JP2005314466A - ポリマー基材への機能付与方法及びその装置 - Google Patents

ポリマー基材への機能付与方法及びその装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005314466A
JP2005314466A JP2004131050A JP2004131050A JP2005314466A JP 2005314466 A JP2005314466 A JP 2005314466A JP 2004131050 A JP2004131050 A JP 2004131050A JP 2004131050 A JP2004131050 A JP 2004131050A JP 2005314466 A JP2005314466 A JP 2005314466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
supercritical fluid
functional additive
path
circulation path
polymer substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004131050A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeyoshi Den
建順 傳
Ko Hatakeyama
耕 畠山
Wataru Saiki
渉 斎木
Mirvariev Rinat
リナート ミルヴァリエフ
Katsunori Shinohara
勝則 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2004131050A priority Critical patent/JP2005314466A/ja
Publication of JP2005314466A publication Critical patent/JP2005314466A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)

Abstract

【課題】超臨界流体中に溶解する機能性添加剤を高濃度に維持して効率的な機能付与を行うポリマー基材への機能付与方法及びその装置を提供する。
【解決手段】本発明のポリマー基材の機能付与方法は、ポリマー基材を収容した圧力容器に第1循環経路を介して循環ポンプにより超臨界流体を所定の流速で循環するように供給することにより、ポリマー基材に機能を付与する方法であって、機能性添加剤のうち凝集した状態の機能性添加剤を第1循環経路又は第1循環経路とは別の超臨界流体の第2循環経路内で粉砕して超臨界流体への溶解を促進することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリマー基材に対して、基材表面を改質したり、基材表面を被覆したり、或いは基材の耐熱性を高めるなどの機能を効率的に付与するポリマー基材への機能付与方法及びその装置に関するものである。
超臨界流体の特性を利用して様々な添加剤をポリマーに担持させることにより、添加剤放出速度を制御したり、均一な微粒子触媒を形成したり、基材を保護したり、基材物性、化学特性、耐熱性又は安定性を改良したり、操作特性を改変したりする方法が数多く提案されている。
例えば、ポリマー基材、添加剤及びポリマー膨潤助剤を圧力容器内に入れ、超臨界流体に接触保持してポリマー基材に添加剤とポリマー膨潤助剤を含浸させ、超臨界流体を圧力容器内に流通させてポリマー膨潤助剤を流出分離した後、圧力容器内に圧力を減少させて添加剤をポリマー基材中に封じ込めることを特徴とする添加剤によりポリマー基材を改質する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に示される改質方法では、添加剤としてポリマー基材に実質的に溶解しない材質を用い、ポリマー膨潤助剤として超臨界流体に可溶でポリマー基材に含浸可能な低分子化合物を用いている。この方法を用いることにより、高分子量の添加剤の含浸が可能であり、得られるポリマー基材からの水、生理食塩水、涙液、体液など実使用時にポリマー基材と接触する液体中への添加剤の溶出が実質上ない、或いはあっても極微量である高機能のポリマー基材を提供することができる。
また、プラスチックに超臨界流体を接触させることにより、プラスチックにメッキ可能な表面処理を施すか、又はプラスチックにメッキ用触媒を含有する超臨界流体を接触させることにより、プラスチックにメッキ用触媒を付着させるか、或いはプラスチックにメッキ用触媒を含有する超臨界流体を接触させることにより、プラスチックにメッキ可能な表面処理を施し、更にメッキ用触媒を付着させることを特徴とするメッキ前処理方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この特許文献2に示されるメッキ前処理方法によれば、クロム酸溶液、アルカリ溶液などを使用する必要がなく、メッキ前処理工程の簡略化が可能なため、低コストで、しかも環境汚染物質を排出することなく、プラスチックにメッキすることができ、メッキ物を得ることができる。
特開平11−255925号公報(請求項1、段落[0039]) 特開2001−316832号公報(請求項1、段落[0037])
上記特許文献1及び2に示される処理方法でよく使用される機能性添加剤は、常温で液体或いは固形粉末状の化合物であり、常温常圧で実質的に揮発せず、或いは蒸気圧が非常に低いが、超臨界流体に溶解できる官能基を有する化合物であることを特徴とする。
しかしながら、上記機能性添加剤のうち、分子量が大きく常温で固形粉末状の機能性添加剤は、超臨界流体、特に温度の高い超臨界流体中においては、高温高圧の超臨界流体によって機能性添加剤が凝集して塊状化することが容易に起こっていた。凝集した機能性添加剤は、超臨界流体との接触が極端に悪くなるため、超臨界流体への溶解速度が低下する。その結果、超臨界流体により機能性添加剤をポリマーに担持する速度は、超臨界流体への機能性添加剤の溶解速度が律速となるため、ポリマー基材への表面処理効率が低下する問題があった。
この機能性添加剤の凝集を抑制する方法として、超臨界流体中に溶剤を添加することによって機能性添加剤の溶解を促進する方法も考えられるが、表面処理に不必要な溶剤が超臨界流体中に含まれることで、この溶剤によりポリマー基材を劣化させるおそれがあった。
本発明の目的は、超臨界流体中に溶解する機能性添加剤を高濃度に維持して効率的な機能付与を行うポリマー基材への機能付与方法及びその装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、ポリマー基材を収容した圧力容器に第1循環経路を介して循環ポンプにより機能性添加剤を含む超臨界流体を所定の流速で循環するように供給することによりポリマー基材に機能を付与する方法であって、機能性添加剤のうち、凝集した状態の機能性添加剤を第1循環経路又は第1循環経路とは別の超臨界流体の第2循環経路内で粉砕して超臨界流体への溶解を促進することを特徴とするポリマー基材への機能付与方法である。
請求項1に係る発明では、超臨界流体を所定の流速で循環させることにより、超臨界流体中に溶解する機能性添加剤を高濃度に維持することができる。また、凝集した機能性添加剤を粉砕することで、機能性添加剤と超臨界流体との接触を促進することができるため、機能性添加剤の超臨界流体への溶解速度が向上し、効率的な機能付与を行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明であって、超臨界流体の温度が25℃以上ポリマー基材の融解温度未満であって、超臨界流体の圧力が5〜30MPaの範囲内である方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明であって、超臨界流体がCO2、CH3OH、NH3、H2S、ベンゼン、トルエン又はCnm(n=2〜5、m=2n又は2n+2)である方法である。
請求項4に係る発明は、図1に示すように、超臨界流体に溶解した機能性添加剤によりポリマー基材に機能を付与する圧力容器11と、圧力容器11に機能性添加剤を含む超臨界流体を供給するための供給路12と、供給路12とともに閉回路の第1循環経路14を形成し圧力容器11から超臨界流体を排出するための排出路13と、供給路12と排出路13の間の第1循環経路14に設けられ超臨界流体を所定の速度で循環させる循環ポンプ16とを備えたポリマー基材の機能付与装置であって、循環ポンプ16の下流側と圧力容器11の供給側の間の第1循環経路14又は第1循環経路14とは別の超臨界流体の第2循環経路18に機能性添加剤のうち凝集した状態の機能性添加剤を粉砕する粉砕器17が設けられ、粉砕器17が循環ポンプ16により生じた所定の速度を有する超臨界流体の気流により駆動されるように構成されたことを特徴とするポリマー基材への機能付与装置である。
請求項4に係る発明では、超臨界流体を所定の流速で循環させることにより、超臨界流体中に溶解する機能性添加剤を高濃度に維持することができる。また、粉砕器により凝集した機能性添加剤を粉砕するため、機能性添加剤と超臨界流体との接触を促進することができ、機能性添加剤の超臨界流体への溶解速度が向上し、効率的な機能付与を行うことができる。また粉砕器は、循環ポンプにより生じた所定の速度を有する超臨界流体の気流により駆動されるように構成されているため、外部からの機械的な駆動を使用していないため、密封性が高く、粉砕器を起因とする漏れを防止することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明であって、超臨界流体の温度が25℃以上ポリマー基材の融解温度未満であって、超臨界流体の圧力が5〜30MPaの範囲内である装置である。
請求項6に係る発明は、請求項4に係る発明であって、超臨界流体ががCO2、CH3OH、NH3、H2S、ベンゼン、トルエン又はCnm(n=2〜5、m=2n又は2n+2)である装置である。
請求項7に係る発明は、請求項4に係る発明であって、図2に示すように、粉砕器17が、超臨界流体の入口19a及び出口19bを有する密閉した横置き型円筒体19と、円筒体19の径中心に自転可能に設けられた中心軸21と、中心軸21に放射状に設置され入口19aより到来する超臨界流体により中心軸21を回転させる複数の回転駆動用羽根22と、中心軸21に放射状に設置され凝集した機能性添加剤を粉砕する粉砕用羽根23とを備えた装置である。
請求項8に係る発明は、請求項7に係る発明であって、図2に示すように、円筒体19の出口19bと圧力容器11の供給側との間に気流に随伴した固体微粒子と気体とを分離する分離装置24が設けられ、分離された固体微粒子が円筒体19に戻されるように構成された装置である。
請求項8に係る発明では、気流に随伴した固体微粒子は分離装置により選別されて再び円筒体に戻されるように構成したので、圧力容器には溶解した機能性添加剤を含む流体のみが供給され、固体微粒子は供給されないため、装置を構成する循環経路の閉塞やポリマー基材表面における機能性添加剤の析出等の問題を抑制することができる。
請求項9に係る発明は、請求項4に係る発明であって、図1に示すように、循環ポンプ16下流側の第1循環経路14と粉砕器17上流側の第2循環経路18との間にバイパス路26が設けられ、バイパス路26の途中に機能性添加剤の補給タンク27が設けられた装置である。
請求項9に係る発明では、バイパス路の途中に機能性添加剤の補給タンクを設けることで、機能性添加剤の補給が容易になる。
本発明のポリマー基材への機能付与方法では、凝集した状態の機能性添加剤を第1循環経路又は第1循環経路とは別の超臨界流体の第2循環経路内で粉砕して超臨界流体への溶解を促進することで、超臨界流体中に溶解する機能性添加剤を高濃度に維持して効率的な機能付与を行うことができる。
また、本発明のポリマー基材の機能付与装置では、循環ポンプの下流側と圧力容器の供給側の間の第1循環経路又は第1循環経路とは別の超臨界流体の第2循環経路に機能性添加剤のうち凝集した状態の機能性添加剤を粉砕する粉砕器が設けられ、粉砕器が循環ポンプにより生じた所定の速度を有する超臨界流体の気流により駆動されるように構成することにより、粉砕器により凝集した状態の機能性添加剤を粉砕するため、機能性添加剤と超臨界流体との接触を促進することができ、機能性添加剤の超臨界流体への溶解速度が向上し、超臨界流体中に溶解する機能性添加剤を高濃度に維持して効率的な機能付与を行うことができる。また粉砕器は、循環ポンプにより生じた所定の速度を有する超臨界流体の気流により駆動されるように構成されているため、外部からの機械的な駆動を使用していないため、密封性が高く、粉砕器を起因とする漏れを防止することができる。
次に本発明を実施するための第1の最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明のポリマー基材への機能付与装置10は、超臨界流体に溶解した機能性添加剤によりポリマー基材に機能を付与する圧力容器11と、この圧力容器11に機能性添加剤を含む超臨界流体を供給するための供給路12と、供給路12とともに閉回路の第1循環経路14を形成し圧力容器11から超臨界流体を排出するための排出路13と、供給路12と排出路13の間の第1循環経路14に設けられ超臨界流体を所定の速度で循環させる循環ポンプ16とを備える。
ポリマー基材を圧力容器11に収容し、この圧力容器11に第1循環経路14を介して循環ポンプ16により機能性添加剤を含む超臨界流体を所定の流速で循環するように供給することにより、ポリマー基材に機能が付与される。このように、循環ポンプ16により機能性添加剤を含む超臨界流体を所定の速度で供給路12及び排出路13で形成された第1循環経路14内を循環させることにより、超臨界流体中に溶解する機能性添加剤の濃度を高めることができる。
本発明の超臨界流体は、物理的又は化学的に安定な流体であって、臨界温度及び臨界圧力がそれぞれ低く、環境に優しい物質が選定される。超臨界流体とは、臨界温度及び臨界圧力以上に維持された流体であり、気体の性質と液体の性質との両方の性質を示し、気体のように拡散し易くかつ液体の溶解性を示す。本発明の超臨界流体としては、特に、CO2やCH3OH、NH3、H2S、ベンゼン、トルエン、Cnm(n=2〜5、m=2n又は2n+2)等が望ましいが、機能性添加剤を用いてポリマー基材に機能を付与することが可能であればこれらに限定されるものではない。本発明の超臨界流体の温度は25℃以上ポリマー基材の融解温度未満であって、超臨界流体の圧力は5〜30MPaの範囲内がそれぞれ好ましい。超臨界流体が超臨界CO2の場合、好ましい超臨界温度は25℃〜150℃であり、好ましい超臨界圧力は10〜25MPaである。
本発明のポリマー基材は、全てのポリマー並びにこれらのポリマーにより作製された成形品である。具体的な材質を例示すると、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、PS(ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)、PVAL(ポリビニルアルコール)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)、メタクリル、シクロポリオレフィン、セルロース系、不飽和ポリエステル、フェノール、ポリウレタン、シリコーン、ナイロン6、POM(ポリアセタール)等の樹脂が挙げられ、これら材質を用いて作製されたパイプ、タンク、プレート、繊維又は様々な形状の製品が挙げられるが、機能性添加剤により機能付与可能な基材であれば、これらに限定されるものではない。
本発明の機能性添加剤は、物理的、化学的に非常に安定であり、その沸点が室温以上で分子量が500〜8000、好ましくは2000以上の粉粒体状高分子化合物である。これらの機能性添加剤は常温常圧で実質的に揮発せず、或いは蒸気圧が非常に低いものであり、超臨界流体によって分解せず溶解可能な高分子化合物である。例えば、染料、紫外線吸収剤、防眩剤、ホトクロニック剤、柔軟剤、農薬、薬剤、タンパク質、抗生剤、抗炎症剤、栄養剤、ビタミン剤、フッ素化剤、表面活性剤等が挙げられる。
超臨界流体、ポリマー基材及び機能性添加剤の接触時間は1〜180分の範囲内が好適である。好ましくは20〜40分である。1分未満の接触時間であると、ポリマー基材に対して十分に機能付与されず、180分を越える接触時間であると、ポリマー基材が劣化したり、コストがかかる不具合を生じる。
本発明の特徴ある構成は、循環ポンプ16の下流側と圧力容器11の供給側の間の第1循環経路14に機能性添加剤のうち凝集した状態の機能性添加剤を粉砕する粉砕器17が設けられ、粉砕器17が循環ポンプ16により生じた所定の速度を有する超臨界流体の気流により駆動されるように構成されたところにある。第1循環経路14に設けられた粉砕器17により凝集した状態の機能性添加剤を粉砕することで、機能性添加剤と超臨界流体との接触を促進することができ、機能性添加剤の超臨界流体への溶解速度が向上し、超臨界流体中に溶解する機能性添加剤を高濃度に維持して効率的な機能付与を行うことができる。また粉砕器17は、循環ポンプ16により生じた所定の速度を有する超臨界流体の気流により駆動されるように構成されているため、外部からの機械的な駆動を使用していないため、構造的に密封性が高く、粉砕器17を起因とする漏れを防止することができる。
粉砕器17は、図2又は図3に示すように、超臨界流体の入口19a及び出口19bを有する密閉した横置き型円筒体19と、円筒体19の径中心に自転可能に設けられた中心軸21と、中心軸21に放射状に設置され入口19aより到来する超臨界流体により中心軸21を回転させる複数の回転駆動用羽根22と、中心軸21に放射状に設置され凝集した機能性添加剤を粉砕する粉砕用羽根23とを備える。回転駆動用羽根22は複数枚の平板から構成され、これらの平板が中心軸21に放射状にかつ羽根の平面が入口19aと対向するように固着して設けられる。また円筒体19内壁には、入口19aより到来する超臨界流体を回転駆動用羽根22にまで誘導する誘導板19cが設けられる。
圧力容器11から排出路13を通って循環ポンプ16によって所定の速度を加えられた超臨界流体は、円筒体の入口19aから円筒体19内部に入り、この超臨界流体の気流が誘導板19cにより回転駆動用羽根22にまで誘導され、回転駆動用羽根22表面にぶつかることで推進力を生じさせ、回転駆動用羽根22を回転させる。回転駆動用羽根22によって生じた回転運動は中心軸21に伝えられ、粉砕用羽根23を回転させる。円筒体19内部に入った超臨界流体と凝集した状態の機能性添加剤は、粉砕用羽根23方向に移動する。ここで凝集した状態の機能性添加剤は粉砕用羽根23表面にぶつかって粉砕されたり、回転する粉砕用羽根23によって切り刻まれたり、円筒体19内壁と粉砕用羽根23との間に挟まって潰されることで凝集が壊され、機能性添加剤の凝集が壊されることで超臨界流体への溶解速度が促進される。機能性添加剤を含む超臨界流体は、円筒体出口19bから供給路12を通って再び圧力容器11に供給される。このようにして凝集した状態の機能性添加剤を粉砕することで、超臨界流体に溶解する機能性添加剤の濃度を高めることができる。
粉砕器17を構成する円筒体19、誘導板19c、中心軸21、回転駆動用羽根22、粉砕用羽根23の材質はステンレスが好ましい。また、粉砕用羽根23の表面に複数の切り起こしや複数の穴を設けることで凝集した機能性添加剤の粉砕効率を高めることもできる。
循環ポンプ16によって発生させる超臨界流体の流速は0.1〜100m/秒が好適である。好ましくは1.0〜20m/秒である。超臨界流体の流速が0.1m/秒未満であると、粉砕器17の回転駆動用羽根22に十分な推進力を生じさせることができないため、中心軸21に固着された粉砕用羽根23が凝集した機能性添加剤を粉砕することができず、超臨界流体の流速が100m/秒を越えると装置に過度の負荷がかかるおそれがある。
また、本発明の機能付与装置では、図2に示すように、円筒体19の出口19bと圧力容器11の供給側との間に気流に随伴した固体微粒子と気体とを分離する分離装置24が設けられ、分離された固体粒子が円筒体19に戻されるように構成される。また、分離装置24の頂部には固気分離用のフィルタ25が設けられる。このように、粉砕器17によって気流に随伴した固体微粒子は分離装置24により選別されて再び円筒体19に戻されるように構成することで、供給路12から循環される超臨界流体には溶解した機能性添加剤のみが含まれ、固体微粒子は含まれないため、機能付与装置10を構成する循環経路14の閉塞やポリマー基材表面における機能性添加剤の析出等の問題を防止することができる。
また粉砕器17の構造は、図4に示すように、横置き型円筒体19の一端に超臨界流体の入口19aを設け、円筒体19の他端に超臨界流体の出口19bを設けた構造としてもよい。この構造では円筒体19内部の超臨界流体の入口19aに対向する位置に回転駆動用羽根22が設けられ、中央部及び出口19b付近には粉砕用羽根23が1又は2以上備えられる。
また、第1循環経路14とは別の超臨界流体の第2循環経路18が設けられ、この第2循環経路18に粉砕器17を設けてもよい。通常の機能付与では第1循環経路14を用いて超臨界流体の循環を行い、必要なときのみ循環経路を第1循環経路14から第2循環経路18に切り換えて、超臨界流体を粉砕器17に通じることで凝集した機能性添加剤を粉砕する。
更に、循環ポンプ16下流側の第1循環経路14と粉砕器17上流側の第2循環経路18との間にバイパス路26を設け、このバイパス路26の途中に機能性添加剤の補給タンク27を設けてもよい。バイパス路26の途中に機能性添加剤の補給タンク27を設けることで、機能性添加剤の補給を行ったりする作業を容易にすることができる。
次に本発明の実施例を比較例とともに詳しく説明する。
<実施例1>
機能性添加剤として平均分子量1000程度のフッ素化化合物を、超臨界流体として超臨界CO2をそれぞれ用意した。
先ず、図1に示す機能付与装置10を用い、機能性添加剤を粉砕器17に供給した。次いで、圧力容器11内に温度50℃に加温したCO2を20MPaの圧力で供給した。次に、機能付与装置10の系内をCO2が超臨界状態となる温度50℃及び圧力20MPaに維持しながら、循環ポンプ16を駆動して圧力容器11内の超臨界CO2を排出路13、循環ポンプ16、粉砕器17及び供給路12を経て再び圧力容器11内へと供給するように循環させた。循環時の超臨界流体の流速は2.0m/秒となるように循環ポンプ16を制御した。機能性添加剤と超臨界流体との接触時間を10秒、20秒、30秒、60秒、120秒、180秒、240秒、300秒及び600秒にそれぞれ変化させ機能性添加剤の超臨界流体への溶解試験を行った。
<比較例1>
補給タンク27に機能性添加剤を供給し、図1に示す装置10から粉砕器17を取外し、循環ポンプ16を駆動して圧力容器11内の超臨界CO2を排出路13、循環ポンプ16、補給タンク27及び供給路12を経て再び圧力容器11内へと供給するように循環させた以外は実施例1と同様にして機能性添加剤の超臨界流体への溶解試験を行った。
<比較例2>
図1に示す装置10の補給タンク27に機能性添加剤を供給し、装置10から圧力容器11及び粉砕器17をそれぞれ取外して超臨界流体が循環できない構成とし、排出路13から温度50℃に加温したCO2を20MPaの圧力で供給し、更に循環ポンプ16を駆動して超臨界CO2を排出路13、循環ポンプ16、補給タンク27及び供給路12を経るように移動させた以外は実施例1と同様にして機能性添加剤の超臨界流体への溶解試験を行った。
<評価1>
実施例1、比較例1及び比較例2でそれぞれ行った接触時間あたりの超臨界流体に溶解した機能性添加剤の溶解濃度を測定した。機能性添加剤の溶解濃度測定は、供給路12の途中に濃度測定器を設け、この濃度測定器により超臨界流体に溶解した機能性添加剤の溶解濃度を測定した。その結果を表1に示す。なお、超臨界CO2に溶解する機能性添加剤の飽和濃度は約0.52%である。
Figure 2005314466
表1より明らかなように、超臨界流体を循環させない比較例2では、機能性添加剤が超臨界流体にほとんど溶解していないことが判る。また、接触時間が長くなるにつれて更に溶解濃度が低下する結果となった。これは、超臨界流体の温度及び圧力によって機能性添加剤が凝集して超臨界流体との接触面積が小さくなったことによると考えられる。また、比較例1では超臨界流体を循環させたことで、機能性添加剤が滞留することなく絶えず流動したため、超臨界流体への溶解が段々高くなり、接触時間600秒で飽和濃度に達した。
一方、実施例1では、超臨界流体を循環させ、更に粉砕器により凝集した機能性添加剤を粉砕したため、比較例1に比べて大幅に短い120秒程度の接触時間で飽和濃度に達する結果が得られた。このように、機能性添加剤の超臨界流体への溶解度が飽和濃度に達するまでの時間が短ければ、より効率的なポリマー基材へ機能付与を行うことができる。
<実施例2>
機能性添加剤と超臨界流体との接触時間を10秒、30秒及び60秒とし、超臨界流体の流速が20m/秒となるように循環ポンプを制御した以外は実施例1と同様にして機能性添加剤の超臨界流体への溶解試験を行った。
<評価2>
実施例2で行った接触時間あたりの超臨界流体に溶解した機能性添加剤の溶解濃度を測定した。その結果を表2に示す。
Figure 2005314466
前述した評価1における実施例1では、120秒の接触時間で、機能性添加剤の超臨界流体への溶解度が飽和濃度にまで達していたが、表2より明らかなように、実施例2では、60秒の接触時間で、機能性添加剤の超臨界流体への溶解度が飽和濃度にまで達した。これは実施例1の流速(2.0m/秒)よりも超臨界流体の流速を高めることで粉砕効率が高まり、機能性添加剤の超臨界流体への溶解速度が高まったことによると考えられる。
本発明の機能付与装置を示す概略図。 本発明の機能付与装置の粉砕器を示す断面図。 図2に対応する斜視図。 図2とは別の構造を有する粉砕器を示す斜視図。
符号の説明
10 機能付与装置
11 圧力容器
12 供給路
13 排出路
14 第1循環経路
16 循環ポンプ
17 粉砕器
18 第2循環経路
19 横置き型円筒体
19a 超臨界流体の入口
19b 超臨界流体の出口
21 中心軸
22 回転駆動用羽根
23 粉砕用羽根
24 分離装置
26 バイパス路
27 機能性添加剤の補給タンク

Claims (9)

  1. ポリマー基材を収容した圧力容器に第1循環経路を介して循環ポンプにより機能性添加剤を含む超臨界流体を所定の流速で循環するように供給することにより前記ポリマー基材に機能を付与する方法であって、
    前記機能性添加剤のうち、凝集した状態の機能性添加剤を前記第1循環経路又は前記第1循環経路とは別の超臨界流体の第2循環経路内で粉砕して超臨界流体への溶解を促進することを特徴とするポリマー基材への機能付与方法。
  2. 超臨界流体の温度が25℃以上ポリマー基材の融解温度未満であって、前記超臨界流体の圧力が5〜30MPaの範囲内である請求項1記載の方法。
  3. 超臨界流体がCO2、CH3OH、NH3、H2S、ベンゼン、トルエン又はCnm(n=2〜5、m=2n又は2n+2)である請求項1記載の方法。
  4. 超臨界流体に溶解した機能性添加剤によりポリマー基材に機能を付与する圧力容器(11)と、
    前記圧力容器(11)に機能性添加剤を含む超臨界流体を供給するための供給路(12)と、
    前記供給路(12)とともに閉回路の第1循環経路(14)を形成し前記圧力容器(11)から超臨界流体を排出するための排出路(13)と、
    前記供給路(12)と前記排出路(13)の間の第1循環経路(14)に設けられ前記超臨界流体を所定の速度で循環させる循環ポンプ(16)と
    を備えたポリマー基材への機能付与装置であって、
    前記循環ポンプ(16)の下流側と前記圧力容器(11)の供給側の間の前記第1循環経路(14)又は前記第1循環経路(14)とは別の超臨界流体の第2循環経路(18)に前記機能性添加剤のうち凝集した状態の機能性添加剤を粉砕する粉砕器(17)が設けられ、
    前記粉砕器(17)が前記循環ポンプ(16)により生じた所定の速度を有する超臨界流体の気流により駆動されるように構成されたことを特徴とするポリマー基材への機能付与装置。
  5. 超臨界流体の温度が25℃以上ポリマー基材の融解温度未満であって、前記超臨界流体の圧力が5〜30MPaの範囲内である請求項4記載の装置。
  6. 超臨界流体がCO2、CH3OH、NH3、H2S、ベンゼン、トルエン又はCnm(n=2〜5、m=2n又は2n+2)である請求項4記載の装置。
  7. 粉砕器(17)が、超臨界流体の入口(19a)及び出口(19b)を有する密閉した横置き型円筒体(19)と、前記円筒体(19)の径中心に自転可能に設けられた中心軸(21)と、前記中心軸(21)に放射状に設置され前記入口(19a)より到来する超臨界流体により前記中心軸(21)を回転させる複数の回転駆動用羽根(22)と、前記中心軸(21)に放射状に設置され凝集した機能性添加剤を粉砕する粉砕用羽根(23)とを備えた請求項4記載の装置。
  8. 円筒体(19)の出口(19b)と圧力容器(11)の供給側との間に気流に随伴した固体微粒子と前記気体とを分離する分離装置(24)が設けられ、分離された前記固体微粒子が前記円筒体(19)に戻されるように構成された請求項7記載の装置。
  9. 循環ポンプ(16)下流側の第1循環経路(14)と粉砕器(17)上流側の第2循環経路(18)との間にバイパス路(26)が設けられ、前記バイパス路(26)の途中に機能性添加剤の補給タンク(27)が設けられた請求項4記載の装置。
JP2004131050A 2004-04-27 2004-04-27 ポリマー基材への機能付与方法及びその装置 Withdrawn JP2005314466A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004131050A JP2005314466A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 ポリマー基材への機能付与方法及びその装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004131050A JP2005314466A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 ポリマー基材への機能付与方法及びその装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005314466A true JP2005314466A (ja) 2005-11-10

Family

ID=35442229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004131050A Withdrawn JP2005314466A (ja) 2004-04-27 2004-04-27 ポリマー基材への機能付与方法及びその装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005314466A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008310307A (ja) * 2007-05-17 2008-12-25 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008310307A (ja) * 2007-05-17 2008-12-25 Ricoh Co Ltd 電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体、画像形成装置及びプロセスカートリッジ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI383008B (zh) 吸水性樹脂之製造方法及吸水性樹脂以及其利用
Türk Manufacture of submicron drug particles with enhanced dissolution behaviour by rapid expansion processes
EP1961486B1 (en) Dispersing or milling apparatus, and dispersing or milling method using same
US20030227817A1 (en) Mixer
KR101009071B1 (ko) 분산장치 및 분산방법, 분산체 제조방법
CN112789297B (zh) 吸水性树脂的制造方法和吸水性树脂
CN109589860A (zh) 一种高原地区污水处理用加药装置
KR101762042B1 (ko) 무기입자의 연속반응장치
JPH0643499B2 (ja) ポリマーの水への溶解方法及び装置
US20050082701A1 (en) Method and apparatus for enhanced size reduction of particles using supercritical fluid liquefaction of materials
JP5647123B2 (ja) 装置の容器の下流におけるフィブリル化を防ぐためのモジュールを備えた薬供給装置
AU2003223596A1 (en) Process and apparatus for continuous mixing of slurry with removal of entrained bubbles
JP2012161965A (ja) ダイヤモンド微粒子を含有するダイヤモンド−樹脂複合材料の製造方法
Vilela et al. Micromotor‐in‐Sponge Platform for Multicycle Large‐Volume Degradation of Organic Pollutants
US5741850A (en) Method for the continuous preparation of organopolysiloxane emulsions
JP2005314466A (ja) ポリマー基材への機能付与方法及びその装置
AU2003226374A1 (en) Apparatus and method for continuously removing air from a mixture of ground polyurethane particles and a polyol liquid
WO2005005010A2 (en) Methods and apparatus for producing composite particles using supercritical fluid as plasticizing and extracting agent
JP2015511247A (ja) 吸水性ポリマーの連続的な製造方法
JP5350856B2 (ja) フルオレン含有ポリエステル系樹脂粒子及びその製造方法
AU2016320818B2 (en) Apparatus and method for injecting a fluid formulation into a melted polymeric material
CN206980715U (zh) 一种具有扰流功能的化工生产用反应釜
WO2004071645A2 (en) Method and apparatus for supercritical fluid assisted particle production
KR102354037B1 (ko) 교반장치 및 이를 구비한 살수차
KR101273171B1 (ko) 펠렛 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703