JP2005323516A - 核酸抽出用デバイス - Google Patents

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秀男 本間
Mikio Kishimoto
幹雄 岸本
Masahiro Kusumoto
楠本  正博
Yoshiaki Nishiya
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Abstract

【課題】核酸抽出用溶液に対する磁性担体の攪拌作業を、より少ない手間で簡便に、しかも作業効率良く進めることができる核酸抽出用デバイスを提供する。
【解決手段】本発明に係る核酸抽出用デバイスは、チップ本体2の内部に核酸抽出用溶液と磁性担体とを反応させるための反応室3を備える。反応室3の内部は、該反応室3を区画するチップ本体2の内壁面に突設された多数個独立の突起14からなる突起群12で二以上の区分に仕切られている。これにて、突起群12を跨ぐように、磁性担体を磁力により変位移動操作させるだけの簡単な作業でもって、磁性担体の流れ方向を突起14の外縁に沿う多方向に分散させることができるので、溶液中で磁性担体が大きな塊状となることを効果的に防ぐことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、チップ本体の内部に、核酸抽出用溶液と磁性担体とを混合・反応させるための反応室を備える核酸抽出用デバイスに関する。
核酸やタンパク質などの生体成分を含有する細胞等の生物試料から生体成分を分離(抽出・精製)する技術は、遺伝子工学、タンパク質工学や臨床診断の分野で重要な工程である。例えば、ある遺伝子を解析する場合、まずその遺伝子を保持する細胞等の生物材料からDNAやRNAといった核酸を抽出する必要がある。また、あるタンパク質を解析する場合にも、まずそのタンパク質を保持する細胞等の生物材料からの分離および精製することが必要となる。さらに、細菌やウイルスといった感染体の検出のためのDNA/RNA診断においても、血液などの生物材料から細菌やウイルスの核酸を抽出することが必要となる。
一般に、生物材料に含まれる核酸やタンパク質などの生体成分は、遊離した状態で存在しているわけではなく、タンパク質、脂質、糖などから構成される細胞壁の殻の中に存在している。したがって、生物材料から生体成分を分離する場合には、まず超音波や熱による物理的な破壊処理を施すことにより生体成分を精製する必要がある。これらの手法は、生体成分の種類や出発材料、さらには分離した生体物質の用途に応じて組み合わされ、それぞれ最適化されて用いられている(例えば、非特許文献1参照)。
しかし、これらの方法は遠心分離などの煩雑な工程を含むため、非常に手間が掛かる。さらに、分離された核酸やタンパク質などの生体成分中には、その後の解析に弊害となる非目的タンパク質などの不要物質が多く含まれているため、純度よく生体成分を得るには、分離操作を実施した後に塩化セシウムによる密度勾配を利用した超遠心分離操作、さらに透析や限外濾過を利用した脱塩濃縮操作に代表される煩雑かつ長時間を要する精製操作が必要となる。
一方、簡便な核酸抽出法としてシリカを核酸結合性個相担体として用いる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、バクテリアなどの生物材料から核酸を一段階で抽出することが可能なうえ、溶出液として水またはTEバッファーなどの低濃度緩衝液を使用するため、特別な脱塩濃縮操作が不要で、抽出した核酸を直ちに別の解析に使用できるという利点がある。しかし、核酸が結合した担体の攪拌、分離、移動等の諸動作を作業効率良く行うことが困難であり、その点に不利があった。
かかる不具合を解決するものとして、磁性担体を使った核酸抽出方法が広く知られている(例えば、特許文献2参照)。これによれば、磁性担体の分離、移動等の諸動作を磁力にて行うことができるので、前述のシリカ製の核酸結合性個相担体を用いる方法に比べて、作業効率の格段の向上を図ることができる。これは核酸抽出システムの小型化・低コスト化に資する。
Molecular cloning:a laboratory manual, 2nd ed.(ColdSpring Harbor Laboratory Press, 1989) 特開平2−289596号公報 特開昭60−1564号公報
しかし、特許文献2記載の核酸抽出方法では、磁性担体を磁性吸着させて移動等させる必要上、核酸抽出用溶液中で磁性担体が塊状となりやすい。このため、磁性担体の攪拌が不十分となって、核酸の収率が著しく低下しやすい点に不利がある。超音波振動器を用いれば、確実に磁性担体を攪拌させることができるが、その場合には設備コストの上昇を招くほか、一連の核酸抽出作業が複雑になって作業効率の低下を招く。
本発明の目的は、核酸抽出用溶液に対する磁性担体の攪拌作業を、より少ない手間で簡便に、しかも作業効率良く進めることができる核酸抽出用デバイスを提供することにある。
本発明は、図1ないし図3に示すごとく、チップ本体2の内部に、核酸抽出用溶液と磁性担体とを反応させるための反応室3を備える核酸抽出用のデバイスである。そして、反応室3の内部は、該反応室3を区画するチップ本体2の内壁面に突設された多数個独立の突起14からなる突起群12で二以上の区分に仕切られており、磁性担体が該突起14の間隙15を通って、前記区分の間を移動し得るように構成されていることを特徴とする。
ここで核酸抽出用溶液とは、核酸を有する生体材料を含む試料溶液のほか、分散液、緩衝液、洗浄液などに代表される、核酸抽出作業に供される各種試薬をも含む概念である。試料には、DNA、RNA等を含むもの、例えば、血液、動物組織、植物組織、昆虫細胞、酵母、バクテリオファージ、ウイルス、細菌、あるいはこれらの組み合わせを挙げることができ、本発明に係るデバイスは、上記いずれの生体材料からの核酸抽出作業においても好適に使用できる。また、磁性担体とは、磁性シリカ粒子などに代表される、表面に核酸を保持できる磁気応答粒子を意味する。
具体的には、チップ本体2は、図1に示すごとく、第1および第2の基板1a・1bを対向状に貼り合わせてなる扁平状とすることができる。第1基板1aの第2基板1bに対する対向壁面には、第2基板1b側に開口を有する溝5が凹み形成されていて、この溝5の開口を塞ぐように第2基板1bが貼り合わされている。そして、これら第1および第2基板1a・1bで区画された溝5の内部空隙が反応室3とされていて、溝5の底面6の所定位置に、突起群12が設けられた形態を採ることができる。
本発明において、チップ本体2の外形形状に制限はないが、取扱性、強度、加工の容易性の観点から、特に扁平四角形状が好ましい。チップ本体2の外形寸法にも制限はないが、デバイスの小型化の観点から、核酸抽出作業を行い得る範囲で出来るだけ小さいほうが望ましく、具体的には1〜100cm2 、特に5〜40cm2 の範囲が好適である。厚み寸法に関しても特に制限はないが、適度な強度保ち得ることと、外部より加える磁場の大きさが距離に依存することなどを勘案すると、実用上0.5〜5mmの範囲が適しており、特に1〜2mmが好適である。
反応室3の大きさ・容積は、核酸抽出作業を行い得るものであれば特に制限はなく、例えば1〜400mm3 程度であればよく、実用上30〜100mm3 の範囲が好適である。チップ本体2内に反応室3は複数個あってもよく、各反応室3の容積が互いに異なるものであってもよい。
反応室3を区画する溝5の深さ寸法は、磁性担体と核酸との結合体がスムーズに移動できる深さであれば特に制限はなく、その寸法範囲としては、0.1〜4.5mmが好適であり、実用上0.5〜1.5mmがより好適である。
基板1a・1bの形成材料としては、例えばポリカーボネート、アクリル、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂、ポリイミドなどの熱硬化性樹脂、ガラス、シリコン、AlNやAl2 О3 などのセラミックなどを挙げることができる。ナイロン、ポリエチレン、ポリエステルなどの繊維類を含むFRPや、非磁性金属などであってもよい。これら基板1a・1bは、同じ材料で形成されても、異なる材料で形成されていてもよい。
基板1a・1bの貼り合わせ手段としては、2液型または1液型の熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂などからなる公知の接着剤や、粘着テープなどの接着剤、あるいは熱融着や超音波融着などを挙げることができる。とくに広範囲の材料を容易に接着でき、しかも安価であるなどの理由から接着剤による貼り合わせが好ましい。
溝5を有する第1基板1aと、突起14とは、一体的に同一素材で構成されていることが好ましい。突起14は、円錐状、円柱状、四角錐状、四角柱状のいずれかの形状を呈するものとすることができる。突起14の高さ寸法が、溝5の深さ寸法の少なくとも半分以上に設定することが好ましい。
チップ本体2は、複数個の反応室3と、隣り合う反応室3どうしを連通する流路11とを備えるものであることが好ましい。流路11の幅寸法は、磁性担体と核酸との結合体がスムーズに移動できる大きさであれば特に制限はなく、5μm〜5mmが好ましく、50μm〜3mmの範囲がより好ましい。
かかる第1基板1a用の金型は、図4(a)に示すごとく、透明基板20の一方の面にフォトレジスト層21を設ける工程と、図4(b)に示すごとく、透明基板20の他方の面に、所望のパターンが備えるフォトマスク22を形成し、該フォトマスク22を介してフォトレジスト層21に紫外線光を照射することにより、該フォトレジスト層21を変質させて、図4(c)に示すごとく、前記溝5を有する第1基板1a、および該溝5内の突起14に相当するパターンレジスト30を設けるパターニング工程と、図4(d)に示すごとく、前記パターンレジスト30、および該パターンレジスト30から露出する透明基板20を覆うように、スパッタリングにより金属薄膜層31を形成するスパッタリング工程と、図4(e)に示すごとく、金属薄膜層31上に、電解メッキ法により、前記第1基板1aに対応する電着金属層32を形成する電鋳工程と、電着金属層32および金属薄膜層31からなる金属構造体33を、透明基板20から剥離する工程とを経て作製できる。
具体的には、図4(b)のパターニング工程における突起部分に対応するフォトマスク22は、図5に示すごとく、そのパターン領域28内で、中央部から周縁部に行くほど、漸次紫外線光の透過量が減少する所謂グラデーションパターンに形成されたものとすることができる。フォトレジスト層21は、エポキシ系樹脂を主成分とした紫外線硬化型レジストとすることが好ましい。
本発明においては、反応室3の内部を、磁性担体が移動できる程度の間隙15を備える多数個独立の突起14からなる突起群12で二以上の区分に部分連通状に仕切ってある。したがって、突起群12を跨いで区分どうしの間で磁性担体を変位移動させるだけの簡単な作業を行うだけで、磁性担体の流れ方向を突起14の外縁に沿うような多数の方向に分散させることができ、その結果、磁性担体が核酸溶液中で大きな塊状となることを効果的に防いで、溶液中に磁性担体を分散状によく攪拌させることができる。これにて、磁性担体が溶液中において大きな塊状となる場合に避けることができなかった、溶液との接触面積が小さくなることに起因する磁性担体の表面に対する核酸の吸着率(結合率)の低下を効果的に防ぐことができる。また、核酸の磁性担体への吸着後においても、磁性担体を溶液中でよく攪拌することができるので、該核酸に対する溶液の反応率を良好に確保でき、核酸の精製精度等の向上を図ることができる。このように、磁性担体に対する核酸の吸着率と、核酸に対する溶液の反応率が良好に確保されていると、最終的に生体試料からの核酸の抽出率(収率)が格段に向上する。
磁力により突起群12を跨ぐように、磁性担体を変位移動操作させるだけの簡単な操作を行うだけで、該磁性担体を溶液中によく攪拌させることができるので、例えば超音波振動器等を用いて磁性担体を攪拌させるような形態に比べて、磁性担体の攪拌作業が迅速にしかも簡便に行うことができる利点がある。核酸抽出用デバイスを超音波振動器に送り込むためのロボットアームなどの大掛かりな設備が不要となるため、装置の全体コストの低減化を図ることができる。
チップ本体2が、反応室3となる溝5を有する第1基板1aと、平板状の第2基板1bとを対向状に貼り合わせてなるものとしてあると、全体構造が簡単で部品点数が少なくて済むため、このデバイスを安価に提供できる。デバイスの全体形状のコンパクト化を図ることも容易である。
チップ本体2が、複数個の反応室3と、隣り合う反応室3どうしを連通する流路11とを備えるものとしてあると、チップ本体2の内部で、磁性担体に対する核酸の吸着(結合)から精製に至る一連の抽出作業を、順々に作業効率良く進めることができる。
突起14が第1基板1aに一体的に構成された形態を採ると、部品点数を少なくできるため、デバイスの組み立てをより少ない手間で迅速に行うことができ、したがって、デバイスの製造コストの低減化に寄与できる。
突起14は、図1に示すような円錐状のほか、円柱状、四角錐状、四角柱状などとすることができる。この場合に突起14の高さ寸法は、溝5の深さ寸法の少なくとも半分以上に設定する。突起14の高さ寸法が、溝5の深さ寸法の半分未満であると、該突起14による磁性担体の拡散効率が不良となり、磁性担体が塊状となりやすい。
図1ないし図3に、本発明に係る核酸抽出用デバイスを示す。この核酸抽出用デバイスは、磁性担体を利用して生体材料から核酸を単離(抽出・精製)するためのものであり、二枚の四角平板状の基板1a・1b(第1基板1a・第2基板1b)を不離一体的に対向状に貼り合わせてなる扁平角状のチップ本体2を基体とし、該チップ本体2の内部に核酸抽出用溶液と磁性担体とを反応させるための六個の反応室3を備える。
図1および図3に示すように、第1基板1aの第2基板1bに対する対向壁面である前面には、反応室3を構成する六個の溝5が、左右方向に並列状に凹み形成されている。各溝5は、底面6と側面7とで区画されて、前向きの開口を有する段付き状を呈しており、この開口を塞ぐように第2基板1bが貼り合わされる。図1および図2に示すように、左右両端の反応室3の左右外向きの側面、および各反応室3の下向きの側面には、各種溶液の注入・取出用の連通口9となる微小溝が段付き状に凹み形成されている。各連通口9にはゴム製の密封材10が装着されており、これら密封材10に注射器の針を差し込めば、反応室3に対する試料液の注入・取出作業や試薬の供給作業などを容易に行うことができる。
各反応室3の上部には、隣り合う反応室3どうしを連通する流路11が形成されており、かかる流路11も前向きの開口を有する段付き状の微小溝と、この開口を塞ぐ第2基板1bで構成される。
各反応室3は、その下方寄りに形成された突起群12により、二以上の区分に仕切られている。突起群12は、溝5の底面6から前向きに突設された多数個独立の突起14からなるものであり、核酸抽出用溶液および磁性担体は、突起14どうしの間隙15を通って、上下方向に支障なく移動できる。各突起14は、底面6から前方に行くに従って漸次径寸法が小さくなる円錐状を呈しており、各突起14の高さ寸法は、溝5の深さ寸法と同一寸法に設定にされている。
これら突起14は、溝15の底面6の所定位置に最密状に突設されている。具体的には、突起群12は、左右方向に所定の間隙15を置いて並設された複数個の突起14を単位列として、これら列を上下方向に並設してなる略マトリクス状の突起群として構成されている。なお、図2には、四個又は五個の突起14からなる列が、上下方向に五列並べられた形態を示す。ここでは、上下方向から見て、間隙15と突起14とが交互に位置するように、上下の隣接する単位列を構成する各突起14が、左右方向に位置ずれして配置されている。
以上のような構成からなる核酸抽出用デバイスは、図2に示すごとく、各反応室3が左右方向に並び、これら反応室3を繋ぐ流路11が上端部において位置するような起立姿勢で好適に使用される。なお、各連通口9には、密封材10を予め装着しておく。
次に、このデバイスの使用方法について説明する。まず、左端に位置する反応室3に、生体成分を含む核酸抽出用溶液と、磁性担体を含む拡散溶液とを注入する。このときに注射器を用いれば、密封材10を介しての溶液等の注入作業を容易且つ迅速に進めることができる。核酸抽出用溶液は、少なくとも突起群12の上端以上まで注入することが望ましい。
次に、突起群12を跨ぐように、磁性担体を上下に変位移動させる。より具体的には、例えばマグネットをデバイスの外側面に密着状に配置し、基板1a・1bを介して磁性担体をマグネットに磁性吸着させたうえで、該マグネットを上下方向に所定幅で往復揺動させることにより、磁性担体を突起群12を跨ぐように上下に変位移動させる。このとき、磁性担体の流れ方向は、突起14によって多方向に分散されるため、磁性担体が核酸抽出用溶液中で塊状となることをよく防いで、溶液中で均一に攪拌することができる。より詳しく見てみると、磁性担体は突起14の外周縁に沿うように、蛇行を繰り返しながら間隙15を移動していく。このため、磁性担体が大きな塊状となることはなく、該磁性担体を溶液中に均一に攪拌することができる。このように磁性担体が溶液中によく攪拌されると、該磁性担体に対する核酸の吸着率(結合率)の向上を図ることができるので、最終的な核酸の抽出率(収率)の格段の向上に寄与できる。
反応室3内における核酸抽出用溶液と磁性担体との反応が終了すると、磁性担体を核酸抽出用溶液から引き上げて、流路を介して隣接する反応室3内に移動させる。具体的には、チップ本体2の外側方から、磁性担体が磁性吸着されたマグネット体を基板1a・1bに沿ってコ字状に動かし、これで磁性担体を隣り合う反応室3に移動させる。かかる移動操作に前後して、連通口10から核酸抽出用溶液を反応室3内に送り込む。この反応室3においても、突起群12を跨ぐように、磁性担体を上下に変位移動させて、溶液中における磁性担体の攪拌操作を行う。
以後の反応室3への移動操作および、各反応室3内での攪拌操作は、先と全く同様の手順であるので、ここでは説明を省略する。最後の右端に位置する反応室3における反応操作が終了すると、右側面に位置する連通口9から、目的とする核酸が表面に結合された磁性担体を取り出すことができる。
図4は、この核酸抽出用デバイスを構成する基板1aの製造方法を示す。まず、図4(a)に示すごとく、透明基板20の一方の面(図示例では上面)に、厚膜対応紫外線硬化型のフォトレジスト層21を形成する。次に図4(b)に示すごとく、フォトレジスト層21の無い透明基板20の他方の面(図示例では下面)に、フォトマスク22を貼り付けたのち、光源23から紫外線光を照射して、フォトレジスト層21に対してフォトマスク22を用いたマスキング露光処理を施す(パターニング工程)。露光部分にかかるフォトレジスト層21を変質させたのち、エッチング処理により未露光部分にかかるフォトレジスト層21を溶解除去する。これにて図4(c)に示すごとく、溝5を有する基板1aおよび溝5内の突起群12(図1参照)に相当するパターンレジスト30を透明基板20上に形成することができる。
図4(b)のパターニング工程において使用されるフォトマスク22は、基板および突起群に対応して光を通す透過領域26と、溝部分に対応して光を通さない不透過領域27とで構成されている。図5に示すように、突起群にかかる透過領域26は、各突起に対応する複数個のパターン領域28が、不透過領域27内に島状に配設された形態をとる。各パターン領域28は、その内部で中央部から周縁部に行くに従って、紫外線の透過量が漸減する所謂グラデーションパターンに形成されている。したがって、光源23からフォトマスク22を介してフォトレジスト層21に向けて照射された紫外線光は、パターン領域28の中央部ではフォトレジスト層21の深くまで至り、これの厚み方向の全体まで変質させるのに対し、パターン領域28の周縁部ではフォトレジスト層21の浅い部分のみが紫外線光で変質されることとなる。かくして、このグラデーションパターンを用いて形成されたパターンレジスト30は、図4(c)に示すような上窄まりの円錐状となる。
図4(d)に示すごとく、パターンレジスト30、および該パターンレジスト30から露出する透明基板20を覆うように、スパッタリングによりニッケル薄膜層(金属薄膜層)31を形成したうえで(スパッタリング工程)、図4(e)に示すごとく、ニッケル薄膜層31上に、電解メッキ法により、第1基板に対応する電着ニッケル層(電着金属層)32を形成する(電鋳工程)。これにて、透明基板20上に、両ニッケル層31・32を不離一体的に接合してなる金属構造体33を形成することができる。
金属構造体33を透明基板20から剥離する。このとき、金属構造体33にパターンレジスト30が付着している場合には、これを洗浄除去することが必要である。最後に、図4(f)に示すように、かかる金属構造体33を金型とする射出成型を行う。以上により、盤面上に溝5を有し、かつ溝5内に多数個の突起14を有する第1基板1aを得ることができる。この第1基板1aに対して、図1に示すごとく、完全平板状の樹脂成型品である第2基板2aを対向状に貼り合わせることにより、上述のような核酸抽出用デバイスを得ることができる。
本発明に係る核酸抽出用デバイスの斜視図 核酸抽出用デバイスの正面図 図2のA−A線断面図 核酸抽出用デバイスの製造方法を示す図 フォトマスクの要部の平面図
符号の説明
1a 第1基板
1b 第2基板
2 チップ本体
3 反応室
5 溝
11 流路
12 突起群
14 突起
15 突起の間隙

Claims (5)

  1. チップ本体の内部に、核酸抽出用溶液と磁性担体とを反応させるための反応室を備える核酸抽出用のデバイスであって、
    前記反応室の内部は、該反応室を区画するチップ本体の内壁面に突設された多数個独立の突起からなる突起群で二以上の区分に仕切られており、
    前記磁性担体が前記突起の間隙を通って、前記区分の間を移動し得るように構成されていることを特徴とする核酸抽出用デバイス。
  2. 前記チップ本体は、第1および第2の基板を対向状に貼り合わせてなる扁平状を呈しており、
    前記第1基板の前記第2基板に対する対向壁面には、第2基板側に開口を有する溝が凹み形成されていて、前記溝の開口を塞ぐように前記第2基板が貼り合わされており、
    これら第1および第2基板で区画された前記溝の内部空隙が前記反応室とされていて、前記溝の底面の所定位置に、前記突起群が設けられている請求項1記載の核酸抽出用デバイス。
  3. 前記チップ本体が、複数個の反応室と、隣り合う反応室どうしを連通する流路とを備える請求項1又は2記載の核酸抽出用デバイス。
  4. 前記溝を有する第1基板と、前記突起とが一体的に構成されている請求項1又は2又は3記載の核酸抽出用デバイス。
  5. 前記突起は、円錐状、円柱状、四角錐状、四角柱状のいずれかの形状を呈しており、
    前記突起の高さ寸法が、前記溝の深さ寸法の少なくとも半分以上に設定されている請求項1又は2又は3又は4記載の核酸抽出用デバイス。
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