JP2005337881A - 加速試験装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 再現性が高く、作業性が良好な加速試験装置の提供。
【解決手段】 表面にめっき膜を有する被処理物を上面に載置する下加圧端子と、ばねによって弾発力を得て下加圧端子上の被処理物を加圧する上加圧端子と、下加圧端子を支持するベース部と、正回転及び逆回転操作によって回転し、正回転によってばねを撓ませる加圧調整ボルトと、加圧調整ボルト及びばね並びに上加圧端子を支持する支持機構とを有し、下加圧端子上の被処理物を上加圧端子で挟むように設定した後は、支持機構は設定を解除するまで一定の加圧力で被処理物を加圧できる構成になり、加圧調整ボルトの中心軸の延長上に被処理物の加圧される領域の中心部が位置する加速試験装置。上加圧端子及びばねの回転を抑止する回転防止機構、ばねの撓み量を読み取るための撓み量測定機構を有する。ベース部には下加圧端子または加圧力を測定できるロードセルを収容する収容部が設けられている。下加圧端子の厚さはロードセルの厚さと同一寸法に形成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 表面にめっき膜を有する被処理物を上面に載置する下加圧端子と、ばねによって弾発力を得て下加圧端子上の被処理物を加圧する上加圧端子と、下加圧端子を支持するベース部と、正回転及び逆回転操作によって回転し、正回転によってばねを撓ませる加圧調整ボルトと、加圧調整ボルト及びばね並びに上加圧端子を支持する支持機構とを有し、下加圧端子上の被処理物を上加圧端子で挟むように設定した後は、支持機構は設定を解除するまで一定の加圧力で被処理物を加圧できる構成になり、加圧調整ボルトの中心軸の延長上に被処理物の加圧される領域の中心部が位置する加速試験装置。上加圧端子及びばねの回転を抑止する回転防止機構、ばねの撓み量を読み取るための撓み量測定機構を有する。ベース部には下加圧端子または加圧力を測定できるロードセルを収容する収容部が設けられている。下加圧端子の厚さはロードセルの厚さと同一寸法に形成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、めっき膜評価方法で使用する加速試験装置(ウィスカ発生加速試験装置)に係わり、特に、半導体装置の製造方法において、錫を主体とするめっき膜のウィスカ発生状況を加速試験によって評価できるめっき評価技術に適用して有効な技術に関する。
地球環境の汚染を進めないために有害物質の使用が制限され、それら有害物質に代えて地球環境を汚染しない物質の使用が進められている。欧州が制定した2006年の特定有害物質使用制限指令(RoHS:Restriction of Hazardous Substances)では、鉛,水銀,カドミウムを含む6種類の物質の使用を、いくつかの例外を除いて禁止している。
電子装置には半導体装置を含む電子部品が多数実装されている。これら電子部品の実装基板への搭載には、接合材としてSnPb半田が多用されている。
電子装置には半導体装置を含む電子部品が多数実装されている。これら電子部品の実装基板への搭載には、接合材としてSnPb半田が多用されている。
一方、鉛を使用しない接合材(以下鉛フリー半田と呼称)として、Sn,SnCu,SnBi,SnAg等の鉛フリー半田が使用されている。Snは自然環境下で針状結晶(ウィスカ)が成長することが知られている。そして、このウィスカによってショート不良が発生するおそれがある。そこで、ウィスカ発生が懸念されるSnめっきに対しては100〜200℃の高温での熱処理を施してウィスカの発生を抑制する方法がとられている。
他方、加速試験方法としては一般的に高温環境、高温高湿環境が採用されているが、ウィスカ発生に関しては高温環境にすることが発生の抑制効果を有している為に、室温程度の環境での長期保管しかないと結論付けられている(例えば、非特許文献1)。
また、実装後の電気部品(チップ部品)における錫ウィスカの発生状況の判定を行う試験方法及び試験用治具が知られている。この試験方法では、配線基板上に表面実装型の電気部品を鉛フリーはんだで接続固定した後、配線基板に対する電気部品のはんだ付け部に曲げストレスを加え、この状態で加速試験を行いウィスカの発生状況を判定する(例えば、特許文献1)。
P.Oberndorff,Intermetallic Formation in Relation to Tin Whiskers:International Conference on Lead Free Electronics,June,2003.pp171-pp178
特開2002−323528号公報
半導体装置は、外観的には、封止体と、その封止体の内外に亘って突出(露出)する複数のリードとからなっている。リードの突出(露出)する部分は外部電極端子になる。封止体内には半導体チップ等を有する構造になっている。そして、このような半導体装置を電子装置に組み込む場合、電子装置の実装基板上に半導体装置を載置し、実装基板のランド上に接合材で外部電極端子(リード)を接続する。この接合材の使用に先立って、金属からなるリードの表面には接合材との濡れ性が良好なめっき膜が設けられる。
従来から実装材料(接合材)として、電子部品の端子メタライズはSnPb合金(半田)が使用されてきているが、これは過去にSnめっきからのウィスカの対策として採用されたものである。即ち、Pbを含有させるとSnのウィスカ成長が抑止できるということから採用されたものである。そして、それ以後、Snのウィスカ発生のメカニズムの解析等の報告は少ない。また、ウィスカの発生メカニズムも完全に解明されていないのが現状である。
近年、鉛フリー化の要求が高まるなかで、Snに発生するウィスカに起因するショート不良の問題がクローズアップされてきている。半導体装置はより小型化が図られている結果、リードのピッチはさらに狭くなってきている。リードピッチが0.4mmあるいはさらに狭くなると、リード表面に形成されるSnめっき膜に成長するウィスカに伴うショート不良の問題は大きくなり、ウィスカに対する品質保証への要求が強まっている。
従来のウィスカの発生についての考えは、下記のように、特許文献1に記載されている。同文献には、(1)ウィスカ発生の要因には、次の3つが挙げられる。即ち、冷熱サイクル応力による発生、酸化(高温、高湿)による応力による発生、機械的応力(曲げ部内在)による発生等である。
(2)さらに、ウィスカは、温度及び湿度によるストレス、熱衝撃によるストレス、機械的なストレス等が重なることにより、成長が加速される。
(3)例えば、試験用治具を用いることによって生じる機械的なストレスと、温度及び湿度によるストレス(恒温恒湿槽内で発生)、又は熱衝撃(熱衝撃槽内で発生)等によるストレスとの組み合わせにより、成長がさらに加速される。
(2)さらに、ウィスカは、温度及び湿度によるストレス、熱衝撃によるストレス、機械的なストレス等が重なることにより、成長が加速される。
(3)例えば、試験用治具を用いることによって生じる機械的なストレスと、温度及び湿度によるストレス(恒温恒湿槽内で発生)、又は熱衝撃(熱衝撃槽内で発生)等によるストレスとの組み合わせにより、成長がさらに加速される。
このように、従来のウィスカ試験法は高温試験、温度サイクル試験と、いずれも加熱状態での試験が採用されているが、近年これら加熱を伴う試験方法は不適格であるとの研究報告がなされている(非特許文献1)。
ウィスカのメカニズムの解析が進められる結果以下の事実も判明している。(1)ウィスカは、Snめっき膜に圧縮応力が作用した時に発生し、銅系の基材の上に形成されたSnめっきに多く発生する。
(2)さらに、室温程度の温度で形成されるCuSn合金の成長がウィスカの発生に大きく関与している。
また、本発明者の分析検討によって、半導体装置のリードに外装めっきを施した後、リードを上下から加圧(圧縮)すると、リードの側面から長くウィスカが成長し易いという事実を確認した。リードの表面に形成するめっき膜は、リード断面が四角形状であることから、めっき膜はエッジ効果によって角部が厚くなって盛り上がる構造になる。この結果、リードを上下から加圧(圧縮)すると、盛り上がっためっき膜部分は強く加圧され、リードの側面のめっき膜には大きな圧縮応力が発生する。この大きな圧縮応力によってウィスカの成長は増大(加速)する。そして、ウィスカの先端は隣接するリードに近接したり、接触する。
また、本発明者の分析検討によって、半導体装置のリードに外装めっきを施した後、リードを上下から加圧(圧縮)すると、リードの側面から長くウィスカが成長し易いという事実を確認した。リードの表面に形成するめっき膜は、リード断面が四角形状であることから、めっき膜はエッジ効果によって角部が厚くなって盛り上がる構造になる。この結果、リードを上下から加圧(圧縮)すると、盛り上がっためっき膜部分は強く加圧され、リードの側面のめっき膜には大きな圧縮応力が発生する。この大きな圧縮応力によってウィスカの成長は増大(加速)する。そして、ウィスカの先端は隣接するリードに近接したり、接触する。
そこで、本発明者は、ウィスカを発生させ難くする温度や湿度を高く設定する従来の手法を排除し、室温程度の環境下でめっき膜に圧縮応力を加え続けてウィスカの成長を早める加速試験方法に基づくめっき膜評価方法及び半導体装置の製造方法並びに加速試験装置を既に提案(特願2003−330824号)している。
これにより、半導体装置の端子メタライズを鉛フリー半田めっきにて形成する半導体装置の製造方法において、ウィスカに対する品質を短期に評価することができる。
これにより、半導体装置の端子メタライズを鉛フリー半田めっきにて形成する半導体装置の製造方法において、ウィスカに対する品質を短期に評価することができる。
提案のめっき膜評価方法は、錫めっき膜または錫を主成分とする鉛フリー半田をリードフレームの表面にめっきし、ついで加速試験装置によって錫のウィスカの発生を増長させ、その後ウィスカ発生状況を観察してめっき膜の判定評価を行う方法である。即ち、図20(a)に示すように、加圧端子84の下方に位置する支持台83の上面に半導体装置のリード80を載置する。リード80の表面には錫を含むめっき膜(外装めっき)81が設けられている。つぎに、図20(b)に示すように、加圧端子84を降下させて支持台83と加圧端子84によってリード80を所定時間加圧(圧縮)する。
図20(a)に示すように、リード80の表面に形成されためっき膜81は、リード断面が四角形状であることから、めっき膜81はめっき処理時エッジ効果によって角部が厚くなって盛り上がる構造(盛り上がり部81a)になる。この結果、リード80を上下から加圧(圧縮)すると、盛り上がり部81aは強く加圧されて、圧縮変形(圧縮変形部81b)し、リード80の側面のめっき膜81には大きな圧縮応力が加わることになる。そして、この圧縮によってリード側面のめっき膜81の表面ではウィスカの成長が著しくなり、長いウィスカ82が発生することになる。ウィスカ82は長いものでは数百〜数千μmにも及ぶ。この現象は半導体装置のリード間のショートを引き起こす原因にもなる。
同提案(特願2003−330824号)では、ウィスカ評価のための基本的概念と実施例を示しているが、加速試験装置は、必要最小限の構成からなるシンプルなものである。そこで、本発明者は、半導体装置の量産現場で使用するに適した加速試験装置(ウィスカ発生加速試験装置)の開発を行い本発明をなした。
本発明の一つの目的は、再現性が高い加速試験装置を提供することにある。
本発明の一つの目的は、作業性の良好な加速試験装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
本発明の一つの目的は、作業性の良好な加速試験装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
(1)本発明の加速試験装置は、表面にめっき膜を有する被処理物を上面に載置する下加圧端子と、ばねによって弾発力を得て前記下加圧端子上の前記被処理物を加圧する上加圧端子と、前記下加圧端子を支持するベース部と、正回転及び逆回転操作によって回転し、正回転によって前記ばねを撓ませる加圧調整ボルトと、前記加圧調整ボルト及び前記ばね並びに前記上加圧端子を支持する支持機構とを有し、前記下加圧端子上の前記被処理物を前記上加圧端子で挟むように設定した後は、前記支持機構は前記設定を解除するまで一定の加圧力で前記被処理物を加圧できる構成になり、前記下加圧端子上の前記被処理物を前記上加圧端子で挟むように設定した後は、前記支持機構は前記設定を解除するまで一定の加圧力で前記被処理物を加圧できる構成になり、前記下加圧端子の加圧面及び前記上加圧端子の加圧面は帯状になり、前記下加圧端子の幅(例えば、2.0mm程度)は前記上加圧端子の加圧面の幅(例えば、3.0mm程度)よりも狭くなり、前記加圧調整ボルトの中心軸の延長上に前記被処理物の加圧される領域の中心部が位置する構成になっている。
また、前記加圧調整ボルトの回転に伴って前記上加圧端子及び前記ばねが回転しないように回転防止機構を有する。
また、前記ばねの撓み量を読み取るための撓み量測定機構を有している。この撓み量測定機構は、前記ばねに連動して移動する摺動子に設けられる目印と、前記目印の移動域に沿うように前記支持機構に設けられるスケールとを有する構成になっている。
また、前記ばねの撓み量を読み取るための撓み量測定機構を有している。この撓み量測定機構は、前記ばねに連動して移動する摺動子に設けられる目印と、前記目印の移動域に沿うように前記支持機構に設けられるスケールとを有する構成になっている。
また、前記ベース部には収容部を有し、この収容部には前記下加圧端子または加圧力を測定できるロードセルが収容できる構造となり、前記下加圧端子の厚さは前記ロードセルの厚さからリードの厚さを引いた厚さに形成されている。従って、ベース部の収容部にロードセルを収容して上加圧端子を降下させて加圧してロードセルによって加圧力と前記撓み量測定機構の目印の移動量との相関を求めることができる。これにより、前記収容部に下加圧端子を収容させて被処理物の加圧を行う際、上加圧端子の移動量を前記撓み量測定機構の目印の移動量から知ることができ、被処理物に加えられている加圧力を正確に知ることができる。
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
前記(1)の手段によれば、(a)加圧調整ボルトの中心軸の延長上に被処理物の加圧される領域の中心部が位置することと、下加圧端子の加圧面の幅は上加圧端子の加圧面の幅よりも狭くなることから、被処理物を食い違えて挟むことなく、上加圧端子に支持される被処理物を確実に下加圧端子で挟み込むことができ、再現性良く加圧が可能になり、正確な加速試験が可能になる。
(b)被処理物を加圧する下加圧端子及び上加圧端子は細い帯状になっていることから、被処理物に所望の大きな加圧力を加えることができ、所望の加速試験が可能になる。
(c)加圧調整ボルトの回転に伴って上加圧端子が回転しないように回転防止機構が設けられていることから、再現性良く加圧が可能になり、正確な加速試験が可能になる。
(d)ばねに連動して移動する摺動子に設けられる目印と、目印の移動域に沿うように設けられるスケールとを有する撓み量測定機構を有していることから、加速試験が行われている状態でのばねの原点からの撓み量、即ち摺動子の移動量を読み取ることができる。
(e)ベース部にはロードセルの厚さから被処理物の厚さを引いた厚さの下加圧端子を収容する収容部が設けられている。従って、収容部にロードセルを収容して上加圧端子を降下させて加圧してロードセルによって加圧力を測定することができる。ばねは比例定数が一定であることから、上記(d)のように加圧力と撓み量測定機構の目印の移動量との相関を求めることができる。これにより、収容部に下加圧端子を収容させて被処理物の加圧を行う際、上加圧端子の移動量を撓み量測定機構の目印の移動量から知ることができ、被処理物に加えられている加圧力を正確に知ることができ、再現性良く加速試験を行うことができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
図1乃至図17は本発明の実施例1である加速試験装置(ウィスカ発生加速試験装置)に係わる図である。図1は加速試験装置の加圧状態を示す模式図、図2は本実施例1の加速試験装置が使用されるめっき膜評価方法を示すフローチャートである。図3乃至図17は加速試験装置の構造及び使用方法等を示す図である。
本実施例1の加速試験装置は、その概要を示すならば、図1に示すようになっている。図1は加速試験装置1の要部を模式的に示す斜視図である。加速試験装置1は、図1に示すように、半導体装置2のリード4を加圧する構成になっている。図1で示す半導体装置2は、偏平な四角形体からなる封止体3の側面(周面)からそれぞれリード4を突出させる構造になっている。加速試験装置1は、封止体3の一辺から突出するリード4を、下加圧端子5の上面の加圧面9と、上加圧端子10の下面の加圧面13間に挟み、上加圧端子10を降下させてリード4を加圧する構成になっている。加速試験を行う半導体装置2の実際の製品例を図13に示す。四角形状の封止体3の各辺から等ピッチで複数のリード4が突出している。加速試験後、リード4は所定の寸法に切断されるとともに、例えば、ガルウィング型に成形されて表面実装型の半導体装置2となる。
下加圧端子5は下加圧コマ6に形成されている。下加圧コマ6は、図14に示すように、直方体からなる本体7と、この本体7の上面中央に沿って帯状に直線的に延在する2.0mm程度と細い突条体からなる下加圧端子5とからなり、下加圧端子5の上面が加圧面9となる。
また、上加圧端子10は、図1及び図16に示すように、上加圧コマ11に形成されている。上加圧コマ11は、直方体からなる本体12と、この本体12の下面中央に沿って帯状に直線的に延在する3.0mm程度と細い突条体からなる上加圧端子10とからなり、上加圧端子10の上面が加圧面13となる。
図16には、半導体装置2の周面から突出するリード4を下加圧端子5と上加圧端子10との間に挟んだ状態を示す。ここで、様々な半導体装置の加速試験が行えるようにするため、下加圧コマ6の本体7及び上加圧コマ11の本体12が封止体3に接触しないようにする必要がある。即ち、リード4の上面から封止体3の上面までの距離Aと、下加圧端子5及び上加圧端子10の突出長さBとにおいて、B>Aとし、例えば、Bは3mmとする。また、半導体装置2の封止体3から突出するリード4(リード長さC)を、封止体3を損傷させることなく下加圧端子5と上加圧端子10で挟み込むため、リード長さCによりも上加圧端子10及び下加圧端子5の幅を充分狭くする必要がある。現行のリード長さの短い製品の加速試験も可能とするため、例えば、下加圧端子5の幅を2mm、上加圧端子10の幅を3mmとしたが、これに限定されるものではない。
図14には下加圧コマ6の本体7の全長に亘って下加圧端子5が延在する構造を示したが、図15に示すように、下加圧端子5の長さeを本体7よりも短くする構成でもよい。fは下加圧端子5の幅であり、gは下加圧端子5の突出高さである。本体7の長さを約40mmとした場合、例えば、下加圧端子5の長さを10.0mm、20.0mm、30.0mmとなるものを用意しておき、加速試験を行う製品に対応して使用するようにしてもよい。
なお、下加圧コマ6は加速試験装置1のベース部15に設けられた窪みからなる収容部16に着脱自在に嵌め込まれる(収容)構造になっている。しかし、この状態を、単に、下加圧端子5はベース部15の収容部16に収容されると説明する場合もある。
加圧は、ばねの弾発力によって発生させる。後述するが、下方に向かって延在する加圧調整ボルトを正回転操作させて降下させ、ばねを押し下げ、ばねの下端で上加圧端子10を押し下げる構成になっている。ばねの弾発力(ばね圧)が上加圧端子10に加わる。また、図8に示すように、加圧調整ボルト17の中心軸(中心線)18の延長線上に下加圧端子5の加圧面9と上加圧端子10の加圧面13の中心部分が位置している。従って、下加圧端子5においては、図4及び図16に示すように、加圧中心(中心軸18)から加圧面9の幅方向に沿って左右に1mmづつ加圧面が広がり、上加圧端子10においては加圧中心から加圧面9の幅方向に沿って左右に1、5mmづつ加圧面が広がることになる。この結果、下加圧端子5の加圧面9は上加圧端子10の加圧面13に確実に対面することになり、リード4は確実に加圧される(図16参照)。この結果、再現性良く加速試験が行える。
つぎに、加速試験装置1の構造及びその動作等について、図3乃至図18を参照しながら説明する。
加速試験装置1は、図3〜図7に示すように、正方形の角部を面取りした形状となるベース部15と、このベース部15の上面に取り付けられる4本の支柱20と、この支柱20の上面に固定される上ベース部21とを有している。上ベース部21は、図3及び図6の正面図に示すように、ベース部15と同じ寸法の幅となり、上下で所定間隔を有して一致して重なるようになっている。しかし、奥行きは、図4及び図7の右側面図に示すように、上ベース部21がベース部15よりも短くなっている。また、上ベース部21はベース部15の中央側に位置するようになっている。
ベース部15は、図3〜図7に示すように、同一外形となる下ベース板22と、この下ベース板22に重なる上ベース板23とからなっている。上ベース板23と下ベース板22は、図5及び図7に示すように、上ベース板23に埋め込まれるようにして取り付けられるビス24によって一体になっている。ベース部15は、図6に示すように、ベース部15の下面からベース部15に埋め込まれるようにして取り付けられる固定ボルト35によって支柱20に固定されている。また、上ベース部21、上ベース部21の上面から取り付けられる固定ボルト36によって支柱20に固定されている。
上ベース板23はその中央が打ち抜かれている。この打ち抜かれた部分と下ベース板22とによって上面が開口した収容部16が形成されている(図14参照)。この収容部16には下加圧コマ6が着脱自在に収容されるようになっている。
上ベース部21上には筒状のスプリングホルダー25が固定されている。スプリングホルダー25は、その断面は、外形が正方形の角部を面取りした形状になり、内側が円形のガイド穴26になっている。スプリングホルダー25はその下端を上ベース部21の下面から取り付けられる固定ボルト27で上ベース部21上に固定されている。
上ベース部21には筒状の下ブッシュ28が貫通固定されている。下ブッシュ28はその上端外周に突出した鍔部を有し、上ベース部21から脱落しないように形成されている。また、下ブッシュ28には、下ブッシュ28をガイドとして上下に摺動する円柱状の下加圧シャフト29が挿入されている。この下加圧シャフト29の上端近傍の外周には突出したフランジ30が設けられ、下加圧シャフト29が下ブッシュ28から抜け落ちないようになっている。下加圧シャフト29の中心軸(中心線)はガイド穴26の中心軸(中心線)に一致している。
下加圧シャフト29の下端には、図7に示すように、上加圧コマホルダ31が上加圧コマホルダ31の下面側から埋め込むように取り付けられる固定ボルト32によって固定されている。上加圧コマホルダ31の下面には、図6に示すように、上加圧コマ11が上加圧コマホルダ31の上面側から埋め込むように取り付けられる固定ボルト33によって固定されている。
共に直線的に延在する細い突条体からなる下加圧端子5及び上加圧端子10の加圧面9及び加圧面13がずれることなく対面するように、下加圧シャフト29は回転しない構造(回転防止機構)となっている。このため、下加圧シャフト29にはドーナツ状の下ばね受け40が挿入されている。下加圧シャフト29は、図9(a),(b)に示すように、ビス44によって下加圧シャフト29に固定されている。この下ばね受け40は、図6に示すように、フランジ30の上面に重なるようになっている。また、下ばね受け40の外周面には、図6及び図9(a),(b)に示すように、半径方向に延在する丸棒からなる操作レバー41が固定されている。
一方、スプリングホルダー25には、図4に示すように、スプリングホルダー25の右側面中央に上下に沿ってガイド溝42が設けられている。このガイド溝42はスプリングホルダー25の上端から下端近傍に亘って直線的に設けられている。また、ガイド溝42の下端よりは数cm上にガイド溝42と直交するホルダー溝43が設けられている。
ガイド溝42には前記操作レバー41が挿入される。操作レバー41は、図6に示すように、スプリングホルダー25の外側まで突出する。操作レバー41は下加圧シャフト29の上下動に伴って上下動する。操作レバー41がガイド溝42内で左右(横方向)に動くことがなく円滑にガイド溝42に沿って上下に移動できるように、ガイド溝42と操作レバー41の嵌め合いが選択されている。操作レバー41を掴み、操作レバー41を上方に移動させると上加圧コマ11(上加圧端子10)が上昇する。操作レバー41をホルダー溝43の入口にまで運び、ついで操作レバー41を右側に回転移動させてホルダー溝43内に位置させることによって上加圧端子10は下加圧端子5から所定間隔離れて停止する。この状態が加速試験を行う前の待機位置(原点)となる。従って、この状態で被処理物の着脱を行う。
下ばね受け40の上にはコイル状のばね45が載置されている。そして、このばね45上には下ばね受け40と同じ構造の上ばね受け46が載置される。上ばね受け46に取り付けるレバー47は、操作レバー41よりも短くなるがその先端面は外部から観察できるようにガイド溝42よりも突出している。そして、操作レバー41の先端には横方向に直線的に延在する目印48が設けられている。上ばね受け46及びレバー47はガイド穴26を上下に移動する摺動子となる。図10にはばね45の撓みに対応して上ばね受け46だ上下動し、この上ばね受け46に固定されたレバー47が上下動することが示されている(矢印のように上下動)。
上ばね受け46はばね45上に載ることから、その上下の変位量はばね45の撓みの変化を示すことになる。そこで、図4に示すように、ガイド溝42に沿うようにスプリングホルダー25の外面にはスケール(物差し)49が接着等によって固定されている。このスケール(物差し)49は、mm単位に目盛りが刻まれている。これらによって、ばね45の撓み量を読み取るための撓み量測定機構が形成されることになる。撓み量測定機構については、図11に模式的に示してある。レバー47の先端の目印48の位置をスケール(物差し)49の目盛りを読むことによって知ることができる。
他方、スプリングホルダー25の上面には板状のブッシュホルダー50が重ねられている。このブッシュホルダー50の外形はスプリングホルダー25と同じで外面は一致してスプリングホルダー25に重なっている。ブッシュホルダー50の中央には、図6及び図7に示すように、筒状の上ブッシュ51が貫通状態で取り付けられている。上ブッシュ51その下端外周に突出した鍔部を有している。また、上ブッシュ51には、上ブッシュ51をガイドとして上下に摺動する円柱状の上加圧シャフト52が挿入されている。この上加圧シャフト52の下端近傍の外周には突出したフランジ53が設けられている。このフランジ53の下面には上ばね受け46の上面が接触する。従って、上加圧シャフト52の上下動によってばね45の撓み量が変化する。上加圧シャフト52の中心軸(中心線)はガイド穴26の中心軸(中心線)に一致している。また、下ばね受け40の上面に突出する下加圧シャフト29部分及び上ばね受け46の下面から突出する上加圧シャフト52部分のガイドもあり、コイル状のばね45の中心軸(中心線)もガイド穴26の中心軸(中心線)に一致するようになる。
ブッシュホルダー50の上面には加圧ねじホルダー57が取り付けられている。この加圧ねじホルダー57は、その外形がブッシュホルダー50と同じとなり、外面が一致してブッシュホルダー50に重なっている。加圧ねじホルダー57の上面には埋め込むように固定ボルト58が複数取り付けられている。この固定ボルト58はブッシュホルダー50に設けられた孔を貫通するとともに、その先端部分はスプリングホルダー25に設けられたねじ孔にねじ締めされている。これにより、加圧ねじホルダー57はブッシュホルダー50を介在させた状態でスプリングホルダー25に固定される。
加圧ねじホルダー57は上端が天井部となり下面が開口した筒体となっている。天井部の中央には雌ねじが切られ、この雌ねじに加圧調整ボルト17が螺合されている。加圧調整ボルト17の上部のボルトの頭部となる摘まみ部17aを掴み、摘まみ部17aを右回転(正回転)させれば加圧調整ボルト17はねじ構造故に下方に動き、下端で上加圧シャフト52を下降させる。この下降によって上加圧シャフト52に連動する上ばね受け46も下降し、ばね45は撓む。そしてこのばね45の弾発力によって上加圧端子10と下加圧端子5との間に所定の加圧力が発生するようになる。
本実施例1の加速試験装置1は、図8に示すように、加圧調整ボルト17の中心軸(中心線)18の延長線上に加圧に係わる各部品の中心軸(中心線)が一致するようになっている。各部品で構成される支持機構によって、図8に示すように、加圧調整ボルト17の中心軸(中心線)18上に、上ブッシュ51,上加圧シャフト52,上ばね受け46,ばね45,下ブッシュ28,下ばね受け40,下加圧シャフト29,上加圧コマホルダ31,上加圧コマ11,上加圧端子10,下加圧コマ6,下加圧端子5の各部品が中心軸(中心線)を合わすように配列されている。下加圧端子5と上加圧端子10との間には被処理物4aが挟まれ、加圧可能になっている。
ここで、加速試験装置1のさらなる特徴について順次説明する。ベース部15は、一部を省略して模式的に示す図14に示すように、上ベース板23の打ち抜かれた部分と下ベース板22とによって上面が開口した収容部16が形成されているが、この収容部16には、図17及び図18に示すようなロードセル60が収容できるようになっている。ロードセル60は、加圧力を検査する際、下加圧コマ6の代りに収容部16に挿入載置される。ロードセル25は、図17及び図18に示すように、円形のタブレット状になるとともに、上面の中央に測定端子61を有する構造になっている。そこで、図14に示すように、ロードセル60が入るように、収容部16の一部は円弧状に切り掛かれて窪んでいる。また、下加圧コマ6の高さ(厚さ)はロードセル60の高さ(厚さ)よりもリード4の厚さ分低くなるように形成されている。これは、リード4を上加圧端子10が加圧を開始する高さと、上加圧端子10がロードセル60に対して加圧を開始する高さを同じにし、加圧力測定時のばねの撓み状態(ばね端末の移動量)と、実際のリードの加速試験時のばねの撓み状態(ばね端末の移動量)を一致対応させるためである(図18参照)。
従って、収容部16にロードセル60を収容し、上加圧端子10を降下させてロードセル60の測定端子61を加圧してロードセル60に加わる加圧力を測定する。ばね45は比例定数が一定であることから、加圧前のレバー47の目印48の位置をスケール(物差し)49の目盛りから確認しておき、加圧調整ボルト17の正回転操作によって加圧した状態の目印48の位置をスケール(物差し)49から確認する。そして、これら加圧前後の目印48の位置と、ロードセル60で測定した加圧力から、ばね45の比例定数を求めておけば、目印48の位置制御だけで、所望の加圧力を得ることができる。
ベース部15は、図14に示すように、手前側から収容部16に至る部分は上ベース板23においては打ち抜かれて所定幅の直線状に延在する溝62が形成されている。この溝62には台座63が着脱自在に挿入載置できるようになっている。この台座63は、下加圧端子5上に半導体装置2の一方のリード4を載置した際、このリード4とは反対側突出するリード4を支持する台座となり、加速試験が支障なく行えるようになっている。溝62は収容部16にロードセル60を挿入載置した際、ロードセル60から延在するコード64を外に導く溝ともなっている(図18参照)。
一方、図4に示すように、加速試験装置1の右側面下部には、下部中央から上端近傍に至る間に貫通した覗き窓70を有する支柱71が設けられている。この支柱71は図示しない固定ボルトによってベース部15の上面に固定されている。覗き窓70から、下加圧端子5と上加圧端子10に挟まれたリード4を観察することができる。
つぎに、本実施例1の加速試験装置1を使用した加速試験について説明する。本実施例1では、半導体装置2のリード4の表面に形成しためっき膜の評価を行う例について説明する。被処理物となる半導体装置1のリード4は、その材質が銅,銅合金,真鍮,鉄−ニッケル合金等によるものである。実施例1では、リード4はC194材と呼称される銅合金で形成され、例えば、リード4の厚さは0.15mm、リード4の幅は0.2mm、リードピッチは0.5mmである。
また、リード表面を被うめっき膜としては、鉛フリー半田であるSn膜、SnBi系めっき膜、SnCu系めっき膜、SnAg系めっき膜等種々の材質があるが、実施例1ではリード表面にSnCuめっき膜を形成した場合で説明する。
リード4の表面には錫(Sn)を含むめっき膜が形成されている。Snめっき膜のSnは時間と共にウィスカ(針状結晶)が成長する。従って、加速試験装置1でリード4を加圧し、かつ所定の時間加圧状態維持させることにより、ウィスカの成長は促進される。そこで、所定時間後、加圧状態を解除し、顕微鏡でリード4の表面を観察することによるとウィスカの発生状態が判明する。
図2は半導体装置2のリード表面のめっき膜の評価方法を示すフローチャートである。このフローチャートに示すように、めっき膜評価方法は、組立終了リードフレーム[封止体形成]用意(S101)、めっき膜形成(外装めっき:S102)、リード切断(S103)、加速試験(圧縮:S104)、ウィスカ観察(S105)、めっき膜良否判定(S106)の各工程を有する。
加速試験では、図12(a)に示すように、操作レバー41をガイド溝42に沿って上方に移動させ、右側に移動させて操作レバー41をホルダー溝43内に納める。これにより、上加圧端子10は上昇し、下加圧端子5との間に所定の空間が発生することから、下下加圧端子5及び台座63上に半導体装置2を載置し、リード4が下加圧端子5上に載るようにする。
つぎに、ホルダー溝43内の操作レバー41を左側に移動させてガイド溝42内に戻し、かつゆっくり下ろす。これにより、上加圧端子10はリード4上の載り、下加圧端子5との間にリード4を挟むようになる。
つぎに、加圧調整ボルト17の摘まみ部17aを掴み、かつ右回転させてリード4を所定の加圧力で加圧する。例えば、24MPaの加圧力が加わる状態で96時間加圧して、Snのウィスカの発生を増長させる。24MPaで96時間加圧する加速試験は、室温放置による加速試験の1500時間に略相当する。即ち、本加速試験装置による加速試験では、室温放置1500時間に比較して96時間と大幅に試験時間を短縮することができる。
ウィスカ観察工程では顕微鏡観察(顕微鏡写真観察)を行い、良否の判定を行う。例えば、ウィスカの発生数、ウィスカの長さの測定を行う。そして、例えば、ウィスカ発生数を数によってランクを付ける。また、ウィスカの長さをいくつかの長さに分け、発生したウィスカの最長の長さによってランク付けを行う。そして、前記ランクによって、製造される半導体装置の実装時のウィスカ発生の危険度をランク付けしてウィスカ良否判定を行う。
S106の判定工程で良と判定されたものは、その後リード成形(S107)の工程に搬送される。この成形工程では、リード長さの調整のための切断と、必要に応じてリードの成形を行う。
また、S106の判定工程で不良と判定されたものは、不良品廃棄(S108)の工程に搬送される。不良情報はS102のめっき処理工程にフィードバックされ、その後のめっき処理に反映される。即ち、不良情報に基づいてめっき膜形成工程におけるめっき膜形成条件が見直され、必要に応じて変更される。
本実施例によれば、以下の効果を有する。
(1)加圧調整ボルト17の中心軸18の延長上に被処理物である半導体装置2のリード4の加圧される領域の中心部が位置することと、下加圧端子5の加圧面9の幅は上加圧端子10の加圧面13の幅よりも狭くなることから、リード4を食い違えて挟むことなく、上加圧端子10に支持されるリード4を確実に下加圧端子5で挟み込むことができ、再現性良く加圧が可能になり、正確な加速試験が可能になる。
(1)加圧調整ボルト17の中心軸18の延長上に被処理物である半導体装置2のリード4の加圧される領域の中心部が位置することと、下加圧端子5の加圧面9の幅は上加圧端子10の加圧面13の幅よりも狭くなることから、リード4を食い違えて挟むことなく、上加圧端子10に支持されるリード4を確実に下加圧端子5で挟み込むことができ、再現性良く加圧が可能になり、正確な加速試験が可能になる。
(2)リード4を加圧する下加圧端子5及び上加圧端子10は細い帯状になっていることから、リード4に所望の大きな加圧力を加えることができ、所望の加速試験が可能になる。
(3)加圧調整ボルト17の回転に伴って上加圧端子10が回転しないように回転防止機構が設けられていることから、再現性良く加圧が可能になり、正確な加速試験が可能になる。
(4)ばね45に連動して移動する摺動子に設けられる目印48と、目印48の移動域に沿うように設けられるスケール(物差し)49とを有する撓み量測定機構を有していることから、加速試験が行われている状態でのばね45の原点からの撓み量、即ち摺動子の移動量を読み取ることができる。
(5)ベース部15にはロードセル60の厚さからリード4の厚さを引いた厚さの下加圧端子5を収容する収容部16が設けられている。従って、収容部16にロードセル60を収容して上加圧端子10を降下させて加圧してロードセル60によって加圧力を測定することができる。ばね45は比例定数が一定であることから、上記(4)のように加圧力と撓み量測定機構の目印48の移動量との相関を求めることができる。これにより、収容部16に下加圧端子5を収容させてリード4の加圧を行う際、上加圧端子10の移動量を撓み量測定機構の目印48の移動量から知ることができ、リード4に加えられている加圧力を正確に知ることができ、再現性良く加速試験を行うことができる。
(6)加速試験装置1を用いた半導体装置2のリード4におけるめっき膜のウィスカ評価方法では、加速試験時、リード4を上下から加圧するため、リード4の側面のめっき膜には圧縮応力が加わり、室温放置1500時間に相当するウィスカ発生試験が行える。この加速試験は96時間で極めて短時間で行えることになる。また、ウィスカの発生状況を顕微鏡で観察し、観察結果に基づいてめっき膜の評価を行うことができる。めっき膜評価は加速試験が極めて短時間に行えることから大幅に短時間で行うことができる。
(7)本発明による加速試験装置1は、単純な構造で機械的な圧縮応力を付与することができる。従って、加速試験装置1の製造コストも安価になり、半導体装置の製造コストの低減も可能になる。
図19は本発明の実施例2である加速試験装置の一部を示す模式図である。本実施例2の加速試験装置1は、多段に半導体装置2のリード4を加圧できるものである。本実施例2の加速試験装置1は実施例1の加速試験装置1において、積層連結加圧端子73を多段に配置したものである。
即ち、本実施例2の加速試験装置1は、図19(a),(b)に示すように、下加圧端子5と上加圧端子10との間に、下面に下加圧端子5と同じ加圧面を有する下加圧端子74を有し、上面に上加圧端子10と同じ加圧面を有する上加圧端子75を有する積層連結加圧端子73が1乃至複数重ねて取り付けられる構造となっている。
そして、下加圧端子5とその上段側の積層連結加圧端子73の上加圧端子75間にリード4を挟む。また、上加圧端子10とその下段側の積層連結加圧端子73の下加圧端子74との間にリード4を挟む。さらに、積層連結加圧端子73と積層連結加圧端子73間では下段側の積層連結加圧端子73の下加圧端子74と上段側の上加圧端子75との間にリード4を挟むようになっている。図19では積層連結加圧端子73は二段設けられている。
また、加圧を停止した際、下加圧端子(下加圧端子5または下加圧端子74)と、これに対面する上加圧端子(上加圧端子10または上加圧端子75)が引き放されるように、加圧開放用ばね76が配置されている。加圧開放用ばね76は、下加圧端子(下加圧端子5または下加圧端子74)及び上加圧端子(上加圧端子10または上加圧端子75)を支持する支持部77を貫通して設けられたガイド軸78の所定部に挿入配置されている。
これにより、一度に多数の半導体装置2のリード4の加速試験が可能になる。実施例ではリード4の厚さがそれぞれ異なるものを加速試験している。リード4の厚さは最も下の段は薄く、上の段に向かうに連れて厚くなっている。実施例では3種類の厚さの異なるリード4の加速試験を行う状態となっている。図19(a)は、加圧開放用ばね76によって開放状態にあり、半導体装置2の着脱が可能な状態を示す模式図である。図19(b)は各リード4を加圧する状態を示す模式図である。
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
1…加速試験装置、2…半導体装置、3…封止体、4…リード、4a…被処理物、5…下加圧端子、6…下加圧コマ、7…本体、9…加圧面、10…上加圧端子、11…上加圧コマ、12…本体、13…加圧面、15…ベース部、16…収容部、17…加圧調整ボルト、18…中心軸(中心線)、20…支柱、21…上ベース部、22…下ベース板、23…上ベース板、24…ビス、25…スプリングホルダー、26…ガイド穴、27…固定ボルト、28…下ブッシュ、29…下加圧シャフト、30…フランジ、31…上加圧コマホルダ、32,33,35,36…固定ボルト、40…下ばね受け、41…操作レバー、42…ガイド溝、43…ホルダー溝、45…ばね、46…上ばね受け、47…レバー、48…目印、49…スケール(物差し)、50…ブッシュホルダー、51…上ブッシュ、52…上加圧シャフト、53…フランジ、57…加圧ねじホルダー、58…固定ボルト、60…ロードセル、61…測定端子、62…溝、63…台座、64…コード、70…覗き窓、71…支柱、73…積層連結加圧端子、74…下加圧端子、75…上加圧端子、76…加圧開放用ばね、77…支持部、78…ガイド軸、80…リード、81…めっき膜(外装めっき)、81a…盛り上がり部、81b…圧縮変形部、82…ウィスカ、83…支持台、84…加圧端子
Claims (5)
- 表面にめっき膜を有する被処理物を上面に載置する下加圧端子と、
ばねによって弾発力を得て前記下加圧端子上の前記被処理物を加圧する上加圧端子と、
前記下加圧端子を支持するベース部と、
正回転及び逆回転操作によって回転し、正回転によって前記ばねを撓ませる加圧調整ボルトと、
前記加圧調整ボルト及び前記ばね並びに前記上加圧端子を支持する支持機構とを有し、
前記下加圧端子上の前記被処理物を前記上加圧端子で挟むように設定した後は、前記支持機構は前記設定を解除するまで一定の加圧力で前記被処理物を加圧できる構成になり、
前記下加圧端子の加圧面及び前記上加圧端子の加圧面は帯状になり、前記下加圧端子の幅は前記上加圧端子の加圧面の幅よりも狭くなり、
前記加圧調整ボルトの中心軸の延長上に前記被処理物の加圧される領域の中心部が位置することを特徴とする加速試験装置。 - 前記加圧調整ボルトの回転に伴って前記上加圧端子及び前記ばねが回転しないように回転防止機構を有することを特徴とする請求項1に記載の加速試験装置。
- 前記ばねの撓み量を読み取るための撓み量測定機構であり、前記ばねに連動して移動する摺動子に設けられる目印と、前記目印の移動域に沿うように設けられるスケールとを有することを特徴とする請求項1に記載の加速試験装置。
- 前記ベース部には収容部を有し、この収容部には前記下加圧端子またはロードセルが収容できる構造となり、前記下加圧端子の厚さは前記ロードセルの厚さから被処理物の厚さを引いた厚さに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加速試験装置。
- 前記下加圧端子と前記上加圧端子との間には、下面に前記下加圧端子と同じ加圧面を有する下加圧端子を有し、上面に前記上加圧端子と同じ加圧面を有する上加圧端子を有する積層連結加圧端子が1乃至複数重ねて取り付けられる構造となり、前記各下加圧端子とこの下加圧端子に対面する前記上加圧端子との間にそれぞれ前記被処理物を挟むように構成され、かつ下加圧端子とこれに対面する上加圧端子が加圧を停止した際、前記下加圧端子から上加圧端子を引き離す加圧開放用ばねが配置されていることを特徴とする請求項1に記載の加速試験装置。
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CN108776062A (zh) * | 2018-06-14 | 2018-11-09 | 鞍钢股份有限公司 | 一种拉伸试样夹持间隙调整与试样限位装置及方法 |
-
2004
- 2004-05-27 JP JP2004156975A patent/JP2005337881A/ja active Pending
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CN108776062B (zh) * | 2018-06-14 | 2020-09-01 | 鞍钢股份有限公司 | 一种拉伸试样夹持间隙调整与试样限位装置及方法 |
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