JP2005328714A - 神経発達障害に及ぼす効果を評価するための細胞および方法 - Google Patents

神経発達障害に及ぼす効果を評価するための細胞および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、アリルハイドロカーボン受容体が神経の発達におよぼす影響を解析できるインビトロ培養系の構築に必要な細胞を提供することを目的とする。さらに、神経発達障害のマーカーを取得すること、および被検物質が神経発達障害に及ぼす効果を判定することを目的とする。
【解決手段】 アリルハイドロカーボン受容体遺伝子を有する受容体発現用核酸を導入して得られる神経芽細胞腫細胞であって、アリルハイドロカーボン受容体の基質を未添加の状態で突起の伸長がみられる神経芽細胞腫細胞を提供する。また、このような細胞を使用して、神経発達障害のマーカーを取得する方法、および被検物質が神経発達障害に及ぼす効果を判定する方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アリルハイドロカーボン(arylhydrocarbon)受容体遺伝子を有する受容体発現用核酸を導入した神経芽細胞腫細胞に関する。また、該細胞を使用して、アリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害のマーカーを取得する方法、および被検物質がアリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害にに及ぼす効果をの判定をおこなうための方法に関する。
近年、注意欠陥多動性疾患(ADHD)あるいは学習障害(LD)のような神経発達障害が大きな社会問題となっている。米国では、18歳以下の子供の3〜5%がADHD患者であると推定されており(Diagnosis and Treatment of Attention Deficit Hyperactivity Disorder. NIH Consens Statement 1998 Nov 16-18; 16(2): 1-37.)、日本においても米国と同程度、すなわち18歳以下の子供の3〜5%がADHD患者とみつもられている。このため、これらの神経発達障害に有効な診断法および治療法の開発が急務である。
現在、これらの神経発達障害の原因のひとつとして、環境ホルモン類の神経毒性が疑われている。環境ホルモン類は、生殖毒性、免疫毒性、および神経毒性などの多様な毒性を示し、その毒性の一部は、アリルハイドロカーボン受容体を介して発現することが知られている。環境ホルモン類の神経毒性に関しても、脳組織においてアリルハイドロカーボン受容体が発現されることから(非特許文献1)、アリルハイドロカーボン受容体が毒性の発現に関与すると考えられている。また、ADHDなどの神経発達障害とアリルハイドロカーボン受容体との関連性も疑われている。そこで、神経発達障害に有効な診断法や治療法の開発にむけ、アリルハイドロカーボン受容体が神経の発達におよぼす影響を解析するのに適したインビトロ培養系の構築が望まれている。
このようなインビトロ培養系の構築にあたっては、適切な細胞を選択する必要がある.まず、細胞はアリルハイドロカーボン受容体を発現していなければならない.また、アリルハイドロカーボン受容体が神経の分化過程に作用すると考えられているため、神経分化前の幼若神経に由来する細胞、たとえば神経芽細胞腫細胞を選択することが望ましい。
さて、アリルハイドロカーボン受容体に関するインビトロ培養系については、これまでに多数の報告がある.アリルハイドロカーボン受容体を発現する細胞、たとえば、マウス肝臓由来のHepa-1細胞、ヒト肝臓由来のHepG2細胞(非特許文献2)、ヒト乳癌由来のMCF-7細胞(非特許文献3)などを使用したインビトロ培養系が構築されており、基礎研究から化学物質の毒性評価といった応用まで、広い分野で利用されている。また、アリルハイドロカーボン受容体を発現しない細胞に、外部からアリルハイドロカーボン受容体遺伝子を導入することによって、同受容体を強制発現する細胞を作製し、インビトロ培養系を構築したという報告もある。.ヒト白血球由来のJarkat細胞などが、この例にあたる(非特許文献4)。しかし、幼若神経に由来する細胞を使用したインビトロ培養系は構築されておらず、アリルハイドロカーボン受容体が神経発達におよぼす影響を解析することは困難であった。
Petersen SL et. al. J. Comp. Neurol. 2000, 427(3): 428-439 Pollenz RS. et. al. Mol. Pharmacol. 1999 56(6): 1127-1137 Wormke M. et al., Mol. Cell. Biol. (2003) 23(6): 1843-55 野原ら, JST & CREST 内分泌かく乱物質 第4回領域シンポジウム 講演要旨集 2003 71
上記問題に鑑み、本発明は、アリルハイドロカーボン受容体が神経の発達におよぼす影響を解析できるインビトロ培養系の構築に必要な細胞を提供することを目的とする。さらに、神経発達障害のマーカーを取得すること、および被検物質が神経発達障害に及ぼす効果を判定することを目的とする。
上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、アリルハイドロカーボン受容体遺伝子を組み込んだ受容体発現用核酸を神経芽細胞腫細胞に導入して、当該核酸を安定に染色体上に保持する細胞を作製することに成功した。さらに、作製した細胞の中から、アリルハイドロカーボン受容体の基質を未添加の状態でも神経分化が引き起こされている細胞は、特有の表現型を有することを見出し、このような細胞を選抜することに成功した。すなわち、アリルハイドロカーボン受容体遺伝子を組み込んだ受容体発現用核酸が導入された神経芽細胞腫細胞の一部では、恒常的にアリルハイドロカーボン受容体からのシグナル経路が活性化され、かつその表現型の特徴として、神経突起形成が観察される細胞が存在することを見出した。
本発明は、上記知見に基づいて完成されるに至った。
すなわち、本発明は、アリルハイドロカーボン受容体遺伝子を有する受容体発現用核酸を導入して得られる神経芽細胞腫細胞であって、アリルハイドロカーボン受容体の基質を未添加の状態で突起の伸長がみられる神経芽細胞腫細胞を提供する。
また、本発明は、神経発達障害のマーカー遺伝子を取得する方法であって、上記細胞とアリルハイドロカーボン受容体遺伝子を導入していない細胞との間で遺伝子の発現量を比較することにより、両細胞間で発現量が異なる遺伝子をアリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害のマーカー遺伝子として取得することを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、神経発達障害のマーカータンパク質を取得する方法であって、上記細胞とアリルハイドロカーボン受容体遺伝子を導入していない細胞との間でタンパク質の発現量を比較することにより、両細胞間で発現量が異なるタンパク質をアリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害のマーカータンパク質として取得することを特徴とする方法を提供する。
さらに、本発明は、被検物質が、アリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害に及ぼす効果を判定する方法であって、上記細胞と前記被検物質を接触させることと、該細胞の形状の変化を測定することとを含む方法を提供する。
さらに、本発明は、細胞の形状の変化が、該細胞が伸長する突起の頻度の減少である、上記方法を提供する。
また、本発明は、被検物質が、アリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害に及ぼす効果を判定する方法であって、上記細胞と被検物質を接触させることと、細胞において、上記マーカー遺伝子または上記マーカータンパク質の発現量の変化を測定することとを含む方法を提供する。
さらに、本発明は、マーカーが、アセチルコリンエステラーゼ遺伝子またはアセチルコリンエステラーゼタンパク質の発現量の変化である、上記方法を提供する。
上述のとおり、アリルハイドロカーボン受容体遺伝子を組み込んだ受容体発現用核酸が導入された神経芽細胞腫細胞では、恒常的にアリルハイドロカーボン受容体からのシグナル経路が活性化され、かつその表現型の特徴として、神経突起形成が観察される細胞が存在することを見出した。
本発明の細胞は、たとえば、アリルハイドロカーボン受容体(AhR)遺伝子を組み込んだ受容体発現用核酸を導入し、この核酸が染色体上に挿入された安定な細胞を選抜することによって作製することができる。本発明の細胞を作製するためには、神経芽細胞腫に由来する細胞(神経芽細胞腫細胞)を使用する。神経芽細胞腫細胞は、いずれの種に由来する細胞であってもよいが、たとえば、マウス神経芽細胞腫に由来するNeuro2a細胞などが好ましい。また、神経芽細胞腫細胞は、すでに株化されている細胞を使用してもよく、また、神経芽細胞腫から単離したものを使用することもできる。
以下、本発明の神経芽細胞腫細胞について、その作製方法と共に説明する。
たとえば、以下の手順によって、本発明の細胞を作製することができる。
神経芽細胞腫細胞へのAhR遺伝子の導入
(a)AhR遺伝子の調整
AhR遺伝子を調製する。AhR遺伝子は、その塩基配列が明らかとなっているので、たとえばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を利用して単離することができる。PCRの鋳型として使用できる核酸には、たとえば任意の細胞から抽出したRNAから合成したcDNA、または市販のcDNAなどを使用すればよい。また、AhR遺伝子は、いずれの種に由来する遺伝子であってもく、たとえばラット、ヒトもしくはマウスなどの哺乳類由来、またはゼブラフィッシュもしくはメダカなどの魚類由来、またはニワトリなどの鳥類由来のいずれであってもよい。好ましくは、哺乳類、特にヒト由来の遺伝子である。AhR遺伝子は、天然に存在する遺伝子のままであってもよい。また、AhRタンパク質の機能を変化させない限りにおいては、人為的に一部を改変した遺伝子であってもよい。たとえば、AhR遺伝子の1つまたは数個の塩基が、欠失、付加、または置換されたものが含まれる。また、たとえば翻訳開始コドンまえの塩基配列をコザック配列に変更ししたものなどが含まれる。
(b)受容体発現用核酸の調整
次いで、上記AhR遺伝子を発現用核酸に組み込む。発現用核酸とてしては、適切な微生物内で機能する複製起点および薬剤耐性遺伝子などを有するプラスミドがあげられる。発現用核酸には、少なくとも1種類以上の薬剤耐性遺伝子は組み込まれていることが好ましい。たとえば、微生物内での発現用核酸の維持に必要な薬剤耐性遺伝子および核酸が導入された細胞の選抜に必要な薬剤耐性遺伝子の2種類の薬剤耐性遺伝子をもつ発現用核酸などがあげられる。薬剤耐性遺伝子には、たとえばゼオシン耐性遺伝子およびハイグロマイシン耐性遺伝子などがあげられる。このようなプラスミドは、市販のものを使用することができる。
たとえば、上記のような特徴を有する発現用核酸に、(a)で調整したAhR遺伝子を発現可能な形態でプロモーターの下流に組み込んで受容体発現用核酸をを構築する。プロモーターには、たとえばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、ラウス肉腫ウイルス(RSV)プロモーター、およびシミアンウイルス(SV40)の初期あるいは後期プロモーターなどの構成的な発現を指揮するプロモーターを使用することができる。または、テトラサイクリン応答性プロモーターなどの誘導性プロモーターを使用してもよい。プロモーターは、発現用核酸にあらかじめ組み込まれていてもよく、AhR遺伝子の挿入後に適切な位置に組み込んでもよい。
AhR遺伝子は、天然に存在する形態で発現するように発現用核酸に組み込んでもよいし、またはタグが付加された融合タンパク質として発現するように組み込んでもよい。このようなタグが付加されたタンパク質によれば、タンパク質の単離または検出を容易にすることができる。付加されるタグとしては、ヒスチジンタグおよびV5タグなどがあげられる。
構築した受容体発現用核酸は、少なくともAhR遺伝子部分のシーケンシングをおこない、遺伝子に変異が導入されていないことを確認することが望ましい。
(c)発現用核酸の神経芽細胞腫細胞への導入
次いで、上記(b)で作製した受容体発現用核酸を神経芽細胞腫細胞に導入する。たとえば、まず細胞を培養容器に播き、10%牛胎児血清を含むMEMダルベッコ・ハムF12等比混合(DF1:1)培地などの培地中において、5%CO2条件下で37℃において数時間から1晩程度インキュベートする。このように培養した細胞に上記受容体発現用核酸を導入する。細胞への受容体発現用核酸の導入法としては、たとえばリポフェクタミン法、エレクトロポレーション法、DEAE-デキストラン法、リン酸カルシウム法などの当業者に既知のいずれの方法を使用して行うこともできる。たとえば、リポフェクタミン2000(インビトロジェン社製)を使用することもでき、市販のマニュアルに従って、導入する受容体発現用核酸の量、リポフェクタミン2000の量、および細胞数などをあらかじめ決定しておくことが好ましい。細胞に導入する受容体発現用核酸は、適当な制限酵素で消化して直鎖状にしてから導入してもよい。
受容体発現用核酸を細胞に導入した後、約1日〜2日間インキュベートする。細胞を培養容器からはがし、新しい培養容器に継代する。継代から1日から2日後に、受容体発現用核酸に組み込まれた薬剤耐性遺伝子に応じて、適切な薬剤を使用して細胞株のスクリーニングを開始する。スクリーニングのための薬剤濃度は、使用する細胞種に応じて適切な濃度を予備実験によりあらかじめ決定しておく。一般に、80〜95%の細胞が死滅する濃度がスクリーニング時の薬剤濃度として適当である。週に1〜2回の割合で適切な濃度の薬剤を含む培地に交換しながら、受容体発現用核酸が導入された細胞株に由来する薬剤耐性コロニーが適当な大きさになるまで培養を続ける。この間に、受容体発現用核酸が染色体に組み込まれ、かつ受容体発現用核酸を安定に保持する細胞のみが増殖されるため、受容体発現用核酸を含む細胞が得られる。
(d)細胞の選抜
次いで、上記(c)で得られた細胞から、以下の(1)〜(3)全ての条件をみたす細胞株を選抜する。選抜の順序は任意であり、どの選抜を先におこなってもよい。
(1) 上記(c)で得られた細胞のなかから、受容体発現用核酸を安定に保持する細胞を選抜する。細胞が受容体発現用核酸を安定に保持することを確認するためには、AhR遺伝子が細胞のゲノムに組み込まれていることを確認ればよく、たとえば、サザンハイブリダイゼーションなどの公知のDNA検出方法で検出する方法、導入した受容体発現用核酸上のAhR遺伝子から転写されたmRNAを、ノーザンハイブリダイゼーションもしくは逆転写PCRなど公知のRNA検出法で検出する方法、または導入した受容体発現用核酸から翻訳されたAhRタンパク質を、AhRタンパク質に特異的な抗体によるウエスタンブロッティングなどの公知のタンパク質検出法で検出する方法などを利用して行うことができる。また、タグ配列が付加された形態でAhRタンパク質が発現していれば、タグ配列に特異的な抗体を使用したウエスタンブロッティングなどの方法を利用して確認してもよい。そして、この確認でAhR遺伝子が検出された細胞を選抜する。
(2) 上記(c)で得られた細胞のなかから、AhRタンパク質が機能している細胞を選抜する。選抜の指標には、AhRの活性化を介して遺伝子の発現が誘導されることが公知である遺伝子、たとえばシトクロム1A1、グルクロンサン抱合酵素1A6、またはグルタチオン-S-転移酵素などの遺伝子をマーカーとして使用する。たとえば、10%牛胎児血清を含むDF1:1培地などの通常の培地中において、選抜をおこなう細胞を1〜5日間培養した後、該細胞からRNAを抽出し、ノーザンハイブリダイゼーションおよび逆転写PCRなどの公知のRNA検出法によって上記マーカー遺伝子の発現を検出する。あるいは、マーカー遺伝子から翻訳されたタンパク質を、ウエスタンブロッティング法など公知のタンパク質検出法で検出する。そして、この確認でマーカー遺伝子の発現が誘導された細胞を選抜する。
(3) 上記(c)で得られた細胞株のなかから、神経分化が引き起こされている細胞を選抜する。選抜をおこなう細胞と、受容体発現用核酸を非導入の神経芽細胞腫細胞を、10%牛胎児血清を含むDF1:1培地などの通常の培地中において、1日〜5日間培養した後、細胞の形状の変化、アセチルコリンエステラーゼ遺伝子などの神経分化マーカー遺伝子の発現の変化、および細胞骨格の構造変化などの、神経の分化を判断できることが既知のマーカーについて、両細胞間で比較をおこなう。細胞株の形状の変化を指標とする場合には、細胞から伸長する突起の数、突起の長さ、および突起を伸長している細胞の数などを比較する。なかでも、突起を伸長している細胞の数を比較することが好ましい。そして、受容体発現用核酸と非導入の細胞とを比較して、突起を伸長している細胞の数が多い細胞を選抜する。単一細胞群において、全ての細胞が神経突起を有している必要はないが、神経突起を伸長している細胞が多い方が好ましい(図3右写真)。あるいは、神経分化マーカー遺伝子であるアセチルコリンエステラーゼ遺伝子を指標とする場合には、受容体発現用核酸非導入細胞と比較して、アセチルコリンエステラーゼ遺伝子の発現が増加している細胞を選抜する(図3電気泳動写真)。
本明細書において、上記手順によって得られた神経芽細胞腫細胞は、以下AhR活性型細胞とよぶ。AhR活性型細胞は、恒常的にアリルハイドロカーボン受容体を介したシグナルが活性化された状態の細胞である。すなわち、環境ホルモン非暴露条件下においても、環境ホルモン毒性物質に曝された細胞と同様にアリルハイドロカーボン受容体を介したシグナルが活性化された状態にある。したがって、環境ホルモンの非存在下においても、環境ホルモンによって活性化される遺伝子またはタンパク質について解析することが可能となる。また、AhR受容体の活性化は、神経毒性に関与していることが明らかである。したがって、AhR活性型細胞を解析することにより、神経発達障害に関与するマーカー遺伝子またはマーカータンパク質のとなる遺伝子を取得することが可能となる。ここで、神経発達障害は、たとえば注意欠陥多動性疾患または学習障害などが含まれる。
以下、上記の手順によって選抜した細胞を使用した、神経発達障害のマーカー遺伝子またはマーカータンパク質を取得する方法について説明する。
本方法には、上記の手順によって選抜したAhR活性型細胞を使用する。たとえば、特許性物寄託センター・受領番号FERM AP-20043の細胞または受領番号FERM AP-20044の細胞を使用することができる。また、上記のとおり、これらの細胞は、環境ホルモンの非存在下においても、アリルハイドロカーボン受容体を介したシグナルが活性化された状態の細胞である。
(a)神経毒性マーカー遺伝子の取得
まず、AhR活性型細胞と、AhR受容体発現用核酸を非導入の同種細胞の双方から、それぞれRNAを抽出する。次いで、RNAの発現量を比較できる任意の方法により、これらのRNAの両者間で発現量が異なる遺伝子を探索する。発現量に差を有するRNAの探索は、当業者に既知のいずれの手段を使用してもよく、たとえばサブトラクション法、ディファレンシャル・ディスプレイ法、およびDNAチップなどを使用することができる。
このとき、AhR活性型細胞にのみで発現量が高いRNA、または発現量が低いもしくは発現していないRNAにより、神経発達障害マーカー遺伝子として取得することができる。このように取得された遺伝子は、AhR受容体からのシグナル伝達経路に何らかの影響を及ぼし、AhRを介した環境ホルモンによる神経発達障害に関与していると考えられる。AhR活性型細胞のみで発現量が高いRNAとしては、たとえばアセチルコリンエステラーゼ遺伝子を得ることができる。
本発明の方法を使用すれば、神経芽細胞腫細胞を環境ホルモンに暴露することなく、容易にマーカー遺伝子を取得することができる。
(b)神経毒性マーカータンパク質の取得
神経発達障害マーカー遺伝子の場合と同様に、、AhR受容体発現用核酸を非導入の同種細胞の双方をから、それぞれタンパク質を抽出する。次いで、タンパク質の発現量を比較できる任意の方法により、両者間で発現量が異なるタンパク質を探索する。タンパク質の発現量を比較する方法は、当業者に既知のいずれの手段を使用してもよく、たとえば二次元電気泳動法、プロテインチップなどを使用することができる。
このとき、AhR活性型細胞にのみで発現量が高いタンパク質、または発現量が低いもしくは発現していないタンパク質を、神経発達障害マーカータンパク質として取得することができる。このように取得されたタンパク質は、AhR受容体の活性化により何らかの影響を受けて、AhRを介した環境ホルモンによる神経発達障害に関与していると考えられる。AhR活性型細胞のみで発現量が高いタンパク質としては、たとえばアセチルコリンエステラーゼタンパク質を得ることができる。
本発明の方法を使用すれば、神経芽細胞腫細胞を環境ホルモンに暴露することなく、容易にマーカータンパク質を取得することができる。
また、上記マーカーおよびAhR活性型細胞を使用することにより、AhR受容体を介したシグナル伝達経路の活性化状態を知ることが可能である。
以下、被検物質がアリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害に及ぼす影響を判定するための方法について説明する。
神経毒性を低減する薬剤のスクリーニング
まず、被検物質とAhR活性型細胞を接触させる。接触は、たとえば被検物質を添加した培地と添加しない培地において、AhR活性型細胞を培養することによって行うことができる。これらの培地で適当な期間培養を続けたのち、細胞の比較をおこなう。比較は、細胞の表現型、すなわち形状の変化を指標として行うことができる。また、AhR活性化のマーカーとなる遺伝子もしくはタンパク質の発現の変化を指標に行うこともできる。
たとえば、細胞の形状の変化としては、細胞骨格の構造変化などがあげられる。より具体的には、たとえば細胞株の形状の変化は、細胞から伸長する突起の数、突起の長さ、突起を伸長している細胞の数などを比較することができる。なかでも、神経突起を伸長している細胞の数を指標とすることが好ましい。このとき、たとえば被検物質を添加した培地で培養したAhR活性型細胞において、被検物質を添加しない培地で培養したAhR活性型細胞と比較して、突起を伸長している細胞数が減少したならば、被検物質はアリルハイドロカーボン受容体を介したシグナル伝達経路を阻害する効果、すなわち神経発達障害の低減効果を有すると判定される。上記形態の変化は、顕微鏡観察などの当業者に既知のいずれの方法を使用して行ってもよい。
また、AhR活性化のマーカーとなる遺伝子もしくはタンパク質の発現の変化としては、アセチルコリンエステラーゼ遺伝子など神経分化マーカー遺伝子の発現の変化が挙げられる。このとき、たとえば被検物質を添加した培地で培養したAhR活性型細胞において、被検物質を添加しない培地で培養したAhR活性型細胞と比較して、アセチルコリンエステラーゼ遺伝子の発現量が減少したならば、被検物質はアリルハイドロカーボン受容体を介したシグナル伝達経路を阻害する効果、すなわち神経発達障害の低減効果を有すると判定される。同様に、神経発達障害のマーカータンパク質を使用して、神経毒性を低減する薬剤のスクリーニングすることもできる。上記発現量の変化は、上述したものなどの当業者に既知の方法によって行うことができる。
本発明の方法を使用すれば、環境ホルモンによる毒性がの影響、たとえば神経発達障害を低減する物質を容易にスクリーニングすることができる。
アリルハイドロカーボン受容体(AhR)遺伝子の調製
ラット脳からRNeasyキット(キアゲン社製)を使用して全RNAを抽出した。抽出したRNAをオリゴ(dT)プライマーを使用して逆転写する。次いで、これを鋳型に、Pyrobest DNAポリメラーゼを使用して、変性:94℃ 1分、アニーリング:55℃ 1分、伸長:72℃ 4分を1サイクルとする25サイクルのPCR反応をおこない、ラットAhR遺伝子のコーディング領域を増幅した。プライマーには、フォワードプライマー:5’- CCCAAGCTTACCATGAGCAGCGGCGCCAACATCA、リバースプライマー:5’-CCGCTCGAGAGGAATCCGCTGGGTGTGATATCAGを使用した。フォワードプライマーの5’末端にHindIII認識配列を付加し、リバースプライマーの5’末端にXhoI認識配列を付加した。さらに、リバースプライマーは、AhRタンパク質がV5エピトープとヒスチジンタグが付加された融合タンパク質として発現するように設計した。
アリルハイドロカーボン受容体(AhR)遺伝子を組み込んだ受容体発現用核酸の調製
発現用核酸には、pcDNA4/V5-His B(インビトロジェン社製)を使用した。このpcDNA4/V5-His Bは、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター配列とV5エピトープ配列との間にマルチクローニングサイト(MCS)が配置されている。MCS内の適当な制限酵素部に所望の遺伝子をコードする配列を組み込むことにより、CMVプロモーターの制御下で目的とするタンパク質を過剰発現させることができる。
また、組み込む遺伝子のコーディング配列の3’末端を適切に変更することにより、V5エピトープとヒスチジンタグを目的タンパク質のC末端に付加することが可能である。まず、この発現用核酸を実施例1で増幅したラットAhR遺伝子のコーディング領域を制限酵素HindIIIとXhoIで消化する。同様にHindIIIとXhoIでpcDNA4/V5-His Bを消化し、pcDNA4/V5-His BとラットAhR遺伝子のコーディング領域を連結することにより、発現用核酸pcDNA4-rAhRを作製した。pcDNA4-rAhRを大腸菌TOP10(インビトロジェン社製)に導入して増幅および維持した。
作製したpcDNA4-rAhRにおいて、ラットAhR遺伝子のコーディング領域をシーケンシングして該領域に変異が導入されていないことを確認した。シーケンシングのためのプライマーには、T7プライマーおよびBGHリバースプライマーを使用した。
アリルハイドロカーボン受容体発現用核酸pcDNA4-rAhRを導入した神経芽細胞腫由来Neuro2aの作製
アリルハイドロカーボン受容体発現用核酸pcDNA4-rAhRのNeuro2aへの導入には、リポフェクタミン2000(インビトロジェン社製)を使用した。Neuro2aを24ウェルプレートにおいて80%コンフルエント(2×105細胞)で継代し、DF1:1培地で一晩培養した。2μlのリポフェクタミン2000を50μlのOpti-MEM培地(ギブコ社製)と混合し、室温で15分間静置した後、0.8μgの実施例2で作製した受容体発現用核酸pcDNA4-rAhRを含むOpti-MEM培地50μlとよく混ぜ合わせた。pcDNA4-rAhRは、MunIで消化して直鎖状にした後に使用した。リポフェクタミン2000と受容体発現用核酸の混合液を室温で20分間静置して、24ウェルプレートにおいてあらかじめ培養しておいたNeuro2aに加えて穏やかに混合した。24時間培養した後、Neuro2aを新鮮なDF1:1培地で1/50希釈して6ウェルプレートに植え継ぎ、さらに培養を続けた。24時間後、ゼオシン(インビトロジェン社製)を300μg/mlの濃度で培地に添加し、pcDNA4-rAhRが導入された細胞の選抜を開始した。以降は、3〜4日ごとに300μg/mlでゼオシンを含む新鮮な培地に交換して培養を継続した。2週間後、クローニングリング(イワキ社製)を使用して、76種のゼオシン耐性細胞のコロニーを得た。これらの細胞を、受容体発現用核酸pcDNA4-rAhRを安定に保持する細胞株として選抜した。
神経分化過程に異常が観察される細胞株の選抜
実施例3で得た76種の細胞株を、DF1:1培地で3〜5日間培養をおこない、各細胞株において細胞の形状を観察した。観察は倒立顕微鏡下でおこない、突起伸長の頻度が高い細胞株を選抜した。このとき、親株である神経芽細胞腫由来Neuro2aを同じ条件下で培養し、同様の観察をおこなったが、突起を伸長する細胞はほとんど観察されなかった。
この観察により、特に突起伸長の頻度が高かった2つの細胞株を選抜した。これら2つの細胞から、RNeasyキット(キアゲン社製)を使用して全RNAを抽出した。抽出したRNAは、オリゴ(dT)プライマーを使用して逆転写した。次いで、これを鋳型に、ExTaqポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を使用して、変性:94℃ 30秒、アニーリング:55℃ 30秒、伸長:72℃ 30秒を1サイクルとする25サイクルのPCR反応をおこなって、AhR遺伝子から転写されたmRNAを増幅した。PCRのプライマーには、フォワードプライマー: 5’- CCGTCCATCCTGGAAATTCGAACC、リバースプライマー:5’-CCTTCTTCATCCGTTAGCGGTCTCを使用した。この結果、選抜した2つの細胞株のいずれにおいてもAhR遺伝子の発現が検出された。また、Neuro2aについても、同様の実験をおこなったが、AhR遺伝子の発現は検出できなかった。
また、これらの細胞株をそれぞれDF1:1培地中で1晩培養した後、一方に30nM 2,3,7,8-TCDDを添加し、もう一方には添加せずに培養を続け、24時間後に細胞から全RNAを抽出した。全RNAの抽出にはRNeasyキットを使用した。抽出したRNAをオリゴ(dT)プライマーを使用して逆転写し、次いでこれを鋳型に、ExTaqポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を使用して、変性:94℃ 30秒、アニーリング:55℃ 30秒、伸長:72℃ 30秒を1サイクルとする25サイクルのPCR反応をおこなってシトクロム1A1遺伝子の発現を確認した。CRのプライマーには、フォワードプライマー:5’-CCCACAGCACCACAAGAGATA、リバースプライマー:5’-AAGTAGGAGGCACAATGTCを使用した。この結果、選抜した2つの細胞株のいずれでにおいても、2,3,7,8-TCDDの添加によってシトクロム1A1遺伝子の発現が増加していた。また、Neuro2aについても同様の実験をおこなったが、2,3,7,8-TCDDによるシトクロム1A1(CYP1A1)遺伝子の発現量の増加は観察されなかった。加えて、選抜した2つの細胞株では、2,3,7,8-TCDDを添加していない培養条件下において、親株に比べてCYP1A1遺伝子の発現量が増加していることが確認された。
また、選抜した2つの細胞株をDF1:1培地で2日間培養した後、全RNAをRNeasyキットで抽出し、逆転写反応をおこなってcDNAを合成した。これを鋳型に、ExTaq(タカラバイオ社製)を使用して、変性:94℃ 30秒、アニーリング:55℃ 30秒、伸長:72℃ 30秒を1サイクルとする30サイクルのPCR反応をおこなってアセチルコリンエステラーゼ(AChE)遺伝子の発現を確認した。PCRのためのプライマーには、フォワードプライマー:5’-TTTGCCCGCACAGGGGACCCCAATG、リバースプライマー::5’-CTCGTCCAGAGTATCGGTGGCGCTG、を使用した。この結果、選抜した2つの細胞株では、いずれの細胞株においても親株のNeuro2aに比べて、AChE遺伝子の発現量が増加していた。
ここで選抜した2つの細胞株を、AhRが神経分化に与える影響を解析可能な細胞株として、独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物受託センターに寄託した(受領番号FERM AP-20043および受領番号FERM AP-20044)。
環境ホルモンによるアリルハイドロカーボン受容体を介した毒性の細胞内シグナル伝達経路を示す模式図。 本発明のAhR活性型細胞の表現型を示す顕微鏡写真およびアセチルコリンエステラーゼ遺伝子の発現量の変化を示す電気泳動写真。

Claims (10)

  1. アリルハイドロカーボン受容体遺伝子を有する受容体発現用核酸を導入して得られる神経芽細胞腫細胞であって、アリルハイドロカーボン受容体の基質を未添加の状態で突起の伸長がみられる神経芽細胞腫細胞。
  2. 前記神経芽細胞腫細胞がマウス由来のNeuro2a細胞である、請求項1記載の細胞。
  3. 前記細胞が、受領番号FERM AP-20043の細胞またはこの細胞に由来する変異株である、請求項1に記載の細胞。
  4. 前記細胞が、受領番号FERM AP-20044の細胞またはこの細胞に由来する変異株である、請求項1に記載の細胞。
  5. 神経発達障害のマーカー遺伝子を取得する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞とアリルハイドロカーボン受容体遺伝子を導入していない細胞との間で遺伝子の発現量を比較することにより、両細胞間で発現量が異なる遺伝子をアリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害のマーカー遺伝子として取得することを特徴とする方法。
  6. 神経発達障害のマーカータンパク質を取得する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞とアリルハイドロカーボン受容体遺伝子を導入していない細胞との間でタンパク質の発現量を比較することにより、両細胞間で発現量が異なるタンパク質をアリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害のマーカータンパク質として取得することを特徴とする方法。
  7. 被検物質が、アリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害に及ぼす効果を判定する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞と前記被検物質を接触させることと、
    前記細胞の形状の変化を測定することと、
    を含む方法。
  8. 前記細胞の形状の変化が、該細胞が伸長する突起の頻度の減少である、請求項12記載の方法。
  9. 被検物質が、アリルハイドロカーボン受容体を介した神経発達障害に及ぼす効果を判定する方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の細胞と前記被検物質を接触させることと、
    前記細胞において、請求項5に記載のマーカー遺伝子または請求項6に記載のマーカータンパク質の発現量の変化を測定することと、
    を含む方法。
  10. 前記マーカーが、アセチルコリンエステラーゼ遺伝子またはアセチルコリンエステラーゼタンパク質の発現量の変化である、請求項14記載の方法。
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