JP2005314639A - 微粒子状導電性高分子の合成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微粒子状導電性高分子の合成方法を提供する。
【解決手段】 微粒子状導電性高分子の合成方法であって、室温にて非水溶媒系のもとモノマーを添加して、粒度分布が0.5%以上20%以下である単分散性粒子を重合する。
【選択図】なし
【解決手段】 微粒子状導電性高分子の合成方法であって、室温にて非水溶媒系のもとモノマーを添加して、粒度分布が0.5%以上20%以下である単分散性粒子を重合する。
【選択図】なし
Description
本発明は、微粒子状導電性高分子の合成方法に関し、より詳しくは非水系溶媒系における単分散性粒子の合成方法に関する。
ポリピロール(PPy)に代表される導電性高分子は、新たな電子材料として二次電池や電解チップコンデンサ等に利用されている。コンデンサの基本的な構造は、二枚の向かい合った電極に誘電体が挟まれたものとなっている。この誘電体の誘電率が高いほど、そして面積が広く薄いほど大容量コンデンサが可能になる。ところが従来のコンデンサの電解質には半導体MnO2(二酸化マンガン)が使われており、基本的に誘電率は10−2〜10−1S/cmと小さく、コンデンサの内部抵抗が大きかった。特に大容量を得るためには表面積を増すほど内部抵抗は大きくなるという問題があった。そこで電解質に、誘電率の高い(10〜100S/cm)ポリピロールを用いることでコンデンサの内部抵抗を小さくすることが可能になった。その結果、従来よりも高周波数領域に対応できるようになった。
このような導電性高分子の合成には、種々の方法がとられている。一般的には自由に動けるπ電子を構造的に有する化合物をつなぎ合わせることで合成される。具体的には下記の方法が挙げられる。
(1) 触媒を用いて合成する方法
(2) 電気的に酸化反応を行わせて重合を行う方法
(3) 化学酸化試薬を用いて化学的に重合する方法
(4) 可溶性前駆体から熱によって重合する方法
(5) プラズマ重合による方法
中でも、電気的に酸化反応を行わせて重合を行う、所謂電解重合による合成方法は、電気化学的に安定な溶媒に電解質とモノマーを溶解し、電極を電解質溶液に浸して電流を印加するという方法である(特許文献1参照)。導電性高分子がフィルム状で得られるということから、得られる導電性高分子の電気化学的な性質を検討するために用いられている。
(1) 触媒を用いて合成する方法
(2) 電気的に酸化反応を行わせて重合を行う方法
(3) 化学酸化試薬を用いて化学的に重合する方法
(4) 可溶性前駆体から熱によって重合する方法
(5) プラズマ重合による方法
中でも、電気的に酸化反応を行わせて重合を行う、所謂電解重合による合成方法は、電気化学的に安定な溶媒に電解質とモノマーを溶解し、電極を電解質溶液に浸して電流を印加するという方法である(特許文献1参照)。導電性高分子がフィルム状で得られるということから、得られる導電性高分子の電気化学的な性質を検討するために用いられている。
また、電解重合法に対して用いる上で大量に合成が可能であることから化学酸化重合法もよく用いられている。また、ポリピロール微粒子の合成法の多くは、安定化剤を用いた分散重合が主流である。用いた安定化剤の種類により様々な合成法が検討されている。また、微粒子状の導電性高分子の開発により、コンデンサや電池材料以外にも導電性塗料や導電性ペースト、導電性接着剤に添加するフィラーなど新たな分野への応用が検討されている。
特公平4−56445号公報
導電性塗料などのフィラーとして利用するためには溶媒中に安定に分散する必要があるが、そのためには均一な粒子径を有するものが望ましい。しかし、特許文献1に記載の方法では、粒子状の高分子物質は得られるが均一ではない。
本発明は具体的に以下のようなものを提供する。
(1) 微粒子状導電性高分子の合成方法であって、イオン性界面活性剤を含む有機溶媒と、酸化剤水溶液と、から油中水滴型エマルションを得る2成分エマルション調製工程と、この油中水滴型エマルションに、共役二重結合を有する共役化合物を溶解して、混合する混合工程と、この混合工程によって得られた混合溶液を攪拌して、重合する混合溶液重合工程と、を有する微粒子状導電性高分子の合成方法。
(2) 前記混合溶液重合工程は、酸化重合である(1)に記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
(3) 微粒子状導電性高分子の合成方法であって、イオン性界面活性剤を含む有機溶媒と、酸化剤水溶液と、共役二重結合を有する共役化合物と、から油中水滴型エマルションを得る3成分エマルション調製工程と、この3成分エマルション調製工程によって得られた前記油中水滴型エマルションを攪拌して、重合するエマルション重合工程と、を有する微粒子状導電性高分子の合成方法。
(4) 前記エマルション重合工程は、酸化重合である(3)に記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
(5) 前記油中水滴型エマルションの微小水滴内を反応場とする(1)から(4)いずれかに記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
(6) 前記共役化合物は、アニリン、ピロール、チオフェン、フェニレンビニレン、及びこれらの置換体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の化合物である(1)から(5)いずれかに記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
本発明によれば、イオン性界面活性剤と、酸化剤と、を混合して得られる油中水滴型エマルション(以下W/Oエマルションとする)溶液を用い、共役化合物の重合反応場とすることによって均一な粒径を有する粒度分布が0.5%から20%の単分散微粒子を作成することが可能となった。また本発明によれば、有機溶媒と、酸化剤水溶液と、共役二重結合を有する共役化合物と、の3成分からでも油中水滴型エマルションを得ることが可能である。
また、従来の水系溶媒を用いての分散重合は0〜10℃程度の低温で重合を行うことで反応速度を制御し微粒子を合成するのに対し、本発明では、W/Oエマルション内部の微小水滴を反応場とし連続相に溶解しているモノマーを油水界面を通して反応場に供給する方法であるため室温付近で重合を行うことが可能となった。
さらに、従来の水系溶媒を用いた分散重合では、水溶性高分子などの安定化剤を加えて反応速度の制御と生成粒子の凝集を防止しなければならなかったのに対し、酸化剤とイオン性界面活性剤を組み合わせることによって、イオン性界面活性剤の極性基と酸化剤の酸化を担う化学種(たとえば塩化鉄(II)ならFe3+)の電荷との反発を利用することで界面近傍における酸化剤濃度を低下させることが可能となる。これによって連続相(油相)に存在していたモノマーの油水界面近傍における重合反応を防ぐことができ、微小水滴の内部まで溶解・拡散したモノマーのみ重合を行うことで均一な微粒子合成が可能になる。
本発明に係る微粒子状導電性高分子の合成方法によれば、イオン性界面活性剤と、酸化剤等と、を混合して得られる非水系溶媒を用いたことによって、均一な粒径を有する単分散微粒子を作成することが可能となる。これによって粒子の表面積を小さくすることが可能となり、内部抵抗の小さい電子材料を提供することができる。また、生成した微粒子は水相に存在し、原料であるモノマーの大半は有機相に存在するため、反応後にW/Oエマルションを有機相と水相に分離することで原料と生成物を容易に分離できる。さらに、分離後の有機相(未反応モノマーを含む)と新たな酸化剤水溶液を用いたW/Oエマルションの調製および重合を行うことで未反応モノマーを再利用することや、分離後の有機相にさらにモノマーを加えたものと新たな酸化剤水溶液を用いてW/Oエマルションの調製・重合を行うことで製造プロセスを連続化することも可能になる。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明に係る微粒子状導電性高分子の合成方法は「イオン性界面活性剤を含む有機溶媒と、酸化剤水溶液と、から油中水滴型エマルションを得る2成分エマルション調製工程」を有する。ここで、「イオン性界面活性剤」とは、水に対して強い表面活性を示し、溶液内においてイオンに解離し、臨界ミセル濃度以上でミセルのような会合体を形成する物質をいう。イオン性界面活性剤には、陰イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤があるが、必要に応じて適宜選択される。本発明において使用可能な陰イオン性界面活性剤は、スルホコハク酸ジオクチル酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム(N−ココイル−N−メチルタウリンナトリウム)、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルβ−アラニンナトリウム液、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ビス(2−エチルへキシル)スルホン酸ナトリウム(AOT)等が挙げられるが、ビス(2−エチルへキシル)スルホン酸ナトリウムを用いることが好ましい。
また、陽イオン性界面活性剤は、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
さらに、これらのイオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤(非イオン性界面活性剤)を組み合わせて使用することも可能である。ノニオン性界面活性剤には、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット(テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール)、親油性ポリグリセリン脂肪酸エステル系混合乳化剤、ベミュレン、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール、ラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられ、これらを適宜選択して使用することができる。
これらの界面活性剤を有機溶媒に溶解させる。好ましい有機溶媒としては、粘度がほぼ0.5〜0.6mPa・sの溶媒であれば特に限定されない。具体的には、n−ヘキサン,n−ヘプタン、n−オクタン、iso−オクタン、デカンおよびヘキサン/デカン(体積比で1:1と1:9の二種類)、ヘプタン/デカン(体積比1:1)、オクタン/デカン(1:1)等の混合溶媒を使用することが好ましい。
また、本発明における「酸化剤」とは、例えば、塩化鉄、過塩素酸鉄、硝酸鉄、クエン酸鉄、p−トルエンスルホン酸鉄、硫酸鉄、過ヨウ素酸鉄、硫酸鉄アンモニウム、トリフルオロメタンスルホン酸鉄、クロロベンゼンスルホン酸鉄およびアントラキノンスルホン酸鉄等の、鉄化合物;過硫酸、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過マンガン酸、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩;三酸化クロム、重クロム酸カリウム等のクロム酸塩;過酸化水素、過酸化ベンゾイル等の過酸化物;塩素、臭素等のハロゲンなどが挙げられるが、塩化鉄又は過硫酸アンモニウムを用いることが好ましい。これらは単独又は二種以上の物質を適宜組み合わせて水溶液として使用することができる。
このイオン性界面活性剤と酸化剤とを混合して得られたW/Oエマルションの水相(酸化剤水溶液)体積分率は4〜25vol%であり、8.26から21.3vol%であることがさらに好ましい。また、酸化剤水溶液の濃度は0.005〜0.2mol/m3であり、0.01〜0.10mol/dm3であることが好ましい。
また本発明は「この油中水滴型エマルションに、共役二重結合を有する共役化合物を溶解して、混合する混合工程」を有する。ここで「共役二重結合を有する共役化合物」とは、アニリン、ピロール、チオフェン、フェニレンビニレン、及びこれらの置換体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の分子をいう。また、置換体とは、上記の化合物に官能基が置換されている化合物をいう。例えばピロールの置換体としては、ピロール、N−メチルピロール、N−エチルピロール、N−フェニルピロール、N−ナフチルピロール、N−メチル−3メチルピロール、N−メチル−3エチルピロール、N−フェニル−3メチルピロール、N−フェニル−3エチルピロール、3−メチルピロール、3−エチルピロール、3−n−プロピルピロール、3−iso−プロピルピロール、3−n−ブチルピロール、3−メトキシピロール、3−エトキシピロール、3−n−プロポキシピロール、3−n−ブトキシピロール、3−フェニルピロール、3−トルイルピロール、3−ナフチルピロール、3−フェノキシピロール、3−メチルフェノキシピロール、3−ナフトキシチオフェン、3−アミノピロール、3−ジメチルアミノピロール、3−ジエチルアミノピロール、3−ジフェニルアミノピロール、3−メチルフェニルアミノピロール、3−フェニルナフチルアミノピロール等やこれらの混合物が挙げられる。
またアニリンの置換体としては、トルイジン等の環アルキル置換アニリン類、アニソール、ニトロアミン、ニトロソアミン等の置換アニリン類、フルオロアニリン、クロロアニリン、ブロモアニリン等のハロゲン化アニリン類、N−メチルアニリン、N−ジフェニルアミン等の窒素置換アニリン類、フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン類、N−フェニル−フェニレンジアミン等が挙げられる。
共役化合物及びその置換体は、上述のものであれば特に限定されないが、ピロール、アニリンを用いることが好ましく、ピロールを用いることが特に好ましい。また、本工程における共役化合物の添加量は、酸化剤物質量に対して10倍から100倍であることが好ましい。
また、本発明は「混合工程によって得られた混合溶液を攪拌して、重合する混合溶液重合工程」を有する。重合は、通常知られている方法を用いて行うことが好ましい。重合温度は、10℃から50℃の範囲で行なうことが好ましく、20℃から30℃で行なうことがより好ましい。得られた微粒子の径は、0.1μm〜1μmであることが好ましく、0.15μm〜0.3μmであることがより好ましい。
また、本発明は「イオン性界面活性剤を含む有機溶媒と、酸化剤水溶液と、共役二重結合を有する共役化合物と、から油中水滴型エマルションを得る3成分エマルション調製工程と、この3成分エマルション調製工程によって得られた前記油中水滴型エマルションを攪拌して、重合するエマルション重合工程と、を有する微粒子状導電性高分子の合成方法」であってもよい。具体的には「イオン性界面活性剤を含む有機溶媒と、酸化剤水溶液と、共役二重結合を有する共役化合物と、から油中水滴型エマルションを得る3成分エマルション調製工程」を有する。ここで本工程における「有機溶媒」「酸化剤」及び「共役化合物」は、2成分エマルション調製工程及び混合工程に用いたものと同一の化合物であり、エマルションの調製条件等も同一であることが好ましい。
また、本発明は「3成分エマルション調製工程によって得られた前記油中水滴型エマルションを攪拌して、重合するエマルション重合工程」を更に有する。本工程におけるエマルション重合工程の重合条件は「混合液重合工程」と同一の条件であることが好ましい。
以下、本発明の実施例を記載するがこれに限られるものではない。
<実験方法>
[酸化剤水溶液可溶化逆ミセル(もしくはW/Oエマルション)溶液の調製]
酸化剤に塩化鉄(3)(FeCl3)とペルオキソ二硫酸アンモニム((NH4)2S2O)を使用した。この酸化剤をイオン交換水に溶解させ、所定濃度へ適切に希釈して得た。酸化剤水溶液濃度を0.01Mに設定した。
[酸化剤水溶液可溶化逆ミセル(もしくはW/Oエマルション)溶液の調製]
酸化剤に塩化鉄(3)(FeCl3)とペルオキソ二硫酸アンモニム((NH4)2S2O)を使用した。この酸化剤をイオン交換水に溶解させ、所定濃度へ適切に希釈して得た。酸化剤水溶液濃度を0.01Mに設定した。
陰イオン界面活性剤(0.1M、AOT/n−オクタン溶液)に所定量の酸化剤水溶液を注入し、室温298Kの条件下で1時間以上攪拌し、酸化剤水溶液可溶化逆ミセル(以下w/oエマルションとする)溶液を得た。酸化剤水溶液注入量は、W/Oエマルション全量に対する酸化剤水溶液の体積分率を用いて設定し、0.89vol%から21.3vol%の範囲で変化させた。
[ポリピロール重合]
得られたW/Oエマルションに室温298Kの条件下、攪拌を行いながら所定量のピロールを滴下して重合を行った。注入するピロール量は各条件において、酸化剤とピロールのモル比が一定となるように調節した。酸化剤として、FeCl3を用いた場合は、Fe3+:Py=1:43、(NH4)2S2O8を用いた場合は、S2O8 2−:Py=1:74になっている。24時間後、得られた黒色懸濁液から遠心分離(4000rpm、30分)によりポリピロール微粒子を分離した後、アセトン洗浄を二回以上繰り返して界面活性剤等の除去を行った。
得られたW/Oエマルションに室温298Kの条件下、攪拌を行いながら所定量のピロールを滴下して重合を行った。注入するピロール量は各条件において、酸化剤とピロールのモル比が一定となるように調節した。酸化剤として、FeCl3を用いた場合は、Fe3+:Py=1:43、(NH4)2S2O8を用いた場合は、S2O8 2−:Py=1:74になっている。24時間後、得られた黒色懸濁液から遠心分離(4000rpm、30分)によりポリピロール微粒子を分離した後、アセトン洗浄を二回以上繰り返して界面活性剤等の除去を行った。
<分析方法>
[有機相中の水分量の評価]
有機相中の水分量測定には、カールフィッシャー式微量水分滴定計(京都電子工業製 MKC−210)を用いた。試薬としては、ハイドラナール・クーロマットA,C(林純薬工業(株))を用いた。
[有機相中の水分量の評価]
有機相中の水分量測定には、カールフィッシャー式微量水分滴定計(京都電子工業製 MKC−210)を用いた。試薬としては、ハイドラナール・クーロマットA,C(林純薬工業(株))を用いた。
[生成粒子のサイズ・形態の評価]
得られた粒子の形態観察には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。SEM観察用のサンプルは、得られた粒子をアセトン中に懸濁させ超音波洗浄器を用いて分散させた懸濁溶液をアルミホイル上にスポットして乾燥させ、それをカーボンテープにより試料台に固定させた。これをPt−Pd蒸着装置(日立製作所 日立イオンスパッタ−E−1010)を用いて蒸着させ、超高分解能操作型電子顕微鏡(日立製作所 S−5000)により観察した。
得られた粒子の形態観察には、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いた。SEM観察用のサンプルは、得られた粒子をアセトン中に懸濁させ超音波洗浄器を用いて分散させた懸濁溶液をアルミホイル上にスポットして乾燥させ、それをカーボンテープにより試料台に固定させた。これをPt−Pd蒸着装置(日立製作所 日立イオンスパッタ−E−1010)を用いて蒸着させ、超高分解能操作型電子顕微鏡(日立製作所 S−5000)により観察した。
[生成粒子の同定]
得られた粒子の同定には、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた。測定試料の作成法は、試料質量に対して100倍程度のKBrと試料を、めのう乳鉢でよく粉砕し、それを加圧することで円盤を形成させるKBr法により作製し、フーリエ変換赤外分光光度計(Nexus470 Nicolet)を用いて測定した。
得られた粒子の同定には、フーリエ変換赤外分光光度計(FT−IR)を用いた。測定試料の作成法は、試料質量に対して100倍程度のKBrと試料を、めのう乳鉢でよく粉砕し、それを加圧することで円盤を形成させるKBr法により作製し、フーリエ変換赤外分光光度計(Nexus470 Nicolet)を用いて測定した。
表1は、酸化剤としてFeCl3を用いた系におけるポリピロール微粒子の特徴を示した表であり、図1はこのときのSEM写真を示したものである。いずれの体積分率においても数十nmオーダーの粒径を有する一次粒子からなる凝集体であり、酸化剤水溶液体積分率を変化させても、粒子のサイズや形態に及ぼす影響はあまり見られなかった。
また、表2は、酸化剤として(NH4)2S2O8を用いた系におけるポリピロール微粒子の特徴を示した表であり、図2はこのときのSEM写真を示した図である。体積分率が11.9vol%の試料の変動係数(CV値)は0.46であるのに対し、体積分率が21.3vol%の試料の変動係数(CV値)は0.079であった。これより、酸化剤水溶液体積分率の増加に伴いポリピロール粒子の形態は比較的きれいな球形を示す傾向が示された。これらの結果は酸化剤としてFeCl3を用いた系の結果とは大きく異なっていることが示された。
Claims (6)
- 微粒子状導電性高分子の合成方法であって、
イオン性界面活性剤を含む有機溶媒と、酸化剤水溶液と、から油中水滴型エマルションを得る2成分エマルション調製工程と、
この油中水滴型エマルションに、共役二重結合を有する共役化合物を溶解して、混合する混合工程と、
この混合工程によって得られた混合溶液を攪拌して、重合する混合溶液重合工程と、
を有する微粒子状導電性高分子の合成方法。 - 前記混合溶液重合工程は、酸化重合である請求項1に記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
- 微粒子状導電性高分子の合成方法であって、
イオン性界面活性剤を含む有機溶媒と、酸化剤水溶液と、共役二重結合を有する共役化合物と、から油中水滴型エマルションを得る3成分エマルション調製工程と、
この3成分エマルション調製工程によって得られた前記油中水滴型エマルションを攪拌して、重合するエマルション重合工程と、
を有する微粒子状導電性高分子の合成方法。 - 前記エマルション重合工程は、酸化重合である請求項3に記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
- 前記油中水滴型エマルションの微小水滴内を反応場とする請求項1から4いずれかに記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
- 前記共役化合物は、アニリン、ピロール、チオフェン、フェニレンビニレン、及びこれらの置換体からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の化合物である請求項1から5いずれかに記載の微粒子状導電性高分子の合成方法。
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