JP2005349267A - 懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法 - Google Patents

懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005349267A
JP2005349267A JP2004170828A JP2004170828A JP2005349267A JP 2005349267 A JP2005349267 A JP 2005349267A JP 2004170828 A JP2004170828 A JP 2004170828A JP 2004170828 A JP2004170828 A JP 2004170828A JP 2005349267 A JP2005349267 A JP 2005349267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suspension
solvent
auxiliary agent
ultrasonic
wave
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004170828A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisahiro Enomoto
尚浩 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ENOMOTO BEA CO Ltd
Original Assignee
ENOMOTO BEA CO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ENOMOTO BEA CO Ltd filed Critical ENOMOTO BEA CO Ltd
Priority to JP2004170828A priority Critical patent/JP2005349267A/ja
Publication of JP2005349267A publication Critical patent/JP2005349267A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Physical Water Treatments (AREA)

Abstract

【課題】 溶媒中に懸濁物が物理的に懸濁している懸濁液を、溶媒と懸濁物とに比較的短時間で分離させると共に、分離後の溶媒及び懸濁物を環境に対する負荷を低くして容易に廃棄処分することの可能な懸濁液分離装置を提供する。
【解決手段】 懸濁液分離装置10に、懸濁液11に助剤を添加する助剤添加手段12と、助剤添加手段12により助剤を添加した懸濁液11中に配置され、定在波16が発生可能な方向に超音波を照射する超音波照射手段15とを具備させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、物理的に懸濁している懸濁液を溶媒と懸濁物とに分離するための懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法に関するものである。
従来から水等の液体の溶媒中に、固体又は液体の懸濁物が分散・乳化している懸濁液が知られている。この懸濁液では、溶媒のブラウン運動により、非常に細かい懸濁物が浮上したり、沈降したりするのを阻止され、そのため、溶媒と分離することなく、溶媒中に分散された状態が維持されている。また、溶媒中の懸濁物が帯電することにより、互いが反発し合うことで、凝集するのを阻止され、懸濁物が非常に細かい状態を維持することでも、溶媒と分離することなく分散が維持されている。
そして、従来よりこの懸濁液を、溶媒と懸濁物とに分離する方法としては、例えば、凝集剤等の助剤を懸濁液に添加することで、助剤と懸濁物とを化学反応させて懸濁物を大きくし、溶媒のブラウン運動よりも懸濁物にかかる浮力或いは重力を大きくして、懸濁物を浮上或いは沈降させて溶媒と懸濁物とを分離するものが知られている。
また、懸濁液に電極やある種の助剤を挿入したり添加したりすることで、帯電している懸濁物を電気的に中和して懸濁物同士を吸着させたり、懸濁物に助剤を吸着させたりして、懸濁物を大きくすることで、溶媒と懸濁物とを分離させるものも知られている。
更に、懸濁液に超音波を作用させて、溶媒のブラウン運動により分散している懸濁物の動きを少なくし懸濁物同士が結合し易いようにすることで、懸濁物同士を結合させて懸濁物を大きくして、溶媒と懸濁物とを分離させるものも知られている。
本願出願人は、上記の従来技術が記載されている文献を特に知見していない。
しかしながら、助剤と懸濁物との化学反応により懸濁液を分離させるものでは、懸濁物の種類に対応した助剤を必要とし、懸濁物の種類によっては、有害な物質を含んだ助剤とする必要があり、分離後の溶媒や懸濁物を容易に廃棄処分することができず、環境負荷の高いものとなっていた。また、化学的に安定した懸濁物の場合は、助剤を添加しても分離させるのが困難であった。
また、懸濁物の帯電を利用して懸濁液を分離させるものでは、中和された懸濁物同士が吸着して大きくなるのに、かなりの時間を必要とし、懸濁液を完全に分離させることは困難であり、分離した溶媒と懸濁物とを容易に廃棄処分することができなかった。
更に、超音波を用いて懸濁液を分離させるものでは、ある程度までは、懸濁液を分離させることができるものの、充分に分離させることができず、分離した溶媒や懸濁物を容易に廃棄処分することができなかった。つまり、実用の域に達していないのが実情である。
ところで、本願出願人は、懸濁液として先の出願(特願2003−334631)において、界面活性剤や乳化剤を用いることなく物理的手段を用いて、水に油を分散・乳化させた切削液を提案している。特に、物理的手段として超音波を用いることで、長期間に亘って懸濁状態を維持し、切削液として優れた特性を有している。
そして、この切削液に用いる油を植物性油等、人体や環境に対して負荷の低い油を使用することで、切削液を水と油とに分離するだけで、容易に廃棄処分することができるようになっている。
しかしながら、上記した従来の懸濁液分離方法では、切削液を溶媒としての水と、懸濁物としての油とに充分に分離して、例えば、分離した水を下水道等に直接放流可能な程度にまで油と分離させることはできなかった。
そこで、本発明は上記の実情に鑑み、溶媒中に懸濁物が物理的に懸濁している懸濁液を、溶媒と懸濁物とに比較的短時間で分離させると共に、分離後の溶媒及び懸濁物を環境に対する負荷を低くして容易に廃棄処分することの可能な懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る懸濁液分離装置は、「懸濁液に助剤を添加する助剤添加手段と、該助剤添加手段により助剤を添加した懸濁液中に配置され、定在波が発生可能な方向に超音波を照射する超音波照射手段とを具備する」構成とするものである。
ここで、「助剤」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、塩酸、酢酸、食酢、食塩、塩化カルシウム、等を例示することができ、食酢や食塩、塩化カルシウム等の食品に用いられるものや、生分解性を有するものとした場合、環境に与える負荷が低く、下水道等に放流可能とすることができる。
また、添加する助剤の量としては、懸濁液の量に対して、1〜10%の範囲内、1〜5%の範囲内、更には2〜3%の範囲内が望ましい。この範囲よりも少ないと、助剤としての効果が望めず。また、この範囲よりも多いと、分離に関与しない助剤が多くなり、助剤の使用量が無駄に多くなるためである。
更に、「超音波照射手段」としては、具体的な構成を何ら限定するものではないが、交番磁界により振動子を振動させることで超音波を発生させる磁歪振動子を用いたものや、交流電圧等により振動子を伸縮させることで超音波を発生させる電歪振動子(ピエゾ素子等の圧電セラミックを含む)を用いたもの、等を例示することができる。なお、超音波の周波数としては、2〜3MHzの範囲内が望ましく、懸濁液中の懸濁物の平均粒径によって適宜選択することができる。
また、「定在波が発生可能」としては、特に限定するものではないが、懸濁液の底部から液の表面に向けて超音波を照射することで表面反射させて反射波を生成し、その反射波と進行波とを干渉させて定在波を発生させるもの、懸濁液を収容した容器の壁面や底面に向けて超音波を照射することで反射させ、反射波と進行波とを干渉させて定在波を発生させるもの、複数の超音波照射手段からの進行波同士を干渉させて定在波を発生させるもの、等を例示することができる。
ところで、本願出願人等は、本発明の懸濁液分離装置の効果を確認するために、以下の比較実験を行った。懸濁液として、溶媒としての水に、懸濁物としての油を約10%混合し、超音波を用いて水に油が分散・乳化した懸濁液を作成した。この懸濁液を、何もせずに放置したものと、助剤のみを添加したものと、超音波のみを照射したものと、助剤を添加して超音波を照射したものの四つに分けて実験を行った結果を図6に示す。なお、超音波の照射時間は夫々約一時間としている。
図6に示すように、単に放置したものは、一週間たっても懸濁液に変化が見られず、何もしなければ分離し難い懸濁液であることが判る。そして、助剤のみを添加したものは、懸濁液の液面に分離した油が浮上しているのが認められるが、懸濁液そのものは乳白色に濁っており、水と油とに充分に分離した状態とはなっていなかった。また超音波のみを照射したものも、助剤のみのものよりは浮上している油が多いものの、懸濁液の濁りは残っており懸濁液中の油の濃度は、約10〜100ppm程と、充分に分離した状態とはなっていなかった。
一方、本発明として助剤と超音波とを併用したものでは、懸濁液の濁りは殆どなく略透明な状態であり、その懸濁液中の油の濃度は、10ppmよりも充分に低い濃度となっており、一般の環境基準を下回っており、水と油とが充分に分離した状態となることが確認された。
従って、本発明によると、助剤添加手段により懸濁液に助剤を添加し、その懸濁液中に定在波が発生するように超音波照射手段から超音波を照射することで、懸濁液を溶媒と懸濁物とに充分に分離することができる。
詳述すると、懸濁液中に定在波が発生するように超音波を照射すると、定在波の腹の部分に位置する懸濁物が、超音波による音響放射圧により、定在波の節の部分へと移動し、その節の部分において、懸濁物が互いに接触してより大きな粒の懸濁物として凝集する。そして、凝集した懸濁物が所定以上の大きさとなると、その懸濁物にかかる浮力又は重力が勝るようになり、節から離れて、懸濁液中を浮上又は沈降し、懸濁液から分離する。
また、懸濁物が超音波により凝集する際に、助剤が作用することで、超音波単独の場合と比較して、懸濁物の凝集が更に促進され、充分に溶媒と懸濁物とに分離される。なお、助剤の作用については、充分な解明がなされていないが、恐らく、懸濁液中に添加した助剤がイオンとなることで、帯電した懸濁物を電気的に中和して、懸濁物同士の結合をし易くしているものと思われる。
本発明によると、超音波を用いて物理的に懸濁液を分離させており、環境に無害な助剤を用いることで、分離後の溶媒や懸濁物を容易に処理することが可能となり、例えば、溶媒や懸濁物の種類によっては、下水道等にそのまま放流したり、一般の焼却ゴミとして焼却したりすることができるので、懸濁液の処分にかかる手間や費用を低減させることができると共に、環境にかかる負荷も低減させることができる。
また、充分に懸濁液を溶媒と懸濁物とに分離させることができるので、分離した溶媒や懸濁物を使って再び懸濁液としたり、所定の処理を行う等により溶媒や懸濁物の他の用途に用いられるようにしたりする等、再利用することが可能となり、資源を有効利用することができる。
更に、従来と比較して、短時間で懸濁液を溶媒と懸濁物とに分離することができるので、分離にかかる手間やコストを低減させることができる。
本発明に係る懸濁液分離装置は、上記の構成に加えて、「前記超音波照射手段からの超音波を反射させる反射手段を更に具備する」構成とすることもできる。ここで、「反射手段」としては、特に限定するものではないが、鉄やアルミ等の金属や、ガラスやセラミック等の無機物等により構成することができ、懸濁液を収容する容器としたり、懸濁液中に挿入して用いたりしても良い。
本発明によると、反射手段により超音波の進行波を反射させて反射波を生成することで、進行波と反射波とを干渉させて定在波を発生させることが可能となり、例えば、超音波を照射する空間が大きい等により、充分な反射波が得られず発生する定在波が弱くなる場合等に、超音波照射手段から適宜離れた位置に反射手段を配置して反射させることで、所望の定在波を発生させることができ、上記と同様の効果を奏することができる。
また、懸濁液を収容する容器が、プラスチック等、超音波振動のエネルギーを吸収し易いものの場合、反射手段により超音波を反射させることで、容器に超音波が吸収されることで、容器が加熱して孔などが開いたりするのを防止して、容器を保護することが可能となる。つまり、反射手段を用いることで、超音波振動を吸収し易い容器でも、本発明の懸濁液分離装置を設置することができる。
本発明に係る懸濁液分離装置は、上記の構成に加えて、「懸濁液は、溶媒が水とされ、懸濁物に油が含まれている」構成とすることもできる。ここで、「油」としては、特に限定するものではないが、鉱物油、植物油、動物油、合成油、等を例示することができ、特に、植物油等の生分解性の高い油とすることが望ましく、人体や環境に与える負荷を低減させることができる。
本発明によると、懸濁液として、水と油とを混合して懸濁状態に油を分散・乳化させたものとするものである。つまり、懸濁液として、本願出願人が先に提案している、物理的手段を用いて水に油を分散・乳化させた切削液とするものであり、この切削液を分離処分する際に、好適に用いることができる。
なお、分離した水は、下水道に放流することができると共に、油を植物油等とした場合は、分離した油を、てんぷら油の廃油と同様に固めて、一般の焼却ゴミとしたり、メチルエステル化してバイオディーゼル油とすることで再利用することができる等、容易に廃棄処分することができたり、再利用することができ、環境に与える負荷を低減させることができる。
本発明に係る懸濁液分離方法は、「助剤を添加した懸濁液中に、定在波が発生するように超音波を照射することで、懸濁液を溶媒と懸濁物とに分離する」方法とするものである。
本発明によると、上記のように、物理的に溶媒と懸濁物とが懸濁している懸濁液を、充分に溶媒と懸濁物とに分離させることができ、上記の懸濁物分離装置と同様の効果を奏することができる。
上記のように、本発明によると、溶媒中に懸濁物が物理的に懸濁している懸濁液を、溶媒と懸濁物とに比較的短時間で分離させると共に、分離後の溶媒及び懸濁物を環境に対する負荷を低くして容易に廃棄処分することの可能な懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図1を基に説明する。図1(A)は本発明の懸濁液分離装置の一例を示す概略構成図であり、(B)は(A)において懸濁液が分離した状態を示す図である。本実施形態の懸濁液分離装置は、物理的に懸濁している懸濁液に助剤を添加した後に、超音波により溶媒と懸濁物とに分離させるものである。
図1(A)に示すように、本例の懸濁液分離装置10は、懸濁液11に助剤を添加する助剤添加手段12と、助剤添加手段12により助剤を添加した懸濁液11を収容する容器としての懸濁液収容手段13と、懸濁液収容手段13の底部14に配置され懸濁液収容手段13の上方に向かって超音波を照射する超音波照射手段15とから構成されている。
懸濁液11は、溶媒17に懸濁物18が物理的に分散・乳化して懸濁状態となった液体であり、本例では、溶媒17を水とし、懸濁物18を油としている。詳しくは、水に油が物理的に分散・乳化したエマルションタイプの切削液であり、従来の切削液と違って界面活性剤や乳化剤は全く用いずに、水に対して5〜10%の油を、20kHz〜30kHzで振動する超音波振動子を用いて、分散・乳化させたものである。なお、油としては、菜種油等の植物油を用いている。
助剤添加手段12は、図示は省略するが、助剤を貯蔵する貯蔵容器と、貯蔵容器から所定量の助剤を計量する計量手段と、計量した助剤を懸濁液11に導く導入手段とから構成されている。本例では、懸濁液収容手段13に収容された懸濁液11の量に対して、2〜3%の量となる助剤を計量し、懸濁液11に添加するようになっている。なお、本例に用いられる助剤は、食酢とされている。
懸濁液収容手段13は、金属等からなる容器とされており、本例では、図示は省略するが、工作機械の切削液供給手段における、切削液の貯蔵タンクと共用している。
超音波照射手段15は、圧電セラミック等からなるもので、所定の交流電圧により、2MHz〜3MHzの超音波を発生させるものである。本例では、約2.4MHzの超音波を発生させ、その出力はおよそ10Wとされている。なお、図示は省略するが、この超音波照射手段15は、4〜50リットルの懸濁液11に対して2〜3個の割合で複数備えられている。また、タイマ等により所定時間作動するように構成しても良い。
次に、本例の懸濁液分離手段10の作用について図1を基に説明する。まず、懸濁液収容手段13に収容された懸濁液11に、助剤供給手段12から所定量の助剤が添加される。続いて、超音波照射手段15から懸濁液11中に超音波が照射される。
懸濁液収容手段13の底部14から懸濁液11の液の表面に向けて照射された超音波は、進行波となって懸濁液11の表面へ進む、そして、進行波は懸濁液11の表面で反射して反射波となって今度は懸濁液11の表面から底部14に向かって進む。これにより、進行波と反射波とが干渉し、安定した定在波16が発生する。この定在波16には、振幅が最大となる腹と、振幅が最小となる節とを有している。
そして、溶媒17のブラウン運動により溶媒17中を浮遊している懸濁物18が、定在波16の節の部分に捕らえられ、その部分に略静止したような状態となる。一方、定在波16の腹の部分では、超音波による音響放射圧により、懸濁物18が節の方へと移動させられ、定在波16の節の部分に懸濁物18が集まってくる。
その際に、懸濁液11に添加された助剤により、懸濁物18同士が結合し易くなっており、定在波16の節の部分に集まってきた懸濁物18が互いに結合し、次第に大きくなって行き、凝集した懸濁物18が所定以上の大きさとなると、その懸濁物18にかかる浮力の方が勝って、定在波16の節から離れて懸濁液11中から浮上する。
このように、懸濁液11中の懸濁物18が、定在波16の節の部分で凝集して、分離・浮上を繰り返すことで、やがて懸濁液11中の殆どの懸濁物18が分離・浮上して、懸濁液11は、溶媒17と懸濁物18とに充分に分離する。なお、本例では、約30分〜60分間、超音波照射手段15から超音波を照射することで、溶媒17が殆ど透明な状態となる。
その後、充分に分離した溶媒17と懸濁物18は、公知の方法により夫々を回収して、溶媒17は下水道等に放流したり、懸濁物18は再利用したり固める等して焼却処分したりする。なお、分離した溶媒17は、含まれる油の濃度が10ppm以下となっており、一般の下水道にそのまま放流することができる。
このように、本実施形態の懸濁物分離装置10によると、環境に無害な助剤を添加した上で、超音波により物理的に懸濁液11を分離させているので、分離後の溶媒17や懸濁物18を容易に処理することが可能となり、懸濁液11の処分にかかる手間や費用を低減させることができると共に、環境にかかる負荷も低減させることができる。
また、充分に懸濁液11を溶媒17と懸濁物18とに分離させることができるので、分離した溶媒17や懸濁物18を使って再び懸濁液11としたり、所定の処理を行う等により溶媒17や懸濁物18の他の用途に用いられるようにしたりする等、再利用することが可能となり、資源を有効利用することができる。更に、従来と比較して、短時間で懸濁液11を溶媒17と懸濁物18とに分離することができる。
以上、本発明を実施するための最良の実施の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、上記の本実施形態では、超音波照射手段15を懸濁液収容手段13の底部に配置して、超音波を懸濁液11の表面に反射させて定在波を発生させるものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図2乃至図5に示すように超音波照射手段15を配置しても良い。
図2に示す例は、懸濁液収容手段13の側壁19に超音波照射手段15を配置したもので、反対側の側壁19に超音波を反射させることで定在波を発生させるようにしたものである。また、図3に示す例は、懸濁液収容手段13の対向する側壁19に夫々超音波照射手段15を配置したもので、超音波照射手段15からの超音波の進行波同士を干渉させることで、定在波を発生させるようにしたものである。そして、これら図2及び図3の例においても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
一方、図4に示す例は、懸濁液11中に、超音波照射手段15からの超音波を反射させる反射手段20を備えたものであり、この反射手段20により超音波を反射させることで定在波を発生させることができるようにしたものである。これにより、懸濁液収容手段13が大きくて、その側壁19等に超音波を反射させても、所望の定在波を発生させることができない場合でも、所定の位置に反射手段20を配置して、超音波を反射させることで、所望の定在波を発生させることが可能となる。
また、懸濁液収容手段13が、プラスチック等超音波振動のエネルギーを吸収し易いものの場合、反射手段20により超音波を反射させて、懸濁液収容手段13に超音波が吸収されるのを防止し、懸濁液収容手段13を保護することが可能となる。つまり、反射手段20を用いることで、超音波振動を吸収し易い懸濁液収容手段13にも対応することができる。
ところで、懸濁液収容手段13が更に大きい場合、特に限定するものではないが、図5に示すように、複数の超音波照射手段15及び反射手段20を配置するようにしても良い。この例では、懸濁液収容手段13の側壁19に所定間隔で超音波照射手段15を列設すると共に、それらの間を仕切るように反射手段20を配置しており、これにより、一つの懸濁液収容手段13からの超音波が懸濁液収容手段13全体に拡散して弱くなるのを防ぎ、効率よく定在波を発生させることができる。
また、本実施形態では、懸濁液11に助剤添加手段12から助剤を単に添加するものを示したが、これに限定するものではなく、助剤が懸濁液11中に行き渡るように、撹拌手段を備えても良い。これにより、懸濁液11に均一に助剤を添加することができ、分離のムラを防ぐことができる。なお、撹拌手段としては、プロペラ等を回転させるものや、超音波照射手段15等からの超音波により撹拌するようにしても良い。
また、図4及び図5に示す例のように、反射手段20として、懸濁液収容手段13とは別体としたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、図2に示す例のように、懸濁液収容手段13を反射手段として、その側壁19や底部14に反射させるようにして、反射手段を懸濁液収容手段13と一体としても良い。
更に、本実施形態では、懸濁液収容手段13として、容器状のものを示し、分離をバッチ処理するものを示したが、これに限定するものではなく、流通する懸濁液11中に超音波照射手段15を備えて、懸濁液11の分離を連続処理するようにしても良い。
(A)は本発明の懸濁液分離装置の一例を示す概略構成図であり、(B)は(A)において懸濁液が分離した状態を示す図である。 本発明の懸濁液分離装置において超音波照射手段を懸濁液収容手段の側壁に備えた例を示す概略構成図である。 本発明の懸濁液分離装置において超音波照射手段を懸濁液収容手段の対向する側壁に夫々備えた例を示す概略構成図である。 本発明の懸濁液分離装置において反射手段を更に備えた例を示す概略構成図である。 本発明の懸濁液分離装置において複数の超音波照射手段及び反射手段を備えた例を示す概略構成図である。 本発明例と比較例において、分離後の懸濁液の状態を比較して示す図である。
符号の説明
10 懸濁液分離装置
11 懸濁液
12 助剤添加手段
13 懸濁液収容手段
15 超音波照射手段
16 定在波
17 溶媒
18 懸濁物
20 反射手段

Claims (4)

  1. 懸濁液に助剤を添加する助剤添加手段と、
    該助剤添加手段により助剤を添加した懸濁液中に配置され、定在波が発生可能な方向に超音波を照射する超音波照射手段とを具備することを特徴とする懸濁液分離装置。
  2. 前記超音波照射手段からの超音波を反射させる反射手段を更に具備することを特徴とする請求項1に記載の懸濁液分離装置。
  3. 懸濁液は、溶媒が水とされ、懸濁物に油が含まれていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の懸濁液分離装置。
  4. 助剤を添加した懸濁液中に、定在波が発生するように超音波を照射することで、懸濁液を溶媒と懸濁物とに分離することを特徴とする懸濁液分離方法。
JP2004170828A 2004-06-09 2004-06-09 懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法 Pending JP2005349267A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170828A JP2005349267A (ja) 2004-06-09 2004-06-09 懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004170828A JP2005349267A (ja) 2004-06-09 2004-06-09 懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005349267A true JP2005349267A (ja) 2005-12-22

Family

ID=35584163

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004170828A Pending JP2005349267A (ja) 2004-06-09 2004-06-09 懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005349267A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101175763B1 (ko) 2009-11-02 2012-08-21 한국표준과학연구원 정재초음파를 이용한 유수 분리 시스템 및 그 시스템을 이용한 해양 유출 기름 수거방법
JP2013523449A (ja) * 2010-04-12 2013-06-17 フローデザイン ソニックス, インコーポレイテッド 水を生成するための用途の水油分離のための超音波および音響泳動技術
CN104722106A (zh) * 2015-03-25 2015-06-24 陕西师范大学 一种细微颗粒的超声分离装置
CN114072030A (zh) * 2019-05-27 2022-02-18 李啓晶 油炸机
US11381922B2 (en) 2017-12-14 2022-07-05 Flodesign Sonics, Inc. Acoustic transducer driver and controller
CN114072030B (zh) * 2019-05-27 2024-05-31 李啓晶 油炸机

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101175763B1 (ko) 2009-11-02 2012-08-21 한국표준과학연구원 정재초음파를 이용한 유수 분리 시스템 및 그 시스템을 이용한 해양 유출 기름 수거방법
JP2013523449A (ja) * 2010-04-12 2013-06-17 フローデザイン ソニックス, インコーポレイテッド 水を生成するための用途の水油分離のための超音波および音響泳動技術
JP2016106026A (ja) * 2010-04-12 2016-06-16 フローデザイン ソニックス, インコーポレイテッド 水を生成するための用途の水油分離のための超音波および音響泳動技術
CN104722106A (zh) * 2015-03-25 2015-06-24 陕西师范大学 一种细微颗粒的超声分离装置
US11381922B2 (en) 2017-12-14 2022-07-05 Flodesign Sonics, Inc. Acoustic transducer driver and controller
CN114072030A (zh) * 2019-05-27 2022-02-18 李啓晶 油炸机
JP2022534728A (ja) * 2019-05-27 2022-08-03 ジョン イ、ゲ フライヤー
JP7251844B2 (ja) 2019-05-27 2023-04-04 ジョン イ、ゲ フライヤー
CN114072030B (zh) * 2019-05-27 2024-05-31 李啓晶 油炸机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6235051B2 (ja) 水を生成するための用途の水油分離のための超音波および音響泳動技術
Mao et al. Ultrasonic-assisted flotation of fine coal: A review
US9718708B2 (en) Acoustophoretic enhanced system for use in tanks
NO171539B (no) Fremgangsmaate for fraskilling av stoffer som inneholdes ien vaeske, samt anordning for utfoerelse av fremgangsmaaten
Ambedkar et al. Ultrasonic coal-wash for de-sulfurization
AU717047B2 (en) Improvements in or relating to ultrasonic processors
RU2455086C1 (ru) Способ ультразвуковой кавитационной обработки жидких сред и расположенных в среде объектов
JP2005349267A (ja) 懸濁液分離装置及び懸濁液分離方法
MXPA03011605A (es) Aparato y metodo para separar sustancias de solidos en particulas.
JPWO2017104194A1 (ja) 洗浄装置および洗浄方法、並びに膜分離バイオリアクタ
Kerabchi et al. Liquid depth effect on the acoustic generation of hydroxyl radical for large scale sonochemical reactors
Mettu et al. Effect of bulk viscosity and emulsion droplet size on the separation efficiency of model mineral oil-in-water (O/W) emulsions under ultrasonic standing wave fields: a theoretical and experimental investigation
JP2007253120A (ja) 超音波洗浄方法
JP7094544B2 (ja) 超音波洗浄装置及び方法、波発生装置
Garcia-Lopez et al. Enhanced acoustic separation of oil-water emulsion in resonant cavities
KR100361106B1 (ko) 폐유 재생방법 및 그 장치
US4126547A (en) Ultrasonic oil spill removal
JP2015100719A (ja) 懸濁液処理装置および懸濁液処理方法
KR100457465B1 (ko) 초음파를 이용한 하수처리장치
JP2007209914A (ja) 揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム、及びその浄化方法
JP2007209915A (ja) 揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム
JP2008272724A (ja) 廃水処理方法及びその装置
Awad et al. High intensity ultrasonic cleaning for particle removal
JP2008279423A (ja) 高周波振動放射による廃水処理方法
SU1692672A1 (ru) Способ ультразвуковой обработки