JP2005336709A - すきまパッド用袋およびそれを用いた設備の据付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】設備を水平性など所定の状態に据付した際に底面に生じるすきまを充填し、設備が大重量且つ大寸法あっても設備の底面に密接して全面を撓み無く均等に支えることができ、さらに周辺に突起物が無い硬化樹脂板を形成することができるすきまバッド用袋を提供する。
【解決手段】袋本体部の片面または両面の素材シート面に、空気は容易に通過し得るが注入した樹脂液は通過しても樹脂液が当該すきまパッド用袋から滴下するに至らない程度の遮断性を有する排気要素を、好ましくは樹脂液注入部位置から見て遠い領域および注入した樹脂液流の淀みが生じやすい領域により多く偏在するように配置する。さらに、硬化性の樹脂液を注入した後、樹脂が硬化する前に樹脂液注入部流路の途中部分を押し潰して外装部材の装着により閉止し、硬化後その閉止位置において樹脂液注入部流路を切除する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内部に硬化性樹脂液を注入しその樹脂液を硬化させて硬化樹脂板を形成させるすきまパッド用袋に関し、さらに詳しくは、製造設備や建造物等(以下、総称して「設備」という。)など水平性を重視する設備の底面を水平に調節してその底面とその装置の据付面との間のすきま部分に上記のすきまパッド用袋を挿入し、その中に硬化性樹脂液を注入し、硬化させて上記のすきま部分を充填するのに有用なすきまパッド用袋およびそれを用いた設備の据付方法に関するものである。
工場、研究室などにおいて製造装置、測定装置などの設備を導入して据え付ける際、あるいは、屋内または屋外において各種の物品、設備を施設する場合に、それらの設備全体を水平に維持することを求められる場合がある。しかしながら、工場、研究室における据付場所である床面自体あるいはその他の施設場所は一般的には必ずしも水平性が十分に確保されているとは限らない。このような場合、通常、一部を持ち上げて対象とする設備底面の角部などに、底面が長寸法の場合はさらに角部間の数カ所にスペーサーを差し込んだり、床面に敷設したアンカーボルトを用いてナットを上下調節して水平に保持する方法などが知られている。
しかし、据付ける設備が大重量物である場合であって、上記のスペーサーが設備自体の寸法に比べて小面積の板材の場合、設備の大重量による圧力がこの小面積のスペーサーを介して設備本体の底面および据付面の局部に偏在して掛かることになり、当該部分の据付面にへこみが生じたり、設備の据付面から浮き上がっている底面が経時的に撓んで設備全体として湾曲する原因となる。さらに、上記の小寸法の板材が接触している部分以外はすきまとして残り、掃除の死角となり、ゴミや埃の蓄積の原因となる。このようなすきまは、特に、据付場所がクリーンルームなどの場合は、クリーン度を維持する上で大きな障害となる。
上記の問題点を解決するために、形成されるすきまの形状に合わせて敷板を作製して挿入することが考えられるが、その形状を把握して敷板を作製することは時間と労力の大きなロスであり、特にその形状の表面形状が平面ではない場合はその形状を把握すること自体が大きな負担となる。また、上記のすきまを埋めるという観点からゴム板などの弾力性板材を挟み込む方法が考えられるが、上記の底面の撓みを抑制するには十分ではない。このようなすきまを充填する材料として、例えば、鉄道の軌道施設工事においてタイプレートと軌道パッドとの間に介装される樹脂液注入式可変パッドが知られている。この可変パッド(本発明におけるすきまパッド用袋)は、樹脂製袋内の樹脂液注入量により前記軌道パッド上のレールの高さを調節可能にする樹脂液注入式可変パッドであって、前記樹脂製袋は、対角位置に設けられた樹脂液注入口および空気抜き口と、他の対角位置に設けられ前記タイプレートのレール底部ガイド用突壁のレール長手方向の端縁に係合可能な突出部とを備えることを特徴とする樹脂液注入式可変パッドである旨記載されている(特許文献1)。かかる可変パッドの樹脂液注入口および空気抜き口は、この文献の説明図5によれば、袋本体部から突出して形成されている。
上記の可変パッド用袋への樹脂液の注入作業は、可変パッド用袋の空気抜き口を開いた状態で注入口から樹脂液を注入し、空気が抜けた状態で空気抜き口を閉じて注入量を制御することにより行われる旨記載されているが、空気抜き口が開いた状態で樹脂液を注入すると、樹脂液は、開口した空気抜き口の方向に流れやすく、例えば上記の注入口および空気抜き口が設けられる角部以外の角部は、樹脂液流れが淀み易い領域となり、内部に空気が残留し易いため樹脂液が行き渡りにくく、硬化して得られる硬化樹脂板には空気溜まりにより欠落部が含まれることになる。特に、大きな設備の底面に使用する場合は、樹脂が全面に行き渡り難い。
そのため、工事現場では、上記の空気抜き口の流路の開口状態を微調節しつつ樹脂液の注入速度を調節する必要があり、この場合は作業効率が著しく低下する。また、上記の注入口および空気抜き口は、樹脂液の硬化後に突出した形態のまま残ることになるが、かかる注入口および空気抜き口は、樹脂を注入して硬化した後は不要であり、好ましい外観でもなく、場合によっては邪魔になるが、硬化した樹脂板は硬いため切除が困難である。
特開平08−041803号公報
本発明は、据付する設備の底面と据付面との間に介在させて設備の水平性を調節するための硬化樹脂板を形成するのに有用なすきまパッド用袋において、上記の欠点を解消し、袋本体部全域に注入樹脂液が行き渡り、空気抜き口部の突起が無く、空気溜まりによる欠落部がない硬化樹脂板を形成するのに有用で且つ構造が簡易なすきまパッド用袋およびそれを用いた設備の据付方法を提供する。
本発明の第一の要旨は、内部に硬化性樹脂液を注入しその樹脂液を硬化させて硬化樹脂板を形成させる袋本体部と当該袋本体部の縁辺上に設けられた硬化性樹脂液注入部とを含むシート状のすきまパッド用袋において、その袋全体を構成する素材シートは注入した樹脂液に対して非漏洩性であり、上記の袋本体部の片面または両面の素材シート面に、空気は容易に通過し得るが注入した樹脂液は通過しても樹脂液が当該すきまパッド用袋から滴下するに至らない程度の遮断性を有する排気要素を、配置してなることを特徴とするすきまパッド用袋にある。
本発明の第二の要旨は、据付ける設備の底面とその据付基礎面との間のすきま部分に上記のすきまパッド用袋を挿入し、当該すきまパッド用袋の中に硬化性樹脂液を注入した後に硬化させて形成される硬化樹脂板によりすきま部分を充填することを特徴とする設備の据付方法にある。
本発明のすきまパッド用袋は、設備を据え付ける際、その底面の下に形成されるすきまに本発明のすきまパッド用袋を挿入し、硬化性樹脂液を注入し硬化させて形成される硬化樹脂板により上記のすきまを充填させる場合に利用できる。その場合、空気溜まりによる欠落部がない硬化樹脂板を形成することができ、設備底面下のすきまが完全に充填されるため、従来のような塵や埃が積もることはなく、据付面がクリーンルーム中にある場合であってもクリーン度を損なう原因とはならない。また、設備が大重量且つ大寸法であっても、上記のすきまは硬化樹脂板により完全に充填されており、設備の底面形状に密接して全面を均等に支えることができるため、設備が撓むことが無く、精密に水平性を保持することができる。また、据付面にはスペーサーによる局部的な圧力が掛からないため、設備撤去後に局部的押し跡が残らない。さらに、外向きに突出した空気抜き口が無く、樹脂液注入部流路については、硬化性の樹脂液を注入し樹脂が硬化する前に樹脂液注入部流路の途中部分を押し潰して閉止し、その状態で上記樹脂液を硬化させることにより樹脂液硬化後に容易に切除することができ、周りに突起物がなく外観がすっきりした硬化樹脂板とすることができる。
本発明のすきまパッド用袋は、袋本体部と、この袋本体部への硬化性樹脂液注入部と、排気要素とを有する。
上記のすきまパッド用袋の形状は、特に制限されず、円形、楕円形、三角形、長方形、菱形、五角形、その他多角形、あるいはその他の異形であってもよいが、設備の据付工事の際、設備と据付面との間に介在させる場合は、その設備の底面の形状に合わせるのが好ましく、その場合の具体的な寸法は、特に限定されない。
上記のすきまパッド用袋を構成する素材シートは、上記の注入した樹脂液が漏洩せず、硬化時の発熱による上昇温度に対する耐熱性を有し、且つ長期使用に耐えられる強度と耐久性を有する素材からなる。かかる素材シートとしては、特に限定するものではないが、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂から成るフイルム;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂から成るフイルム;6ナイロン(6Ny)、66ナイロン(66Ny)等のポリアミド樹脂から成るフイルム;ポリイミド(PI)樹脂から成るフイルムなどを挙げることができる。なかでも、耐熱性、強度、耐久性の観点からポリアミドフィルムが好適である。さらにこれらの1種以上のフイルムをラミネートした多層シートも使用することができる。上記のラミネートを行う場合は、必要によりラミネートする各表面にコロナ処理などの表面処理を行うことができる。
上記の素材シートにおいて、後述のようにすきまパッド用袋の袋構造を熱シールにより形成する場合は、片面に熱シール性層を有する樹脂層をラミネートする。かかる熱シール性層を構成する樹脂としては、シール温度が前記の注入する硬化性樹脂液の硬化時の昇温温度より高いものが適宜選択して使用され、具体的には、例えばエチレン酢酸ビニル樹脂(EVA)を挙げることができる。また、上記の素材シートの最外層が吸湿性樹脂のフイルム層である場合、中でも特に吸湿によりカールしやすい二軸延伸ポリアミドフイルムの場合は、その表面上にさらに防湿性フイルム層をラミネートして吸湿を抑制するのが好ましい。かかる防湿性フイルムとしては、例えば二軸延伸ポリプロピレンフイルム(OPPフイルム)を挙げることができる。
上記の各フイルムをラミネートして上記の素材シートを製造する方法は特に制限されず、公知の方法を適用することができるが、具体的には、例えば、一方のフイルムの表面に接着剤を塗布した後に他のフイルムを接合するラミネート方法、および、一方のフイルムの表面に接着性樹脂を溶融押し出して接着層を形成しつつ他方のフイルムをラミネートする方法を挙げることができる。
上記のすきまパッド用袋の袋構造は、上記の素材シートを折り曲げ、又は2枚を重ね合わせ、目的とする袋の寸法に合わせて接着剤を用いて周辺開口部を接合して形成してもよいが、各素材シートとして片面に熱シール性層をラミネートしたものを使用し、その両素材シートの各熱シール性層面を対面させて両層を熱シールするのが実用的である。上記の熱シールの方法としては、特に制限されないが、特に多数枚を作製する場合は、例えば、当該シール部形状に応じた熱シールエッジを有する熱シーラーを用いる方法が実用的であり、その際、上記の熱シールエッジの隣接外周部に溶断用熱ブレードが併設されているものを使用して、熱シールと同時に型抜きするのが実用的である。
上記の素材シートからすきまパッド用袋を形成する際、据付対象の設備が大重量である場合は、形成される硬化樹脂板の補強のために、袋構造を形成する際に、両素材シート間の袋本体部となる部分にあらかじめ繊維層を挟み込んでおき、袋構造内に封入しておくのが望ましい。注入された樹脂液がこの繊維層と一体化することにより形成される硬化樹脂板は繊維補強樹脂(FRP)となる。上記の補強用の繊維層を袋本体部内に封入する際、上記の熱シール前に封入載置する位置に繊維層を構成するシート材料を点熱接着などの方法により熱シール性層に仮固定して、位置ズレを防止するのが好ましい。
上記の補強用の繊維層としては、必要とする補強効果に応じて適宜選択され、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、ポリイミド繊維その他各種の耐熱性がある高強度繊維が挙げられるが、中でも、補強効果およびコスト等を勘案して、ガラス繊維が実用的である。また、上記繊維層の形態は、カット繊維分散体、長繊維の塊状体、長繊維の不織布および長繊維の織布が挙げられるが、設備の据付工事の際、設備底面と据付面との間に介在させてすきまを充填する場合は、一枚の織布でも補強効果があり、取り扱いも容易である。上記のガラス繊維等の織布の坪量は、通常100〜500g/m程度である。
また、樹脂液注入部は上記の袋本体部の縁辺上に設けられる。かかる樹脂液注入部の先端断面形状は、特に制限されないが、汎用的には円形である。しかし、正方形、長方形、その他の異形でもよい。上記の形状を実現する具体的な方法として、上記の樹脂液注入部の先端部に、断面形状の開口部を有する注入口管状部材を結合する方法が挙げられる。そしてその際、当該管状部材の樹脂液のすきまパッド用袋内部への流出口には注入する樹脂液の逆流を防止するための逆止弁等が付設されているのが好ましい。
また、上記の樹脂液注入部の取付位置は必ずしも限定されるものではないが、注入した樹脂液が袋本体部内により均一に広がるように、その袋本体部内の角部または注入した樹脂液流の淀みが生じやすい位置の近辺が好ましい。そしてその取付方法も特に制限されないが、例えば上記のすきまパッド用袋の辺縁部の上面および下面を構成する両素材シート間を広げて開口させ、その開口部間に上記の管状部材を挿入し、開口を構成する素材シートの熱シール性層で管状部材を包囲するようにして熱溶着により接合して袋本体部と結合することができる。
あるいは、別の樹脂液注入部の取付方法として、上記の管状部材の取付のための素材シートの開口部を袋本体部から突出させた形の樹脂液注入部流路を形成し、この流路の先端部に上記の管状部材を挿入し、素材シートの内面の熱シール性層で包囲するようにして熱溶着により接合して結合することもできる。以上のようにして製造されたすきまパッド用袋を使用した場合、硬化性の樹脂液を注入して樹脂が硬化する前に樹脂液注入部流路の途中部分を押し潰して外装部材の装着により閉止し、その装着状態で上記樹脂液を硬化させて硬化樹脂板を形成させた後に上記の外装部材を取り外すことにより、当該途中部分において樹脂液注入部流路を容易に切除することができる。この結果、樹脂液注入部流路の突出した部分を除去することができ、工事後の出っ張りが目立たなくなる。
上記の袋本体部の片面または両面の素材シート面に配置されている排気要素は、空気は容易に通過し得るが注入した樹脂液は通過しても樹脂液が当該すきまパッド用袋から滴下するに至らない程度の遮断性を有するものであり、より具体的には、穿孔された小孔、または樹脂液注入時に生ずる内圧により開口する素材シート面に施された切り込みを挙げることができる。また、上記の小穴と切り込みを併用することもできる。
上記の穿孔された小孔の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、円形、半円形、扇型、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、星形、くり抜いた「+」字型などを挙げることができる。そして円の半径、四辺形の辺の長さ等の寸法は、空気は容易に通過し得るが注入した樹脂液は通過しても樹脂液が当該すきまパッド用袋から滴下するに至らない程度の遮断性とされるが、具体的には例えば、0.05〜1mm程度の範囲とされる。
また、上記の樹脂液注入時に生ずる内圧により開口する素材シート面に施された切り込みの形状としては、特に限定されるものではなく、例えば「−」、「+」、「>」、「U」、「コ」、「S」、「T」等の字形、および円弧形が例示される。素材シート面への上記の形状の切り込み線により舌状部が形成され、袋本体部に内圧が掛かったときこの舌状部先端が素材シート面上に飛び出すように変位して開口部が形成される。上記の切り込みの長さ又は寸法は、空気は容易に通過し得るが注入した樹脂液は実質的に通過しない程度、すなわち、注入した樹脂液は通過しても樹脂液が当該すきまパッド用袋から滴下するに至らない程度の遮断性の寸法とされ、注入された樹脂液の粘弾性により適宜設定されるが、具体例としては、0.05〜1mm程度の範囲とされる。
本発明のすきまパッド用袋の主要用途である設備の据付工事の際、設備と据付面との間に介在させてすきまを充填する場合では、上記の硬化樹脂板が形成されるときに、すきまパッド用袋と硬化樹脂板とからなるパッドの袋の上下両面から多少の樹脂が漏れ出ることがあるが、すきまパッドを漏れ出た樹脂がすきまパッドと据付面および/またはすきまパッドと設備底面との間の接着効果を発揮し、設備の固定効果をもたらす。しかしながら、かかる接着効果を避けたい場合は、パッド表面と据付面および/または設備底面間に薄いフイルム等を介在させることができる。さらに、少量の樹脂の漏出は、すきまパッド用袋のしわやスペーサー若しくはアンカーボルト/ナットとすきまパッド用袋との間などの所期せざるすきまの充填にも効果的に機能することもある。
また、上記の排気要素の配置数は、樹脂液の注入に支障がない程度の数とされ、具体的には、パッドの面積、各小孔および各切り込みから形成される各開口部の面積、注入速度により適宜決定することができるが、例えば、パッドの面積に対する上記の各開口時の総面積の割合を0.05%〜10%程度にすることができる。
また、上記の小孔または切り込み等の排気要素は、袋本体部の全面に均等に分布させることもできるが、樹脂液注入部位置から見て遠い領域および注入した樹脂液流の淀みが生じやすい領域に対応する素材シート面に、より多く偏在するように配置するのが好ましい。上記の遠い領域および淀みが生じやすい領域とは、例えば袋本体部の形状が四角形であって且つ上記樹脂液注入部が通常一つの角部に取り付けられる場合は、上記の遠い領域は樹脂液注入部の角部から見て対角線方向の角部の近辺であり、また、上記の淀みが生じやすい領域は樹脂液注入部の角部と遠い位置の角部以外の角部の近辺であり、さらにスペーサーを使用して水平性を調節した場合は樹脂液注入部位置から見て影となる領域も淀みが生じやすい領域となる。
上記の排気要素の偏在の程度は、袋本体部の形状と樹脂液注入部の取付位置により適宜選択されるが、上記のように、例えば袋本体部の形状が四角形であり樹脂液注入部がその内の一つの角部に取り付けられている場合は、例えば、上記の各角部を中心とし隣接する近い方の角部までの距離の3分の1に相当する距離を半径として描いた4分の1の円である扇状部に、全面の排気要素の平均密度の2倍以上とか、3倍以上となるように配置される場合を挙げることができる。この様に偏在させることにより、注入された樹脂液はすきまパッド用袋の袋本体部内の遠い領域および注入した樹脂液の流れの淀みが生じやすい領域にも空気溜まりが生ぜず、従って欠落部がない硬化樹脂板を含むパッドが製造される。
以下に、本発明を図1および図2を参照しつつ実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により限定されるものではない。
(素材シートの製造)
ポリエステル樹脂70質量%とエポキシ樹脂30質量%との混合物であるAD76PI(東洋モートン株式会社製)100質量部とイソシアネート(CAT10、東洋モートン株式会社製)7質量部とを、酢酸エチル/メチルエチルケトンの1/1質量比混合溶媒に溶解して固形分が25質量%の接着層塗布液を調製した。上記の接着層塗布液を、50℃のロールラミネーターを用いて片面をコロナ処理した厚さ20μmのOPPフイルムの当該コロナ処理面に、乾燥後の厚さが4μmとなるように塗布して厚さ20μmのナイロンフイルム(レイファン1401,東レ株式会社製)を貼り合わせてラミネートフイルムを得た。当該ラミネートフイルムのナイロンフイルム層側表面に、接着層として加熱溶融した接着性ポリエチレン樹脂(スミカセン11P、三井住友ポリオレフィン株式会社製)を厚さ18μmとなるように溶融押出しつつ厚さ90μmのLDPEフイルム(V−2、タマポリ株式会社製)を重ね合わせてラミネートし、次いで同様に接着性ポリエチレン樹脂を溶融押出しつつ厚さ100μmのEVAフイルム(SB−5、タマポリ株式会社製)を重ね合わせてラミネートして、片面が熱シール性層である全体として厚さ270μmの多層の素材シートを得た。
(すきまパッド用袋の作製)
上記の多層の素材シート2枚を熱シール性層が対面するように上下に重ねて平面上に敷き広げ、据付設備の底面寸法に合わせた長さ2m、幅1mの長方形の袋本体部11と樹脂液注入口の流路としての幅20mm、長さが50mmの突出した注入部流路12を含む図1に示すような形状の輪郭に裁断して袋の両面に使用する2枚の素材シート11とした。上記の裁断した素材シート11の内の1枚について、図1に示したように、注入部流路12を配置する角部以外の3つの角部領域14、15になる位置および注入部流路12から見てスペーサーの影となる隅に偏在するように、加熱した「V」字型ブレードで打刻して「V」字型切り込みを設けた。また、他の1枚の素材シート11の熱シール性層の上に、坪量が324g/m、長さ1.95m、幅0.95mのガラス長繊維から成るガラス繊維織布17を中央部に配置した後、ガラス繊維織布17の表面の2カ所を加熱した鉄棒の先端で押圧して熱シール層とガラス繊維織布表面とを点状に熱融着させて位置を固定した。
上記のガラス繊維織布17を熱融着した素材シート11と上記の「V」字型切り込みを設けた素材シート11とをその熱シール性層が上記のガラス繊維織布側に対面するように重ね合わせた状態で、突出した樹脂液注入部流路12の先端辺のみを除いて全辺縁輪郭部を、加熱した幅3mmの熱シールバーを用いて熱シールして、すきまパッド用袋10の袋本体部11を形成した。また、熱シールをしないで開口部のままとなっている上記の注入部流路12の先端部から、注入口管状部材18として外径8mm、内径5mm、長さ31mmの一方の開口部に逆止弁19が付設されたポリエチレン製円管18を、逆止弁19が袋本体内部側になる向きに且つ外側の先端が5mm突出するように挿入し、その円管が素材シートで包囲されている部分を熱溶着により包着して本発明のすきまパッド用袋10を得た。
(設備の据付)
縦2m、横1mの長方形の形状を有するやや斜面となっている据付面24に、上記のすきまパッド用袋10を、その注入部12が上記の斜面の低い側になるように且つ上記のV字型切り込み16を設けた素材シート面が上側となるように敷き広げ、その上に、上記のすきまパッド用袋の本体部と同寸法の厚さ20μmの二軸延伸ポリプロピレンフイルムを重ねて載置した後、設備としての底面が縦2m、横1mの長方形の形状を有する質量約500Kgの箱形の設備22を載置した。次いで、上記の箱形の設備22の斜面の低い側にある底面部分をクレーン(図示せず)を用いて持ち上げて底面全体が水平になるよう調節し、その結果浮き上がっている底面の3カ所の隅部の下に種々の厚さの鉄製のスペーサー21を積み重ねて挿入し、水平性を保持した。ただし、樹脂液注入部流路12が置かれる隅部のスペーサー21は、樹脂液注入部流路12の位置を避けるようにやや辺上の中央側にシフトした。上記の3カ所のスぺーサー積み重ねの中で最も厚いスペーサー積み重ねの厚さは8mmであった。そして、上記のスペーサー積み重ね部以外の底面と据付面との間には、全体として図2に示すように、三角スリット状のすきまが生じていた。
上記のすきまパッド用袋10の注入口管状部材18から、不飽和ポリエステル35質量%、ウレタンプレポリマー20質量%およびスチレン45質量%からなる混合液100質量部にメチルエチルケトンパーオキサイド3質量部を添加した硬化性プレポリマー樹脂液を、樹脂液注入装置(図示していない)を経て加圧注入した。袋本体部11内に注入された樹脂液は遠い位置14および淀みが生じやすい位置15である各角部にも淀みなく行き渡った。注入の直後に外装部材として目玉クリップ20を図1の流路部の途中部分20の位置に装着し、その状態で注入した樹脂液を硬化させた。樹脂液がほぼ硬化した後、上記の目玉クリップ20を取り外し、突出している樹脂液注入部流路12を当該途中部分20の位置で切除した。
樹脂液が十分硬化した後、上記の箱形の設備22の底面の周辺を観察したところ、前記の三角スリット状のすきまは硬化樹脂板23を内蔵するパッドで完全に充填されていた。次いで、上記の箱形の設備22を撤去して、現れた硬化樹脂板23を内蔵するすきまパッドの表面を観察したところ、硬化樹脂板23中に残留した気泡に基づく欠落部は認められなかった。
本発明のすきまパッド用袋は、内部に硬化性樹脂液を注入して硬化させることにより、空気溜まり等による欠落部がない硬化樹脂板を形成させることができるため、設備が大重量且つ大寸法であっても、設備を水平性など所定の状態に保持して据付した際に底面に生じるすきまを完全に充填し、設備の底面に密接して全面を撓み無く均等に支えることができ、長期間にわたって設備の水平性など所定の状態に精密に維持することができる。そして、上記のすきまは硬化樹脂板により完全に充填されているため従来のような塵や埃が積もることはなく、据付面がクリーンルーム中にある場合であってもクリーン度を損なう原因と成らない。また、周辺に突起物が無い硬化樹脂板とすることができるため、外観もすっきりしたものとなる。
実施例において作製したすきまパッド用袋の構成の説明図。 実施例において据付が完了したときの層構造の説明図。
符号の説明
10:すきまパッド用袋
11:袋本体部
12:樹脂液注入部流路
13:辺縁の熱シール部
14:遠い領域の角部
15:淀みが生じ易い領域の角部
16:排気要素(V字型切り込み)
17:補強用の繊維層(ガラス繊維織布)
18:注入口管状部材(ポリエチレン製円管)
19:逆止弁
20:流路の途中部分(装着したクリップ)
21:スペーサー積み重ね
22:箱状の設備
23:硬化樹脂板
24:据付面

Claims (10)

  1. 内部に硬化性樹脂液を注入しその樹脂液を硬化させて硬化樹脂板を形成させる袋本体部と当該袋本体部の縁辺上に設けられた硬化性樹脂液注入部とを含むシート状のすきまパッド用袋において、その袋全体を構成する素材シートは注入した樹脂液に対して非漏洩性であり、上記の袋本体部の片面または両面の素材シート面に、空気は容易に通過し得るが注入した樹脂液は通過しても樹脂液が当該すきまパッド用袋から滴下するに至らない程度の遮断性を有する排気要素を、配置してなることを特徴とするすきまパッド用袋。
  2. 排気要素が、穿孔された小孔、または袋本体部の内圧により開口し得る切り込みであることを特徴とする請求項1に記載のすきまパッド用袋。
  3. 樹脂液注入部位置から見て遠い領域および注入した樹脂液流の淀みが生じやすい領域に対応する素材シート面に、排気要素がより多く偏在するように配置されてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のすきまパッド用袋。
  4. すきまパッド用袋を構成する素材シートの片面が、熱シール性層であり、すきまパッド用袋の袋構造が、当該素材シートの両熱シール性層面を相互に対面させて熱シールして形成されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記載のすきまパッド用袋。
  5. 素材シートが、熱シール性層とポリアミドフイルム層を含む層からなることを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載のすきまパッド用袋。
  6. ポリアミドフイルムを介して熱シール性層と対抗する面が防湿性フイルム層であることを特徴とする請求項5に記載のすきまパッド用袋。
  7. 防湿性フイルムが二軸延伸ポリプロピレンフイルムであることを特徴とする請求項6に記載のすきまパッド用袋。
  8. 素材シートの層構成が、順に二軸延伸ポリプロピレンフイルム/ナイロンフイルム/低密度ポリエチレンフイルム/エチレン酢酸ビニルフイルムであることを特徴とする請求項1から7に記載のすきまパッド用袋。
  9. 据付ける設備の底面とその据付面との間のすきま部分に請求項1から8までのいずれか一つに記載のすきまパッド用袋を挿入し、当該すきまパッド用袋の中に硬化性樹脂液を注入した後に硬化させて形成される硬化樹脂板によりすきま部分を充填することを特徴とする設備の据付方法。
  10. 硬化性樹脂液を注入した後、当該樹脂液が硬化する前に樹脂液注入部流路の途中部分を外装部材の装着により押し潰して閉止し、その装着状態で上記樹脂液を硬化させて硬化樹脂板を形成させた後に上記の外装部材を取り外し、当該途中部分において樹脂液注入部流路を切除することを特徴とする請求項9に記載の設備の据付方法。
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