好適である。また、前記油中水型皮膚外用組成物において、極性油性成分が、IOBが0.05〜0.80である極性油性成分の中から選択される1種又は2種以上であることが好適である。また、前記油中水型皮膚外用組成物において、極性油性成分がパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、オクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルから選択される1種又は2種以上であることが好適である。また、前記油中水型皮膚外用組成物において、さらにシリコーン油を含有することが好適である。
また、前記油中水型皮膚外用組成物において、さらに常温で固体の紫外線吸収剤を含有することが好適である。また、前記油中水型皮膚外用剤組成物において、常温で固体の紫外線吸収剤が、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン、及び/又は1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオンであることが好適である。また、前記油中水型皮膚外用組成物において、さらに紫外線散乱剤を含有することが好適である。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物は、特定構造の共重合体高分子が配合されていることによって、従来のものと比較して乳化安定性に優れている。また、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物は、極性油性成分を配合した場合の乳化安定性が著しく改善されている。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳述する。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物に用いられる共重合体高分子は、下記一般式(1)で示されるモノマー(A)と、下記一般式(2)で示されるモノマー(B)と、下記一般式(3)で示されるモノマー(C)とを構成モノマーとして含有し、前記モノマー(A)の含有量が構成モノマー全量に対して20質量%以上であるように調整されているものである。
Figure 2005350366
(上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基を表し、Rは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
Figure 2005350366
(上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基、Rは炭素数1〜4の2価炭化水素基、Rは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基を表し、lは1〜50の整数を表す。)
Figure 2005350366
(上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基、Rは炭素数1〜4の2価炭化水素基、Rは炭素数1〜6の炭化水素基を表し、mは0〜500、nは1〜3の整数を表す。)
前記一般式(1)に示されるモノマー(A)は、アクリル酸、又はメタクリル酸のようなアルキル置換アクリル酸、又はそのアルキルエステルである。一般式(1)において、アクリル酸α炭素の置換基であるRは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rとしては、特に好ましくは水素、メチル基である。また、一般式(1)において、アクリル酸の末端置換基であるRは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基である。炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良く、また、水酸基あるいはフッ素原子が一部置換されていても良い。Rとしては、例えば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、トリデシル基、ステアリル基、イソステアリル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基等が挙げられる。特に好ましくは、メチル基、2−エチルヘキシル基、トリデシル基、ステアリル基である。
本発明に用いられるモノマー(A)としては、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸トリデシル、アクリル酸ステアリル等のアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸イソステアリル等のメタクリル酸アルキルエステル等が挙げられる。
なお、本発明に用いられる共重合体高分子においては、前記モノマー(A)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
また、本発明に用いられる共重合体において、前記モノマー(A)の含有量が構成モノマー全量に対して20質量%以上である必要がある。モノマー(A)の含有量が構成モノマー全量に対して20質量%未満である場合には乳化安定性が悪くなる場合がある。また、モノマー(A)の含有量が20〜40質量%であることが好適である。モノマー(A)の含有量が40質量%を超えると乳化物が得られない場合がある。
前記一般式(2)に示されるモノマー(B)は、アクリル酸、又はメタクリル酸のようなアルキル置換アクリル酸においてオキシアルキレン部位を有する化合物であり、例えば、アクリル酸又はアルキル置換アクリル酸のアルキレングリコールエステル、あるいはそのアルキルエーテルである。一般式(2)において、アクリル酸α炭素の置換基であるRは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rとしては、特に好ましくは水素、メチル基である。また、一般式(2)において、オキシアルキレン基における炭化水素部位であるRは、炭素数1〜4の2価炭化水素基である。2価炭化水素基としては、例えば、アルキレン基が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。なお、Rは同一であっても異なっていてもよく、例えば、オキシアルキレン部位が、炭素数の異なるRを有する2以上のオキシアルキレン基からなるブロック状又はランダム状の繰り返し構造であっても良い。Rとしては、エチレン基であることが特に好ましい。また、一般式(2)において、オキシアルキレン基の末端置換基であるRは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rは水素、メチル基であることが特に好ましい。また、一般式(2)において、オキシアルキレン基の繰り返し単位数を表すlは1〜50の整数である。lは3〜15であることが特に好ましい。
本発明に用いられるモノマー(B)としては、例えば、CH=C(CH)COO(CO)H、CH=C(CH)COO(CO)H、CH=C(CH)COO(CO)10H、CH=C(CH)COO(CO)15H、CH=C(CH)COO(CO)CH、CH=C(CH)COO(CO)CH、CH=C(CH)COO(CO)10CH、CH=C(CH)COO(CO)15、CH=CHCOO(CO)H、CH=CHCOO(CO)H、CH=CHCOO(CO)10H、CH=CHCOO(CO)15H、CH=CHCOO(CO)CH、CH=CHCOO(CO)CH、CH=CHCOO(CO)10CH、CH=CHCOO(CO)15、CH=CHCOO(CO)10(CO)101225、CH=C(CH)COO(CO)30(CO)101837等が挙げられる。
なお、本発明に用いられる共重合体高分子においては、前記モノマー(B)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
また、本発明に用いられる共重合体において、前記モノマー(B)の含有量は特に制限されるものではないが、構成モノマー全量に対して2〜30質量%であることが好適である。モノマー(B)の含有量が構成モノマー全量に対して2質量%未満であると乳化物が得られない場合があり、30質量%を超えると乳化物が水中油型になってしまう場合がある。また、モノマー(B)の含有量が5〜20質量%であることが、特に好適である。
前記一般式(3)に示されるモノマー(C)は、アクリル酸、又はメタクリル酸のようなアルキル置換アクリル酸において、オルガノポリシロキサン部位を有する化合物であり、例えば、アクリル酸又はアルキル置換アクリル酸に、2価炭化水素基を介してオルガノポリシロキサンを連結したエステルである。一般式(3)において、アクリル酸α炭素の置換基を表すRは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rとしては、特に好ましくは水素、メチル基である。また、一般式(3)において、アクリル酸部位とオルガノポリシロキサン部位とを連結する炭化水素基であるRは、炭素数1〜4の2価炭化水素基である。2価炭化水素基としては、例えば、アルキレン基が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。Rとしては、プロピレン基であることが特に好ましい。また、一般式(3)において、オルガノポリシロキサン基の側鎖置換基であるRは炭素数1〜6の炭化水素基である。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、あるいはフロロアルキル基等が挙げられ、直鎖状、分岐状いずれのものでも良い。なお、Rは同一であっても異なっていてもよく、例えば末端のRの一部のみが炭素数の異なる炭化水素基であってもよい。Rはメチル基、フェニル基、あるいはトリフロロプロピル基であることが特に好ましい。また、一般式(3)において、オルガノシロキシ基の繰り返し単位数を表すmは0〜500の整数である。mは0〜200であることが特に好ましい。また、一般式(3)において、オルガノシロキシ基の置換度数を表すnは1〜3の整数である。
本発明に用いられるモノマー(C)としては、例えば、CH=C(CH)COOCSi{OSi(CH、CH=C(CH)COOC{Si(CHO}20Si(CH、CH=C(CH)COOC{Si(CHO}40Si(CH、CH=C(CH)COOC{Si(CHO}100Si(CH、CH=C(CH)COOC{Si(CHO}100{Si(CO}20Si(CH、CH=C(CH)COOC{Si(CHO}150{Si(CH)(CCF)O}50Si(CH等が挙げられる。
なお、本発明に用いられる共重合体高分子においては、前記モノマー(C)の1種又は2種以上を構成モノマーとすることができる。
また、本発明に用いられる共重合体において、前記モノマー(C)の含有量は特に制限されるものではないが、構成モノマー全量に対して30〜80質量%であることが好適である。モノマー(C)の含有量が、構成モノマー全量に対して30質量%未満であるとシリコーン油に不溶になる場合があり、80質量%を超えると乳化物が得られない場合がある。また、モノマー(C)の含有量が40〜70質量%であることが特に好適である。
また、本発明の効果を損なわない範囲であれば、上記(A)〜(C)以外のモノマーを構成モノマーとして含有することもできる。含有量は、構成モノマー総量の50質量%以下の範囲であればよく、例えば、0.0001〜10質量%程度含有することができる。このようなモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルアルコール、酢酸ビニル、無水マレイン酸、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルアクリルアミド、メチルメタクリルアミド、ジメチルメタクリルアミド、エチルアクリルアミド、エチルメタクリルアミド、ジエチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、ε―カプロラクタム、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリル酸、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明に用いられる共重合体は、上記モノマー(A)〜(C)を用い、公知の重合方法を用いて重合することにより得ることができる。重合方法として、例えば、均一溶液重合法、不均一溶液重合法、乳化重合法、逆相乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法、沈殿重合法等を用いることができる。例えば、均一溶液重合法の場合には、モノマー(A)〜(C)を適当なモノマー組成にて溶媒に溶解し、窒素雰囲気下、ラジカル重合開始剤を添加して加熱撹拌することにより本発明の共重合体を得ることができる。また、ポリアクリル酸を用い、後から適当な官能基を付加させるポストモディフィケーション法によって、共重合体を得ることもできる。
重合の際に用いられる溶媒としては、各モノマーを溶解又は懸濁し得る溶媒であればいずれの溶媒を用いることも可能であり、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶媒、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、デカン、流動パラフィンなどの炭化水素系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等の塩化物系溶媒などの他、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン等が挙げられる。これら溶媒は2種以上混合して用いてもよい。通常、用いる重合開始剤の開始温度よりも沸点が高い溶媒を選択することが好適である。
重合開始剤としては、ラジカル重合を開始する能力を有するものであれば特に制限はなく、例えば、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル等のアゾ系化合物の他、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸系重合開始剤が挙げられる。なお、これらの重合開始剤によらずとも、光化学反応や、放射線照射等によっても重合を行うことができる。重合温度は各重合開始剤の重合開始温度以上とする。例えば、過酸化物系重合開始剤では、通常70℃程度とすればよい。
重合時間は特に制限されないが、通常2〜24時間である。比較的高分子量のポリマーを得たい場合には、1日程度反応させることが望ましい。反応時間が短すぎると未反応のモノマーが残存し、分子量も比較的小さくなることがある。本発明に用いられる共重合体の平均分子量は特に制限されるものではないが、特に平均分子量1万〜20万程度であることが好ましい。また、本発明に用いられる共重合体分子においては、モノマー(A)〜(C)の付加する順序は特に指定されるものではなく、ブロック状に付加していてもランダム状に付加していてもよいが、通常はモノマー(A)〜(C)がランダム状に付加された共重合体が得られる。
本発明に用いられる代表的な共重合体の一例を、下記一般式(4)に示す。
Figure 2005350366
なお、上記一般式(4)中、R〜R,l,m,nは前述した定義の通りである。a,b,cは、構成モノマー全量中のモノマー(A)、モノマー(B)、モノマー(C)のそれぞれの質量割合を表す。なお、上記一般式(4)中、構成モノマー全量にするモノマー(A)の質量割合を表すaは、20質量%以上となるように調整される。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、前記共重合体高分子の配合量は、特に制限されるものではなく、使用目的に合わせ適宜配合量を調整して用いることができるが、組成物の総量に対して0.1〜10.0質量%、さらには0.5〜5.0質量%であることが好適である。共重合体の配合量が0.1質量%より少ない場合には乳化安定性に劣る場合があり、一方で10.0質量%より多く配合しても効果の向上は見られない。
本発明は、前述のようにして製造された共重合体高分子を油中水型皮膚外用組成物中に配合することによって、当該油中水型皮膚外用組成物の乳化安定性を改善するというものである。また、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、必須成分である前記共重合体高分子の他に、通常化粧料や医薬品に用いられる成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合することができる。
例えば、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物において、前記必須成分とともに、極性油性成分を好適に配合することができる。従来、一般的な乳化剤を用いて極性油性成分を配合した油中水型皮膚外用剤を調製しようとした場合、乳化安定性が悪いために水相と油相の分離が生じてしまい、外観が著しく悪化してしまうことがあった。これに対して、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物は、前記共重合体高分子を配合していることによって、極性油性成分を用いた場合の乳化安定性を改善することができる。また、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物では、極性油性成分を安定に乳化することができるため、非極性油分やシリコーン油等の油分に溶解しにくい成分を製剤中に安定に配合することが可能となる。
本発明に用いられる極性油性成分としては、特に限定されるものではないが、IOB値が0.05〜0.80であることが好ましく、IOB値が0.10〜0.60であることがさらに好ましい。
なお、IOB値とは、Inorganic/Organic Balance(無機性/有機性比)の略であって、無機性値の有機性値に対する比率を表す値であり、有機化合物の極性の度合いを示す指標となるものである。IOB値は、具体的には、
IOB値=無機性値/有機性値
として表される。ここで、「無機性値」、「有機性値」のそれぞれについては、例えば、分子中の炭素原子1個について「有機性値」が20、同水酸基1個について「無機性値」が100といったように、各種原子又は官能基に応じた「無機性値」、「有機性値」が設定されており、有機化合物中の全ての原子及び官能基の「無機性値」、「有機性値」を積算することによって、当該有機化合物のIOB値を算出することができる(例えば、藤田著、「化学の領域」第11巻、第10号、第719頁〜第725頁、1957年参照)。
本発明に用いられる極性油性成分としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジ2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、セテアリルイソノナノエート、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリン、(ジカプリル酸/カプリン酸)ブチレングリコール、トリミリスチン酸グリセリン、トリ2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、セトステアリルアルコール、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバチン酸ジ2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバチン酸ジイソプロピル、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、クエン酸トリエチル、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
また、上記極性油性成分のうち、特にパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、オクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルを本発明に好適に用いることができる。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、前記極性油性成分の1種又は2種以上を選択して配合してもよい。前記極性油性成分の配合量は、組成物中0.1〜90.0質量%、さらには1.0〜70.0質量%であることが好適である。極性油性成分の配合量が少なすぎるとべたつく場合があり、多すぎると乳化不良になる場合がある。
また、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物において、前記必須成分とともにシリコーン油を好適に配合することができる。本発明に用いられるシリコーン油としては、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等の環状ポリシロキサン等が挙げられる。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、前記シリコーン油の1種又は2種以上を選択して配合してもよい。前記シリコーン油の配合量は、組成物中0.1〜90質量%、さらには1.0〜70.0質量%であることが好適である。シリコーン油の配合量が少なすぎるとべたつく場合があり、多すぎると乳化不良になる場合がある。
また、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物において、前記必須成分とともに、常温で固体の紫外線吸収剤を好適に配合することができる。本発明に用いられる常温で固体の紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン{商品名:チノソーブS(チバ社)}、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン{(商品名:ユビナールT150(BASF社)}、1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオン{商品名:パルソール1789(ロシュ社)}等が挙げられる。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、前記常温で固体の紫外線吸収剤の1種又は2種以上を選択して配合してもよい。前記常温で固体の紫外線吸収剤の配合量は、組成物中0.1〜20.0質量%、さらには0.5〜10.0質量%であることが好適である。常温で固体の紫外線吸収剤の配合量が少なすぎると、十分な紫外線防御効果が見られない場合があり、多すぎると紫外線吸収剤が経時で析出してしまう場合がある。
また、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物において、前記必須成分とともに、紫外線散乱剤を好適に配合することができる。本発明に用いられる紫外線散乱剤としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛等の無機粉末、あるいはこの無機粉末の表面をアルミニウムステアレート、ジンクパルミテート等の脂肪酸石けん、ステアリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、パルミチン酸デキストリン等の脂肪酸エステル等により被覆した表面被覆無機粉末が挙げられる。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、前記紫外線散乱剤の1種又は2種以上を選択して配合してもよい。前記紫外線散乱剤の配合量は、組成物中0.1〜50.0質量%、さらには1.0〜40.0質量%であることが好適である。紫外線散乱剤の配合量が少なすぎると、十分な紫外線防御効果が見られない場合があり、多すぎると乳化物が得られない場合がある。
本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物の使用用途は、必須成分である前記共重合体高分子を含有する油中水型の皮膚外用剤であれば、特に限定されるものではないが、例えば、ローション、乳液、クリーム、ファンデーション、口紅、クレンジングフォーム、シャンプー、ヘアリンス、リップクリーム、ヘアスプレー、ムース、日焼け止めまたは日焼け用クリーム、アイライナー、マスカラ、毛髪または爪の手入れ、クリーム、ボディーメーキャップ製剤等、種々の製品に応用することが可能である。
以下に本発明の実施例を挙げてさらに詳しい説明を行なうが、本発明はこれらに限定されるものではない。
まず最初に、本発明の共重合体の製造において用いた各モノマーの構造を以下に示す。
モノマーA1:
Figure 2005350366
モノマーA2:
Figure 2005350366
モノマーB1:
Figure 2005350366
モノマーC1:
Figure 2005350366
モノマーC2:
Figure 2005350366
つづいて、本発明に用いる共重合体の合成方法について説明する。
共重合体1−1
攪拌機、温度計、還流冷却機を備えたガラス製フラスコ中に、上記一般式(5)で示されるメタクリル酸メチル(モノマーA1)35質量部、上記一般式(7)で示されるメタクリル酸ポリオキシエチレンエーテル(モノマーB1)15質量部、上記一般式(8)で示されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(モノマーC1)50質量部、イソプロパノール120質量部、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4質量部を入れ、窒素気流下で加熱し、80℃で10時間重合反応を行なった。次いで、減圧下、揮発性成分を留去して共重合体1−1を得た。
本発明者らは、以上に示した合成方法に準じて各種共重合体を調製し、以下の評価を行った。
共重合体の配合
本発明者らは、まず最初に、上記製造例に準じて各種共重合体を調製し、当該共重合体を乳化剤として配合した油中水型クリームと、従来の界面活性剤を配合した油中水型クリームとの比較を行った。各試験例に用いた共重合体のモノマー組成及び油中水型クリームの配合組成と評価結果とを下記表1に併せて示す。なお、評価基準は以下の通りである。
(1)経時安定性(1ヶ月後)
各試験例の油中水型クリームを室温で1ヶ月間保持した後、目視にて乳化物の形態の観察を行った。
◎:粒子が均一であり乳化状態が良好であった。
○:粒子にややばらつきが見られるが、乳化状態は良好であった。
△:粒子が粗大となり、水相と油相の分離が見られた。
×:水相と油相が完全に分離していた。
(2)温度安定性(50℃)
各試験例の油中水型クリームを50℃で1ヶ月間保持した後、目視にて乳化物の形態の観察を行った。
◎:粒子が均一であり、乳化状態が非常に良好であった。
○:粒子がほぼ均一であり、乳化状態が良好であった。
△:粒子にややばらつきが見られ、わずかに水相と油相の分離が見られた。
×:水相と油相が完全に分離していた。
Figure 2005350366
上記表1より、前記共重合体1−1を乳化剤として配合した試験例1−1の油中水型クリームは、乳化物の経時安定性、温度安定性ともに極めて優れているものであることが明らかとなった。
これに対して、モノマーAのみからなる共重合体1−2を配合した試験例1−2、モノマーA、及びBからなる共重合体1−3を配合した試験例1−3、さらにはモノマーA、及びCからなる共重合体1−4を配合した試験例1−4の場合、乳化物の経時安定性、温度安定性に劣っていた。また、一般的な油中水型の乳化剤として知られているジイソステアリン酸ジグリセリル、POE(3)硬化ヒマシ油を配合した試験例1−5、1−6においても、乳化物の経時安定性、温度安定性ともに十分なものであるとは言い難かった。
極性油性成分の共配合
つづいて、本発明者らは、極性油性成分を配合した油中水型乳化基剤における乳化安定性についての検討を行うため、前記共重合体1−1を用いて、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、及びコハク酸ジ2−エチルヘキシルを配合した油中水型クリーム基剤について、前記試験と同様にして、従来の乳化剤を用いたものとの比較を行った。各試験例に用いた油中水型クリームの配合組成と、その評価結果とを下記表2に併せて示す。なお、評価基準は前記試験と同様である。
Figure 2005350366
上記表2より、極性油性性分であるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、及びコハク酸ジ2−エチルヘキシルが配合された油中水型クリーム基剤において、従来の油中水型乳化剤を用いた試験例1−8,1−9では、乳化物の経時安定性、温度安定性に劣っていることがわかる。
これに対して、前記共重合体1−1を乳化剤として配合した試験例1−7の油中水型クリームは、極性油性成分を配合しているにもかかわらず、乳化物の経時安定性、温度安定性ともに極めて優れているものであることが明らかとなった。
共重合体のモノマー組成
つづいて、本発明者らは、共重合体の好適なモノマー組成について検討するため、上記製造例に準じてモノマー(A)の含有量を変化させた各種共重合体を調製し、それぞれの共重合体を配合した油中水型クリームについての評価を行なった。各実施例及び比較例の油中水型クリームの配合組成と評価結果とを表3に併せて示す。なお、評価基準は前記試験と同様である。
Figure 2005350366
上記表3より、モノマー(A)を全く含有していない共重合体1−5を用いた試験例1−10では、乳化物の経時安定性、温度安定性が著しく劣っている。一方で、共重合体中のモノマー(A)の割合が増えていくに従って、乳化物の経時安定性、温度安定性が改善されていく傾向にあることがわかるが、モノマー(A)の割合が20質量%未満である共重合体1−6,7を用いた試験例1−11,12においては、未だ十分なものであるものとは言い難い。これに対して、共重合体中のモノマー(A)の割合が20質量%以上である共重合体1−7,及び1−8〜10を用いた試験例1−1,及び1−13〜15では、乳化物の経時安定性、温度安定性ともに極めて優れているものであることがわかった。
このことから、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、共重合体中のモノマー(A)の割合が20質量%以上である必要があるものと考えられる。
油中水型皮膚外用組成物中の共重合体濃度
つづいて、本発明者らは、油中水型皮膚外用組成物中へ配合する共重合体の好適な配合濃度について検討するため、共重合体の配合量を各種変化させた油中水型クリームを調製し、その評価を行なった。各実施例及び比較例の油中水型クリームの配合組成と評価結果とを表4に併せて示す。なお、評価基準は前記試験と同様である。
Figure 2005350366
上記表4より、共重合体1−1を0.1〜10.0質量配合した試験例1−19〜24では、乳化物の経時安定性、温度安定性ともに優れている。一方で、共重合体1−1を0.01質量%程度配合した試験例1−18では、乳化物の安定性が十分でない。このことから、本発明にかかる油中水型皮膚外用組成物においては、共重合体を0.1〜10.0質量%配合することが好適であるものと考えられる。
以下に本発明のその他の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
共重合体2−1
攪拌機、温度計、還流冷却機を備えたガラス製フラスコ中に、上記一般式(5)で示されるメタクリル酸メチル(モノマーA1)35質量部、上記一般式(7)で示されるメタクリル酸ポリオキシエチレンエーテル(モノマーB1)5質量部、上記一般式(8)で示されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(モノマーC1)60質量部、イソプロパノール120質量部、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4質量部を入れ、窒素気流下で加熱し、80℃で10時間重合反応を行なった。次いで、減圧下、揮発性成分を留去して共重合体2−1を得た。
共重合体2−2
攪拌機、温度計、還流冷却機を備えたガラス製フラスコ中に、上記一般式(5)で示されるメタクリル酸メチル(モノマーA1)35質量部、上記一般式(6)で示されるアクリル酸2−エチルヘキシル15質量部(モノマーA2)、上記一般式(7)で示されるメタクリル酸ポリオキシエチレンエーテル(モノマーB1)5質量部、上記一般式(9)で示されるメタクリロキシプロピルポリジメチルシロキサン(モノマーC2)45質量部、イソプロパノール120質量部、及びジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)4質量部を入れ、窒素気流下で加熱し、80℃で10時間重合反応を行なった。次いで、減圧下、揮発性成分を留去して共重合体2−2を得た。
実施例2−1
油中水型サンスクリーン 質量%
(A)
共重合体2−1 3.0
安息香酸(炭素数12〜15)アルキル 10.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 10.0
2−オクチルドデカノール 5.0
オクチルメトキシケイ皮酸 5.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
2,4−ビス−[[4−(2−エチルヘキシルオキシ) 4.0
−2−ヒドロキシ]−フェニル]−6−
(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン
香料 適 量
(B)
ブチレングリコール 5.0
精製水 残 量

(製法) (A)成分を70℃に加温し、溶解した後に、(B)相を70℃に加温して、ディスパー攪拌下で、(A)相へ添加し、十分混合する。その後、30℃まで冷却して、油中水型サンスクリーンを得た。
上記実施例2−1の油中水型サンスクリーンは、のびが良く、乳化物の経時安定性が非常に良好なものであった。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)で示されるモノマー(A)と、下記一般式(2)で示されるモノマー(B)と、下記一般式(3)で示されるモノマー(C)と、を構成モノマーとして含有し、前記モノマー(A)の含有量が構成モノマー全量に対して20質量%以上である共重合体高分子を含有することを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
    Figure 2005350366
    (上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基を表し、Rは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基を表す。)
    Figure 2005350366
    (上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基、Rは炭素数1〜4の2価炭化水素基、Rは水素、又は炭素数1〜24の炭化水素基を表し、lは1〜50の整数を表す。)
    Figure 2005350366
    (上記式中、Rは水素、又は炭素数1〜3の炭化水素基、Rは炭素数1〜4の2価炭化水素基、Rは炭素数1〜6の炭化水素基を表し、mは0〜500、nは1〜3の整数を表す。)
  2. 請求項1に記載の油中水型皮膚外用組成物において、さらに極性油性成分を含有することを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  3. 請求項2に記載の油中水型皮膚外用組成物において、極性油性成分が、IOBが0.05〜0.80である極性油性成分の中から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  4. 請求項3に記載の油中水型皮膚外用組成物において、極性油性成分がパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ジピバリン酸トリプロピレングリコール、オクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタンエリスリット、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、安息香酸(炭素数12〜15)アルキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、コハク酸ジ2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシルから選択される1種又は2種以上であることを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の油中水型皮膚外用組成物において、さらにシリコーン油を含有することを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の油中水型皮膚外用組成物において、さらに常温で固体の紫外線吸収剤を含有することを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
  7. 請求項6に記載の油中水型皮膚外用剤組成物において、常温で固体の紫外線吸収剤が、2,4−ビス−[{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル]−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン、及び/又は1−[4−(1,1−ジメチルエチル)フェニル]−3−(4−メトキシフェニル)−1,3−プロパンジオンであることを特徴とする油中水型皮膚外用剤組成物。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の油中水型皮膚外用組成物において、さらに紫外線散乱剤を含有することを特徴とする油中水型皮膚外用組成物。
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