JP2005349061A - 経皮的電気エネルギー伝送システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 電源および空芯コイル4bである送電コイル4を具えた体外回路と、送電コイルに皮膚を介して対向設置される、コアとこれに巻回した線材とを具えた受電コイル5および電池、埋め込まれた医療装置等の体内負荷を具えた体内回路とからなり、体外回路は直流電源と直流電流を交流電流に変換するスイッチング回路を具え、体内回路は受電コイルに誘起された交流電流を直流電流に変換する整流回路と蓄電池とを具え、空芯コイルは巻回線材とこれを支持する筐体とを有するとともに筐体には前記受電コイルの埋め込みにより体表面に現出する凸部10との係合部を具える構成とする。
【選択図】 図3
Description
従来の経皮的電気エネルギー伝送システムに関連する文献としては以下のものがある。
1次コイルと2次コイルの双方に空芯コイルを用いる方式では、2次コイルを皮下に埋め込んだ際に生じる皮膚の盛り上がりに1次コイルを被せるように装着することにより、両コイルの磁気結合上の適正な位置関係を得られうえその位置関係の保持も容易である。
しかしながら、両コイルともに空芯コイルを用いるため、両コイル間の磁気結合度が低くエネルギー伝送効率に劣るという問題があり、エネルギー伝送効率の改善すなわち磁気結合度の向上を図るにはコイルを大型化する必要があり、大型化は特に体内に埋め込む2次コイルにおいて制約がある。
しかしながら、この方式では体外側の1次コイルを体内側の2次コイルに対する適正位置へ位置決めすることが難しく、さらに設定し得た場合も体外に装着する1次コイルはヒトの動きによる位置ずれを起こし易く、位置ずれによるエネルギー伝送効率の低下が避けがたい。
また、呼吸等の動きによるコイル間距離の変動に対し相互インダクタンスの変化が空芯型コイルと比較し著しく、このため共振周波数が常に変化することとなり、伝送効率の一定化には伝送周波数の自動同調回路を必要とする。
イルと受電コイルからなり、体表面に装着される送電コイルは底部が係合部として開口する断面円錐台形状の筐体の内壁面に線材を巻回してなる薄型の空芯コイルを使用し、一方、体内に埋め込む受電コイルはコア型コイルを使用し、フェライトで形成されるこのコアは円形基盤とこの中央に一体に突設する線材巻回部としての筒体とから構成される。
受電コイルの体内埋め込みにより皮膚が盛り上がり体表面には所定形状の凸状部が現出するが、この凸状部に送電コイルをその係合部を介して装着する。この装着により両コイルの磁心はほぼ同一軸線上に位置し、また両コイルの巻線部も皮膚組織の間隔で正対し両コイル間の良好な磁気結合度が得られる。
図において、Aは体外回路であり、直流電源1、制御回路2、スイッチング回路3および送電コイル4等を具えている。2次電池による直流電源1から出力される直流電流は制御回路2の制御のもとにスイッチング回路3によって交流に変換された後、この交流電力は送電コイル4および皮膚組織Hを間にして対向する受電コイル5とで構成されるトランスの電磁誘導作用により体内側回路Bに送り込まれる。
そして、体内回路Bは、受電コイル5、整流回路6、充電器7、2次電池8、人工心臓9等からなっている。体内側では、伝送された交流電力は整流回路6により直流電力に変換され、人工心臓9のアクチュエーターや充電器7を介して2次電池8へ供給される。
なお、人工心臓9による血液流量や血圧等の変動に対応して前記アクチュエーターの駆動電圧を所定値に維持するために、駆動電圧を検知して体外回路Aの制御回路2へ随時フィードバックするようになっているが、このような信号通信は皮膚Hを介して体内側の皮下に埋め込まれた赤外線LEDとこれに対向して皮膚外に設置される受光素子を用いて経皮的になされるが、これらは図示していない。
また、受電コイル5は、線材を巻回するコアを有するコイルで構成され、高透磁率材としてのフェライトによるこのコアは円形の基盤5aとその中央に一体に形成される線材巻回部としての円筒5bを具えて、円筒5bには線材の巻回による巻き線部5cが形成されている。
体内側には、受電コイル5が埋め込まれていて、円筒5b、巻き線部5c等により皮膚Hの外側が盛り上がり円形状の凸部10が形成される。 そしてこの凸部10を手掛かりに体外側において送電コイル4を体表面に装着することになる。この装着は、送電コイル4の係合部すなわちスカート部4cの中心と前記凸部10の中心とをほぼ一致させるように位置決めすることにより行う。このような位置決めにより、空芯コイル4bと受電コイル5の巻き線部5cが皮膚Hを間に至近の間隔で互いに適正に対向することになり、送電コイル4と受電コイル5との間で所定の電磁誘導作用が誘起可能になり高効率の経皮的電気エネルギー伝送が実現される。そして、送電コイル4の係合部は受電コイル5による体表面の凸部10に嵌合する状態になるから、患者の動きにより両コイルの位置関係がずれる惧れはほとんどなく両コイルの位置関係を望ましい磁気結合が得られる状態に容易に保持することができる。 なお、図において4dは送電コイル4のリード線、5dは受電コイル5のリード線である。
さらに、上記実験構成により、比較例として従来技術すなわち、図4において受電コイル5に替えて空芯型コイル4を使用した経皮的電気エネルギー伝送システムのエネルギー伝送効率をも算出した。
B..........体内回路
H..........皮膚
1..........直流電源
2..........制御回路
3..........スイッチング回路
4..........送電コイル
4a.........筐体
4b.........空芯コイル
4c.........スカート部
5..........受電コイル
5a.........基盤
}コア
5b.........線材巻回部(円筒)
Claims (4)
- 患者の体内に埋設された医療装置に電気エネルギーを経皮的に伝送するためのシステムであって、電源および送電コイルを具え患者の体外に設けられる体外回路と、前記送電コイルに皮膚を介して対向設置される受電コイルおよび電池、埋め込まれた医療装置等の体内負荷を具えた体内回路とからなり、前記送電コイルは空芯コイルで構成し、前記受電コイルはコアとこれに巻回した線材とを具えたコイルで構成したことを特徴とする経皮的電気エネルギー伝送システム。
- 請求項1記載の経皮的電気エネルギー伝送システムにおいて、体外回路は直流電源と直流電流を交流電流に変換するスイッチング回路を具え、体内回路は前記送電コイルとの電磁結合により受電コイルに誘起された交流電流を直流電流に変換する整流回路と蓄電池とを具え、前記空芯コイルは巻回線材とこれを支持する筐体とを有するとともに筐体には前記受電コイルの埋め込みにより体表面に現出する凸部との係合部を具えたことを特徴とする経皮的電気エネルギー伝送システム。
- 請求項2記載の経皮的電気エネルギー伝送システムにおいて、前記空芯コイルにおける筐体の係合部は筐体底部の開口部で構成し、受電コイルにおいて線材を巻回するコアは磁性材により基盤とこれに一体に形成される線材巻回部とを具えて構成し、前記空芯コイルの係合部を受電コイルの前記線材巻回部により体表面に現出する前記凸部に嵌合させて空芯コイルの受電コイルに対する位置決めを容易にするとともに位置ずれをも防止し、送電コイルと受電コイルとの間の磁気結合が最適となるように前記両コイルの位置関係を保持できるようにしたことを特徴とする経皮的電気エネルギー伝送システム。
- 請求項3の経皮的電気エネルギー伝送システムにおいて、空芯コイルの筐体は断面台形の環状体で構成し、線材は筐体の内壁に巻回するようにし、受電コイルにおけるコアは、フェライトその他の高透磁率材を用いたことを特徴とする経皮的電気エネルギー伝送システム。
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