JP2005316613A - 校正装置、校正方法、校正プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム - Google Patents

校正装置、校正方法、校正プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】 簡易かつ使い勝手の良いシステムで高精度のカラーマッチングを実現することができなかった。また、複数のプリンタについて高精度のカラーマッチングを行うことが困難であった。
【解決手段】 校正の対象となる特定色の指定を受け付け、階調値の異なる複数の画像データによって色を指定することで上記特定色を含めた複数の色によるパッチを出力させる印刷データを生成し、当該生成された印刷データに基づいて校正を行う印刷装置に複数のパッチを印刷させ、印刷された複数のパッチの中で上記特定色となっているパッチの指定を受け付け、当該指定されたパッチの色を出力するための画像データを上記特定色を印刷するための特定色データとして所定の記録媒体に記録する。
【選択図】 図2

Description

本発明は校正装置、校正方法、校正プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
プリンタにおいては、所定の色成分によって画素毎の色を表現した入力画像データをプリンタで使用するトナーやインクの色を色成分とした出力画像データに変換して印刷を行う。このとき、印刷結果が入力画像データで指示した色と一致するように、いわゆるカラーマッチングがなされる。カラーマッチングは、通常、LUT(ルックアップテーブル)を利用することによって担保される。すなわち、当該LUTを参照して入力画像データを出力画像データに変換して印刷を行った印刷物が、入力画像データの指示色に一致するようにLUTを作成している。
また、高精度にカラーマッチングを行うことを目的として技術開発がなされている。例えば、特定のインクメーカーが指定する特定のインクを利用することを前提とし、そのインクにて出力される色見本から選ぶようにシステムを構築したり、特許文献1の様に(r,g,b)値とともにカラーチャートを印刷し、特定の色と入力値とを対応づける技術がある。
特開平11−129549号公報
上述の技術においては、簡易かつ使い勝手の良いシステムで高精度のカラーマッチングを実現することができなかった。また、複数のプリンタについて高精度のカラーマッチングを行うことが困難であった。
すなわち、LUTは、通常、限られた数の参照点について入出力画像データの対応関係を規定しているので、任意の色については補間演算等を利用して変換する必要がある。このため、補間精度の範囲内でしか色が一致しない。また、複数のプリンタ間でカラーマッチングを行うには、個々のプリンタで独自に校正を行う必要があり、校正を行ったとしても各プリンタ毎に補間精度が異なれば、やはりプリンタ間で色が一致せず、運用が困難であった。
また、上記色見本を利用するシステムは、高価なプリンタやコンピュータを伴うシステムであり、汎用的なプリンタでこのシステムを利用することはできなかった。さらに、このシステムや特許文献1においては、画像データを作成する時点で色見本の番号や階調値を指定する必要があり、使い勝手が悪かった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、簡易な構成で使い勝手が良く高精度のカラーマッチングを実現することが可能な校正装置、校正方法、校正プログラム、印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では特定色を校正の対象として受け付け、当該特定色が出力されるように複数の色によるパッチを出力する。出力されたパッチに特定色が含まれれば、そのパッチの指定を受け付けることにより、当該特定色を出力するための画像データを把握することができる。そこで、この画像データを特定色データとして記憶しておけば、以後、特定色の印刷を行う際にこの特定色データを参照することによって容易に特定色での出力を得ることができる。
すなわち、本発明によれば、利用者自らが印刷装置で印刷を行い、特定色を出力するための特定色データを登録することができるので、特定のインクメーカーのインクに対応したシステムを必要とせず、簡易な汎用的な印刷装置で所望の特定色を得ることができる。さらに、一旦特定色データを特定色データ記録手段に記録すれば、これ以後は特定色の指定のみで特定色での印刷を実施可能であり、印刷の度に色見本を参照する必要がなく非常に使い勝手がよい。
特に、特定の会社のロゴマークなど、特定色が予め決められている画像については、毎回同じ色で印刷することが要求される。特定色データが記録されていれば、印刷の際に特定色を検出し当該特定色データを参照することで、特定色の印刷を自動化することも可能であるので、同じ色を繰り返して印刷する作業が非常に簡略化される。また、同じ色を印刷するに際して毎回色見本を参照したり、階調値を調整するなどの人為的な作業を省くことができる。さらに、特定色を印刷するための画像データを直接的に指定するので、補間演算など精度を低下させる要因が生じ得ず、非常に高精度に特定色を得ることができる。
ここで、校正対象特定色受付手段においては、特定の色の指定を受け付けることができれば良く、種々の構成を採用可能である。例えば、ディスプレイなど所定の出力装置によって特定色を指定するためのUI(User Interface)を出力し、キーボードやマウスなど所定の操作入力装置によって特定色を指定する構成を採用し、当該操作入力装置における入力内容に基づいて特定色を指定するデータを取得する構成を採用可能である。
印刷データ生成手段においては、特定色を含めた複数の色によるパッチを出力させるための印刷データを生成することができればよく、種々の構成を採用可能である。例えば、パッチの大きさは特に限定されないが、各パッチにおいては一定の色になるようにパッチを示す画像データを決定する。また、複数のパッチを印刷し、これらのパッチの中に特定色が含まれるようにすることができれば良く、実際に複数のパッチを印刷し、特定色のパッチが含まれていなかったときには画像データを変更して再度印刷データを生成する構成にしても良い。
複数のパッチを印刷し、その中に特定色が含まれるようにするのは、階調値の異なる複数の画像データによって色を指定することで実現される。すなわち、本発明においては、特定色の校正を行うことを目的としているので、校正前(特定色データの記録前)にはどのような画像データで特定色を印刷できるのか正確に把握することはできない。しかし、通常の印刷装置においては、例えばLUT等のプロファイルを利用するなどしてある程度の精度で特定色を印刷できる状態である。
いずれにしても、高度の精度を要求せずに、特定色に近い色と思われる色を指定するのであれば、その画像データは容易に決定することができる。そこで、この画像データおよびこの画像データに近い階調値であって階調値の異なるデータによって色を指定した複数のパッチを出力すれば、いずれかが特定色である可能性が非常に高い。この結果、容易に特定色のパッチを出力させることが可能になる
印刷制御手段においては、印刷データに基づいてパッチを印刷させることができればよく、本発明にかかる校正装置が印刷装置と別体のコンピュータ等によって構成されていても良いし、印刷装置の内部のコンピュータ等によって構成されていても良い。尚、印刷制御手段は、むろん校正を行う印刷装置に印刷を実行させる。印刷装置が一台である場合には当然にその印刷装置に印刷を実行させるが、印刷装置が複数である場合には、校正対象の印刷装置に対して適正に印刷を実行させる。
パッチ指定受付手段は、上記特定色となっているパッチの指定を受け付けることができればよい。例えば、利用者が特定色のロゴマーク等と印刷された複数のパッチとを比較し、同じ色になっているパッチをキーボードやマウスなど所定の操作入力装置によって入力することで特定色を指定する構成を採用し、当該操作入力装置における入力内容に基づいて特定色のパッチを指定するデータを取得する構成を採用可能である。むろん、特定色となっているか否かを判定するために印刷されたパッチの測色を行い、測色結果に基づいてパッチの色と特定色とを比較し、一致したときにそのパッチを指定する構成を採用しても良い。
特定色データ記録手段は、指定されたパッチを印刷する際に使用した画像データを特定色データとして記録することができればよい。すなわち、以後、特定色を印刷する際に当該画像データにて印刷を実行させられるようにその情報を所定の記録媒体等に記録しておけばよい。尚、画像データにおいては特定色を出力するために使用するインクやトナーの量を一義的に指定し、一定の色を指定することができれば良く、通常の印刷装置において利用されるRGB(レッド,グリーン,ブルー)等の入力画像データであってもCMYK系(シアン,マゼンタ,イエロー,ブラック)等の出力画像データであっても良い。
但し、入力画像データは、通常LUT等の色変換を経るので、インクやトナーの量を直接的に指定する出力画像データであることが好ましい。むろん、入力画像データとしては、上記RGBデータに限らず、CMYやCMYKデータであっても良いし、L***データ等であっても良い。また、出力画像データとしても、CMYKの4色に限らずlc(ライトシアン),lm(ライトマゼンタ),DY(ダークイエロー)等のいずれかまたは組み合わせを加えても良いし、RGBやV(バイオレット)等を加えても良く種々の構成を採用可能である。
尚、印刷データ生成手段において階調値の異なる複数の画像データによって色を指定する際には、特定の色を指定する画像データを中心に階調値を変動させると色の変化を体系的に捉えることができて好ましい。むろん、画像データにおいては、複数の色成分毎の階調値を特定しており、階調値にて指定される各色成分毎の色を組み合わせることによって画素の色を特定しているので、各色成分の階調値を変動させることになる。
また、印刷データ生成手段における構成例として、印刷装置にて画像を印刷する際に参照されるプロファイルを利用する構成を採用可能である。すなわち、当該プロファイルにおいては、カラーマッチングがなされるように複数の参照点にて入出力画像データを対応づけるなどして作成される。従って、補間によって変換精度が低下するものの、プロファイルを参照すればある程度の精度を確保した状態で任意の入力画像データに対応する色を出力させる出力画像データを取得することができる。
そこで、プロファイルに従って上記特定色に相当する色を出力するための階調値を取得し、この階調値を中心に階調値を増減させれば、特定色に非常に近い色を中心に階調値を変化させた複数の画像データを取得することができる。この画像データによって印刷データにおけるパッチの色を特定すれば、それらのパッチに特定色が含まれる可能性が非常に高い状態でパッチを印刷させる印刷データとすることができる。
また、印刷データ生成手段における構成例として、本発明における構成を実施可能な印刷装置を複数用意するとともに所定の通信路で接続し、校正済みの印刷装置のいずれかからその特定色データを取得する構成を採用可能である。すなわち、同じ機種の印刷装置であれば特定色を出力するために必要な画像データの階調値が同一かあるいは近い値になる可能性が高い。
そこで、校正済みの印刷装置からその特定色データを取得し、当該特定色データとしての画像データが示す階調値を中心に階調値を変動させれば、非常に高い確率で特定色のパッチを含む複数のパッチを印刷させるように印刷データを生成することができる。尚、通信手段においては複数の印刷装置と通信を行うことができれば良く、通信路は有線、無線いずれにも限定されないしプロトコル等も限定されず、種々の構成を採用可能である。
通信路を介して複数の印刷装置と通信を行う場合、校正を適用する印刷装置を限定できるように構成することも可能である。例えば、校正を適用する印刷装置の指定を受け付け、当該指定された印刷装置を示す印刷装置指定データを記録する。そして、印刷を実施する際に当該印刷装置指定データを参照すれば、このデータにて指定されている場合にのみ校正を適用するように印刷を制御することができる。
これにより、校正を適用する範囲を意図通りに制御することが可能になり、カラーマッチングを担保する範囲を意図通りの範囲内に限定することができる。従って、未校正の印刷装置で高精度の特定色を出力しないようにすることができる。すなわち、本発明における特定色データは、特定色を出力するための画像データを特定することができれば良く、特定色データを参照できるように構成する限りにおいて、印刷装置を制御するドライバソフトウェアや印刷装置の機種に依存しない形でデータを定義することが可能である。
このため、特定色データを使用して校正を適用する範囲を限定できるように構成しておけば、複数の印刷装置を利用する際にも簡単に適正な運用を実施することができる。校正を適用する印刷装置を示す印刷装置指定データの態様としては、種々の態様を採用可能である。例えば、特定色データと個別の印刷装置等を対応づけたり、校正を適用する印刷装置に共通のグループ名をつけて校正の適用対象とするなどの構成を採用可能である。
前者は、個別の印刷装置で校正を実施し、校正結果を適用する場合に好ましい構成であり、後者は、複数の印刷装置で特定色データを流用して印刷や校正を行う場合に好ましい構成である。尚、個別の印刷装置を特定するためには、印刷装置に固有のIDや機種名、印刷装置の名前等を示すデータを使用可能であるし、グループ名は同じネットワーク内で利用者を制限するために利用するグループ名等を利用可能である。
印刷データ生成手段において複数のパッチの色を特定する複数の画像データを生成する際に好ましい構成例として、階調値を増減させる際の変動幅と階調値を増減させる色成分との指定を受け付ける構成を採用可能である。すなわち、この指定に応じて階調値を増減させることにより、利用者所望の変化ピッチで色が変化するパッチを印刷することができる。また、利用者所望の色を変化させたパッチを印刷することができる。
従って、校正の初期には色の変化ピッチを大きくして容易に特定色に近い色を発見できるようにパッチを印刷し、特定色に近い色を発見した後には色の変化ピッチを小さくして特定色に一致するパッチを見つけるようにすることで、非常に容易かつ高精度に校正を行うことができる。また、複数の印刷装置において、調整すべき階調値や色が一致または類似していることが多いので、校正済みの印刷装置において調整した色と同じ色を先に調整するなどすれば、無駄なパッチの印刷を容易に省くことができる。
校正対象特定色受付手段において特定色を指定するための校正としては種々の構成を採用可能である。例えば、プロファイル等による色変換前の入力画像データで使用する表色系での入力階調値によって特定色を指定しても良い。すなわち、入力画像データの表色系における色成分毎の階調値を指定すれば、特定の色であることを明示することができるので、当該指定された階調値である場合には本発明における特定色を指定しているとする。
入力階調値によって特定の色であることが明示されているとしても、プロファイル等の変換を経てCMYK等の出力階調値が得られる場合は、特定の色であることが厳密に保証されるとは限らないので、本発明による校正を実施する価値がある。尚、入力階調値においては、少なくとも、特定色を指定していることを明示していればよいので、その表色系は機器依存色空間であっても良い。
すなわち、入力階調値に基づいてディスプレイ等の画像機器で画像を出力した場合にその色が厳密に一定とはならず、色自体が特定色に一致していないとしても、その入力階調値であれば特定色を印刷するという処理を実施することができればよい。むろん、機器非依存色空間、例えばL***等によって特定色であることを明示するとともにその色自体を指定する構成であっても良い。
また、特定色を明示するために印刷媒体上の部位を指定しても良い。すなわち、色のみならず印刷媒体上の位置を含めて校正を適用する対象を特定する。この結果、ロゴマークなど決まった位置に印刷される画像に対して本発明を確実に適用し、決まった位置以外の画像には本発明を適用しない様にすることができる。本発明においては、特定色についてプロファイル等の変換によらず特定色データに基づいて印刷を実施する。
従って、特定色に近いが特定色と異なる色を含む画像、例えば、グラデーションの画像について特定色データを参照すると、特定色と他の色とでトーンジャンプが発生し得る。そこで、特定色が記録される印刷媒体上の部位を限定すれば、所望の画像に対してのみ本発明を適用することが可能になり、所望の画像以外にて画質を低下させることを防止することができる。
尚、印刷媒体上の部位を指定するための構成は種々の構成を採用可能である。例えば、画像をドットマトリクス状の画素で構成する場合には、印刷媒体上の印刷可能範囲に画素が対応しているので、画素を指定する座標系を想定すれば印刷媒体上の部位を特定することができる。むろん、ここでは特定の印刷オブジェクトを指定することができればよいので、座標によって特定の領域を指定するように構成可能である。
さらに、特定色に対応させた固有の識別符号にて特定色を指定しても良い。すなわち、特定色について固有の識別符号を付することにより、容易に特定色の管理を行うことが可能になる。例えば、複数の印刷装置を利用する場合に、識別符号を用いれば、容易に特定色を一義的に特定し、特定色データとすることができる。この結果、例えば、ある特定色を出力させるための画像データが印刷装置毎に異なるとしても、識別符号により容易に印刷装置毎に異なる特定色データを取り扱うことが可能になる。また、一台あるいは複数台のコンピュータから複数の印刷装置を制御する場合であっても識別符号を特定色データに対応づけて特定色を管理することにより、いずれの印刷装置に対して校正がなされたものであるのかを容易に把握することができる。
本発明による校正がなされた状態、すなわち、特定色データ記録手段に特定色データが記録されている状態においては、校正を反映させた印刷を実施することができる。このためには、印刷データに基づいて印刷を実行する印刷制御装置において、校正を反映させる対象の特定色を受け付け、受け付けられた特定色については特定色データを参照して色を指定しながら印刷を実施する構成を採用可能である。
この印刷制御装置の印刷データ取得手段で取得する印刷データは、印刷媒体上に形成する画像を示しており、特定色の部位を含むとは限らない。そこで、校正反映特定色受付手段にて特定色の指定を受け付ける。特定色が指定され、指定された特定色を印刷するための画像データを示す特定色データが存在すれば、本発明における校正を反映させることができるので、当該特定色データに従って色を指定する。この結果、特定色について高精度のカラーマッチングを行いながら印刷を実施することが可能になる。
また、特定色での印刷を望む場合には、利用者が特定色で印刷させるべき画像を含む印刷データを生成し、特定色を指定すればよく、印刷データや画像データを作成する際に色見本と比較するなどの作業が不要である。従って、簡単に高精度のカラーマッチングを行わせることができ、非常に使い勝手の良いシステムを提供することができる。さらに、前もって特定色データを作成すれば、どのようなインク、印刷装置であっても本発明における校正を反映することができるので、汎用的で安価な印刷装置にて高精度のカラーマッチングを行うことができる。
印刷制御装置における校正反映特定色受付手段でも、特定色を指定するために上述と同様の入力階調値と印刷媒体上の部位と識別符号とを採用可能である。すなわち、入力画像データの表色系における色成分毎の階調値(入力階調値)を指定すれば、容易に特定色を明示することができる。むろん、表色系は機器依存色空間であっても良いし、機器非依存色空間であっても良い。
また、特定色を明示するために印刷媒体上の部位を指定すれば、ロゴマークなど決まった位置に印刷される画像に対して本発明を確実に適用し、決まった位置以外の画像には本発明を適用しない様にすることができる。この結果、所望の画像に対してのみ本発明を適用することが可能になり、所望の画像以外にて画質を低下させることを防止することができる。むろん、印刷媒体上の部位を指定するための構成としては、画像に設定した座標等を採用可能である。さらに、特定色に対応させた固有の識別符号にて特定色を指定すれば、容易に特定色の管理を行うことが可能になる。
また、特定色データ記録手段は、校正済みの特定色データを記録しておけば良く、最も単純には、校正を反映させる印刷装置によって出力したパッチに基づいて作成した特定色データを所定の記録媒体に記録しておく構成を採用可能である。また、通信手段によって複数の印刷装置と通信を行う構成において、印刷を実施する印刷装置以外の印刷装置によって出力したパッチに基づいて作成した特定色データを所定の記録媒体に記録し、印刷時に参照する構成としても良い。
すなわち、後者の構成においては、校正済みの印刷装置における特定色データを取得しており、印刷を実施する印刷装置自体で校正を行ったのではないが、同じ機種の印刷装置を複数台利用する場合には、複数の印刷装置にて特定色データが共通あるいはデータ値が近いことが考えられる。この場合は、校正を行っていない印刷装置でも校正済みの印刷装置の特定色データを流用することで、校正を行わない場合と比較して高精度のカラーマッチングを行うことが可能になる。
尚、この構成は、特に、印刷装置の運用開始直後や同じ時期に校正を行った印刷装置など、個別の印刷装置における特性が似ていると思われる印刷装置で適用するのが好ましい。また、他の校正済みの印刷装置における特定色データを流用することで、校正を行っていなくても常に最新の校正済みデータを利用して印刷を実施することが可能になる。
ところで、上述した校正装置や印刷制御装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上述した複数のパッチを印刷して特定色を出力するための画像データを決定したり、当該決定された画像データに基づいて印刷を行う手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。したがって、本発明は方法としても適用可能であり、請求項10,請求項11にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。本発明を実施しようとする際に、印刷制御装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。本発明は、そのプログラムとしても適用可能であり、請求項12,請求項13にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
むろん、請求項2〜請求項6,請求項8〜請求項9に記載された構成を上記方法やプログラムに対応させることも可能である。また、いかなる記憶媒体もプログラムを提供するために使用可能である。例えば、磁気記録媒体や光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現される場合においても本発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む形態のものも含まれる。さらに、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地なく同等である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)校正装置および印刷制御装置の構成:
(1−1)プリンタドライバの構成:
(1−2)ユーティリティプログラムの構成:
(2)印刷装置の構成:
(3)処理フローチャート:
(3−1)校正処理:
(3−2)印刷制御処理:
(3−3)詳細処理:
(4)他の実施形態:
(1)校正装置および印刷制御装置の構成:
図1は、本実施形態にかかる校正装置および印刷制御装置となるシステムを示すブロック図である。本実施形態において、校正装置および印刷制御装置の主要部分はコンピュータ10によって構成され、コンピュータ10によってプリンタを制御することによって校正装置および印刷制御装置としてのシステムを実現している。コンピュータはCPU11,RAM12,ROM13等を備えるプログラム実行環境を備えており、図示しないOS(Operating System)の実行下にて各種プログラムを実行可能である。
本実施形態においては、印刷対象の画像を作成するためのアプリケーションプログラム(APL)15とプリンタドライバ(PRTDRV)20とユーティリティプログラム30とを実行可能である。また、図示しないドライバプログラムおよびPRTDRV20の制御によってコンピュータ10に接続される各種機器を制御することができる。すなわち、所定のインタフェース(I/F)14aにはディスプレイ16、I/F14bにはキーボード17aおよびマウス17b、I/F14cにはプリンタ40a,40bが接続されており、ドライバプログラムによって各種データを送受信し、これらの機器を使用する。尚、図1においては、プリンタ40a,40bを示しているが、さらに他のプリンタを接続してコンピュータ10から制御可能である。
(1−1)プリンタドライバの構成:
校正は上記PRTDRV20およびユーティリティプログラム30が連携して処理を行うことによって実現され、印刷制御は上記PRTDRV20の処理によって実現しており、このために、PRTDRV20は印刷データ作成部21とUI制御部22とを備えている。印刷データ作成部21は、さらに描画制御部21aとPDL制御部21bとを備えており、これらの処理によって所望の画像を印刷させるための印刷データを生成し、プリンタ40a,40bに出力可能である。
すなわち、描画制御部21aは、APL15によって印刷指示がなされた画像を示すデータを受け取り、このデータに基づいて印刷媒体上に記録すべき画像を描画するための描画データを作成する。このとき、画像における色を表現するための表色系を予め設定された表色系に設定し、この表色系で色を指定しながら描画を行う。この表色系としては、例えば、RGB表色系やCMYK表色系を採用可能であるが、むろんL***表色系等を採用しても良い。
PDL制御部21bは、当該描画データをPDL(Page Description Language)による表現に変換し、印刷データとしてプリンタ40a,40b等に出力する。また、このPDL制御部21bは、PDLによる印刷データを生成するにあたり、そのヘッダに各種データを書き込むことができる。本実施形態においては、特定色を印刷するための特定色データを書き込むことが可能であり、プリンタ40a,40bは受け取った印刷データのヘッダに記述された特定色データを参照して特定色を印刷する。さらに、PDL制御部21bは、校正時のパッチを印刷するための印刷データを出力することも可能である。すなわち、後述するユーティリティプログラム30によって決定される画像データによって複数のパッチの色を指定し、これらのパッチを印刷するための印刷データを生成/出力する。
尚、本実施形態における特定色データには、特定色を指定するためのデータとして特定色の出力を行うべき位置と上記予め設定された表色系で特定色を指定した入力階調値と後述する校正後の出力階調値(プリンタにおける色変換後の表色系での階調値)と当該特定色に対して割り当てられるIDとが含まれる。但し、本実施形態においては、校正後の出力階調値をプリンタの記録媒体に記録するようになっているので、PDL制御部21bによって印刷データに付加される特定色データには出力階調値を含まない。この特定色データは、後述するUI制御部22の特定色受付部22aによって後述の処理を行うことによって受け付ける。
また、本実施形態においては、校正結果を適用すべき印刷装置を制限することが可能であり、このために、プリンタ40a,40b等を使用する利用者名,利用者が所属するグループのグループ名,プリンタの機種を特定するためのデータ(機種名,印刷装置の名前等)を特定色データに含ませることができる。これらのデータを利用した処理は後述する。むろん、このほかにも各種データを含ませることができ、印刷ジョブにIDを付し、特定色データに合わせて記録することにより、特定色の校正を適用する印刷ジョブを限定することも可能である。
UI制御部22は、特定色受付部22aとUI表示部22bとを備えており、ディスプレイ16上にUIを表示し、特定色を受け付ける。すなわち、UI表示部22bは、UIを表示するためのUIデータによってディスプレイ16上のUIを制御し、特定色受付部22aはキーボード17aやマウス17bの操作に基づく制御データからUI上での指定内容を検出し特定色の指定を受け付ける。
図2は、当該UI制御部22によって表示されるUI16aの例である。同図に示す例では、左側に印刷媒体上での印刷イメージをプレビュー部16bに表示するようになっている。すなわち、この例においてUI表示部22bは、APL15によって印刷指示がなされた画像を示すデータを取得し、このデータに基づいてプレビュー部16bに対して印刷イメージを表示するための描画を行う。得られた描画の結果を示すデータはディスプレイ16に送信され、この結果、図2に示すようなプレビュー画面が表示される。
プレビュー部16bの右側には特定色データ表示部16c1,16c2が設けられており、これらの特定色データ表示部16c1,16c2には、上記プレビュー部16bにて指定される特定色に関する情報が表示される。より具体的には、図2に示すプレビュー部16bにおいては、マウス17bによってポインタPを操作し、印刷媒体上で矩形の領域を選択することができ、この矩形の領域で特定色を設定すべき位置および領域を指定するようになっている。さらに、矩形内に存在する画像の一点をポインタPで指定すると、その色に関する情報が特定色データ表示部16c1,16c2に表示される。
ここでは、特定色毎に固有の値になるように設定されたIDと特定色の入力階調値と位置および領域と登録済みであるか否かを示す情報が表示される。IDは特定色毎に固有の番号が付され、重複が生じないように自動で番号を付しても良いし、利用者が番号を入力できるように構成し既存の番号と重複しなければその番号を設定するように構成しても良く種々の構成が採用可能である。特定色の入力階調値は、上記印刷指示がなされた画像について予め設定された表色系での各色成分毎の階調値であり、図2においてはRGB表色系の階調値である。
特定色の位置は、上記矩形の設定後に上記ポインタPによって指定される点であって、当該矩形内の画像に設定される一点を示す座標である。領域は上記矩形の位置および大きさを示す情報であり、図2に示す例においては当該矩形の左上および右下の頂点を示す座標である。登録済みであるか否かを示す情報は、プレビュー部16bにて設定された特定色が校正対象のプリンタ40に登録(記録媒体に記録)されているか否かを示す情報である。すなわち、後述するユーティリティプログラム30によって表示中の特定色データにおけるIDと同一の特定色データがプリンタに登録されている場合には、登録済みと表示される。
尚、図2において受け付けた特定色データはRAM12に一時記憶され、校正時あるいは印刷時に使用される。また、上記特定色の位置および領域を特定する座標系としては、位置や領域を一義的に特定できれば良く種々の構成を採用可能である。例えば、プレビュー部16bの画面を構成する画素に対応した座標を想定してもよいし、予め設定された印刷解像度および印刷媒体の大きさを考慮して印刷媒体上に形成される画素に対応した座標を想定してもよい。また、上記図2によって特定色受付部22aが受け付ける特定色は、校正対象の特定色および校正反映対象の特定色の双方に該当する。すなわち、校正作業を実施する際に指定される特定色は校正対象であり、校正結果を反映した印刷を実施するために指定される特定色は校正反映対象である。
(1−2)ユーティリティプログラムの構成:
ユーティリティプログラム30は、上述のUI制御部22にて指定される特定色で印刷を行うための出力階調値を登録して校正済みの特定色データをプリンタに記録させるためのプログラムである。尚、ここで、出力階調値はプリンタで使用する出力画像データにおける表色系で色を表現したときの階調値であり、トナーやインクの量を指定する階調値である。
ユーティリティプログラム30は、上記出力階調値を取得するために、特定色データ取得部31とUI表示部32とパッチ指定受付部33と特定色データ生成部34とを備えている。本実施形態においては、複数のパッチを印刷し、その中から特定色となっているパッチを選択することによって上記出力階調値を決定しており、出力階調値を決定するために好ましいパッチを容易に印刷できるように、特定色データ取得部31はネットワーク上に接続されたプリンタに記録済みの特定色データを取得する。
すなわち、コンピュータ10はI/F14cを介して複数のプリンタ40a,40b等に接続されており、ネットワーク上の複数のプリンタに対して制御を実施可能である。これらのいずれかのプリンタにおいて既に校正が実施されている場合、校正済みの出力階調値に近い値が校正対象のプリンタにおける出力階調値になっていることが考えられる。そこで、当該校正済みの出力階調値を指針にしてパッチを印刷すれば、何度もパッチの印刷を繰り返すことなく目的のパッチを得る可能性が高くなる。
尚、特定色データ取得部31によって特定色データを取得する対象を限定することも可能である。すなわち、特定色データに上述の利用者名,利用者が所属するグループのグループ名,プリンタの機種を特定するためのデータ(機種名,印刷装置の名前等)等が含まれる場合、これらのいずれかまたは組み合わせが一致するプリンタのみを特定色データを取得する対象にする。この結果、校正済みの特定色データを流用すべき対象を容易に限定することができる。
UI表示部32は、パッチを指定するためのUIの表示を制御するモジュールであり、UIを表示するためのUIデータによってディスプレイ16上のUIを制御する。また、パッチ指定受付部33は、UI上での指定入力に基づいてパッチの指定を受け付けるモジュールであり、キーボード17aやマウス17bの操作に基づく制御データからUI上での指定内容を検出しパッチの指定および校正済み特定色データの登録指示を受け付ける。
図3は、当該UI表示部32によって表示されるUI16dの例である。同図に示す例においては、画面の左側にはプレビュー部16eと特定色データ表示部16f1,16f2とが形成されている。プレビュー部16eは校正対象の特定色をイメージで示すための画面であり、上記RAM12に一時記憶された特定色を描画して表示するようになっている。
特定色データ表示部16f1,16f2には、上記RAM12に一時記憶された特定色に関する情報を表示するようになっており、図2にて設定した情報および出力階調値を表示する。特録済みの特定色データが存在しない場合、入力階調値をプロファイルに従って変換した値が出力階調値の初期値となり、特定色データが登録済みの場合は当該特定色データに記録された値が出力階調値の初期値となる。特定色データ表示部16f1,16f2では、キーボード17aの操作入力等によって入力するようになっており、複数のパッチにおける各階調値における中心の値あるいは特定色データとして登録すべき階調値となる。尚、図3においては、出力階調値の表色系がCMYK表色系である場合について示しているが、むろん表色系はこれに限定されず、プリンタで使用するインクやトナーの色に対応した色成分を有する表色系を採用可能である。また、図3に示す例では、プレビュー部16eと特定色データ表示部16f1との間にプリンタ名(図3ではプリンタ40a)を表示し、校正対象のプリンタを明示するようになっている。
さらに、UI16dの右側では、ネットワーク上に接続されたプリンタから取得した特定色データの表示および印刷するパッチの設定を行うようになっている。すなわち、特定色データ表示部16f3,16f4には、上記特定色データ取得部31が取得したデータであって校正対象のプリンタ40a以外のプリンタ40b,40cから取得した特定色データを表示する。この例では、プリンタ名とIDと出力階調値とを表示するようになっている。当該特定色データ表示部16f3,16f4に表示される出力階調値は、校正済みの値である。すなわち、ここに表示される出力階調値で色を特定し、プリンタ40b,40cのそれぞれで印刷を行うと、その印刷結果は特定色となっている。
パッチ設定部16gにおいては、複数のパッチを印刷し、その中から特定色を抽出できるようにするために、中心の階調値からの変動ステップおよびステップ数、変動させる色の組合せを指定する。すなわち、本実施形態では、パッチの階調値を特定するにあたり、任意の色成分について階調値を変動させて複数のパッチを形成する。このとき、近い色のパッチ同士では、上記変動ステップで階調値が変動し、中心の階調値に対して上記変動ステップの変化を上記ステップ数分与えて複数のパッチとする。
例えば、図3に示すパッチ設定部16gでは、色の組合せがMY、変動ステップがMYともに”5”、ステップ数が2となっているので、中心の階調値をm,yとすると、C,Kの階調値を固定し、Mの階調値を”m−10,m−5,m,m+5,m+10”、Yの階調値を”y−10,y−5,y,y+5,y+10”の中から選択して組合せた値がパッチの色を特定する階調値となる。また、同図に示す例では、特定色データ表示部16f1〜16f4の左上にチェックボックスが隣接して表示されており、このチェックボックスにチェックを入れることによって複数のパッチにおける中心の階調値を指定することができる。
すなわち、チェックボックスがチェックされた特定色データ表示部16f1〜16f4の出力階調値は複数のパッチを生成する際に中心の階調値とされる。図3に示す例では、特定色データ表示部16f1,16f4のチェックボックスがチェックされているので、ID011の出力階調値(5,100,80,0)およびID140の出力階調値(5,100,85,0)の双方が中心の階調値となって複数のパッチが印刷されることになる。
パッチ設定部16gの下にはパッチの印刷を指示するボタンが備えられており、マウス17b等によって指示することによってパッチ設定部16gで設定されたパッチが印刷される。すなわち、この指示によりパッチ指定受付部33はUI16d上の設定内容を取得し、複数のパッチの色を示すパッチデータを上記PDL制御部21bに受け渡す。PDL制御部21bはこのパッチデータに基づいてパッチの画像データを生成し、PDLによって記述して印刷データとする。
図4は、この印刷データによって印刷されるパッチの例を示す図である。印刷媒体Pにおいては複数のパッチを矩形で示しており、パッチを印刷している部位の左上にプリンタ名が明示されている。すなわち、チェックボックスによって選択された特定色データに対応するプリンタ名が示される。また、各パッチの中心に配置されたパッチの階調値は、各チェックボックスにて選択された特定色データの出力階調値である。
図4に示すパッチにおいては、パッチの脇に変化させる色およびステップが示されており、この例では左右方向でMの階調値を変化させ、上下方向でYの階調値を変化させている。上記図3に示す例でパッチを印刷したことを想定すれば、左端の列はMの階調値を中心の階調値から2ステップ分減じているので、左端の列で上下に並ぶ各パッチではMの階調値が上記”m−10”になる。このように、印刷されたパッチにおいては、その位置によってその階調値を把握することができる。
印刷されたパッチを目視あるいは測色すれば、会社のロゴマークなど常に特定の色で印刷すべき特定色と略同一になっているパッチを抽出することができる。むろん、一回の印刷で複数のパッチの中に特定色のパッチが含まれない場合には、再度パッチを印刷して特定色となっているパッチを探索する。このとき、特定色に最も近いパッチの階調値を次回の印刷における中心の階調値にするのが好ましい。尚、本実施形態においては、プリンタ40aでの未校正データ(上記出力階調値(5,100,80,0))と他のプリンタでの校正済みデータ(上記出力階調値(5,100,85,0))の双方を中心の階調値として選択可能である。従って、中心として選択し得る階調値の選択肢が多く、選択肢が一通りである場合に比較して再印刷等の作業を低減し易い。
いずれにしても、特定色と略同一になっているパッチを抽出したら、上記図3に示す特定色データ表示部16f1,16f2から校正対象の特定色に対応づけられたIDが表示されているボックスを選択し、キーボード17a等によって出力階調値を入力する。そして、マウス17b等を操作して図3に示す登録ボタンによる登録指示を行う。この結果、パッチ指定受付部33は、入力された出力階調値の内容に基づいてパッチの指定を受け付け、特定色データ生成部34に受け渡す。
特定色データ生成部34は、特定色データを登録するためのモジュールであり、上記入力された出力階調値およびRAM12に一時記憶されている特定色データに関する情報をまとめ、校正済みの特定色データとして校正対象のプリンタに出力する。この結果、校正対象のプリンタでは特定色データを取得し、所定の記録媒体に特定色データを記録する。プリンタにおいては、特定色についてこの校正済みの特定色データを参照して出力画像データを決定することによって校正を反映する。
(2)印刷装置の構成:
次に、本実施形態において校正対象となり得るプリンタ40a,40b等の構成を説明する。図5は、プリンタ40a,40b等として採用し得るレーザープリンタの構成を示すブロック図である。プリンタ40aでは、CPU41、EEPROM42、RAM43、IC44、I/F45、プリントエンジン46がバスを介して接続されている。CPU41、EEPROM42、RAM43、IC44においては、EEPROM42あるいは図示しないROM等に記録したプログラムを実行可能であるし、IC44においては所定のデータ処理、例えば、色変換処理やスクリーン処理(ハーフトーン処理)等を実行可能である。
例えば、I/F45はコンピュータ10のI/F14cに対して通信回線を介して接続可能であり、所定のプログラムによる制御によってコンピュータ10から出力される印刷データや特定色データを取得可能である。取得した特定色はEEPROM42に記録される。また、コンピュータ10からの要求に応じて特定色データを出力することができる。さらに、上述のプログラムとして図5に示す印刷制御プログラム47が実行されることによって印刷が実行される。
すなわち、プリントエンジン46は、印刷制御プログラム47によって生成されたデータに基づいてレーザの照射や走査、紙送り機構の駆動を制御するようになっている。このとき、プリントエンジン46によって印刷媒体上に記録されるトナー(インクジェットプリンタ等であればインク)の量は上記生成されたデータに依存するので、印刷制御プログラム47において上記特定色データを参照した処理を行うことにより、特定色について校正を反映させた印刷を実行することができる。
印刷制御プログラム47は、PDL解析部47aと色変換部47bと特定色処理部47cとスクリーン処理部47dとプリントエンジン制御部47eとを備えている。上記I/F45を介して受信した印刷データは、PDL解析部47aに受け渡され、そのPDLが解釈される。すなわち、印刷データには印刷時の解像度,印刷用紙の種類,参照すべきプロファイルを示す情報および画像記述コマンドが含まれており、PDL解析部47aは、これらの情報および画像記述コマンドを解析し、印刷対象の画像を印刷媒体上に形成させるためのラスタデータを生成する。
このラスタデータの表色系は、上記描画制御部21aにて画像の色を表現するために採用された表色系であるので、印刷制御プログラム47では、表色系を変換し、トナーの色を色成分とした表色系で画素毎の色を表現したラスタデータを取得する。色変換部47bはこの変換処理を担うモジュールであり、EEPROM42にアクセスし、上記PDL解析部47aの解析によって特定されるプロファイルを参照する。この変換は種々の構成を採用可能であり、例えば、複数の参照点について入力画像データ(例えば、RGBデータ)と出力画像データ(例えば、CMYKデータ)とを対応づけたLUTを参照し、補間演算によって変換を実施する構成や、関数によって入力画像データと出力画像データとの対応関係を規定したプロファイルによって変換を実施しても良い。
これらのプロファイルによってある程度の精度でカラーマッチングがなされるように変換を行うことができるが、特定色について厳密に色を合わせるのは困難である。そこで、本発明においては特定色データによって特定色について厳密に色を合わせることにしており、特定色処理部47cによってこの処理を担っている。すなわち、校正を反映した印刷を実施しようとする場合、上記PDL解析部47aが取得する印刷データには出力階調値を除く特定色データが含まれている。
そこで、この特定色データを参照し、上記印刷データの特定色データに記述されたIDと同一IDの特定色データがEEPROM42に記録されているか否かを判定する。すなわち、当該EEPROM42に記録された特定色データを参照すれば当該IDで指定される特定色を印刷するための出力階調値を把握することができるので、特定色処理部47cは、上記印刷データの特定色データに記述されたIDと同一IDの特定色データを取得する。
そして、当該特定色データに記述された入力階調値と同一の画素については、上記色変換部47bによる変換を行わず、特定色データの出力階調値で画素の色を指定する。この結果、特定色について校正を反映した出力画像データを生成することができる。尚、本実施形態において、特定色処理部47cにて特定色についての処理を実施するか否かはより詳細な条件によって決定されており、詳細な条件は後述する。また、印刷制御プログラム47では、上記複数のパッチを印刷するための処理も実施するが、パッチを印刷するための印刷データの場合は特定色データを伴わないので、特定色処理部47cによる処理を経ることなく全パッチの画像データについて色変換部47bによる処理がなされる。
いずれにしても、色変換部47bおよび特定色処理部47cによる処理が終了すると、トナー色を色成分とした表色系で印刷対象の画像の色を表現した出力画像データが得られる。スクリーン処理部47dは、この出力画像データに対してハーフトーン処理を行う。すなわち、プリンタ40aにて各画素毎に表現できる階調数で上記出力画像データ(通常は各色256階調)が示す画像の色を表現するハーフトーンデータに変換する。このハーフトーン処理に際しては種々のアルゴリズムを採用可能であり、例えば、ディザや誤差拡散等のアルゴリズムを採用可能である。
プリントエンジン制御部47eは、当該ハーフトーンデータに基づいて各画素毎にトナーを記録するようにプリントエンジン46を制御するモジュールであり、この制御のためのデータを生成してプリントエンジン46に対して出力する。この結果、上記印刷データにて記述された画像が印刷媒体上に形成される。すなわち、校正済みの特定色データを参照するように指定したデータでは特定色が校正された状態で印刷が実施され、複数のパッチを印刷するためのデータでは図4に示すような複数のパッチが印刷される。
(3)制御処理:
(3−1)校正処理:
図6〜図8は、上記構成によって校正処理および印刷制御処理を実施する際の処理例を示すフローチャートである。これらの図においては、上記PRTDRV20とユーティリティプログラム30と印刷制御プログラム47との処理を示している。本実施形態においては、上記APL15によって所望の画像を作成し、所望のプリンタ(プリンタ40a等)を印刷対象としてこの画像を印刷対象とした印刷ジョブを投入する(ステップS100)。本実施形態では、この印刷ジョブの印刷に際して校正も実行できるように構成しており、ここで、印刷時のモードも指定する。
すなわち、本実施形態では特定色を指定するための処理を実行するモード(以下、調整モードという)と特定色を反映した印刷を実行するためのモード(以下、特定色ONモードという)と特定色を反映した印刷を実行しないモード(以下、特定色OFFモードという)とがあり、これらのいずれかを指定する。次に、所定のUIに応じて所望の特定色を指定する(ステップS200)。この処理は、上記図2に示す特定色データの指定を含み、特定色データを取得する対象を限定するための指定を含む。むろん、特定色OFFモードではこの処理をスキップする。この処理の詳細は後述する。
特定色を指定した後には、上記図1に示す描画制御部21aが印刷ジョブにかかる画像について描画データを作成し、PDL制御部21bがこの描画内容を印刷させるための印刷データを生成し、印刷対象のプリンタに送信する(ステップS300)。このとき、上記ステップS200で指定された特定色データを上記印刷データに記述しておく。また、印刷データの送信とともに上記モードを示す制御データを印刷対象のプリンタに送信する。
印刷対象のプリンタが当該印刷データを受け取ると、上記制御データに基づいて当該印刷データについてのモードを判別する(ステップS400)。ここで、調整モードであると判別されたときには、PDL解析部47aが印刷データに記述された特定色データを参照し、特定色データを解析する。すなわち、当該調整モードの場合には、特定色データとして上記IDと特定色の入力階調値と位置および領域とを示す情報および特定色データを取得する対象を限定するための情報(グループ名等)を含んでおり、これらの情報を取得する(ステップS410)。
印刷対象のプリンタにおいては、これらの情報を特定色データとしてEEPROM42に記録し、PDL解析部47aが印刷データに基づいて印刷対象の画像を印刷媒体上に形成させるためのラスタデータを生成する(ステップS500)。このラスタデータに基づいて印刷を行えば、校正を実施する前に特定色の校正が必要であるか否かを知ることができる。そこで、本実施形態においては、校正を行わない状態で印刷を行うか否かを予め設定できるように構成してあり、校正を行わない状態で印刷を行うように設定されているか否かを判別する(ステップS600)。
ステップS600において、校正を行わない状態で印刷を行うように設定されていると判別されたときには、印刷ジョブを印刷する(ステップS610)。すなわち、色変換部47bがEEPROM42に記録されたプロファイルを参照し、PDL解析部47aの解析によって得られたラスタデータの総てを色変換する。そして、スクリーン処理部47dおよびプリントエンジン制御部47eの処理を経てプリントエンジン46が画像を印刷する。この結果、特定色の校正を行うべきか否か判断することができ、不要であれば処理を中断することができる。
続いて特定色の校正を行うために、コンピュータ10において上記ユーティリティプログラム30が起動される。ユーティリティプログラム30が起動されると、特定色データ取得部31が上記I/F14cを介してネットワークに接続された各プリンタとの通信を確立する(ステップS700)。そして、特定色データ取得部31は、上記ステップS100で指定されたプリンタから特定色データを取得する(ステップS710)。
さらに、特定色データ取得部31は、当該取得した特定色データを参照して特定色データを取得する対象を限定するための情報(グループ名等)を取得し、このグループ名等で限定されたプリンタから特定色データを取得する(ステップS720)。UI表示部32は、これら取得した特定色データに基づいて図3に示すUIを表示する(ステップS730)。すなわち、印刷対象のプリンタに関する特定色データは特定色データ表示部16f1,16f2に表示し、グループ名等で点綴されたプリンタから取得した特定色データは特定色データ表示部16f3,16f4に表示する。
ユーティリティプログラム30は、パッチ設定部16gや特定色データ表示部16f1,16f2,UI上のチェックボックスに対する入力操作を受け付けており(ステップS740)、パッチ指定受付部33はパッチ設定部16gにおける設定とともにパッチの印刷が指示されたか否かを判別する(ステップS750)。ステップS750にてパッチの印刷が指示されたと判別されると、印刷指示されたパッチを印刷する(ステップS760)。すなわち、パッチ指定受付部33がパッチデータを上記PDL制御部21bに受け渡し、PDL制御部21bがこのパッチデータに基づいて印刷データを生成し、印刷対象のプリンタに出力する。この結果、印刷対象のプリンタで上記図4に示す様なパッチが印刷される。
印刷されたパッチに特定色のパッチが含まれる場合、利用者は、このパッチの中から特定色となっているパッチを抽出し、パッチが印刷された位置から出力階調値を把握して特定色データ表示部16f1,16f2に入力して登録ボタンによる登録指示を行う。パッチ指定受付部33は、当該登録ボタンによる登録指示がなされたか否かを判別しており(ステップS770)、登録指示がなされたと判別するまでステップS730以降を繰り返す。すなわち、印刷されたパッチに特定色が含まれない場合には、パッチ設定部16gによる設定を変更し、特定色のパッチが印刷されるまで処理を繰り返す。
ステップS770にて登録指示がなされたと判別したら、特定色データ生成部34は、ステップS200にて指定された特定色データとステップS770で登録指示がなされた出力階調値とを合わせてプリンタに登録する(ステップS780)。すなわち、印刷対象として指定され、実際にパッチを印刷したプリンタに対して特定色を印刷するための特定色データを記録させる。このように、プリンタに対して校正済みの特定色データを記録した後には、特定色について非常に高精度にカラーマッチングを実施した状態で印刷を行うことができる。
(3−2)印刷制御処理:
次に、校正済みの特定色データを参照して印刷を行う際の処理を説明する。この処理は、特定色ONモードによって実現される。すなわち、特定色ONモードが指定された状態で印刷ジョブの投入がなされると、ステップS400の判別を経て特定色についての処理を伴った印刷制御を行う。このために、PDL解析部47aが印刷データに記述された特定色データを参照し、特定色データを解析する。特定色ONモードの場合には、特定色データとして上記IDと特定色の入力階調値と位置および領域とを示す情報および特定色データを取得する対象を限定するための情報(グループ名等)を含んでおり、これらの情報を取得する(ステップS420)。そして、PDL解析部47aが印刷データに基づいてラスタデータを生成する(ステップS430)。
さらに、PDL解析部47aは、EEPROM42に記録されている校正済みの特定色データと上記解析によって取得した特定色データとの内容を比較し、同じIDの特定色データにて少なくとも両者の入力階調値が一致しているか否かを判別する(ステップS440)。ステップS440にて、一致していると判別されたときには、特定色の校正を反映した処理を行う。すなわち、特定色処理部47cは、上記ラスタデータのうち特定色データで指定された入力階調値を特定色データで指定された出力階調値に変換し、色変換部47bがプロファイルを参照して他の入力階調値を変換する(ステップS510)。
そして、変換後のデータに基づいてスクリーン処理部47dおよびプリントエンジン制御部47eが処理を行い、プリントエンジン46が印刷ジョブを印刷する(ステップS620)。この結果、印刷ジョブ内に含まれる、特定色データで指定された画像について非常に高精度でカラーマッチングを行いながら印刷を実施することが可能になる。尚、特定色OFFモードである場合には、ステップS400の判別を経てPDL解析部47aが、ステップS450にてPDLの解析およびラスタデータの生成を行い、S520にて色変換を行ってステップS620にてジョブの印刷を行う。
(3−3)詳細処理:
上述の説明においては、ステップS200における特定色の指定とステップS440における判別は簡略化している。すなわち、ステップS440においては、特定色データとして記述されたデータに基づいて印刷対象に含まれる画像が校正対象の特定色であるか否かを判別し、校正対象の特定色については適切に校正が反映されるように処理を行うことができれば良く、校正対象を指定するための構成は種々のものを採用可能である。
図7は、特定色を指定する際の処理の詳細を示すフローチャートである。ここでの処理は上記モードによって異なっており、まず、上記ステップS100で指定されたモードを判別する(ステップS210)。調整モードが指定されている場合には、図2に示すUIによって特定色データを生成する。このとき、まず上記I/F14cを介して校正対象のプリンタから特定色データを取得する(ステップS220)。
既登録の特定色データが存在する場合、UI表示部22bはその内容を上記特定色データ表示部16c1,16c2に表示し、さらに特定色受付部22aが特定色の入力を受け付ける(ステップS230)。すなわち、特定色データの編集を行う。図2に示すUIにて特定色データの編集が終了すると、後に出力階調値と合わせてプリンタに記録することができるように、RAM12に一時記憶する(ステップS240)。調整モードにおいては、以上の処理を通じて特定色データのIDと入力階調値と位置と領域とを特定することになる。
特定色ONモードが指定されている場合には、図2に示すUIによって特定色であるか否かを判別するための情報の設定を行う。ここでは、プリンタに記録された特定色データの中から所望の特定色を選択し、さらに、校正を反映する領域の限定を受け付けることとしており、まず、上記I/F14cを介して校正対象のプリンタから特定色データを取得する(ステップS250)。この結果、UI表示部22bが図2に示すようなUIを表示し、特定色受付部22aは特定色の指定を受け付ける。
すなわち、特定色データ表示部16c1,16c2の右上に表示されたチェックボックスによって校正を反映すべき特定色を選択する(ステップS260)。また、領域を限定するか否かを受け付ける(ステップS270)。すなわち、領域限定と示されたボタンを指定するとその旨を示すデータが特定色データに含まれ、このデータが含まれるときには、後述のステップS440にて特定色データ内の位置および領域内の画像データのみに校正結果を反映させることになる。
図8は、上記ステップS440における判別の詳細フローチャートである。すなわち、特定色データに基づいて、印刷対象に含まれる画像が校正対象の特定色であるか否かを判別するための処理は、入力階調値の一致を判定する処理のみに限られない。そこで、当該図8のように特定色データの一致および領域の指定を加味した判別を実施することも可能である。
このために、PDL解析部47aは、EEPROM42に記録されている校正済みの特定色データと当該取得した特定色データとの内容を比較する(ステップS452)。すなわち、両者の特定色データにて、上記IDが一致するものを抽出し、それぞれの入力階調値と位置と領域とを示すデータを比較する。この結果、一致していると判別されないときには、校正を反映した印刷を行わないこととし、ステップS520の処理を実施する。
一致していると判別されたときには、さらに、上記領域限定を行うこと示すデータが特定色データに含まれるか否かを判別する(ステップS454)。同ステップS454にて領域限定を行うと判別された場合、上記特定色処理部47cは上記領域を示すデータを参照し、この領域に含まれる入力階調値のみを特定色データが示す出力階調値に変換する。すなわち、当該領域内で特定色データに示された入力階調値が存在するか否かを検索し(ステップS456)、検索された場合には、その入力階調値については特定色データを参照して色変換を行うように設定する(ステップS458)。
むろん、検索されなければステップS458をスキップする。そして、ステップS460においては、上記ステップS260で選択された総ての特定色について処理を終了したか否かを判別し、処理が終了したと判別されるまでステップS454以降の処理を繰り返す。この結果、特定の領域について厳密にカラーマッチングを行った状態で印刷を行うことができる。この構成は、例えば、複数の文書内の特定位置に会社のロゴマークを印刷し、当該ロゴマークについて厳密なカラーマッチングを行い、他の部分については厳密なカラーマッチングを要求しない場合などに適用して好適である。
一方、ステップS454にて領域限定を行うと判別されないときには、印刷データから生成される総てのラスタデータに対して特定色データに基づく校正を反映させる。すなわち、全ラスタデータ内に特定色データに示された入力階調値が存在するか否かを検索し(ステップS462)、検索された場合には、その入力階調値については特定色データを参照して色変換を行うように設定する(ステップS464)。むろん、検索されなければステップS464をスキップし、ステップS460の処理を行う。以上のように設定を行った後には、上記ステップS510における色変換を実施する際に、利用者所望の特定色について校正を反映させることができる。
尚、本発明における特定色データは、IDと特定色の入力階調値と位置および領域とを示す情報および出力階調値を含み得るが、これらの情報は、プリンタの機種やページ記述言語に依存する情報を含まない。従って、当該特定色データを参照して色変換を実施する構成さえそなえていれば、どのような機種のプリンタにも使用することができる。従って、非常に汎用的なシステムによって本発明を実現することができ、システムのメンテナンス・運用コストを抑えることができる。
(4)他の実施形態:
以上説明した実施形態は一例であり、特定色について高精度のカラーマッチングを実施できる構成を採用する限りにおいて種々の構成を採用可能である。例えば、画像の内容毎に校正を反映させるか否か指定できるようにしても良い。すなわち、図2のUIにて「文字以外の画像のみ、文字のみ、画像総て」などの選択肢を設け、校正の反映対象をこれらの選択肢から選択可能に構成することも可能である。この場合、PDL解析部47aにて言語解析を行う際に、画像であるか文字であるかを判別し、特定色データを参照した変換を反映するか否かを判別する。
むろん、文字とそれ以外の画像以外にも各種の種類分けを行うことができる。例えば、ビットマップ画像とベクトル画像とで分けても良いし、写真画像とそれ以外の画像(グラフ等の画像)等で分けても良い。かかる構成によれば、利用者所望の印刷対象について確実にカラーマッチングがなされるようにすることができる。
さらに、印刷ジョブの投入の際に、校正を反映すべき特定色を指定しないで自動で特定色を抽出する構成を採用しても良い。例えば、プリンタに記録されている特定色データを参照し、印刷対象のラスタデータに当該特定色データに記述された値と同じ入力階調値のデータが含まれる場合に特定色を反映して色変換を行う構成等を採用可能である。この場合、特定色データとしては少なくとも入出力階調値および色を一義的に特定するための情報(ID等)を備えていれば良く、簡易な構成によって本発明を適用可能である。むろん、この場合、印刷ジョブの投入に際して校正を反映すべき位置および領域を指定できるようにしても良い。また、さらに別の観点を加味して特定色を指定できるようにしても良い。例えば、校正の適用対象とすべきジョブであるか否かを指定し、指定されたジョブでなければ校正を反映しないという構成を採用可能である。
さらに、他のプリンタについて校正がなされた特定色データを流用して校正済みの特定色として印刷できるように構成しても良い。すなわち、上記実施形態においては、印刷対象のプリンタに対して校正済みの特定色データが記録されており、プリンタに記録済みの特定色データと印刷ジョブに埋め込まれた特定色データとの比較に基づいて特定色の校正を行っていた。しかし、印刷対象以外のプリンタに校正済みの特定色データ(出力階調値を含むデータ)が存在する場合、ネットワークを介してこの特定色データを取得し、印刷データに対してこの特定色データを埋め込めば、未校正と比較して色変換精度が向上する可能性が高くなる。
すなわち、当該埋め込まれた特定色データを参照すれば、特定色として指定された入力階調値に対応する出力階調値を特定することができる。この出力階調値は印刷対象のプリンタにて校正された値ではないので、色が厳密に一致するとは限らないが、他のプリンタ、例えば、同じ機種のプリンタで校正されたのであれば、校正を行わないよりも精度向上が望める場合も多い。従って、総てのプリンタについて校正を終えなくても、ネットワーク上に存在するいずれかのプリンタについて校正を行うことにより、簡単に複数のプリンタにおける色変換精度を向上することができる。
また、他のプリンタで校正された最新の特定色データを使用することにより、複数のプリンタの総てで校正を行うことなく、常に最新の校正状態で印刷を実施可能である。さらに、同一の入力階調値についての校正が他の利用者により行われていた場合に再度校正作業を実施する手間を省くことができる。尚、このような校正は、複数のプリンタにおけるトナーあるいはインクの記録特性が似ている場合に適用して好適である。
さらに、本発明は、プリンタによる処理で校正を反映した色変換を実施する構成に限られないし、校正対象を指定したり校正済みの情報を登録する処理をコンピュータ10によって実施する構成に限られることもない。すなわち、これらの処理は汎用的なプログラム実行環境によって実現可能であり、特定色データを参照してラスタデータを色変換する処理をコンピュータ10にて行っても良いし、特定色の指定や校正後の出力階調値の登録をプリンタにて行っても良い。さらに、出力階調値を含む特定色データをプリンタではなくコンピュータ10に記録するように構成しても良く、種々の構成を採用可能である。
校正装置および印刷制御装置のブロック図である。 PRTDRVにおけるUIの例を示す図である。 ユーティリティプログラムにおけるUIの例を示す図である。 パッチの例を示す図である。 プリンタの構成を示すブロック図である。 校正処理および印刷制御処理のフローチャートである。 特定色を指定する際の処理の詳細を示すフローチャートである。 校正対象であるか否かを判別するためのフローチャートである。
符号の説明
10…コンピュータ、16…ディスプレイ、16a,16d…UI、16b,16e…プレビュー部、16c1,16c2,16f1〜16f4…特定色データ表示部、16g…パッチ設定部、21…印刷データ作成部、21a…描画制御部、21b…PDL制御部、22…UI制御部、22a…特定色受付部、22b…UI表示部、30…ユーティリティプログラム、31…特定色データ取得部、32…UI表示部、33…パッチ指定受付部、34…特定色データ生成部、40a,40b…プリンタ、47…印刷制御プログラム、47a…PDL解析部、47b…色変換部、47c…特定色処理部、47d…スクリーン処理部、47e…プリントエンジン制御部

Claims (13)

  1. 校正の対象となる特定色の指定を受け付ける校正対象特定色受付手段と、
    階調値の異なる複数の画像データによって色を指定することで上記特定色を含めた複数の色によるパッチを出力させる印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
    当該生成された印刷データに基づいて校正を行う印刷装置に複数のパッチを印刷させる印刷制御手段と、
    印刷された複数のパッチの中で上記特定色となっているパッチの指定を受け付けるパッチ指定受付手段と、
    当該指定されたパッチの色を出力するための画像データを上記特定色を印刷するための特定色データとして記録する特定色データ記録手段とを具備することを特徴とする校正装置。
  2. 上記印刷データ生成手段は、上記印刷装置にて画像を印刷する際に参照されるプロファイルに従って上記特定色に相当する色を出力するための階調値を算出し、当該階調値を中心に階調値を増減させて上記画像データを取得することを特徴とする上記請求項1に記載の校正装置。
  3. 所定の通信路を介して複数の印刷装置と通信を行う通信手段と、
    当該通信手段によって校正済みの印刷装置における上記特定色データを取得する特定色データ取得手段とを備え、
    上記印刷データ生成手段は、当該取得した特定色データが示す階調値を中心に階調値を増減させて上記画像データを取得することを特徴とする上記請求項1または請求項2のいずれかに記載の校正装置。
  4. 上記パッチ指定受付手段は、上記通信手段によって通信可能な複数の印刷装置の中で校正を適用する印刷装置の指定を受け付け、上記特定色データ記録手段は、当該指定された印刷装置を示す印刷装置指定データを記録することを特徴とする上記請求項3に記載の校正装置。
  5. 上記印刷データ生成手段は、上記階調値を増減させる際の変動幅と階調値を増減させる色成分との指定を受け付け、当該指定に従って階調値を増減させることを特徴とする上記請求項1〜請求項4のいずれかに記載の校正装置。
  6. 上記校正対象特定色受付手段は、上記特定色を指定するための入力階調値と当該特定色が記録される印刷媒体上の部位と当該特定色に対応させた固有の識別符号とのいずれかまたは組み合わせの指定を受け付けることを特徴とする上記請求項5に記載の校正装置。
  7. 印刷媒体上に画像を形成するための印刷データを取得する印刷データ取得手段と、
    校正を反映させる対象となる特定色の指定を受け付ける校正反映特定色受付手段と、
    上記特定色で印刷を行うための画像データを特定色データとして記録する特定色データ記録手段と、
    当該特定色データを取得し、上記印刷データが示す画像内の特定色については当該特定色データが示す画像データで色を指定するとともに当該印刷データに従って印刷を行う印刷装置に上記画像を印刷させる印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  8. 上記校正反映特定色受付手段は、上記特定色を指定するための入力階調値と当該特定色が記録される印刷媒体上の部位と当該特定色に対応させた固有の識別符号とのいずれかまたは組み合わせの指定を受け付けることを特徴とする上記請求項7に記載の印刷制御装置。
  9. 所定の通信路を介して複数の印刷装置と通信を行う通信手段を備え、
    上記印刷制御手段は、当該通信手段によって校正済みの印刷装置における上記特定色データを取得することを特徴とする上記請求項7または請求項8のいずれかに記載の印刷制御装置。
  10. 校正の対象となる特定色の指定を受け付ける校正対象特定色受付工程と、
    階調値の異なる複数の画像データによって色を指定することで上記特定色を含めた複数の色によるパッチを出力させる印刷データを生成する印刷データ生成工程と、
    当該生成された印刷データに基づいて校正を行う印刷装置に複数のパッチを印刷させる印刷制御工程と、
    印刷された複数のパッチの中で上記特定色となっているパッチの指定を受け付けるパッチ指定受付工程と、
    当該指定されたパッチの色を出力するための画像データを上記特定色を印刷するための特定色データとして所定の記録媒体に記録する特定色データ記録工程とを具備することを特徴とする校正方法。
  11. 印刷媒体上に画像を形成するための印刷データを取得する印刷データ取得工程と、
    校正を反映させる対象となる特定色の指定を受け付ける校正反映特定色受付工程と、
    上記特定色で印刷を行うための画像データを特定色データとして記録する特定色データ記録工程と、
    当該特定色データを取得し、上記印刷データが示す画像内の特定色については当該特定色データが示す画像データで色を指定するとともに当該印刷データに従って印刷を行う印刷装置に上記画像を印刷させる印刷制御工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
  12. 校正の対象となる特定色の指定を受け付ける校正対象特定色受付機能と、
    階調値の異なる複数の画像データによって色を指定することで上記特定色を含めた複数の色によるパッチを出力させる印刷データを生成する印刷データ生成機能と、
    当該生成された印刷データに基づいて校正を行う印刷装置に複数のパッチを印刷させる印刷制御機能と、
    印刷された複数のパッチの中で上記特定色となっているパッチの指定を受け付けるパッチ指定受付機能と、
    当該指定されたパッチの色を出力するための画像データを上記特定色を印刷するための特定色データとして所定の記録媒体に記録する特定色データ記録機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする校正プログラム。
  13. 印刷媒体上に画像を形成するための印刷データを取得する印刷データ取得機能と、
    校正を反映させる対象となる特定色の指定を受け付ける校正反映特定色受付機能と、
    上記特定色で印刷を行うための画像データを特定色データとして記録する特定色データ記録機能と、
    当該特定色データを取得し、上記印刷データが示す画像内の特定色については当該特定色データが示す画像データで色を指定するとともに当該印刷データに従って印刷を行う印刷装置に上記画像を印刷させる印刷制御機能とをコンピュータに実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。

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