JP2005318658A - 無線受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信品質を維持しつつ、干渉波抑圧用のフィルタによる消費電力を低減可能な無線受信装置を提供する。
【解決手段】所望波及び干渉波が含まれるRF信号を受信する受信回路部11の後段に干渉波を除去するFIRフィルタ16を有する無線受信装置において、モード切替スイッチ62の操作によって低消費電力モード時にフィルタの電源をオフにする制御部61を有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、無線LANのような無線通信システムに用いられる無線受信装置に係り、特に所望波と非所望の干渉波を含んだ受信信号から干渉波を除去するためのフィルタを有する無線受信装置に関する。
無線通信用無線受信装置の受信信号には、一般に所望波と受信特性の劣化要因となる干渉波が含まれる場合がある。受信信号に干渉波が混入するような無線受信装置の例としては、無線LAN(Local Area Network)で使用される無線端末が挙げられる。
例えば、IEEE802.11aで規定される無線LANでは、キャリア変調方式としてOFDM(Orthogonal Frequency-Division Multiplexing;直交周波数分割多重)が採用されており、基地局である各アクセスポイントに割当てられるチャネルは、周波数軸上で20MHzの間隔をもって隣接している。このため、特定のアクセスポイントと通信している無線端末から見ると、所望の受信チャネルの中心周波数から20MHz離れた周波数を中心周波数とする隣接チャネルが使用されている状況となる場合がある。
このように、第1のアクセスポイントと通信している第1の無線端末が使用しているチャネルに隣接するチャネルが、他の第2のアクセスポイントあるいはそれと通信する第2の無線端末によって使用されていた場合、第2のアクセスポイントあるいは第2の無線端末から送信される隣接チャネルの信号が干渉波として第1の無線端末の受信信号に混入し、受信特性の劣化要因となる。
この問題を避けるために、無線LANにおける無線端末のような無線受信装置においては、干渉波の存在を前提とし、アナログフィルタやディジタルフィルタを用いて、受信信号に混入する干渉波の信号電力を抑圧している。このような役割を持つフィルタとして、受信信号をディジタル信号にするA/D変換器の後段に配置されるFIRフィルタが挙げられる。FIRフィルタを用いた無線受信装置は、例えば特開2000−269785号公報(特許文献1)その他に種々記載されている。
特開2000−269785号公報
FIRフィルタは、複数のタップを有するシフトレジスタと各タップの出力タップ係数を乗じるための乗算器及び加算器を含み、その消費電力は無線受信装置の構成要素の中でも比較的大きい。従って、FIRフィルタのようなフィルタが通信中に常時稼動していることは、低消費電力化の面で好ましくない。
無線LAN用の無線端末は、例えばノート型パーソナルコンピュータに装着される無線LANカードの形態で提供される。このようなコンピュータは携帯時にはバッテリ駆動で動作するため、低消費電力化の要求は特に強い。
本発明は、受信品質を維持しつつ、干渉波抑圧用のフィルタによる消費電力を低減可能な無線受信装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一つの態様では動作モードを通常消費電力モードと低消費電力モードとに切り換え可能な無線受信装置において、RF信号を受信してベースバンド信号を出力する受信手段と、前記ベースバンド信号中の干渉波を除去するためのフィルタと、前記低消費電力モード時に前記フィルタの電源をオフにする制御手段とを具備する。
本発明の他の態様では、通常消費電力モードと低消費電力モードに切り換え可能な無線受信装置において、RF信号を受信してベースバンド信号を出力する受信手段と、前記ベースバンド信号中の干渉波を除去するためのフィルタと、前記ベースバンド信号を前記復調手段に対して直接入力させる第1のモードと前記フィルタを介して入力させる第2のモードとを切り替えるためのスイッチ手段と、前記通常消費電力時に前記フィルタの電源をオンにすると共に前記スイッチ手段を前記第2のモードにし、前記低消費電力モード時に前記フィルタの電源をオフにすると共に、前記スイッチ手段を前記第1のモードにする制御手段とを具備する。
本発明によれば干渉波電力が小さい場合には、干渉波除去用フィルタの動作を停止することにより、所望波に対する受信品質を維持しつつ、消費電力を効果的に軽減することが可能な無線通信装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係る無線受信装置の構成を示す。アンテナ10によってRF信号が受信され、アンテナ10から受信信号が出力される。受信信号は、受信回路部11に入力される。受信回路部11は、入力される受信信号を所要レベルまで増幅する低雑音増幅器(LNA)12とアナログ信号処理部13を有する。アナログ信号処理部13は、入力された受信信号をアナログのベースバンド信号に変換する周波数変換器や、例えば周波数変換に伴って生じる不要波を除去するためのアナログフィルタを含む。
受信回路部11から出力されるアナログベースバンド信号は、A/D変換器14によってディジタルベースバンド信号に変換される。ディジタルベースバンド信号はスイッチ15に入力され、干渉波を除去するためのFIRフィルタ16への入力とディジタル復調部17への入力に切り換えられる。
すなわち、A/D変換器14からディジタル復調部17へのディジタルベースバンド信号の伝達パスは、スイッチ15が図中A側に接続された状態ではFIRフィルタ16を経由するパス(以下、フィルタ経由パスという)となり、スイッチ15が図中B側に接続された状態ではFIRフィルタ16を経由しないパス(以下、直通パス)というとなる。ここでは干渉波を除去するためにFIRフィルタ16を用いたが、他のディジタルフィルタを用いることも可能である。
本実施形態の無線受信装置が例えば無線LANにおける無線端末である場合、アンテナ10によって受信されるRF信号には、前述のように所望波のほかに受信特性の劣化要因となる干渉波が混入する場合がある。この干渉波電力の大きさを推定するために、本実施形態では二つの電力測定部18,19と干渉波電力推定部20が設けられる。第1の電力測定部18ではA/D変換器14の出力信号の電力値が測定され、第2の電力測定部19ではFIRフィルタ16の出力信号の電力値が測定される。すなわち、電力増幅器18,19では、それぞれFIRフィルタ16を通過する前の受信信号と通過した後の受信信号の電力値が測定される。
電力測定部18,19によって測定された電力値は、干渉波電力推定部20に与えられる。干渉波電力推定部20は、これら二つの電力値から干渉波の電力の大きさ(電力値)を推定し、推定値を制御部21に与える。制御部21は、干渉波電力の推定値を判定し、その判定結果に従ってスイッチ15とFIRフィルタ16を制御する。
図3に、本実施形態の無線受信装置を適用可能な無線LANの概略的な構成を示す。基地局である複数の無線アクセスポイント(AP)41,42と、一つまたは複数の無線端末(TE)40が配置されている。無線端末40は、アクセスポイント41,42との間に適宜通信チャネルを形成して通信を行うことが可能である。ここで、無線端末40に本実施形態の無線受信装置を適用することができる。
次に、本実施形態に係る無線受信装置の動作を説明する。
アンテナ10から出力される受信信号には、前述のように干渉波が混入する。但し、干渉波は常時存在しているとは限らない。具体的には、無線受信装置が例えばIEEE802.11aに準拠した無線LAN用の無線端末であるなら、所望波が受信されるチャネルから周波数軸上で20MHz上下に存在する隣接チャネルの信号波が干渉波となる。
アンテナ10からの受信信号が受信回路部11によってベースバンド信号に変換される段階で、受信回路部11内のアナログ信号処理部13に含まれる前述のアナログフィルタによって干渉波の成分はある程度抑圧される。受信回路部11の出力に干渉波の残留成分があれば、その抑圧は最終的には後段のFIRフィルタ16にゆだねられる。
FIRフィルタ16は、図2に示すようにZ-1 で表される所定の単位遅延時間間隔で並んだ複数のタップを有するシフトレジスタ30と、シフトレジスタ30の各タップ出力に所定の定数(タップ係数と呼ぶ)を乗ずる乗算器31〜36及び乗算器21〜26の出力信号の総和をとる加算器37から構成される。ここで乗算器31〜36で乗ぜられるタップ係数は、例えば「ディジタル無線通信の変復調」(齊藤洋一著、電子情報通信学会)のp.47−57に示されるように、FIRフィルタ16が低域通過フィルタの伝達特性を持つような係数である。これによって、FIRフィルタ16は隣接チャネルに存在する干渉波を十分抑圧するフィルタ特性を実現する。
図2に示したようなFIRフィルタ16は、高速で動作する多段のシフトレジスタ30と多数の乗算器31〜36を含むため、その消費電力は無線受信装置の構成要素の中でも比較的大きい。そこで、本実施形態では例えば図1に示すようにスイッチ15が図中A側に接続され、A/D変換器14からのディジタルベースバンド信号がFIRフィルタ16を経由してディジタル復調部17に入力される状態で、干渉波電力推定部20によって干渉波の電力値を推定する。
具体的には、干渉波電力推定部20は第1の電力測定部18で測定された電力値P1と第2の電力測定部19で測定された電力値をP2を比較判定し、両者の比P1/P2または差P1−P2を求めることで、干渉波の電力値を推定する。すなわち、P1/P2またはP1−P2が干渉波電力の推定値である。
制御部21は、干渉波電力の目安となる推定値であるP1/P2またはP1−P2とある閾値TH1または閾値TH2を比較し、P1/P2≦TH1またはP1−P2≦TH2の場合には、FIRフィルタ16の電源を遮断してフィルタ16をオフの状態とすると共に、スイッチ15をA側からB側に接続する。これによりベースバンド信号の伝達パスは直通パスに切り換えられ、A/D変換器14からのディジタルベースバンド信号は、FIRフィルタ16を経由せずにディジタル復調部17に直接入力される。
すなわち、無線受信装置が所望波のみを受信した場合には、受信信号に干渉波が存在しないため、FIRフィルタ16の入出力での受信信号の電力値P1,P2にあまり差はないが、フィルタ16での損失のためP1>P2という条件が常に成り立つ。従って、P1/P2がある閾値TH1以下の場合、またはP1−P2がある閾値TH2以下の場合には、干渉波が存在しないか、もしくは干渉波電力が十分に小さいと見なすことができる。干渉波電力が十分に小さい状況は、アンテナ10からの受信信号に干渉波が含まれているが、受信回路部11内のアナログフィルタ等で干渉波の成分が十分に抑圧されている場合も含む。
閾値TH1,TH2については、例えばFIRフィルタ16の透過特性等から理論的に定めるか、または無線受信装置に所望波のみ受信させた場合と、所望波に加えて所望波の隣接チャネルに位置する干渉波を受信させた場合との比較から実験的に定めることができる。
干渉波電力推定部20が干渉波電力の推定を行うタイミング、言い換えれば干渉波電力の推定値に従って制御部21がFIRフィルタ16の動作を停止させ、かつスイッチ15をB側に切り換えるか否かの判断を行うタイミングは、周期的でもよいし、非周期的でも構わない。例えば、無線LANにおいてはアクセスポイントが一定周期で発するビーコンと呼ばれる制御信号に干渉波電力の推定タイミングを同期させてもよいし、無線受信装置のハードウェアが固有に定めた周期で干渉波電力の推定を行ってもよい。
このような周期的なタイミングでなく、例えばIEEE802.11のMAC(Medium Access Control)プロトコル仕様で規定される上位レイヤの何らかの動作と協調させて非周期的に干渉波電力の推定を行ってもよい。具体的には、IEEE802.11a、あるいはIEEE802.11のMACプロトコル仕様においては、SIFS(Short Interframe Space)というフレーム間のタイムインターバルが規定されている。
SIFSの期間中は、無線LAN内で同一のアクセスポイントと通信中の全無線端末が送受信を停止しており、該アクセスポイントが使用しているチャネル上は信号が全く流れないので、隣接チャネル上の干渉波電力を測定するには極めて都合の良い状態になっている。従って、SIFSの期間中に干渉波電力の推定を行うことができる。また、SIFSの期間中は無線端末である無線受信装置の受信信号に所望波が存在しないことが分かっているので、例えば電力測定回路18で測定された電力値と、干渉波電力の大小または有無が判定できるように定めた所定の閾値との比較から干渉波電力の推定を行っても構わない。
干渉波電力推定部20による干渉波電力の推定処理とその推定値に基づく制御部20による比較判定処理は、FIRフィルタ16の動作が停止され、かつスイッチ15がB側に接続されてディジタル復調部17への信号伝達パスが直通パスに切り換えられた後も、引き続き前述したタイミングで定期観測的に行われる。ここで、制御部21はP1/P2が閾値TH1を越えるか、あるいはP1−P2が閾値TH2を越えた場合には、受信信号に含まれる干渉波の電力が大きいと判断し、FIRフィルタ16の常時動作を開始させ、スイッチ15をA側に接続してディジタル復調部17への信号伝達パスをフィルタ経由パスに切り換える。
制御部21が干渉波電力の推定値に基づいてFIRフィルタ16の動作を停止させ、かつスイッチ16をB側に接続してディジタル復調部17への信号伝達パスを直通パスへと切り換えるか否かの判断は、電力測定部18,19の1回の電力測定値の比較判定のみでなく、例えば、何回かの比較判定にわたって干渉波電力が小さいとみなせる条件を連続して満足することが望ましい。言い換えれば、制御部21はP1/P2≦TH1、あるいはP1−P2≦TH2の条件が所定時間にわたって連続したとき、FIRフィルタ16の動作を停止させ、ディジタル復調部17への信号伝達パスを直通パスに切り換えることが望ましい。
逆に、制御部21がFIRフィルタ16を動作させ、信号伝達パスをフィルタ経由パスに切り換えるときは、干渉波電力が大きい(干渉波電力の推定値が閾値より大きい)とみなせる条件を一回満足すれば直ちにパスを切り換えようにしてもよい。このように制御部21での判定にヒステリシスを条件として課すことにより、受信状態の安定化を図ることができる。
以上述べたように本実施形態によると、所望波に対して周波数領域で近傍に存在する干渉波の電力が小さいとみなせる場合には、消費電力の大きいFIRフィルタ16を停止させることで、所望の通信品質を満足しつつ無線受信装置全体の低消費電力化を図ることが可能となる。
図1においては、説明を分かり易くするため干渉波電力推定部18,19と制御部21を分けて示しているが、これらの機能をCPUに持たせてソフトウェア処理により実現することもできる。
(第2の実施形態)
次に、図4を用いて本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置を説明する。本実施形態では、受信回路部51は低雑音増幅器(LNA)52と周波数変換器53及びアナログ信号処理部54を含む。アンテナ10によって受信されるRF信号には、第1の実施形態と同様に所望波のほかに受信特性の劣化要因となる干渉波も含んでいるものとする。
アンテナ10からの受信信号は受信回路部51に入力され、低雑音増幅器52により増幅された後、周波数変換器53に入力される。周波数変換器53では、例えば所望チャネルの周波数fi が所定の中間周波数fm に変換される。周波数変換器53には、周波数シンセサイザ55から|fi−fc|=fm となるような周波数fc のローカル信号が供給される。周波数シンセサイザ55が制御部57によって制御されることによりfc は可変であり、これによって受信チャネルの周波数を切り換えることができる。
周波数変換器53によって中間周波数fm に変換された受信信号は、アナログ信号処理部54によりベースバンドのアナログ信号に変換される。この段階でアナログ信号処理部54内のアナログフィルタによって、受信信号に含まれる干渉波はある程度抑圧されるが、干渉波の残留成分があれば、その抑圧は最終的には後段のFIRフィルタ16にゆだねられることになる。
受信回路部51から出力されるアナログベースバンド信号は、第1の実施形態と同様に、A/D変換器14によってディジタルベースバンド信号に変換された後、スイッチ15によってFIRフィルタ16への入力とディジタル復調部17への入力に切り換えられる。すなわち、ディジタル復調部17へのディジタルベースバンド信号の伝達パスは、スイッチ15によりフィルタ経由パスと直通パスとに切り換えられる。FIRフィルタ16は干渉波成分の抑圧のために設けられたものであり、第1の実施形態と同様に例えば図2に示すように構成される。フィルタ経由パスでは、ディジタルベースバンド信号はFIRフィルタ16によって隣接チャネル信号のような干渉波が十分抑圧された後、ディジタル復調部17に入力され、復調がなされる。
A/D変換器14から出力されるディジタルベースバンド信号は、電力測定部18にも入力され、ここで電力値が測定される。電力測定部18によって測定された電力値は、干渉波電力推定部56に与えられる。本実施形態における干渉波電力推定部56では、電力測定部18によって測定された電力値から干渉波の電力の大きさ(電力値)を推定し、推定値を制御部57に与える。制御部57は、干渉波電力推定部56から与えられる干渉波電力の推定値を閾値判定し、その判定結果に従ってスイッチ15とFIRフィルタ16を制御する。
本実施形態においては、受信チャネルが所望波のチャネルに隣接するチャネルに一時的に切り換えられた状態で干渉波電力の推定を行う。例えば、前述したようにIEEE802.11aに準拠した無線LAN用の無線端末の場合、所望波の受信チャネルから周波数軸上で20MHz上下に隣接チャネルが存在し、これらの隣接チャネルの信号波が干渉波となる。制御部57は、所定のタイミングで周波数シンセサイザ55の出力周波数fcを切り換えることにより、受信チャネルを所望チャネルの中心周波数から20MHz高い周波数及び低い周波数に存在する隣接チャネルに切り換える。
このように受信チャネルを隣接チャネルに切り換えた状態では、受信信号には所望波が含まれず、隣接チャネルが通信に使用されていれば、干渉波のみが存在するため、電力測定部18では干渉波の電力値が測定される。電力測定部18によって測定された電力値は、干渉波電力推定部56に入力される。干渉波電力推定部56では、制御部57からの指示により受信チャネルが隣接チャネルに切り換えられた状態において電力測定部18により測定された電力値を読み取り、それを干渉波電力の推定値Pとして出力する。
制御部57は、干渉波電力推定部56によって得られた推定値Pを例えばある閾値THと比較し、閾値TH以下の場合は隣接チャネルが通信に使用されておらず干渉波が存在しないか、もしくは干渉波電力が十分に小さいと判定する。干渉波電力が十分に小さい状況は、アンテナ10からの受信信号に干渉波が含まれているが、受信回路部51内のアナログフィルタ等で干渉波の成分が十分に抑圧されている場合も含む。
制御部57は、干渉波が存在しないか、もしくは干渉波電力が十分に小さいと判定した場合には、FIRフィルタ16の電源を遮断してフィルタ16をオフ状態とすると共に、スイッチ15をA側からB側に、つまりベースバンド信号伝達パスを直通パスに切り換える。これによってA/D変換器14からのディジタルベースバンド信号は、FIRフィルタ16を経由せずにディジタル復調部17に直接入力される。
さらに具体的に説明すると、制御部57は周期的または非周期的な所定のタイミングで周波数シンセサイザ55の出力周波数fcを所望チャネルを受信チャネルとする|fi−fc|=fm を満たす状態から、隣接チャネルを受信チャネルとする|fi+1−fc|=fm 及び|fi-1−fc|=fm を満たす状態に切り換える。ここで、fi+1 ,fi-1は所望チャネルの上下に存在する隣接チャネルの中心周波数である。この受信チャネルの切り換えと同時に、制御部57は電力測定部18によって測定された電力値から干渉波電力推定部56により得られた干渉波電力の推定値Pを閾値THと比較する。
この比較判定の結果、|fi+1−fc|=fm 及び|fi-1−fc|=fm を満たす状態でP≦THであれば、制御部57は干渉波の電力が小さいとみなして、FIRフィルタ16の動作を停止させ、さらにスイッチ15をB側に接続してディジタル復調部17への信号伝達パスをFIRフィルタ16を経由しない直通パスに切り換える。この後、制御部57は周波数シンセサイザ55の出力周波数fcを受信チャネルが所望チャネルとなるように戻す。ここで、閾値THは隣接チャネルに信号が存在しないとみなせるような電力値の上限値として定める。
本実施形態における電力測定は、隣接チャネルに干渉波となる信号が存在するかどうかの有無が分ればよいので、電力測定部18は必ずしも図4の位置に設けられていなくともよく、A/D変換器14より前のアナログ信号の電力値を測定してもよい。FIRフィルタ16を動作させた状態でFIRフィルタ16の出力からディジタル復調部17の入力に至るまでの信号経路で信号の電力値を測定してもよく、それによって隣接チャネルの信号の電力測定精度を高くすることもできる。
干渉波電力推定部56が干渉波電力の推定を行うタイミング、さらには干渉波電力の推定値に従って制御部57がFIRフィルタ16の動作を停止させ、かつスイッチ15をB側に切り換えるか否かの判断を行うタイミングは、無線受信装置が無線LANにおける無線端末である場合、基本的には所望チャネルでのアクセスポイントと無線端末間の通信が行われていないタイミングでなければならない。
このタイミングは、無線受信装置のハードウェアが固有に定めた周期の時間帯で、かつ所望チャネルでのアクセスポイントと無線端末間の通信が行われていない条件を満たすタイミングでもよい。あるいは、このタイミングは第1の実施形態で述べたように、IEEE802.11のMACプロトコル仕様で規定される上位レイヤの何らかの動作と協調させる非周期的なタイミングであってもよい。後者の具体的な例としては、IEEE802.11a、またはIEEE802.11のMACプロトコル仕様で規定される前述のSIFSが挙げられる。
一方、IEEE802.11h(ヨーロッパ対応)では、動的周波数制御機能が導入されており、その一環として各チャネルの電力測定を行う機能がある。この機能を利用すると、無線LANプロトコルの上位レイヤの動作で干渉波の有無をすることも判定できる。IEEE802.11hの動的周波数制御機能によると、本実施形態で示したと同様に周波数シンセサイザ55の出力周波数を切り換えて各チャネルの電力測定が行われる。IEEE802.11hの仕様では、この電力測定は空チャネルや隣接チャネルが使用されていないチャネルを探索することを目的として、通信前と通信品質劣化時に行われる。
従って、本実施形態の無線送受信装置がIEEE802.11hで規定される無線LANにおける無線端末である場合、通信前開始及び通信品質劣化時の少なくとも一方のタイミングで、電力測定部18により測定される電力値に基づいて干渉波電力推定部56により干渉波電力の推定を行い、その推定値Pについて制御部57が閾値THと比較して干渉波が存在しないか、もしくは干渉波電力が十分に小さいかの判定を行ってもよい。この判定の結果、干渉波が存在しないか、もしくは干渉波電力が十分に小さい場合は、制御部57はFIRフィルタ16の電源を遮断してフィルタ16をオフ状態とすると共に、スイッチ15をA側からB側に接続してベースバンド信号伝達パスを直通パスに切り換える。
また、通信開始前に、電力測定部18により測定される電力値に基づいて干渉波電力推定部56により干渉波電力の推定を行うことで、隣接チャネルが使用されているか否かを判定し、隣接チャネルが使用されていなければFIRフィルタ16をオフ状態にしておき、通信品質が劣化した場合には、隣接チャネルが使用され始めたと見なしてFIRフィルタ16をオンにすようにしてもよい。
周波数シンセサイザ55の出力周波数の切り換えに伴う干渉波電力推定部56による干渉波電力の推定処理と、その推定値に基づく制御部57による比較判定処理は、FIRフィルタ16の動作が停止され、かつスイッチ15がB側に接続されてディジタル復調部17への信号伝達パスが直通パスに切り換えられた後も、引き続き前述したタイミングで定期観測的に行われる。
具体的には、周波数シンセサイザ55の出力周波数fcを所望チャネルを受信チャネルとする|fi−fc|=fm を満たす状態から、隣接チャネルを受信チャネルとする|fi+1−fc|=fm または|fi-1−fc|=fm を満たす状態に切り換える。この受信チャネルの切り換えと同時に、制御部57は電力測定部18によって測定された電力値に基づいて干渉波電力推定部56により得られた干渉波電力の推定値Pを閾値THと比較する。
この比較の結果、|fi+1−fc|=fm または|fi-1−fc|=fm の少なくとも一方のときP>THであれば、制御部57は干渉波の電力が大きいとみなして、FIRフィルタ16の動作を開始させ、さらにスイッチ15をA側に接続してディジタル復調部17への信号伝達パスをFIRフィルタ16を経由するパスに切り換える。
制御部57が干渉波電力の推定値に基づいてFIRフィルタ16の動作を停止させ、かつスイッチ16をB側に接続してディジタル復調部17への信号伝達パスを直通パスへと切り換えるか否かの判断は、電力測定部56の1回の電力測定値の比較判定のみで決定せず、例えば、何回かの比較判定にわたって干渉波電力が小さいとみなせる条件を連続して満足することが望ましい。
逆に、制御部21がFIRフィルタ16を動作させ、信号伝達パスをフィルタ経由パスに切り換えるときは、干渉波電力が大きい(干渉波電力の推定値が閾値より大きい)とみなせる条件を一回満足すれば直ちにパスを切り換えようにしてもよい。このように制御部57での判定にヒステリシスを条件として課すことにより、受信状態の安定化を図ることができる。
このように本実施形態によっても、第1の実施形態と同様に干渉波の電力が小さいとみなせる場合には、消費電力の大きいFIRフィルタ16を停止させることで、所望の通信品質を満足しつつ無線受信装置全体の低消費電力化を図ることができる。
図4においては、説明を分かり易くするため干渉波電力推定部18及び制御部56を分けて示しているが、これらの機能をCPUに持たせてソフトウェア処理により実現することもできる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。第1及び第2の実施形態においては、所望波に対して周波数領域で近傍に位置する干渉波の電力値を推定する機構を設けたが、必ずしもその必要はない。例えば、無線受信装置を設置した状況及び環境等から干渉波が存在しないことが予め分かっている場合には、ユーザからの指示でフィルタFIRフィルタ16の動作を停止させるようにしてもよい。
図5は、このような考えに基づく本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の構成を示している。図1と同一部分に同一符号を付して説明すると、本実施形態では制御部61にモード選択スイッチ62が接続されている。モード選択スイッチ62は、無線受信装置の動作モードを通常消費電力モードと低消費電力モードとに切り換えるためのスイッチであり、無線受信装置の適宜の個所に設けられ、ユーザによって操作が可能である。
モード選択スイッチ62によって低消費電力モードが選択されると、制御部61はFIRフィルタ16の電源を遮断してフィルタ16をオフ状態とすると共に、スイッチ15をA側からB側に、つまりベースバンド信号伝達パスをフィルタ経由パスに切り換える。
例えば、家庭に設置された無線LANにおいて、一台のみ本無線受信装置である無線LANカードを使う場合や、アクセスポイントが一台のみの場合は、干渉波が元々存在しない設置状況であるため、FIRフィルタ16による干渉波成分の除去は不要である。従って、このような状況ではモード選択スイッチ62を操作して低消費電力モードにすることにより、FIRフィルタ16を動作させることによる無駄な電力消費を避けることができる。
なお、本実施形態の構成を先の第1または第2の実施形態と組み合わせて実施することも可能である。すなわち、図1に示した制御部20あるいは図4に示した制御部57にモード選択スイッチ62を接続し、手動でモードを選択できるオプションを追加してもよい。その場合、FIRフィルタ16及びスイッチ15の制御に対して、第1または第2の実施形態における干渉波電力推定に基づく制御とモード選択に基づく制御のいずれを優先させるかは任意である。
上述した実施形態では、主として無線LANに本発明を応用した例について述べてきたが、本発明はこれに限られるものではなく、無線受信装置一般に適用が可能であり、また具体的な構成についても種々の変形が可能である。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る無線受信装置の構成を示すブロック図 FIRフィルタの具体的な構成例を示すブロック図 無線LANの概略構成を示す図 本発明の第2の実施形態に係る無線受信装置の構成を示すブロック図 本発明の第3の実施形態に係る無線受信装置の構成を示すブロック図
符号の説明
10…アンテナ
11,51…受信回路部
12,52…低雑音増幅器
13,54…アナログ信号処理部
14…A/D変換器
15…スイッチ
16…FIRフィルタ(干渉波除去フィルタ)
17…ディジタル復調部
18,19…電力測定部
20,56…干渉波電力推定部
21,57,61…制御部
53…周波数変換器
55…周波数シンセサイザ
62…モード選択スイッチ

Claims (3)

  1. 動作モードを通常消費電力モードと低消費電力モードとに切り換え可能な無線受信装置において、
    RF信号を受信してベースバンド信号を出力する受信手段と、
    前記ベースバンド信号中の干渉波を除去するためのフィルタと、
    前記低消費電力モード時に前記フィルタの電源をオフにする制御手段とを具備する無線受信装置。
  2. 通常消費電力モードと低消費電力モードに切り換え可能な無線受信装置において、
    RF信号を受信してベースバンド信号を出力する受信手段と、
    前記ベースバンド信号中の干渉波を除去するためのフィルタと、
    前記ベースバンド信号を前記復調手段に対して直接入力させる第1のモードと前記フィルタを介して入力させる第2のモードとを切り替えるためのスイッチ手段と、
    前記通常消費電力時に前記フィルタの電源をオンにすると共に前記スイッチ手段を前記第2のモードにし、前記低消費電力モード時に前記フィルタの電源をオフにすると共に、前記スイッチ手段を前記第1のモードにする制御手段とを具備する無線受信装置。
  3. 前記無線受信装置は、基地局及び該基地局と通信を行う無線端末を含む無線LANにおける該無線端末である請求項1または2のいずれか1項に記載の無線受信装置。
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