JP2005329632A - 熱収縮性包装材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 熱収縮率を損なうことなく耐衝撃性等の機械的強度を高めた熱収縮性包装材。
【解決手段】 密度が0.905〜0.945g/cm3、メルトフローレートが0.1〜3g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン10〜90質量%と、エチレン含有量が2〜12質量%、メルトフローレートが10g/10分以下のランダムポリプロピレン90〜10質量%とを含有したポリオレフィン組成物からなる細状延伸物からなる経糸と、該経糸よりも熱収縮率の低い緯糸とを使用して製織又は編織してなるクロスと、密度が0.910〜0.935g/cm3、メルトフローレートが1〜5g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレンからなる一軸延伸フィルムとを有し、該一軸延伸フィルムの延伸方向が前記クロスの経糸の方向に沿って積層されている熱収縮性包装材。
【選択図】 なし
【解決手段】 密度が0.905〜0.945g/cm3、メルトフローレートが0.1〜3g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン10〜90質量%と、エチレン含有量が2〜12質量%、メルトフローレートが10g/10分以下のランダムポリプロピレン90〜10質量%とを含有したポリオレフィン組成物からなる細状延伸物からなる経糸と、該経糸よりも熱収縮率の低い緯糸とを使用して製織又は編織してなるクロスと、密度が0.910〜0.935g/cm3、メルトフローレートが1〜5g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレンからなる一軸延伸フィルムとを有し、該一軸延伸フィルムの延伸方向が前記クロスの経糸の方向に沿って積層されている熱収縮性包装材。
【選択図】 なし
Description
本発明は、熱収縮性包装材に関するものである。特に、環状物の包装に好適なものに関する。
従来、収縮包装には、ポリ塩化ビニルや長鎖分岐ポリエチレン等を使用した熱収縮性フィルムが多く用いられている。しかしながら、これらの熱収縮性フィルムは、引裂強度、引張強度、耐摩耗性などの機械的強度に劣る欠点がある。また、ノッチ伝播性があるために、被包装物の角端部や突起部で包装用フィルムが破断するという欠点があり、保管中又は輸送中に種々トラブルを惹起している。このため、従来の熱収縮性フィルムは、重包装分野には殆ど使用されず、機械的ダメージの比較的小さい軽包装分野においてもっぱら使用されている。そして、従来の熱収縮性フィルムのなかには、シュリンクパックができる温度が高いために被包装物の内容が限定される場合もある。
更に、収縮の方向や量がフィルム成形機によって限定される。例えば、タテ方向高収縮ヨコ方向低収縮、タテ・ヨコ方向高収縮、逆に、タテ方向低収縮ヨコ方向高収縮等被包装物の形状、包装形態に合わせた自由な収縮の方向性や量の選択は不可能である。いわんや、タテ方向、ヨコ方向の全幅中で一部の幅のみ収縮挙動を変化させるということなどは全く及びもつかない状態である。従って、単純な形状をした被包装物の収縮包装は可能であるが、被包装物の形状が少しでも複雑になると所望の収縮包装ができないのが現状である。その上、従来の熱収縮性フィルムは、製膜技術上の制約により、現状の技術レベルでは幅1000〜1500mmのものが製造できる最大の幅であり、かかる理由からも幅広ものが要求される重包装分野には使用されていなかった。
そこで、本出願人は、上記収縮包装に使用されていた熱収縮性フィルムの問題点を解消すべく、優れた熱収縮性を発現する包装用クロスを見い出した(例えば、特許文献1参照。)。
特許第2859762号公報
更に、収縮の方向や量がフィルム成形機によって限定される。例えば、タテ方向高収縮ヨコ方向低収縮、タテ・ヨコ方向高収縮、逆に、タテ方向低収縮ヨコ方向高収縮等被包装物の形状、包装形態に合わせた自由な収縮の方向性や量の選択は不可能である。いわんや、タテ方向、ヨコ方向の全幅中で一部の幅のみ収縮挙動を変化させるということなどは全く及びもつかない状態である。従って、単純な形状をした被包装物の収縮包装は可能であるが、被包装物の形状が少しでも複雑になると所望の収縮包装ができないのが現状である。その上、従来の熱収縮性フィルムは、製膜技術上の制約により、現状の技術レベルでは幅1000〜1500mmのものが製造できる最大の幅であり、かかる理由からも幅広ものが要求される重包装分野には使用されていなかった。
そこで、本出願人は、上記収縮包装に使用されていた熱収縮性フィルムの問題点を解消すべく、優れた熱収縮性を発現する包装用クロスを見い出した(例えば、特許文献1参照。)。
上記包装用クロスは、機械的強度等に優れたものであるが、しかし、より負荷の大きい重量物等の包装に際しては、よりいっそうの強度が求められる。その場合、複数枚を重ね合わせて使用したり、または、打込み本数を増加することで対処されている。
しかしながら、複数枚のクロスを重ね合わせたり、打込み本数を増加すると、加熱処理して熱収縮させた際に目詰まりが生じ、熱収縮率を高めることができなかった。
しかしながら、複数枚のクロスを重ね合わせたり、打込み本数を増加すると、加熱処理して熱収縮させた際に目詰まりが生じ、熱収縮率を高めることができなかった。
本発明は前記課題を解決するためになされたもので、熱収縮率を損なうことなく耐衝撃性等の機械的強度を高めた熱収縮性包装材を目的としたものである。
本発明の熱収縮性包装材は、密度が0.905〜0.945g/cm3、メルトフローレートが0.1〜3g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン10〜90質量%と、エチレン含有量が2〜12質量%、メルトフローレートが10g/10分以下のランダムポリプロピレン90〜10質量%とを含有したポリオレフィン組成物からなる細状延伸物からなる経糸と、該経糸よりも熱収縮率の低い緯糸とを使用して製織又は編織してなるクロスと、
密度が0.910〜0.935g/cm3、メルトフローレートが1〜5g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレンからなる一軸延伸フィルムとを有し、
該一軸延伸フィルムの延伸方向が前記クロスの経糸の方向に沿って積層されていることを特徴とするものである。
密度が0.910〜0.935g/cm3、メルトフローレートが1〜5g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレンからなる一軸延伸フィルムとを有し、
該一軸延伸フィルムの延伸方向が前記クロスの経糸の方向に沿って積層されていることを特徴とするものである。
本発明の熱収縮性包装材は、必要十分な熱収縮率と高い耐衝撃性等の機械的強度を発揮するもので、特に、重量物、環状物の包装に適したものである。
本発明の熱収縮性包装材は、少なくとも特定のクロスとフィルムとが積層されたものである。
クロスは、直鎖状低密度ポリエチレンと、ランダムポリプロピレンとを含有したポリオレフィン組成物からなる細状延伸物を経糸に使用して製織又は編織したものである。
このクロスの経糸に使用する直鎖状低密度ポリエチレンは、公知のメタロセン触媒を用いて、エチレンと、プロピレン;ブテン−1;4−メチルペンテン−1;ヘキセン−1;オクテン−1等のα−オレフィンを共重合することによって得ることができ、それらの重合方法には特に限定はない。例えば、気相法、スラリー法、溶液法などのいずれの方法を用いても製造することができる。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.905〜0.945g/cm3である。好ましくは0.935g/cm3未満である。直鎖状低密度ポリエチレンの密度が、0.945g/cm3以上になるとクロスの強度には問題は起こらないが、熱収縮性が低下する。そのために収縮緊縛力が低下し、その結果、収縮包装性が非常に悪くなる。これに対して、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.945g/cm3以下であれば、熱収縮率その他の問題が解決され、更に、0.935g/cm3未満では大幅に改良される。しかしながら、密度が0.905g/cm3未満になると、フィルムの延伸性に問題が生じ易くなる。前記した範囲の密度を有する直鎖状低密度ポリエチレンは、その分岐が短鎖であることが必要である。分岐鎖の長さには特に限定はないが、炭素数10以下であるのが望ましく、高圧法ポリエチレンのように分岐が、長鎖であると延伸性が乏しく、熱収縮率が不足する傾向にあるので好ましくない。
更に、直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(190℃、2.16kg、以下「MFR」という。)は、強度及び熱収縮性の観点から、MFRが3.0g/10分以下であるのが好ましく、成形性及び延伸性の観点からはMFRが0.1g/10分以上であるのが好ましい。
このような直鎖状低密度ポリエチレンは市販されており、例えば、「NF444A」日本ポリエチレン(株)製が挙げられる。
クロスは、直鎖状低密度ポリエチレンと、ランダムポリプロピレンとを含有したポリオレフィン組成物からなる細状延伸物を経糸に使用して製織又は編織したものである。
このクロスの経糸に使用する直鎖状低密度ポリエチレンは、公知のメタロセン触媒を用いて、エチレンと、プロピレン;ブテン−1;4−メチルペンテン−1;ヘキセン−1;オクテン−1等のα−オレフィンを共重合することによって得ることができ、それらの重合方法には特に限定はない。例えば、気相法、スラリー法、溶液法などのいずれの方法を用いても製造することができる。
直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.905〜0.945g/cm3である。好ましくは0.935g/cm3未満である。直鎖状低密度ポリエチレンの密度が、0.945g/cm3以上になるとクロスの強度には問題は起こらないが、熱収縮性が低下する。そのために収縮緊縛力が低下し、その結果、収縮包装性が非常に悪くなる。これに対して、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.945g/cm3以下であれば、熱収縮率その他の問題が解決され、更に、0.935g/cm3未満では大幅に改良される。しかしながら、密度が0.905g/cm3未満になると、フィルムの延伸性に問題が生じ易くなる。前記した範囲の密度を有する直鎖状低密度ポリエチレンは、その分岐が短鎖であることが必要である。分岐鎖の長さには特に限定はないが、炭素数10以下であるのが望ましく、高圧法ポリエチレンのように分岐が、長鎖であると延伸性が乏しく、熱収縮率が不足する傾向にあるので好ましくない。
更に、直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(190℃、2.16kg、以下「MFR」という。)は、強度及び熱収縮性の観点から、MFRが3.0g/10分以下であるのが好ましく、成形性及び延伸性の観点からはMFRが0.1g/10分以上であるのが好ましい。
このような直鎖状低密度ポリエチレンは市販されており、例えば、「NF444A」日本ポリエチレン(株)製が挙げられる。
一方、本発明におけるランダムポリプロピレンは、エチレンとプロピレンをコモノマーとして通常の方法で得られるが、そのエチレン含有量が2〜12質量%であることが重要である。即ち、エチレン含量が2質量%未満になると熱収縮性が低下し、そのために収縮緊縛力が小さくなり、収縮包装性が非常に悪くなる。これに対して、エチレン含量が2質量%以上になると、熱収縮性は大幅に増して収縮包装性は改良される。しかしながら、エチレン含量が12質量%を超えると、延伸性が大幅に低下し、強度不足になるという問題が生じる。なお、プロピレンコポリマーとプロピレンホモポリマーの組成物において、エチレン含有量が2〜12質量%の場合も本発明に適用できる。
更に、本発明で使用されるランダムポリプロピレンのMFRは10g/10分以下にする必要がある。即ち、MFRが10g/10分を超えると、熱収縮性が大幅に低下し、収縮包装性は非常に悪くなる。MFRが10g/10分以下であれば、特に問題はない。しかし、フィルム成形性及び延伸性の観点からはMFRが0.5g/10分以上が、また、フィルム成形性及び強度、熱収縮性の観点からはMFRが8g/10分以下が好ましい。
このようなランダムポリプロピレンは市販されており、例えば、「PB222A」サンアロマー(株)製が挙げられる。
更に、本発明で使用されるランダムポリプロピレンのMFRは10g/10分以下にする必要がある。即ち、MFRが10g/10分を超えると、熱収縮性が大幅に低下し、収縮包装性は非常に悪くなる。MFRが10g/10分以下であれば、特に問題はない。しかし、フィルム成形性及び延伸性の観点からはMFRが0.5g/10分以上が、また、フィルム成形性及び強度、熱収縮性の観点からはMFRが8g/10分以下が好ましい。
このようなランダムポリプロピレンは市販されており、例えば、「PB222A」サンアロマー(株)製が挙げられる。
また、クロスの経糸に使用するポリオレフィン組成物においては、短鎖分岐を有する直鎖状低密度ポリエチレンとランダムポリプロピレンとの混合による組成比が重要である。すなわち、短鎖分岐を有する直鎖状低密度ポリエチレン10〜90質量%と、ランダムポリプロピレン90〜10質量%とを有することを特徴とする。短鎖分岐を有する直鎖状低密度ポリエチレンが90質量部を超え、ランダムポリプロピレンが10質量部未満の組成物になると、延伸性や強度が不足する。一方、短鎖分岐を有する直鎖状低密度ポリエチレンが10質量部未満、ランダムポリプロピレンが90質量部以上の組成物になると、収縮率が低下する。
このような配合比からなる短鎖分岐を有する直鎖状低密度ポリエチレンとランダムポリプロピレンとを主成分とする組成物からなる細状延伸物を造るには、様々な方法があるが、例えば先ず、溶融押出成形でフィルム状に成形、冷却する。次いで、冷却後スリッターで適宜巾にスリット加工してから加熱、延伸加工することにより細状延伸物を得ることができる。この溶融押出成形は、従来から一般的に実施されている方法、例えば、インフレーション押出機などを用いて行うことができる。すなわち、溶融押出成形にあたっては、短鎖分岐を有する直鎖状低密度ポリエチレンとランダムポリプロピレンとを主成分とする組成物は、ダイスのスリットから溶融状態でフィルム状に押出成形され、冷却される。冷却後、スリッターでスリット加工してから、好ましくは60〜120℃の温度範囲で高倍率、例えば2〜9倍の倍率で延伸加工することにより細状延伸物を得ることができ、テープ状物として使用することができる。この延伸加工において、加熱温度が120℃を超えると、延伸性が悪くなるばかりでなく分子鎖間に滑りが生じる。そのため延伸操作が配向に有効に寄与せず、所定の強度や熱収縮率が得られなくなるので好ましくない。上記延伸においては、120℃未満の延伸温度であれば特に問題はない。しかし、60℃未満では白化が生じたり、諸物性が低下したり、あるいは延伸性が低下したりする傾向があるので、60〜120℃の温度範囲で延伸加工するのが好ましい。特に、好ましい延伸温度は70〜110℃であり、この温度範囲では延伸性が優れ、強度、熱収縮率、収縮温度が最もバランスした物性が得られる。更に、延伸加工する際の延伸倍率は、所望の強度に依存するが、好ましくは4〜8倍である。延伸倍率が4倍未満では得られた細状延伸物の強度に問題が生じる恐れがある。また、延伸倍率が8倍を超えると延伸性に問題が生じる場合がある。そして、延伸加工後の自然収縮性を低くするためや、巻き取り機の紙管つぶれを防止するために、延伸加工後直ちに寸法固定の状態で加熱処理をしてもよい。あるいは、そのような加熱処理をした方が望ましい場合もある。溶融押出成形の際、ダイススリットにノズルを用いることによりモノフィラメントを、また、モノフィラメントを複数本とした糸状物を細状延伸物として得ることができる。
かくして得られた高収縮性及び高強度を有する本発明の細状延伸物である糸状物、モノフィラメント及びテープ状物(以下、「糸状物」という。)は、経糸の一部もしくは全部に使用して製織することにより本発明の収縮包装用クロスを得ることができる。
クロスに用いる緯糸は、従来からの熱収縮性クロスに用いられているものを適用すればよいが、高熱収縮性を有する経糸よりも熱収縮率の低い緯糸が用いられる。例えば、各種の低密度ポリエチレン、チーグラー触媒による直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。なお、多少の熱収縮率は、密度、メルトフローレート、組成比、延伸温度、延伸倍率などを適宜変化させることにより調節することができる。
製織は従来一般的に使用されている織機の技術で実施すればよい。使用糸状物のスペックは、被包装物の形状により適宜選定して決定すればよい。
打ち込み本数は、5〜15本/inchが好ましく、8〜15本/inchであればより好ましい。5本/inch未満であると強度が不足し、15本/inchよりも多いと収縮率が不足するからである。
各細状延伸物の幅は3〜15mmが好ましい。3mm未満であると厚くなって熱伝導率が悪くなり収縮が不安定になり、15mmよりも幅広になると薄くなって製造しづらくなるからである。
各細状延伸物の幅は3〜15mmが好ましい。3mm未満であると厚くなって熱伝導率が悪くなり収縮が不安定になり、15mmよりも幅広になると薄くなって製造しづらくなるからである。
本発明の実施にあたって使用されるダイススリットは、T型ダイス、サーキュラーダイス、フィラメント状ノズル、バンド状長方形ノズルなど、従来から一般に使用されているものを用いることができる。そして、押出成形後の冷却も、例えば、水冷、空冷、チルロールによる接触などのいずれをも用いることができる。更に、延伸加工は、オープン延伸、ロール延伸、湿式延伸、熱板延伸などいずれの延伸方法を利用してもよいが、融点と最適延伸温度との差が大きいため、比較的安価で熱コントロールが行ないやすい熱板延伸の使用が好ましい。
なお、本発明において使用するポリオレフィン組成物には、必要に応じて抗酸化剤、紫外線劣化防止剤、滑剤、顔料さらには異樹脂を配合してもよい。また、目的とする用途によっては、本発明の包装用クロスに、熱可塑性樹脂を常法に従ってラミネートして使用しても良い。更に、耐摩耗性などの機械的性質を向上させるために、本発明の包装用クロスを2枚もしくはそれ以上の多数枚を使用して中間層を挟むサンドイッチラミネートなどの方法によって積層してもよい。2枚以上積層すると振動に対する耐摩耗性は枚数以上の感じで大幅に改良されて効果的である。
なお、本発明において使用するポリオレフィン組成物には、必要に応じて抗酸化剤、紫外線劣化防止剤、滑剤、顔料さらには異樹脂を配合してもよい。また、目的とする用途によっては、本発明の包装用クロスに、熱可塑性樹脂を常法に従ってラミネートして使用しても良い。更に、耐摩耗性などの機械的性質を向上させるために、本発明の包装用クロスを2枚もしくはそれ以上の多数枚を使用して中間層を挟むサンドイッチラミネートなどの方法によって積層してもよい。2枚以上積層すると振動に対する耐摩耗性は枚数以上の感じで大幅に改良されて効果的である。
本発明において、上述したクロスに積層するフィルムは、シーラントとして低温ヒートシール性を実現するもので、直鎖状低密度ポリエチレンからなり、公知のメタロセン触媒を用いて、エチレンと、プロピレン;ブテン−1;4−メチルペンテン−1;ヘキセン−1;オクテン−1等のα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。それらの重合方法には特に限定はない。例えば、気相法、スラリー法、溶液法などのいずれの方法を用いても製造することができる。
この直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.910〜0.935g/cm3である。好ましくは0.930g/cm3未満である。直鎖状低密度ポリエチレンの密度が、0.935g/cm3より大きくなるとクロスの強度には問題は起こらないが、熱収縮性が低下する。そのために収縮緊縛力が低下し、その結果、収縮包装性が非常に悪くなる。これに対して、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.935g/cm3以下であれば、熱収縮率その他の問題が解決され、更に、0.930g/cm3未満では大幅に改良される。しかしながら、密度が0.910g/cm3未満になると、フィルムの延伸性に問題が生じ勝ちになる。前記した範囲の密度を有する直鎖状低密度ポリエチレンは、その分岐が短鎖であることが必要である。分岐鎖の長さには特に限定はないが、炭素数10以下であるのが望ましく、高圧法ポリエチレンのように分岐が、長鎖であると延伸性が乏しく、熱収縮率が不足する傾向にあるので好ましくない。
更に、直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(190℃、2.16kg、以下「MFR」という。)は、強度及び熱収縮性の観点から、MFRが5.0g/10分以下であるのが好ましく、成形性及び延伸性の観点からはMFRが1g/10分以上であるのが好ましい。
このような直鎖状低密度ポリエチレンは市販されており、例えば、「NF444A」日本ポリエチレン(株)製が挙げられる。
この直鎖状低密度ポリエチレンの密度は、0.910〜0.935g/cm3である。好ましくは0.930g/cm3未満である。直鎖状低密度ポリエチレンの密度が、0.935g/cm3より大きくなるとクロスの強度には問題は起こらないが、熱収縮性が低下する。そのために収縮緊縛力が低下し、その結果、収縮包装性が非常に悪くなる。これに対して、直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.935g/cm3以下であれば、熱収縮率その他の問題が解決され、更に、0.930g/cm3未満では大幅に改良される。しかしながら、密度が0.910g/cm3未満になると、フィルムの延伸性に問題が生じ勝ちになる。前記した範囲の密度を有する直鎖状低密度ポリエチレンは、その分岐が短鎖であることが必要である。分岐鎖の長さには特に限定はないが、炭素数10以下であるのが望ましく、高圧法ポリエチレンのように分岐が、長鎖であると延伸性が乏しく、熱収縮率が不足する傾向にあるので好ましくない。
更に、直鎖状低密度ポリエチレンのメルトフローレート(190℃、2.16kg、以下「MFR」という。)は、強度及び熱収縮性の観点から、MFRが5.0g/10分以下であるのが好ましく、成形性及び延伸性の観点からはMFRが1g/10分以上であるのが好ましい。
このような直鎖状低密度ポリエチレンは市販されており、例えば、「NF444A」日本ポリエチレン(株)製が挙げられる。
このフィルムは、一軸延伸処理が施される。この延伸処理は、上述した細状延伸物における延伸処理と同様に、種々の方法によってなされ得る。この延伸処理を施すことによって、フィルムの熱収縮性に方向性が付与されるようになる。
本発明の熱収縮性包装材は、上述したクロスと一軸延伸フィルムとを有する積層体である。クロスと一軸延伸フィルムは、隣接するように直接に、または間に他の層を介在させてラミネートしてもよい。ラミネート方法としては、押出ラミネート法が挙げられる。
積層に際しては、クロスの経糸の方向と、一軸延伸フィルムの延伸方向とが同方向になっていることが重要である。そのように積層させることで、特定方向にだけ高い熱収縮性を発現するようになる。
本発明の熱収縮性包装材は、上述したクロスと一軸延伸フィルムとを有する積層体である。クロスと一軸延伸フィルムは、隣接するように直接に、または間に他の層を介在させてラミネートしてもよい。ラミネート方法としては、押出ラミネート法が挙げられる。
積層に際しては、クロスの経糸の方向と、一軸延伸フィルムの延伸方向とが同方向になっていることが重要である。そのように積層させることで、特定方向にだけ高い熱収縮性を発現するようになる。
本発明の熱収縮性包装材を使用するに際しては、通常の方法によりシュリンク包装を行えばよい。但し、ヒートシールにより包装材どうしを接合するに際して、上述した特定のフィルムがシーラントとして機能させるようにし、このフィルムを加熱、溶融するようにヒートシーラを適用する。
従って、上記特定のフィルムは片面にだけ設けても良いが、ヒートシール時の重ね合わせの自由度を高める為には、両面に設けた方がよい。
従って、上記特定のフィルムは片面にだけ設けても良いが、ヒートシール時の重ね合わせの自由度を高める為には、両面に設けた方がよい。
本発明の熱収縮性包装材は、上述したクロスとフィルムが積層されたもので、特定のクロスを有することにより、引裂強度、引張強度、耐摩耗性などの機械的強度に優れ、また、ノッチ伝播性がなく、破断しにくく、重包装分野にも耐用できる。また、シュリンクパックできる温度も低い。更に、収縮の方向や量についても、被包装物の形状、包装形態に合わせた自由な収縮の方向性や量の選択が可能である。従って、単被包装物の形状が複雑でも収縮包装ができる。
さらに、特定のフィルムが設けられていることから、低温で十分にヒートシールでき、包装工程の高速化を図ることができる。かつ、よりいっそうの耐衝撃性を発揮することから、耐落下強度が高い。
特に、本発明では、クロスが一方向にだけ延伸しやすく、かつ、フィルムも一方向にだけ延伸しやすく、これらの延伸の方向性を相乗的に発揮させるように積層されていることから、熱収縮時の収縮に高い方向性をもつものとなり、目詰まりがしにくく、高い熱収縮率を発揮する。従って、目詰まりや熱収縮率の低下を抑制しつつクロスの枚数や打込み本数を増加させることが可能になり、機械的強度が増して重量物の包装により適したものとなる。
さらに、特定のフィルムが設けられていることから、低温で十分にヒートシールでき、包装工程の高速化を図ることができる。かつ、よりいっそうの耐衝撃性を発揮することから、耐落下強度が高い。
特に、本発明では、クロスが一方向にだけ延伸しやすく、かつ、フィルムも一方向にだけ延伸しやすく、これらの延伸の方向性を相乗的に発揮させるように積層されていることから、熱収縮時の収縮に高い方向性をもつものとなり、目詰まりがしにくく、高い熱収縮率を発揮する。従って、目詰まりや熱収縮率の低下を抑制しつつクロスの枚数や打込み本数を増加させることが可能になり、機械的強度が増して重量物の包装により適したものとなる。
本発明は、種々の収縮包装に利用できるが、特に、タイヤ、電線の巻回物などの環状物、重量物の包装に好適である。
環状物包装としては、上述した熱収縮性包装材を用い、その収縮方向が環状被包装物の外径周方向に一致するように環状被包装物の外周を包囲した後、この包装材の重なり部を接合し、ついでこれを加熱して熱収縮性包装材を収縮せしめ、環状物の両端面側に該環状物の内径より小さいスリーブ口の形成された中間包装体とした後、この中間包装体のそれぞれのスリーブ形成部を共に外側から該環状物の内径に沿って押圧し、内周面においてリング状に接合し、さらにその内側にある部分を切断除去する方法が好適である。即ち、熱収縮性包装材を環状物の外径周方向にそって覆う第1工程と、加熱炉中でのスリーブ包装する第2工程と、環状物の内径円周部のヒートシールおよびヒートカットする第3工程を有する方法が好適である。
環状物包装としては、上述した熱収縮性包装材を用い、その収縮方向が環状被包装物の外径周方向に一致するように環状被包装物の外周を包囲した後、この包装材の重なり部を接合し、ついでこれを加熱して熱収縮性包装材を収縮せしめ、環状物の両端面側に該環状物の内径より小さいスリーブ口の形成された中間包装体とした後、この中間包装体のそれぞれのスリーブ形成部を共に外側から該環状物の内径に沿って押圧し、内周面においてリング状に接合し、さらにその内側にある部分を切断除去する方法が好適である。即ち、熱収縮性包装材を環状物の外径周方向にそって覆う第1工程と、加熱炉中でのスリーブ包装する第2工程と、環状物の内径円周部のヒートシールおよびヒートカットする第3工程を有する方法が好適である。
図面を参照して具体例を詳説する。
まず、第1工程として、図1(a)に示すように、熱収縮性包装材1を、2本のロール3、3から引き出して、2本のロール3、3の中間近辺の位置にてそれぞれをヒートシールすることにより、熱収縮性包装材1からなる平面状の包装面4を形成する。タイヤ等の環状物2は、その軸が上記2本のロール3、3と平行となるように図示しない移動体に係止されており、またその外周面が包装面4と向かい合うように設置される。上記熱収縮性包装材1の巻回されたロール3、3は、環状物の外径よりも図面上下方向に大きい間隔をおいて配置されたものである。この状態において、図示しない移動体に係止された環状物2を熱収縮性包装材1からなる包装面4の方向に移動させる。この移動により、環状物2はその外周面の半分程度が包装面4により覆われる。この状態を図1(b)に示す。さらに環状物2を移動させて、2本のロール3、3の間を環状物2が完全に通過した直後に、図面上下方向より熱板5、5が、互いに接近することにより、熱収縮性包装材1を環状物2の外周に沿うように円筒状に形成した後、熱板5、5の圧接によりヒートシールおよびヒートカットを行う。この状態を図1(c)に示す。このようにして、中央に環状物2を内包する円筒状の熱収縮性包装材1を形成する。
次に、第2工程として、上記環状物2を内包する円筒状の熱収縮性包装材1を、加熱炉内を通過させることにより熱収縮させ、これによりスリーブ包装工程を行う。このスリーブ包装工程により熱収縮性包装材1から形成される環状物包装体(以下、中間包装体と略称する)6を図2に示す。この中間包装体6は、環状物2の外周を包装している外周包装部7と、環状物2の両端面を包装する端面包装部8、8と、端面包装部8、8の内側に形成され、その中央部にスリーブ口9を有するスリーブ口形成部10、10とからなる。このスリーブ口9の径は、環状物2の内径より小さくなるように、予め熱収縮性包装材の幅、収縮率等により調整しておく。ここで、この熱収縮性包装材1の幅と環状物2の胴まわり太さとの関係は、熱収縮性包装材1の収縮率にもよるが、熱収縮性包装材1の幅が環状物2の胴まわり太さの約1.1〜1.3倍の範囲が好適である。
最後に、第3工程として、図3(a)に示すように、加熱部11及び加熱部11と同じ外径の受板12とからなるリングシーラ13を用いてスリーブ口形成部10、10の外側から環状物2の内径に沿って押圧し、接合することにより、スリーブ口形成部10、10が環状物2の内周面において接合される。この状態を図3(b)に示す。ここで、この接合は、深しぼりを容易にするため加熱炉通過直後に行なわれることが好ましい。この後、上記工程により形成されたヒートシール部分14より内側にある不要なスリーブ口形成部10、10をヒートカットすることにより、図3(c)に示す環状物の包装がなされる。
まず、第1工程として、図1(a)に示すように、熱収縮性包装材1を、2本のロール3、3から引き出して、2本のロール3、3の中間近辺の位置にてそれぞれをヒートシールすることにより、熱収縮性包装材1からなる平面状の包装面4を形成する。タイヤ等の環状物2は、その軸が上記2本のロール3、3と平行となるように図示しない移動体に係止されており、またその外周面が包装面4と向かい合うように設置される。上記熱収縮性包装材1の巻回されたロール3、3は、環状物の外径よりも図面上下方向に大きい間隔をおいて配置されたものである。この状態において、図示しない移動体に係止された環状物2を熱収縮性包装材1からなる包装面4の方向に移動させる。この移動により、環状物2はその外周面の半分程度が包装面4により覆われる。この状態を図1(b)に示す。さらに環状物2を移動させて、2本のロール3、3の間を環状物2が完全に通過した直後に、図面上下方向より熱板5、5が、互いに接近することにより、熱収縮性包装材1を環状物2の外周に沿うように円筒状に形成した後、熱板5、5の圧接によりヒートシールおよびヒートカットを行う。この状態を図1(c)に示す。このようにして、中央に環状物2を内包する円筒状の熱収縮性包装材1を形成する。
次に、第2工程として、上記環状物2を内包する円筒状の熱収縮性包装材1を、加熱炉内を通過させることにより熱収縮させ、これによりスリーブ包装工程を行う。このスリーブ包装工程により熱収縮性包装材1から形成される環状物包装体(以下、中間包装体と略称する)6を図2に示す。この中間包装体6は、環状物2の外周を包装している外周包装部7と、環状物2の両端面を包装する端面包装部8、8と、端面包装部8、8の内側に形成され、その中央部にスリーブ口9を有するスリーブ口形成部10、10とからなる。このスリーブ口9の径は、環状物2の内径より小さくなるように、予め熱収縮性包装材の幅、収縮率等により調整しておく。ここで、この熱収縮性包装材1の幅と環状物2の胴まわり太さとの関係は、熱収縮性包装材1の収縮率にもよるが、熱収縮性包装材1の幅が環状物2の胴まわり太さの約1.1〜1.3倍の範囲が好適である。
最後に、第3工程として、図3(a)に示すように、加熱部11及び加熱部11と同じ外径の受板12とからなるリングシーラ13を用いてスリーブ口形成部10、10の外側から環状物2の内径に沿って押圧し、接合することにより、スリーブ口形成部10、10が環状物2の内周面において接合される。この状態を図3(b)に示す。ここで、この接合は、深しぼりを容易にするため加熱炉通過直後に行なわれることが好ましい。この後、上記工程により形成されたヒートシール部分14より内側にある不要なスリーブ口形成部10、10をヒートカットすることにより、図3(c)に示す環状物の包装がなされる。
上記リングシーラ13によりヒートシール、およびヒートシール部分14より内側にある不要なスリーブ口形成部10のヒートカットについて、図4を用いて詳説する。リングシーラ13は、リング状にヒートシールおよびヒートカットする工程において用いられ、ヒートシール、ヒートカットを同時に行うことが可能な機構を有するものである。このリングシーラ13は、加熱部11と受板12とからなる。この加熱部11と受板12とは、図示しない支持体に互いに接近、離間が可能なように、移動自在に取り付けられたものであり、加熱部11は押さえ部15の設けられた基板16と、取手17、ヒートシール部18、ヒートナイフ19が設けられた可動部20とから概略構成されるものである。押さえ部15は、基板16の受板12側の端面の外周近傍に外周に沿って設けられた受板12側に突出する複数本の円柱状の連結部21‥の末端に設けられた円筒状のものである。この押さえ部15の受板12側の末端近傍の内側には、冷却用のエアー管22が内設されている。可動部20は、上記連結部21‥の内側に形成された円盤状のもので、受板12と反対側の端面に突出して形成されたコ字状の取手17により基板16に受板方向に接近、離間できるように移動自在に取り付けられたものである。可動部20の受板12側の端面には、その外周近傍に受板12側に突出した円柱状の連結部23‥が可動部20の外周に沿って複数本設けられ、連結部23‥にはコイルばね24が巻かれている。この連結部23‥の受板12側の末端には円筒状のヒートシール部18が、受板方向に接近、離間できるように移動自在に取り付けられており、コイルばね24はこのヒートシール部18を受板方向に付勢するものである。このヒートシール部18の受板側末端の内側にはヒータ25が内設されている。さらに、可動部20には連結部23‥の内側に受板12側に突出した複数本の円柱状の連結部26‥が、連結部23と同様に設けられ、コイルばね27もコイルばね24と同様に設けられている。
この連結部26の受板12側の末端には、受板12側末端に刃部28が形成された円筒状のヒートナイフ19が、ヒートシール部18と同様に受板方向に接近、離間できるように移動自在に取り付けられており、コイルばね27は、このヒートナイフ19を受板方向に付勢するものである。このヒートナイフ19には、ヒートシール部18と同じくその刃部28の付け根近傍の内部にヒータ29が設けられている。これらのものは、通常用いられる金属材料にて形成されるものであるが、押さえ部15を形成する材料としては、弾性のあるプラスチック等の断熱材が好適に用いられる。
このリングシーラ13を環状物包装体に用いる場合は、まず図3(a)に示す位置にリングシーラ13および中間包装体6を配置する。次に、受板12と押さえ部15とを熱収縮性包装材1を挾むように接合させる。さらに、取手17を受板12側に押すことにより、可動部20を受板12側に押圧する。これによりヒートシール部18とヒートナイフ19が熱収縮性包装材1に圧接して、熱収縮性包装材1を円形にヒートシールおよびヒートカットを行うことができる。ここで、コイルばね24、27は、それぞれヒートシール部18、ヒートナイフ19を一定圧力で受板12に圧接させるため、熱収縮性包装材1のヒートシールおよびヒートカットが良好に行える。
なお、上述の例では熱収縮性包装材1は、2本のロール3、3に巻回された長尺物より形成されるものであるが、本発明においては、これに限られるものでなく、1枚のシート状の熱収縮性包装材を用いても同様の方法によって収縮包装体を形成することができる。
この連結部26の受板12側の末端には、受板12側末端に刃部28が形成された円筒状のヒートナイフ19が、ヒートシール部18と同様に受板方向に接近、離間できるように移動自在に取り付けられており、コイルばね27は、このヒートナイフ19を受板方向に付勢するものである。このヒートナイフ19には、ヒートシール部18と同じくその刃部28の付け根近傍の内部にヒータ29が設けられている。これらのものは、通常用いられる金属材料にて形成されるものであるが、押さえ部15を形成する材料としては、弾性のあるプラスチック等の断熱材が好適に用いられる。
このリングシーラ13を環状物包装体に用いる場合は、まず図3(a)に示す位置にリングシーラ13および中間包装体6を配置する。次に、受板12と押さえ部15とを熱収縮性包装材1を挾むように接合させる。さらに、取手17を受板12側に押すことにより、可動部20を受板12側に押圧する。これによりヒートシール部18とヒートナイフ19が熱収縮性包装材1に圧接して、熱収縮性包装材1を円形にヒートシールおよびヒートカットを行うことができる。ここで、コイルばね24、27は、それぞれヒートシール部18、ヒートナイフ19を一定圧力で受板12に圧接させるため、熱収縮性包装材1のヒートシールおよびヒートカットが良好に行える。
なお、上述の例では熱収縮性包装材1は、2本のロール3、3に巻回された長尺物より形成されるものであるが、本発明においては、これに限られるものでなく、1枚のシート状の熱収縮性包装材を用いても同様の方法によって収縮包装体を形成することができる。
この方法では、熱収縮性包装材の収縮、ヒートシール、ヒートカット等により環状物を包装するため、包装の自動化が容易となる。また、帯状の紙あるいはフィルムを重ねた包装形態と異なり、密封包装されているため内容物の露出等が起こらない。
また、得られる環状物包装体は、環状物の表面に熱収縮性包装材が密着したものとなる。
また、得られる環状物包装体は、環状物の表面に熱収縮性包装材が密着したものとなる。
以下、本発明を実施例及び比較例に従って更に詳しく説明するが、本発明の範囲をこれらに限定するものでないことはいうまでもない。
[実施例]
密度が0.912g/cm3、メルトフローレートが2.0g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(「NF444A」日本ポリエチレン(株)製)が60質量%、エチレン含有量が7質量%でメルトフローレートが0.8g/10分のランダムポリプロピレン(「PB222A」サンアロマー(株)製)が40質量%の混合物を調製した。
この混合物を用いて、インフレーション法で厚さ50μmのフィルムを製造した。そして、スリッターでスリット後、80℃で7.0倍に延伸して1000デニールのテープ(幅6mm)を得た。それらの引張強度及び熱収縮率を測定した。結果は、表1に示す通りである。
[実施例]
密度が0.912g/cm3、メルトフローレートが2.0g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(「NF444A」日本ポリエチレン(株)製)が60質量%、エチレン含有量が7質量%でメルトフローレートが0.8g/10分のランダムポリプロピレン(「PB222A」サンアロマー(株)製)が40質量%の混合物を調製した。
この混合物を用いて、インフレーション法で厚さ50μmのフィルムを製造した。そして、スリッターでスリット後、80℃で7.0倍に延伸して1000デニールのテープ(幅6mm)を得た。それらの引張強度及び熱収縮率を測定した。結果は、表1に示す通りである。
尚、延伸性5は、テープ製造の過程において延伸処理を連続して1.5時間施しても延伸切れがなく、運転上支障がなかったことを示す。
このテープを経糸に使用し、高密度ポリエチレン(MFR:0.8g/10分)を使って製造したテープ(延伸温度:130℃、7.0倍)を緯糸に用いて10×10本/inchで2700mm巾スルーザー機により平織に製織してクロスを得た。
別途、密度が0.912g/cm3、メルトフローレートが2.0g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(「NF444A」日本ポリエチレン(株)製)を用意した。
この樹脂を用いて、インフレーション法で厚さ25μmのフィルムを製造した。さらに、一軸延伸加工(80℃、3.5倍)を施した。
そして、上記クロスの片面に、密度が0.919g/cm3、メルトフローレートが8.0g/10分の低密度ポリエチレン(「LC607K」日本ポリエチレン(株)製)を285℃、厚さ20μmで押し出して介在させて、上記フィルムをラミネートして積層体を製造した。但し、フィルムの延伸方向とクロスの経糸の方向が沿うようにした。
別途、密度が0.912g/cm3、メルトフローレートが2.0g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(「NF444A」日本ポリエチレン(株)製)を用意した。
この樹脂を用いて、インフレーション法で厚さ25μmのフィルムを製造した。さらに、一軸延伸加工(80℃、3.5倍)を施した。
そして、上記クロスの片面に、密度が0.919g/cm3、メルトフローレートが8.0g/10分の低密度ポリエチレン(「LC607K」日本ポリエチレン(株)製)を285℃、厚さ20μmで押し出して介在させて、上記フィルムをラミネートして積層体を製造した。但し、フィルムの延伸方向とクロスの経糸の方向が沿うようにした。
[比較例]
密度が0.922g/cm3、メルトフローレートが0.9g/10分のチグラー触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(「UF320」日本ポリエチレン(株)製)が60質量%、エチレン含有量が7.0質量%でメルトフローレートが0.8g/10分のランダムポリプロピレン(「PB222A」サンアロマー(株)製)が40質量%の混合物を調製した。
この混合物を用いて、インフレーション法で厚さ50μmのフィルムを製造した。そして、スリッターでスリット後、80℃で7.0倍に延伸して1000デニールのテープ(幅6mm)を得た。それらの引張強度及び熱収縮率を測定した。結果は、表1に示す通りである。
このテープを経糸に使用し、高密度ポリエチレン(MFR:0.8g/10分)を使って製造したテープ(延伸温度:130℃、7.0倍)を緯糸に用いて10×10本/inchで2700mm巾スルーザー機により平織に製織してクロスを得た。
別途、密度が0.924g/cm3、メルトフローレートが3.5g/10分のチグラー触媒による低密度ポリエチレン(「LR547」日本ポリエチレン(株)製)を用いて、インフレーション法で厚さ25μmのフィルムを製造した(延伸加工はせず)。
このフィルムを上記クロスの片面にラミネートして積層体を製造した。
密度が0.922g/cm3、メルトフローレートが0.9g/10分のチグラー触媒による直鎖状低密度ポリエチレン(「UF320」日本ポリエチレン(株)製)が60質量%、エチレン含有量が7.0質量%でメルトフローレートが0.8g/10分のランダムポリプロピレン(「PB222A」サンアロマー(株)製)が40質量%の混合物を調製した。
この混合物を用いて、インフレーション法で厚さ50μmのフィルムを製造した。そして、スリッターでスリット後、80℃で7.0倍に延伸して1000デニールのテープ(幅6mm)を得た。それらの引張強度及び熱収縮率を測定した。結果は、表1に示す通りである。
このテープを経糸に使用し、高密度ポリエチレン(MFR:0.8g/10分)を使って製造したテープ(延伸温度:130℃、7.0倍)を緯糸に用いて10×10本/inchで2700mm巾スルーザー機により平織に製織してクロスを得た。
別途、密度が0.924g/cm3、メルトフローレートが3.5g/10分のチグラー触媒による低密度ポリエチレン(「LR547」日本ポリエチレン(株)製)を用いて、インフレーション法で厚さ25μmのフィルムを製造した(延伸加工はせず)。
このフィルムを上記クロスの片面にラミネートして積層体を製造した。
上記実施例及び比較例の熱収縮性包装材について諸物性を測定した結果を表2に示す。
*1 グリセリンバス中で各温度1分間浸漬後。
*2 ダート:38mm径の半球体、1m高さ。
*3 自動車のタイヤ(外径625mm、内径355mm)に対して長さで5%の余裕を持たせて包装し、端部をヒートシールし、シュリンクトンネル内を20秒で、クロスがブロッキングを起こすことなくスリーブ口がタイヤの内径以下まで収縮できる最低温度。
*4 前項と同様にヒートシールし、シュリンクトンネル内を185℃でタイトに包装できる最小通過時間。
*5 ◎・・・非常に良好、○・・・良好、×・・・不良。
*6 孔あきの認められた時点の回数。
*7 ◎・・・非常に良好、○・・・良好、×・・・不良。
*2 ダート:38mm径の半球体、1m高さ。
*3 自動車のタイヤ(外径625mm、内径355mm)に対して長さで5%の余裕を持たせて包装し、端部をヒートシールし、シュリンクトンネル内を20秒で、クロスがブロッキングを起こすことなくスリーブ口がタイヤの内径以下まで収縮できる最低温度。
*4 前項と同様にヒートシールし、シュリンクトンネル内を185℃でタイトに包装できる最小通過時間。
*5 ◎・・・非常に良好、○・・・良好、×・・・不良。
*6 孔あきの認められた時点の回数。
*7 ◎・・・非常に良好、○・・・良好、×・・・不良。
表2から、本実施例による熱収縮性包装材が、比較例の熱収縮性包装材に比べて、諸強度、熱収縮率、低温ヒートシール性において優れていることが判る。
本発明は、種々の収縮包装に利用できるが、特に、タイヤ、電線の巻回物などの環状物、重量物の包装に適用可能なものであり、有用性の高いものである。
1 包装用フィルム
2 環状物
6 中間包装体
2 環状物
6 中間包装体
Claims (2)
- 密度が0.905〜0.945g/cm3、メルトフローレートが0.1〜3g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレン10〜90質量%と、エチレン含有量が2〜12質量%、メルトフローレートが10g/10分以下のランダムポリプロピレン90〜10質量%とを含有したポリオレフィン組成物からなる細状延伸物からなる経糸と、該経糸よりも熱収縮率の低い緯糸とを使用して製織又は編織してなるクロスと、
密度が0.910〜0.935g/cm3、メルトフローレートが1〜5g/10分のメタロセン触媒による直鎖状低密度ポリエチレンからなる一軸延伸フィルムとを有し、
該一軸延伸フィルムの延伸方向が前記クロスの経糸の方向に沿って積層されていることを特徴とする熱収縮性包装材。 - 環状物の包装用であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性包装材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004150350A JP2005329632A (ja) | 2004-05-20 | 2004-05-20 | 熱収縮性包装材 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101223461B1 (ko) * | 2008-04-30 | 2013-01-17 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 아라미드 멀티필라멘트 권취지관의 포장방법 |
KR20160043449A (ko) * | 2014-10-13 | 2016-04-21 | 박윤희 | 수축 필름 및 이를 이용한 수축 포장 방법 |
-
2004
- 2004-05-20 JP JP2004150350A patent/JP2005329632A/ja active Pending
Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
KR101223461B1 (ko) * | 2008-04-30 | 2013-01-17 | 코오롱인더스트리 주식회사 | 아라미드 멀티필라멘트 권취지관의 포장방법 |
KR20160043449A (ko) * | 2014-10-13 | 2016-04-21 | 박윤희 | 수축 필름 및 이를 이용한 수축 포장 방법 |
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