JP2005322489A - エレクトロルミネッセンス素子とエレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 発光効率の向上および外光反射防止がはかれ、そのうえモアレ縞などがなく、視認性にすぐれた有機EL素子を提供する。
【解決手段】 発光層3からの光を取り出す光取り出し面側に位置する透明電極4の外側に円偏光フィルタ2を設け、光取り出し面側に位置する透明電極4と円偏光フィルタ2との間に偏光状態維持可能で光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域3を配置するとともに、上記領域3を経た光が円偏光フィルタ2を通過するまでの間に実質的に偏光状態維持可能な光拡散層7を設けて、有機EL素子を構成する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶表示装置などのバックライト光源などに使用される、エレクトロルミネッセンス(以下、ELという)素子、とくに有機EL素子に関し、またこの素子を備えたEL表示装置に関するものである。
電極間に発光層を設け、電気的に発光を得るEL素子は、ディスプレイ表示装置としての利用はもちろん、平面型照明、光ファイバー用光源、液晶ディスプレイ用バックライト、液晶プロジェクタ用バックライトなどの各種の光源としても、盛んに研究開発が進んでいる。とくに、有機EL素子は、発光効率、低電圧駆動、軽量、低コストという点で、すぐれており、近年、非常に注目を浴びている。
しかしながら、有機EL素子のように発光層自体から発光を取り出す固体内発光素子では、発光層の屈折率と出射媒質との屈折率により決まる臨界角以上の発光光は全反射して内部に閉じ込められ、導波光として失われる。
古典論的な屈折の法則(スネルの法則)による計算では、発光層の屈折率をnとすると、発生した光が外部に取り出される光取り出し効率ηはη=1/2n2 で近似される。仮に発光層の屈折率が1.7である場合、η=17%程度となり、80%以上の光は導波光として素子側面方向の損失光として失われていることになる。
古典論的な屈折の法則(スネルの法則)による計算では、発光層の屈折率をnとすると、発生した光が外部に取り出される光取り出し効率ηはη=1/2n2 で近似される。仮に発光層の屈折率が1.7である場合、η=17%程度となり、80%以上の光は導波光として素子側面方向の損失光として失われていることになる。
導波光を外部に取り出すためには、発光層と出射面との間に、光の反射・伝送角を乱れさせる領域を形成して、スネルの法則を崩し、本来導波光として全反射される光の伝送角を変化させてやる必要がある。このような反射・伝送角を乱れさせる領域をEL素子に具備させることで、取り出し効率を向上させる方法は多数提案されている。
たとえば、基板表面に凹凸構造を設けたもの(特許文献1参照)、基板の光取り出し側をレンズ構造としたもの(特許文献2参照)、EL素子自体に立体構造や傾斜面を形成したもの(特許文献3参照)、EL素子内に回折格子を形成したもの(特許文献4参照)などが、開示されている。その他にも、基板の形状を物理的に変化させて、素子内部に閉じ込められた導波光を取り出すという試みは多くなされている。
たとえば、基板表面に凹凸構造を設けたもの(特許文献1参照)、基板の光取り出し側をレンズ構造としたもの(特許文献2参照)、EL素子自体に立体構造や傾斜面を形成したもの(特許文献3参照)、EL素子内に回折格子を形成したもの(特許文献4参照)などが、開示されている。その他にも、基板の形状を物理的に変化させて、素子内部に閉じ込められた導波光を取り出すという試みは多くなされている。
前述したように、古典論的な計算では有機EL素子の取り出し効率は17%程度であり、80%以上の導波光は素子内部に閉じ込められていると述べたが、ナノメートル程度の薄膜層からなる有機EL素子では、光の干渉効果やマイクロキャビティー効果などにより、現象はさらに複雑である。
たとえば、M.H.Luらの報告(J.Appl.Phys.,Vol.91,No.2,p.595,2002)では、マイクロキャビティー効果により発光分布は古典論から大きく変化し、実際の取り出し効率はほぼ50%に達成しているとされている。すなわち、導波光成分は全体の50%となり、これを取り出すことによる輝度向上効果の最大値は2倍ということになる。
たとえば、M.H.Luらの報告(J.Appl.Phys.,Vol.91,No.2,p.595,2002)では、マイクロキャビティー効果により発光分布は古典論から大きく変化し、実際の取り出し効率はほぼ50%に達成しているとされている。すなわち、導波光成分は全体の50%となり、これを取り出すことによる輝度向上効果の最大値は2倍ということになる。
たとえば、S.メーラーらの報告(J.Appl.Phys.,Vol.91,No.5,p.3324,2002)では、コンピューターシミュレーションを駆使してマイクロレンズの構造を決定し、それを実際に作製して、有機EL素子のガラス基板上に形成した際の輝度向上度は約1.5倍と報告されている。また、別の例として、Soneらの報告(IDW’03,p1297)でも、同様にレンズ構造を設計して、それを有機EL素子のガラス基板上に形成した場合の光量の増加は1.4倍であり、古典論から予測される輝度向上度よりも、かなり小さいことが報告されている。
このように、実際の有機EL素子では、古典論から推測されるほど、導波光の取り出しによる輝度向上効果は大きくならないが、それでも、これらの努力により、有機EL素子内に閉じ込められた導波光は、ある程度取り出すことができる。
一方、このような導波光を取り出す目的とは別に、有機EL素子の陰極電極としてもっぱら用いられる鏡面性電極が鏡面として視認され、美観やデザイン性が低下するという問題が指摘されている(特許文献5,6参照)。
一方、このような導波光を取り出す目的とは別に、有機EL素子の陰極電極としてもっぱら用いられる鏡面性電極が鏡面として視認され、美観やデザイン性が低下するという問題が指摘されている(特許文献5,6参照)。
これを解決するため、物理的な凹凸面などを設けて、光を散乱させ、金属光沢を防止する技術が提案されている。この方法は、物理的な凹凸面の特性、形成する部位によって、導波光を取り出す効果もあり、有機EL素子の高効率化にも有効である。この方法により鏡面反射は防止されるため、照明用途などにおいては美観を改善することができる。しかしながら、ディスプレイ用途に適用する場合は、物理的な凹凸面による散乱光が、ディスプレイとしてのコントラスト、とくに明室コントラストを著しく低下させてしまうため、ディスプレイヘの適用は不向きであるという問題がある。
別の方法として、鏡面性電極での鏡面反射を直接防止するため、有機EL素子に円偏光フィルタを設置する提案もなされている(特許文献7〜9参照)。
金属面などの鏡面反射を防止するため、円偏光フィルタを用いる方法は、有橡EL素子において初めて提案されたものではなく、古くから知られている。たとえば、吸収型の直線偏光板と位相差板を組み合わせた円偏光フィルタをテレビジョン画面の表面に取り付けると、外光反射が抑制され、視認性が向上することが、既に紹介されている(非特許文献1参照)。また、円偏光フィルタは反射型液晶表示装置にも幅広く応用されている。
金属面などの鏡面反射を防止するため、円偏光フィルタを用いる方法は、有橡EL素子において初めて提案されたものではなく、古くから知られている。たとえば、吸収型の直線偏光板と位相差板を組み合わせた円偏光フィルタをテレビジョン画面の表面に取り付けると、外光反射が抑制され、視認性が向上することが、既に紹介されている(非特許文献1参照)。また、円偏光フィルタは反射型液晶表示装置にも幅広く応用されている。
しかしながら、円偏光フィルタを用いると、有機EL素子からの発光光の少なくとも半分以上が、円偏光フィルタを構成する吸収型偏光子により吸収され、結果として発光効率が半減してしまうという問題がある。また、導波光を取り出すために、むやみに有機EL素子に凹凸構造などの光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域を形成すると、円偏光フィルタを通過する円偏光光が、後方散乱や多重散乱の影響でその偏光状態が崩れ、自然光となってしまうため、円偏光フィルタの効果が発揮できなくなってしまう。
また、光の反射・伝送角に乱れを生じさせる構造のサイズが、回折格子やマイクロレンズなどのように、光の波長程度〜10μm程度である場合、コンパクトディスクに見られるように、光の干渉に起因した虹ムラが発生する場合が少なくない。この虹ムラもディスプレイとする場合は、視認性を大きく低下させる原因となる。
また、光の反射・伝送角に乱れを生じさせる構造のサイズが、回折格子やマイクロレンズなどのように、光の波長程度〜10μm程度である場合、コンパクトディスクに見られるように、光の干渉に起因した虹ムラが発生する場合が少なくない。この虹ムラもディスプレイとする場合は、視認性を大きく低下させる原因となる。
以上説明したように、有機EL素子の導波光を取り出し、発光効率を高めるには、物理的な凹凸面を設けることである程度可能であり、照明用途などに関しては十分改良が可能である。また、反射性電極からの外光反射を防止するには、円偏光フィルタを用いれば、それらをほぼ完全に解決することができる。
しかしながら、反射性電極からの反射を円偏光フィルタで防止し、かつ導波光を取り出して、有機EL素子の発光効率を改善するという2つの課題を同時に解決できるような提案はなされておらず、かつモアレ縞や干渉縞などによる僅かな視認性の低下までも解決できるような提案はなされていないのが現状である。
しかしながら、反射性電極からの反射を円偏光フィルタで防止し、かつ導波光を取り出して、有機EL素子の発光効率を改善するという2つの課題を同時に解決できるような提案はなされておらず、かつモアレ縞や干渉縞などによる僅かな視認性の低下までも解決できるような提案はなされていないのが現状である。
本発明は、このような事情に照らし、素子内部に閉じ込められた導波光を取り出し、発光効率を改善すると同時に、円偏光フィルタによる外光反射防止機能をも両立でき、またモアレ縞や干渉縞などによる視認性の低下が防止され、視認性と発光効率にすぐれるEL素子とこの素子を備えたEL表示装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、光取り出し面側に位置する電極と円偏光フィルタとの間に配されて、偏光状態維持可能な光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域と、偏光状態維持可能な光拡散層とを組み合わせ使用することにより、良好な結果が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、支持基坂上に発光層を陰極と陽極との両電極間に挟持して設けたEL素子において、発光層からの光を取り出す光取り出し面側に位置する電極の外側に円偏光フィルタを設けるとともに、光取り出し面側に位置する電極と円偏光フィルタとの間に実質的に偏光状態維持可能な光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域を配置し、さらに光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域を経た光が円偏光フィルタを通過するまでの間に実質的に偏光状態維持可能な光拡散層を設けたことを特徴とするEL素子に係るものであり、とくに、上記の光拡散層が、透孔性樹脂中にそれとは屈折率の異なる拡散粒子を分散分布して構成されている、また円偏光フィルタを構成している偏光板と位相差板とを貼着するための粘着剤層で構成されている、さらには円偏光フィルタを貼着するための粘着剤層で構成されている上記構成のEL素子に係るものである。
また、本発明は、上記の光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域が、レプリカ法により作成された物理的凹凸面である上記構成のEL素子を提供できるものである。さらに、本発明は、上記各構成のEL素子を備えていることを特徴とするEL表示装置を提供することができるものである。
また、本発明は、上記の光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域が、レプリカ法により作成された物理的凹凸面である上記構成のEL素子を提供できるものである。さらに、本発明は、上記各構成のEL素子を備えていることを特徴とするEL表示装置を提供することができるものである。
このように、本発明のEL素子によれば、発光層からの光の反射・屈折角に乱れを生じさせる領域により、素子内部に閉じ込まれた導波光を効率良く取り出すことができ、かつ円偏光フィルタにより外光反射を防止でき、そのうえ前記乱れを生じさせる領域によって発生してしまうモアレ縞や干渉縞を光拡散層にて効果的に消失させることが可能となり、光の取り出し効率と視認性との双方の向上をはかることができる。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて、説明する。図1は、本発明の実施形態に係る有機EL素子を備えた有機EL表示装置を示す概略構成図である。
図1において、この有機EL表示装置Aは、ガラス基板からなる支持基板1と、ガラス基板1の入光面側に設けられた有機EL素子10と、ガラス基板1の出射面側に配置された円偏光フィルタ2と、ガラス基板1における入光面側と有機EL素子10との間に設けられて、偏光状態を維持する凹凸状の領域3とを備えており、円偏光フィルタ2に対面して、表示セルの一例としての液晶セル100が配備されている。
図1において、この有機EL表示装置Aは、ガラス基板からなる支持基板1と、ガラス基板1の入光面側に設けられた有機EL素子10と、ガラス基板1の出射面側に配置された円偏光フィルタ2と、ガラス基板1における入光面側と有機EL素子10との間に設けられて、偏光状態を維持する凹凸状の領域3とを備えており、円偏光フィルタ2に対面して、表示セルの一例としての液晶セル100が配備されている。
有機EL素子10は、支持基板1の入光面側に接合された陽極としての透明電極4と、この透明電極4に対向配設された陰極としての反射性電極(金属電極)6と、これら電極4,6間に設けられた発光層5とを備えている。発光層5は、図示しない電子輸送発光層や正孔輸送層などからなるが、発光主体の層が少なくとも1層あればよい。透明電極4は周知のITO層から構成されている。透明電極4と反射性電極6との間に直流電源Eの所定電圧を印加すると、有機EL素子10が駆動される。
また、上記凹凸状の領域3を経た光が円偏光フィルタ2を通過するまでの問、たとえば図1に示されるように、支持基板1の他側面と円偏光フィルタ2との間に、偏光状態維持可能な光拡散層7が設けられている。
また、上記凹凸状の領域3を経た光が円偏光フィルタ2を通過するまでの問、たとえば図1に示されるように、支持基板1の他側面と円偏光フィルタ2との間に、偏光状態維持可能な光拡散層7が設けられている。
上記構成の有機EL表示装置においては、発光層5からの光は、凹凸状の領域3により光の反射・屈折角に乱が生じ、これにより発光光の伝送角が変化する。このため、空気界面で全反射する光が減り、有機EL素子10の導波光が効率良く取り出される結果、発光効率が改善されることになる。
また、偏光状態維持可能な光拡散層7は、偏光状態を維持するため、拡散力を比較的小さく抑えてあるため、有機EL素子の導波光取り出し効果はほとんど持たない。ただし、凹凸状の領域3を通過した際、それに起因して発生する発光光の微妙な干渉縞、虹ムラはこの光拡散層7を通過することより解消される。
その後、発光光は、円偏光フィルタ2を通過して外部に出射する。その際、半分以上の発光光は上記フィルタ2で吸収されるが、凹凸状の領域3で取り出された導波光成分だけ発光効率自体が向上しているため、その影響を最小限に抑えられる。
また、偏光状態維持可能な光拡散層7は、偏光状態を維持するため、拡散力を比較的小さく抑えてあるため、有機EL素子の導波光取り出し効果はほとんど持たない。ただし、凹凸状の領域3を通過した際、それに起因して発生する発光光の微妙な干渉縞、虹ムラはこの光拡散層7を通過することより解消される。
その後、発光光は、円偏光フィルタ2を通過して外部に出射する。その際、半分以上の発光光は上記フィルタ2で吸収されるが、凹凸状の領域3で取り出された導波光成分だけ発光効率自体が向上しているため、その影響を最小限に抑えられる。
一方、有機EL素子に入射する外光は、まず円偏光フィルタ2でその半分が吸収され、たとえば、右円偏光光が素子内部に入射する。この右円偏光光は、光拡散層7、凹凸状の領域3を通過するが、その偏光状態は維持したままである。
この右円偏光光が反射性電極6で反射されると、位相が180度反転することにより、左円偏光光として再び凹凸状の領域3および光拡散層7を通過し、最終的に円偏光フィルタ2で吸収され、外光反射が完全に防止される。
この際、仮に偏光状態維持可能な光拡散層7がなくとも、外光反射を防止可能である。しかし、円偏光フィルタ2を設置しても、外光が凹凸状の領域3により微妙に干渉し合う結果、モアレ縞や干渉縞、虹ムラがどうしても発生してしまう。これら虹ムラは、実際の反射率測定などでは測定しがたいほど光量変化が小さいものであるが、人間の目で見ると明らかに有機EL表示装置の視認性を損なうものである。
この右円偏光光が反射性電極6で反射されると、位相が180度反転することにより、左円偏光光として再び凹凸状の領域3および光拡散層7を通過し、最終的に円偏光フィルタ2で吸収され、外光反射が完全に防止される。
この際、仮に偏光状態維持可能な光拡散層7がなくとも、外光反射を防止可能である。しかし、円偏光フィルタ2を設置しても、外光が凹凸状の領域3により微妙に干渉し合う結果、モアレ縞や干渉縞、虹ムラがどうしても発生してしまう。これら虹ムラは、実際の反射率測定などでは測定しがたいほど光量変化が小さいものであるが、人間の目で見ると明らかに有機EL表示装置の視認性を損なうものである。
偏光特性維持可能な反射・伝送角に乱れを生じさせる領域3には、とくに限定要件はなく、光の伝送角を変化させられるような構造であれば、どのようなものでも適用できる。物理的な凹凸面の構造は、全く限定されず、たとえば三角錐や四角錐などのピラミッド構造、半球状のマイクロレンズ構造、矩形構造、ロツド状の構造など、光の伝送角を乱すことができる構造であれば、どのようなものも適用できる。
また、凹凸状の領域3の形成方法についても限定なく、既存の方法を用いることができる。たとえば、材料の表面を直接レーザー加工してもよいし、凹凸構造が形成された金型を用い、レプリカ法によりそれらを転写するなどしてもよい。また、高速レーザー光照射により、周期的な屈折率変調構造を形成するなどの方法も適応できる。ただし、製造コストの面から、レプリカ法が最も好適に利用できる。
また、凹凸状の領域3の形成方法についても限定なく、既存の方法を用いることができる。たとえば、材料の表面を直接レーザー加工してもよいし、凹凸構造が形成された金型を用い、レプリカ法によりそれらを転写するなどしてもよい。また、高速レーザー光照射により、周期的な屈折率変調構造を形成するなどの方法も適応できる。ただし、製造コストの面から、レプリカ法が最も好適に利用できる。
ここで、肝要なのは、光の反射・伝送角に乱れを生じさせる凹凸状の領域3を、実質的に偏光特性維持可能な範囲で形成することにある。したがって、たとえば、凹凸構造を極端にアスペクト比の大きいものにしたり、界面の屈折率差をあまり大きくしすぎたりすると、本発明の効果は発揮できなくなってしまう。
また、この凹凸状の領域3について、物理的な凹凸面の形状、サイズによっては、光干渉に起因した虹ムラが発生することがある。これは、コンパクトディスクなどが虹色に見えるのと同じ現象である。この虹ムラは、円偏光フィルタ2を設置しても消すことはできないもので、当然、ディスプレイ表示装置としての視認性を著しく低下させる。
また、この凹凸状の領域3について、物理的な凹凸面の形状、サイズによっては、光干渉に起因した虹ムラが発生することがある。これは、コンパクトディスクなどが虹色に見えるのと同じ現象である。この虹ムラは、円偏光フィルタ2を設置しても消すことはできないもので、当然、ディスプレイ表示装置としての視認性を著しく低下させる。
本発明では、このような虹ムラらを消す方法として、偏光状態維持可能な光拡散層7を設けてある。光拡散層7は、透光性樹脂中にそれとは異なる屈折率を有する拡散粒子を分散分布させることにより、作製される。ここで、重要なことは、透光性樹脂と拡散粒子の屈折率差、拡散粒子の添加量とその粒子系、さらに光拡散層7の厚さである。
光拡散層7は、反射型液晶表示装置のフロントディフューザーとして既に実用化されており、この技術をそのまま適用できる。技術的な詳細は、たとえば、Miyatakeらの報告(IDW’99、403ページ)に記載されている。
光拡散層7は、反射型液晶表示装置のフロントディフューザーとして既に実用化されており、この技術をそのまま適用できる。技術的な詳細は、たとえば、Miyatakeらの報告(IDW’99、403ページ)に記載されている。
光拡散層7を形成する位置は、円偏光フィルタ2から光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域3までの間であれば、本発明の効果はいかんなく発揮できる。円偏光フィルタ2を基板1に貼り合わせる際に用いられる粘着剤層に光拡散層3の機能を持たせてもよい。さらに、図2に示すように、円偏光フィルタ2を構成する偏光板21と位相差板22とを貼り合わせる際の粘着剤層に光拡散層7の機能を持たせてもよい。
有機EL素子に用いられる有機材料、電極材料、層構成や各層の膜厚などに関しては、とくに限定はなく、従来技術をそのまま適用することができる。有機層については、低分子系の材料を真空蒸着して形成してもよいし、高分子系の材料を塗布法などにより形成してもよく、とくに制限されるものてはない。
円偏光フィルタ2は、前記の図2に示すように、一般に、吸収型偏光板21と1/4波長位相差板22とにより構成されている。
吸収型偏光板21としては、適宜の偏光板を使用でき、とくに限定はない。一般には、ポリビニルアルコ−ルのような親水性高分子からなるフィルムをヨウ素の如き二色性染料で処理して廷伸したものや、ポリ塩化ビニルのようなプラスチックフィルムを処理してポリエンを配向させたものなどからなる偏光フィルム、あるいはその偏光フィルムを封止フィルムでカバーして保護したものなどが用いられる。
また、1/4波長位相差板22としては、一層の複屈折フィルムで形成されていてもよいが、位相差の波長依存性を小さくし、可視光領域にわたって1/4波長板として機能させるため、複数の複屈折フィルムを積層して形成するのが好ましい。たとえば、単色光に対して1/2波長の位相差を与える複屈折フィルムと、1/4の位相差を与える複屈折フィルムとを、それらの光軸を1/4波長板となるよう所定の角度で交差させて積層することにより、位相差の波長依存性を低減することができる。
吸収型偏光板21としては、適宜の偏光板を使用でき、とくに限定はない。一般には、ポリビニルアルコ−ルのような親水性高分子からなるフィルムをヨウ素の如き二色性染料で処理して廷伸したものや、ポリ塩化ビニルのようなプラスチックフィルムを処理してポリエンを配向させたものなどからなる偏光フィルム、あるいはその偏光フィルムを封止フィルムでカバーして保護したものなどが用いられる。
また、1/4波長位相差板22としては、一層の複屈折フィルムで形成されていてもよいが、位相差の波長依存性を小さくし、可視光領域にわたって1/4波長板として機能させるため、複数の複屈折フィルムを積層して形成するのが好ましい。たとえば、単色光に対して1/2波長の位相差を与える複屈折フィルムと、1/4の位相差を与える複屈折フィルムとを、それらの光軸を1/4波長板となるよう所定の角度で交差させて積層することにより、位相差の波長依存性を低減することができる。
ここで、重要なことは、1/4波長位相差板22において、面内の最大屈折率、それに直交する方向の屈折率および厚さ方向の屈折率を、それぞれ、nx、ny、nzとしたとき、ny<nzなる関係を持たせることにある。複数の複屈折フィルムを積層させる場合、少なくとも1つの層が上記関係を持つことにより、ある程度本発明の効果が得られるが、すべての複屈折フィルムが上記関係を持つことが好ましい。
複屈折フィルムに延伸フィルムを用いた場合、0<(nx−nz)/(nx−ny)<1を満足するのが好ましく、さらには0.3<(nx−nz)/(nx−ny)<0.7を満足するのが、1/4波長位相差板22の角度補正の面から好ましい。
具体的な材料には、とくに限定はなく、高分子フィルムを1軸または2軸などの方式で廷伸処理する方法などにより、得ることができる。また、これら廷伸フィルムの厚さ方向の屈折率を制御するには、熱収縮性フィルムの接着下で高分子フィルムを廷伸処理するなどの方法にて行うことができるが、とくに限定されない。
複屈折フィルムに延伸フィルムを用いた場合、0<(nx−nz)/(nx−ny)<1を満足するのが好ましく、さらには0.3<(nx−nz)/(nx−ny)<0.7を満足するのが、1/4波長位相差板22の角度補正の面から好ましい。
具体的な材料には、とくに限定はなく、高分子フィルムを1軸または2軸などの方式で廷伸処理する方法などにより、得ることができる。また、これら廷伸フィルムの厚さ方向の屈折率を制御するには、熱収縮性フィルムの接着下で高分子フィルムを廷伸処理するなどの方法にて行うことができるが、とくに限定されない。
各複屈折フィルムの接着や吸収型偏光板21との複合比は、光学的異方性のないアクリル系透明粘着剤(接着剤)を用いて行うことができる。1/4波長位相差板は、3枚以上の複屈折フィルムを用いてもよいが、低コスト性の点より、2枚が適当である。
具体的な材料としては、透明性にすぐれ、延伸処理が可能なものであれば、いずれも、好適に用いることができる。たとえば、ポリカーボネート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクルート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリアミド系高分子などが、好ましく用いられる。
具体的な材料としては、透明性にすぐれ、延伸処理が可能なものであれば、いずれも、好適に用いることができる。たとえば、ポリカーボネート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテルスルホン系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクルート系高分子、ポリアリレート系高分子、ポリアミド系高分子などが、好ましく用いられる。
また、1/4波長位相差板22は、nx=ny<nzを満足する位相差板と、nx>ny=nzを満足する位相差板を積層しても得ることができる。たとえば、厚さ方向の屈折率が制御されていない通常の延伸フィルム(nx>ny=nz)と、液晶分子が垂直配向(nx=ny<nz)したフィルムとを複合しても、形成することができる。もちろん、液晶分子が水平配向したフィルムと垂直配向したフィルムとを複合して、1/4波長位相差板22を構成してもよく、とくに限定されるものではない。
ホメオトロピック配向液晶層となる材料には、たとえば化学総説44(「表面の改質」、日本化学会編、156〜163頁)に記載されているような、垂直配向剤によりホメオトロピック配向させられる一般的なネマチック液晶化合物が用いられうる。このようなホメオトロピック配向膜は、光学軸がz軸(厚み)方向にあり、しかも面内方向の主屈折率nxおよびnyがほぼ同一である、nx=ny<nzを満足するフィルムであり、本発明に好適に用いることができる。具体的な作製方法の一つは、特願2001−136848号明細書に詳細に記されているが、その方法や材料に関して、とくに制限はない。
本発明のEL素子において、円偏光フィルタ2と反射性電極6との間の光学部材は、すべて光学的に等方的な、光学異方性を持たない材料で構成される。光学的異方性があると、そのリターデーションにより、円偏光状態が楕円偏光に変化し、外光反射防止機能が発揮できなくなるからである。
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。たたし、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。たたし、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
1辺が10μm、高さが3μmの四角錐の微小ピラミッド構造が隙間なく形成されたニッケル製金型(表面剥離処理済み)を準備した。これに紫外線硬化型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製の「XNR5506」)をキャストし、高圧水銀ランプにより、紫外線硬化した。この樹脂層の厚さは200μm、屈折率は1.54であった。この樹脂層を金型から剥離し、その表面に、ポリエーテルスルホン樹脂のN−メチル−2−ピロリドン20重量%溶液をキャストし、乾燥後の膜厚が20μmとなるように塗布した。ポリエーテルスルホン樹脂層の屈折率は1.65であった。
このように作製した紫外線硬化エポキシ樹脂層とポリエーテルスルホン樹脂層とからなり、両層の界面に微小ピラミッド構造が転写形成された薄層基板を使用し、これをガラス基板に貼り合わせた。この支持基板の上記ポリエーテルスルホン樹脂層の表面に、ITOセラミックターゲット(In2 O3 :SnO2 =90重量%:10重量%)から、DCスパッタリング法にて厚さ100nmのITOを透明電極として成膜した。
その後、フォトリソ工程により、発光面積が5mm×5mmとなるように、ITOをエッチングした。低圧紫外線ランプを用いて、15分間オゾン洗浄したのち、サンプルを真空蒸着装置にセットし、真空蒸着法により、下記のように有機薄膜層を順次形成した。
その後、フォトリソ工程により、発光面積が5mm×5mmとなるように、ITOをエッチングした。低圧紫外線ランプを用いて、15分間オゾン洗浄したのち、サンプルを真空蒸着装置にセットし、真空蒸着法により、下記のように有機薄膜層を順次形成した。
まず、正孔注入層として、下記の式(1)で表されるCuPcを、蒸着速度0.3nm/sで15nmの厚さに形成した。つぎに、正孔輸送層として、かきの式(2)で表されるα−NPDを、蒸着速度0.3nm/sで50nmの厚さに形成した。最後に、電子輸送性発光層として、下記の式(3)で表されるAlqを、蒸着速度0.3nm/sで80nmの厚さに形成した。
その後、LiFを0 .2nm/sの蒸着速度にて1nmの厚さに形成し、最後に、Alを150nmの厚さに形成して、陰極電極とした。真空蒸着装置から取り出したのち、陰極電極側に紫外線硬化性エポキシ樹脂を滴下し、その上にスライドガラスを被せ、十分にエポキシ樹脂が広がった時点で、高圧紫外線ランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させて、素子を封止した。
その後、LiFを0 .2nm/sの蒸着速度にて1nmの厚さに形成し、最後に、Alを150nmの厚さに形成して、陰極電極とした。真空蒸着装置から取り出したのち、陰極電極側に紫外線硬化性エポキシ樹脂を滴下し、その上にスライドガラスを被せ、十分にエポキシ樹脂が広がった時点で、高圧紫外線ランプを用いてエポキシ樹脂を硬化させて、素子を封止した。
つぎに、屈折率1.59、厚さ50μmのポリカーボネートフィルムを熱収縮性フィルムの接着下にて150℃で5%延伸処理し、波長550nmの光に対して1/2波長の位相差を与える1/2波長板を得た。
また、屈折率1.51、厚さ100μmの環状ポリオレフィンフィルム(JSR社製の「ARTON」、以下同じ)を熱収縮性フィルムの接着下にて175℃で25%廷伸処理し、波長550nmの光に対して1/4波長の位相差を与える1/4波長板を得た。
上記の1/2波長板と上記の1/4波長板とを、それらの廷伸軸を交差させてアクリル系粘着剤を介して積層して、1/4波長板を作製したのち、その1/2波長板側と反射防止膜付き偏光板(日東電工社製の「NPF、ARSタイプ」)を、上記同様にアクリル系粘着剤を介して積層して、円偏光フィルタを作製した。
また、屈折率1.51、厚さ100μmの環状ポリオレフィンフィルム(JSR社製の「ARTON」、以下同じ)を熱収縮性フィルムの接着下にて175℃で25%廷伸処理し、波長550nmの光に対して1/4波長の位相差を与える1/4波長板を得た。
上記の1/2波長板と上記の1/4波長板とを、それらの廷伸軸を交差させてアクリル系粘着剤を介して積層して、1/4波長板を作製したのち、その1/2波長板側と反射防止膜付き偏光板(日東電工社製の「NPF、ARSタイプ」)を、上記同様にアクリル系粘着剤を介して積層して、円偏光フィルタを作製した。
この円偏光フィルタを、光拡散層として、全光線透過率が92%、平行光線透過率が43%、拡散光透過率が49%、ヘイズ値が54%の偏光維持特性を有する光拡散粘着剤(日東電工社製の「フロントディフューザ」)を介して、前記サンプルの電極および発光層形成面とは反対側のガラス基板上に貼り合わせ、有機EL表示素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は9.7cd/m2 であった。また、電圧をオフにし、蛍光灯による室内照明下で観察したところ、外光反射はほぼ完全に防止され、有機EL素子の金属電極やITO電極などによる外光反射は見られず、黒味を呈したサンプルが得られた。また、干渉縞などの虹ムラも全く観察されなかった。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は9.7cd/m2 であった。また、電圧をオフにし、蛍光灯による室内照明下で観察したところ、外光反射はほぼ完全に防止され、有機EL素子の金属電極やITO電極などによる外光反射は見られず、黒味を呈したサンプルが得られた。また、干渉縞などの虹ムラも全く観察されなかった。
一辺が5μm、高さが2μmの微小ピラミッド構造が形成された金型を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は10.3cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、実施例1と同様に、虹ムラのない外光反射が防止された黒味を呈したものであった。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は10.3cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、実施例1と同様に、虹ムラのない外光反射が防止された黒味を呈したものであった。
比較例1
厚さが0.6mm、屈折率が1.52のガラス基板に対し、ITOを直接成膜するようにした以外は、実施例1と同様にして、微小ピラミッド構造が形成されていない通常の有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は7.7cd/m2 となり、実施例1に比べて、低下した。蛍光灯による室内照明下での外観は、実施例1と同様に、虹ムラのない外光反射が防止されたものであり、黒味はさらに引き締まった完全な反射防止が実現されたものであった。
厚さが0.6mm、屈折率が1.52のガラス基板に対し、ITOを直接成膜するようにした以外は、実施例1と同様にして、微小ピラミッド構造が形成されていない通常の有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は7.7cd/m2 となり、実施例1に比べて、低下した。蛍光灯による室内照明下での外観は、実施例1と同様に、虹ムラのない外光反射が防止されたものであり、黒味はさらに引き締まった完全な反射防止が実現されたものであった。
比較例2
円偏光フィルタを貼り合わせるための光拡散粘着剤に代えて、通常のアクリル系透明粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は9.8cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、黒味に関しては、実施例1と同様に外光反射が防止され、引き締まったものであったが、微小ピラミッド構造による干渉縞が見られた。
円偏光フィルタを貼り合わせるための光拡散粘着剤に代えて、通常のアクリル系透明粘着剤を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は9.8cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、黒味に関しては、実施例1と同様に外光反射が防止され、引き締まったものであったが、微小ピラミッド構造による干渉縞が見られた。
比較例3
円偏光フィルタを貼り合わせるための光拡散粘着剤を5枚重ねた状態で使用した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は9.3cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、5枚重ね合わせた拡散粘着剤層の光拡散による偏光解消が原因で、黒味は明らかに低下し、円偏光フィルタの効果が相殺されたものとなった。
円偏光フィルタを貼り合わせるための光拡散粘着剤を5枚重ねた状態で使用した以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は9.3cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、5枚重ね合わせた拡散粘着剤層の光拡散による偏光解消が原因で、黒味は明らかに低下し、円偏光フィルタの効果が相殺されたものとなった。
比較例4
一辺が2μm、高さが2.5μmの角柱構造が2μmおきに形成された金型を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は11.2cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、形成した凹凸構造による偏光解消が原因で、黒味は明らかに低下し、円偏光フィルタの効果が相殺されたものとなったばかりか、僅かに虹ムラもみられた。
一辺が2μm、高さが2.5μmの角柱構造が2μmおきに形成された金型を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機EL素子を作製した。
この有機EL素子に対し、6Vの直流電圧を印加したところ、発光が観測された。その正面輝度は11.2cd/m2 であった。また、蛍光灯による室内照明下での外観は、形成した凹凸構造による偏光解消が原因で、黒味は明らかに低下し、円偏光フィルタの効果が相殺されたものとなったばかりか、僅かに虹ムラもみられた。
1 支持基板(ガラス基板)
2 円偏光フィルタ
3 光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域(凹凸構造)
4 透明電極(陽極)
5 発光層(有機層)
6 反射性電極(陰極)
7 光拡散層(光拡散粘着剤)
10 有機EL素子
A 有機EL表示装置
21 吸収型偏光板
22 1/4波長位相差板
2 円偏光フィルタ
3 光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域(凹凸構造)
4 透明電極(陽極)
5 発光層(有機層)
6 反射性電極(陰極)
7 光拡散層(光拡散粘着剤)
10 有機EL素子
A 有機EL表示装置
21 吸収型偏光板
22 1/4波長位相差板
Claims (6)
- 支持基坂上に発光層を陰極と陽極との両電極間に挟持して設けたエレクトロルミネッセンス素子において、発光層からの光を取り出す光取り出し面側に位置する電極の外側に円偏光フィルタを設けるとともに、光取り出し面側に位置する電極と円偏光フィルタとの間に実質的に偏光状態維持可能な光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域を配置し、さらに光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域を経た光が円偏光フィルタを通過するまでの間に実質的に偏光状態維持可能な光拡散層を設けたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
- 光拡散層は、透孔性樹脂中にそれとは屈折率の異なる拡散粒子を分散分布して構成されている請求項1に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 光拡散層は、円偏光フィルタを構成している偏光板と位相差板とを貼着するための粘着剤層で構成されている請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 光拡散層は、円偏光フィルタを貼着するための粘着剤層で構成されている請求項2に記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 光の反射・伝送角に乱れを生じさせる領域は、レプリカ法により作成された物理的凹凸面である請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトロルミネッセンス素子を備えていることを特徴とするエレクトロルミネッセンス表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004138837A JP2005322489A (ja) | 2004-05-07 | 2004-05-07 | エレクトロルミネッセンス素子とエレクトロルミネッセンス表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004138837A JP2005322489A (ja) | 2004-05-07 | 2004-05-07 | エレクトロルミネッセンス素子とエレクトロルミネッセンス表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005322489A true JP2005322489A (ja) | 2005-11-17 |
Family
ID=35469600
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004138837A Pending JP2005322489A (ja) | 2004-05-07 | 2004-05-07 | エレクトロルミネッセンス素子とエレクトロルミネッセンス表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005322489A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2011101276A1 (en) | 2010-02-18 | 2011-08-25 | Höganäs Ab | Ferromagnetic powder composition and method for its production |
JP2013134907A (ja) * | 2011-12-27 | 2013-07-08 | Nippon Zeon Co Ltd | 有機エレクトロルミネッセンス表示装置 |
JP2014157745A (ja) * | 2013-02-15 | 2014-08-28 | Toyobo Co Ltd | 画像表示装置 |
-
2004
- 2004-05-07 JP JP2004138837A patent/JP2005322489A/ja active Pending
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