JP2005326290A - タッチモード容量型圧力センサの構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 小型の底板上の所定の位置に極めて薄型の検出片を載置して、該検出片によって底板上部の凹所を密封するように接着剤を塗布し固着する組立作業において、接着剤が検出片と底板の間を経てダイアフラム側に流れ込むおそれがある。そのため、圧力センサの特性にばらつきが生じる。
【解決手段】 検出片11凹陥部11aの周辺の厚肉部11cの底面三方の縁端部に上部電極膜15の三方を囲むように略U字型に蒸着金属膜13を形成する。また、前記蒸着金属膜13とは電気的に隔離された他の蒸着金属膜13aを形成する。また、基台12の上面には凹所12aの三方を囲むように略U字型に蒸着金属膜14を形成し、基台12の凹所12aを囲む他の一方の上面には、前記蒸着金属膜14とは電気的に隔離された他の蒸着金属膜14aが形成される。前記蒸着金属膜13、14と他の蒸着金属膜13a、14aとが対向するように検出片11と基台12とを溶着する。
【選択図】図2
【解決手段】 検出片11凹陥部11aの周辺の厚肉部11cの底面三方の縁端部に上部電極膜15の三方を囲むように略U字型に蒸着金属膜13を形成する。また、前記蒸着金属膜13とは電気的に隔離された他の蒸着金属膜13aを形成する。また、基台12の上面には凹所12aの三方を囲むように略U字型に蒸着金属膜14を形成し、基台12の凹所12aを囲む他の一方の上面には、前記蒸着金属膜14とは電気的に隔離された他の蒸着金属膜14aが形成される。前記蒸着金属膜13、14と他の蒸着金属膜13a、14aとが対向するように検出片11と基台12とを溶着する。
【選択図】図2
Description
本発明は、タッチモード容量型圧力センサに関し、特に、圧力検出片に水晶板を用いたタッチモード容量型圧力センサの構造に関する。
従来より、石油プラントあるいは化学プラントの配管内に圧力センサを装着して管内の流量を計測するシステムや、自動車等の車両のゴムタイヤ内に圧力センサを装着して、異常発生時に警告を発するタイヤ圧モニタリングシステムが知られている。
自動車等のタイヤ内に装備されて空気圧を測定する空気圧センサとして、特開2001−174357公報に、セラミクスから成るダイヤフラムとセラミクスから成るベースとを接合し、両者間に形成される隙間内の静電容量変化を圧力に変換する技術が開示されている。しかし、セラミクスを検出片として使用した空気圧センサは、検出精度の点で問題があり改善が望まれている。
このような不具合をもたない空気圧センサとして、最近ではシリコン(Si)から成る検出片を用いたタッチモード容量型圧力センサが注目されている。
自動車等のタイヤ内に装備されて空気圧を測定する空気圧センサとして、特開2001−174357公報に、セラミクスから成るダイヤフラムとセラミクスから成るベースとを接合し、両者間に形成される隙間内の静電容量変化を圧力に変換する技術が開示されている。しかし、セラミクスを検出片として使用した空気圧センサは、検出精度の点で問題があり改善が望まれている。
このような不具合をもたない空気圧センサとして、最近ではシリコン(Si)から成る検出片を用いたタッチモード容量型圧力センサが注目されている。
図3は、従来のタッチモード容量型圧力センサの構造を示す縦断面図である。
同図に示すように、このタッチモード容量型圧力センサ(以下、圧力センサという)20は、ガラス板21上に電極膜22、誘電体薄膜23、電極膜24、及びシリコン製の検出片25を組み付けた構成を備えている。
この圧力センサは、圧力によって検出片25の薄肉部(ダイヤフラム)25aが変形して誘電体薄膜23に直接接触することによって生じる静電容量変化を圧力検出に利用している。この種の空気圧センサは、例えば電学論E.123巻、2003年「タイヤ圧モニタリングシステム用タッチモード容量型圧力センサ」に開示されている。
同図に示すように、このタッチモード容量型圧力センサ(以下、圧力センサという)20は、ガラス板21上に電極膜22、誘電体薄膜23、電極膜24、及びシリコン製の検出片25を組み付けた構成を備えている。
この圧力センサは、圧力によって検出片25の薄肉部(ダイヤフラム)25aが変形して誘電体薄膜23に直接接触することによって生じる静電容量変化を圧力検出に利用している。この種の空気圧センサは、例えば電学論E.123巻、2003年「タイヤ圧モニタリングシステム用タッチモード容量型圧力センサ」に開示されている。
図3に示すシリコン製の検出片を用いた圧力センサにあっては、シリコンウェハのダイヤフラム25aの肉厚を3μm程度までエッチングによって薄く加工する必要があるばかりでなく、ダイヤフラム25aと誘電体薄膜23との間のギャップを3μm程度の極小寸法に設定する必要がある。
しかし、シリコンをエッチングする場合には厚みを正確にコントロールすることが難しく、この程度に微小な寸法レベルで高い精度を確保することが困難であり、その結果、製造ばらつきが大きくなるという問題があった。また、シリコン材料はQ値が高くないため、弾性変形の繰り返し再現性の点で問題があった。
この問題に対応すべく、本出願人によって検出片の素材にATカットの水晶を用いた圧力センサが、特願2003-191066において提示されている。
しかし、シリコンをエッチングする場合には厚みを正確にコントロールすることが難しく、この程度に微小な寸法レベルで高い精度を確保することが困難であり、その結果、製造ばらつきが大きくなるという問題があった。また、シリコン材料はQ値が高くないため、弾性変形の繰り返し再現性の点で問題があった。
この問題に対応すべく、本出願人によって検出片の素材にATカットの水晶を用いた圧力センサが、特願2003-191066において提示されている。
図4は、特願2003-191066に提示されているタッチモード容量型圧力センサの構造を示す縦断面図である。
同図に示すように、このタッチモード容量型圧力センサ(以下、圧力センサという)30は、ATカットの水晶板から成る上面に凹陥部31aを設けた検出片31と、セラミック、ガラスあるいは水晶等から成る上面に凹所32aを設けた底板32とで構成される。そして、肉厚0.25mm程度の前記底板32の上面に設けた凹所32aを覆うように、前記検出片31を底板32上面にエポキシ接着剤等の接着剤33によってシーリングして密着固定される。これによって、凹所32a内は深さ3μm程度の気密空間Pとなっている。
同図に示すように、このタッチモード容量型圧力センサ(以下、圧力センサという)30は、ATカットの水晶板から成る上面に凹陥部31aを設けた検出片31と、セラミック、ガラスあるいは水晶等から成る上面に凹所32aを設けた底板32とで構成される。そして、肉厚0.25mm程度の前記底板32の上面に設けた凹所32aを覆うように、前記検出片31を底板32上面にエポキシ接着剤等の接着剤33によってシーリングして密着固定される。これによって、凹所32a内は深さ3μm程度の気密空間Pとなっている。
前記検出片31は、上面の凹陥部31aの底部を薄肉部(ダイアフラム)31bとした構造を備えている。薄肉部31bの底面には、上部電極膜34が形成され、この上部電極膜34は、検出片31と底板32が密着固定されることによって、底板32上に設けられた後述の下部電極膜35と電気的に隔離された他の電極膜36に電気的に接続されている。
底板32の凹所32aの内底面には下部電極膜35が形成され、この下部電極膜35上にはSiO2等の誘電体膜38が検出片31上部電極膜34と非接触状態で配置されている。
従って、検出片31下面の上部電極膜34と誘電体膜38とは気密空所P内において所定の間隔をもって対向しており、更に、誘電体膜38の下方には下部電極膜35が誘電体膜38と接触して位置している。
また、下部電極膜35は底板32上に設けられた第2の他の電極膜37と電気的に接続されている。
底板32の凹所32aの内底面には下部電極膜35が形成され、この下部電極膜35上にはSiO2等の誘電体膜38が検出片31上部電極膜34と非接触状態で配置されている。
従って、検出片31下面の上部電極膜34と誘電体膜38とは気密空所P内において所定の間隔をもって対向しており、更に、誘電体膜38の下方には下部電極膜35が誘電体膜38と接触して位置している。
また、下部電極膜35は底板32上に設けられた第2の他の電極膜37と電気的に接続されている。
通常、上記構造の圧力センサは、図示しない上部が開口した容器に収容して使用される。そして、前記開口部を経て加わる外部圧力が気密空間P内の圧力を上回った場合に、薄肉部31bが図の下方に撓んでその下面の上部電極膜34が誘電体膜38に接触する。
このときの上部電極膜34下面と誘電体膜38との接触面積の変化を容量値の変化として検出して外部圧力をセンシングすることが可能となる。
このときの上部電極膜34下面と誘電体膜38との接触面積の変化を容量値の変化として検出して外部圧力をセンシングすることが可能となる。
電極面積S、誘電体の誘電率ε、電極の間隔dとしたときのコンデンサの静電容量Cは、式(1)で表されることが知られている。
C=ε・(S/d) (1)
いま、前記圧力センサ30の検出片31に加わる外部圧力が圧力センサの気密空間P内の圧力を上回って上部電極膜34の下面が誘電体膜38と接触したときの接触面積をS1、誘電体膜38の肉厚をd1、誘電体膜の誘電率をε1とすると、誘電体膜38を挟んで上部電極膜34の接触部と下部電極膜35とで形成されるコンデンサの静電容量C1は、式(1)より式(2)が得られる。
C1=ε1・(S1/d1) (2)
更に外部圧力が増して接触面積がS2となると、コンデンサの容量C2は、式(3)のように変化する。
C2=ε1・(S2/d1) (3)
C=ε・(S/d) (1)
いま、前記圧力センサ30の検出片31に加わる外部圧力が圧力センサの気密空間P内の圧力を上回って上部電極膜34の下面が誘電体膜38と接触したときの接触面積をS1、誘電体膜38の肉厚をd1、誘電体膜の誘電率をε1とすると、誘電体膜38を挟んで上部電極膜34の接触部と下部電極膜35とで形成されるコンデンサの静電容量C1は、式(1)より式(2)が得られる。
C1=ε1・(S1/d1) (2)
更に外部圧力が増して接触面積がS2となると、コンデンサの容量C2は、式(3)のように変化する。
C2=ε1・(S2/d1) (3)
図4の上部電極膜34に接続する前記他の電極膜36と下部電極膜35に接続する第2の他の電極膜37とから、それぞれ容器外へ図示しない引き出し電極を延長形成し、両引き出し電極から通電して対向配置された上部電極膜34と下部電極膜35間の容量値を測定することができる。
特開2001−174356公報
特願2003−191066
電学論E.123巻、2003年「タイヤ圧モニタリングシステム用タッチモード容量型圧力センサ
図4に示される検出片の材料にATカットの水晶を用いた圧力センサは、従来のシリコン製の検出片による圧力センサに比べて、精度高くエッチングが可能となるので検出片のダイアフラムの厚みのコントロールが容易になり、そのため検出精度を高くすることができるというメリットをもっている。
しかしながら、一方、平面寸法が約2mm角の底板上の所定の位置に側面高さ寸法が約0.08mmの検出片を載置して、該検出片によって底板上部の凹所を密封するように接着剤を塗布し固着する極めて細かい組立作業が行われなければならない。そのため、底板と検出片の接着作業にばらつきが生じことがあり、また、接着剤が検出片と底板の間を経てダイアフラム側に流れ込むおそれがある。そのため、圧力センサの特性にばらつきが生じるという問題があった。
また、検出片と底板とを接着剤によって固着する手段よらず、陽極接合によって接合する方法が望ましいが水晶材料の陽極接合は困難であるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、検出片と底板の接合が確実であって、圧力センサの特性ばらつきが少ないATカットの水晶材を用いたタッチモード容量型圧力センサを提供することを目的とする。
しかしながら、一方、平面寸法が約2mm角の底板上の所定の位置に側面高さ寸法が約0.08mmの検出片を載置して、該検出片によって底板上部の凹所を密封するように接着剤を塗布し固着する極めて細かい組立作業が行われなければならない。そのため、底板と検出片の接着作業にばらつきが生じことがあり、また、接着剤が検出片と底板の間を経てダイアフラム側に流れ込むおそれがある。そのため、圧力センサの特性にばらつきが生じるという問題があった。
また、検出片と底板とを接着剤によって固着する手段よらず、陽極接合によって接合する方法が望ましいが水晶材料の陽極接合は困難であるという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、検出片と底板の接合が確実であって、圧力センサの特性ばらつきが少ないATカットの水晶材を用いたタッチモード容量型圧力センサを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明においては、上面に凹所を備え該凹所内底面上に順次積層された下部電極膜と誘電体膜とを備えた水晶材からなる基台と、厚肉の環状囲繞部に囲まれた薄肉部を有し該薄肉部下面の前記誘電体膜に対抗する位置に上部電極膜を備えた水晶材からなる検出片とを、基台の前記凹所を覆うように基台上に検出片を接合することによって、誘電体膜と上部電極膜との間に微小空隙をもった気密空間を備えたタッチモード容量型圧力センサであって、
前記基台は、前記凹所の周囲の上面三方を略U字型に囲む第1の金属蒸着膜を備え、前記凹所の周囲の上面の他の一方に前記第1の金属蒸着膜と電気的に隔離された第1の他の金属蒸着膜を備えたことによって、前記凹所の四方が前記第1の金属蒸着膜及び第1の他の金属蒸着膜によって囲まれた構造を有し、
前記検出片は、前記厚肉の環状囲繞部の下面に前記凹陥部の三方を略U字型に囲む第2の金属蒸着膜を備え、前記厚肉の環状囲繞部下面の他の一方には前記第2の金属蒸着膜と電気的に隔離された第2の他の金属蒸着膜を備えたことによって、前記凹陥部の四方が前記第2の金属蒸着膜及び第2の他の金属蒸着膜によって囲まれた構造を有し、
前記基台と検出片の金属蒸着膜及び他の金属蒸着膜同士を溶着することによって前記基台凹所内を密封空間としたことを特徴とする。
前記基台は、前記凹所の周囲の上面三方を略U字型に囲む第1の金属蒸着膜を備え、前記凹所の周囲の上面の他の一方に前記第1の金属蒸着膜と電気的に隔離された第1の他の金属蒸着膜を備えたことによって、前記凹所の四方が前記第1の金属蒸着膜及び第1の他の金属蒸着膜によって囲まれた構造を有し、
前記検出片は、前記厚肉の環状囲繞部の下面に前記凹陥部の三方を略U字型に囲む第2の金属蒸着膜を備え、前記厚肉の環状囲繞部下面の他の一方には前記第2の金属蒸着膜と電気的に隔離された第2の他の金属蒸着膜を備えたことによって、前記凹陥部の四方が前記第2の金属蒸着膜及び第2の他の金属蒸着膜によって囲まれた構造を有し、
前記基台と検出片の金属蒸着膜及び他の金属蒸着膜同士を溶着することによって前記基台凹所内を密封空間としたことを特徴とする。
また、請求項2の発明においては、請求項1に記載のタッチモード容量型圧力センサにおいて、前記第1、第2の金属蒸着膜及び他の金属蒸着膜がAuとSnを所定の回数蒸着して形成されたAu-Sn20合金であることを特徴とする。
本発明のタッチモード容量型圧力センサにおいては、検出片薄肉部下面の上部電極膜と基台の凹所の下部電極膜の四方をそれぞれ囲むように検出片厚肉の環状囲繞部と基台凹所周辺にAu-Sn20合金による金属蒸着膜を形成し、検出片の金属蒸着膜と基台の金属蒸着膜とが対向するように検出片と基台とを溶着することによって、基台の凹所空間を密封するようにした。
その結果、接着剤によって検出片と基台を接合したために、接着剤がダイアフラムとしての検出片の薄肉部に回り込み、そのため圧力の検出特性にばらつきが生じるという従来の圧力センサがもっていた問題点を解消でき、本発明の圧力センサは、安定した特性をもつタッチモード容量型圧力センサを提供する上で顕著な効果を期待できる。
その結果、接着剤によって検出片と基台を接合したために、接着剤がダイアフラムとしての検出片の薄肉部に回り込み、そのため圧力の検出特性にばらつきが生じるという従来の圧力センサがもっていた問題点を解消でき、本発明の圧力センサは、安定した特性をもつタッチモード容量型圧力センサを提供する上で顕著な効果を期待できる。
本発明を図面に示した実施の形態に基づいて説明する。図1は、本発明に係わる水晶材によるタッチモード容量型圧力センサの実施の一形態例を示す縦断面図である。
同図に示すように、本実施例のタッチモード容量型圧力センサ(以下、圧力センサという)10は、ATカットの水晶板から成る上面に凹陥部11aを設けた検出片11と、水晶から成る上面に凹所12aを設けた基台12とで構成される。そして、前記基台12上面の凹所12aを覆うように、後述する検出片11下面と基台12上面に設けられた金属蒸着膜によって前記検出片11を基台12上面に接合することによって凹所12a内は気密空間Pとなっている。
同図に示すように、本実施例のタッチモード容量型圧力センサ(以下、圧力センサという)10は、ATカットの水晶板から成る上面に凹陥部11aを設けた検出片11と、水晶から成る上面に凹所12aを設けた基台12とで構成される。そして、前記基台12上面の凹所12aを覆うように、後述する検出片11下面と基台12上面に設けられた金属蒸着膜によって前記検出片11を基台12上面に接合することによって凹所12a内は気密空間Pとなっている。
前記検出片11は、上面の凹陥部11aの底部を薄肉部(ダイアフラム)11bとした構造を備え、該薄肉部11bの下面には、上部電極膜15が形成される。
基台凹所12aの内底面には下部電極膜16が形成され、この下部電極膜16上にSiO2等の誘電体膜17が検出片11下面の上部電極膜15と非接触状態で配置されている。
なお、本発明に係わる圧力センサ10の上記各構成部位のうち、検出片11、凹陥部11a、薄肉部11b、基台12、凹所12a、誘電体膜17、気密空間Pの構造機能は、図4の検出片31、凹陥部31a、薄肉部31b、底板32、凹所32a、誘電体膜37、気密空間Pとそれぞれ同じであり、また、本圧力センサ10の使用方法も図4の圧力センサ30の場合と同じであるので、共通部分の詳細な説明は省略する。
本発明の圧力センサ10の特徴は、検出片11及び基台12に設けられた上部電極膜15、下部電極膜16、並びに後述の金属蒸着膜及び金属蒸着膜の構造にある。
基台凹所12aの内底面には下部電極膜16が形成され、この下部電極膜16上にSiO2等の誘電体膜17が検出片11下面の上部電極膜15と非接触状態で配置されている。
なお、本発明に係わる圧力センサ10の上記各構成部位のうち、検出片11、凹陥部11a、薄肉部11b、基台12、凹所12a、誘電体膜17、気密空間Pの構造機能は、図4の検出片31、凹陥部31a、薄肉部31b、底板32、凹所32a、誘電体膜37、気密空間Pとそれぞれ同じであり、また、本圧力センサ10の使用方法も図4の圧力センサ30の場合と同じであるので、共通部分の詳細な説明は省略する。
本発明の圧力センサ10の特徴は、検出片11及び基台12に設けられた上部電極膜15、下部電極膜16、並びに後述の金属蒸着膜及び金属蒸着膜の構造にある。
図2は圧力センサ10の検出片11下面及び基台12の上面に設けられた電極膜と蒸着金属膜の構造を示す図であって、(a)は検出片11を基台12から開放したときの検出片の底面と基台の上面の斜視図、(b)は電極膜と蒸着金属膜の構造図である。
同図(a)に示されるように、検出片11には、薄肉部11bの下面略中央に上部電極膜15が形成され、該上部電極膜15の周辺の厚肉の環状囲繞部11cの下面三方の縁端部に上部電極膜15を囲むように略U字型に蒸着金属膜13が形成される。
また、環状囲繞部11c下面の他の一方には前記上部電極膜15から延出するリード電極膜に接続された接続電極膜15a形成され、該接続電極膜15aにつながって環状囲繞部11cの下面の縁端部に前記蒸着金属膜13とは電気的に隔離された他の蒸着金属膜13aが形成される。
その結果、上部電極膜15は略U字型の蒸着金属膜13と他の蒸着金属膜13aとによって四方を囲まれた構造となる。
同図(a)に示されるように、検出片11には、薄肉部11bの下面略中央に上部電極膜15が形成され、該上部電極膜15の周辺の厚肉の環状囲繞部11cの下面三方の縁端部に上部電極膜15を囲むように略U字型に蒸着金属膜13が形成される。
また、環状囲繞部11c下面の他の一方には前記上部電極膜15から延出するリード電極膜に接続された接続電極膜15a形成され、該接続電極膜15aにつながって環状囲繞部11cの下面の縁端部に前記蒸着金属膜13とは電気的に隔離された他の蒸着金属膜13aが形成される。
その結果、上部電極膜15は略U字型の蒸着金属膜13と他の蒸着金属膜13aとによって四方を囲まれた構造となる。
基台12の上面の凹所12a内底面に下部電極膜16が形成され、該下部電極膜16の上に誘電体膜17が配置される。また、基台12の上面には凹所12aの三方を囲むように略U字型に蒸着金属膜14が形成され、この蒸着金属膜14は下部電極膜16から延出するリード電極膜によって下部電極膜16と接続されている。また、基台12の凹所12aを囲む他の一方の上面には、前記蒸着金属膜14とは電気的に隔離された他の蒸着金属膜14aが形成される。
その結果、基台凹所12aは略U字型の蒸着金属膜14と他の蒸着金属膜14aとによって四方を囲まれた構造となる。
更に前記他の蒸着金属膜14aからは該他の蒸着金属膜14aから延出するリード電極膜によって接続された端子電極膜18が基台12上面の縁端部に形成され、前記他の蒸着金属膜14aに対向する基台12上面の縁端部には蒸着金属膜14から延出するリード電極膜によって接続された端子電極膜19が形成される。
その結果、基台凹所12aは略U字型の蒸着金属膜14と他の蒸着金属膜14aとによって四方を囲まれた構造となる。
更に前記他の蒸着金属膜14aからは該他の蒸着金属膜14aから延出するリード電極膜によって接続された端子電極膜18が基台12上面の縁端部に形成され、前記他の蒸着金属膜14aに対向する基台12上面の縁端部には蒸着金属膜14から延出するリード電極膜によって接続された端子電極膜19が形成される。
上記構成の基台12の上に該基台12の凹所12aを覆うように、検出片11を装着したとき、基台12の蒸着金属膜14と検出片の蒸着金属膜13とが対面し、また基台12の他の蒸着金属膜14aと検出片の他の蒸着金属膜13aとが、それぞれ対面する。
前述の検出片11及び基台12に設けられた各電極膜、蒸着金属膜は、次のようにして形成される。
図2(b)は、本発明に係わる電極膜あるいは金属膜の構造を示す断面図である。同図に示すように、検出片11あるいは基台12としての水晶板110上の、前記上部電極膜15、接続電極膜15a、蒸着金属膜13、13a、下部電極膜16、蒸着金属膜14、14a、端子電極膜18、19及び各リード電極膜に該当する部分には、蒸着によって先ずCr層111が形成される。続いてその上にNi層112、Au層113が蒸着される。
このAu蒸着層113が前記上部電極膜15、接続電極膜15a、下部電極膜16、端子電極膜18、19及び各リード電極膜を構成する。
図2(b)は、本発明に係わる電極膜あるいは金属膜の構造を示す断面図である。同図に示すように、検出片11あるいは基台12としての水晶板110上の、前記上部電極膜15、接続電極膜15a、蒸着金属膜13、13a、下部電極膜16、蒸着金属膜14、14a、端子電極膜18、19及び各リード電極膜に該当する部分には、蒸着によって先ずCr層111が形成される。続いてその上にNi層112、Au層113が蒸着される。
このAu蒸着層113が前記上部電極膜15、接続電極膜15a、下部電極膜16、端子電極膜18、19及び各リード電極膜を構成する。
次に、前記蒸着金属膜13、13a、14、14aに該当する部分には、前記Au蒸着層113の上にSn114の蒸着層が形成される。更に前記Sn層の上にAu層113とSn層114が所定の回数繰り返し蒸着されてAu-Sn20の合金が形成される。
このようにして形成されたAu-Sn20の合金層が前記蒸着金属膜13、14、他の蒸着金属膜13a、14aを構成する。
上記構造の蒸着金属膜13、13aを備えた検出片11を、同じ構造の蒸着金属膜14、14aを備えた基台12に載置して、所定の圧力で加圧しながら所定の温度に加温することによって蒸着金属膜13、13a、14、14aが溶着されて、基台12の凹所12a内は気密空間Pとしてシーリングされる。このとき、図2(a)の点線で囲まれた蒸着金属膜13と他の蒸着金属膜13a(蒸着金属膜14と他の蒸着金属膜14a)との突合せ部分には図示しない接着剤を塗布してシーリングを完全にする。
また、この接着剤の塗布・硬化を真空雰囲気内で行うことにより絶対圧センサを実現することも可能となる。
このようにして形成されたAu-Sn20の合金層が前記蒸着金属膜13、14、他の蒸着金属膜13a、14aを構成する。
上記構造の蒸着金属膜13、13aを備えた検出片11を、同じ構造の蒸着金属膜14、14aを備えた基台12に載置して、所定の圧力で加圧しながら所定の温度に加温することによって蒸着金属膜13、13a、14、14aが溶着されて、基台12の凹所12a内は気密空間Pとしてシーリングされる。このとき、図2(a)の点線で囲まれた蒸着金属膜13と他の蒸着金属膜13a(蒸着金属膜14と他の蒸着金属膜14a)との突合せ部分には図示しない接着剤を塗布してシーリングを完全にする。
また、この接着剤の塗布・硬化を真空雰囲気内で行うことにより絶対圧センサを実現することも可能となる。
検出片11の他の蒸着金属膜13aが基台12の他の蒸着金属膜14aに接合されることによって、検出片11の上部電極膜15は接続電極膜15a、他の蒸着金属膜13a、他の蒸着金属膜14aを介して端子電極膜18に接続されることになる。
したがって、前記端子電極18と、下部電極膜16に接続する端子電極膜19とから、それぞれ図示しない圧力センサ容器外へ引き出し電極を延長形成し、両引き出し電極から通電して対向配置された上部電極膜15と下部電極膜16間の容量値を測定することができる。
上記構造にすることによって、水晶材の検出片11と基台12との接合に接着剤を用いることによって生ずる接着剤のダイアフラムへの流れ込みをなくし、圧力センサの特性のばらつきの少ない安定した特性を有する圧力センサを提供できる。
したがって、前記端子電極18と、下部電極膜16に接続する端子電極膜19とから、それぞれ図示しない圧力センサ容器外へ引き出し電極を延長形成し、両引き出し電極から通電して対向配置された上部電極膜15と下部電極膜16間の容量値を測定することができる。
上記構造にすることによって、水晶材の検出片11と基台12との接合に接着剤を用いることによって生ずる接着剤のダイアフラムへの流れ込みをなくし、圧力センサの特性のばらつきの少ない安定した特性を有する圧力センサを提供できる。
10・・タッチモード容量型圧力センサ、 11・・検出片、 11a・・凹陥部、
11b・・薄肉部(ダイアフラム)、11c・・厚肉部、12・・基台、12a・・凹所、
13・・蒸着金属膜、 13a・・他の蒸着金属膜、 14・・蒸着金属膜、
14a・・他の蒸着金属膜、 15・・上部電極膜、 16・・下部電極膜、
17・・誘電体膜、18、19・・端子電極膜、
20・・タッチモード容量型圧力センサ、21・・ガラス板、 22・・電極膜、
23・・誘電体薄膜、24・・電極膜、25・・検出片、25a・・薄肉部(ダイヤフラム)
30・・タッチモード容量型圧力センサ、 31・・検出片、 31a・・凹陥部、
31b・・薄肉部(ダイアフラム)、 32・・基台、 32a・・凹所、 33・・接着剤、
34・・上部電極膜、 35・・下部電極膜、36・・他の電極膜、37・・誘電体膜、
38・・導電性接着剤(電気端子)
110・・水晶板、 111・・Cr蒸着層、 112・・Ni蒸着層、
113・・Ni蒸着層、 114・・Sn蒸着
11b・・薄肉部(ダイアフラム)、11c・・厚肉部、12・・基台、12a・・凹所、
13・・蒸着金属膜、 13a・・他の蒸着金属膜、 14・・蒸着金属膜、
14a・・他の蒸着金属膜、 15・・上部電極膜、 16・・下部電極膜、
17・・誘電体膜、18、19・・端子電極膜、
20・・タッチモード容量型圧力センサ、21・・ガラス板、 22・・電極膜、
23・・誘電体薄膜、24・・電極膜、25・・検出片、25a・・薄肉部(ダイヤフラム)
30・・タッチモード容量型圧力センサ、 31・・検出片、 31a・・凹陥部、
31b・・薄肉部(ダイアフラム)、 32・・基台、 32a・・凹所、 33・・接着剤、
34・・上部電極膜、 35・・下部電極膜、36・・他の電極膜、37・・誘電体膜、
38・・導電性接着剤(電気端子)
110・・水晶板、 111・・Cr蒸着層、 112・・Ni蒸着層、
113・・Ni蒸着層、 114・・Sn蒸着
Claims (2)
- 上面に凹所を備え該凹所内底面上に順次積層された下部電極膜と誘電体膜とを備えた水晶材からなる基台と、厚肉の環状囲繞部に囲まれた薄肉部を有し該薄肉部下面の前記誘電体膜に対抗する位置に上部電極膜を備えた水晶材からなる検出片とを、基台の前記凹所を覆うように基台上に検出片を接合することによって、誘電体膜と上部電極膜との間に微小空隙をもった気密空間を備えたタッチモード容量型圧力センサであって、
前記基台は、前記凹所の周囲の上面三方を略U字型に囲む第1の金属蒸着膜を備え、前記凹所の周囲の上面の他の一方に前記第1の金属蒸着膜と電気的に隔離された第1の他の金属蒸着膜を備えたことによって、前記凹所の四方が前記第1の金属蒸着膜及び第1の他の金属蒸着膜によって囲まれた構造を有し、
前記検出片は、前記厚肉の環状囲繞部の下面に前記凹陥部の三方を略U字型に囲む第2の金属蒸着膜を備え、前記厚肉の環状囲繞部下面の他の一方には前記第2の金属蒸着膜と電気的に隔離された第2の他の金属蒸着膜を備えたことによって、前記凹陥部の四方が前記第2の金属蒸着膜及び第2の他の金属蒸着膜によって囲まれた構造を有し、
前記基台と検出片の金属蒸着膜及び他の金属蒸着膜同士を溶着することによって前記基台凹所内を密封空間としたことを特徴とするタッチモード容量型圧力センサ。 - 前記第1、第2の金属蒸着膜及び他の金属蒸着膜がAuとSnを所定の回数蒸着して形成されたAu-Sn20合金であることを特徴とする請求項1に記載のタッチモード容量型圧力センサ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004145021A JP2005326290A (ja) | 2004-05-14 | 2004-05-14 | タッチモード容量型圧力センサの構造 |
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JP2005326290A true JP2005326290A (ja) | 2005-11-24 |
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ID=35472756
Family Applications (1)
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JP2004145021A Pending JP2005326290A (ja) | 2004-05-14 | 2004-05-14 | タッチモード容量型圧力センサの構造 |
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JP (1) | JP2005326290A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008267896A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Epson Toyocom Corp | 圧力センサ |
WO2023238520A1 (ja) * | 2022-06-07 | 2023-12-14 | 株式会社大真空 | 圧力スイッチ |
-
2004
- 2004-05-14 JP JP2004145021A patent/JP2005326290A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008267896A (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-06 | Epson Toyocom Corp | 圧力センサ |
WO2023238520A1 (ja) * | 2022-06-07 | 2023-12-14 | 株式会社大真空 | 圧力スイッチ |
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