JP2005324149A - 液状物塗布方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 搬送中の物体の表面の全面にわたって効果的に液状物を塗布する方法及び装置を提供する。
【解決手段】 搬送手段(1)で搬送中の物体(2)の表面に液状物(3)を搬送方向を横断する方向に線状に吐出するとともに、搬送中の前記物体の表面に気体吐出手段(6)から気体を吐出して前記液状物を前記表面上に拡げることからなる液状物塗布方法及び装置において、前記搬送方向に対して角度を成す方向に配置された直動装置(5b)により前記物体の搬送に同期して該搬送方向の上流側から下流側に向けて斜めに搬送手段を横断される1つ又は複数のノズル(51)から前記液状物を吐出させることを特徴とする液状物塗布方法および装置。好ましくは、ノズル(51)には、液状物(3)の吐出量を検知する圧力センサー(53)が設けられる。
【選択図】 図1a

Description

本発明は物体の表面に液状物を膜状に塗布する方法及び装置に関し、特に、段ボール箱やクラフト紙袋等の紙器の表面に荷崩れ防止用組成物の塗膜を形成するのに好適な液状物塗布方法及び装置に関する。
パレット上に積み重ねられた段ボール箱等が搬送中に荷崩れするのを防止する方法として、紙器の製造時又は梱包後に、その表面又は底面に、液状のスリップ防止剤を膜状に塗布して段ボール箱等の紙器表面の摩擦係数を高めることが行なわれている。
かかるスリップ防止剤を紙器に膜状に塗布する方法としては、転写印刷、スクリーン印刷、スプレー塗布、ドクターブレード塗布等の方式が考えられる。
しかし、転写印刷、スクリーン印刷、ドクターブレードを用いた方式では、これらに用いる装置と紙器とを接触させる必要があり、両者の接触部の調整が必要になるばかりでなく、装置も大掛かりで複雑であり、一定期間おきに接触部の清掃が必要になる等、メインテナンスが煩雑である。
これに対し、スプレー塗布の場合は、紙器と非接触のスプレーガン等のノズルからスリップ防止剤を吐出させればよいので、メインテナンスの労力は軽減されるが、スリップ防止剤の種類によっては、吐出時にミストを発生して周囲の環境を汚し、また、スリップ防止剤も浪費される。
そこで、特開平10−128214号公報には、物体の表面に液状物を吐出するとともに、該液状物に対して気体を吐出してこれを該表面上に拡げて塗布することを特徴とする液状物塗布方法が提案されている。この方法は、液状物を表面に吐出して載置させた後、載置した液状物を気体の吐出力で移動させて膜状に拡げるため、液状物を紙器等の物体に対して非接触状態で塗布することができ、また、液状物は物体の表面上で該表面と接触した状態で移動するため、スプレーガンを用いた場合のようなミストの発生もなく、周囲の環境を汚すことも少なく好都合である。
特開平10−128214号公報
しかし、上記の方法は、ベルトコンベア等の搬送手段で搬送中の物体の表面に液状物を塗布する場合、該表面の搬送方向上流側及び下流側の端部において塗り残し部分が発生するという欠点があった。
また、上記の方法では、液状物の吐出は、搬送方向に直交して1列に配列された2または4本の液状物吐出ノズルから行われるが、搬送手段のスピードが速い場合や、液状物が吐出される物体の表面の面積が大きい場合に、気体吐出ノズルによって最終的に広げられる液状物の膜厚にムラが生じることがあった。この問題を解決するために、液状物吐出ノズルの数を増やすことも考えられるが、部品点数が多くなり構造が複雑化しコストも高くなる。また、該吐出ノズルの外形は35mm平方程度あり、これらの吐出ノズル間のピッチをそれよりも狭くすることは不可能である。
また、上記の公報では、気体吐出ノズルを搬送方向に対して線対称に配置する例が開示されているが、この場合、対向して吐出される気体同士が吐出力を相殺するという不都合があることがわかった。
そこで、本発明は、搬送中の物体の表面の全面にわたって効果的に液状物を塗布する方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の一つの局面によれば、搬送手段で搬送中の物体の表面に液状物を搬送方向を横断する方向に線状に吐出するとともに、搬送中の前記物体の表面に気体を吐出して前記液状物を前記表面上に拡げることからなる液状物塗布方法において、前記搬送方向に対して角度を成す方向に配置された直動装置により前記物体の搬送に同期して該搬送方向の上流側から下流側に向けて斜めに搬送手段を横断される1つ又は複数のノズルから前記液状物を吐出させることを特徴とする液状物塗布方法が提供される。
さらに、本発明の別の局面によれば、物体の搬送手段と、該物体の表面にその搬送方向を横断する方向に線状に液状物を吐出する液状物吐出手段と、該物体の表面に気体を吐出して、前記液状物を前記表面上に拡げる気体吐出手段とを備える液状物塗布装置において、前記液状物吐出手段は、前記搬送方向に対して角度を成す方向に配置された直動装置と、該直動装置により前記物体の搬送に同期して該搬送方向の上流側から下流側に向けて斜めに搬送手段を横断される液状物吐出用のノズルを1つ又は複数備えていることを特徴とする液状物塗布装置が提供される。
本発明によれば、物体の搬送方向に対して角度を成す方向に配置された直動装置により該物体の搬送に同期して搬送方向の上流側から下流側に向けて斜めに搬送手段を横断される1つ又は複数のノズルから液状物を吐出することとしたので、ノズルは、搬送中の物体の動きに追随して動き、該物体の表面上に、搬送方向を横断する方向に液状物を線状に吐出する。複数のノズルを用いた場合には、該物体の表面に液状物を平行した数本の線状に吐出させることも可能である。したがって、この線状の液状物と交差する方向に気体を該物体の表面に向けて吐出するだけで、該液状物を物体の表面上に拡げることができ、液状物の均一な塗膜を非接触の方法で形成できる。搬送手段の搬送速度が変化した場合でも、直動装置の配置角度を調節することにより、線状に液状物を吐出させることができる。また、物体の寸法が変更された場合でも、直動装置の直動行程を調節することにより、物体の寸法に適合した長さに液状物を吐出させることができる。
以下、本発明を図示の具体例に基づいて説明するが、本発明は該具体例のみに限定されるものではない。
図1aは、段ボール箱2を積み重ねた時に段ボール箱2同士が相互にスリップして荷崩れするのを防止するために、搬送手段1によって搬送される段ボール箱2の上面に荷崩れ防止用組成物すなわちスリップ防止剤3の塗膜を形成するための装置を示す。図示の例では、搬送手段1としてベルトコンベアが用いられているが、ローラコンベアなども使用でき、これらに制限されるものではない。
図1aの装置は、搬送手段1の上方に、液状物吐出手段5と、気体吐出手段6とを備えている。そして、搬送手段1の搬送方向上流側から下流側に向けて、液状物吐出手段5、気体吐出手段6の順に配置されている。液状物吐出手段5は、一列に配列された4本のノズル51を備えた液状物吐出ユニット5aと、該吐出ユニット5aが取り付けられた直動装置5bとからなる。
直動装置5bは、図3から明らかなように、細長のレール55と該レール55の長手方向に沿って直動するスライダ56とからなる。かかる直動装置5bは、図示の構成に制限されないが、一般的には、サーボモータ、ボールネジ・ボールナット機構またはプーリー・ベルト機構等を使用してスライダ56を直動させる形式のものが用いられる。かかる直動装置は、直動案内装置、アクチュエータなどとも称され、その詳細は、特開平6−272713号公報、特開平11−280866号公報、特開2000−197304号公報などに記載されている。
本発明では、液状物吐出ユニット5aを直動装置5bのスライダ56に取り付けることにより、液状物吐出ユニット5aを直動装置5bのレール55の長手方向に沿って往復運動可能にしている。
図示の例では、気体吐出手段6は、搬送方向に隣り合わせに並べて配置された2つの気体吐出ユニット6a,6bから構成されている。
これらの手段5及び6は、通常、適当な架台(図示せず)に取り付けられ、搬送手段1の上方に支持される。また、直動装置5bは、図2に示されるように、物体の搬送方向に対して角度θを成して配列され、所望の角度で配置できるように、適当なジョイント手段及び/又は固定手段などを介して架台(図示せず)に対して回転可能に設置することが好ましい。また、本発明において、液状物吐出手段5の数、または、液状物吐出手段5及び気体吐出手段6のそれぞれを構成するノズル51及び気体吐出ユニット6a,6bの数は図示の例に限られるものではなく、目的に応じて適宜増減できる。
液状物吐出ユニット5aは、上述のように、互いに所定の間隔をおいて直線状に一列に配列された4つの液状物吐出用のノズル51…51を備えている。そして、ノズル51…51の列が搬送方向に沿って並ぶように直動装置5bのスライダ56に取り付けられている。
図2に示されるように、直動装置5b、より具体的には、直動装置5bのレール55は、段ボール箱2の搬送方向に対して角度θを成して配置されており、この角度θは、段ボール箱2の搬送速度に応じて、0°よりも大きく90°よりも小さい角度に設定することができる。
かくして、直動装置5bのスライダ56は搬送方向に対して角度θを成して往復運動し、スライダ56に取り付けられた液状物吐出ユニット5aも、搬送方向に対して角度θを成して往復運動する。したがって、搬送中の段ボール箱2の動きと同期させて、直動装置5bのスライダ56を搬送方向上流側から搬送方向下流側、すなわち、図示の例では、搬送方向上流側から下流側に見て、搬送手段1の右側から左側に移動させ、この間に、液状物吐出ユニット5aのノズル51から液状物を段ボール箱2の表面に吐出させることにより、該表面に、その搬送方向を横断する方向に液状物を線状に塗布することができる。特に、スライダ56の移動速度vの段ボール箱搬送方向成分v(図2参照)を段ボール箱2の搬送速度v(図2参照)と一致させれば、搬送方向に直交する方向に線状に液状物を塗布することができる。なお、図示の例では、直動装置5bは、搬送方向上流側から下流側に見て、スライダ56が搬送手段1の右側から左側に移動する際に搬送方向下流側に移動するように配置されているが、スライダ56が搬送手段1の左側から右側に移動する際に搬送方向下流側に移動するように配置してもよいことは言うまでもない。
液状物吐出ユニット5aは適当な導管を介して液状のスリップ防止剤の貯槽(図示せず)に連通しており、該導管に設けられたポンプ及び弁(図示せず)の作用により、段ボール箱2が液状物吐出ノズル51…51の下方に搬送されてきた時にスリップ防止剤を吐出して、段ボール箱2の上面にスリップ防止剤3を、搬送方向に横断する4本の線状に吐出するように制御される。液状物吐出ノズル51…51から段ボール箱2への液状物の吐出を行うタイミングは、適当なセンサーを用いて検知することができる。図示の例では、搬送手段1の両側に対向して設けられたセンサー52a,52bによって段ボール箱2の通過を検知し、それに応答してタイマーを始動させることにより、段ボール箱2への液状物の吐出のタイミングを制御している。
液状物吐出ノズル51…51は、それぞれ個別の導管を介して貯槽に連通されてもよく、また、適当な弁及びタイマーを設けて、段ボール箱2の寸法に応じて、その吐出量や動作時間を個別に制御できるようにしてもよい。
また、液状物吐出ノズル51…51は、異物の混入などにより液状物の吐出量が変動し、操業上のトラブルとなることがある。したがって、液状物の塗布量の変動を常にモニターしておくことが好ましい。吐出量の管理には、差圧流量センサー等の市販の流量センサーを用いることが考えられるが、塗布時間が0.1〜0.2秒と短く、塗布間隔が1〜2秒の間欠動作であり、一回あたりの吐出量が0.5〜1gと少量である場合には、かかる流量センサーでの管理は不可能であった。しかしながら、このような場合、ノズルの吐出開始時の圧力降下を検出することによって吐出量の管理が可能であることがわかった。すなわち、液状物はノズルから吐出される際、静止状態から動こうとするため、比較的大きな圧力降下を示す。その関係は、図4に示されるとおりである。図5に示されるとおり、液状物吐出ノズル51…51の圧力の変動は液状物の吐出量の変動と相関関係があり、液状物の吐出量が多いときには圧力降下が大きく、少ないときには圧力降下が小さいので、圧力センサーを用いて液状物の塗布量のモニターができる。したがって、例えば、液状物吐出ノズル51…51のそれぞれに圧力センサー53を設け、液状物吐出時の圧力降下を検出することが好ましい。通常、液状物の吐出量は圧力降下と概略直線的な関係(例えば、一次式)で表すことができる。圧力センサーとしては、例えば、(株)キーエンス製のAP53A(商品名)およびAp−13(商品名)や、オムロン(株)製のE8AA−M10(商品名)及びE8AA−M05(商品名)などが使用できる。これらの圧力センサーで検出された圧力降下値をアナログ電流出力に変換して計数化することにより、液状物の塗布量を求めることができる。塗布量が所望の範囲を外れる場合、アラームを鳴らしたり、搬送手段の動作を停止するように制御してもよい。
なお、これらのノズルから吐出される液状物は、50〜500cp(50〜500mPa・s)程度の粘度を備えていることが好ましい。また、スリップ防止剤としては、液状のものであれば特に制限はないが、ゴム成分と造膜性ポリマーとを含有し、必要に応じて、コロイダルシリカなどの摩擦係数増強材を添加したスリップ防止剤が好ましい。かかるスリップ防止剤は、特開平10-53742号公報や特開平11-217535号公報に記載されており、詳細については、これらの公報を参照されたい。
気体吐出ユニット6a,6bは、何れも同様の構成を備え、概略二等辺三角柱の外形を備え、その頂辺に沿って伸長したスリット状の気体吐出ノズル64を備え(図1b参照)、この気体吐出ノズル64から圧縮空気などの気体をジェット式に吐出させる。図示の例では、気体吐出ユニット6a,6bは、スリット状の気体吐出ノズル64が搬送方向に直交する方向に延在するように配置されている。段ボール箱2の表面に線状に塗布された液状物を広げて膜状にするためには、スリット状の気体吐出ノズル64から段ボール箱2の表面に向けて気体を吐出すればよく、吐出方向は真下、斜め下方、または、斜め上方の何れであってもよいが、このうち、搬送中の段ボール箱2の表面が搬送方向とは逆方向の気流を受けるようにすることが好ましい。このため、気体吐出ユニット6a,6bは、段ボール箱2の搬送方向下流側からの該段ボール箱2の表面に向けて斜め下方に気体を吐出するように配置され、具体的には、図1cに示されるように、鉛直線から角度θだけ傾けた方向に気体が気体吐出ノズル64から噴出されるように配置することが好ましい。この角度θは、操業条件によって異なるが、好ましくは40°〜55°とされる。
図示の例では、気体吐出手段は、気体吐出ユニット6aと気体吐出ユニット6bの2つから構成されているが、いずれか一方のみでもよく、また、必要に応じて、3以上の気体吐出ユニットから構成してもよい。気体吐出ユニット6a,6bのノズル64と段ボール箱2上面との間隔は一般に5mm〜15mmの範囲とすることが望ましい。
該気体吐出ユニット6a,6bは、適当な導管を介してブロワー65に連通し、ブロワー65から送られる空気をスリット状のノズル64から吐出する。ノズル64は、搬送中の段ボール箱2の上面へ、鉛直線から角度θだけ傾いた方向(図1c参照)に空気を吐出するので、段ボール箱2の上面に吐出された線状のスリップ防止剤3を搬送方向の逆方向に拡げる。通常、このスリット状のノズルの幅は0.05〜2mm、長さは50〜500mmとされる。なお、このブロワー65は、コンプレッサー、ブロアー又は圧縮気体の供給ボンベであってもよく、圧力0.5〜10kg/cmの圧縮空気を供給するものであることが好ましい。この場合、スリット状のノズル64から吐出される空気はノズル64から30〜70mmの距離の範囲の空気も誘引して、空気供給装置から供給される空気量の15〜25倍にも空気流の量を増幅させる効果がある。
次に、上記した具体例の作動を説明する。液状物吐出ユニット5aは初期状態では、段ボール箱2の搬送方向下流側(すなわち、図2において、搬送方向上流側から下流側に見て右側)に位置している。図2において、組み立てられた段ボール箱2は搬送手段1によって搬送方向(図面向かって右側)へ搬送され、センサー52a,52bが段ボール箱2の通過を検知したこと応答して、液状物吐出ユニット5aの各液状物吐出ノズル51…51の動作タイマーが始動し、段ボール箱2がの下流側端部が到達した時、段ボール箱2の上面に、ポンプを経由して液状物吐出ノズル51…51の下端の開孔から液状のスリップ防止剤3が吐出される。段ボール箱2が直動装置5bの下方を移動する間、スライダ56が搬送方向下流側(搬送方向上流側から下流側に見て左側)に移動することによりに液状物吐出ユニット5aも同様に移動して搬送手段2を斜めに横断するため、液状物吐出ユニット5aから吐出された液状スリップ防止剤3は段ボール箱2の上面に4本の線状に塗布される。ここで、ノズル51…51からの液状物の吐出のタイミングは上記タイマーによって管理され、液状物の吐出量は上述の圧力センサー53によってモニターされる。図示の例では、スライダ56の移動速度vの段ボール搬送方向成分vを段ボール箱2の搬送速度vとが一致しているため、段ボール箱2の上面に吐出された線状の液状スリップ防止剤3は、段ボール箱搬送方向に直交する線状に塗布される。スライダ56の移動速度v(およびその成分v,成分vy)は、段ボール箱2の搬送速度vが変化した場合、この変化に応答して、移動速度vを一定に維持したまま配置角度θが変化するようにして制御されてもよく、また、移動速度v自体が変化するように制御されてもよい。段ボール箱の寸法が変更された場合は、当該寸法に応じて直動装置の直動行程を調節または制御することにより、段ボール箱の寸法に適合した長さの線状に液状物を吐出させることができる。その後、液状物吐出ユニット5aは、上述の初期状態、すなわち、段ボール箱2の搬送方向下流側(すなわち、図2において、搬送方向上流側から下流側に見て右側)の位置に復帰し、次の段ボール箱2の搬送をセンサー52a,52bが検知することにより、上記と同様の動作を繰り返す。
段ボール箱2は、さらに、液状物吐出ユニット5aよりも下流側に搬送され、気体吐出ユニット6a,6bの下方を通過する。このとき、図3に示されるように、段ボール箱2の上面は、気体吐出ユニット6a,6bから、搬送方向下流側から上流側に段ボール箱2の上面に向けて吐出されるアゲインストな気流を受けるため、段ボール箱2の上面に吐出された線状の液状スリップ防止剤3は搬送方向と逆方向に拡げられて面状に展開され、最終的に、段ボール箱2の上面に塗膜を形成する。なお、気体吐出ユニット6a,6bは常に動作状態としてもよいが、その動作タイミングを、例えば、センサー52a,52bと同様のセンサーを設けることによって制御してもよい。
このようにして液状のスリップ防止剤は段ボール箱2の上面のほぼ全面にわたって膜状に塗布される。以上の作動は、搬送手段1で段ボール箱2の搬送を停止させることなく、連続して行なうことができる。
なお、以上の操作で塗布されたスリップ防止剤の乾燥を促進する必要がある場合は、気体吐出ユニット6aおよび6bの下流に更に乾燥手段を設けてもよい。乾燥手段としては、送風による自然乾燥の他、温風乾燥、赤外線乾燥、電磁波乾燥などによるものを用いることができる。
本発明の液状物塗布方法及び装置は、ベルトコンベアなどの搬送手段により搬送中の物体、たとえば、段ボール箱の表面に液状物を塗布する場合に、該表面に対して非接触状態で簡便に塗布することができ、さらに、表面に塗り残し部分がなく全面に塗布することが可能であるため、搬送中の各種物体の表面に液状物を塗布するのに有用である。
本発明の装置の一具体例の液状物塗布動作を示す概略的斜視図である。 図1aの気体吐出ユニットの拡大破断図である。 図1bの気体吐出ユニットのノズルの気体吐出方向を示す拡大断面図である。 図1aで示された本発明の装置による液状物塗布動作を示す平面図である。 図1aで示された本発明の装置による液状物塗布動作を示す側面図である。 液状物吐出ノズルの液状物吐出時間と圧力降下の関係を示すグラフである。 液状物吐出ノズルからの液状物の吐出量と圧力降下の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 搬送手段
2 段ボール箱
3 スリップ防止剤
5a 液状物吐出ユニット
5b 直動装置
51 液状物吐出ノズル
52a,52b センサー
53 圧力センサー
6 気体吐出手段
6a,6b 気体吐出ユニット
64 気体吐出ノズル
65 ブロワー

Claims (10)

  1. 搬送手段で搬送中の物体の表面に液状物を搬送方向を横断する方向に線状に吐出するとともに、搬送中の前記物体の表面に気体を吐出して前記液状物を前記表面上に拡げることからなる液状物塗布方法において、前記搬送方向に対して角度を成す方向に配置された直動装置により前記物体の搬送に同期して該搬送方向の上流側から下流側に向けて斜めに搬送手段を横断される1つ又は複数のノズルから前記液状物を吐出させることを特徴とする液状物塗布方法。
  2. 前記直動装置は、前記搬送方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい角度を成して配置されている請求項1に記載の方法。
  3. 前記液状物が前記搬送方向に直交する方向に線状に吐出されるように、前記物体の搬送速度に応じて前記直動装置の配置角度を設定する請求項2に記載の方法。
  4. 前記気体は、前記搬送方向に直交する方向に配置されたスリットを介して、前記物体の表面に向けて吐出される請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
  5. 前記液状物の塗布量を、前記ノズルに設けられた圧力センサーによってモニターする請求項1に記載の方法。
  6. 物体の搬送手段と、該物体の表面にその搬送方向を横断する方向に線状に液状物を吐出する液状物吐出手段と、該物体の表面に気体を吐出して、前記液状物を前記表面上に拡げる気体吐出手段とを備える液状物塗布装置において、前記液状物吐出手段は、前記搬送方向に対して角度を成す方向に配置された直動装置と、該直動装置により前記物体の搬送に同期して該搬送方向の上流側から下流側に向けて斜めに搬送手段を横断される液状物吐出用のノズルを1つ又は複数備えていることを特徴とする液状物塗布装置。
  7. 前記直動装置は、前記搬送方向に対して0°よりも大きく90°よりも小さい角度を成して配置されている請求項6に記載の装置。
  8. 前記液状物が前記搬送方向に直交する方向に線状に吐出されるように、前記物体の搬送速度に応じて前記直動装置の配置角度が変更可能にされている請求項7に記載の装置。
  9. 前記気体吐出手段は、前記搬送方向に直交する方向に配置された気体吐出用のスリットを備え、前記物体の表面に向けて気体を吐出するように配置されている請求項6〜8の何れか1項に記載の装置。
  10. 前記ノズルの圧力を測定する圧力センサーを備え、該圧力センサーが検出した圧力の変動をモニターすることによって前記液状物の塗布量を判定する請求項1に記載の方法。

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