JP2005326245A - センサ位置検出方法、センサ位置検出制御プログラムを記録した媒体、および、磁気検出装置 - Google Patents

センサ位置検出方法、センサ位置検出制御プログラムを記録した媒体、および、磁気検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 任意の軸上に磁気印加装置を設置した場合においても、理想取付け線に対する各軸方向のずれを持つ磁気センサの取付け角度を高精度に測定すること。磁気センサの取付け角度の角度調整装置の構成を簡素化して、低コスト化を図り、IC検査時間の短縮化を図ること。
【解決手段】 磁気センサ1の取付け基準方向を磁気印加方向とし、磁気印加手段110により印加された磁気強度を磁気センサ1のセンサ出力値として検出し、該磁気強度およびセンサ出力値に基づいて磁気センサ1の取付け基準方向に対する取付け角度およびセンサ感度を算出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を高精度に検出することが可能な、センサ位置検出方法、センサ位置検出制御プログラムを記録した媒体、および、磁気検出装置に関する。
図16は、磁気センサのセンサ取付け位置の従来の検出方法を示す。
まず、理想取付け線101(X線方向)に対する磁気センサ100の取付け角度をθとする。また、理想取付け線101に対する印加する磁気Mの磁気印加方向102のなす角(=印加磁気傾き)をφとする。
磁気Mに対する磁気センサ100の磁気強度すなわち磁気センサ出力Mは、
=k・M・sin(θ+φ)
ただし、kは比例定数
と表される。印加する磁気の傾きφ≒0とすると、磁気センサ出力Mは、
≒k・M・sin(θ)
となる。これにより、磁気センサ100の取付け角度θは、
θ=sin−1(M/kM)
により求めることができる。
以上のように、1方向より印加する磁気印加方向102、磁気強度を概数にて扱い、磁気センサ出力Mより比例関係として磁気センサ100の取付け角度θを算出している。
ここで、磁気センサ100の取付け角度θを算出する例としては、例えば、特許文献1〜特許文献3がある。
特開平11−44538号公報 特開平4−259872号公報 特開昭62−100671号公報
従来の磁気センサ100の感度を算出する手法では、磁気センサ100の高精度な感度算出を行うために、理想取付け線101に対して、磁気センサ100および磁気印加方向102の軸を、正確に一致若しくは規定の角度を確保しておく必要がある。
その結果、ICの検査工程という観点から、角度調整装置の大規模化、高コスト化、IC検査時間の増大化という問題が生じる。
磁気センサ出力M等の磁気データの取得後においても、磁気は傾きを持たずに理想取付け線101の方向に印加するとみなされ、他軸方向の角度ずれは実際には図6のようなφ、ηを含んでいるため、磁気センサ出力Mからは、正確な取付け角度θの算出を行うことができない。
特許文献1の例では、上記式を用いて取付け角度θを算出しているが、基準磁界での磁気印加方向のずれについては、何ら考慮していない。
特許文献2の例では、磁気印加方向のずれに対して、演算処理により補正を行う方法が採られている。しかし、この方法では、測定系の5回の回転を要するため、高精度な設備および多大な調整時間が必要となる。また、演算の結果としては、磁気成分の算出のみであり、精度面で劣る。
さらに、ICの検査において、現状の設備では、検査に際して磁気印加装置の構造上において制限があり、理想軸方向のみの磁気印加は不可能である。
特許文献3の例では、磁気強度の成分の測定において、理想取付け線に対する磁気センサおよび磁気印加方向の軸の調整、および、高精度な回転角度を必要としている。
そこで、本発明の目的は、任意の軸上に磁気印加装置を設置した場合においても、理想取付け線に対する各軸方向のずれを持つ磁気センサの取付け角度を高精度に測定することが可能な、センサ位置検出方法、センサ位置検出制御プログラムを記録した媒体、および、磁気検出装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、磁気センサの取付け角度の角度調整装置の構成を簡素化して、低コスト化を図り、IC検査時間の短縮化を図ることが可能な、センサ位置検出方法、センサ位置検出制御プログラムを記録した媒体、および、磁気検出装置を提供することにある。
本発明によれば、磁気センサの取付け基準方向を磁気印加方向とし、磁気印加手段により印加された磁気強度を磁気センサのセンサ出力値として検出し、該磁気強度およびセンサ出力値に基づいて磁気センサの取付け基準方向に対する取付け角度およびセンサ感度を算出するようにしたので、X,Y,Zの3軸方向の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向をそれぞれ算出することができ、これにより、任意の軸上に磁気印加手段を設置し、その磁気印加手段や磁気センサを回転させること無しに、3次元方向(3軸)のずれをもつ磁気を印加した場合においても、3次元(3軸)のずれを持つ磁気センサの取付け角度を高精度に測定することが可能となる。
また、本発明によれば、磁気センサの取付け角度の角度調整装置の構成を簡素化して低コスト化を図ることができ、また、磁気センサを内蔵したIC構造の磁気検出装の良否の判定を行うIC検査時間を大幅に短縮させ、信頼性の高いIC検査を行うことができる。
本発明は、1個又は複数個の磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を検出する検出方法であって、磁気印加手段により前記磁気センサに対して、互いに線形独立な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に所定の磁気強度の磁気を印加する印加工程と、前記磁気印加手段により印加された磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得するデータ取得工程と、前記所定の磁気強度およびその方向成分と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、前記磁気センサの取付け基準に対する取付け角度と磁気センサ感度とを算出する算出工程とを具えることによって、磁気センサ位置検出方法を提供する。
本発明は、所定の磁気強度の磁気を印加する磁気印加装置における印加方向と磁気強度とを検出する方法であって、予め取付け基準に対する取付け角度と感度が既知であり、互いに感磁方向が異なる3つの磁気センサに対して、磁気印加装置により磁気を印加する印加工程と、前記磁気印加装置により印加された磁気強度に応じて前記磁気センサの出力データを取得するデータ取得工程と、前記既知の取付け角度と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、印加された前記磁気方向と、当該方向における磁気強度とを算出する算出工程とを具えることによって、磁気印加装置の発生磁気検出方法を提供する。
本発明は、1個又は複数個の磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を検出する検出装置であって、前記磁気センサに対して、互いに線形独立な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に所定の磁気強度の磁気を印加する磁気印加手段と、前記磁気印加手段により印加された磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得するデータ取得手段と、前記所定の磁気強度およびその方向成分と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、前記磁気センサの取付け基準に対する取付け角度と磁気センサ感度とを算出する算出手段とを具えることによって、磁気センサ位置検出装置を構成する。
ここで、前記取付け基準に対する前記磁気センサの取付け位置が、基準位置規定値以下か否かを比較する比較手段と、前記磁気センサの取付け位置が規定値以下のとき該磁気センサを良品とし、規定値を越えたとき該磁気センサを不良品とする判定手段とをさらに具えてもよい。
本発明は、コンピュータによって、磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を検出するための検出制御プログラムであって、該制御プログラムはコンピュータに、磁気印加手段により前記磁気センサに対して、互いに線形独立な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に所定の磁気強度の磁気を印加させる印加工程と、前記磁気印加手段により印加させた磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得させるデータ取得工程と、前記所定の磁気強度およびその方向成分と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、前記磁気センサの取付け基準に対する取付け角度と磁気センサ感度とを算出させる算出工程とを具えることによって、磁気センサ位置検出制御プログラムを提供する。
本発明は、コンピュータによって、所定の磁気強度の磁気を印加する磁気印加装置における印加方向と磁気強度とを検出するための検出制御プログラムであって、該制御プログラムはコンピュータに、予め取付け基準に対する取付け角度と感度が既知であり、互いに感磁方向が異なる3つの磁気センサに対して、磁気印加装置により磁気を印加させる印加工程と、前記磁気印加装置により印加させた磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得させるデータ取得工程と、前記既知の取付け角度と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、印加させた前記磁気方向と、当該方向における磁気強度とを算出する算出工程とを具えることによって、磁気印加装置の発生磁気検出制御プログラムを提供する。
また、以下のような構成要件としてもよい。
本発明は、磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を検出する検出方法であって、磁気印加手段により前記磁気センサに対して磁気を印加する印加工程と、前記磁気印加手段により印加された磁気強度を、前記磁気センサのセンサ出力値として検出する検出工程と、前記磁気強度および前記センサ出力値に基づいて、前記磁気センサの取付け基準方向に対する取付け角度およびセンサ感度を算出する算出工程とを具えることによって、センサ位置検出方法を提供する。
前記磁気強度をMとし、前記センサ出力値をMとし、前記取付け角度をAとし、前記センサ感度をKとしたとき、A×M=K×Mの関係式により算出してもよい。
Figure 2005326245
Figure 2005326245
ただし、前記磁気センサの取付け基準方向の基準座標系を{XIC,YIC,ZIC}とし、該基準座標系に一致する該磁気センサに固定した固定座標系を{X,Y,Z}とし、実際に取付けられた該磁気センサの取付け位置は、前記固定座標系の位置から、X軸の周りのη回転、Y軸の周りのφ回転、Z軸の周りのθ回転の組み合わせによる、として表してもよい。
前記取付け角度A=(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、および、前記センサ感度K=(k、k、k)が既知のとき、
M=A−1×K×M
の関係式から、前記磁気強度M、および、磁気方向(M、θ、φ、M、θ、φ、M、θ、φ)を算出してもよい。
前記磁気強度M、および、磁気方向(M、θ、φ、M、θ、φ、M、θ、φ)が既知のとき、
−1A=M×M−1
の関係式から、前記取付け角度A=(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、および、前記センサ感度K=(k、k、k)を算出してもよい。
Figure 2005326245
Figure 2005326245
ただし、前記磁気センサの取付け基準方向の基準座標系を{XIC,YIC}とし、該基準座標系に一致する該磁気センサに固定した固定座標系を{X,Y}とし、実際に取付けられた該磁気センサの取付け位置は、前記固定座標系の位置から、X軸の周りのη回転、Y軸の周りのφ回転の組み合わせによる、として表してもよい。
Figure 2005326245
ただし、前記磁気センサの取付け基準方向の基準座標系を{XIC}とし、該基準座標系に一致する該磁気センサに固定した固定座標系を{X}とし、実際に取付けられた該磁気センサの取付け位置は、前記固定座標系の位置から、X軸の周りのη回転による、として表してもよい。
前記磁気センサは、例えば、ホール素子、磁気抵抗効果、MI素子、フラックスゲート等のいずれでもよい。
本発明は、磁気検出装置であって、磁気印加手段により印加される磁気を検出する磁気センサと、該時期センサのセンサ位置検出制御に係る処理を記録した記録手段と、前記磁気印加手段により印加される印加磁気強度および前記磁気センサのセンサ出力値に基づいて、該磁気センサの取付け基準方向に対する取付け角度およびセンサ感度を算出する演算手段とを具えることによって、磁気検出装置を構成する。
前記センサ位置検出制御プログラムに基づいて算出された前記磁気センサの取付け位置が、規定値以下か否かを比較する比較手段と、前記磁気センサの取付け位置が規定値以下のとき該磁気センサを良品とし、規定値を越えたとき該磁気センサを不良品とする判定手段とをさらに具えてもよい。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
[第1の例]
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図13に基づいて説明する。
(構成)
図1は、磁気検出装置10の構成を示す。
磁気検出装置10は、3軸方向の磁気検出が可能な磁気センサ1と、マルチプレクサ部2と、磁気センサ増幅部3と、磁気センサA/D変換部4と、感度・オフセット補正計算部5と、磁気方向・強度算出部6と、センサ位置補正部7とから構成される。
磁気方向・強度算出部6は、磁気方向、磁気強度を算出する。
センサ位置補正部7は、センサ取付け角度、感度の算出や、その算出された取付け角度から良品又は不良品の判定等のIC検査を行う。
磁気センサ1は、例えば、ホール素子、MR素子、フラックスゲート等を用いて構成することができる。
図2は、磁気検出装置10をIC構造とした例を示す。
図2において、左右横方向をX軸とし、奥行き方向をY軸とし、縦方向をZ軸とする。X軸方向に磁気成分を検出するX軸磁気センサ11(HEx)、Y軸方向に磁気成分を検出するY軸磁気センサ12(HEy)、Z軸方向に磁気成分を検出するZ軸磁気センサ13(HEz)が配置されている。
磁気センサ1以外の2〜7の構成部分は、IC演算処理部20として1個のICに一体に内蔵されている。
なお、IC演算処理部20を構成する、感度・オフセット補正計算部5および磁気方向・強度算出部6は、別個の演算装置にて処理をさせるように構成してもよい。
(動作)
本装置の動作について説明する。
図3は、磁気検出装置10の全体的な処理の流れを示す。
磁気印加装置110により、磁気センサ1に対して3軸方向の磁気(M)を順次印加すると、磁気センサ1の出力データとしてそれぞれの方向における磁気センサ出力(M)を得る。
この磁気センサ出力(M)をIC演算処理部20に入力することにより、印加される磁気(M)と磁気センサ出力(M)とから磁気センサ1のセンサ取付け角度(A)を演算し、正確な取付け角度をことができる。
また、既知の磁気センサ1のセンサ取付け角度(A)に3方向の磁気(M)を印加し、磁気センサ出力(M)を得て、磁気方向を測定する。
さらに、その算出された取付け角度から良品・不良品の判定等のIC検査を行う。
以下、詳細に説明する。
図1において、3軸の磁気センサ11〜13は、磁気センサ出力(M)としてそれぞれの方向の磁気を検出し、その出力データとして電圧値に変換して出力する。これら3つの出力データは、マルチプレクサ部2にて各々の出力を切り替えて後段の磁気センサ増幅部3へ伝達する。
伝達される電気信号は微小値であるため、また素子間の感度ばらつきがあることから、磁気センサ増幅部3にて所望の感度となるように増幅値を調整して信号の増幅を行う。
その増幅された信号は、磁気センサA/D変換部4にてデジタルデータに変換される。デジタルデータは、感度・オフセット補正計算部5にてそれぞれの補正演算が行われた後、磁気方向・強度算出部6にて、3軸方向における磁気方向、および、磁気強度が算出される。
図2のIC構造をなす3軸方向の磁気検出装置10において、各軸磁気センサ11〜13の配置形態を示す磁気センサ取付け角度の正確な値が、最終的に正確な磁気角度の算出に繋がる。
この3軸方向の磁気検出装置10は、地磁気を検出することにより、方位角センサとしての使用例が挙げられる。この方位角センサでは、地磁気を3方向の磁気センサ11〜13にて検出するが、この磁気センサ11〜13の取り付け角度に所望の状態からのずれがあると、結果として算出される磁気角度、いわゆる方位角に誤差が含まれる。
(センサ取付け位置の検出処理)
3軸の磁気センサ11〜13の取付け角度を測定する方法について説明する。
まず、3軸の磁気センサ11〜13を内蔵したIC構造について考える。
図4〜図6は、磁気センサ11〜13の取付け角度の定義を示す。
図4において、ICに固定した直交座標系{XIC,YIC,ZIC}があって、磁気センサ11〜13は、XIC軸、YIC軸、ZIC軸方向の磁気を検知できるように互いに直行するように取り付けられる。
しかし、実際には、各軸の磁気センサ11〜13は、図5および図6に示すように、ある誤差を持って取り付けられる。
そこで、磁気センサ11〜13の取付け角度を、以下のように定義する。
図4に示すように理想的に取り付けられているときは、座標系{XIC,YIC,ZIC}に一致する磁気センサ11〜13に固定した座標系{X,Y,Z}を考えると、図5および図6に示すように、実際に取り付けられた磁気センサ11〜13の姿勢は理想的な姿勢から、X軸の周りのη回転(R(η)と表す)、Y軸の周りのφ回転(Q(φ)と表す)、Z軸の周りのθ回転(P(θ)と表す)の組み合わせによって表せる。
例えば、Z軸の周りにθ回転して、Y軸の周りにφ回転した姿勢をQ(φ) P(θ)のように表すと定義すれば、各軸の磁気センサ11〜13の姿勢は、例えば次のように表せる。
Figure 2005326245
ここで、R(ηHX)、Q(φHY)、P(θHZ)は各軸の磁気センサ11〜13の測定値に影響を与えないので、省略することができる。
また、回転の順番は任意であり、上記式(1)、(2)、(3)の通りでなくても、以下同じような理論を展開できる。更に、回転角度θ、φ、ηの範囲を次のように定義しても一般性は失われない。
Figure 2005326245
図7〜図9は、3軸方向の磁気検出装置10を周辺デバイスに組み込んだときの構成を示す。
図7は、磁気検出装置10の周辺デバイス構成を示す斜視図を示す。
IC構造の磁気検出装置10は、ソケット30に固定されている。ソケット30の周囲には、各軸方向にコイル31が配置されている。コイル31の周囲には、IC検査用のテストボードとしてハンドラーボード固定用プレート32が設けられている。
例えば、ICのテスト環境では、図7に示すように、3軸方向に置いたコイル31で磁気を発生させることができる。コイル31は、座標系{XIC,YIC,ZIC}の各軸に平行に磁気を発生できるように配置される。
図8に示すように、XIC軸、YIC軸の方向の磁気は、IC構造の磁気検出装置10を挟む2つのコイル31によって印加される。
これに対して、図9に示すように、ZIC軸方向の磁気は、ソケット30上面にはハンドラ(IC自動搬送機)の機構上部品を配置することができないため、IC裏面に置いた1つのコイル31で印加している。
このため、XIC軸、YIC軸方向の磁気は各々の軸におおよそ平行とみなすことができるが、ZIC軸方向の磁気は磁気センサ11〜13上では、ZIC軸と平行でない可能性が高い。
図10は、各軸方向に印加される磁気を、座標系{XIC,YIC,ZIC}として定義した場合を示す。
図11は、X軸の磁気センサ11にX軸方向の磁気40を印加したときの、IC基準軸となるX軸方向XICからの磁気印加方向の角度ずれを示す。
図11での磁気センサ11のセンサ出力は、MHX=(MXXX,MHXY,MHXZ)として表せる。
図12は、X軸の磁気センサ11にX軸方向の磁気40を印加したときの、IC基準軸となるXIC−YIC軸平面からみた磁気印加方向の角度ずれを示す。
図12に示すように、X軸方向に印加される磁気40は、必ずしもX軸方向XICに一致していない。また、Y軸の磁気センサ12は、必ずしもY軸方向YICに一致していない。
図13は、X軸の磁気センサ11にX軸方向の磁気40を印加したときの、IC基準軸となるXIC−ZIC軸平面からみた磁気印加方向の角度ずれを示す。
図13に示すように、X軸方向に印加される磁気40は、必ずしもX軸方向XICに一致していない。また、Z軸の磁気センサ13は、必ずしもZ軸方向ZICに一致していない。
ここで、例えば、XIC軸方向の磁気は、磁気の大きさMと、角度θ、φを用いて、
Figure 2005326245
と表す。
IC,ZIC軸方向の磁気も、M、θ、φ、M、θ、φを用いて同様にして表す。ここで、
Figure 2005326245
としても一般性は失われない。
磁気センサ1は、一般に固体によって感度が異なる。磁気センサ1は、磁気に比例した電圧等を出力するが、この出力値を真の磁気強度に変換する比例係数をkと定義する(以下、感度という)。つまり、磁気センサ1の出力をMHとすると、磁気強度は
kM …(7)
と表される。
Figure 2005326245
ただし、
Figure 2005326245
ここで、未知数はφHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ、M、θ、φ、M、θ、φ、M、θ、φ、k、k、k の18個であるのに対し、方程式は9個しかないので、何らかの手段で未知数を求め、未知数の数を減らさねば、解を得ることはできない。以下のような特別な場合には、解を求めることができる。
例えば、磁気センサ1の取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、および、感度(k、k、k)がわかっているとき、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)を求めることができる。
また、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)がわかっているとき、取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、感度すなわち換算係数(k、k、k)を求めることができる。
本例では、図10に示したIC構造の磁気検出装置10に固定した座標系で理論を展開したが、任意に直交を定義した固定座標系においても同様に理論を展開できる。
以上説明したように、式(8)〜(12)の関係を用いて、3軸方向の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向をそれぞれ算出することができるので、任意の軸上に磁気印加装置110を設置し、その磁気印加装置110や磁気センサ1を回転させること無しに、3次元方向(3軸)のずれをもつ磁気を印加した場合においても、3次元(3軸)のずれを持つ磁気センサ1の取付け角度を高精度に測定することが可能となる。
[第2の例]
本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
本例は、式(8)〜(12)を用いて3軸方向の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向を算出する場合において、取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、および、感度(k、k、k)がわかっているとき、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)を算出する場合の例である。
A、Kは既知であるので、
M=A−1×K×M …(13)
から、Mが求まる。
例えば、式(13)の右辺の第一列の成分を(C,C,C)とすると、
Figure 2005326245
よって、
Figure 2005326245
式(6)、(16)より、φは一意に求められる。
また、式(17)、(18)より、θも一意に求められる。
同様にして、M、θ、φ、M、θ、φ、を求めることができる。
本例では、図10に示したIC構造の磁気検出装置10に固定した座標系で理論を展開したが、任意に直交を定義した固定座標系においても同様に理論を展開できる。
以上説明したように、式(8)〜(12)の関係を用いて、3軸方向の磁気強度、磁気方向をそれぞれ算出することができるので、任意の軸上に磁気印加装置110を設置し、その磁気印加装置110や磁気センサ1を回転させること無しに、3次元方向(3軸)のずれをもつ磁気を印加した場合においても、3次元(3軸)のずれを持つ磁気センサ1の取付け角度を高精度に測定することが可能となる。
[第3の例]
本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
本例は、式(8)〜(12)を用いて3軸方向の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向を算出する場合において、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)がわかっているとき、取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、感度(k、k、k)を算出する場合の例である。
Mは既知であるので、
−1A=M×M−1 …(19)
ここで、
Figure 2005326245
例えば、式(19)の右辺の第一行の成分を(D,D,D)とすると、
Figure 2005326245
よって、
Figure 2005326245
同様にして、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ、k、kを求めることができる。
本例では、図10に示したIC構造の磁気検出装置10に固定した座標系で理論を展開したが、任意に直交を定義した固定座標系においても同様に理論を展開できる。
以上説明したように、式(8)〜(12)の関係を用いて、3軸方向の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向をそれぞれ算出することができるので、任意の軸上に磁気印加装置110を設置し、その磁気印加装置110や磁気センサ1を回転させること無しに、3次元方向(3軸)のずれをもつ磁気を印加した場合においても、3次元(3軸)のずれを持つ磁気センサ1の取付け角度を高精度に測定することが可能となる。
[第4の例]
本発明の第4の実施の形態を、図14に基づいて説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
本例は、式(8)〜(12)を用いて3軸方向の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向を算出する場合において、取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、および、感度(k、k、k)がわかっているとき、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)を算出する場合の具体例である。
(具体例1)
図14は、磁気強度、磁気方向を算出するフローチャートを示す。
IC構造の磁気検出装置10において、予めX線解析により磁気センサ1の取付け誤差を測定しておき、印加される磁気M(Mx,My,Mz)を求める。
具体的には、図14において、ステップS1では、X線解析等であるICの磁気センサ1の取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)を測定する。
Figure 2005326245
角度が既知である磁気とは、例えば磁気シールド内に入れた、磁気センサ内蔵ICに比べて十分大きなコイルに電流を流し発生させた磁気がある。
磁気方向はコイルと平行であり、磁気強度はガウスメータ等で測定すればよい。磁気方向と、IC構造の磁気検出装置10のそれぞれの軸を一致させて測定を行えば
Figure 2005326245
となる。
ステップS3では、ステップS1、ステップS2より、Kを算出する(K=AMM −1)。
Figure 2005326245
ステップS5では、ステップS3、ステップS4より、式(13)〜(18)を用いて、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)を求める。
以上より、テスト環境下で、各軸方向に磁気を印加したときの磁気強度、磁気方向を正確に求めることができる。
[第5の例]
本発明の第5の実施の形態を、図15に基づいて説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
本例は、(8)式を用いて3軸方向の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向を算出する場合において、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)がわかっているとき、取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、感度(k、k、k)を算出し、ICの良否を判定する場合の具体例である。
(具体例2)
図15は、取付け角度を算出し、判定するフローチャートを示す。
具体例1の磁気M(Mx,My,Mz)を用い、IC構造の磁気検出装置10のテスト、内部の磁気センサ取付け角度の測定を行い、所望の角度以内に抑えられた物(良品)とその所望の角度を越えた物(不良品)との判別を行う。
Figure 2005326245
ステップS7では、ステップS5、ステップS6の磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)から、式(19)〜(25)を利用し、補正演算を行うことにより、IC構造の磁気検出装置10中の磁気センサ1の取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、および、感度(k、k、k)を求める。
ステップS8では、図10に示すIC座標軸からの角度ずれ量が、規定値以下か否かを調べて、取付け角度の合否判定を行う。
角度ずれ量が規定値以下の場合はステップS9に進み、角度ずれ量が規定値を越える場合はステップS10に進む。
ステップS9では、良品と判定した後、感度が必要なら、磁気センサ1を内蔵したIC構造の磁気検出装置10内に収納されたEPROMなどのメモリに書き込んでおき、処理を終了する。
ステップS10では、磁気センサ1を内蔵したIC構造の磁気検出装置10を不良品と判定して処理を終了する。
以上より、磁気センサ1の取付け角度の角度調整装置の構成を簡素化して低コスト化を図ることができ、また、磁気センサ1を内蔵したIC構造の磁気検出装置10の良否の判定を行うIC検査時間を大幅に短縮させ、信頼性の高いIC検査を行うことができる。
[第6の例]
本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、前述した第1の例と同一部分については、その説明を省略し、同一符号を付す。
本例は、IC構造の磁気検出装置10を構成する磁気センサ1として、2個の磁気センサ、又は、1個の磁気センサとして構成した場合の例である。
2個又は1個の磁気センサから構成される場合においても、式(8)を用いて2軸方向又は1軸方向の磁気センサ1の取付け角度、感度、磁気強度、磁気方向を正確に算出することができる。
例えば、取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、および、感度(k、k、k)がわかっているとき、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)を求めることができる。
また、磁気強度(M、M、M)、磁気方向(θ、φ、θ、φ、θ、φ)がわかっているとき、取付け角度(φHX、θHX、ηHY、θHY、φHZ、ηHZ)、感度(k、k、k)を求めることができる。
ただし、2個の磁気センサ(以下、X,Yの2軸)として構成した場合、
式(9)を
Figure 2005326245
とし、
式(12)を
Figure 2005326245
として、磁気センサ1の取付け角、感度、測定系の磁気強度、磁気方向を求めることができる。
また、1個の磁気センサ(以下、Xの1軸)として構成した場合、
式(9)を
Figure 2005326245
とし、
式(12)を
K=(k) …(30)
として、磁気センサ1の取付け角、感度、測定系の磁気強度、磁気方向を求めることができる。
本発明の第1の実施の形態である、3軸の磁気センサを内蔵した磁気検出装置の構成を示すブロック図である。 磁気検出装置のICの内蔵構造を示す説明図である。 磁気検出装置の全体的な処理の流れを示す説明図である。 磁気センサの取付け位置の定義を示す説明図である。 磁気センサの取付け角度の定義を示す説明図である。 磁気センサの取付け角度の定義を示す説明図である。 磁気センサを有する磁気検出装置の検査ボートの構成を示す斜視図である。 図7の構成において、X,Y軸方向の磁気を印加したときの磁気印加方向を示す説明図である。 図7の構成において、Z軸方向の磁気を印加したときの磁気印加方向を示す説明図である。 IC基準軸に対する磁気印加方向の定義を示す説明図である。 X軸の磁気センサにX軸方向の磁気を印加したときの、IC基準軸となるX軸方向XICからの磁気印加方向の角度ずれを示す説明図である。 X軸の磁気センサにX軸方向の磁気を印加したときの、IC基準軸となるXIC−YIC軸平面からみた磁気印加方向の角度ずれを示す説明図である。 X軸の磁気センサにX軸方向の磁気を印加したときの、IC基準軸となるXIC−ZIC軸平面からみた磁気印加方向の角度ずれを示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態である、磁気強度、磁気方向を算出するフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態である、取付け角度を算出し、判定するフローチャートである。 磁気センサのセンサ取付け位置の従来の検出方法を示す説明図である。
符号の説明
1 磁気センサ
2 マルチプレクサ部
3 磁気センサ増幅部
4 磁気センサA/D変換部
5 感度・オフセット補正計算部
6 磁気方向・強度算出部
7 センサ位置補正部
10 磁気検出装置
11 X軸磁気センサ(HEx)
12 Y軸磁気センサ(HEy)
13 Z軸磁気センサ(HEz)
20 IC演算処理部
30 ソケット
31 コイル
32 ハンドラーボード固定用プレート
40 磁気
100 磁気センサ
101 理想取付け線
102 磁気印加方向
110 磁気印加装置

Claims (6)

  1. 1個又は複数個の磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を検出する検出方法であって、
    磁気印加手段により前記磁気センサに対して、互いに線形独立な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に所定の磁気強度の磁気を印加する印加工程と、
    前記磁気印加手段により印加された磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得するデータ取得工程と、
    前記所定の磁気強度およびその方向成分と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、前記磁気センサの取付け基準に対する取付け角度と磁気センサ感度とを算出する算出工程と
    を具えたことを特徴とする磁気センサ位置検出方法。
  2. 所定の磁気強度の磁気を印加する磁気印加装置における印加方向と磁気強度とを検出する方法であって、
    予め取付け基準に対する取付け角度と感度が既知であり、互いに感磁方向が異なる3つの磁気センサに対して、磁気印加装置により磁気を印加する印加工程と、
    前記磁気印加装置により印加された磁気強度に応じて前記磁気センサの出力データを取得するデータ取得工程と、
    前記既知の取付け角度と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、印加された前記磁気方向と、当該方向における磁気強度とを算出する算出工程と
    を具えたことを特徴とする磁気印加装置の発生磁気検出方法。
  3. 1個又は複数個の磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を検出する検出装置であって、
    前記磁気センサに対して、互いに線形独立な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に所定の磁気強度の磁気を印加する磁気印加手段と、
    前記磁気印加手段により印加された磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得するデータ取得手段と、
    前記所定の磁気強度およびその方向成分と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、前記磁気センサの取付け基準に対する取付け角度と磁気センサ感度とを算出する算出手段と
    を具えたことを特徴とする磁気センサ位置検出装置。
  4. 前記取付け基準に対する前記磁気センサの取付け位置が、基準位置規定値以下か否かを比較する比較手段と、
    前記磁気センサの取付け位置が規定値以下のとき該磁気センサを良品とし、規定値を越えたとき該磁気センサを不良品とする判定手段と
    をさらに具えたことを特徴とする請求項3記載の磁気センサ位置検出装置。
  5. コンピュータによって、磁気センサの取付け基準方向に対する取付け位置の配設状態を検出するための検出制御プログラムであって、
    該制御プログラムはコンピュータに、
    磁気印加手段により前記磁気センサに対して、互いに線形独立な第1の方向、第2の方向、および第3の方向に所定の磁気強度の磁気を印加させる印加工程と、
    前記磁気印加手段により印加させた磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得させるデータ取得工程と、
    前記所定の磁気強度およびその方向成分と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、前記磁気センサの取付け基準に対する取付け角度と磁気センサ感度とを算出させる算出工程と
    を具えたことを特徴とする磁気センサ位置検出制御プログラム。
  6. コンピュータによって、所定の磁気強度の磁気を印加する磁気印加装置における印加方向と磁気強度とを検出するための検出制御プログラムであって、
    該制御プログラムはコンピュータに、
    予め取付け基準に対する取付け角度と感度が既知であり、互いに感磁方向が異なる3つの磁気センサに対して、磁気印加装置により磁気を印加させる印加工程と、
    前記磁気印加装置により印加させた磁気に対する前記磁気センサの出力データを取得させるデータ取得工程と、
    前記既知の取付け角度と、前記磁気センサの出力データとに基づいて、印加させた前記磁気方向と、当該方向における磁気強度とを算出する算出工程と
    を具えたことを特徴とする磁気印加装置の発生磁気検出制御プログラム。
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