JP2005349503A - 研磨パッドの製造方法 - Google Patents

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一則 伊藤
Yoshiaki Katao
吉明 堅尾
Yasuji Yokomichi
安二 横道
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Abstract

【課題】新規な研磨パッドのドレッシング処理に要する時間を短縮可能とする。
【解決手段】研磨パッド12に対して、研削ロール10を、第1の方向に沿って移動させる研削加工を、位置をずらして複数回行って研磨パッド12の表面の全面を研削する第1の研削加工を行い、この第1の研削加工で生じる研磨スジを軽減するために、研磨パッド12に対して、研削ロール10を、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って移動させる研削加工を、位置をずらして複数回行って研磨パッド12の表面の全面を研削する第2の研削加工を行う。
【選択図】図3

Description

本発明は、半導体ウェハなどの被研磨物の平坦化処理などに用いられる研磨パッドを製造する方法に関する。
半導体ウェハなどの平坦化処理には、化学機械研磨(CMP)技術が用いられており、従来からCMP技術を用いた種々のCMP装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、従来のCMP装置の概略構成図である。定盤1の表面に取付けられた研磨パッド2には、研磨用のスラリー3がスラリー供給装置4から連続的に供給される。被研磨物としての例えば、半導体ウェハ5は、研磨ヘッド6に、バッキングフィルム7を介して保持される。研磨ヘッド6に荷重が加えられることによって、半導体ウェハ5は、研磨パッド2に押し付けられる。
研磨パッド2上に供給されるスラリー3は、研磨パッド2上を広がって半導体ウェハ5に到達する。定盤1と研磨ヘッド6とは、矢符Aで示すように同方向に回転して相対的に移動し、研磨パッド2と半導体ウェハ5との間にスラリー3が侵入して研磨が行われる。なお、8は研磨パッド2の表面を目立てするためのドレッサーである。
研磨パッドを新規に購入したユーザにおいては、その研磨パッドを用いた本来の半導体ウエハに対する研磨作業の前に、当該新規な研磨パッドを、上述のドレッサー8を用いたドレッシング処理により該研磨パッドの表面を荒らして目立て処理を行うことでその研磨性能の向上を図ることが要求される。
しかしながら、このような新規の研磨パッドに対するドレッシング処理は、長時間を要するものであり、半導体ウエハの生産性低下の要因となっている。
特開2000−334655号公報
したがって、本発明により解決すべき課題は、研磨パッドに対してのドレッシング処理の作業時間を短縮可能とすることである。
本発明による研磨パッドの製造方法は、当該研磨パッドの表面に対して、外周面に砥粒が固着された研削ロールを回転させつつ押し付けて研削加工を施すことを特徴とするものである。
上記「研削」とは、被研削物の表面を削り取って平滑にすることをいい、研磨を含むものである。
砥粒は、ダイヤモンド砥粒であるのが好ましい。
研削加工は、研磨パッドの製造工程の最終段階で行われるのが好ましい。
本発明によると、研磨パッドの表面に、研削ロールを回転させつつ押し付けて研削加工を施すだけの簡単な作業で、研磨パッドの表面を荒らして目立て処理してドレッシングすることが可能となるから、新規な研磨パッドに対するドレッシングに要する時間を短縮することができる。
本発明の好ましい態様においては、前記研磨パッドに対して、前記研削ロールを、第1の方向に沿って相対移動させる研削加工を、位置をずらして複数回行って前記研磨パッドの前記表面の全面を研削する第1の研削加工工程と、前記研磨パッドに対して、前記研削ロールを、第2の方向に沿って相対移動させる研削加工を、位置をずらして複数回行って前記研磨パッドの前記表面の全面を研削する第2の研削加工工程とを含む。
前記第1,第2の方向は、互いに直交する方向であることが好ましい。
前記相対移動は、研削ロールを、研磨パッドに対して移動させることが好ましいが、研磨パッドを移動させてもよく、あるいは、研削ロールおよび研磨パッドの両者を移動させてもよい。
研磨パッドの表面の全面を1回で研削するには、研削ロールのロール幅が足りないので、研削ロールの位置をずらして複数回の研削加工を行うが、このように位置をずらして研削加工を行うと、研磨パッドの表面には、研削ロールのロール幅方向の端部に対応する位置に、研磨スジと称される段差が生じるから、この研磨スジを低減して研磨パッドの厚みのばらつきを低減する必要がある。
この態様によると、第1,第2の研削加工工程を含んでいるので、表面を荒らして目立てするのに必要な研削厚みを、第1,第2の二つの研削加工工程で分担させることが可能となり、いずれか一方の研削加工工程のみで必要な研削厚みを確保する場合に比べて、研削厚みを小さくし、これによって、研削ロールの位置をずらして複数回研削する際に生じる研磨スジを、いずれか一方の研削加工工程のみで行う場合と比べて、低減することができる。
本発明の好ましい態様においては、前記第1の研削加工工程の後に、前記第2の研削加工工程を行うとともに、該第2の研削加工工程の研削厚みを、前記第1の研削加工工程の研削厚みよりも小さくするのが好ましい。
この態様によると、第1の研削加工工程で、必要な研削厚みとなるように研削し、第2の研削加工工程では、第1の研削加工工程で生じた研磨スジを低減するように研削することができる。
本発明の他の好ましい態様においては、前記研削ロールには、前記研磨パッドの表面に押し付けられる前記外周面の全面にダイヤモンド砥粒を固着する。
この態様によると、研削ロールの外周面の全面にダイヤモンド砥粒が固着しているので、例えば、前記外周面に部分的にダイヤモンド砥粒が固着している場合に比べて、研磨スジが低減する。
本発明によれば、研磨パッドの表面に、研削ロールを回転させつつ押し付けて研削加工を施すので、研磨パッドの表面を荒らして目立て処理することになり、例えば、新規で研磨パッドを購入したユーザが、研磨装置に取り付けて使用する場合に、ドレッシングに要する時間を短縮することができ、その分、本来の半導体ウェハの研磨処理へ早く移行することができ、生産性が向上する。
以下、図面によって本発明の実施の形態について詳細に説明する。
この実施の形態では、ウレタン樹脂製の研磨パッドに適用して説明する。
この実施の形態の研磨パッドは、図1に示すように、ウレタン樹脂、硬化剤および発泡剤等を混合し(S1)、注型して(S2)加熱乾燥することによってウレタン樹脂の成型体を得る(S3)。この成型体を所要の厚さにスライスし(S4)、円板状に打ち抜くことによって従来と同様に製造する(S5)。この研磨パッドには、必要に応じて、その表面に溝(グルーブ)を形成する。
ここで、ウレタン樹脂、硬化剤および発泡剤等は、従来と同様のものを用いることができる。すなわち、ウレタン樹脂としては、例えば、ポリオールとポリイソシアナートとを反応させて得られるイソシアネート基末端ポリウレタンプレポリマーを用いることができ、また、硬化剤としては、例えば、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA )を用いることができ、発泡剤としては、例えば、フロン系発泡剤を用いることができる。
この実施の形態では、新規な研磨パッドを購入したユーザが、上述のCMP装置に取り付けてドレッシング処理を行う場合に、ドレッシング処理に要する時間を短縮可能とするため、次のようにしている。
すなわち、この実施の形態の研磨パッドの製造方法では、図1に示すように、従来と同様にして得た研磨パッドの表面に対して、研削ロールを用いて研削加工を施すことを特徴とする(S6)。
図2は、当該実施の形態に係る研磨パッドの製造方法に用いる研削ロールを示している。この研削ロール10の円筒状の外周面には、ダイヤモンド砥粒11が電着等によってその全面に固着している。この研削ロール10を、図示しない研削装置に装着して中心部の回転軸P回りに回転駆動する。
上記製造方法においては、研削ロール10を、研磨パッドの表面に押し付けつつ回転させることにより、研削ロール10に固着しているダイヤモンド砥粒によって研磨パッドの表面を研削するものである。
上記製造方法においては、研磨パッドに対して、研削ロール10を、第1の方向に沿って往復移動させる研削加工を、位置をずらして複数回行って研磨パッドの表面全面を研削する第1の研削加工工程と、研削ロール10を、前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って往復移動させる研削加工を、位置をずらして複数回行って研磨パッドの表面全面を研削する第2の研削加工工程とを含む。
すなわち、図3(a)に示すように、固定位置にある研磨パッド12に対して、研削装置に装着した研削ロール10を、一定の回転数で回転させながら第1の方向(図の上下方向)に沿って一定の送り速度で移動させつつ押し付けて研磨パッド12の表面を研削し、さらに、図3(b)に示すように、研削ロール10を、一定の回転数で回転させつつ第1の方向に沿って逆方向に一定の送り速度で移動させながら押し付けて研磨パッド12の表面を研削し、第1の方向に沿って往復研削する。
上記製造方法においては、研削ロール10の回転数は、300〜2000rpmである。また、往きの送り速度は、1〜6m/minであり、帰りの送り速度は、1〜6m/minである。この実施の形態では、研削ロール10の回転数を、1800rpmとし、往きの送り速度を、3m/minとし、帰りの送り速度をを、1m/minとしている。
次に、図3(c)に示すように、研削ロール10を、ロール幅方向、すなわち、回転軸P方向(図の左右方向)に沿って位置をずらして、上述と同様に第1の方向に沿って往復移動させて研削を行い、以下、同様にして、研磨パッド12の表面全面を研削できるように、位置をずらして複数回の往復移動による研削を行う。この場合、研削ロール10の回転軸P方向の長さ(ロール幅)は、250mmであり、ロール幅方向に沿うずらし量(送り量)は、ロール幅よりも短くなるようにし、この実施の形態では、200mmとしている。
上記第1の方向に沿う第1の研削加工工程の研削厚みは、研磨パッド12の表面を荒らして目立ておよび厚みのばらつきを抑えるのに必要な厚みであり、この厚みは、5〜50μmである。この実施の形態では、30μm程度に設定して行う。
上記第1の研削加工工程では、研削ロール10を、回転軸P方向に沿って位置をずらして複数回の研削を行うために、研磨パッド12の表面には、研削ロール10のロール幅の端部に対応する位置には、研磨スジが生じてしまう。
そこで、本製造方法においては、第1の研削加工工程で生じた研磨スジを軽減するために、第1の方向に直交する第2の方向(図の左右方向)に沿って往復移動させる研削加工を、位置をずらして複数回行って研磨パッドの表面全面を研削する第2の研削加工工程を実施するようにしている。
この第2の研削加工工程では、研磨スジを低減するのが目的であり、研削厚みは、略「0」に設定して行う。この第2の研削加工工程では、図4(a)に示すように、研磨パッド12に対して、研削ロール10を、一定の回転数で回転させながら第2の方向(図の左右方向)に沿って一定の送り速度で移動させながら押し付けて研磨パッドの表面を研削し、さらに、図4(b)に示すように、研削ロール10を、一定の回転数で回転させながら第2の方向に沿って逆方向に一定の送り速度で移動させながら押し付けて研磨パッド12の表面を研削し、第2の方向に沿って往復研削する。
次に、図4(c)に示すように、研削ロール10を、ロール幅方向に沿って位置をずらして、上述と同様に第2の方向に沿って往復移動させて研削を行い、以下、同様にして、研磨パッド12の表面全面を研削できるように、位置をずらして複数回の往復移動による研削を行う。
この第2の研削加工工程においては、研削ロール10の回転数、往復の送り速度およびロール幅方向に沿うずらし量(送り量)は、第1の研削加工工程と同一である。
図4では、便宜上、研削ロールを90度回転させた状態を示したけれども、本実施の形態では、研磨パッドを90度回転させて固定し、この固定位置の研磨パッドに対して、研削ロールを、第1の研削加工工程と同様に移動させることにより行った。
この第2の研削加工工程によって、第1の研削加工工程で生じた研磨スジ、すなわち、段差を平滑化して研磨スジを軽減することができる。第2の研削加工工程においても、研削ロール10の位置をずらして複数回の研削を行うので、研削ロール10の端部に対応する位置には、研磨スジが生じることになるが、上述のように、第2の研削加工工程では、研削厚みを略「0」に設定しているので、第2の研削加工工程による研磨スジは、第1の研削加工工程によって生じる研磨スジに比べて、極めて僅かである。
このように、研削ロール10による研削加工によって、研磨パッド12の表面を荒らされて目立てするので、当該研磨パッド12を購入したユーザが、上述のCMP装置に取り付けて研磨パッドの表面を荒らして目立てするドレッシング処理を行う場合に、ドレッシング処理に要する時間を短縮することができることになり、その分、立ち上げ時間を短くして、本来の半導体ウェハの研磨処理に移行できることになる。
また、研磨パッドは、その製造上、厚みのばらつきを完全に無くすことは困難であり、一般に、±0.10mm程度の厚みのばらつきを有しているが、上述の研削ロール10による表面の研削によって、厚みのばらつきを低減して研磨性能の向上に寄与することが可能となる。
(他の実施の形態)
上述の実施の形態では、研削ロール10の外周面には、その全面にダイヤモンド砥粒11が固着されたけれども、本発明の他の実施の形態として、例えば、図5に示すように、研削ロール10の外周面に、螺旋状にダイヤモンド砥粒11を電着してもよい。なお、図5では、ダイヤモンド砥粒11を螺旋状に電着した部分の幅を異ならせた例を示している。
上述の実施の形態では、第1の研削加工工程と、第2の研削加工工程とでは、研削ロール10の往復移動方向を、直交する方向としたけれども、必ずしも直交する方向である必要はなく、斜めに交差する方向であってもよく、さらには、図6に示すように、同一方向であってもよい。この場合には、第1の研削加工工程の後に行われる第2の研削加工工程においては、第1の研削加工工程による研磨スジと、第2の研削加工工程による研磨スジとがが重ならないように、研削ロールの研削開始位置あるいはずらし量を選択すればよい。なお、図6においては、第1の研削加工工程における研削ロールの位置を実線で示し、第2の研削加工工程における研削ロールの位置を仮想線で示している。
上述の実施の形態では、第1,第2の研削加工工程を行ったけれども、本発明の他の実施の形態として、更に、研削加工工程を行って研磨スジを軽減するようにしてもよい。
上述の実施の形態では、同一の位置で、研削ロール10を往復させることによって、研削厚みのばらつきを低減したけれども、本発明の他の実施の形態として、往復させなくてもよい。
本発明は、シリコンウェハなどの半導体ウェハの研磨パッドの製造に有用である。
本発明の実施の形態に係る研磨パッドの製造工程を示す図である。 本発明の実施の形態に用いる研削ロールを示す図である。 本発明の実施の形態に係る第1の研削加工工程を示す図である。 本発明の実施の形態に係る第2の研削加工工程を示す図である。 研削ロールの他の例を示す図である。 本発明の他の実施の形態の研削加工工程を示す図である。 CMP装置の概略構成図である。
符号の説明
2,12 研磨パッド 10 研削ロール
11 ダイヤモンド砥粒

Claims (5)

  1. 被研磨物の研磨に用いられる研磨パッドを製造する方法であって、
    研磨パッドの表面に対して、砥粒がロール外周面に固着した研削ロールを回転させながら押し付けることにより、前記研磨パッドの表面を研削加工することを特徴とする研磨パッドの製造方法。
  2. 前記研削加工が、
    前記研磨パッドに対して、前記研削ロールを第1の方向に沿って相対移動させる研削加工を位置をずらして複数回行うことにより、前記研磨パッドの表面の全面を研削する第1の研削加工工程と、
    前記研磨パッドに対して、前記研削ロールを第2の方向に沿って相対移動させる研削加工を位置をずらして複数回行うことにより、前記研磨パッドの表面の全面を研削する第2の研削加工工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の研磨パッドの製造方法。
  3. 前記第1,第2の方向を互いに直交方向に設定することを特徴とする請求項2記載の研磨パッドの製造方法。
  4. 前記第1の研削加工工程の終了後に前記第2の研削加工工程を行うとともに、該第2の研削加工工程での研磨パッドに対する研削厚みを前記第1の研削加工工程での研磨パッドに対する研削厚みよりも小さくすることを特徴とする請求項2または3記載の研磨パッドの製造方法。
  5. 前記研削ロールの外周面の全面にダイヤモンド砥粒を固着して、上記研削加工を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の研磨パッドの製造方法。
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