JP2005317063A - ホログラム素子および光ピックアップ - Google Patents

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Abstract

【課題】異なる波長の光を用いて異なる種類の光記録媒体に情報を記録再生する光ピックアップにおいて用いる複数の波長で共用する偏光素子は、効率と複屈折ディスク対策の両立化が困難であった。
【解決手段】相異なる波長を発進する2光源を備えた光源1からコリメートレンズ4、ホログラム素子5及び波長板6を介して対物レンズ8によって、基板厚みが異なる記録面9及び10に集光し、反射する。対物レンズ8の低開口数の領域ではホログラムの凹凸構造で発生する位相差を往路で0、復路で(N±1/2)π、高開口数の領域ではホログラムの凹凸構造で発生する位相差を往路でmπ(mは0以外の整数)、復路で(m±1/2)πにする。
【選択図】図1

Description

本発明は異なる波長の光およびその偏光状態に対して光の回折作用を異ならせる性質を持つホログラム素子、および、波長の異なるレーザ光源を有し、CDやDVD、ブルーレイ・ディスク等、各種の異なる規格、仕様の基材厚の異なる光ディスクにそれぞれ信号を記録、または再生するために用いられる光ピックアップに関するものである。
近年、コンピュータの外部記憶装置やビデオレコーダー等に用いられる光ディスク装置として、例えばCD(CD−ROMディスクやCD−R/RWディスク)、DVD(DVD−ROMディスクやDVD−RAMディスク、DVD−R/RWディスク)、ブルーレイ・ディスク等のように記録密度・容量および溝仕様・基材厚等、規格が異なる様々な記録媒体に1台の装置で対応したマルチディスク用途の製品が増えつつある。
このような装置においては、光ディスクへ情報を記録・再生するインターフェース部である光ピックアップに、波長の異なるレーザ光源や、光ディスクから反射した光を受光してRF信号やフォーカス、トラッキング等の制御信号を得るための光検出器などが複数個搭載されており、各々のレーザ光源、光検出器等を用いてそれが適した媒体への書き込みや消去、読み出しを行っている。
これらの様々な異なる規格のディスクに対して安定した性能を担いつつ装置の小型化・低コスト化を図るためには、種類が違うディスクに対する適応性と光ピックアップの光学系のコンパクト化を両立させる技術が重要となる。
種類が違うディスクに対する適応性を得るための一つの条件として、例えばディスクの透明基材が厚く、複屈折がより大きいディスクに対するプレーヤビリティを確保することが必要であり、光学系をコンパクトにするためには異なる波長の光に対して光学部品をできるだけ共用化して部品点数を極力減らし小さいスペースで構成することが必要である。
複数の記録媒体に対応したコンパクトな光学系を有する光ピックアップとして、本出願人が特許文献1で提案したものがある。図7は特許文献1における光ピックアップ装置の要部構成を示している。図7の光ピックアップ装置は、複数の種類の光ディスクにデータを書き込むこと及び/または光ディスクからデータを読み出す目的で波長の異なる複数の光ビームを形成する光源(典型的には複数の光源。単一の光源を用いて異なる波長の光を放射するように構成したものを含む)と、光ビームを集光し、光ディスクの信号面上に光スポットを形成する対物レンズと、光源と対物レンズとの間に配置されたホログラム素子および波長板と、光ディスクから反射された光ビームの強度を検出する光検出器とを備えている。光源から対物レンズに至るまでの光路と、光ディスクの信号面で反射されて光検出器に至るまでの光路とが共通する部分において、ホログラム素子が配置されている。
以下、未公開自社出願の特願2003−122451号における光ピックアップ装置の構成を、より詳細に説明する。図7において光検出器103は、シリコンチップなどの半導体基板102に形成されており、波長λ1および波長λ2の2種類のレーザ光を出射するレーザチップ101が基板102にマウントされている。光検出器103は、光電効果によって光を電気信号に変換する複数のフォトダイオードから構成されている。レーザチップ101が放射するレーザ光のうち、例えば、波長λ1は約650nmであり、波長λ2は約800nmである。例えば波長λ1のレーザ光はDVD用、波長λ2のレーザ光はCD用に用いられる。
レーザチップ101から出射された波長λ1の光は、コリメートレンズ104によって平行光化された後、偏光素子107を透過する。偏光素子107は、ホログラム素子105と波長板106とが一体化された素子である。偏光素子107は、対物レンズ108とともに支持部材135に取り付けられており、アクチュエータ136によって対物レンズ108とともに一体的に駆動される。
偏光素子107を透過した光(波長λ1)は、対物レンズ108によって光ディスクの記録面109上に集光され、反射される。反射光は、再び対物レンズ108を経て、偏光素子107によって回折される。偏光素子107で回折された光は、コリメートレンズ104を経て光検出器103に入射する。光検出器103は、光量変化に応じた電気信号を生成し、この電気信号は、フォーカス制御信号、トラッキング制御信号、およびRF信号である。
一方、レーザチップ101を出射した波長λ2の光も、コリメートレンズ104によって平行光化され、偏光素子107を透過する。偏光素子107を透過した光は、対物レンズ108によって基材厚の異なる光ディスクの記録面110上に集光され、記録面110で反射される。反射光は、再び対物レンズ108を経て偏光素子107で回折される。回折された光は、コリメートレンズ104を経て光検出器103に入射する。光検出器103は、光量変化に応じた電気信号を生成し、この電気信号は、フォーカス制御信号、トラッキング制御信号、およびRF信号である。
図8Aおよび図8Bは、図7の偏光素子107について、波長λ1、λ2の光について、回折の偏光依存性を模式的に示す図である。なお、以降の説明において光源からディスクへ向かう光の光路を光学系の往路と呼び、ディスクで反射して光検出器へ向かう光の光路を光学系の復路と呼ぶものとする。
図8Aは、波長λ1の光が偏光素子107を往復路で通過する場合を模式的示している。光源側(図中下側)から偏光素子107に入射する波長λ1の光は、例えば、紙面に平行な偏光方向を持つ直線偏光である。このような光は、周期構造111を有するホログラム素子105を透過することができる。ホログラム素子105の周期構造111は、偏光依存性を有しており、偏光方向が紙面に平行な直線偏光(波長λ1)がホログラム素子105を透過するとき、周期構造111の入射位置に応じて、2Nπ(Nは0以外の整数)の位相差が透過光に生じる。Nが0でない点が、従来一般に用いられる偏光ホログラム素子と大きく異なっている。ホログラム素子105の透過光に生じる周期的な位相差が2πの整数倍に等しい(ホログラム素子5で生じる光路差が波長λ1の整数倍に等しい)ため、光の回折原理に従い、波長λ1の光にとっては周期構造111で回折しない条件(完全透過条件)を満たすことになる。
このようにしてホログラム素子105を透過した光は、次に波長板106を通過する。波長板106は、波長λ1の光(650nm)に対して、4分の5波長板として機能する。このため、波長λ1の直線偏光は、波長板106によって円偏光に変換される。
不図示の光ディスクで反射されて戻ってきた光(円偏光)は、波長板106によって直線偏光に変換される。この直線偏光の偏光方向(紙面に垂直)は、光源側からホログラム素子105に入射した光の偏光方向と直交する。このような直線偏光に対して、ホログラム素子105の周期構造111は、入射位置に応じて(2M+1)πの位相差(Mは整数)を周期的に発生させる。このため、この直線偏光は、光の回折原理により、完全回折する条件となる。理論的にはホログラムの周期構造で生ずる光の位相差をφとすると、ホログラムを透過する0次光の透過率Tは、以下の(式1)で表され、
T=cos2(φ/2) (式1)
ここで、位相差φを(2M+1)πとおくと、T=0、すなわち完全回折条件を満たすことを意味する。
次に、図8Bを参照しながら、波長λ2の光について偏光素子107の動作を説明する。同図に示すように、光源側からホログラム素子105に入射する波長λ2の光(偏光方向が紙面に平行な直性偏光)が偏光素子107に入射するとき、ホログラム素子105の周期構造111により、ほぼ2Nπλ1/λ2の位相差が発生する。Nは0でないため、発生する位相差は0にならない。また、λ1=650nm、λ2=800nmとすると、Nの値をかなり大きくとらないとNλ1/λ2が整数にならない。このため、ホログラム素子105では完全透過条件からずれることで、波長λ2の光は一部回折する。λ1=650nm(DVD用の波長の光)、λ2=800nm(CD用の波長の光)、N=1とすると、回折しない光(0次光)の透過効率は、以下の
cos2((2πλ1/λ2)/2)=cos2((2π×650/800)/2)=69% (式2)
で示される。(式2)から、入射した光の約31%がホログラム素子105によって回折されることがわかる。
このようにしてホログラム素子105を透過した波長λ2の光は、次に波長板106を通過する。波長板106は、波長λ1(650nm)の光に対して、4分の5波長板であるので波長λ2(800nm)の光に対してはほぼ1波長板として機能する。このため、波長λ2の直線偏光は、波長板106によって偏光変換を受けないで透過する。
一方、光ディスクから戻ってくる波長λ2の光は、往路と同様波長板106で偏光変換を受けないのでホログラム素子105の周期構造111で同じく2Nπλ1/λ2の位相差が発生する。従って、波長λ1の光または波長λ2の光のうち相対的に大きな波長を持つ光が、他方の光の波長の整数倍(2倍、3倍、・・・)の大きさを持たない限り、両方の光に対する回折光を0に設定することはできない。λ1=650nm(DVD用の光)、λ2=800nm(CD用の光)、M=1とすると、±1次回折光の各回折効率は、以下の
(2/π)2×cos2((πλ1/λ2)/2)=cos2((π×650/800)/2)=8.4% (式3)
で表される。±1次回折光以外の光は、ほとんど0次光として回折格子を透過する。
なお、この1次回折光率の値はディスク基材の複屈折が無く、基材による偏光影響を受けない場合であるが、基材の複屈折が最も高い場合、すなわちCDの基材が1/4波長板とほぼ等価な複屈折を持つ場合、入射時と直交する方向の直線偏光となる。この場合は±1次回折光の回折効率は、完全回折条件を満たすので信号光の光量がむしろ増える方向である。すなわち、帰還光量は、様々な偏光状態に応じて変化するが、最悪の場合でも0にならない。
このような偏光素子を用いることにより、DVD等のように基材厚は薄く基材の複屈折は製造過程で生じにくいが、波長が短く高出力化が困難である波長λ1の光に対しては高効率でありながら、効率が低くても比較的作製しやすい高出力のレーザで光量をカバーできる反面、基材厚が厚いために生産過程で光学的な複屈折量が多いものができやすいCD等に用いる波長λ2の光に対しては、基材が有する複屈折性のために偏光状態が変化した光がディスクから戻ってきたとしても、信号レベルが0になってしまうことはなく、安定して信号の再生および制御を行うことができる。
また、このような偏光素子を用いることで異なる規格の光記録媒体に対応した光ピックアップをコンパクトに構成できる。なぜなら、従来上記したような観点から異なる波長に対して互いに独立の光分岐素子を用いてディスクからの光を光検出器に導いていたものが同じ一つのホログラム素子で実現できるため、レーザ光源から光記録媒体に至る光路(往路)と光記録媒体から光検出器に至る光路(復路)とが完全に共通化でき、光学系の部品点数を削減でき、小さなスペースで光学系が収納できるためである。
背景技術で示したようなホログラム素子およびこれを用いた光ピックアップによれば、DVD等に用いる短波長のレーザの光に対して完全透過条件、CD等のより長波長のレーザの光に対して常に一部回折条件とすることで、高出力化が困難な短波長のレーザ光に対しては素子の光伝達ロスを相対的に小さくしながら高出力化が容易な長波長のレーザを用いる光ディスク基材の光学特性ばらつきにも対応できるメリットがある。
しかしながら、実際には短波長側の光に対しても若干光量ロスが生じてしまう。
先に説明したように、光源側から偏光素子107に入射する波長λ1の光は、ホログラム素子105を透過するとき、周期構造111の入射位置に応じて、2Nπ(Nは0以外の整数)の位相差を透過光に生じさせる。このときホログラム素子105の透過光に生じる周期的な位相差が2πの整数倍に等しい(ホログラム素子5で生じる光路差が波長λ1の整数倍に等しい)ため、理論上は光の回折原理に従い、波長λ1の光にとっては周期構造111が無いのと等価な完全透過条件となる。しかしながら、仮にNの値が最小のN=1としても周期構造で2π、すなわち1波長分の位相差を生ずるような段差を形成する必要がある。一般に波長λの光が屈折率が異なる領域(例えばn1、n2)を同じ距離dだけ通過したとき、この領域間生ずる光の位相差は2π(n1−n2)d/λで表せるので、この位相差を大きくするためには、n1−n2の値、すなわち屈折率差を大きく取るか、dの値を大きく取るかのいずれかである。しかしながら屈折率差を大きく取るにしても実用的な材料から選択の幅は限られる。したがってdを大きくすることになるが、例えば一般的に用いられるエッチングなどの方法で周期構造の溝を形成する場合、dを大きくすなわち溝深さを深くすればするほどサイドエッチングにより周期構造断面が矩形状からテーパのついた形状へと段差形状がずれてきてしまう。このためテーパ部を透過する光によって高次の不要回折光が発生したり、散乱光が大きくなる等の回折ロスが生ずる。
図9は波長650nmの光に対してサイドエッチングなどにより生じたテーパ幅の変化に対するホログラムの0次光透過率の劣化を、ホログラムのピッチが10ミクロンの場合と20ミクロンの場合について計算でプロットしたものである。図に示すように、特にピッチの小さいホログラムでテーパの増加、すなわち矩形断面からの崩れによる0次光の効率劣化の絶対値が大きい。したがってこのような場合、光学系の伝達効率の低下が無視できなくなる。特にトラッキング検出のために、光源からの光を別の回折格子によりメインビーム(0次光)とサブビーム(±1次光)とに分割したりする3ビーム方式を採用する光ピックアップの場合、この分割によるロス分も含めて光学系の往路伝達率がさらに低下し、高倍速記録時などディスク盤面上パワーを多く必要とする様な場合には光源としてより高出力の高価なレーザを用いる必要があった。
また、もう一つの問題点として波長λ2の光に対して光学系の往路で発生する回折光の問題がある。先に説明したようにCDなどの波長の光については多少の光量ロスがあってもレーザの出力でカバーできるので原理的に往路でもホログラムで一部回折光が発生することになる。この回折光は信号の記録再生や制御などには使われないいわゆる不要光であるが、ディスクで反射されて光学系の復路でホログラムにより回折され、本来信号検出などに用いる信号光と重なって光検出器に迷光として入射する。このような迷光のレベルがあまり大きいと信号にオフセットが生ずるため、フォーカス、トラッキングなどの制御精度が劣化したり信号再生品質に悪影響を及ぼすなどの問題があった。
上記の問題点を解決するために請求項1記載の発明は、少なくとも2種類の波長の光が通過する光路に配置するホログラム素子であって、ホログラムにより生ずる周期的な光の位相差の大きさをホログラム素子面内の複数の領域で互いに異ならせていることを特徴とするホログラム素子である。
請求項2記載の発明は、少なくとも2種類の波長の光が通過する光路に配置するホログラム素子であって、素子面内のある領域D1において少なくとも1種類の波長の光は偏光状態に依存して完全透過ないしは完全回折し、他の少なくとも1種類の波長の光は偏光状態に依存しないもしくは偏光状態に依存するがあらゆる偏光に対して完全回折にはならないとともに、素子面内の別の領域D2では、これらの波長の光がいずれも偏光状態に依存して完全透過ないしは完全回折することを特徴とするホログラム素子である。
請求項3記載の発明は、ホログラム素子が、素子面内の領域D1においては方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπの位相差(ただしnは0以外の整数)をなす光に変換し、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただしmは整数)をなす光に変換するとともに、方位Aと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、素子面内の領域D2においては方位Aに偏光方向を有する波長λ1、波長λ2の直線偏光の光がともに周期的な位相差がゼロであり、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただしmは整数)をなす光に変換するとともに、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換することを特徴とするホログラム素子である。
請求項4記載の発明は、ホログラム素子面内の領域D1における透過光の位相を周期的に異ならせる周期構造が一つまたは複数の層からなる膜構造が交互に形成されてなり、交互に形成された膜構造の一方は、ある方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi(i=1,2,3・・・I)番目の層(Iは空気層を含む総層数)の屈折率がn1AL(i)、厚みがt1L(i)、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi番目の層の屈折率がn1BL(i)であるとし、膜構造のもう一方は方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj(j=1,2,3・・・J)番の層(Jは空気層を含む総層数)の屈折率がn1AG(j)、厚みがt1G(j)、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj番目の層の屈折率がn1BG(j)であるとしたとき、
Σt1L(i)=Σt1G(j)
であって、
Σ(n1AL(i)×t1L(i))−Σ(n1AG(j)×t1G(j))=Nλ1 (Nは0以外の整数)
Σ(n1BL(i)×t1L(i))−Σ(n1BG(j)×t1G(j))=(2M+1)λ1/2 (Mは整数)
または、
Σ(n1AL(i)×t1L(i))−Σ(n1AG(j)×t1G(j))=(2M+1)λ1/2
Σ(n1BL(i)×t1L(i))−Σ(n1BG(j)×t1G(j))=Lλ1
を満たすとともに、ホログラム素子面内の領域D2における透過光の位相を周期的に異ならせる周期構造が、同じく一つまたは複数の層からなる膜構造が交互に形成されてなり、交互に形成された膜構造の一方は、方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi(i=1,2,3・・・I)番目の層(Iは空気層を含む総層数)の屈折率がn2AL(i)、厚みがt2L(i)、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi番目の層の屈折率がn2BL(i)であるとし、膜構造のもう一方は方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj(j=1,2,3・・・J)番の層(Jは空気層を含む総層数)の屈折率がn2AG(j)、厚みがt2G(j)、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj番目の層の屈折率がn2BG(j)であるとしたとき、
Σt2L(i)=Σt2G(j)
であって、
Σ(n2AL(i)×t2L(i))−Σ(n2AG(j)×t2G(j))=0
Σ(n2BL(i)×t2L(i))−Σ(n2BG(j)×t2G(j))=(2S+1)λ1/2 (Sは整数)
または、
Σ(n2AL(i)×t2L(i))−Σ(n2AG(j)×t2G(j))=(2S+1)λ1/2
Σ(n2BL(i)×t2L(i))−Σ(n2BG(j)×t2G(j))=0
を満たすことを特徴とする請求項3記載のホログラム素子である。なお、Σはi=1〜Iまでの総和およびj=1からJまでの総和を示す。
請求項5記載の発明は、ホログラム素子面内の領域D1において屈折率異方性をもつ部分と屈折率が等方性である部分とが交互に形成された厚みdの周期構造を持ち、波長λ1の常光、異常光に対して前記屈折率異方性部の屈折率をそれぞれn0、n1、波長λ1の光に対して前記屈折率等方性部の屈折率をn3としたとき、d、n1,n2、n3および光の波長λ1
d(n3−n1)=Lλ1 (ただし、Lは0以外の整数)
かつ
d(n3−n2)=(2M+1)λ1/2 (ただし、Mは整数)
を満たす、もしくは
d(n3−n1)=(2M+1)λ1/2 (ただし、Mは整数)
かつ
d(n3−n2)=Lλ1 (ただし、Lは0以外の整数)
を満たすとともに、ホログラム素子面内の領域D2において同じく屈折率異方性をもつ部分と屈折率が等方性である部分とが交互に形成された厚みd1の周期構造を持ち、波長λ1の常光、異常光に対して前記屈折率異方性部の屈折率をそれぞれn01、n11、波長λ1の光に対して前記等方性屈折率部の屈折率をn31としたとき、d1、n01,n11、n31および光の波長λ1
1(n31−n01)=0
かつ
1(n31−n11)=(2M+1)λ1/2 (ただし、Mは整数)
を満たす、もしくは
1(n31−n01)=(2M+1)λ1/2 (ただしMは整数)
かつ
1(n31−n11)=0
を満たすことを特徴とするホログラム素子である。
請求項6記載の発明は、上記したような屈折率異方性領域が透明基板上に形成された有機薄膜により構成されていることを特徴とするホログラム素子である。
請求項7記載の発明は、請求項5の発明において屈折率異方性基板に周期的に形成された凹凸の凹部に等方性材料を充填してなる周期構造を有するホログラム素子である。
請求項8記載の発明は、2種類以上の波長の放射光源と、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐するホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器とを備え、ホログラム素子が偏光性を有しておりレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、ホログラム素子面内の複数の領域でホログラムにより生ずる周期的な光の位相差を互いに異ならせていることを特徴とする光ピックアップである。
請求項9記載の発明は、2種類以上の波長の放射光源と、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐するホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器とを備え、ホログラム素子が偏光性を有しておりレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、素子面内のある領域D1において1種類の波長の光は偏光状態に依存して完全透過ないしは完全回折し、別の1種類の波長の光は偏光状態に依存しないもしくは偏光状態に依存するがあらゆる偏光に対して完全回折にはならないとともに、素子面内の別の領域D2では、両方の波長の光が偏光状態に依存して完全透過ないしは大部分回折することを特徴とする光ピックアップである。
請求項10記載の発明は、2種類以上の波長の放射光源と、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐するホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器とを備え、ホログラム素子が偏光性を有しておりレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、ホログラム素子が素子面内の領域D1においては、方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπの位相差(ただしnは0以外の整数)をなす光に変換し、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただし、mは整数)をなす光に変換するとともに、方位Aと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、
素子面内の領域D2においては、方位Aに偏光方向を有する波長λ1、波長λ2の直線偏光の光をともに周期的な位相差を与えずに透過し、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただし、mは整数)をなす光に変換するとともに、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換することを特徴とする光ピックアップである。
請求項11記載の発明は、放射光源が互いに異なる波長の光を出射する1チップまたは複数のチップからなるレーザ光源であって、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐する偏光性のホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器をレーザ光源に近接して配置されていることを特徴とし、ホログラム素子がレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、ホログラム素子により周期的に異ならせる光の位相差がホログラム素子面内の領域で2種類またはそれ以上に異ならせていることを特徴とする光ピックアップである。
請求項12記載の発明は、直径D2の円領域に相当する領域では異なる波長を全て透過し、それ以外の領域では特定の波長の光を遮光する開口制限手段を上記のホログラム素子と組み合わせたことを特徴とする光ピックアップである。
請求項13記載の発明は、レーザ光源より出射される異なる波長の光に対する開口径が互いに異なっており、波長λ11、波長λ2それぞれの開口径をD1,D2(D1>D2)としたとき、直径D2の円内ではホログラムの周期構造で発生する位相差が波長λ1の光の往路ではλ1のm倍(mは0以外の整数)、復路では(m±1/2)πであり、直径D2の円内を除いた直径D1の円内の領域ではホログラムの凹凸構造で発生する位相差が波長λ1の光の往路では0であり、復路では(N±1/2)π(Nは整数)であることを特徴とする請求項12記載の光ピックアップである。
請求項14記載の発明は、ホログラム素子と対物レンズとの間に波長板が配置されており、前記波長板が複数の光源から放射される異なる波長の光のうち、少なくとも一つの波長λ3に対してほぼ(2M−1)λ3/4のレタデーション(Mは整数)を有し、別の少なくとも一つの波長λ4の光に対してほぼNλ4のレタデーション(Nは整数)を持つことを特徴とする請求項8〜13何れかに記載の光ピックアップである。
請求項15記載の発明は、ホログラム素子と対物レンズとの間に波長板が配置されており、前記波長板が複数の光源から放射される異なる波長の光のうち、少なくとも一つの波長λ3に対してほぼ(2M−1)λ3/4のレタデーション(Mは整数)を有し、別の少なくとも一つの波長λ5の光に対してほぼ(2N−1)λ5/2のレタデーション(Nは整数)を持つことを特徴とする請求項8〜14何れかに記載の光ピックアップである。
請求項16記載の発明は、短冊状または格子状に分割されたホログラム素子面内の領域で隣り合う領域と互いに交互にホログラム素子の周期構造で発生する位相差が異なることを特徴とする請求項8〜15何れかに記載の光ピックアップである。
請求項17記載の発明は、短冊状または格子状に分割されたホログラム素子面内の領域のうちホログラムの周期構造のピッチが小さい方が領域D1であり、周子構造のピッチが大きい方が領域D2であることを特徴とする請求項8〜16何れかに記載の光ピックアップである。
請求項18記載の発明は、ホログラム素子が対物レンズ移動手段の可動部に搭載されている請求項8〜17何れかに記載の光ピックアップである。
本発明により異なる波長の光を用いて基材厚や面密度の異なる光情報媒体に対して記録再生を行う光ピックアップにおいて、一方の波長に対する光量ロスをさらに低減するとともにもう一方の光については基材の複屈折による影響を防ぐことができ、簡素な構成で効率が高く、かつ安定した性能の光ピックアップが実現できるので、その生産性の向上やコストの大幅な低減をはかることができる。
また、ホログラム素子によって光学系の往路で発生する回折光が検出器に迷光成分として混入するのを防ぐことも可能となるので、異なる波長で共用する光検出器をレイアウトする上でその自由度を高めることも可能となる。
以下、本発明の実施例を図1から図6を用いて説明する。なお、同じ機能を有する構成要素は同一の符号で示す。
(実施の形態1)
本発明の光ピックアップおよびホログラム素子の実施の形態1について図1および図2を用いて説明する。なお、以下同一の構成体については同じ番号を付す。図1は本発明におけるホログラム素子を適用した光ピックアップの構成図を示しており、これは図2A、図2B及び図2Cに示す本発明のホログラム素子5を含む偏光素子7除くと、背景技術で説明した図7の光ピックアップと構成としては同じであるため、説明は省略する。
図2Aは、本発明におけるホログラム素子の平面図を示し、図2B及び図2Cはその動作を示す側面図である。図2Aに示すホログラム素子の平面図において、円形で示す領域D1と輪帯で示される領域D2とでホログラムの断面構成が異なっている。なお、領域D2の外径d2はDVD等の高密度なディスク上により小さい集光スポットを形成する波長λ1の光の開口径と一致し、領域D1の外径d1はCD等のより大きい集光スポットを形成する波長λ2の光の開口径と一致する。このため、領域D1の外側の領域について波長λ2の光を遮光し、波長λ1の光は透過させる波長選択膜12が形成されている。このように一つの対物レンズを用いて適用する光ディスクに応じて、使用する光源の波長により開口径すなわちNA(Numeral Aperture)を異ならせ、各の波長で記録再生を行う媒体面での集光状態を最適にしている。
図2Bは、ホログラム素子5および5/4波長板6とからなる偏光素子7の断面、および波長λ1の光に対する動作原理を示している。光源からディスクに向かう波長λ1の直線偏光の光に対して、領域D1においてはホログラムの周期構造により周期的に2nπ(nは0以外の整数)の位相差を持つ光に変換される。一方ディスクを反射して帰還(以降、復路と呼ぶ)する光は、5/4波長板6の作用で往路と直交する直線偏光になっており、この偏光の光に対してホログラムの周期構造により周期的に(2m+1)π(mは整数)の位相差を持つ光に変換される。したがって、波長λ1の光について領域D1内では光学系の往路で理論的には1次回折光が生じない条件であるが、先に説明したように断面形状がテーパ状になることで高次回折などによる回折損失で若干の光量ロスが生ずる。また復路は完全回折条件である。一方、領域D2においては、同じく光源からディスクに向かう波長λ1の直線偏光の光に対して、ホログラムの周期構造による位相差を生じない。復路においてはホログラムの周期構造により周期的に(2m1+1)π(m1は整数)の位相差を生ずる。したがって波長λ1の光について領域D1では光学系の往路における直線偏光に対して周期構造が見えないので理論的にもまた実際にも1次回折光は全く発生しない。この光は5/4波長板6で円偏光に変換され、領域D2に形成された波長選択性膜12はそのまま透過する。また復路で波長板6の作用で往路と直交する直線偏光となり、波長λ1のこの方向の偏光に対してはホログラム素子の周期構造は完全回折条件を満たす。
図2Cは、同じくホログラム素子5および4分の5波長板6とからなる偏光素子7の断面と、波長λ2の光に対する動作原理を示している。
光学系の往路での波長λ2の直線偏光の光に対して、領域D1においてはホログラムの周期構造により波長比例で周期的に2nπλ1/λ2(nは0以外の整数)の位相差を持つ光に変換される。すなわち一部±1次光として回折し、大部分0次光として透過する。波長λ1の光(例えばDVD用の光源波長650nmの光)に対して5/4波長板である波長板6は波長λ2の光(例えばCD用の光源波長800nmの光)に対してほぼ1波長板となるので波長板でホログラム素子を通過した波長λ2の光は波長板6で偏光変換されない。光学系の復路では、ディスクの透明基材に複屈折がない場合は往路の直線偏光と同じなので一部±1次光として回折し、大部分0次光として透過する。この±1次回折光を用いて信号の再生、制御を行う。
一方、領域D2においては波長λ1の光と同様、ホログラムの周期構造による回折光は生じずに透過する。この透過光は波長選択性膜12により遮光される。したがってこの領域を通る光はディスクに到達することがなく、復路においてもこの領域は遮光されている。従って、この領域のホログラムはディスクの複屈折を受け易い段差条件ということになるがこの領域の光は遮光され使われることがない。
以上のような構成にすることで、光量のロスをできるだけ小さくしたい波長λ1の光に対して開口の全面が溝深さの深い周期構造による回折損失を生ずることなく、逆に複屈折ディスクに対する安定性を確保したい波長λ2の光に対しては開口の全面があらゆる偏光状態の光に対して回折光が0にならない。このため基材厚の厚いディスクの複屈折への対応を維持しつつDVD等に用いる短波長の光に対する伝達率を向上させることができる。
また、別のメリットとして、波長λ1の光に対して開口の外周側(領域D2)の透過率が開口中央部(領域D1)の透過率より相対的に高くすることで開口端での強度(リム強度と呼ぶ)が高くなる。一般に対物レンズによるディスク盤面上の集光スポット径は、波長、開口数(NA)、リム強度で決まる。このうちリム強度については強度が高い方が集光性は向上する。従って、本発明の素子を用いた光ピックアップではスポット径をより小さくできるので、隣接トラックに対するクロスイレースやクロストークを低減することができる。
なお、上記したようなホログラムで生ずる周期的な位相差を領域によって異ならせる具体手段として図3に示すような構成が考えられる。図3はホログラム素子の断面構造を示しており、本実施例ではガラス基板33上に異なる屈折率異方性を有する有機膜31、32を領域D1、D2に各々形成し、この有機膜に形成された周期構造G1、G2の屈折率および深さを領域によって各々異ならせている。さらに別の屈折率等方性媒体34を素子全面の溝部に充填してもう1枚のガラス基板36でサンドイッチした構成となっている。
具体的には、上記説明した領域D1の部分では、有機膜の複屈折率をn1、n2、有機膜の深さd1の溝部に充填された当方性材料の屈折率をn3としたとき、d1、n1,n2、n3および光の波長λ1
1(n3−n1)=Lλ1 (ただし、Lは0以外の整数)
かつ
1(n3−n2)=(2M+1)λ1/2 (ただし、Mは整数)
を満たす、もしくは
1(n3−n1)=(2M+1)λ1/2 (ただしMは整数)
かつ
1(n3−n2)=Lλ1 (ただしLは0以外の整数)
を満たすとともに、ホログラム素子面内の領域D2においては有機膜の屈折率異方性部の屈折率をそれぞれn01、n02、としたとき、溝部深さd2、n01,n02、n3および光の波長λ1
2(n3−n01)=0、すなわちn3=n01
かつ
2(n3−n02)=(2M+1)λ1/2 (ただし、Mは整数)
を満たす、もしくは
2(n3−n01)=(2M+1)λ1/2 (ただしMは整数)
かつ
2(n3−n02)=0、すなわちn3=n02
を満たすようになっている。このような構成にすることで上記説明した作用の条件が満足される。
なお、周期構造の深さが違うことで厳密には領域間で透過の平均的な位相差が生ずるがこれを補正する等方性のパターン膜を別途加えても良い。
なお、より一般的には領域D1とD2における膜構造の関係を以下のように表現することができる。すなわち、ホログラム素子面内の領域D1における透過光の位相を周期的に異ならせる周期構造が一つまたは複数の層からなる膜構造が交互に形成されてなり、交互に形成された膜構造の一方は、ある方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi(i=1,2,3・・・I)番目の層(Iは空気層を含む総層数)の屈折率がn1AL(i)、厚みがt1L(i)、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi番目の層の屈折率がn1BL(i)であるとし、膜構造のもう一方は方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj(j=1,2,3・・・J)番の層(Jは空気層を含む総層数)の屈折率がn1AG(j)、厚みがt1G(j)、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj番目の層の屈折率がn1BG(j)であるとしたとき、
Σt1L(i)=Σt1G(j)
であって、
Σ(n1AL(i)×t1L(i))−Σ(n1AG(j)×t1G(j))=Nλ1 (Nは0以外の整数)
Σ(n1BL(i)×t1L(i))−Σ(n1BG(j)×t1G(j))=(2M+1)λ1/2 (Mは整数)
または、
Σ(n1AL(i)×t1L(i))−Σ(n1AG(j)×t1G(j))=(2M+1)λ1/2
Σ(n1BL(i)×t1L(i))−Σ(n1BG(j)×t1G(j))=Lλ1
を満たすとともに、ホログラム素子面内の領域D2における透過光の位相を周期的に異ならせる周期構造が、同じく一つまたは複数の層からなる膜構造が交互に形成されてなり、交互に形成された膜構造の一方は、方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi(i=1,2,3・・・I)番目の層(Iは空気層を含む総層数)の屈折率がn2AL(i)、厚みがt2L(i)、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi番目の層の屈折率がn2BL(i)であるとし、膜構造のもう一方は方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj(j=1,2,3・・・J)番の層(Jは空気層を含む総層数)の屈折率がn2AG(j)、厚みがt2G(j)、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj番目の層の屈折率がn2BG(j)であるとしたとき、
Σt2L(i)=Σt2G(j)
であって、
Σ(n2AL(i)×t2L(i))−Σ(n2AG(j)×t2G(j))=0
Σ(n2BL(i)×t2L(i))−Σ(n2BG(j)×t2G(j))=(2S+1)λ1/2 (Sは整数)
または、
Σ(n2AL(i)×t2L(i))−Σ(n2AG(j)×t2G(j))=(2S+1)λ1/2
Σ(n2BL(i)×t2L(i))−Σ(n2BG(j)×t2G(j))=0
を満たすように構成すればよい。
(実施の形態2)
図4Aは、本発明の別の実施形態におけるホログラム素子の平面図を示す。図4Aに示すように、本実施形態におけるホログラム素子45では、周期的な光の位相差の量を互いに異ならせている領域D3、D4が短冊状に交互に形成されている。また、光軸中心に対して対称な位置には同じ性質のホログラム領域がそれぞれ配置されている。図4Bは、図4Aのホログラム素子45、1/4波長板44、対物レンズ43の側面図とこれらを往復透過する光の光線図を示している。図4Bに示すように往路で領域D3を透過した光はディスク46で反射されて復路で光軸中心に対角位置の領域D3で回折され、また往路で領域D4を通過した光は同じく復路で対角位置の領域D4で回折される。
図4Aにおいて、広いピッチの線で示される領域D4は実施形態1で示した領域D2と同じく、往路における波長λ1の直線偏光の光に対して、ホログラムの周期構造による位相差を生じず、復路においてはホログラムの周期構造により周期的に(2m1+1)π(m1は整数)の位相差を生ずる。また、往路での波長λ2の直線偏光の光に対してもホログラムの周期構造による位相差を生じない。復路では周期的に(2m1+1)πλ1/λ2(m1は整数)の位相差を生ずる。
また、狭いピッチの線で示される領域D3は実施形態1で示した領域D1と同じく、波長λ1の直線偏光の光に対してホログラムの周期構造により周期的に2nπ(nは0以外の整数)の位相差を持つ光に変換される。一方ディスクを反射して帰還(以降、復路と呼ぶ)する光は1/4波長板の作用で往路と直交する直線偏光になり、この偏光の光に対してホログラムの周期構造により周期的に(2m+1)π(mは整数)の位相差を持つ光に変換される。また、光学系の往路での波長λ2の直線偏光の光に対して、領域D3においてはホログラムの周期構造により波長比例で周期的に2nπλ1/λ2(nは0以外の整数)の位相差を持つ光に変換され、一部±1次光として回折し、大部分0次光として透過する。光学系の復路では、周期的に(2m+1)πλ1/λ2の位相差が発生しディスクの透明基材に複屈折があっても一部は回折する。
このような領域分割をすることで、波長λ1の光の往路がホログラムを透過する際、開口面積のほぼ半分の領域(領域D3)はホログラムの深さが深く回折ロスが生ずるが、もう半分の面積領域(領域D4)では回折ロスがない。このため全面を均一に領域D4と同じ構造にした従来の素子に比べて開口内の透過光量を向上させることができる。また、開口の半分(領域D3)は波長λ2の光に対して常に一部回折する条件となっているため、ディスク基材の複屈折が大きい場合でも信号光を確保することができる。
さらに別のメリットとして以下のことがある。図4Cは、図4Aに示したホログラム素子45の一部断面と、光検出器42a、42b、42c、42dおよびホログラム45とにより回折された光が、これらの光検出器に入射する光線状態を示している。光検出器42aおよび42dは光軸に近い側に設置されており、光検出器42b、42cは光軸から遠い方に設置されている。往路で発生した±1次回折光は図4Bで示したように、ディスク反射され再び光軸中心に対角位置でホログラム素子45に入射する。復路の光線はホログラム素子45で回折されることで光検出器に導かれるわけであるが、この回折角はホログラムのピッチによって決まり、ピッチが小さいほど回折角は大きい。往路でホログラムのピッチが小さい領域D3を通過し、発生した0次光および1次回折光は、ディスクで反射され、復路で再びピッチが小さい領域D3を通り、ホログラムで回折される。ここで、この領域からの回折光を取り込む光検出器を、光軸から遠い方の42bおよび42cに設定する。これにより本来不要な迷光成分である往路で発生した1次回折光が、復路でホログラムにより回折され光検出器に戻るときの光エネルギを低減できる。これは往路で発生する1次回折光の回折角が大きいため、対物レンズへの入射角度が大きくなり、ディスク状の像が収差でぼやけることによる。すなわち、短冊状に分割したホログラム領域のうち、往路で1次回折光が発生しない領域D4のホログラムによる帰還光を光軸に近い側に配置し、往路で1次回折光が発生する領域D3のホログラムによる帰還光を光軸から遠い方に配置すれば、迷光成分による信号のオフセット量を低減することができる。
なお、本実施例ではピッチの小さい方の領域を往路で一部回折する場合を説明したが、検出器が光軸からは離れており迷光の影響が十分小さい場合、逆にピッチの小さい方を往路で完全透過、ピッチの大きい方を一部回折としてもよい。高次回折による回折ロスの影響はピッチの小さい方が形状作用で影響がでやすいのでこの場合、ピッチのより大きい、比較的回折ロスの小さい領域で一部回折による往路のロスが発生するようにすれば、開口全体での透過光量から考えれば伝達効率上優位である。
また、以上実施例1,2で円形および輪帯の領域分割と、短冊状の分割を例示したが開口の領域分割形状は目的に応じて別の形状であっても良い。
(実施の形態3)
図5は、本発明の別の実施形態として、さらに別の波長λ3のレーザを搭載した3波長タイプの光ピックアップの構成の一部を示す。同図ではDVD用の波長λ1(=650nm)の光とCD用の波長λ2(=800nm)の光との2つを出射するモノリシックレーザ光源52、およびこれらの光を用いる光記録媒体からの反射光を受光する光検出器53とを一体化したレーザユニット49と、ブルーレイやHD−DVD用の波長λ3(=405nm)のレーザ光源51と、その光記録媒体からの光を受光する光検出器55とを一体にしたレーザユニット48を備える。DVDおよびCDの光源52からの光とブルー用光源51からの光とは偏光方向が互いに直交している。DVDおよびCD光源52からの光は、表面に波長選択膜53aを施したプリズム54を透過してコリメートレンズ56を経て、ホログラム素子57および波長板58とからなる偏光素子59を透過する。集光レンズ60で光記録面61または62に集光され反射した光は往路と逆の光路をたどり、ホログラム素子57で回折され、光検出器53によって検出される。また、ブルー用の光源51からの光はプリズム54の表面で反射され、以降、コリメートレンズ56、偏光素子59を経て集光レンズ60で光記録面63に集光され、反射した光はホログラム素子57で回折され光検出器55によって光量検出される。
図6は、図5の光ピックアップで用いられているホログラム素子57の平面図を示す。図6のように、ホログラム素子57の領域は3つの領域に分かれており、それぞれD1(直径d1の円形領域)、D2(外径がd2内径がd1の輪帯領域),D3(外径がd3内径がd2の輪帯領域)とすると、直径d1の円形領域はCD用の開口、直径d2の円形領域はDVD用の開口、直径d3の円形領域はブルー用の開口である。これは、より高い集光性を要するものが高いNAが必要であるためである。
(表1)は、これらの分割された領域について、各波長の光に対してホログラムの往路・復路で発生する周期的な光の位相差の設定の一例を示す。(表1)のように設定することで、D1,D2に対するCDおよびDVD用の波長の光については、実施形態1で示したのと同様の作用・効果を有し、CD、DVDの開口外のD3領域については、D1と同じくD3で完全透過条件を満たすブルー用の透過光量は高い。このため、さらに短波長であるブルーの光に対する光量損失を抑えつつCD、DVDおよびブルー用の検出分岐素子を共用化することができる。
Figure 2005317063
本発明による光ピックアップは、1台の装置で複数の異なる光記録媒体への記録再生を行う光情報記録装置のデバイスとして、特に異なる波長の光源と光検出器とを一体化して形成することで小型で低コストであることが要求されるCD、DVD、ブルーレイといった記録型の光ディスク装置等の用途に適用できる。
本発明の一実施形態における光ピックアップの構成図 同ホログラムの平面図 同ホログラムの側面図と波長λ1の光の挙動を示す図 同ホログラムの側面図と波長λ2の光の挙動を示す図 同ホログラムの断面構成図 本発明の他の実施形態におけるホログラムの平面図 同光ピックアップの要部構成図 同ホログラム素子と光検出器との位置関係を示す図 本発明の別の実施形態に於ける光ピックアップの構成図 同ホログラム素子の平面図 従来の光ピックアップの要部構成図 同ホログラムの側面図と波長λ1の光の挙動を示す図 同ホログラムの側面図と波長λ2の光の挙動を示す図 ホログラム溝のテーパ部幅と0次回折光の透過率との相関図
符号の説明
1 レーザ光源
2 光検出器
3 レーザユニット
4 コリメートレンズ
5 ホログラム素子
6 波長板
7 偏光素子
8 対物レンズ

Claims (18)

  1. 少なくとも2種類の波長の光が通過する光路に配置するホログラム素子であって、ホログラムにより生ずる周期的な光の位相差の大きさをホログラム素子面内の複数の領域で互いに異ならせていることを特徴とするホログラム素子。
  2. 少なくとも2種類の波長の光が通過する光路に配置するホログラム素子であって、素子面内のある領域D1において少なくとも1種類の波長の光は偏光状態に依存して完全透過ないしは完全回折し、他の少なくとも1種類の波長の光は偏光状態に依存しないもしくは偏光状態に依存するがあらゆる偏光に対して完全回折にはならないとともに、素子面内の別の領域D2では、これらの波長の光がいずれも偏光状態に依存して完全透過ないしは完全回折することを特徴とする請求項1記載のホログラム素子。
  3. ホログラム素子が、素子面内の領域D1においては方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπの位相差(ただしnは0以外の整数)をなす光に変換し、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただしmは整数)をなす光に変換するとともに、方位Aと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、素子面内の領域D2においては方位Aに偏光方向を有する波長λ1、波長λ2の直線偏光の光がともに周期的な位相差がゼロであり、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただしmは整数)をなす光に変換するとともに、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換することを特徴とする請求項2記載のホログラム素子。
  4. ホログラム素子面内の領域D1における透過光の位相を周期的に異ならせる周期構造が一つまたは複数の層からなる膜構造が交互に形成されてなり、交互に形成された膜構造の一方は、ある方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi(i=1,2,3・・・I)番目の層(Iは空気層を含む総層数)の屈折率がn1AL(i)、厚みがt1L(i)、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi番目の層の屈折率がn1BL(i)であるとし、膜構造のもう一方は方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj(j=1,2,3・・・J)番の層(Jは空気層を含む総層数)の屈折率がn1AG(j)、厚みがt1G(j)、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj番目の層の屈折率がn1BG(j)であるとしたとき、
    Σt1L(i)=Σt1G(j)
    であって、
    Σ(n1AL(i)×t1L(i))−Σ(n1AG(j)×t1G(j))=Nλ1 (Nは0以外の整数)
    Σ(n1BL(i)×t1L(i))−Σ(n1BG(j)×t1G(j))=(2M+1)λ1/2 (Mは整数)
    または、
    Σ(n1AL(i)×t1L(i))−Σ(n1AG(j)×t1G(j))=(2M+1)λ1/2
    Σ(n1BL(i)×t1L(i))−Σ(n1BG(j)×t1G(j))=Lλ1
    を満たすとともに、ホログラム素子面内の領域D2における透過光の位相を周期的に異ならせる周期構造が、同じく一つまたは複数の層からなる膜構造が交互に形成されてなり、交互に形成された膜構造の一方は、方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi(i=1,2,3・・・I)番目の層(Iは空気層を含む総層数)の屈折率がn2AL(i)、厚みがt2L(i)、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してi番目の層の屈折率がn2BL(i)であるとし、膜構造のもう一方は方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj(j=1,2,3・・・J)番の層(Jは空気層を含む総層数)の屈折率がn2AG(j)、厚みがt2G(j)、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光に対してj番目の層の屈折率がn2BG(j)であるとしたとき、
    Σt2L(i)=Σt2G(j)
    であって、
    Σ(n2AL(i)×t2L(i))−Σ(n2AG(j)×t2G(j))=0
    Σ(n2BL(i)×t2L(i))−Σ(n2BG(j)×t2G(j))=(2S+1)λ1/2 (Sは整数)
    または、
    Σ(n2AL(i)×t2L(i))−Σ(n2AG(j)×t2G(j))=(2S+1)λ1/2
    Σ(n2BL(i)×t2L(i))−Σ(n2BG(j)×t2G(j))=0
    を満たすことを特徴とする請求項3記載のホログラム素子。
    (Σはi=1〜Iまでの総和およびj=1からJまでの総和を示す。)
  5. ホログラム素子面内の領域D1において屈折率異方性をもつ部分と屈折率が等方性である部分とが交互に形成された厚みdの周期構造を持ち、波長λ1の常光、異常光に対して前記屈折率異方性部の屈折率をそれぞれn0、n1、波長λ1の光に対して前記屈折率等方性部の屈折率をn3としたとき、d、n1,n2、n3および光の波長λ1
    d(n3−n1)=Lλ1 (ただしLは0以外の整数)
    かつ
    d(n3−n2)=(2M+1)λ1/2 (ただしMは整数)
    を満たす、もしくは
    d(n3−n1)=(2M+1)λ1/2 (ただしMは整数)
    かつ
    d(n3−n2)=Lλ1 (ただしLは0以外の整数)
    を満たすとともに、ホログラム素子面内の領域D2において同じく屈折率異方性をもつ部分と屈折率が等方性である部分とが交互に形成された厚みd1の周期構造を持ち、波長λ1の常光、異常光に対して前記屈折率異方性部の屈折率をそれぞれn01、n11、波長λ1の光に対して前記等方性屈折率部の屈折率をn31としたとき、d1、n01,n11、n31および光の波長λ1
    1(n31−n01)=0
    かつ
    1(n31−n11)=(2M+1)λ1/2 (ただしMは整数)
    を満たす、もしくは
    1(n31−n01)=(2M+1)λ1/2 (ただしMは整数)
    かつ
    1(n31−n11)=0
    を満たすことを特徴とする請求項3記載のホログラム素子。
  6. 屈折率異方性領域が透明基板上に形成された有機薄膜により構成されていることを特徴とする請求項4または5何れかに記載のホログラム素子。
  7. 屈折率異方性基板に周期的に形成された凹凸の凹部に等方性材料を充填してなる周期構造を有する請求項5記載のホログラム素子。
  8. 2種類以上の波長の放射光源と、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐するホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器とを備え、ホログラム素子が偏光性を有しておりレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、ホログラム素子面内の複数の領域でホログラムにより生ずる周期的な光の位相差を互いに異ならせていることを特徴とする光ピックアップ。
  9. 2種類以上の波長の放射光源と、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐するホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器とを備え、ホログラム素子が偏光性を有しておりレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、素子面内のある領域D1において1種類の波長の光は偏光状態に依存して完全透過ないしは完全回折し、別の1種類の波長の光は偏光状態に依存しないもしくは偏光状態に依存するがあらゆる偏光に対して完全回折にはならないとともに、素子面内の別の領域D2では、両方の波長の光が偏光状態に依存して完全透過ないしは大部分回折することを特徴とする請求項8記載の光ピックアップ。
  10. 2種類以上の波長の放射光源と、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐するホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器とを備え、ホログラム素子が偏光性を有しておりレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、ホログラム素子が素子面内の領域D1においては、方位Aに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπの位相差(ただしnは0以外の整数)をなす光に変換し、これと直交する方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただしmは整数)をなす光に変換するとともに、方位Aと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ2nπλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換し、素子面内の領域D2においては、方位Aに偏光方向を有する波長λ1、波長λ2の直線偏光の光をともに周期的な位相差を与えずに透過し、方位Bに偏光方向を有する波長λ1の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πの位相差(ただしmは整数)をなす光に変換するとともに、方位Bと略一致する偏光方向を有する波長λ2の直線偏光の光を周期的にほぼ(2m+1)πλ1/λ2の位相差をなす光に変換することを特徴とする請求項9記載の光ピックアップ。
  11. 放射光源が互いに異なる波長の光を出射する1チップまたは複数のチップからなるレーザ光源であって、レーザ光源からの光を光情報媒体に集光する集光レンズと光情報媒体からの反射光を回折分岐する偏光性のホログラム素子と前記ホログラム素子により分岐された光を受光する光検出器をレーザ光源に近接して配置されていることを特徴とし、ホログラム素子がレーザ光源から光情報媒体までの往路と光情報媒体から光検出器までの復路との共通する部分に設けられていて、ホログラム素子により周期的に異ならせる光の位相差がホログラム素子面内の領域で2種類またはそれ以上に異ならせていることを特徴とする請求項8〜12何れかに記載の光ピックアップ。
  12. 直径D2の円領域に相当する領域では異なる波長を全て透過し、それ以外の領域では特定の波長の光を遮光する開口制限手段をホログラム素子と組み合わせたことを特徴とする請求項8〜11何れかに記載の光ピックアップ。
  13. レーザ光源より出射される異なる波長の光に対する開口径が互いに異なっており、波長λ11、波長λ2それぞれの開口径をD1,D2(D1>D2)としたとき、直径D2の円内ではホログラムの周期構造で発生する位相差が波長λ1の光の往路ではλ1のm倍(mは0以外の整数)、復路では(m±1/2)πであり、直径D2の円内を除いた直径D1の円内の領域ではホログラムの凹凸構造で発生する位相差が波長λ1の光の往路では0であり、復路では(N±1/2)π(Nは整数)であることを特徴とする請求項12記載の光ピックアップ。
  14. ホログラム素子と対物レンズとの間に波長板が配置されており、前記波長板が複数の光源から放射される異なる波長の光のうち、少なくとも一つの波長λ3に対してほぼ(2M−1)λ3/4のレタデーション(Mは整数)を有し、別の少なくとも一つの波長λ4の光に対してほぼNλ4のレタデーション(Nは整数)を持つことを特徴とする請求項8〜13何れかに記載の光ピックアップ。
  15. ホログラム素子と対物レンズとの間に波長板が配置されており、前記波長板が複数の光源から放射される異なる波長の光のうち、少なくとも一つの波長λ3に対してほぼ(2M−1)λ3/4のレタデーション(Mは整数)を有し、別の少なくとも一つの波長λ5の光に対してほぼ(2N−1)λ5/2のレタデーション(Nは整数)を持つことを特徴とする請求項8〜14何れかに記載の光ピックアップ。
  16. 短冊状または格子状に分割されたホログラム素子面内の領域で隣り合う領域と互いに交互にホログラム素子の周期構造で発生する位相差が異なることを特徴とする請求項8〜15何れかに記載の光ピックアップ。
  17. 短冊状または格子状に分割されたホログラム素子面内の領域のうちホログラムの周期構造のピッチが小さい方が領域D1であり、周子構造のピッチが大きい方が領域D2であることを特徴とする請求項8〜16何れかに記載の光ピックアップ。
  18. ホログラム素子が対物レンズ移動手段の可動部に搭載されていることを特徴とする請求項8〜17何れかに記載の光ピックアップ。
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