JP2005315686A - 高脂血症等の治療に有用な物質のスクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高脂血症、動脈硬化、膵炎、インスリン非依存型糖尿病、冠動脈疾患、または肥満等の治療剤、または血中脂質低下剤を効率的に見出すことができるスクリーニング方法を提供する。
【解決手段】
以下の工程を含む、LDL受容体タンパク質の発現を促進する物質のスクリーニング方法:
(1)被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養し、
(2)当該細胞内のARHタンパク質の局在を測定し、
(3)ARHタンパク質の局在を変化させる物質を選択する。
【選択図】 図1
【解決手段】
以下の工程を含む、LDL受容体タンパク質の発現を促進する物質のスクリーニング方法:
(1)被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養し、
(2)当該細胞内のARHタンパク質の局在を測定し、
(3)ARHタンパク質の局在を変化させる物質を選択する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、LDL受容体発現上昇をターゲットにした高脂血症等の治療剤のスクリーニング方法及び当該スクリーニング方法により得られる高脂血症等の治療に有用な物質に関する。
アテローム性の冠動脈疾患(CAD)による死亡率が、診断技術及び治療剤の開発により大きく減少したにもかかわらず、ほとんどの先進国において、心臓血管疾患は、依然として主要な死亡原因となっている。CADと血清総コレステロール濃度、特に低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール濃度の上昇との関係は文献で十分に実証されており、血中のLDLコレステロールとCADの発症が強い正相関を示すことが報告されている(JAMA (1986) vol.256 p.2823-2828)
一方、LDL受容体は、各臓器に発現しており、LDLを血中から取り込む際に必要な受容体であり、生体内各臓器へのコレステロール分配に重要であるだけでなく、血中コレステロール量の調節においても主要な役割を担っている(The Metabolic and Molecular Basis of Inherited Diseases, 7th ed p.1981-2030)。
生体内におけるLDL受容体の発現制御は、細胞内コレステロール量に依存した遺伝子転写段階で行われていると考えられている(細胞内コレステロール量によるネガティブフィードバックレギュレーション)(Nature (1990) vol.34 p.425-343)。転写後、LDL受容体は前駆体としてタンパク質に翻訳され、糖鎖付加を受けて成熟型のLDL受容体として細胞表面に発現する。細胞表面に発現したLDL受容体がこの後どのような制御を受けるかについて、詳細には現在も解明されていない。
肝細胞中の遊離コレステロール量が減少することにより、肝細胞のLDL受容体が誘導され、LDL受容体の量が増加する。LDL受容体は血中のLDLと結合し、肝細胞内に取り込むことによって血中のLDLが減少する。肝細胞内に取り込まれたLDL中のコレステロールは、胆汁酸などに変換され腸管へ排出される。従って、より肝細胞におけるLDL受容体量を上昇させることにより、血中のLDL量をより低減化することができ、このためLDLコレステロール上昇に関連する、および/または脂質代謝異常が主要な原因として考えられる種々の疾患、例えば高脂血症、動脈硬化、膵炎、インスリン非依存型糖尿病、冠動脈疾患(より具体的には例えば狭心症や心筋梗塞など)、または肥満の予防剤または治療剤としての用途が期待できる。また別の言い方をすれば血中脂質低下剤としての用途が期待できるともいえる(これら疾患の治療剤および血中脂質低下剤を、本願明細書に於いて高脂血症等の治療剤と略称する場合がある)。かくして、LDL受容体の発現上昇をターゲットにした高脂血症等の治療剤開発は、広く行われている。最もよく知られているのは、HMG-CoA還元酵素阻害剤で、コレステロールの生合成を阻害することで、間接的にLDL受容体の転写を活性化させLDL受容体発現を上昇させる。(Science 232 (1986) 34-47、J. Lipid Res. 25 (1984) 1450-1461など)
このほか、文献的にLDL受容体の発現上昇作用を持つ薬剤の報告は多数あるが、いずれも何らか(詳細なメカニズムが不明なものも含めて)転写活性化を介したものである。リフィブロール(Lifibrol)のように、明確に転写活性化を示してはいないが、コレステロール生合成阻害があり、恐らく転写活性化によると考えられている化合物もある(Atherosclerosis (2000) vol.153, 69-80)。現状で、LDL受容体の発現上昇作用に関して転写活性化を通らないルートが存在するという報告はない。
血中のLDLが細胞内に取り込まれるには、LDLと結合したLDL受容体が細胞内にエンドサイトーシスされることが必要である。最近、LDL受容体がエンドサイトーシスされる際に関与する因子として、オートソーマル・レセッシブ・ハイパーコレステローレミア(autosomal recessive hypercholesterolemia, 以下ARHと略)蛋白質が報告された(Current Opinion in Lipidorogy (2003) vol.14 p.121-127)。ARH蛋白質は、ヒトやマウスで欠損するとLDL受容体に全く異常がないにもかかわらず、LDL受容体のエンドサイトーシスが行われず高脂血症を呈することが報告されている(例えば非特許文献1および非特許文献2参照)。また、無細胞系での検討では、ARHのPTBドメインとLDL受容体およびエンドサイトーシスに関与する蛋白質との蛋白質結合が報告されている(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (2002) vol.99 p.16099-16104)。また、ARHは、肝臓やリンパ球といった特定の器官でのみLDL受容体エンドサイトーシスに関与していると考えられている(Current Opinion in Lipidorogy (2003) vol.14 p.121-127)が、その機序は不明である。このような知見から、現在ARHの機能は、LDL受容体が細胞内にエンドサイトーシスされる際に、LDL受容体・エンドサイトーシスに関与する分子と結合し何らかの重要な役割を担っていると考えられている(Current Opinion in Lipidorogy (2003) vol.14 p.121-127)。しかしながら、どのような機構でLDL受容体のエンドサイトーシスに関与しているかは依然として不明である。
サイエンス(Science) (2001) vol.292 p.1394-1397
ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー(J Boil.Chem.) (2003) vol.278 p.29024-29030
本発明の目的は、LDL受容体発現・機能を促進する作用、特にLDL受容体遺伝子の転写活性化という経路を介さずに、ARHの細胞内局在を変化させることでLDL受容体蛋白質の発現・機能を促進する作用を有する、従来になかった新しい作用機序を有する物質のスクリーニング方法、ならびに当該スクリーニング法により得られる、あるいは選択されうる物質、ならびに当該物質を含有する高脂血症、動脈硬化、膵炎、インスリン非依存型糖尿病、冠動脈疾患、または肥満の治療剤、または血中脂質低下剤を提供することである。
本発明の発明者らは、以下のスクリーニング方法および当該スクリーニング方法により見出される物質、ならびに当該物質を含有する高脂血症等の治療剤を見出した。
本発明は、以下のものに関する。
〔1〕
以下の工程を含む、LDL受容体タンパク質の発現を促進する物質のスクリーニング方法:
(1)被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養し、
(2)当該細胞内のARHタンパク質の局在を測定し、
(3)ARHタンパク質の局在を変化させる物質を選択する。
〔2〕
被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養後、当該細胞を固定処置した後に細胞内のARHタンパク質の局在を測定する、〔1〕記載のスクリーニング方法。
〔3〕
ARHタンパク質の局在測定が、ARHタンパク質の細胞内分布測定である、〔1〕または〔2〕記載のスクリーニング方法。
〔4〕
ARHタンパク質の細胞内分布測定が蛍光標識により行うものである、〔3〕記載のスクリーニング方法。
〔5〕
蛍光標識が蛍光抗体を用いるものである、〔4〕記載のスクリーニング方法。
〔6〕
蛍光標識が蛍光標識したARHタンパク質を用いるものである、〔4〕記載のスクリーニング方法。
〔7〕
ARHタンパク質の細胞内分布測定が金属コロイド標識により行うものである、〔3〕記載のスクリーニング方法。
〔8〕
ARHタンパク質の局在測定が、当該細胞を破砕し、密度勾配法により分画して、ARHタンパク質の密度分布を測定する方法である、〔1〕または〔2〕記載のスクリーニング方法。
〔9〕
当該密度分布測定でのARHタンパク質の検出がウエスタンブロッティング、蛍光抗体による標識、蛍光標識ARH蛋白の使用、または放射標識したARH蛋白の使用によるものである、〔8〕記載のスクリーニング方法。
〔10〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
〔11〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有するLDL受容体蛋白発現促進剤。
〔12〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有する血中脂質低下剤。
〔13〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有する高脂血症、動脈硬化、膵炎、インスリン非依存型糖尿病、冠動脈疾患、または肥満の治療剤。
〔1〕
以下の工程を含む、LDL受容体タンパク質の発現を促進する物質のスクリーニング方法:
(1)被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養し、
(2)当該細胞内のARHタンパク質の局在を測定し、
(3)ARHタンパク質の局在を変化させる物質を選択する。
〔2〕
被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養後、当該細胞を固定処置した後に細胞内のARHタンパク質の局在を測定する、〔1〕記載のスクリーニング方法。
〔3〕
ARHタンパク質の局在測定が、ARHタンパク質の細胞内分布測定である、〔1〕または〔2〕記載のスクリーニング方法。
〔4〕
ARHタンパク質の細胞内分布測定が蛍光標識により行うものである、〔3〕記載のスクリーニング方法。
〔5〕
蛍光標識が蛍光抗体を用いるものである、〔4〕記載のスクリーニング方法。
〔6〕
蛍光標識が蛍光標識したARHタンパク質を用いるものである、〔4〕記載のスクリーニング方法。
〔7〕
ARHタンパク質の細胞内分布測定が金属コロイド標識により行うものである、〔3〕記載のスクリーニング方法。
〔8〕
ARHタンパク質の局在測定が、当該細胞を破砕し、密度勾配法により分画して、ARHタンパク質の密度分布を測定する方法である、〔1〕または〔2〕記載のスクリーニング方法。
〔9〕
当該密度分布測定でのARHタンパク質の検出がウエスタンブロッティング、蛍光抗体による標識、蛍光標識ARH蛋白の使用、または放射標識したARH蛋白の使用によるものである、〔8〕記載のスクリーニング方法。
〔10〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
〔11〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有するLDL受容体蛋白発現促進剤。
〔12〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有する血中脂質低下剤。
〔13〕
〔1〕から〔9〕のいずれかに記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有する高脂血症、動脈硬化、膵炎、インスリン非依存型糖尿病、冠動脈疾患、または肥満の治療剤。
本発明のスクリーニング方法、ならびに当該スクリーニング法により得られる、あるいは選択されうる物質について以下説明する。
<スクリーニング方法>
用いる細胞は、ARHが機能している細胞であれば特に限定されず、例えば初代培養細胞、株化細胞、あるいはLDL受容体やARH遺伝子を導入し、人工的に発現している形質転換細胞等が挙げられる。人工的に導入するLDL受容体やARH遺伝子は、その遺伝子の一部あるいは全長のいずれも用いることができ、また蛍光蛋白質やタグ蛋白質と融合させた蛋白質でも可能である。用いる細胞として好ましくは、肝臓またはリンパ球由来のLDL受容体を発現しうる細胞でである。
<スクリーニング方法>
用いる細胞は、ARHが機能している細胞であれば特に限定されず、例えば初代培養細胞、株化細胞、あるいはLDL受容体やARH遺伝子を導入し、人工的に発現している形質転換細胞等が挙げられる。人工的に導入するLDL受容体やARH遺伝子は、その遺伝子の一部あるいは全長のいずれも用いることができ、また蛍光蛋白質やタグ蛋白質と融合させた蛋白質でも可能である。用いる細胞として好ましくは、肝臓またはリンパ球由来のLDL受容体を発現しうる細胞でである。
<被験物質存在下または非存在下で培養したLDL受容体発現細胞内の、ARHタンパク質の局在測定>
ARHの細胞内分布を検出できる方法であれば、特に制限はない。具体的な方法を以下に例示するが、これに限定されるものではない。
ARHの細胞内分布を検出できる方法であれば、特に制限はない。具体的な方法を以下に例示するが、これに限定されるものではない。
<1>顕微鏡を用いてARH細胞内分布を評価する方法
細胞を継代培養し、被験物質処置を行う。
細胞の培地を除去した後、PBS(-)等の緩衝液で洗浄する。次に必要に応じ細胞を固定処置する。この固定処置は、細胞・抗体などに応じてパラホルムアルデヒドやメタノール等通常用いられる方法が利用できる。当該細胞を、常法に従い蛍光抗体などを用いてARHを標識する。蛍光標識する方法としては、抗ARH抗体を直接蛍光標識する方法あるいは2次抗体などを利用した間接的に標識する方法いずれも利用可能である。また、人工的に蛍光蛋白質と融合させたARHを発現した細胞を用いた場合や、蛍光標識したARH蛋白質を細胞に導入した場合、細胞を固定処置することなく被験物質処置後直接観察することも可能である。
上記のような方法で標識した細胞を、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、細胞内のARH分布を評価する。ARHの標識に金属コロイドを用いる場合は、常法に従い被験物質処置後標本を作製し、電子顕微鏡にて観察し、評価する。
必要に応じ被験物質を処置していない細胞と比較して、ARHの細胞内分布が変化した物質を選択する。
ARHの細胞内分布が変化したとする判定基準としては、例えば次の(1)または(2)が挙げられる。
(1)細胞の画像を画像解析ソフトウエア(例えばScion Image(Scion社、http://www.scioncorp.com))により解析し、細胞全体の標識量中の35%以上、好ましくは50%以上の標識が細胞の基底膜側(例えば基底膜から2μm以内)に分布した物質を選択する。
(2)細胞の厚み(底面から頂端までの長さ)の半分のところで底面と平行な直線を想定する。(この直線からみて底面側の標識量/この直線からみて底面側の細胞の面積)/(この直線からみて頂端側の標識量/この直線からみて頂端側の細胞の面積)が45/55以上好ましくは40/60以上である物質を選択する。
細胞を継代培養し、被験物質処置を行う。
細胞の培地を除去した後、PBS(-)等の緩衝液で洗浄する。次に必要に応じ細胞を固定処置する。この固定処置は、細胞・抗体などに応じてパラホルムアルデヒドやメタノール等通常用いられる方法が利用できる。当該細胞を、常法に従い蛍光抗体などを用いてARHを標識する。蛍光標識する方法としては、抗ARH抗体を直接蛍光標識する方法あるいは2次抗体などを利用した間接的に標識する方法いずれも利用可能である。また、人工的に蛍光蛋白質と融合させたARHを発現した細胞を用いた場合や、蛍光標識したARH蛋白質を細胞に導入した場合、細胞を固定処置することなく被験物質処置後直接観察することも可能である。
上記のような方法で標識した細胞を、蛍光顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、細胞内のARH分布を評価する。ARHの標識に金属コロイドを用いる場合は、常法に従い被験物質処置後標本を作製し、電子顕微鏡にて観察し、評価する。
必要に応じ被験物質を処置していない細胞と比較して、ARHの細胞内分布が変化した物質を選択する。
ARHの細胞内分布が変化したとする判定基準としては、例えば次の(1)または(2)が挙げられる。
(1)細胞の画像を画像解析ソフトウエア(例えばScion Image(Scion社、http://www.scioncorp.com))により解析し、細胞全体の標識量中の35%以上、好ましくは50%以上の標識が細胞の基底膜側(例えば基底膜から2μm以内)に分布した物質を選択する。
(2)細胞の厚み(底面から頂端までの長さ)の半分のところで底面と平行な直線を想定する。(この直線からみて底面側の標識量/この直線からみて底面側の細胞の面積)/(この直線からみて頂端側の標識量/この直線からみて頂端側の細胞の面積)が45/55以上好ましくは40/60以上である物質を選択する。
<2>細胞内器官を密度勾配法により分画し、ARH細胞内分布を評価する
細胞を継代培養し、被験物質処置を行う。
細胞を適当な緩衝液に懸濁し、破砕する。破砕は、注射針あるいはポッター型ホモジェナイザーなどが利用できる。細胞破砕液は、必要に応じて遠心操作をして不溶性画分を除去する。密度勾配をもつ緩衝液(例えばシュークロース溶液)を常法により作成し、その上に重層した後、遠心分離操作を行う。遠心操作後の溶液を、フラクショネーションする。次に各フラクションに含まれるARH量を評価する。評価は、ARH蛋白量が測定できる方法であれば任意の方法が利用できる。例えば、各フラクションの一部を用いてSDS-ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動し、ウエスタンブロッティング(western blotting)によってARH蛋白質を検出し、デンシトメーター等で定量する方法が挙げられる。あるいは、各フラクションのARHを蛍光抗体を用いて標識して、各フラクションの蛍光量を測定することでARH量を定量する方法などが挙げられる。蛍光蛋白や蛍光あるいは放射標識したARHを用いた細胞を使用した場合は、直接その比活性を定量することでARH蛋白量を定量することもできる。なお、細胞破砕前に、必要に応じ細胞を固定処置してもよい。この固定処置は、細胞・抗体などに応じてパラホルムアルデヒドやメタノール等通常用いられる方法が利用できる。
細胞を継代培養し、被験物質処置を行う。
細胞を適当な緩衝液に懸濁し、破砕する。破砕は、注射針あるいはポッター型ホモジェナイザーなどが利用できる。細胞破砕液は、必要に応じて遠心操作をして不溶性画分を除去する。密度勾配をもつ緩衝液(例えばシュークロース溶液)を常法により作成し、その上に重層した後、遠心分離操作を行う。遠心操作後の溶液を、フラクショネーションする。次に各フラクションに含まれるARH量を評価する。評価は、ARH蛋白量が測定できる方法であれば任意の方法が利用できる。例えば、各フラクションの一部を用いてSDS-ポリアクリルアミドゲルを用いて電気泳動し、ウエスタンブロッティング(western blotting)によってARH蛋白質を検出し、デンシトメーター等で定量する方法が挙げられる。あるいは、各フラクションのARHを蛍光抗体を用いて標識して、各フラクションの蛍光量を測定することでARH量を定量する方法などが挙げられる。蛍光蛋白や蛍光あるいは放射標識したARHを用いた細胞を使用した場合は、直接その比活性を定量することでARH蛋白量を定量することもできる。なお、細胞破砕前に、必要に応じ細胞を固定処置してもよい。この固定処置は、細胞・抗体などに応じてパラホルムアルデヒドやメタノール等通常用いられる方法が利用できる。
いずれかの方法で定量したARH量を被験物質の存在下と非存在下で比較し、ARHのフラクショネーションの変化を評価する。各フラクションに含まれるARH量を検出し、ARHが含まれるフラクションの変化や、各フラクションに含まれるARH量に変化が生じる物質を選択する。より具体的には、特定のフラクション中のARH量がコントロールに比べて増加する物質を選択する。
各フラクションに含まれるARH量が変化したとする判定基準としては、例えば、シュークロース溶液の10%〜35%の間で等量のフラクションを5〜20取り、そのうちの1つ〜5つのフラクションについてそれ以外のフラクションに比べ標識量が有意に増加した物質を選択する方法が挙げられる。評価系の最適化によりARHの増加するフラクションが安定して検出できるようになれば、コントロールと比較せずに当該ARHの増加するフラクションのARH量が有意に増加することを基準として評価することもでる。
各フラクションに含まれるARH量が変化したとする判定基準としては、例えば、シュークロース溶液の10%〜35%の間で等量のフラクションを5〜20取り、そのうちの1つ〜5つのフラクションについてそれ以外のフラクションに比べ標識量が有意に増加した物質を選択する方法が挙げられる。評価系の最適化によりARHの増加するフラクションが安定して検出できるようになれば、コントロールと比較せずに当該ARHの増加するフラクションのARH量が有意に増加することを基準として評価することもでる。
<1>〜<2>いずれの方法においても、目的とするARHの細胞内分布を変化させることでLDL受容体発現・機能を促進させる作用がLDL受容体のmRNA転写後の作用であることをより明確にするために、LDL受容体の転写抑制因子の存在下で実施することも可能である。LDL受容体転写抑制因子としては、通常当分野で使用される転写抑制因子が挙げられ、例えば25-ハイドロキシコレステロール、コレステロール、VLDL、LDLなどが挙げられる。
<本発明のスクリーニング方法により得られる物質>
本発明のスクリーニング方法により得られる物質として、好ましくは本発明のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩が挙げられる。
本発明のスクリーニング方法により得られる物質として、好ましくは本発明のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグまたはそれらの薬学上許容される塩が挙げられる。
プロドラッグとは、生体内で酸加水分解により、あるいは酵素的に分解されて本発明のスクリーニング方法により得られる化合物を生じる化合物をいう。例えば、本発明のスクリーニング方法により得られる化合物が水酸基やアミノ基、またはカルボキシ基を有する場合は、これらの基を常法に従って修飾してプロドラッグを製造することができる。
例えばカルボキシ基を有する化合物であればそのカルボキシ基がアルコキシカルボニル基となった化合物、アルキルチオカルボニル基となった化合物、またはアルキルアミノカルボニル基となった化合物が挙げられる。
また、例えばアミノ基を有する化合物であれば、そのアミノ基がアルカノイル基で置換されアルカノイルアミノ基となった化合物、アルコキシカルボニル基により置換されアルコキシカルボニルアミノ基となった化合物、アシロキシメチルアミノ基(アシル部分としては例えばアセチルなどのアルカノイル基またはベンゾイルなどのアロイル基が挙げられる)となった化合物、またはヒドロキシルアミンとなった化合物が挙げられる。
また例えば水酸基を有する化合物であれば、その水酸基がアシル基(例えばアセチルなどのアルカノイル基またはベンゾイルなどのアロイル基が挙げられる)により置換されてアシロキシ基となった化合物、リン酸エステルとなった化合物、またはアシロキシメチルオキシ基となった化合物が挙げられる。
これらのプロドラッグ化に用いる基のアルキル部分としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどの炭素原子数1〜6のアルキル基が挙げられ、そのアルキル基は例えば炭素原子数1〜6のアルコキシ基等により置換されていてもよい。好ましい例としては、次のものが挙げられる。
例えばカルボキシ基がアルコキシカルボニル基となった化合物についての例としては、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルなどの炭素数1〜6アルコキシカルボニル基、またはメトキシメトキシカルボニル、エトキシメトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル、2−メトキシエトキシメトキシカルボニル、またはピバロイロキシメトキシカルボニルなどのアルコキシ基により置換された炭素数1〜6アルコキシカルボニル基などが挙げられる。
例えばカルボキシ基を有する化合物であればそのカルボキシ基がアルコキシカルボニル基となった化合物、アルキルチオカルボニル基となった化合物、またはアルキルアミノカルボニル基となった化合物が挙げられる。
また、例えばアミノ基を有する化合物であれば、そのアミノ基がアルカノイル基で置換されアルカノイルアミノ基となった化合物、アルコキシカルボニル基により置換されアルコキシカルボニルアミノ基となった化合物、アシロキシメチルアミノ基(アシル部分としては例えばアセチルなどのアルカノイル基またはベンゾイルなどのアロイル基が挙げられる)となった化合物、またはヒドロキシルアミンとなった化合物が挙げられる。
また例えば水酸基を有する化合物であれば、その水酸基がアシル基(例えばアセチルなどのアルカノイル基またはベンゾイルなどのアロイル基が挙げられる)により置換されてアシロキシ基となった化合物、リン酸エステルとなった化合物、またはアシロキシメチルオキシ基となった化合物が挙げられる。
これらのプロドラッグ化に用いる基のアルキル部分としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピルなどの炭素原子数1〜6のアルキル基が挙げられ、そのアルキル基は例えば炭素原子数1〜6のアルコキシ基等により置換されていてもよい。好ましい例としては、次のものが挙げられる。
例えばカルボキシ基がアルコキシカルボニル基となった化合物についての例としては、メトキシカルボニルまたはエトキシカルボニルなどの炭素数1〜6アルコキシカルボニル基、またはメトキシメトキシカルボニル、エトキシメトキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボニル、2−メトキシエトキシメトキシカルボニル、またはピバロイロキシメトキシカルボニルなどのアルコキシ基により置換された炭素数1〜6アルコキシカルボニル基などが挙げられる。
本発明のスクリーニング方法により得られる化合物またはそのプロドラッグは必要に応じ薬学上許容される塩として使用することもできる。そのような塩としては、慣用の無毒性塩が挙げられ、具体的には有機酸塩(例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、蟻酸塩またはトルエンスルホン酸塩など)および無機酸塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩または燐酸塩など)のような酸付加塩、アミノ酸(例えばアルギニン、アスパラギン酸またはグルタミン酸など)との塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩またはカリウム塩など)およびアルカリ土類金属塩(例えばカルシウム塩またはマグネシウム塩など)などの金属塩、アンモニウム塩、または有機塩基塩(例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩またはN,N’−ジベンジルエチレンジアミン塩など)などが挙げられる。
本発明のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグまたはその塩は不斉炭素原子を含み立体異性体が存在するものがあるが、使用に際しては各異性体の混合物や単離されたものいずれも使用できる。
また、本発明のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグまたはその塩を使用するには遊離体、塩、水和物、例えばエタノール等の溶媒和物などいずれであってもよい。
本発明のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグはまたはその塩は、局所、経腸、静脈内、筋肉内、吸入、点鼻、関節内、髄腔内、経気管または経眼投与を含めての経口、非経口投与、外用に適した固体状または液状の有機または無機賦形剤などの薬学上許容しうる担体との混合物として医薬製剤の形態で使用できる。該医薬製剤としては、カプセル剤、錠剤、ペレット剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤、坐剤、軟膏剤、クリーム剤、ローション剤、吸入剤、注射剤、パップ剤、ゲル剤、テープ剤、点眼剤、液剤、シロップ剤、エアゾール剤、懸濁剤、乳剤などの固体、半固体または液体が挙げられる。これらの製剤は通常の方法により製造することができる。所望により、これらの製剤に、助剤、安定剤、湿潤剤ないし乳化剤、緩衝剤、その他慣用の添加剤を加えることができる。
本発明のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグはまたはその塩の用量は患者の年齢および状態に応じて増減するが、一般には、ヒトに投与する場合、1日当り0.1mg/個体ないし約1,000mg/個体、好ましくは1日当り1mg/個体ないし約100mg/個体の量を投与することができる。
本発明のスクリーニング方法により、高脂血症等の治療剤を効率的に見出すことができる。このようにして得られる物質は高脂血症等の治療剤として使用することができる。
以下に本発明の実施の態様を例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
方法;
HepG2細胞を、被験物質10μMを含むリポ蛋白除去(LPDS)血清培地で24時間培養した。
HepG2細胞の培地を除去した後、PBS(-) で洗浄し、4% パラホルムアルデヒド溶液および100% メタノールで細胞を固定した。室温下ブロックエース(商品名、雪印乳業株式会社(日本))で数時間ブロッキングした後、あらかじめ作製した抗ARHウサギポリクローナル抗体(rabbit polyclonal antibody)およびアレクサ568標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Alexa568-goat anti rabbit IgG、モレキュラープローブ社(米国))にて蛍光免疫染色を行った。モビオール(Mowiol、カルビオケム社(米国))でマウントし、 共焦点レーザー顕微鏡LSM510(Axiovert 100M、カールツアイス社(ドイツ))でARHの細胞内分布を評価した。
結果;
共焦点レーザー顕微鏡で観察した像から付属のソフトウエアであるLSM510(カールツアイス社)で作成した、細胞をZ軸方向から観察した像を図1に示す。この画像を画像解析ソフトウエア(Scion Image(Scion社、http://www.scioncorp.com/))により解析したところ、コントロールとして被験物質の溶媒であるジメチルスルホキシドで処置した細胞(コントロール)では細胞全体にARHが分布していたが、N−[1−ブチル−4−[3−[3−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−(2,6−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)ウレア 塩酸塩(以下化合物Aと略称する)を処置した細胞では細胞底面側に偏っていることがわかる。同画像解析ソフトウエアを用いて細胞全体でのARH発現量に対する基底膜から2μmまでの底面側での発現量を求めたところ、コントロールでは約30%が分布するが、化合物Aでは約50%分布していた。従って、コントロールよりも底面側でのARH発現が上昇していることが検出されたことがわかる。
HepG2細胞を、被験物質10μMを含むリポ蛋白除去(LPDS)血清培地で24時間培養した。
HepG2細胞の培地を除去した後、PBS(-) で洗浄し、4% パラホルムアルデヒド溶液および100% メタノールで細胞を固定した。室温下ブロックエース(商品名、雪印乳業株式会社(日本))で数時間ブロッキングした後、あらかじめ作製した抗ARHウサギポリクローナル抗体(rabbit polyclonal antibody)およびアレクサ568標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(Alexa568-goat anti rabbit IgG、モレキュラープローブ社(米国))にて蛍光免疫染色を行った。モビオール(Mowiol、カルビオケム社(米国))でマウントし、 共焦点レーザー顕微鏡LSM510(Axiovert 100M、カールツアイス社(ドイツ))でARHの細胞内分布を評価した。
結果;
共焦点レーザー顕微鏡で観察した像から付属のソフトウエアであるLSM510(カールツアイス社)で作成した、細胞をZ軸方向から観察した像を図1に示す。この画像を画像解析ソフトウエア(Scion Image(Scion社、http://www.scioncorp.com/))により解析したところ、コントロールとして被験物質の溶媒であるジメチルスルホキシドで処置した細胞(コントロール)では細胞全体にARHが分布していたが、N−[1−ブチル−4−[3−[3−(ヒドロキシ)プロポキシ]フェニル]−1,2−ジヒドロ−2−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−イル]−N’−(2,6−ジイソプロピル−4−アミノフェニル)ウレア 塩酸塩(以下化合物Aと略称する)を処置した細胞では細胞底面側に偏っていることがわかる。同画像解析ソフトウエアを用いて細胞全体でのARH発現量に対する基底膜から2μmまでの底面側での発現量を求めたところ、コントロールでは約30%が分布するが、化合物Aでは約50%分布していた。従って、コントロールよりも底面側でのARH発現が上昇していることが検出されたことがわかる。
方法;
HepG2細胞を、被験物質10μMを含むリポ蛋白除去(LPDS)血清培地で24時間培養した。
HepG2細胞の培地を除去した後、PBS(-) で洗浄・剥離し、ホモジェナイズバッファー(3mM imidazole, pH7.4, 1mM EDTA, 8.5%(w/w)sucrose)に懸濁した後、細胞を破砕した。遠沈管に10-35%の密度勾配をもつシュークロース溶液を準備し、この上に細胞破砕液を重層した。遠心分離操作後、遠沈管上層よりシュークロース濃度10%〜35%について等量ずつ14フラクションにフラクショネーションした。各フラクションから等量ずつSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、抗ARHウサギポリクローナル抗体(rabbit polyclonal antibody)および2次抗体として西洋わさびパーオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(バイオソースインターナショナル社(米国))を用いてウエスタンブロッティングを行い、各フラクションに含まれるARH量を評価した。
結果;
結果を図2に示す。フラクション7および8に含まれるARH量が化合物Aの処置によって増加した。これらの画像を画像処理して相対的な濃度を測定した結果を下記表1に示す。表1ではコントロールと化合物A投与の細胞についてバンドの濃さの相対値と、対応するフラクション毎の当該相対値の比を示している。相対値の比がフラクション7,8について1.5以上であり、それ以外のフラクションについての相対値の比がほぼ1.0〜1.2であることと明確に区別できる。
HepG2細胞を、被験物質10μMを含むリポ蛋白除去(LPDS)血清培地で24時間培養した。
HepG2細胞の培地を除去した後、PBS(-) で洗浄・剥離し、ホモジェナイズバッファー(3mM imidazole, pH7.4, 1mM EDTA, 8.5%(w/w)sucrose)に懸濁した後、細胞を破砕した。遠沈管に10-35%の密度勾配をもつシュークロース溶液を準備し、この上に細胞破砕液を重層した。遠心分離操作後、遠沈管上層よりシュークロース濃度10%〜35%について等量ずつ14フラクションにフラクショネーションした。各フラクションから等量ずつSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動に供し、抗ARHウサギポリクローナル抗体(rabbit polyclonal antibody)および2次抗体として西洋わさびパーオキシダーゼ(HRP)標識ヤギ抗ウサギIgG抗体(バイオソースインターナショナル社(米国))を用いてウエスタンブロッティングを行い、各フラクションに含まれるARH量を評価した。
結果;
結果を図2に示す。フラクション7および8に含まれるARH量が化合物Aの処置によって増加した。これらの画像を画像処理して相対的な濃度を測定した結果を下記表1に示す。表1ではコントロールと化合物A投与の細胞についてバンドの濃さの相対値と、対応するフラクション毎の当該相対値の比を示している。相対値の比がフラクション7,8について1.5以上であり、それ以外のフラクションについての相対値の比がほぼ1.0〜1.2であることと明確に区別できる。
ハムスターを用いた披験物質の血清脂質低下作用についての検討
方法;
ハムスターを普通食飼育下で、7日間化合物Aを10 mg/kg/day経口投与した後、血清コレステロール値を測定した。
結果;
化合物A投与により、コントロール群と比較して23%血清コレステロール値が低下した。
方法;
ハムスターを普通食飼育下で、7日間化合物Aを10 mg/kg/day経口投与した後、血清コレステロール値を測定した。
結果;
化合物A投与により、コントロール群と比較して23%血清コレステロール値が低下した。
本発明のスクリーニング方法により、高脂血症等の治療剤を効率的に見出すことができる。
Claims (13)
- 以下の工程を含む、LDL受容体タンパク質の発現を促進する物質のスクリーニング方法:
(1)被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養し、
(2)当該細胞内のARHタンパク質の局在を測定し、
(3)ARHタンパク質の局在を変化させる物質を選択する。 - 被験物質の存在下でLDL受容体発現細胞を培養後、当該細胞を固定処置した後に細胞内のARHタンパク質の局在を測定する、請求項1記載のスクリーニング方法。
- ARHタンパク質の局在測定が、ARHタンパク質の細胞内分布測定である、請求項1または2記載のスクリーニング方法。
- ARHタンパク質の細胞内分布測定が蛍光標識により行うものである、請求項3記載のスクリーニング方法。
- 蛍光標識が蛍光抗体を用いるものである、請求項4記載のスクリーニング方法。
- 蛍光標識が蛍光標識したARHタンパク質を用いるものである、請求項4記載のスクリーニング方法。
- ARHタンパク質の細胞内分布測定が金属コロイド標識により行うものである、請求項3記載のスクリーニング方法。
- ARHタンパク質の局在測定が、当該細胞を破砕し、密度勾配法により分画して、ARHタンパク質の密度分布を測定する方法である、請求項1または2記載のスクリーニング方法。
- 当該密度分布測定でのARHタンパク質の検出がウエスタンブロッティング、蛍光抗体による標識、蛍光標識ARH蛋白の使用、または放射標識したARH蛋白の使用によるものである、請求項8記載のスクリーニング方法。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有するLDL受容体蛋白発現促進剤。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有する血中脂質低下剤。
- 請求項1から9のいずれか1項記載のスクリーニング方法により得られる化合物もしくはそのプロドラッグ、またはそれらの薬学上許容される塩を含有する高脂血症、動脈硬化、膵炎、インスリン非依存型糖尿病、冠動脈疾患、または肥満の治療剤。
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---|---|---|---|
JP2004132819A JP2005315686A (ja) | 2004-04-28 | 2004-04-28 | 高脂血症等の治療に有用な物質のスクリーニング方法 |
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