JP2005318405A - 移動局装置およびセル選択方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 移動局装置の処理負荷や回路規模の増大を抑えつつ、セル切り替えのときのパケットロスを低減すること。
【解決手段】 受信SIR測定部102は、接続セルの受信SIR(SIR)を測定する。エッジ検出部103およびセル切り替え位置検出部104は、SIRを閾値TH、THとそれぞれ比較することにより、移動局装置(MS)100が接続セルのセルエッジゾーンにあることおよびMS100が接続セルから他セルへのセル切り替えゾーンにあることを検出する。FFTタイミング検出部108は、MS100がセルエッジゾーンにあることが検出された場合に、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出する。セル切り替え部105は、MS100がセル切り替えゾーンにあることが検出された場合、FFTタイミング検出部108により検出されたFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、移動局装置およびセル選択方法に関し、特に、マルチキャリア伝送方式を適用した無線通信システムにて用いられる移動局装置およびセル選択方法に関する。
携帯電話などの移動体通信端末装置(移動局装置)を構成要素とする無線通信システムには、限られた周波数帯域を有効利用するため、通信エリアを複数のセルに分割しセル毎に基地局装置を設けるセルラー方式が従来から広く採用されている。セルラー方式の無線通信システムに用いられる移動局装置では、接続すべき最適なセルを移動局装置の地理的位置および伝搬環境に応じて選択するためのセル選択が行われる。そして、セル選択の結果によっては、そのときまで接続していたセル(接続セルまたは自セル)から他セル(移動先セル)への切り替えが行われる。
ところで近年では、無線通信システムの高速化・大容量化に対する要求が高まっており、高速・大容量の通信を実現可能な方式としてマルチキャリア伝送方式が注目を集めている。例えば非特許文献1には、マルチキャリア伝送方式に基づくOFCDM(Orthogonal Frequency and Code Division Multiplexing)方式の無線通信システムにおけるセル選択方法が開示されている。
開示されたセル選択方法において、移動局装置は、各セル(つまり各セルに設けられた基地局装置)からの下り共通パイロットチャネル(PICH:Pilot Channel)を用いる。より具体的には、図10に示すように、まず、所定の更新周期におけるPICHの平均受信SIR(Signal to Interference Ratio)をセル毎に測定する。そして、測定対象のセルが、アクティブセットに含まれているセルであれば、その平均受信SIRが所定の第1の閾値よりも小さい場合に、アクティブセットからの削除を行う。一方、測定対象のセルが、アクティブセットに含まれていないセルであれば、その平均受信SIRが所定の第2の閾値よりも大きい場合に、アクティブセットへの追加を行う。ここで、アクティブセットとは、所定値以上の平均受信SIRを持つセルのグループである。また、移動局装置は、所定のセル選択周期における平均受信SIRを、アクティブセットに含まれた各セルに対して測定する。そして、最大の平均受信SIRを持つセルを選択する。この結果、選択されたセルが接続セルとなり、接続セルに設けられた基地局装置から、移動局装置宛てのデータが送信される。
「ブロードバンドOFCDMパケット無線アクセスの下りリンクハンドオーバにおけるセル選択周期の最適化」、信学技報、NS2002-108、RCS2002-136(2002-07)
しかしながら、従来のセル選択方法においては、アクティブセットの更新周期およびセルの選択周期に従って平均受信SIRの測定を行わなければならない。したがって、特にアクティブセットが増大した場合には移動局装置の処理負荷が増大してしまう。さらに、これらの処理のために移動局装置に実装される回路の規模も大きくなってしまう。
また、セルを切り替えてデータ受信を開始するためには、移動先セルのFFT(Fast Fourier Transform)ウィンドウタイミングの検出が不可欠である。例えばOFCDMのようなマルチキャリア伝送方式では、FFTウィンドウタイミングを検出しないことには、データフレームの先頭位置(フレームタイミング)の検出に用いられるPICHを取り出すことができないからである。ところが、従来の場合、セル切り替えの時点で移動先セルのFFTウィンドウタイミングは検出されていない。移動局装置による移動先セルのFFTウィンドウタイミングの検出は、セル間同期型の無線通信システムを前提とすれば容易だが、柔軟なシステム展開が可能で広く利用されているセル間非同期型の無線通信システムの場合は困難である。このため、セル切り替えが行われるときにセルサーチを再度行う必要があるが、セルサーチを再度行っている期間にパケットロスが発生し得る。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、移動局装置の処理負荷や回路規模の増大を抑えつつ、セル切り替えのときのパケットロスを低減することができる移動局装置およびセル選択方法を提供することを目的とする。
本発明の移動局装置は、現在接続中の接続セルの受信SIRを測定する測定手段と、測定された受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルのエッジ部であることを検出するエッジ検出手段と、現在位置が接続セルのエッジ部であることが検出された場合、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出するタイミング検出手段と、測定された受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替え位置であることを検出する切り替え位置検出手段と、現在位置がセル切り替え位置であることが検出された場合、検出されたFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行う切り替え手段と、を有する構成を採る。
この構成によれば、接続セルの受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルのエッジ部であることを検出するため、周辺セルの受信SIRを常時検出する必要がなくなり、移動局装置の処理負荷および回路規模の増大を抑えることができる。さらに、現在位置が接続セルのエッジ部であることが検出された場合に、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出し、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替え位置であることが検出された場合に、検出されたFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行うため、セル切り替えが行われる前に移動先セルのFFTウィンドウタイミングを知ることができ、セル切り替えのときに発生し得るパケットロスを低減することができる。さらに、移動局装置での検出結果を基地局装置にフィードバックする必要がないため、上り方向のチャネル利用効率を向上させることが可能となる。
本発明の移動局装置は、上記構成において、接続セルの中央部のGI相関値および接続セルのエッジ部のGI相関値を算出する相関値算出手段を有し、前記タイミング検出手段は、算出された中央部のGI相関値およびエッジ部のGI相関値の誤差を算出する誤差算出手段と、算出された誤差に基づいて、他セルのFFTウィンドウタイミングを推定する推定手段と、を有する構成を採る。例えば、本発明の移動局装置は、上記構成において、前記推定手段は、算出された誤差が最大値となるタイミングを、他セルのFFTウィンドウタイミングとする、構成を採る。または、本発明の移動局装置は、上記構成において、前記推定手段は、算出された誤差が所定値以上となるタイミングを、他セルのFFTウィンドウタイミングとする、構成を採る。
これらの構成によれば、接続セルの中央部のGI相関値および接続セルのエッジ部のGI相関値の誤差が最大となるタイミングまたは所定値以上となるタイミングを、他セルのFFTウィンドウタイミングとするため、接続セルから他セルへのセル切り替えを円滑に行うことが可能となる。
本発明のセル選択方法は、接続セルの受信SIRを測定する測定ステップと、前記測定ステップで測定した受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルのエッジ部であることを検出するエッジ検出ステップと、前記エッジ検出ステップで現在位置が接続セルのエッジ部であることが検出された場合、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出するタイミング検出ステップと、前記測定ステップで測定した受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替え位置であることを検出する切り替え位置検出ステップと、前記切り替え位置検出ステップで現在位置がセル切り替え位置であることが検出された場合、前記タイミング検出ステップで検出したFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行う切り替えステップと、を有するようにした。
この方法によれば、接続セルの受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルのエッジ部であることを検出するため、周辺セルの受信SIRを常時検出する必要がなくなり、移動局装置の処理負荷および回路規模の増大を抑えることができる。さらに、現在位置が接続セルのエッジ部であることが検出された場合に、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出し、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替え位置であることが検出された場合に、検出されたFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行うため、セル切り替えが行われる前に移動先セルのFFTウィンドウタイミングを知ることができ、セル切り替えのときに発生し得るパケットロスを低減することができる。さらに、移動局装置での検出結果を基地局装置にフィードバックする必要がないため、上り方向のチャネル利用効率を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、移動局装置の処理負荷や回路規模の増大を抑えつつ、セル切り替えのときのパケットロスを低減することができる。
本発明の第1の骨子は、接続セルの受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルのエッジ部であることを検出することである。また、本発明の第2の骨子は、現在位置が接続セルのエッジ部であることが検出された場合に、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出し、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替え位置であることが検出された場合に、検出されたFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行うことである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動局装置の構成を示すブロック図である。図1の移動局装置(MS)100は、アンテナ101、受信SIR測定部102、セルエッジ検出部103、セル切り替え位置検出部104、セル切り替え部105、GI(Guard Interval)相関値算出部106、レプリカ保持部107、FFTタイミング検出部108、移動先セル検出結果格納部109、周辺セル情報保持部110、フレームタイミング/コード検出部111およびRF(Radio Frequency)部112を有する。また、FFTタイミング検出部108は、図2に示すように、誤差算出部121および最大誤差検出部122を有する。
RF部112は、アンテナ101を介して受信した信号に対してダウンコンバートおよびアナログディジタル変換などを含む所定の無線受信処理を行う。無線受信処理された受信信号は、受信SIR測定部102およびGI相関値算出部106に出力される。
受信SIR測定部102は、PICHの共通パイロット信号を用いて、現在接続中のセル(以下「接続セル」または「自セル」と言う)の受信SIRを測定する。例えば、共通パイロット信号の相関を取得し、その結果を基に生成される遅延プロファイルから受信SIRを求める。以下、測定された受信SIRを「SIR」と言う。
セルエッジ検出部103は、SIRを、予め内部に記憶されている所定の閾値THと比較する。この比較の結果、SIRが閾値TH以上の場合は、MS100の現在位置が接続セルのセル中央ゾーン内であると判断する。そして、その旨がGI相関値算出部106に通知される。この場合、周辺セルサーチやセル切り替えは行われないこととなり、接続セルとの接続状態が維持される。一方、SIRが閾値THよりも小さい場合は、その旨およびSIRをセル切り替え位置検出部104に通知する。
セル切り替え位置検出部104は、セルエッジ検出部103からの通知を受けた場合に、SIRを、予め内部に記憶されている所定の閾値TH(TH<TH)と比較する。この比較の結果、SIRが閾値TH以上の場合は、MS100の現在位置が接続セルのセルエッジゾーン内であると判断される。そして、その旨がGI相関値算出部106およびFFTタイミング検出部108に通知される、つまり、接続セルとの接続状態は維持されるが、移動先セルのFFTタイミングの検出が指示される。一方、SIRが閾値THよりも小さい場合は、MS100の現在位置が接続セルから他セルへの切り替えゾーンにあると判断される。そして、その旨がセル切り替え部105に通知される。
なお、セルエッジ検出部103およびセル切り替え位置検出部104によるMS100の位置判断において、瞬時のシャドウイングなどによる誤判断が発生することを回避するために、例えばカウンタをセル切り替え位置検出部104に設けても良い。そして、比較結果がTH≦SIR<THとなったときにカウントを行い、この結果が所定回数連続した場合にMS100がセルエッジゾーンに居ると判断する。また、比較結果がSIR<THとなったときにカウントを行い、この結果が所定回数連続した場合にMS100がセル切り替えゾーンに居ると判断する。
セル切り替え部105は、セル切り替え位置検出部104からの通知を受けた場合に、移動先セル検出結果格納部109に格納されている移動先セル検出結果を読み出し、接続すべきセルを、自セルから移動先セルに切り替えるための処理を実行する。
GI相関値算出部106は、接続セルのBSからの受信信号を用いてGI相関値を算出する。より具体的には、MS100が接続セルのセル中央ゾーンに居る場合(これは、例えばセルエッジ検出部103からの通知を受けることにより、検出することができる)、接続セルのセル中央ゾーンのGI相関値CCENTERが算出される。算出されたGI相関値CCENTERは、レプリカ保持部107に出力される。また、MS100が接続セルのセルエッジゾーンに居る場合(これは、セル切り替え位置検出部104からの通知を受けることにより、検出することができる)、接続セルのセルエッジゾーンのGI相関値CEDGEが算出される。算出されたGI相関値CEDGEは、FFTタイミング検出部108に通知される。
レプリカ保持部107は、GI相関値CCENTERを、その最大値で正規化することによりレプリカCREPを生成し、生成したレプリカCREPを保持する。
FFTタイミング検出部108は、セル切り替え位置検出部104から位置検出結果の通知を受けた場合、つまり、MS100が接続セルのセルエッジゾーンに居る場合、他セルのFFTウィンドウタイミングの検出を実行する。
より具体的には、FFTタイミング検出部108において、誤差算出部121は、レプリカCREPおよびCEDGEの誤差Dを算出する。算出された誤差Dは、最大誤差検出部122に出力される。最大誤差検出部122は、誤差Dに基づいて、誤差Dが最大値DMAXとなるタイミングを検出する。そして、検出されたタイミングを他セルのFFTウィンドウタイミングとする。FFTタイミング検出部108では、このようにして他セルのFFTウィンドウタイミングが推定される。
周辺セル情報保持部110は、周辺セルの例えばスクランブルコードなどに関する周辺セル情報を予め保持している。
フレームタイミング/コード検出部111は、周辺セル情報保持部110に保持されている周辺セル情報を読み出す。また、FFTタイミング検出部108により検出された他セルのFFTウィンドウタイミングでFFT処理を実行する。そして、所定の方法により、PICHを抽出しフレームタイミングを検出するとともにスクランブルコードを検出(同定)する。フレームタイミング/コード検出部111による検出結果は、移動先セル検出結果として移動先セル検出結果格納部109に格納される。
次いで、上記構成を有するMS100における移動先セル検出動作について説明する。図3は、MS100における移動先セル検出動作を説明するためのフロー図である。なお、下記のフローは、接続セルとの同期が保持されているときに開始される。
まず、ステップST1000では、GI相関値算出部106で、GI相関値CCENTERが算出される。そして、ステップST1010では、レプリカ保持部107で、GI相関値CCENTERを正規化することによりレプリカCREPが生成される(図5(a))。生成されたレプリカCREPは、レプリカ保持部107に保持される。
そして、ステップST1020では、受信SIR測定部102で、接続セルのSIRを測定する。そして、ステップST1030では、セルエッジ検出部103で、SIRと閾値THの比較が行われる。この比較の結果、SIR≧THの場合(ST1030:NO)、ステップST1020に戻る。一方、SIR<THの場合(ST1030:YES)、ステップST1040に進む。
ステップST1040では、セル切り替え位置検出部104で、SIRと閾値THの比較が行われる。この比較の結果、SIR<THの場合(ST1040:YES)、ステップST1120に進み、SIR≧THの場合(ST1040:NO)、ステップST1050に進む。
ここで、MS100におけるセルエッジの検出について述べる。図4は、MS100におけるセルエッジの検出動作説明に供する図であり、同図には、自セルと他セルの配置が模式的に示されている。MS100が自セルのセル中央ゾーンに位置しているとき、SIRは、閾値TH以上となる。また、MS100が自セルのセルエッジゾーンに移動したときは、SIRは、閾値THよりも小さくなり且つ閾値TH以上となる。また、SIRがさらに低下して閾値THよりも小さくなった場合は、MS100が、自セルから他セルへの切り替えを行うべき位置に移動したと認識することができる。なお、閾値TH、THは、自セルや他セルのサイズ(例えば、セルの半径R)に基づいて求めることができる。
ステップST1050では、GI相関値算出部106で、GI相関値DEDGEが算出される。そして、ステップST1060では、ステップST1010で保持したレプリカCREPを読み出す。
ステップST1070では、誤差算出部121で、レプリカCREPおよびGI相関値CEDGEの誤差Dが算出され、ステップST1080では、最大誤差検出部122で、誤差Dが最大値DMAXとなるタイミングを検出する。例えば、他セルのFFTウィンドウタイミングが自セルのFFTウィンドウタイミングよりも早い場合は、図5(b)に示すように、時刻Tから時刻Tにおいて誤差Dが生じる。そして、誤差Dが最大値DMAXとなっている時刻Tを、他セルのFFTウィンドウタイミングとして検出する。また、他セルのFFTウィンドウタイミングが自セルのFFTウィンドウタイミングより遅延している場合は、図5(c)に示すように、時刻Tから時刻Tにおいて誤差Dが生じる。そして、誤差Dが最大値DMAXとなっている時刻Tを、他セルのFFTウィンドウタイミングとして検出する。
そして、フレームタイミング/コード検出部111で、他セルサーチを開始する。すなわち、周辺セルのスクランブルコード情報を読み出し(ST1090)、移動先セルのフレームタイミングの検出および移動先セルのスクランブルコードの同定を行う(ST1100)。これらの検出結果は、移動先セル検出結果として移動先セル検出結果格納部109に格納される(ST1110)。そして、ステップST1020に戻る。
ステップST1120では、セル切り替え部105で、移動先セル検出結果格納部109に格納されている移動先セル検出結果を読み出す。セル切り替え部105では、読み出された移動先セル検出結果に従ってセルの切り替えが行われる(ST1130)。
このように、本実施の形態によれば、接続セルのSIRに基づいて、MS100の現在位置が接続セルのセルエッジゾーンにあることを検出するため、周辺セルの受信SIRを常時検出する必要がなくなり、移動局装置の処理負荷および回路規模の増大を抑えることができる。さらに、現在位置がセルエッジゾーンであることが検出された場合に、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出し、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替えゾーンにあることが検出された場合に、検出されたFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行うため、セル切り替えが行われる前に移動先セルのFFTウィンドウタイミングを知ることができ、セル切り替えのときに発生し得るパケットロスを低減することができる。
また、本実施の形態によれば、MS100での検出結果を上り方向のチャネルを介してBSにフィードバックするための制御ビットをMS100において生成する必要がなくなる。したがって、MS100の処理負荷を軽減することができるとともに、上り方向のチャネル利用効率を向上させることが可能となる。
また、本実施の形態によれば、接続セルのセル中央ゾーンでのGI相関値CCENTERおよび接続セルのセルエッジゾーンでのGI相関値CEDGEの誤差Dが最大値DMAXとなるタイミングを、他セルのFFTウィンドウタイミングの代用とするため、接続セルから他セルへのセル切り替えを円滑に行うことが可能となる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係るMSの構成を示すブロック図である。なお、図6のMS200は、図1のMS100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図6のMS200におけるMS100との相違は、図7に示すように、FFTタイミング検出部108の代わりにFFTタイミング検出部201を有する点のみである。FFTタイミング検出部201は、実施の形態1で説明した誤差算出部121および誤差判定部202を有する。
誤差判定部202には、予め所定の誤差閾値DTHが記憶されている。誤差判定部202は、誤差Dを誤差閾値DTHと比較する。この比較の結果、誤差Dが最大値DTHを超過するタイミングを検出する。そして、検出されたタイミングを他セルのFFTウィンドウタイミングとする。FFTタイミング検出部201では、このようにして他セルのFFTウィンドウタイミングが推定される。
次いで、上記構成を有するMS200における移動先セル検出動作について説明する。図8は、MS200における移動先セル検出動作を説明するためのフロー図である。
本実施の形態の移動先セル検出動作は、実施の形態1で説明したものと同様に、接続セルとの同期が保持されているときに開始される。また、本実施の形態の移動先セル検出動作においては、ステップST1070での誤差Dの算出処理の次に行われる処理のみが、実施の形態1で説明したものと相違している。
ステップST1070では、実施の形態1で説明したとおり、誤差算出部121で、レプリカCREPおよびGI相関値CEDGEの誤差Dが算出される。そして、ステップST1085では、誤差判定部202で、誤差Dが誤差閾値DTHを超過するタイミングを検出する。例えば、他セルのFFTウィンドウタイミングが自セルのFFTウィンドウタイミングよりも早い場合は、図9(a)に示すように、時刻Tから時刻Tにおいて誤差Dが生じる。そして、誤差Dが誤差閾値DTHを超過する時刻Tを、他セルのFFTウィンドウタイミングとして検出する。また、他セルのFFTウィンドウタイミングが自セルのFFTウィンドウタイミングより遅延している場合は、図9(b)に示すように、時刻Tから時刻Tにおいて誤差Dが生じる。そして、誤差Dが最大値DTHを超過する時刻Tを、他セルのFFTウィンドウタイミングとして検出する。
このように、本実施の形態によれば、接続セルのセル中央ゾーンでのGI相関値CCENTERおよび接続セルのセルエッジゾーンでのGI相関値CEDGEの誤差Dが誤差閾値DTHを超過するタイミングを、他セルのFFTウィンドウタイミングの代用とするため、接続セルから他セルへのセル切り替えを円滑に行うことが可能となる。
本発明の移動局装置およびセル選択方法は、移動局装置の処理負荷や回路規模の増大を抑えつつ、セル切り替えのときのパケットロスを低減する効果を有し、マルチキャリア伝送方式を適用した無線通信システムにおいて有用である。
本発明の実施の形態1に係る移動局装置の構成を示すブロック図 本実施の形態の移動局装置におけるFFTタイミング検出部の構成を示すブロック図 本実施の形態の移動局装置における移動先セル検出動作を説明するためのフロー図 本実施の形態の移動局装置におけるセルエッジ検出動作を説明するための図 (a)本実施の形態の移動局装置において保持されるGI相関値のレプリカを示す図、(b)本実施の形態の移動局装置におけるFFTタイミング検出の一例を説明するための図、(c)本実施の形態の移動局装置におけるFFTタイミング検出の他の例を説明するための図 本発明の実施の形態2に係る移動局装置の構成を示すブロック図 本実施の形態の移動局装置におけるFFTタイミング検出部の構成を示すブロック図 本実施の形態の移動局装置における移動先セル検出動作を説明するためのフロー図 (a)本実施の形態の移動局装置におけるFFTタイミング検出の一例を説明するための図、(b)本実施の形態の移動局装置におけるFFTタイミング検出の他の例を説明するための図 従来のセル選択方法におけるアクティブセット更新動作を説明するためのフロー図
符号の説明
100、200 移動局装置
102 受信SIR測定部
103 セルエッジ検出部
104 セル切り替え位置検出部
105 セル切り替え部
106 GI相関値算出部
107 レプリカ保持部
108、201 FFTタイミング検出部
109 移動先セル検出結果格納部
110 周辺セル情報保持部
111 フレームタイミング/コード検出部
121 誤差算出部
122 最大誤差検出部
202 誤差判定部

Claims (5)

  1. 現在接続中の接続セルの受信SIRを測定する測定手段と、
    測定された受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルのエッジ部であることを検出するエッジ検出手段と、
    現在位置が接続セルのエッジ部であることが検出された場合、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出するタイミング検出手段と、
    測定された受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替え位置であることを検出する切り替え位置検出手段と、
    現在位置がセル切り替え位置であることが検出された場合、検出されたFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行う切り替え手段と、
    を有することを特徴とする移動局装置。
  2. 接続セルの中央部のGI相関値および接続セルのエッジ部のGI相関値を算出する相関値算出手段を有し、
    前記タイミング検出手段は、
    算出された中央部のGI相関値およびエッジ部のGI相関値の誤差を算出する誤差算出手段と、
    算出された誤差に基づいて、他セルのFFTウィンドウタイミングを推定する推定手段と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の移動局装置。
  3. 前記推定手段は、
    算出された誤差が最大値となるタイミングを、他セルのFFTウィンドウタイミングとする、
    ことを特徴とする請求項2記載の移動局装置。
  4. 前記推定手段は、
    算出された誤差が所定値以上となるタイミングを、他セルのFFTウィンドウタイミングとする、
    ことを特徴とする請求項2記載の移動局装置。
  5. 接続セルの受信SIRを測定する測定ステップと、
    前記測定ステップで測定した受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルのエッジ部であることを検出するエッジ検出ステップと、
    前記エッジ検出ステップで現在位置が接続セルのエッジ部であることが検出された場合、他セルのFFTウィンドウタイミングを検出するタイミング検出ステップと、
    前記測定ステップで測定した受信SIRに基づいて、現在位置が接続セルから他セルへのセル切り替え位置であることを検出する切り替え位置検出ステップと、
    前記切り替え位置検出ステップで現在位置がセル切り替え位置であることが検出された場合、前記タイミング検出ステップで検出したFFTウィンドウタイミングに従って、接続セルから他セルへの切り替えを行う切り替えステップと、
    を有することを特徴とするセル選択方法。
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