JP2005315668A - 光学異性体用分離剤 - Google Patents

光学異性体用分離剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2005315668A
JP2005315668A JP2004132417A JP2004132417A JP2005315668A JP 2005315668 A JP2005315668 A JP 2005315668A JP 2004132417 A JP2004132417 A JP 2004132417A JP 2004132417 A JP2004132417 A JP 2004132417A JP 2005315668 A JP2005315668 A JP 2005315668A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
methanol
reaction
carbon atoms
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004132417A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4515812B2 (ja
Inventor
Yoshio Okamoto
佳男 岡本
Tomoyo Yamamoto
智代 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP2004132417A priority Critical patent/JP4515812B2/ja
Publication of JP2005315668A publication Critical patent/JP2005315668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4515812B2 publication Critical patent/JP4515812B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)

Abstract

【課題】 高速液体クロマトグラフィーに好適な光学異性体用分離剤の提供。
【解決手段】 多糖誘導体を含む光学異性体用分離剤であり、多糖誘導体が、多糖の水酸基及びアミノ基の水素原子の少なくとも一部が下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示される原子団の少なくとも一種と置換されたものである光学異性体用分離剤。
【化1】
Figure 2005315668

〔式中、R1は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基等よりなる群から選択される原子又は基であり、R、R及びRは水素原子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、光学異性体用分離剤に関し、特に高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に好適に用いられる光学異性体用分離剤に関する。
実像と鏡像の関係を有する光学異性体は物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度などの物性が全く同一であるが、生体に対する相互作用、例えば味、匂いなどの生理活性に差異がみられるケースが往々にしてある。特に医薬品の分野においては、光学異性体間でその薬効、毒性の点で顕著な差が見られる場合が高い確率で予想されるため、厚生省の医薬品製造指針には、「当該薬物がラセミ体である場合には、それぞれの異性体について、吸収、分布、代謝、排泄動態を検討しておくことが望ましい」と記載されている。
先に述べたように光学異性体は、物理的、化学的性質、例えば沸点、融点、溶解度といった物性は全く同一であるために、古典的な通常の分離手段では分析できないことが致命的となっていたため、幅広い種類の光学異性体を簡便に、かつ精度良く分析する技術の研究が精力的に行われてきた。
そしてこれら要求に応える分析手法として、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による光学分割法、とくにHPLC用光学異性体分離用カラムによる光学分割方法が進歩してきた。ここで言う光学異性体分離用カラムでは、不斉識別剤そのもの、あるいは不斉識別剤を適当な担体上に担持させたキラル固定相が使用されている。例えば、光学活性ポリメタクリル酸トリフェニルメチル(特許文献1)、セルロース、アミロース誘導体(非特許文献1)、タンパクであるオボムコイド(特許文献2)等が開発されている。
数あるこれらHPLC用キラル固定相の中でも、セルロース、アミロース誘導体をシリカゲル上に担持させた光学分割カラムは、極めて幅広い化合物に対し、高い不斉識別能を有することが知られている。
最近では、HPLC用キラル固定相と擬似移動床法を組み合わせた工業規模での光学活性体液体クロマト法分取の検討が進められ(非特許文献2)、更に、単に完全分離するのみならずクロマト分取生産性を向上させるために、分取目的化合物に対してさらによく分ける、すなわちより大きな分離係数(α値)をもったキラル固定相が求められ、大きなα値を持った不斉識別能力の高い多糖誘導体を見出す研究が精力的に行われている。
特開昭57−150432号公報 特開昭63−307829号公報 Y.Okamoto, M.Kawashima and K.Hatada, J.Am.Chem.Soc., 106,5337,1984 Phram Tech Japan 12,43
本発明は、クロマトグラフィー等で利用するキラル固定相として適した、より大きなα値を持った不斉識別能力の高い多糖誘導体を有効成分とする光学異性体用分離剤を提供することを課題とする。
本発明は、課題の解決手段として、多糖誘導体を含む光学異性体用分離剤であり、多糖誘導体が、多糖の水酸基及びアミノ基の水素原子の少なくとも一部が下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示される原子団の少なくとも一種と置換されたものである光学異性体用分離剤を提供する。
Figure 2005315668
〔式中のR、R、R及びRの意味は、以下の(a)〜(c)のいずれかの組み合わせから選択されるものである。
(a)R1は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1〜8のアシルオキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基、アラルキル基、ニトロ基、アミノ基及び炭素数1〜8のアルキルアミノ基よりなる群から選択される原子又は基であり、R、R及びRは水素原子である。
(b)Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1〜8のアシルオキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基、アラルキル基、ニトロ基、アミノ基及び炭素数1〜8のアルキルアミノ基よりなる群から選択される原子又は基であり、R、R及びRは水素原子である。
(c)R、R及びRはハロゲン原子であり、R1は水素原子である。〕
本発明の光学異性体用分離剤、それを用いたクロマトグラフィーの固定相、連続式液体クロマトグラフィーの固定相は、特に医薬品、食品、農薬、香料の分析において、幅広いキラル化合物を、高い分離係数をもって光学分割する光学異性体分析技術に適している。
本発明の光学異性体用分離剤で用いる多糖誘導体は、多糖が有するヒドロキシル基の水素原子の少なくとも一部が、上記の一般式(1)及び(2)で示される原子団の少なくとも一種で置換されたものである。
一般式(1)及び(2)中のR、R、R及びRの意味は、上記の(a)〜(c)のいずれかの組み合わせから選択されるものである。
多糖誘導体は、一般式(1)及び下記一般式(2)で示される原子団において、R1、R、R及びRが(a)のとき、R1がハロゲン原子、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基又はニトロ基であるものが好ましい。
多糖誘導体は、一般式(1)及び下記一般式(2)で示される原子団において、R1、R、R及びRが(b)のとき、Rがハロゲン原子、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基又はニトロ基であるものが好ましい。
本発明で用いられる多糖は、合成多糖、天然多糖及び天然物変成多糖のいずれかを問わず、光学活性であればいかなるものでもよいが、好ましくは結合様式の規則性の高いものが望ましい。
例示すればβ−1,4−グルカン(セルロース)、α−1,4−グルカン(アミロース、アミロペクチン)、α−1,6−グルカン(デキストラン)、β−1,6−グルカン(ブスツラン)、β−1,3−グルカン(例えばカードラン、シゾフィラン等)、α−1,3−グルカン、β−1,2−グルカン(Crown Gall多糖)、β−1,4−ガラクタン、β−1,4−マンナン、α−1,6−マンナン、β−1,2−フラクタン(イヌリン)、β−2,6−フラクタン(レバン)、β−1,4−キシラン、β−1,3−キシラン、β−1,4−キトサン、α−1,4−N−アセチルキトサン(キチン)、プルラン、アガロース、アルギン酸等であり、アミロースを含有する澱粉も含まれる。
これらの中では、高純度の多糖を容易に入手できるセルロース、アミロース、β−1,4−キシラン、β−1,4−キトサン、キチン、β−1,4−マンナン、イヌリン、カードラン等が好ましく、特にセルロース、アミロースが好ましい。
多糖の数平均重合度(1分子中に含まれるピラノースあるいはフラノース環の平均数)は5以上、好ましくは10以上であり、特に上限はないが、1000以下であることが取り扱いの容易さの点で望ましい。
多糖誘導体は、同じ原子団が多糖に結合した多糖誘導体であっても良いし、異なる種類の原子団が多糖に結合した糖誘導体であっても良く、多糖誘導体における原子団の分布は、均等であっても良いし、偏りがあっても良く、多糖誘導体の単糖ユニットに結合する前記原子団の個数は、全ての単糖ユニットにおいて同じであっても良いし、異なっていても良く、多糖誘導体の単糖ユニットに結合する前記原子団の位置は、単糖ユニットにおける特定の水酸基の位置であっても良いし、特に規則性がなくても良い。
本発明で用いる多糖誘導体は、多糖と、多糖が有するヒドロキシル基と反応しうる官能基を有する化合物〔但し、一般式(1)又は(2)の原子団を形成しうる化合物〕とを反応させて得ることができる。
このような化合物としては、芳香族又は脂肪族カルボン酸、酸塩化物、酸無水物、酸エステル等のカルボン酸誘導体、芳香族又は脂肪族イソシアン酸誘導体を用いることができる。
本発明の光学異性体用分離剤は、多糖誘導体を担体に担持させたもの、多糖誘導体自体を破砕、又は公知の方法により球状粒子化(例えば、特開平7−285889号公報)したものにすることができる。ここでいう担持とは、担体上に多糖誘導体が固定化されていることである。担持方法は公知の担持方法を適用することができ、多糖誘導体と担体との間の物理的な吸着、担体との間の化学結合、多糖誘導体同士の化学結合、第三成分の化学結合、多糖誘導体への光照射、ラジカル反応等の方法を適用することができる(例えば、特開平6−93002公報参照)。
担体としては、多孔質有機担体及び多孔質無機担体が挙げられ、好ましくは多孔質無機担体である。多孔質有機担体として適当なものは、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、ポリアクリレート等からなる高分子物質であり、多孔質無機担体として適当なものは、シリカ、アルミナ、マグネシア、ガラス、カオリン、酸化チタン、ケイ酸塩、ヒドロキシアパタイトなどである。
特に好ましい担体はシリカゲルであり、シリカゲルの粒径は0.1μm〜10mm、好ましくは1μm〜300μm、更に好ましくは1μm〜100μmであり、平均孔径は10Å〜100μm、好ましくは50Å〜50,000Åである。表面は残存シラノールの影響を排除するために表面処理が施されていることが望ましいが、全く表面処理が施されていなくても問題ない。
担体上への多糖誘導体の担持量は、光学異性体用分離剤100質量部に対して、1〜100質量部が好ましく、更に5〜60質量部が好ましく、特に10〜40質量部が望ましい。
また多糖誘導体自体を破砕又は球状粒子化するとき、乳鉢等を用いることで得られた破砕状又は球状の多糖誘導体は、分級して粒度を揃えておくことが望ましい。
本発明の光学異性体用分離剤は、クロマトグラフィーの固定相として用いることができ、ガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、超臨界流体クロマトグラフィー、電気泳動等に適用することができ、特に(連続式)液体クロマトグラフィー法、薄層クロマトグラフィー、電気泳動に好適である。また、クロマトグラフィー用分離剤のみならず、ホストゲスト分離剤、膜分離、液晶材料への応用もできる。
本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
製造例1〔3-エトキシフェニルイソシアナート〕
攪拌子を入れた500ml三口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。その後、乾燥トルエン160mlとm−フェネチジン10g(73mmol)を加え、塩酸ガスを吹き込み、アミン塩酸塩とした。これにトリホスゲン14gを乾燥トルエン110mlに溶かしたものを、80℃に加熱したフラスコ内に滴下ロートを用いて加えた。
トリホスゲンを加えてしばらく加熱・攪拌したが、溶液が均一にならなかったため、乾燥ピリジン1mlを加え、未反応の塩酸塩を溶解させた。その後、真空ポンプを用いて、室温中でトルエンを除去し、オレンジ色の固体を得た。これは、イソシアナートに加え、ピリジンを加えたことにより生成したアミンがイソシアナートと反応してできた尿素が含まれているためである。尿素がクロロホルムに溶けにくいことを利用して精製を行い、目的とするイソシアナート3g(収率25%)を得た。
Figure 2005315668
製造例2〔3-イソプロポキシフェニルイソシアナート〕
攪拌子を入れた1L三口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。その後、乾燥トルエン450mlとm−イソプロポキシアニリン25g(165mmol)を加え、塩酸ガスを吹き込み、アミン塩酸塩とした。これにトリホスゲン23gを乾燥トルエン200mlに溶かしたものを、80℃に加熱したフラスコ内に滴下ロートを用いて加えた。
トリホスゲンを加えてしばらく加熱・攪拌し、溶液が均一になって1時間後に反応を止めた。その後、真空ポンプを用いて、室温中でトルエンを除去し、褐色の液体を得た。そして、この液体を減圧蒸留することにより、目的とするイソシアナート25g(収率87%)を得た。沸点54℃(73℃、63Pa)。
Figure 2005315668
製造例3〔3-イソプロピルフェニルイソシアナート〕
攪拌子を入れた1L三口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。その後、乾燥トルエン480mlとm−イソプロピルアニリン23g(171mmol)を加え、塩酸ガスを吹き込み、アミン塩酸塩とした。これにトリホスゲン23gを乾燥トルエン200mlに溶かしたものを、80℃に加熱したフラスコ内に滴下ロートを用いて加えた。
トリホスゲンを加えてしばらく加熱・攪拌し、溶液が均一になって1時間後に反応を止めた。その後、真空ポンプ(5mmHg)を用いて、室温中でトルエンを除去し、褐色の液体を得た。そして、この液体を減圧蒸留することにより、目的とするイソシアナート21g(収率76%)を得た。沸点37℃(47℃、38Pa)。
Figure 2005315668
製造例4〔3,4,5-トリフルオロフェニルイソシアナート〕
3,4,5-トリフルオロ安息香酸4.3g(25mmol)を三口フラスコの中に入れ、氷浴につけながら、3,4,5-トリフルオロ安息香酸が溶けるまでアセトン10mlを加えた。反応溶液が0℃になったことを確認して、乾燥トリエチルアミン4.1mlと、温度計の温度が5℃以上にならないように注意しながら、ClCOOCH 2.8ml(29mmol)を加え、1.5時間攪拌した。このとき、反応溶液の温度が5℃以上にならないように注意した。
次に、NaN2.8g(43mmol)を氷浴につけながら、水15.5mlで溶解させて水溶液とし、この水溶液を反応溶液の温度が5℃以上にならないように注意しながら加えて、1.5時間攪拌した。
1.5時間後、反応を止め、反応溶液をトルエンにより抽出した。その後、抽出液を30〜50mlになるまで溶媒を減圧留去し、氷浴中で無水硫酸マグネシウムを加えて40分間乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾過したトルエン溶液を、窒素置換した三口フラスコの中に入れ、オイルバス120〜130℃で2.5時間加熱した。
放冷後、そのままトルエンをある程度減圧留去し、予め窒素置換しておいたナスフラスコに移した。移すときは、無水クロロホルムで三口フラスコをよく洗い、洗浄液もナスフラスコに移した。
その後、再び減圧留去することにより、褐色の液体を得た。この溶液を減圧濃縮することにより、目的とするイソシアナート0.1g(収率23%)を得た。沸点79℃(104℃、11.5mmHg)。
Figure 2005315668
実施例1〔セルロース トリス(2-フルオロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.42g(2.6mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン10mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して4.6当量の2-フルオロフェニルイソシアナート1.7g(12mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。
19.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が見られなかったので、新たに2-フルオロフェニルイソシアナート0.54g(3.9mmol)を加えて反応を継続した。27時間後、改めてFT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.3g(収率88%)を得た。
Figure 2005315668
実施例2〔アミロース トリス(2-フルオロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.42g(2.6mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン10mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して4.4当量の2-フルオロフェニルイソシアナート1.6g(12mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。
27時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が見られなかったので、新たに2-フルオロフェニルイソシアナート0.35g(2.6mmol)を加えて反応を継続した。46.5時間後、改めてFT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。
その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去した。得られた固体の収量は15g(収率100%)であったが、H-NMRを測定した結果、尿素が含まれていることが分かったので、再沈殿させて尿素を除去し、目的とする多糖誘導体1.4g(収率92%)を得た。
Figure 2005315668
実施例3〔セルロース トリス(2-イソプロピルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.38g(2.3mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン14mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の2-イソプロピルフェニルイソシアナート1.5g(9.2mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。
26時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が見られなかったので、新たに2-イソプロピルフェニルイソシアナート0.2g(1.3mmol)を加えて反応を継続した。45時間後、改めてFT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.2g(収率81%)を得た。
Figure 2005315668
実施例4〔アミロース トリス(2-イソプロピルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.25g(1.6mmol)を加え、100℃で2時間乾燥した後、LiCl0.36gと乾燥DMA3.5mlを加え、100℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン4mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して4.1当量の2-イソプロピルフェニルイソシアナート1.1g(6.6mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。18時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.90g(収率90%)を得た。
Figure 2005315668
実施例5〔アミロース トリス(2-t-ブチルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.24g(1.5mmol)を加え、100℃で2時間乾燥した後、LiCl0.36gと乾燥DMA3.5mlを加え、100℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン4.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の2-t-ブチルフェニルイソシアナート1.0g(5.8mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。19.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.88g(収率88%)を得た。
Figure 2005315668
実施例6〔セルロース トリス(2-t-ブチルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.35g(2.2mmol)を加え、100℃で2時間乾燥した後、LiCl0.54gと乾燥DMA5.3mlを加え、100℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン5.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の2-t-ブチルフェニルイソシアナート1.5g(8.5mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。18.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.1g(収率76%)を得た。
Figure 2005315668
実施例7〔セルロース トリス(3,4,5-トリフルオロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.10g(0.64mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン1.9mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.8当量の3,4,5-トリフルオロフェニルイソシアナート0.41g(2.4mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。
17時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が見られなかったので、新たに3,4,5-トリフルオロフェニルイソシアナート0.38g(2.2mmol)を加えて反応を継続した。41時間後、改めてFT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収は確認できなかったが、イソシアナートがなくなったために反応を止めた。
その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.1g(収率23%)を得た。
Figure 2005315668
実施例8〔アミロース トリス(2-メトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.40g(2.5mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン10mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の2-メトキシフェニルイソシアナート1.5g(9.8mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。80時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.4g(収率96%)を得た。
Figure 2005315668
実施例9〔セルロース トリス(2-メトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.40g(2.5mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、LiCl0.59gと乾燥DMA5.9mlを加え、80℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン10mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の2-メトキシフェニルイソシアナート1.5g(9.8mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。18時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去した。得られた固体の収量は1.5g(収率95%)であったが、H-NMRを測定した結果、尿素が含まれていることが分かったので、再沈殿させて尿素を除去し、目的とする多糖誘導体1.3g(収率84%)を得た。
Figure 2005315668
実施例10〔アミロース トリス(3-メトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.40g(2.5mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、LiCl0.62gと乾燥DMA5.9mlを加え、80℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン5.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の3-メトキシフェニルイソシアナート1.5g(9.8mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。
21時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が見られなかったので、新たに3-メトキシフェニルイソシアナート0.89g(6.0mmol)を加えて反応を継続した。41時間後、改めてFT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.2g(収率80%)を得た。
Figure 2005315668
実施例11〔セルロース トリス(3-メトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.40g(2.5mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、LiCl0.61gと乾燥DMA5.0mlを加え、80℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン5.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の3-メトキシフェニルイソシアナート1.5g(9.8mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。37.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.3g(収率86%)を得た。
Figure 2005315668
実施例12〔アミロース トリス(2-メトキシカルボニルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.31g(1.9mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、LiCl0.45gと乾燥DMA4.5mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン7.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.3当量のメチル2-イソシアナトベンゾエート2.2g(12mmol)を加えて85℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。37.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認されたので、反応が十分に進行しているものと判断して反応を止めた。
その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.70g(収率54%)を得た。
Figure 2005315668
実施例13〔セルロース トリス(2-メトキシカルボニルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.31g(1.9mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、LiCl0.46gと乾燥DMA4.5mlを加え、85℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン7.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.8当量のメチル2-イソシアナトベンゾエート2.3g(13mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。17時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認されたので、反応が十分に進行しているものと判断して反応を止めた。
その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.1g(収率81%)を得た。
Figure 2005315668
比較例1〔アミロース トリス(3,5-ジメトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.11g(0.67mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、LiCl0.16gと乾燥DMA1.5mlを加え、90℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン4.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して3.9当量の3,5-ジメトキシフェニルイソシアナート0.46g(2.6mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。
18時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が見られなかったので、新たに3,5-ジメトキシフェニルイソシアナート0.10g(0.56mmol)を加えて反応を継続した。21.5時間後、改めてFT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.37g(収率81%)を得た。
Figure 2005315668
比較例2〔セルロース トリス(3,5-ジメトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.12g(0.75mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、LiCl0.16gと乾燥DMA1.8mlを加え、90℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン4.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して5.4当量の3,5-ジメトキシフェニルイソシアナート0.75g(4.2mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。22時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.45g(収率86%)を得た。
Figure 2005315668
実施例14〔アミロース トリス(3-メトキシカルボニルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.14g(0.89mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン6.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.7当量の3-メトキシカルボニルフェニルイソシアナート1.1g(6.0mmol)を加えて95℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。42.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.57g(収率92%)を得た。
Figure 2005315668
実施例15〔セルロース トリス(3-メトキシカルボニルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.14g(0.89mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン6.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.7当量の3-メトキシカルボニルフェニルイソシアナート1.1g(6.1mmol)を加えて95℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。28時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.55g(収率90%)を得た。
Figure 2005315668
実施例16〔セルロース トリス(2-ニトロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.21g(1.3mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン5.5mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して5.1当量の2-ニトロフェニルイソシアナート1.1g(6.6mmol)を加えて95℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。42.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.75g(収率89%)を得た。
Figure 2005315668
実施例17〔アミロース トリス(2-ニトロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.21g(1.3mmol)を加え、95℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン6.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して5.1当量の2-ニトロフェニルイソシアナート1.1g(6.6mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。20.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.72g(収率85%)を得た。
Figure 2005315668
実施例18〔アミロース トリス(3-エトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.16g(0.99mmol)を加え、80〜90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン8.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して8.1当量の3-エトキシフェニルイソシアナート1.3g(8.1mmol)を加えて80〜90℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。47.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.56g(収率87%)を得た。
Figure 2005315668
実施例19〔セルロース トリス(3-エトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.16g(1.0mmol)を加え、80〜90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン9.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して10当量の3-エトキシフェニルイソシアナート1.7g(10mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。46.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.53g(収率81%)を得た。
Figure 2005315668
実施例20〔アミロース トリス(3-ニトロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.22g(1.3mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン8.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して8.1当量の3-ニトロフェニルイソシアナート1.5g(9.1mmol)を加えて85℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。46.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去した。得られた固体の収量は1.5g(収率>100%)であったが、H-NMRを測定した結果、尿素が含まれていることが分かったので、再沈殿させたが尿素を完全には除去できず、尿素を含んだ状態の多糖誘導体を得た。
Figure 2005315668
実施例21〔セルロース トリス(3-ニトロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.22g(1.3mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン10mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して8.3当量の3-ニトロフェニルイソシアナート1.8g(11mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。43時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去した。得られた固体の収量は1.8g(収率>100%)であったが、H-NMRを測定した結果、尿素が含まれていることが分かったので、再沈殿させたが尿素を完全には除去できず、尿素を含んだ状態の多糖誘導体を得た。
Figure 2005315668
実施例22〔セルロース トリス(3-イソプロポキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.70g(4.3mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン18mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.6当量の3-イソプロポキシフェニルイソシアナート5.1g(29mmol)を加えて90℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。40.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体2.1g(収率70%)を得た。
Figure 2005315668
実施例23〔アミロース トリス(3-イソプロポキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.70g(4.3mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン18mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.6当量の3-イソプロポキシフェニルイソシアナート5.1g(29mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。40.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体2.3g(収率78%)を得た。
Figure 2005315668
実施例24〔セルロース トリス(3-フルオロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.57g(3.5mmol)を加え、80℃で2時間乾燥した後、LiCl0.85gと乾燥DMA8.4mlを加え、90℃で一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン7.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.6当量の3-フルオロフェニルイソシアナート3.2g(23mmol)を加えて85℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。45時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノール/水=6/1溶液に落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノール/水=6/1溶液に落とし、不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.6g(収率82%)を得た。
Figure 2005315668
実施例25〔アミロース トリス(3-フルオロフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.42g(2.6mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン12mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して5.6当量の3-フルオロフェニルイソシアナート2.0g(15mmol)を加えて反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。44.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノール/水=6/1溶液に落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノール/水=6/1溶液に落とし、不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.3g(収率85%)を得た。
Figure 2005315668
実施例26〔セルロース トリス(2-エトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.20g(1.2mmol)を加え、92℃で2時間乾燥した後、LiCl0.30gと乾燥DMA3.0mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン6.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.6当量の2-エトキシフェニルイソシアナート1.3g(8.2mmol)を加えて92℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。23.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.73g(収率91%)を得た。
Figure 2005315668
実施例27〔アミロース トリス(2-エトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.20g(1.2mmol)を加え、92℃で2時間乾燥した後、LiCl0.30gと乾燥DMA3.0mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン6.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して5.1当量の2-エトキシフェニルイソシアナート1.0g(6.2mmol)を加えて92℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。18時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.74g(収率93%)を得た。
Figure 2005315668
比較例3〔アミロース トリス(4-メトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.11g(0.66mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、LiCl0.16gと乾燥DMA1.6mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン3.5mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して12当量の4-メトキシフェニルイソシアナート1.2g(8.1mmol)を加えて92℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。44.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.27g(収率91%)を得た。
Figure 2005315668
比較例4〔アミロース トリス(4-エトキシフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.10g(0.61mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、LiCl0.15gと乾燥DMA1.5mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン3.5mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して10当量の4-エトキシフェニルイソシアナート1.0g(6.3mmol)を加えて85℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。44.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.24g(収率61%)を得た。
Figure 2005315668
比較例5〔アミロース トリス(4-イソプロピルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.08g(0.45mmol)を加え、85℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン2mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.6当量の4-イソプロピルフェニルイソシアナート0.48g(3.0mmol)を加えて85℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。46時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.15g(収率50%)を得た。
Figure 2005315668
実施例28〔アミロース トリス(2-メチルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.58g(3.6mmol)を加え、92℃で2時間乾燥した後、LiCl0.87gと乾燥DMA8.6mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン3.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.4当量の2-メチルフェニルイソシアナート3.1g(23mmol)を加えて92℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。38時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.4g(収率72%)を得た。
Figure 2005315668
実施例29〔アミロース トリス(3-メチルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.43g(2.7mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、LiCl0.65gと乾燥DMA6.4mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン6.0mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して7.3当量の3-メチルフェニルイソシアナート2.6g(20mmol)を加えて90℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。20.5時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体0.74g(収率93%)を得た。
Figure 2005315668
実施例30〔セルロース トリス(3-イソプロピルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、セルロース0.50g(3.1mmol)を加え、90℃で2時間乾燥した後、乾燥ピリジン12mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して5.1当量の3-イソプロピルフェニルイソシアナート2.6g(16mmol)を加えて90℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。17時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.7g(収率86%)を得た。
Figure 2005315668
実施例31〔アミロース トリス(3-イソプロピルフェニルカルバメート)〕
攪拌子を入れた二口フラスコに、三方コックをつけた還流管とセプタムラバーをつけた後、系全体を窒素置換した。
次に、アミロース0.53g(3.2mmol)を加え、92℃で2時間乾燥した後、LiCl0.79gと乾燥DMA7.8mlを加え、一晩攪拌し、膨潤させた。その後、乾燥ピリジン5.2mlと、グルコース環ユニット中の水酸基に対して6.5当量の3-イソプロピルフェニルイソシアナート3.4g(21mmol)を加えて92℃で反応させた。反応の進行は、FT-IRで確認しながら行った。23時間後、FT-IR測定の結果、イソシアナートに由来するピークの吸収が確認された。
また、サンプリングした反応溶液をメタノールに落として不溶部を回収し、得られた固体のFT-IRによる測定の結果からも、反応が十分に進行しているものと判断できたので、反応を止めた。その後、反応溶液をメタノールに落とし、メタノール不溶部を回収し、真空ポンプを用い、60℃で一晩乾燥してメタノールを除去して、目的とする多糖誘導体1.6g(収率76%)を得た。
Figure 2005315668
実施例32
以下のとおりにして、表1〜表5に示す上記実施例で得られた多糖誘導体をシリカゲルに担持させたものを用い、液体クロマトグラフィー用カラムを作製した。
(1)シリカゲルの表面処理
多孔質シリカゲル(粒径7μm,平均孔径100nm)を、3-アミノプロピルトリエトキシシランと反応させることにより、アミノプロピルシラン処理(APS処理)を施した。
(2)液体クロマトグラフィー用充填剤作製
上記(1)で得たシリカゲル0.9gに、上記実施例で得た多糖誘導体0.225gを、各々テトラヒドロフラン(THF)又はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させ、均一に塗布した後、溶媒を減圧留去することにより、シリカゲルに目的の多糖誘導体が担持された光学異性体用充填剤を得た。
(3)液体クロマトグラフィー用カラム作製
上記(2)で得た充填剤を、25cm×0.46cmのステンレス製カラムにスラリー充填法により加圧、充填を行い光学異性体分離カラムを作製した。
応用例1
実施例34で作製された光学異性体分離カラムを用い、液体クロマトグラフィー法により、表1〜表5に示す化合物の不斉識別能力(保持係数k’値、分離係数α値)の評価を行った。結果を表1〜表5に示す。なお、保持係数(k')、分離係数(α)は下式で定義される。
保持係数(k')
k'=[(対掌体の保持時間)−(デッドタイム)]/デッドタイム)
(デッドタイムは、Tri-tert-butylbezeneの溶出時間をデッドタイムとした。)
分離係数(α)
α=(より強く保持される対掌体の保持係数)/(より弱く保持される対掌体の保持係数)
Figure 2005315668
移動相:ヘキサン/2-プロパノール=90/10(v/v),流速:0.5ml/min、検出:254nm,温度:25℃
Figure 2005315668
移動相:ヘキサン/2-プロパノール=90/10(v/v),流速:0.5ml/min、検出:254nm,温度:25℃
*:25cm×0.20cmのステンレス製カラム,流速:0.1ml/min
Figure 2005315668
移動相:ヘキサン/2-プロパノール=90/10(v/v),流速:0.5ml/min、検出:254nm,温度:25℃
Figure 2005315668
移動相:ヘキサン/2-プロパノール=90/10(v/v),流速:0.5ml/min、検出:254nm,温度:25℃
Figure 2005315668
移動相:ヘキサン/2-プロパノール=90/10(v/v),流速:0.5ml/min、検出:254nm,温度:25℃

Claims (6)

  1. 多糖誘導体を含む光学異性体用分離剤であり、多糖誘導体が、多糖の水酸基及びアミノ基の水素原子の少なくとも一部が下記一般式(1)及び下記一般式(2)で示される原子団の少なくとも一種と置換されたものである光学異性体用分離剤。
    Figure 2005315668
    〔式中のR、R、R及びRの意味は、以下の(a)〜(c)のいずれかの組み合わせから選択されるものである。
    (a)R1は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1〜8のアシルオキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基、アラルキル基、ニトロ基、アミノ基及び炭素数1〜8のアルキルアミノ基よりなる群から選択される原子又は基であり、R、R及びRは水素原子である。
    (b)Rは、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、シアノ基、炭素数1〜8のアシル基、炭素数1〜8のアシルオキシ基、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基、アラルキル基、ニトロ基、アミノ基及び炭素数1〜8のアルキルアミノ基よりなる群から選択される原子又は基であり、R、R及びRは水素原子である。
    (c)R、R及びRはハロゲン原子であり、R1は水素原子である。〕
  2. 前記多糖誘導体は、一般式(1)及び下記一般式(2)で示される原子団において、R1、R、R及びRが(a)のとき、R1がハロゲン原子、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基又はニトロ基である請求項1記載の光学異性体用分離剤。
  3. 前記多糖誘導体は、一般式(1)及び下記一般式(2)で示される原子団において、R1、R、R及びRが(b)のとき、Rがハロゲン原子、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、炭素数1〜12の直鎖若しくは分岐鎖のアルコキシ基、炭素数1〜12のアルコキシカルボニル基又はニトロ基である請求項1記載の光学異性体用分離剤。
  4. 前記多糖は、セルロース又はアミロースである請求項1〜3のいずれかに記載の光学異性体用分離剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の多糖誘導体が担体に担持されている光学異性体用分離剤。
  6. クロマトグラフィーの固定相に用いられる充填剤である請求項1〜5のいずれかに記載の光学異性体用分離剤。
JP2004132417A 2004-04-28 2004-04-28 光学異性体用分離剤 Expired - Fee Related JP4515812B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004132417A JP4515812B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 光学異性体用分離剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004132417A JP4515812B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 光学異性体用分離剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005315668A true JP2005315668A (ja) 2005-11-10
JP4515812B2 JP4515812B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=35443262

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004132417A Expired - Fee Related JP4515812B2 (ja) 2004-04-28 2004-04-28 光学異性体用分離剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4515812B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007129658A1 (ja) * 2006-05-09 2007-11-15 National University Corporation Nagoya University 光学異性体分離用充填剤
WO2007129659A1 (ja) * 2006-05-09 2007-11-15 National University Corporation Nagoya University 光学異性体分離用充填剤
WO2008102920A1 (ja) * 2007-02-23 2008-08-28 Daicel Chemical Industries, Ltd. 光学異性体分離用充填剤
JP2010505110A (ja) * 2006-09-29 2010-02-18 カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ 有機−無機ハイブリッドキラル吸着剤およびその製造方法
WO2013176215A1 (ja) 2012-05-23 2013-11-28 株式会社ダイセル 分離剤
WO2014007362A1 (ja) * 2012-07-06 2014-01-09 合同酒精株式会社 環状マクロライド系化合物の分離方法
WO2014087937A1 (ja) 2012-12-06 2014-06-12 株式会社ダイセル 分離剤
JP2016534373A (ja) * 2013-10-09 2016-11-04 ピュリディファイ リミテッド クロマトグラフィー担体
WO2018159562A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
WO2023032883A1 (ja) 2021-08-30 2023-03-09 株式会社ダイセル マイクロ流体デバイス、及びその製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01203402A (ja) * 1988-02-08 1989-08-16 Daicel Chem Ind Ltd 多糖類カルバメート誘導体
WO1997023778A1 (fr) * 1995-12-21 1997-07-03 Daicel Chemical Industries, Ltd. Remplissage de chromatographie liquide a haute performance
JPH10185894A (ja) * 1996-12-20 1998-07-14 Daicel Chem Ind Ltd 高速液体クロマトグラフィ−用充填剤の製造法
JPH11171800A (ja) * 1997-10-03 1999-06-29 Daicel Chem Ind Ltd 光学異性体用分離剤及びその製造法
JPH11255671A (ja) * 1998-03-11 1999-09-21 Daicel Chem Ind Ltd 光学異性体のクロマト分離法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01203402A (ja) * 1988-02-08 1989-08-16 Daicel Chem Ind Ltd 多糖類カルバメート誘導体
WO1997023778A1 (fr) * 1995-12-21 1997-07-03 Daicel Chemical Industries, Ltd. Remplissage de chromatographie liquide a haute performance
JPH10185894A (ja) * 1996-12-20 1998-07-14 Daicel Chem Ind Ltd 高速液体クロマトグラフィ−用充填剤の製造法
JPH11171800A (ja) * 1997-10-03 1999-06-29 Daicel Chem Ind Ltd 光学異性体用分離剤及びその製造法
JPH11255671A (ja) * 1998-03-11 1999-09-21 Daicel Chem Ind Ltd 光学異性体のクロマト分離法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007129659A1 (ja) * 2006-05-09 2007-11-15 National University Corporation Nagoya University 光学異性体分離用充填剤
US8053543B2 (en) 2006-05-09 2011-11-08 National University Corporation Nagoya University Filler for optical isomer separation
US8124712B2 (en) 2006-05-09 2012-02-28 National University Corporation Nagoya University Filler for optical isomer separation
WO2007129658A1 (ja) * 2006-05-09 2007-11-15 National University Corporation Nagoya University 光学異性体分離用充填剤
JP2010505110A (ja) * 2006-09-29 2010-02-18 カウンスィル オブ サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ 有機−無機ハイブリッドキラル吸着剤およびその製造方法
CN101632016B (zh) * 2007-02-23 2013-12-25 大赛璐化学工业株式会社 光学异构体分离填料
WO2008102920A1 (ja) * 2007-02-23 2008-08-28 Daicel Chemical Industries, Ltd. 光学異性体分離用充填剤
US8153551B2 (en) 2007-02-23 2012-04-10 Daicel Chemical Industries, Ltd. Optical isomer separating filler
JP5106524B2 (ja) * 2007-02-23 2012-12-26 株式会社ダイセル 光学異性体分離用充填剤
WO2013176215A1 (ja) 2012-05-23 2013-11-28 株式会社ダイセル 分離剤
EP4016075A1 (en) 2012-05-23 2022-06-22 Daicel Corporation Separating agent
WO2014007362A1 (ja) * 2012-07-06 2014-01-09 合同酒精株式会社 環状マクロライド系化合物の分離方法
JPWO2014007362A1 (ja) * 2012-07-06 2016-06-02 合同酒精株式会社 環状マクロライド系化合物の分離方法
WO2014087937A1 (ja) 2012-12-06 2014-06-12 株式会社ダイセル 分離剤
JP2016534373A (ja) * 2013-10-09 2016-11-04 ピュリディファイ リミテッド クロマトグラフィー担体
US10850259B2 (en) 2013-10-09 2020-12-01 Puridify Ltd. Chromatography medium
WO2018159562A1 (ja) * 2017-02-28 2018-09-07 富士フイルム株式会社 ガス分離膜、ガス分離モジュール、ガス分離装置、及びガス分離方法
WO2023032883A1 (ja) 2021-08-30 2023-03-09 株式会社ダイセル マイクロ流体デバイス、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4515812B2 (ja) 2010-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4515812B2 (ja) 光学異性体用分離剤
US20090008329A1 (en) Separating agent for enantiomeric isomers
JP4294028B2 (ja) 光学異性体用分離剤
EP2060588B1 (en) Polysaccharide derivative and separating agent for optical isomer containing the same
US7740758B2 (en) Separating agent including polysaccharide derivative having a polycyclic structure
JP5896903B2 (ja) 多糖誘導体及びその製造方法並びに分離剤
JPWO2002070123A1 (ja) 光学異性体用分離剤
JP4340264B2 (ja) 光学異性体用分離剤
JP2001163806A (ja) 光学異性体分離剤
US7090775B2 (en) Separation agent for separating optical isomer and method for preparation thereof
JP2005017174A (ja) 光学異性体用分離剤
JPH11255671A (ja) 光学異性体のクロマト分離法
JPWO2002088049A1 (ja) 光学異性体用分離剤
JP2013164294A (ja) 多糖誘導体及びそれを含有する光学異性体分離用充填剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070329

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090928

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100511

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100513

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4515812

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140521

Year of fee payment: 4

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees