JP2005344088A - バイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料及びその製法 - Google Patents

バイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料及びその製法 Download PDF

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Abstract

【課題】
ディーゼルエンジンの燃料として軽油またはBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合に比し、エンジンから排出されるNOx及び黒煙の双方の濃度をエンジンに高い負荷をかけても低く得ること、及びエンジンの着火遅れを短く得ることが確実にできるBDFを用いたエマルジョン燃料を得る。
【解決手段】
水に、予め調整された乳化剤を意図的に添加することなしに、BDFを、水が得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10〜20wt%となるように投入し、その投入の前後を通じて、水をそれがザウダー平均粒径15〜170μmの粒子の状態でBDF中に分散混合されるように攪拌し、目的とするBDFを用いたエマルジョン燃料を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、ディーゼルエンジンの燃料に用いて好適なバイオディーゼル燃料(以下、簡単のためBDFと略称する)を用いたエマルジョン燃料及びその製法に関する。
近時、ディーゼルエンジンの燃料として、化石燃料である原油から製造された軽油に代え、ナタネ油、パーム油などの植物性油脂を原料として触媒存在下でメチルエステル化反応を行わせることにより製造されるBDFを用いる、ということが、ディーゼルエンジンから、BDFの燃焼によって、大気中にCO2が排出されるとしても、そのCO2が、BDFの原料が由来する植物がその成長過程で吸収するCO2に対応することから、BDFの燃焼によって大気中に排出されるCO2によって、大気中のCO2の量を不必要に増加させることがなく、またBDFの原料が太陽エネルギをもとに再生産される植物由来の油脂であり、さらにBDFの原料である植物性油脂として、廃棄処理で厄介視されている廃食用油を用いることができる、などの地球環境保全の観点から、注目されている。
一方、従来、ディーゼルエンジンを含む内燃機関やボイラーなどの燃料として、石油系燃料に水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているエマルジョン燃料を用いる、ということが、内燃機関やボイラーなどから燃料の燃焼によって大気中に排出されるガス中の、大気中の窒素が大気中の酸素によって酸化して生成されるNOxの濃度を低く得ることができる、という観点から、実行されている。
特開2000−328077号公報 特開2001−081480号公報 特開2001−098284号公報
ディーゼルエンジンの燃料として、上述したように、軽油に代え、BDFを用いることが注目されていることから、そのように、ディーゼルエンジンの燃料として、BDFを用いる場合、ディーゼルエンジンから、燃料の燃焼によって、大気中に、その大気中の窒素が大気中の酸素によって酸化して生成されるNOxを含むガスが、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合と同様に、排出されるが、その排出ガス中のNOxの濃度を、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合のそれに比し低く得ることが、とくにディーゼルエンジンに高い負荷をかけた条件下においても、必ずしもできるとはいえない、という欠点を有していた。
また、ディーゼルエンジンの燃料として、BDFを用いる場合、ディーゼルエンジンから、燃料の燃焼によって、大気中に、上述したように排出されるNOxを含むガスの外、発癌性を有するおそれのある黒煙も、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合と同様に、排出されるが、その黒煙の濃度とNOxの濃度との間に、ディーゼルエンジンでの燃料の燃焼温度が高くなれば、黒煙の濃度は低下するがNOxの濃度が高くなり、逆にディーゼルエンジンでの燃料の燃焼温度が低くなれば、NOxの濃度は低下するが黒煙の濃度が高くなるという傾向があることから、それらNOxの濃度と黒煙の濃度とを同時に低く得ることができない、という欠点も併せ有していた。
さらに、以上のことから、及び、上述したように、内燃機関やボイラーなどの燃料として、石油系燃料に水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているエマルジョン燃料を用いる、ということが行われていることから、ディーゼルエンジンの燃料として、BDFに水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているBDFを用いたエマルジョン燃料を用いる、ということが考えられる。
しかしながら、そのように、ディーゼルエンジンの燃料として、BDFに水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているBDFを用いたエマルジョン燃料を用いるとした場合、予め用意された乳化剤を用意する必要があるばかりでなく、本発明者などの知るかぎり、従来、ディーゼルエンジンの燃料として、BDFに水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているBDFを用いたエマルジョン燃料を用いることの提案がなされていず、従って、どのような成分の乳化剤をどの程度の量だけ用いて、BDFに水をどのようにしてどのように分散混合すればよいかの情報がないことから、乳化剤によって、ディーゼルエンジンから燃料の燃焼によって大気中に排出されるガス中のNOxの濃度や黒煙の濃度が高くなったり、ディーゼルエンジンの正味熱効率が低下したりするという悪影響が生ずるおそれがないとは言い得ないことは明らかである。
よって、本発明は、ディーゼルエンジンの燃料としてBDFを用いる場合の上述した欠点を有さず、また、ディーゼルエンジンの燃料としてBDFに水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているBDFを用いたエマルジョン燃料を用いるとした場合の上述した欠点乃至おそれを有しない、新規な、BDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法を提案せんとするものである。
本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料は、BDFに水が粒子の状態で分散混合されているBDFを用いたエマルジョン燃料であって、水がBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10〜20wt%であり、且つ水の粒子が15〜170μmのザウダー平均粒径を有する。
また、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法は、水に、予め調整された乳化剤を意図的に添加することなしに、BDFを、水が最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10〜20wt%となるように投入し、その投入の前後を通じて、水をそれが最終的にザウダー平均粒径15〜170μmの粒子の状態でBDF中に分散混合されるように攪拌することによって、目的とする、BDFを用いたエマルジョン燃料を得る。
この場合、水へのBDFの投入を、水が攪拌されている状態から行うのを可とする。
また、水へのBDFの投入を、複数回に分けて間欠的に行うか、または1分間当り最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10wt%以下の速度で連続的に行うのを可とする。
ここで、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法において、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合(wt%)を10〜20wt%とし且つ水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしているのは、本発明者などの種々の実験の結果、次の事項を確認したことに基づくものである
(a)BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合(wt%)を10〜20wt%とし且つ水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしている、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料または本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、ディーゼルエンジンの正味熱効率が、ディーゼルエンジンに高い負荷をかけても、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合と同程度に得られ、それでいて、ディーゼルエンジンから燃料の燃焼によって大気中に排出されるガス中のNOxの濃度及び黒煙の濃度の双方が、ディーゼルエンジンに高い負荷をかけても、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合に比し、有意に低く得られるとともに、ディーゼルエンジンの着火遅れが、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合に比し、有意に短く得られる、ということを確認した。
(b1)本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法に準じたBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法において、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合を10wt%より小さくした場合、水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしても、そのようにしている、BDFを用いたエマルジョン燃料またはBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合(wt%)を10〜20wt%とし且つ水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしている本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料または本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合に比し、とくに、ディーゼルエンジンから燃料の燃焼によって大気中に排出されるガス中のNOxの濃度が、ディーゼルエンジンにかける負荷に関せず、無視し得ない程度に高くなって得られる、ということを確認した。
(b2)本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法に準じたBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法において、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合を20wt%より大きくした場合、水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしても、そのようにしている、BDFを用いたエマルジョン燃料またはBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合(wt%)を10〜20wt%とし且つ水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしている本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料または本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合に比し、とくに、ディーゼルエンジンから燃料の燃焼によって大気中に排出されるガス中の黒煙の濃度が、ディーゼルエンジンにかける負荷に関せず、無視し得ない程度に高くなって得られ、しかも、ディーゼルエンジンの着火遅れが、無視し得ない程度に長く得られる、ということを確認した。
(c1)本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法に準じたBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法において、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の粒子のザウダー平均粒径を15μmより小さくした場合、水のBDFを用いたエマルジョン燃料に対する割合(wt%)を10〜20wt%としても、そのようにしている、BDFを用いたエマルジョン燃料またはBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合(wt%)を10〜20wt%とし且つ水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしている本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料または本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合に比し、とくに、燃料の動粘度が、無視し得ない程度に高くなって得られ、このため、ディーゼルエンジンに対する燃料の供給及びディーゼルエンジン内への燃料の噴霧が、無視し得ない程度に低い円滑性を以ってしか得られない、ということを確認した。
(c2)本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法に準じたBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法において、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の粒子のザウダー平均粒径を170μmより大きくした場合、水のBDFを用いたエマルジョン燃料に対する割合(wt%)を10〜20wt%としても、そのようにしている、BDFを用いたエマルジョン燃料またはBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合(wt%)を10〜20wt%とし且つ水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしている本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料または本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によって得られるBDFを用いたエマルジョン燃料を、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合に比し、とくに、BDFに水に粒子の状態で分散混合されている状態からのBDFと水との層への分離が、無視し得ない程度に早期に得られ、安定な燃料の保存が、無視し得ない程度に短期間でしかできない、ということを確認した。
また、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法において、予め調整された乳化剤を意図的に用いていないのは、そのように予め調整された乳化剤を意図的に用いなくても、BDFを用いたエマルジョン燃料に対する水の割合(wt%)を10〜20wt%とし且つ水の粒子のザウダー平均粒径を15〜170μmとしている限り、BDFに水に粒子の状態で分散混合されている状態が、その状態からのBDFと水の層への分離を早期に得られずに、長期に亘って安定に保たれているとともに、上述した(a)、(b1)、(b2)、(c1)及び(c2)で確認した事項を、過不足なく確実に満足させることができる、ということを確認したことに基づくものである。
さらに、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法において、水へのBDFの投入を、水が攪拌されている状態から行うのを可とするのは、そのように、水へのBDFの投入を、水が攪拌されている状態から行えば、水の粒子を、15〜170μmのザウダー平均粒径を有するものとして、より容易に得ることができる、ということを種々の実験によって確認したことに基づくものである。
また、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法において、水へのBDFの投入を、複数回に分けて間欠的に行うか、または1分間当り最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10wt%以下の速度で連続的に行うのを可とするのは、そのように、水へのBDFの投入を、複数回に分けて間欠的に行うか、または1分間当り最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10wt%以下の速度で連続的に行えば、水へのBDFの投入を、水が攪拌されている状態から行う場合と同様に、水の粒子を、15〜170μmのザウダー平均粒径を有するものとして、より容易に得ることができる、ということを種々の実験によって確認したことに基づくものである。
本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料によれば、それが軽油ではなくBDFを用いた燃料であるので、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、ディーゼルエンジンの燃料としてBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合の[背景技術]で述べたと同様の地球環境保全の観点からの利点を有する。
また、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料によれば、それをディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、ディーゼルエンジンの正味熱効率を、ディーゼルエンジンに高い負荷をかけても、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合と同程度に得ることができ、それでいて、ディーゼルエンジンから燃料の燃焼によって大気中に排出されるガス中のNOxの濃度及び黒煙の濃度の双方を、ディーゼルエンジンに高い負荷をかけても、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合に比し、有意に低く得ることができるとともに、ディーゼルエンジンの着火遅れを、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合に比し、有意に短く得ることができる。
さらに、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料によれば、予め調整された乳化剤を意図的に用いることなしに得られているので、そのようなBDFを用いたエマルジョン燃料を得るのに予め調整された乳化剤を用意する必要がないばかりか、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、ディーゼルエンジンの燃料としてBDFに水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているBDFを用いたエマルジョン燃料を用いる場合の[背景技術]で述べた欠点乃至おそれを有することなしに、上述した本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の優れた効果を、確実に得ることができる。
また、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料によれば、予め調整された乳化剤を意図的に用いることなしに得られているにも拘らず、BDFに水に粒子の状態で分散混合されている状態すなわちエマルジョン状態を、BDFと水との層への分離状態に早期になることなしに、長期に亘って安定に保ち、よって、長期に亘って保存することができる。
さらに、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によれば、上述した優れた効果を有する本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料を、容易に得ることができる。
このことは、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法において、水へのBDFの投入を、水が攪拌されている状態から行ったり、水へのBDFの投入を、複数回に分けて間欠的に行うか、または1分間当り最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10wt%以下の速度で連続的に行ったりすれば、なおさらである。
次に、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法を実施するための最良の形態を、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法を実施するための最良の形態で述べれば、次のとおりである。
すなわち、容器に水を収容し、その水に、予め調整された乳化剤を意図的に添加することなしに且つその水を攪拌しながら、BDFを投入する。
そして、この場合、水に投入するBDFを、水が最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10wt%〜20wt%となる量とし、また、水の攪拌を、水が最終的にザウダー平均粒度15〜170μmの粒子の状態でBDF中に分散混合されるように、比較的ゆっくり連続的に行い、さらに、水へのBDFの投入を、複数回に分けて間欠的に行うか、または1分間当り最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10wt%以下の速度で連続的に行うことによって、BDFに水が粒子の状態で分散混合されているBDFを用いたエマルジョン燃料であって、水がエマルジョン燃料に対して10〜20wt%であり、水の粒子が15〜170μmのザウダー平均粒径を有する、という目的とするBDFを用いたエマルジョン燃料を得る。
次に、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法の第1の実施例を、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法の第1の実施例で述べよう。
本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法の第1の実施例においては、BDFと、水とを用意する。
この場合、BDFを、植物油とメタノールと触媒としてのKOHとを植物油について植物油とメタノールとKOHとの総重量に対し87wt%、メタノールについて同じ総重量に対し12wt%、KOHについて同じ総重量に対し1wt%の割合で用いてメチルエステル化反応を行わせることによって製造された、90〜93%のメチルエステル変換率を有するBDFとした。
また、水を、水道水とした。
そして、図1に示すように、容器1内に、用意した水を、最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して15wt%に相当する0.3リットルの量だけ入れ、その水を、回転軸3の遊端にかい十字型攪拌翼4を取付けている構成を有する攪拌機2によって、それを比較的遅い300 rpmの速度で連続的に回転させて、比較的ゆっくり攪拌し、その状態で、容器1内の水に、用意したBDFを、最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して85wt%に相当する1.7リットルの量だけ、それを、0.3リットルづつ、2分間の間を置いて、6回に分けて、間欠的に投入し、それによって、容器1内に、BDFに水が粒子の状態で分散混合されているBDFを用いたエマルジョン燃料であって、水がエマルジョン燃料に対して15wt%であり、粒子が100〜170μmのザウダー平均粒径を有するBDFを用いたエマルジョン燃料の2リットルを、目的とするBDFを用いたエマルジョン燃料として得た。
この場合、予め調整された乳化剤を意図的に添加しないことは注意すべきである。
以上で、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法の第1の実施例が明らかとなった。
上述した本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の第1の実施例によれば、[発明の効果]で述べたように、それが軽油ではなくBDFを用いた燃料であるので、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、ディーゼルエンジンの燃料としてBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合の[背景技術]で述べたと同様の地球環境保全の観点からの利点を有するのはもちろん、ディーゼルエンジンの正味熱効率を、ディーゼルエンジンに高い負荷をかけても、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合と同程度に得ることができ、それでいて、ディーゼルエンジンから燃料の燃焼によって大気中に排出されるガス中のNOxの濃度及び黒煙の濃度の双方を、ディーゼルエンジンに高い負荷をかけても、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合に比し、有意に低く得ることができるとともに、ディーゼルエンジンの着火遅れを、ディーゼルエンジンの燃料として軽油を用いる場合及びBDF(エマルジョン燃料でない)を用いる場合に比し、有意に短く得ることができ、また、予め調整された乳化剤を意図的に用いることなしに得られているので、そのようなBDFを用いたエマルジョン燃料を得るのに予め調整された乳化剤を用意する必要がないばかりか、ディーゼルエンジンの燃料として用いる場合、ディーゼルエンジンの燃料としてBDFに水が粒子の状態で予め調整された乳化剤を意図的に用いて分散混合しているBDFを用いたエマルジョン燃料を用いる場合の[背景技術]で述べた欠点乃至おそれを有することなしに、上述した本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の優れた効果を、確実に得ることができる。
このことは、上述した本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の第1の実施例を、ヤンマー株式会社製直噴式水冷4サイクルディーゼルエンジン(型式NF19)の燃料として用い、ディーゼルエンジンの負荷に対するディーゼルエンジンの正味熱効率(%)、ディーゼルエンジンから排出されるガス中のNOx濃度(ppm)及び黒煙濃度(Bosch %)を、ディーゼルエンジンの回転数を2200rpmの一定回転数として、ディーゼルエンジンの燃料として軽油(JIS2号)、BDF(エマルジョン燃料ではない)を用いた場合と対比して測定したところ、図2に示す結果が得られたことからも明らかであろう。
また、上述した本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料によれば、同様に、[発明の効果]で述べたように、予め調整された乳化剤を意図的に用いることなしに得られているにも拘らず、BDFに水に粒子の状態で分散混合されている状態すなわちエマルジョン状態を、BDFと水との層への分離状態に早期になることなしに、長期に亘って安定に保ち、よって、長期に亘って保存することができる。
さらに、上述した本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法によれば、同様に、[発明の効果]で述べたように、上述した優れた効果を有する本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料を、容易に得ることができ、このことは、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法の第1の実施例において、水へのBDFの投入を、水が攪拌されている状態から行い、また、水へのBDFの投入を、複数回に分けて間欠的に行っているので、なおさらである。
次に、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法の第2の実施例を、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法の第2の実施例で述べよう。
本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法の第2の実施例においては、第1の実施例の場合と同様に、同様のBDFと、水とを用意する。
そして、図1に示すように且つ第1の実施例に準じて、容器1内に、用意した水を、最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して15wt%に相当する0.3リットルの量だけ入れ、その水を、攪拌機2によって、それを比較的遅い600rpmの速度で連続的に回転させて、比較的ゆっくり攪拌し、その状態で、容器1内の水に、用意したBDFを、最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して85wt%に相当する1.7リットルの量だけ、1分間当り最終的に得られるBDFを用いたエマルジョン燃料に対して10wt%に相当する0.2リットルの量という速度で投入し、それによって、容器1内に、BDFに水が粒子の状態で分散混合されているBDFを用いたエマルジョン燃料であって、水がエマルジョン燃料に対して15wt%であり、粒子が15〜50μmのザウダー平均粒径を有するBDFを用いたエマルジョン燃料の2リットルを、目的とするBDFを用いたエマルジョン燃料として得た。
この場合も、第1の実施例の場合と同様に、予め調整された乳化剤を意図的に添加しないことは注意すべきである。
以上で、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法の第2の実施例が明らかとなった。
上述した本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法の第2の実施例によっても、詳細説明は省略するが、第1の実施例の場合と同様の優れた効果が得られた。
なお、上述においては、本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料及びその製法のそれぞれについて、2つの実施例を述べたに留まり、本発明の精神を脱することなしに、種々の変型、変更をなし得るであろう。
本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料は、ディーゼルエンジンの燃料として、地球環境保全の観点から、広く用い得る。
本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法は、そのようにディーゼルエンジンの燃料として、広く用い得るBDFを用いたエマルジョン燃料を、容易に製造することができる。
本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の製法の実施例を示す略線図である。 本発明によるBDFを用いたエマルジョン燃料の実施例の効果の説明に供する、それをディーゼルエンジンの燃料として用いた場合の、ディーゼルエンジンの負荷に対するディーゼルエンジンの正味熱効率(%)、ディーゼルエンジンから排出されるガス中のNOx濃度(ppm)及び黒煙濃度(Bosch %)を、ディーゼルエンジンの燃料として軽油(JIS2号)、BDF(エマルジョン燃料ではない)を用いた場合と対比して測定した結果を示す図である。
符号の説明
1 容器
2 攪拌機
3 回転軸
4 かい十字型攪拌翼

Claims (4)

  1. バイオディーゼル燃料に水が粒子の状態で分散混合されているバイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料であって、上記水が上記バイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料に対して10〜20wt%であり、且つ上記水の粒子が15〜170μmのザウダー平均粒径を有することを特徴とするバイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料。
  2. 水に、予め調整された乳化剤を意図的に添加することなしに、バイオディーゼル燃料を、上記水が最終的に得られるバイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料に対して10〜20wt%となるように投入し、その投入の前後を通じて、上記水をそれが最終的にザウダー平均粒径15〜170μmの粒子の状態で上記バイオディーゼル燃料中に分散混合されるように攪拌することによって、目的とする、バイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料を得ることを特徴とするバイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料の製法。
  3. 上記水への上記バイオディーゼル燃料の投入を、上記水が攪拌されている状態から行うことを特徴とする請求項2記載のバイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料の製法。
  4. 上記水への上記バイオディーゼル燃料の投入を、複数回に分けて間欠的に行うか、または1分間当り最終的に得られるバイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料に対して10wt%以下の速度で連続的に行うことを特徴とする請求項2記載のバイオディーゼル燃料を用いたエマルジョン燃料の製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2008029898A1 (fr) 2006-09-01 2008-03-13 Nanomizer Inc. Procédé de production de carburant en émulsion et appareil de production du carburant

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