JP2005333576A - 画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム - Google Patents

画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】記録媒体上の形成画像を走査して読み取った画像を表現した画像データを生成する際、モアレの抑制された高画質の画像を表現した画像データを得ることを課題とする。
【解決手段】画像データを生成する解像度を設定する際、形成画像I1に存在する周期パターンを表す周期情報fd,θに基づいて生成する画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度Rsを設定し、記録媒体M1上の形成画像I1を走査して読み取り、設定された解像度Rsにて当該読み取った形成画像が表現された画像データを生成する。形成画像I1の種類毎に対応する各周期情報を記録した周期情報記録領域を設け、読み取る対象の形成画像I1の種類に対応する周期情報fd,θを周期情報記録領域に記録された各周期情報の中から取得してもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、記録媒体上の形成画像を走査して読み取った画像を表現した画像データを生成する画像生成装置、画像生成方法および画像生成プログラムに関する。
従来より、スキャナを用い、印刷媒体上に印刷された印刷画像を走査(スキャン)して読み取り、印刷画像を画素毎に例えばRGB(赤、緑、青)毎の階調値で表現した画像データを生成している。スキャナを接続したコンピュータシステムでは、ディスプレイやプリンタ等の画像出力装置から当該画像データに基づく画像を出力している。ここで、印刷画像が網点(あみてん)構造等の点の集合で形成されていると、画像生成装置や画像出力装置に固有の点の集合パターンとの間で干渉が発生し、モアレパターン(干渉縞)が生じることがある。なお、モアレとは本来の模様とは異なる大きな周期構造をもつ模様が観察される現象のことをいい、大きな周期の模様をモアレ縞という。
特許文献1には、モアレを画像データの作成段階で確認できるようにする技術が記載されている。
特許文献2には、エッジ画素かモアレ画素か中間画素かを判別し、モアレ画素と判別した場合に平滑化フィルタを用いてモアレを低減させることが記載されている。
特許文献3には、入力されたRGB画像を解析し、空間周波数と角度を求め、印刷に用いる複数のスクリーンパターンの中から最も角度差の大きいスクリーンパターンを選択してハーフトーン処理を行うことが記載されている。
特許文献4には、モアレが生じる画像であるか否かを判別し、モアレが生じる画像には誤差拡散法を用い、生じない画像にはPWM法を用いてハーフトーン処理を行うことが記載されている。
特開平10−150572号公報 特開2000−324340号公報 特開2001−45306号公報 特開2001−218041号公報
しかし、スキャナに画像データを生成させる段階でモアレを回避したスキャン画像の画像データを得ることができなかった。すなわち、特許文献1記載の技術はモアレを確認することができるのみであり、特許文献2記載の技術はモアレ画素に対して平滑化する処理が必要であり、特許文献3記載の技術は印刷に用いる複数のスクリーンパターンを用意する必要があり、特許文献4記載の技術は複数のハーフトーン処理を用意する必要がある。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、記録媒体上の形成画像を走査して読み取った画像を表現した画像データを生成する際、モアレの抑制された高画質の画像を表現した画像データを得ることを目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するため、本発明は、記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、変更可能に設定された解像度にて当該読み取った形成画像を画素毎の階調データで表現した画像データを生成する画像生成装置であって、解像度設定手段と画像生成手段とを具備することを特徴とする。
上記解像度を設定する際、上記解像度設定手段により、上記形成画像に存在する周期パターンを表す周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないような解像度に設定される。すると、上記画像生成手段により、上記記録媒体上の形成画像が走査されて読み取られ、上記設定された解像度にて当該読み取られた形成画像を表現した上記画像データが生成される。
生成された画像データはモアレを生じさせないような解像度の画像データとされるので、記録媒体上の形成画像を走査して読み取った画像を表現した画像データを生成する際、モアレの抑制された高画質の画像を表現した画像データを得ることが可能となる。その結果、画像データに基づいて出力される出力画像は、モアレが低減され、良好な画質とされる。なお、画像データを生成する際には、平滑化等の処理を行う必要は無い。
すなわち、従来のように画像に生じたモアレを画像処理により低減させるのではなく、自動的にモアレが生じにくい解像度に設定して形成画像を走査して画像データを生成しているので、モアレを低減させる処理を行う必要なくモアレが抑制された出力画像を得ることができる。従来であれば、モアレを避けた出力画像を表現する画像データを生成するため解像度を変える試行錯誤を行う必要があったが、本発明により自動的にモアレが軽減される出力画像を表現した画像データを得ることが可能となる。
上記解像度設定手段は、上記形成画像に存在する周期パターンを表す周期情報を取得する周期情報取得手段と、上記解像度を設定する際、同周期情報取得手段にて取得された周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定する設定手段とを備える構成としてもよい。
上記記録媒体は、印刷用紙など画像が印刷される印刷媒体、凹凸等により画像が形成される画像形成用媒体、等が考えられる。
上記形成画像が網点構造等の点の集合で形成された画像であると、比較的モアレが生じやすい画像であるため、このような形成画像に本発明を適用すると好適である。
上記画素毎の階調データは、例えば画像を表現する各要素色毎の階調値からなるデータとすることができる。同画素は、画像を表現できる数であればよく、複数画素の構成とすることができ、例えば4×4画素、8×8画素のような小画像を表現するものでもよい。
上記形成画像は上記記録媒体上で所定間隔とされた点の集合で形成されるとともに、上記周期情報は同形成画像に存在する点の集合に由来する周波数を少なくとも含む情報とされる場合、上記解像度設定手段は、上記モアレを生じさせないような解像度として、設定可能な解像度のうち、上記周波数のN倍(Nは1以上の整数)から所定範囲内を除く周波数の解像度に設定してもよい。形成画像に存在する周波数の整数倍近傍でモアレが生じやすいため、確実にモアレの抑制された高画質の画像を得る具体例を提供することができる。
ここで、上記周期情報は、上記記録媒体上に形成された形成画像を走査して読み取った画像を表現した画像データをフーリエ変換して得られる周波数を少なくとも含む情報とされてもよい。フーリエ変換を用いると正確に画像データの周波数を得ることができるので、より確実にモアレの発生を抑制して高画質の画像を得ることが可能となる。
また、周期情報を周波数および当該周波数の角度を少なくとも含む情報とし、形成画像上での同角度の方向において同周波数のN倍から所定範囲内を除く周波数となる解像度に設定してもよい。周期の向きが考慮されて解像度が設定されるので、より確実にモアレの抑制された高画質の画像を得ることが可能となる。
ここで、上記周期情報は、上記記録媒体上の形成画像を走査して読み取った画像を表現した画像データを二次元フーリエ変換して得られる空間周波数および当該空間周波数の角度を少なくとも含む情報とされてもよい。二次元フーリエ変換を用いると正確に画像データの空間周波数と角度を得ることができるので、さらに確実にモアレの発生を抑制して高画質の画像を得ることが可能となる。
さらに、上記周波数のN倍から所定範囲内を除く周波数の解像度であって最大の解像度に設定してもよい。さらに確実にモアレが生じなくなるので、さらに良好な画質の画像を得ることが可能となる。
上記周期情報は、上記形成画像を表現する各要素色毎に同形成画像に存在する点の集合に由来する周波数を少なくとも含む情報とされ、上記解像度設定手段は、上記設定可能な解像度のうち、上記各要素色の全てについて上記周波数のN倍から所定範囲内を除いた周波数の解像度に設定する構成としてもよい。色の違いによりモアレの生じる解像度が異なることがあるので、さらに確実にモアレの生じない高画質の画像を得ることが可能となる。
上記画像生成手段は所定間隔で配置された複数のCCD素子からなるセンサを有するスキャナを備え、当該スキャナはCCD素子の配置間隔に対応した画素毎の階調データで表現した中間画像データを生成するとともに当該中間画像データに対して所定の画素補間処理を行って上記設定された解像度の画像データを生成し、上記解像度設定手段は上記CCD素子の配置間隔に相当する解像度を上限として上記解像度を設定してもよい。所定の画素補間処理を行うという汎用的な構成で設定された解像度の画像データを容易に生成する具体例を提供でき、CCD素子の配置間隔に相当する解像度を上限とするため良好な画質の画像を得ることができる。
上記画素補間処理は、複数の画素の階調データを用いて所定の補間演算を行う補間処理であればよく、バイリニア法やバイキュービック法等による補間処理が考えられる。
むろん、複数のCCD素子からなるセンサに導く光の拡大率を変更する機構により解像度を変更して画像データを生成する構成としてもよい。
上記解像度設定手段は、所定の解像度にて読み取った形成画像を表現した解像度設定用画像データを生成し、当該解像度設定用画像データを用いて同形成画像に存在する周期パターンが表された上記周期情報を取得するとともに、当該周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないような解像度に設定してもよい。形成画像の周期パターンが分かっていないときでも、実際の形成画像を所定解像度でプレ走査することによって、モアレの抑制された高画質の画像を得ることが可能となる。
また、上記解像度設定手段は、上記形成画像と同じ周期パターンであって上記記録媒体上に形成された標準画像を走査して読み取り、解像度設定用画像データを生成してもよい。実際の形成画像に存在するモアレを生じさせないパターンの影響を無くすことができるので、より確実にモアレの生じない高画質の画像を得ることが可能となる。
ところで、上記形成画像の種類毎に対応する各周期情報を記録した周期情報記録領域をさらに備え、上記解像度設定手段は、上記解像度設定用画像データに基づいて上記画像生成手段にて読み取る対象の形成画像の種類に対応する周期情報を上記各周期情報の中から取得する構成としてもよい。各周期情報の中から形成画像の種類に対応する周期情報を取得するという簡易な構成で、容易にモアレの抑制された高画質の画像を得ることが可能となる。
上記周期情報が形成画像の種類毎に標準画像の画像データを二次元フーリエ変換して得られる空間周波数および当該空間周波数の角度を少なくとも含む情報とされる場合、上記解像度設定手段は、上記解像度設定用画像データを二次元フーリエ変換し、得られる空間周波数および当該空間周波数の角度を上記周期情報と対比して上記種類毎に一致度合を求め、最も一致度合の大きい周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないような解像度に設定してもよい。二次元フーリエ変換を用いると正確に画像データの空間周波数と角度を得ることができるし、二次元フーリエ変換を用いて周期情報記録領域に記録された周期情報を用いているので、より正確に形成画像の周期パターンを特定することができ、より確実にモアレの生じない高画質の画像を得ることが可能となる。
上記周期情報記録領域が形成画像の種類毎に対応する設定解像度を記録してある場合、この周期情報記録領域を参照して上記形成画像の種類に対応する設定解像度に設定してもよい。周期情報記録領域を参照すれば素早く形成画像の種類に対応する解像度に設定することができるので、画像データを生成する処理を高速化させることが可能となる。
さらに周期情報記録手段を備えていると、周期情報を更新することができるので、本画像生成装置を使用する際の利便性を向上させることができる。
上述した画像生成装置は、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもある等、各種の態様を含む。例えば、印刷装置を備える印刷システムとしても適用可能である。また、上記画像生成装置の構成に対応した所定の手順に従って処理を進めていくことも可能であるので、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項13にかかる発明も、同様の作用、効果を有する。さらに、上記画像生成装置にて制御プログラムを実行させる場合もあるので、請求項14に記載したプログラムや、同プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、同様の作用、効果を有する。むろん、請求項2〜12に記載した構成を印刷システムや画像生成方法やプログラムや記録媒体に対応させることも可能である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)画像生成装置を含む印刷システムの構成:
(2)簡易な画像生成処理:
(3)周期情報記録領域を参照する画像生成処理:
(4)変形例:
(1)画像生成装置を含む印刷システムの構成:
図1は本発明の一実施形態である画像生成装置U0の構成図であり、図2は本実施形態において本発明の画像生成装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10およびカラースキャナ40、画像出力装置(印刷手段)となるカラー印刷可能な印刷装置20、等から構成された印刷システムを示している。PC10では、バス10aにCPU11、ROM12、データ13a〜d等が一時的に格納されるRAM13、ドライブ15,16、インターフェイス(I/F)17a〜e等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)14も接続され、CPU11がPC全体を制御する。むろん、PC以外のコンピュータを用いてもよい。
HD14にはオペレーティングシステム(OS)やアプリケーションプログラム(APL)等が記憶されており、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。HD14は、本発明の画像生成プログラム、情報T1,14a等を記憶した所定の記憶領域とされている。本プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。本プログラムを記録した媒体は、HD以外にも、CD−ROM15a、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17dをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
I/F17a(例えばUSB I/F)には、スキャナ40が接続されている。CRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該データに対応する画像を表示するディスプレイ18aが接続され、入力I/F17cにはキーボード18bやマウス18cが操作用入力機器として接続され、プリンタI/F17eにはケーブル(例えばシリアルI/Fケーブル)を介して印刷装置20が接続されている。
印刷装置20としては、例えば、CMYRVK(シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、バイオレット、ブラック)の各色に対応してそれぞれ設けられたインクカートリッジ28に充填された液体のインクを印刷ヘッドから吐出して、印刷用紙(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することによりカラー画像を表現した印刷データに対応する印刷画像を印刷するインクジェットプリンタを採用可能である。むろん、ライトシアン、ライトマゼンタ、ライトブラック、ダークイエロー、無着色インク、等も使用するプリンタや、CMYRVKのいずれかのインクを使用しないプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用するレーザープリンタ、等も採用可能である。
印刷装置20では、バス20aを介して各部21〜27等が接続され、CPU21がROM22に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。印刷装置20は、プリンタI/F17eに接続された通信I/O24を介してPC10から送信される色別のラスタデータを受信する。ASIC26がラスタデータに対応する印加電圧データを生成すると、ヘッド駆動部26aは、同印加電圧データから印刷ヘッド29a〜fに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、カートリッジ28の充填室に装填された各インクを対応するヘッド29a〜fからドット単位で吐出させる。I/F27に接続されたキャリッジ機構27aや紙送り機構27bは、印刷ヘッドユニット29を主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出す副走査を行ったりする。
図3と図4に示すスキャナ40には、図示を省略したケーシングの上面に板状の透明ガラス製の原稿台44が設けられている。原稿台44の上面は、平面状とされた所定の走査面40aとされ、印刷媒体等の原稿49を載置可能である。走査面40aには、原稿49を位置決めするための位置決め用目印が付されており、当該目印に合わせて原稿を配置することによって、原稿上の位置が同じであれば読み取った画像上の位置も同じになる。一方、原稿台44の下方に設けられたスキャナ光学系42には、筐体42a内部にランプ42b、ミラー42c、レンズ42d、カラーリニアセンサ42eが収容されている。
ランプ42bは、例えば水銀を封入した線光源である蛍光灯とすることができ、原稿の主走査方向に向けて走査面40aと平行に設けられている。ランプ42bの周囲には、ランプ42bから走査面40aに向かって斜め上方(図3では右斜め上)に光を放出させるための図示しないカバーが設けられている。これにより、ランプ42bから原稿49に対して光が線状に照射される。原稿49における光の照射部位から斜め下方(図3では右斜め下)に配置されたミラー(平面鏡)42cは、原稿49からの反射光が導かれ、当該光を反射してレンズ42dへ案内する。レンズ42dは、ミラー42cからの反射光が導入され、主走査方向に向けて直線状に所定間隔で配置された多数のカラーCCD素子からなるリニアセンサ42eへ同反射光を案内する。
リニアセンサ42eは、R(赤)検出用センサの列とG(緑)検出用センサの列とB(青)検出用センサの列の3列からなり、原稿1ライン分の反射光の各RGB成分を検出して対応するアナログ電圧(検出信号)を生成する。CCD素子の位置での長さを原稿上での長さに一致させている場合、所定解像度Reに相当するCCD素子の配置間隔Spは1/Reインチとなる。
スキャナ光学系42の下面には、副走査方向に向けて走査面40aと略平行に設けられたベルト43aの上側が固定されている。このベルト43aはサーボモータ43の回転によって副走査方向に移動するようになっており、副走査方向に向けられた図示しないレールに沿って光学系42が所定の移動速度で副走査方向に移動するようになっている。なお、スクリューネジ等を用いてスキャナ光学系を移動させてもよい。
図4に示すように、スキャナ40は、各部41a〜d等を備える制御部41がシステムバス40bを介して接続I/F45や各種回路46a〜cを制御する。ここで、モータ43が接続されたモータ駆動回路46aはモータ43を回転駆動する制御を行い、ランプ42bが接続されたランプ点灯回路46bはランプ42bを点灯駆動する制御を行い、リニアセンサ42eが接続されたA/D変換回路46cはセンサ42eから出力されたアナログ電圧をデジタルの電圧に変換する。制御部41は、ランプ42bを点灯させてモータ43を所定の回転速度で回転駆動させながら、RGB毎に、原稿1ライン分ずつデジタル電圧を取得して原稿49上の画像に対応するRGB毎の二次元画像データ41gをRAM41d内に生成し、画像データ41gを接続I/F45からPCのI/F17aへ送信する処理を行う。本スキャナ40は、生成する画像データの解像度を変更可能な装置であり、PC10から設定解像度41eを入手してRAM41dに記憶している。また、CCD素子の配置間隔Spに相当する解像度Reで中間画像データ41fをRAM41d内に生成するとともに、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)41cにてバイリニア法(トライリニア法、バイキュービック法、等も可)による所定の画素補間処理を行って設定解像度の画像データ41gを生成する。生成される画像データ41gは、RGBの色毎に設定解像度(Rsとする)に応じた所定数(原稿上1インチ当たりRs)とされた画素毎の階調データ(例えば0〜255の256階調)で原稿上の形成画像を表現した画像データであり、主走査方向をx方向(横方向)、副走査方向をy方向(縦方向)として、縦横同じ解像度とされる。むろん、縦横異なる解像度の画像データを生成する場合にも、本発明を適用可能である。
このようにして、スキャナ40は、原稿49上に形成された形成画像を走査することによって読み取り、読み取った形成画像を表現する画像データを出力する。
図5に例示するように、バイリニア法による補間処理は、補間処理後の画像データ41gを構成する画素Pu,vの階調データを生成するとき、補間処理前の中間画像データ41fを構成する画素41f1の中から画素Pu,vを取り囲む四つの画素Pi,j,Pi,j+1,Pi+1,j,Pi+1,j+1の階調データを参照する。ただし、i,jは0以上の整数、i≦u≦i+1、j≦v≦j+1であり、各画素の階調値もPi,j,Pi,j+1,Pi+1,j,Pi+1,j+1で表す。例えば、画素Pi,j,Pi,j+1,Pi+1,j,Pi+1,j+1で区画される領域を画素Pu,vで四つの区画R1〜R4に分割し、階調データを構成する色毎の階調値別に区画R1〜R4の面積比で対角位置の画素の階調データに重み付けして加算することにより、補間処理後の階調データ(階調値Pu,v)を生成することができる。
u,v=(i+1-u)(j+1-v)Pi,j+1+(i+1-u)(v-j)Pi,j+1
+(u-i)(j+1-v)Pi+1,j+(u-i)(v-j)Pi+1,j+1 …(1)
むろん、画素Pu,vの位置が補間処理前の画素41f1のいずれかの位置と一致するときには、その一致した画素の階調データを画素Pu,vの階調データとしてもよい。
また、バイキュービック法による補間処理では、Pi-1,j-1〜Pi+2,j+2の16画素の階調データを参照して、画素Pu,vの階調データを生成する。トライリニア法では、8画素の階調データを参照する。
なお、画素補間処理としては単一の画素の階調データを用いるニアリストネイバ法(最近傍法)による補間処理もあるが、補間処理後の画像について十分な画質が得られないこともあるし、モアレが残存することもある。そこで、本発明に適用する画素補間処理としては、複数の画素(特に3画素、4画素以上)の階調データを用いる補間処理が好ましく(16画素以下では画素数が多いほど好ましく)、特に、補間処理前の各画素との位置関係に応じて階調データに重み付けを行って平均化する補間処理が好ましい。OSのGDI(Graphics Device Interface)はニアリストネイバ法による画素補間処理を行って画像データの画素数を変換可能であるが、GDIを利用して補間処理を行っても十分に高画質の出力画像は得られないことがあるし、モアレの抑制された出力画像が得られないことがある。スキャナのASICにてバイリニア法等による画素補間処理を行うことにより、モアレの発生が十分に抑制された高画質の出力画像を得ることが可能となる。
ところで、印刷媒体(記録媒体)上に所定間隔とされた網点の集合(点の集合)で形成された印刷物をスキャナで読み込むと、スキャナにて生成される画像データの画素パターンとの間で干渉が発生し、モアレパターンが生じることがある。図1に示す本画像生成装置U0は、少なくとも解像度設定手段U1と画像生成手段U2を備え、画像にモアレを生じさせないような解像度に設定して、印刷媒体上に形成された形成画像を走査して読み取り、設定された解像度にて当該読み取った形成画像が表現された画像データを生成する。
解像度設定手段U1は、画像生成手段U2に生成させる画像データの解像度を設定する際、記録媒体上の形成画像に存在する周期パターンを表す周期情報13cに基づいて、画像生成手段U2にて生成される画像データ41gで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定する。
具体的には、例えば周期情報取得手段と設定手段とを解像度設定手段U1に備えさせ、同周期情報取得手段にて、所定の記録媒体M1上に形成された形成画像I1をスキャナ40で走査して読み取り、所定解像度Rpにて当該読み取った形成画像を表現した解像度設定用画像データ13bを生成し、この解像度設定用画像データ13bを用いて形成画像I1に存在する周期パターンが表された周期情報13cを取得する。また、同設定手段にて、当該周期情報13cに基づいて画像データ41gで表現される画像にモアレを生じさせない解像度(Rs)13dを決定し、スキャナの解像度をRsに設定する。形成画像I1の代わりに、形成画像I1と同じ周期パターンであって記録媒体M1と同じ種類の記録媒体M2上に形成された標準画像I2をスキャナ40で読み取り、解像度設定用画像データ13bを生成することもできる。
また、周期情報取得手段にて、周期情報記録領域とされたHD14に記憶(記録)されている周期情報テーブルT1から周期情報13cを取得することもできる。さらに、周期情報取得手段にて、周期情報テーブルT1から設定解像度13dを取得することもできる。
記録媒体の種類としては、コート紙のような塗被紙の印刷媒体、各種印刷用紙が含まれる非塗被紙の印刷媒体、凹凸により画像を形成するための画像形成用媒体、等がある。
ここで、形成画像に存在するある方向の周波数をfd(dpi単位とする)、当該方向での生成画像データ41gの解像度をRd(dpi)とすると、当該方向での生成画像データ41gの周波数fiはRdとなる。このとき、モアレを生じる可能性のある周波数fmは、係数Nd,Niを1以上の整数として、以下の一般式で表される。
fm=|Nd・fd−Ni・fi| …(2)
網点印刷物の場合には高精細印刷でも150〜175線(dpi相当)程度のスクリーン線数である一方、スキャナに設けられたCCD素子の配置間隔は1200dpi相当と、網点の間隔よりも細かくなっている。そこで、係数Nを1以上の整数として、便宜上、以下の式でモアレを発生させる可能性のある周波数fmを表すことにする。
fm=|fd−N・fi| …(3)
なお、スキャナのCCD素子の配置間隔Spを、形成画像に存在する周波数fdの角度θの方向に換算した換算値(Sp/cosθ)が当該周波数の2倍に相当する長さ以下とすると、モアレ発生を抑制しながら非常に良好な画質の出力画像を得ることができる。一般に、配置間隔Spは標本化定理が成立する間隔以下とすると、特に、モアレ発生を抑制しながら非常に良好な画質の出力画像を得ることができる。
図6は、周波数に対する人間の視覚感度特性を示す図である。横軸は周波数f(dpi)であり、右側になるほど高周波側となる。縦軸は視覚感度(相対値)であり、上側になるほど人間の目に敏感となることを表している。図に示すように、周波数0では視覚感度が0であるものの、視覚感度特性を表す曲線は即座に立ち上がって周波数fp(0<fp<fn)で視覚感度が最大になる。その後、高周波側となるにつれて視覚感度が小さくなる。
上記周波数fmが0であると人間の目に感じられないためモアレとはならないものの、網点の配置間隔の誤差やスキャナのCCD素子における配置間隔の誤差により、周波数fmを0とするようにスキャナの解像度を設定することは困難である。そして、誤差により周波数fmが低周波になると、上記視覚感度特性によりモアレが生じてしまう。そこで、周波数fmを視覚感度の小さい周波数fnから高周波側となるようにスキャナの解像度を設定することにより、モアレの発生を抑制することにしている。
本実施形態では、通常の形成画像の周波数fdよりも十分に小さい(少なくともfd/2以下)正の所定定数(周波数と同次元)をα(14a)として、上記Nを用いて、スキャナにて生成される画像データ41gの解像度を、周波数fdのN倍から所定範囲±α内、すなわち、−α≦N・fd≦α(または−α<N・fd<α)を除く周波数の解像度に設定することにしている。
図7は、カラーの網点印刷物の網点構造を模式的に示している。カラーの網点は、CMYKの4種類の網点から構成されている。図の右方向から左回りの角度をスクリーン角度として、図の例では、Cが15度、Mが75度、Yが90度、Kが45度となっている。このように、網点の色に応じてスクリーン角度が違うため、色に応じてモアレの発生が異なり、モアレの生じるスキャナの解像度も異なることになる。そこで、本実施形態では、CMYK全要素色について、−α≦N・fd≦αを除く周波数の解像度に設定することにしている。
なお、網点構造の周期パターンは、印刷画像の種類に応じた周期パターンとされており、様々な周期パターンがある。
画像生成手段U2は、記録媒体上の形成画像I1を走査して読み取り、設定された解像度(Rs)41eにて当該読み取った形成画像が表現された画像データ41gを生成する。
具体的には、例えば、記録媒体上の形成画像I1を走査し、リニアセンサ42eの検出信号に基づいてCCD素子の配置間隔に対応した画素毎の階調データで形成画像を表現した中間画像データ41fを生成するとともに、この中間画像データ41fを構成する各画素のうち複数の画素についての階調データから設定解像度Rsの画像データ41gを構成する各画素の階調データを生成する所定の画素補間処理を中間画像データ41fに対して行って設定解像度Rsの画像データ41gを生成する。この画像データ41gをPC10が取得してRAMに格納し、画像出力装置から画像I3を出力(印刷装置20の場合は印刷媒体M3上に印刷画像I3を印刷)すると、モアレが抑制された高画質の画像I3を得ることができる。
周期情報記録手段U3は、形成画像の種類毎に、記録媒体M2上に形成された標準画像I2を走査して読み取り、所定解像度Rpにて当該読み取った標準画像を表現した標準画像データ13eを生成し、この標準画像データ13eを用いて標準画像I2に存在する周期パターンが表された周期情報を取得して周期情報テーブルT1に格納することにより、標準画像での周期情報をHD14に記憶する。これにより、周期情報のデータベースを構築することができ、このデータベースを用いて周期情報13cを取得することができるので、本画像生成装置を使用する際の利便性が向上する。
(2)簡易な画像生成処理:
まず、図8と図9のフローチャートを参照して、モアレを生じさせないように解像度を設定して画像を生成する簡易な処理を説明する。本処理を行うPC10とスキャナ40は画像生成装置を構成し、S105〜S125が周期情報取得手段、S130〜S135が設定手段、S140が画像生成手段に対応している。以下、図1も参照して説明する。
本処理では、形成画像I1と同じ周期パターンの標準画像I2を所定解像度Rpでプレスキャンし、本スキャンのための解像度Rsを設定して、本スキャンを行う。まず、PC10は、スキャナ40に対して設定解像度を所定解像度Rpにする指示情報を出力することにより、スキャナ40にて生成される画像データ41gの解像度を所定解像度Rpに設定する(ステップS105。以下、「ステップ」を省略)。このとき、スキャナ40では、同指示情報を入手し、当該指示情報で表される解像度Rpを設定解像度41eとしてRAMに格納する。所定解像度Rpとしては、例えば、CCD素子の配置間隔Spに相当する解像度Reとすることができる。
S110の前に、上記標準画像I2が形成された記録媒体M2を、スキャナの走査面40a上の位置決め用目印に合わせて位置決めしながら当該走査面40a上に配置した状態にしておく。この状態で、S110では、スキャナ40に記録媒体M2を走査させて読み取らせる制御を行い、解像度Rpで生成される解像度設定用画像データ13bを取得する。なお、画素毎の階調データは、0〜255の256階調とする。
所定の読み取り開始信号が入力されたときに原稿の走査を開始するスキャナである場合、走査面40a上に記録媒体を載置した状態でPCからスキャナに同読み取り開始信号を送出することにより、当該記録媒体上の画像の走査を開始させることができる。すると、スキャナ40は、ランプ42bを発光させるとともにモータ43を回転駆動させてスキャナ光学系42を副走査方向に移動させながら記録媒体上の画像を1ラインずつ走査し、カラーリニアセンサ42eにて記録媒体上の画像を1ラインずつ検出し、A/D変換回路46cにてセンサ42eの検出電圧(検出信号)に対応するデジタルの電圧値に変換する。そして、同スキャナ40は、記録媒体上の標準画像に対応するスキャン画像をCCD素子の配置間隔Spに相当する解像度Reの画素でRGB毎に階調表現した中間画像データ41fを生成し、ASIC41cにてバイリニア法等の所定の画素補間処理を行って所定解像度Rpの画素でRGB毎に階調表現した画像データ41gを生成して、PC10に対して出力する。そこで、PC10では、画像データ41gを解像度設定用画像データ13bとして取得し、RAMに格納する。
次に、RGB毎の階調値で表現した解像度設定用画像データ13bを、同じ画素数でCMYKの各要素色毎の階調値で表現した画像データR(x,y)に色変換する(S115)。この色変換は、例えば、RGB毎の階調値からなる階調データと、CMYK毎の階調値からなる階調データと、の対応関係を複数の参照点について規定した色変換LUT(色変換テーブル)をHDに記憶させておき、この色変換LUTを用いることにより色変換を行うことができる。すなわち、この色変換LUTを参照して、解像度設定用画像データ13bを構成する各画素の階調データを、CMYK毎の階調値からなる階調データに変換することにより、画素毎にCMYK毎の階調値からなる画像データR(x,y)を生成することができる。画像データR(x,y)は、読み取った画像を解像度RpにてCMYK毎に表現した解像度設定用画像データでもある。
さらに、CMYK毎に画像データR(x,y)を二次元フーリエ変換(離散的二次元フーリエ変換)し、CMYK毎のスペクトルFR(u,v)を得る(S120)。二次元フーリエ変換を行う関数をFouで表すと、CMYK毎に、
FR(u,v)=Fou{R(x,y)} …(4)
となる。ここで、u,vは変換された座標であり、FRはフーリエ変換された関数を示す。CMYK毎のFR(u,v)は、画素毎にスペクトルの値を格納した情報テーブルとされる。
その後、CMYK毎に、FR(u,v)に基づいて、標準画像I2上の点の集合に由来する空間周波数fdと、当該空間周波数fdの角度θ(-90°<θ≦90°)を取得する(S125)。形成画像I1には標準画像I2に存在する周期パターンが存在しているので、fd,θは形成画像I1上の点の集合に由来していると言える。fd,θは、標準画像I2に存在する周期パターンが表された周期情報13cである。例えば、CMYK毎に、FR(u,v)を最大とするu,vを取得し、当該u,vからfd,θを求めることができる。また、CMYK毎に、FR(u,v)に対する所定の閾値TFR(TFR>0)を予め設けてHD等に記憶しておき、FR(u,v)≧THRを満たすu,vからfd,θを求めてもよい。
以上により、解像度設定用画像データを用いて標準画像に存在する周期パターンが表された周期情報を取得することができる。
そして、図9に示す解像度決定処理を行う(S130)。同処理では、まず、スキャナにて生成される画像のモアレ発生を判定する判定解像度Raを設定する(S205)。この判定解像度は、x方向およびy方向を基準とした解像度である。例えば、初期の判定解像度としてスキャナ40のCCD素子の配置間隔Spに相当する解像度Reとし、終期の判定解像度としてRe/Er(Erは1より大きい正の整数)として、判定解像度の数値を格納するポインタの値を順次1ずつ減じる等により、判定解像度を設定することができる。次に、判定解像度Raを角度θの方向の解像度Rdaに換算する(S210)。例えば、以下の式によりRdaを求めることができる。
-45°<θ≦45°のとき、Rda=Ra×cosθ
-90°<θ≦-45°または45°<θ≦90°のとき、Rda=Ra×sinθ …(5)
さらに、解像度Rdaを空間周波数fdで除して小数点以下切り捨てた値を変数N1に代入し、N1に1加算した値を変数N2に代入する(S215)。ここで、INT()を小数点以下切り捨てる関数とすると、N1=INT(Rda/fd)、N2=N1+1となる。そして、上記所定定数αを用いて、CMYK全色について、
Rda−N1×fd>α かつ N2×fd−Rda>α
(または、Rda−N1×fd≧α かつ N2×fd−Rda≧α)
が成立するか否かを判断する(S220)。条件成立時、現段階の判定解像度Raを設定解像度Rsに決定してRAM13に設定解像度13dとして格納し(S225)、スキャナの解像度を設定解像度Rsに設定する旨をディスプレイから表示して(S230)、フローを終了する。一方、条件不成立時(−α≦N・fd≦αに相当)、全ての判定解像度を設定したか否か(例えばRa<Re/Erであるか否か)を判断する(S235)。そして、条件不成立時にはS205に戻り、条件成立時には、モアレを生じさせない適切な解像度を設定することができなかった旨をエラー表示としてディスプレイから表示し(S240)、初期〜終期の判定解像度の中からマウス等によるユーザの設定解像度Rsの操作入力を受け付けて入力された解像度を設定解像度Rsに決定して設定解像度13dとしてRAMに格納し(S245)、フローを終了する。
以上の解像度決定処理により、CMYK全要素色について、スキャナにて生成される画像データ41gの解像度が、設定可能な解像度のうち、標準画像I2上での角度θの方向において、空間周波数fdのN倍(Nは1以上の整数)から所定範囲±α内(−α≦N・fd≦α)を除く周波数の解像度であって、最大の解像度に設定される。むろん、形成画像I1には標準画像I2に存在する周期パターンが存在しているので、形成画像I1上での角度θの方向において、周波数fdのN倍から所定範囲±α内を除く周波数の解像度であって、最大の解像度に設定していることになる。
解像度決定処理を終了すると、スキャナ40に対して設定解像度をRsにする指示情報を出力することにより、スキャナにて生成される画像データ41gの解像度を設定解像度Rsに設定する(S135)。このとき、スキャナ40では、同指示情報で表される解像度Rsを設定解像度41eとしてRAMに格納する。
以上、S105〜S135の処理を行うPC10とスキャナ40とが協働して、画像データを生成する解像度を設定する際、周期情報fd,θに基づいて画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定する。
そして、S140の前に、形成画像I1が形成された記録媒体M1を、スキャナの走査面40a上の位置決め用目印に合わせて当該走査面40a上に配置した状態にしておく。この状態で、S140では、スキャナ40に記録媒体M1を走査させて読み取らせる制御を行い、解像度Rsで生成される画像データD(x,y)を取得する。このとき、スキャナ40は、記録媒体上の形成画像に対応するスキャン画像をCCD素子の配置間隔に相当する解像度の画素でRGB毎に階調表現した中間画像データ41fを生成し、所定の画素補間処理を行って設定解像度Rsの画素でRGB毎に階調表現した画像データ41gを生成して、PC10に対して出力する。そこで、PC10では、画像データ41gを画像データ13aとして取得し、RAMに格納して、フローを終了する。
以上、S140の処理を行うPC10とスキャナ40とが協働して、記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、設定された解像度にて当該読み取った形成画像が表現された画像データを生成する。
その後、例えば、図10に示す印刷制御処理を行うと、印刷装置20にて生成画像データ13aに対応する印刷画像I3が印刷媒体M3上に印刷される。すなわち、S305では、生成画像データ13aを構成する画素毎に、RGB毎の階調値からなる階調データとプリンタで使用されるインクの使用量がCMYRVK毎の階調値に表された階調データとの対応関係を複数の参照点について規定した色変換LUTを参照することにより、同生成画像データを同じ画素数でCMYRVK毎の階調値からなる階調データで表現したインク量データに色変換する。インク量データは、画像データ13aと同じく画像をドットマトリクス状の多数(所定数)の画素で階調表現した印刷データであり、画素毎の階調データは印刷装置20が印刷ヘッドから吐出する各インクの使用量を表すCMYRVK各256階調のデータであるとする。
S310では、インク量データを構成する画素毎に、インク量データに対して誤差拡散法やディザ法や濃度パターン法といった所定のハーフトーン処理を行って階調数を減らし、インク量データと同じ画素数であるCMYRVK別の多値データを生成する。多値データは、ドットの形成状況をドットの形成有無として表すデータであり、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させて二値化した2階調の二値データとすることができる。むろん、4階調等のデータとしてもよい。
S315では、色毎の多値データに対して所定のラスタライズ処理を行ってプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYRVK別にドットの形成状況を表すラスタデータを生成する。その後、ラスタデータを印刷装置20に送出し(S320)、印刷制御処理を終了する。
むろん、生成画像データ13aに基づいて印刷画像を印刷させる制御を行う以外にも、生成画像データに対応する表示画像をディスプレイに表示させる制御を行う等しても、生成画像データに基づく出力画像を出力させることができる。
解像度Rsで生成された画像データはモアレを生じさせないような解像度(少なくともモアレを低減させる解像度)の画像データとされているので、生成された画像データに対応する印刷画像I3等の出力画像は、モアレが軽減され、良好な画質とされる。従って、記録媒体上の形成画像を走査して読み取った画像を表現した画像データを生成する際、モアレ(干渉縞)の抑制された高画質の画像を表現した画像データを得ることが可能となる。特に、形成画像に存在する周波数の整数倍近傍でモアレが生じやすいため、周波数のN倍から所定範囲内を除く周波数の解像度に設定することによって、確実にモアレの抑制された高画質の出力画像を得ることが可能となる。
その際、従来のように画像に起きたモアレを平滑化等の画像処理により少なくさせるのではなく、自動的にモアレが生じにくい解像度に設定して形成画像を走査して画像データを生成しているので、モアレを低減させる特別の処理を行う必要なくモアレの発生が抑制された出力画像を得ることが可能となる。従来であれば、モアレを避けた出力画像を得るためにユーザレベルで解像度を変える試行錯誤を行う必要があったが、本発明によりユーザは機械任せでモアレが軽減された出力画像を得ることが可能となる。
なお、形成画像に存在する周期の向きが考慮されて解像度が設定されるので、この点で、確実にモアレの抑制された高画質の出力画像が得られる。また、設定可能な解像度のうちモアレ発生が抑制される最大の解像度に設定されるので、この点で、モアレ発生が抑えられながら良好な画質の出力画像が得られる。さらに、形成画像を表現する各要素色毎にモアレを生じさせないように解像度が設定されるので、この点で、確実にモアレの生じない高画質の出力画像が得られる。さらに、スキャナのCCD素子の配置間隔に相当する解像度を上限としているので、この点で、良好な画質の出力画像が得られる。
さらに、形成画像と同じ周期パターンの標準画像を用いて解像度設定用画像データを生成しているので、実際の形成画像に存在するモアレを生じさせないパターンの影響を無くすことができ、この点で、確実にモアレの生じない高画質の出力画像が得られる。むろん、このような効果が得られないものの、標準画像の代わりに形成画像自体を用いて解像度設定用画像データを生成してもよい。この場合、形成画像の周期パターンが分かっていないときでもモアレが抑制された高画質の出力画像を得ることが可能となる。
(3)周期情報記録領域を参照する画像生成処理:
次に、図11と図12のフローチャートに従って、周期情報記録領域(HD14)を参照する画像生成処理を説明する。網点印刷物の周期パターンはいくつかの周期パターンに分類することができるので、周期情報を記録しておくことによって、画像生成処理を高速化させることが可能となる。ここで、図11の処理を行うPC10は、周期情報記録手段を構成する。同図において、S405〜S430の処理は上記S105〜S130の処理とほぼ同じになっている。
まず、スキャナ40にて生成される画像データ41gの解像度を所定解像度Rpに設定する(S405)。スキャナ40では、同指示情報で表される解像度Rpを設定解像度41eとしてRAMに格納する。
S410の前に、HD14に周期情報を記憶させる対象の種類の標準画像I2が形成された記録媒体M2を、スキャナの走査面40a上の位置決め用目印に合わせて当該走査面40a上に配置した状態にしておく。この状態で、S410では、スキャナ40に記録媒体M2を走査させて読み取らせる制御を行い、解像度Rpで生成される標準画像データ13eを取得する。なお、画素毎の階調データは、0〜255の256階調とする。
次に、RGB毎の階調値で表現した標準画像データを、同じ画素数でCMYKの各要素色毎の階調値で表現した画像データR(x,y)に色変換する(S415)。さらに、CMYK毎に画像データR(x,y)を二次元フーリエ変換し、CMYK毎のスペクトルFR(u,v)を得る(S420)。その後、CMYK毎に、FR(u,v)に基づいて、標準画像I2上の点の集合に由来する空間周波数fdと、当該空間周波数fdの角度θ(-90°<θ≦90°)を取得する(S425)。そして、図9で示した解像度決定処理を行うと(S430)、記憶対象の周期情報fd,θに対応する設定解像度Rsを決定することができる。
図13は、周期情報記録領域に記憶されている周期情報テーブルT1の構造を示している。同テーブルT1は、形成画像の種類毎に、対応する各周期情報fd,θと各設定解像度Rsとを格納した情報テーブルとされている。なお、図の左端に記載した「1,2,…」は、形成画像の種類毎に対応させた番号である。
解像度決定処理後、周期情報fd,θと対応する設定解像度Rsとを周期情報テーブルT1に格納することにより、周期情報記録領域に記憶する(S435)。その後、fd,θ,Rsを記憶する対象の標準画像の種類が他に有るか否かを判断し(S440)、条件成立時にはS405〜S440を繰り返し、条件不成立時にはフローを終了する。
形成画像I1には標準画像I2に存在する周期パターンが存在しているので、形成画像の種類毎に、標準画像データを生成し、当該標準画像データを用いて周期情報を取得して周期情報記録領域に記録していることになる。
周期情報と設定解像度を記録すると、図12の処理を行うことにより、モアレを生じさせないように解像度を設定して画像データを生成することができる。ここで、図8のS105〜S125,S135〜S140と同様の処理を行うとともに、S130の代わりにS145〜S155の処理を行う。
本処理では、形成画像I1を所定解像度Rpでプレスキャンし、本スキャンのための解像度Rsを設定し、本スキャンを行う。まず、スキャナ40にて生成される画像データ41gの解像度を所定解像度Rpに設定する(S105)。S110の前に、形成画像I1が形成された記録媒体M1を、スキャナの走査面40a上の位置決め用目印に合わせて当該走査面40a上に配置した状態にしておく。この状態で、S110では、スキャナ40に記録媒体M1を走査させて読み取らせる制御を行い、解像度Rpで生成される解像度設定用画像データ13bを取得する。なお、画素毎の階調データは、0〜255の256階調とする。
次に、RGB毎の階調値で表現した解像度設定用画像データ13bを、同じ画素数でCMYKの各要素色毎の階調値で表現した画像データR(x,y)に色変換する(S115)。さらに、CMYK毎に画像データR(x,y)を二次元フーリエ変換し、CMYK毎のスペクトルFR(u,v)を得る(S120)。その後、CMYK毎に、FR(u,v)に基づいて、形成画像I1上の点の集合に由来する空間周波数fdc,fdm,fdy,fdkと、当該空間周波数fdc,fdm,fdy,fdkの角度θc,θm,θy,θk(いずれも-90°<θ≦90°)を取得する(S125)。
形成画像についての周期情報を取得すると、HD14に記憶されている周期情報テーブルT1とマッチングを行う。まず、当該テーブルT1を参照して、形成画像の種類毎に同テーブルT1に格納された周期情報と対比して一致度合を求める(S145)。周期情報テーブルT1に格納されたC,M,Y,Kの空間周波数をfdsc,fdsm,fdsy,fdsk、角度をθsc,θsm,θsy,θskとすると、例えば、ΣΔfd=|fdsc−fdc|+|fdsm−fdm|+|fdsy−fdy|+|fdsk−fdk|を一致度合として、形成画像の種類毎にΣΔfdを算出する。次に、CMYK毎に、最も一致度合の大きい種類の周期情報を取得する(S150)。例えば、同テーブルT1をRAMにコピーし、データfd,θ,Rsの組み合わせごと、ΣΔfdの大きさの順に並べ替え、ΣΔfdの小さいデータの組み合わせから順に|θsc−θc|≦θtかつ|θsm−θm|≦θtかつ|θsy−θy|≦θtかつ|θsk−θk|≦θt(θtは正の所定定数)を満たすか否かを判断し、初めて条件成立となったデータの組み合わせに含まれる周期情報を取得する。θtは、5°、10°、15°等、形成画像自体の周期パターンの誤差や、スキャナで形成画像を読み込む際の形成画像の傾き誤差を考慮した所定の閾値としておく。
さらに、取得した周期情報に対応する設定解像度Rsを周期情報テーブルT1の中から取得する(S155)。上記例では、初めて条件成立となったデータの組み合わせに含まれる設定解像度Rsを取得すればよい。
設定解像度Rsを取得すると、スキャナにて生成される画像データ41gの解像度を設定解像度Rsに設定する(S135)。このとき、スキャナ40では、同指示情報で表される解像度Rsを設定解像度41eとしてRAMに格納する。ここで、形成画像I1が形成された記録媒体M1が既にスキャナの走査面40a上の位置決め用目印に合わせて当該走査面40a上に配置されているので、この状態で、S140では、スキャナ40に記録媒体M1を走査させて読み取らせる制御を行い、解像度Rsで生成される画像データD(x,y)を取得する。このとき、スキャナ40は、記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、CCD素子の配置間隔に相当する解像度の画素で表現した中間画像データ41fを生成し、所定の画素補間処理を行って設定解像度Rsの画素で表現した画像データ41gを生成して、PC10に対して出力している。
上記処理により、解像度設定用画像データを二次元フーリエ変換し、得られる空間周波数および角度を周期情報記録領域に記録された周期情報と対比して形成画像の種類毎に一致度合を求め、最も一致度合の大きい周期情報に基づいてモアレを生じさせないように解像度を設定することができる。
以上により、解像度Rsで生成された画像データはモアレを生じさせないような解像度の画像データとされているので、生成された画像データに対応する印刷画像I3等の出力画像は、モアレが低減され、良好な画質とされる。
また、二次元フーリエ変換を用いて周期情報記録領域に記録された周期情報を用いているので、正確に形成画像の周期パターンが特定され、確実にモアレの生じない高画質の画像が得られる。さらに、周期情報記録領域を参照することにより素早く形成画像の種類に対応した解像度を設定することができるので、画像生成処理が高速化される。さらに、周期情報記録領域を更新することができるので、本画像生成装置を使用する際の利便性が大きい。
(4)変形例:
ところで、本発明を実施する際に使用可能なコンピュータと周辺装置は、様々な構成が可能である。例えば、印刷装置は、コンピュータと一体化されたものでもよい。単色画像のみ印刷する印刷装置でもよい。上述したフローについては、一部または全部を印刷装置あるいは専用の画像処理装置で実行してもよい。上記スキャナは、コンピュータや印刷装置と一体化されたものでもよい。リニアセンサに導く光の拡大率を変更する機構を備えて当該機構により解像度を変更して画像データを生成する画像生成装置でもよい。
周期情報を取得する際、RGB毎の階調値からなる解像度設定用画像データや標準画像データを色変換せずに二次元フーリエ変換したスペクトルFR(u,v)からRGB毎に空間周波数fdと当該空間周波数fdの角度θを取得する構成にすることも可能である。
上記周期情報は、上記空間周波数fdとその角度θ以外の情報を含めてもよいし、形成画像に存在する周期パターンに由来する周波数のみでもよい。同周期情報は、Kの空間周波数およびその角度等、CMYK毎の情報のうち一部の情報のみとされていてもよい。
また、RGB毎の階調値からなる解像度設定用画像データや標準画像データから輝度データからなる解像度設定用画像データや標準画像データに変換した後に二次元フーリエ変換してスペクトルを求め、当該スペクトルから輝度についての空間周波数とその角度を取得し、上記周期情報を当該空間周波数および角度を少なくとも含む情報としてもよい。
スキャナの解像度を設定する際、形成画像上でのx方向とy方向を基準として、形成画像に存在する周期パターンを表す周波数のN倍(Nは1以上の整数)から所定範囲内を除く周波数となる解像度に設定してもよい。例えば、図9のS210の代わりに以下の式を用いて空間周波数fdをx方向またはy方向の周波数fdaに換算し、
-45°<θ≦45°のとき、fda=fd×cosθ
-90°<θ≦-45°または45°<θ≦90°のとき、fda=fd×sinθ …(6)
S215の代わりにN1=INT(Ra/fda)、N2=N1+1とし、S220の代わりに、所定定数α’(通常の形成画像におけるx方向またはy方向の周波数fdaの少なくとも1/2以下)を用いて、CMYK全色について、
Ra−N1×fda>α’ かつ N2×fda−Ra>α’
が成立するか否かを判断する構成にすることができる。この場合でも、モアレを生じさせないように解像度を設定することができ、モアレが抑制された高画質の出力画像を得ることが可能となる。
さらに、図14に示すように、周期情報記録領域を利用してプレスキャンを行わずに本スキャンを行ってもよい。まず、CMYK毎に、形成画像I1上の点の集合に由来する空間周波数fdc,fdm,fdy,fdkと、当該空間周波数fdc,fdm,fdy,fdkの角度θc,θm,θy,θk(いずれも-90°<θ≦90°)との入力を受け付けて、これらの空間周波数と角度を取得する(S505)。例えば、周期情報テーブルT1に格納された空間周波数および角度の組み合わせの一覧をディスプレイに表示し、当該組み合わせを選択する操作入力を受け付けて、選択された組み合わせの空間周波数と角度を取得する構成とすることができる。次に、取得した空間周波数と角度の組み合わせに対応する設定解像度Rsを周期情報テーブルT1の中から取得する(S510)。
その後、スキャナにて生成される画像データ41gの解像度を設定解像度Rsに設定する(S515)。このとき、スキャナ40では、同指示情報で表される解像度Rsを設定解像度41eとしてRAMに格納する。そして、S520の前に、形成画像I1が形成された記録媒体M1を、スキャナの走査面40a上の位置決め用目印に合わせて当該走査面40a上に配置した状態にしておく。この状態で、S520では、スキャナ40に記録媒体M1を走査させて読み取らせる制御を行い、解像度Rsで生成される画像データD(x,y)を取得する。
上記処理により、周期情報をPC10に入力するという簡易な構成で、モアレの抑制された高画質の画像を表現した画像データを得ることが可能となる。
さらに、図15に示す解像度決定処理を行い、設定可能な解像度の一覧を画面表示し、設定解像度Rsの選択入力を受け付けてもよい。本処理は、図11のS430で行われ、図9のS205〜S220と同様の処理を行うとともに、S225〜S245の代わりにS250〜S265の処理を行う。
本処理の最初で判定解像度Raを格納する候補テーブルをRAM内に設けておき、S205〜S220の処理を行う。CMYK全色について、Rda−N1×fd>αかつN2×fd−Rda>αが成立するか否かを判断したとき、条件成立時には、現段階の判定解像度Raを候補テーブルに追加格納し(S250)、S260に進む。一方、条件不成立時(−α≦N・fd≦αに相当)、全ての判定解像度を設定したか否かを判断する(S255)。そして、条件不成立時にはS205に戻り、条件成立時には、S260に進む。
S260では、候補テーブルに格納されている全ての判定解像度Raを候補一覧としてディスプレイに表示する。そして、判定解像度の候補一覧の中から設定解像度Rsを選択する操作入力を受け付け、選択された解像度を設定解像度Rsとして決定して設定解像度13dとしてRAMに格納し(S265)、フローを終了する。
上記処理により、モアレの抑制された高画質の画像を表現した画像データを得ることが可能になるとともに、ユーザがスキャナにて生成される画像データの解像度を選択することができるので本画像生成装置を使用する際の利便性が向上する。
さらに、図16と図17に示す処理を行い、画像生成処理を高速化させてもよい。図16の処理では、図12のS105〜S125,S135〜S140と同様の処理を行うとともに、S605〜S610,S615,S620の処理を行う。
S105〜S120の処理を行ってスペクトルFR(u,v)を求めると、CMYKの中から順次、設定解像度を決定する対象の対象色を設定し(S605)、所定解像度Rpでの画像にモアレが発生するか否かを判断する(S610)。例えば、図9のS220と同様、CMYK全色について、Rpa−N1×fd>αかつN2×fd−Rpa>αが成立するか否かを判断すればよい。ここで、Rpaは、上記式(5)と同様の式により所定解像度Rpを角度θの方向の解像度に換算した解像度である。条件不成立時には、対象色について所定解像度Rpを設定解像度Rsとすることができるので、改めてスキャナの解像度を設定する処理を行わずにS620に進む。これにより、モアレが生じる場合のみ設定解像度を決定する処理が行われるので、当該処理を高速化させることができる。
一方、条件成立時に、CMYK毎に、FR(u,v)に基づいて、形成画像I1上の点の集合に由来する空間周波数fdとその角度θを取得する(S125)。
次に、図17に示す解像度決定処理を行う(S615)。同処理では、まず、微小解像度ΔRpを予め設けてHD等に記憶しておき、スキャナの解像度をRp−ΔRpに設定する(S705)。ΔRpは、モアレの周波数よりも十分に小さい(少なくとも1/2以下)周波数の解像度とし、例えば、(Rpa−N1×fd)と(N2×fd−Rpa)のうち小さい方の値Rminに所定係数NR(0<NR≦1/2)を乗じた値とすることができる。ここで、形成画像I1が形成された記録媒体M1が既にスキャナの走査面40a上の位置決め用目印に合わせて当該走査面40a上に配置されているので、この状態で、S710では、スキャナ40に記録媒体M1を走査させて読み取らせる制御を行い、解像度Rp−ΔRpで生成される解像度設定用画像データ13bを取得する。次に、RGB毎の階調値で表現した解像度設定用画像データ13bを、同じ画素数でCMYKの各要素色毎の階調値で表現した画像データR(x,y)に色変換する(S715)。さらに、対象色について、画像データR(x,y)を二次元フーリエ変換し、対象色のスペクトルFR(u,v)を得る(S720)。
その後、対象色について、FR(u,v)に基づいて、形成画像I1上の点の集合に由来する空間周波数fd’とその角度θ’(-90°<θ’≦90°)を取得する(S725)。そして、モアレを生じさせる可能性がある周波数が増加したか否かを判断する(S730)。例えば、S610で(Rpa−N1×fd)をRminにした場合、(Rpa’−N1×fd’)−(Rpa−N1×fd)>であれば増加と判断する。ここで、Rpa’は、上記式(5)と同様の式により解像度(Rp−ΔRp)を角度θ’の方向の解像度に換算した解像度である。また、S610で(Rpa−N1×fd)をRminにした場合、(N2×fd’−Rpa’)−(N2×fd−Rpa)>であれば増加と判断する。
条件成立時、モアレを生じさせる可能性がある周波数を高くするため、所定解像度Rpからαを差し引いた解像度を設定解像度Rsとして決定し(S735)、フローを終了する。一方、条件不成立時、モアレを生じさせる可能性がある周波数を高くするため、所定解像度Rpにαを加算した解像度を設定解像度Rsとして決定し(S740)、フローを終了する。
解像度決定処理終了後、スキャナにて生成される画像データ41gの解像度を設定解像度Rsに設定する(S135)。そして、全ての色について設定したか否かを判断し(S620)、条件不成立時にはS605に戻り、条件成立時にはS625に進む。
S625では、CMYK毎に決定した設定解像度Rsの確認画面ををディスプレイに表示する(S625)。そして、設定解像度Rsにて画像データD(x,y)をスキャナから取得し(S140)、フローを終了する。
以上の処理により、モアレの抑制された高画質の画像を表現した画像データを得ることが可能になるとともに、モアレを生じさせないようにする解像度を迅速に設定することができ、画像データを生成する処理を高速化させることが可能となる。
画像生成装置の構成を模式的に示す図。 印刷システムの構成を示すブロック図。 スキャナのメカ系の構造を示す図。 スキャナの制御系の構成を示すブロック図。 バイリニア法による画素補間処理の説明図。 周波数に対する人間の視覚感度特性を示す図。 カラーの網点印刷物の網点構造を模式的に示す図。 画像生成装置を構成するPCが行う処理を示すフローチャート。 PCが行う解像度決定処理を示すフローチャート。 PCが行う印刷制御処理を示すフローチャート。 PCが行う周期情報記録処理を示すフローチャート。 画像生成装置を構成するPCが行う処理を示すフローチャート。 周期情報テーブルT1の構造を模式的に示す図。 変形例において、PCが行う処理を示すフローチャート。 別の変形例において、解像度決定処理を示すフローチャート。 別の変形例において、PCが行う処理を示すフローチャート。 別の変形例において、解像度決定処理を示すフローチャート。
符号の説明
10…パーソナルコンピュータ(PC)、13a…生成画像データ、13b…解像度設定用画像データ、13c…周期情報、13d…設定解像度、13e…標準画像データ、14…ハードディスク(周期情報記録領域)、20…印刷装置、40…カラースキャナ、40a…走査面、41c…ASIC、41e…設定解像度、41f…中間画像データ、41g…生成画像データ、42e…カラーリニアセンサ、I1…形成画像、I2…標準画像、I3…印刷画像(出力画像)、M1,M2…記録媒体、M3…印刷媒体、T1…周期情報テーブル、U0…画像生成装置、U1…解像度設定手段、U2…画像生成手段、U3…周期情報記録手段

Claims (14)

  1. 記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、変更可能に設定された解像度にて当該読み取った形成画像を画素毎の階調データで表現した画像データを生成する画像生成装置であって、
    上記解像度を設定する際、上記形成画像に存在する周期パターンを表す周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定する解像度設定手段と、
    上記記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、上記設定された解像度にて当該読み取った形成画像が表現された上記画像データを生成する画像生成手段とを具備することを特徴とする画像生成装置。
  2. 上記形成画像は上記記録媒体上で所定間隔とされた点の集合で形成されるとともに、上記周期情報は同形成画像に存在する点の集合に由来する周波数を少なくとも含む情報とされ、
    上記解像度設定手段は、設定可能な解像度のうち、上記周波数のN倍(Nは1以上の整数)から所定範囲内を除く周波数の解像度に設定することを特徴とする請求項1に記載の画像生成装置。
  3. 上記周期情報は、上記形成画像に存在する点の集合に由来する周波数および当該周波数の角度を少なくとも含む情報とされ、
    上記解像度設定手段は、上記設定可能な解像度のうち、上記形成画像上での上記角度の方向において上記周波数のN倍から所定範囲内を除く周波数となる解像度に設定することを特徴とする請求項2に記載の画像生成装置。
  4. 上記解像度設定手段は、上記設定可能な解像度のうち、上記周波数のN倍から所定範囲内を除く周波数の解像度であって最大の解像度に設定することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の画像生成装置。
  5. 上記周期情報は、上記形成画像を表現する各要素色毎に同形成画像に存在する点の集合に由来する周波数を少なくとも含む情報とされ、
    上記解像度設定手段は、上記設定可能な解像度のうち、上記各要素色の全てについて上記周波数のN倍から所定範囲内を除いた周波数の解像度に設定することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれかに記載の画像生成装置。
  6. 上記画像生成手段は、所定間隔で配置された複数のCCD素子からなるセンサを有して上記変更可能に設定された解像度にて上記読み取った形成画像を画素毎の階調データで表現した画像データを生成するスキャナを備え、
    上記スキャナは、上記記録媒体上の形成画像を走査して上記センサの検出信号に基づいて上記CCD素子の配置間隔に対応した画素毎の階調データで形成画像を表現した中間画像データを生成するとともに、当該中間画像データを構成する各画素のうち複数の画素についての階調データから上記設定された解像度の画像データを構成する各画素の階調データを生成する所定の画素補間処理を同中間画像データに対して行って同設定された解像度の画像データを生成し、
    上記解像度設定手段は、上記CCD素子の配置間隔に相当する解像度を上限として上記スキャナにて生成される画像データの解像度を設定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像生成装置。
  7. 上記解像度設定手段は、上記記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、所定の解像度にて当該読み取った形成画像を表現した解像度設定用画像データを生成し、当該解像度設定用画像データを用いて同形成画像に存在する周期パターンが表された上記周期情報を取得するとともに、当該周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の画像生成装置。
  8. 上記解像度設定手段は、上記形成画像と同じ周期パターンであって上記記録媒体上に形成された標準画像を走査して読み取り、所定の解像度にて当該読み取った形成画像を表現した解像度設定用画像データを生成し、当該解像度設定用画像データを用いて同標準画像に存在する周期パターンが表された上記周期情報を取得するとともに、当該周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像生成装置。
  9. 上記形成画像の種類毎に対応する各周期情報を記録した周期情報記録領域をさらに備え、
    上記解像度設定手段は、上記解像度設定用画像データに基づいて上記画像生成手段にて読み取る対象の形成画像の種類に対応する周期情報を上記周期情報記録領域に記録された各周期情報の中から取得することを特徴とする請求項7または請求項8に記載の画像生成装置。
  10. 上記周期情報は、上記形成画像の種類毎に上記記録媒体上に形成された標準画像を走査して読み取った画像を表現した画像データを二次元フーリエ変換して得られる空間周波数および当該空間周波数の角度を少なくとも含む情報とされ、
    上記解像度設定手段は、上記解像度設定用画像データを二次元フーリエ変換し、得られる空間周波数および当該空間周波数の角度を上記周期情報と対比して上記種類毎に一致度合を求め、最も一致度合の大きい周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定することを特徴とする請求項9に記載の画像生成装置。
  11. 上記周期情報記録領域は、上記形成画像の種類毎に対応する設定解像度を記録してあり、
    上記解像度設定手段は、上記解像度を設定する際、上記周期情報記録領域に記録された各設定解像度の中から上記形成画像の種類に対応する設定解像度に設定することを特徴とする請求項9または請求項10に記載の画像生成装置。
  12. 上記形成画像の種類毎に、上記記録媒体上に形成された標準画像を走査して読み取り、所定の解像度にて当該読み取った標準画像を表現した標準画像データを生成し、当該標準画像データを用いて同標準画像に存在する周期パターンが表された上記周期情報を取得して上記周期情報記録領域に記録する周期情報記録手段をさらに備えることを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記載の画像生成装置。
  13. 記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、変更可能に設定された解像度にて当該読み取った形成画像を画素毎の階調データで表現した画像データを生成する画像生成方法であって、
    上記解像度を設定する際、上記形成画像に存在する周期パターンを表す周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定する解像度設定工程と、
    上記記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、上記設定された解像度にて当該読み取った形成画像が表現された上記画像データを生成する画像生成工程とを具備することを特徴とする画像生成方法。
  14. 記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、変更可能に設定された解像度にて当該読み取った形成画像を画素毎の階調データで表現した画像データを生成する機能をコンピュータに実現させる画像生成プログラムであって、
    上記解像度を設定する際、上記形成画像に存在する周期パターンを表す周期情報に基づいて上記画像データで表現される画像にモアレを生じさせないように解像度を設定する解像度設定機能と、
    上記記録媒体上の形成画像を走査して読み取り、上記設定された解像度にて当該読み取った形成画像が表現された上記画像データを生成する画像生成機能とを実現させることを特徴とする画像生成プログラム。
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