JP2005312868A - 瞬きを用いた覚醒度計測法 - Google Patents

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Abstract

【課題】人の瞬目から個人差と状況差に依存しない疲れと疲れに関連する眠さの度合いを客観的に求める解析方法を提供する
【解決手段】人の顔、特に目を測定し、瞬目の開閉状態の情報を取り出す。取り出した瞬目の開閉情報から、開閉の1周期毎の時間間隔を導く。この時間間隔も基に、DFA解析を行う。DFA解析の値と、予め決められた値、典型的には0.5との大小関係を調べ、0.5以下の場合に、人が疲労ないしは眠りそうであると判定を行う。疲労ないしは眠りそうであると判定された場合には、人に警告をしたり、人をとりまく環境を制御することにより、人が問題なく車の運転や作業ができるようにする。
【選択図】図5

Description

本発明は通常の覚醒状態から居眠りにいたるまでの覚醒度を連続的に判定すると同時に指定のレベルから覚醒度がさらに低下した場合に信号を発生する装置に関する。
人の瞬目状態が、人の状態、つまり、元気そうである、眠そうである、うとうとする場合等を示すことはよく知られている。この瞬目現象を用いて、事故が発生するような機会すなわち人が車を運転する場合や、工場等で作業する場合に、精神集中の度合いや、眠さの度合いを客観的に調べる方法が提案されている。
従来の方法による瞬目の調べ方は、測定方法として、目の周りの筋電から瞬目の状態を調べる方法や、CCDカメラにより目を撮影し画像解析により瞬目の状態を調べる方法などがある。車の場合には外界からの光の影響を避けるため、赤外線で撮影する方法等も採用されている。解析方法としては、例えば、1分間の瞬目の開閉頻度や、1分間の目を閉じている時間等の、いわゆる開閉の平均や分散に基づいた統計学的な値を用いた解析方法が行われている。
また眠りには就寝、休憩時のようにリラックス状態と業務中の疲労の蓄積、睡眠不足、食事等が誘因となって起こるものがあり居眠り状態と称することもある。瞬目現象は基本的にはこれらの生理的状況に由来する。問題となる後者の居眠りの場合には当事者の眠りに対抗する意識的な覚醒行為である瞬目も随伴し混在することがある。
解決しようとする課題は瞬目現象の分布的発生現象の時間的傾向を抽出し居眠りに対して評価を行い覚醒度を判定することにある。従来技術による解析方法における統計値では生理的傾向の評価がなくまた体質による個人差が生じる。この個人差を解消するために、個人の各状況における統計値の特徴抽出を行い、個人毎に平均的な値等を求め、ある値以下または以上になった場合に、眠そうである・疲れている、などの判定を行うことも検討されていた。
しかし、従来の方法では車の運転などのように、人と車を取り巻く外界が変化するような状況においては、外界状況も含めた特徴抽出が必要となることが多い。例えば、街路灯がまぶしかったから目を閉じる、対向車の光や車の振動で瞬きするということもあり、この瞬きを人の眠さ・疲労といった心身状態からくる瞬きから排除する必要が発生する。このように従来の方法では、個人差と状況差をなくすためには情報量が多大化し現実には統計解析が不可能となることがあった。
本発明は、以上の問題に鑑みてなされた発明であり、人の瞬目の時間系列を解析し生理的傾向を抽出し覚醒度を求める解析方法を提供するものである。具体的には、人の顔、特に目を測定し、瞬目の開閉状態の情報を取り出す。取り出した瞬目の開閉情報から、開閉の1周期毎の時間間隔を導く。この時間間隔も基に、非線形解析方法のひとつであるDFA解析を行う。DFA解析の値と、予め決められた値、典型的には0.5との大小関係を調べ、0.5以下の場合に、人が疲労ないしは眠りそうであると判定すなわち覚醒度の判定を行う。それにより疲労ないしは眠りそうであると判定された場合には、人に警告をし、また人をとりまく環境を制御することにより事故の発生を防止できるようにしたことを特徴とするものである。
本発明の効果として情報を瞬目の時間系列に限定し情報量を少なくできるため個人差と状況差を解消するとともに迅速に客観的な覚醒度を提供することができる。これは警告および作業環境の改善をもたらし当事者の生体反応能力の向上となり作業精度を向上させることができる。また居眠り傾向に対抗しようとする当事者の意識的な瞬目行為も抽出判定できるため警告により意識的な瞬目行為のあとに発生しやすい急激な入眠現象を防止することができる。急激な入眠現象は作業中の事故発生の原因となることがありこの防止は当事者の安全と社会的な安全たとえば交通災害、労働災害の防止に貢献することがあげられる。
人の目の開閉すなわち瞬目の検出はすでに多くの方法が提案されている。本発明においては詳述しない従来の方法であるCCDカメラによる眼の撮影と撮影画像の解析を行い上瞼と下瞼の相対的位置関係を測定し開閉眼の信号を得る方式を採用したものである。この開閉の時間系列に実施例に詳述する非線形統計解析であるDFA(Detrended Fluctuation Analysis)を適用する。すなわち開閉眼信号の非線形的統計解析による数学的に普遍的な解析結果から覚醒度を決定することができる。
本発明の構成を、図1の構成図に示す。測定部1により、人の顔、特に目の部分が撮影される。次に解析部により解析が行われる。この解析は、人の目の開閉の画像解析と、後述の眠さ・疲労の解析が行われる。解析された結果により、警告部3により人に警告を出し、制御部4により人を取り巻く環境が制御される。
本発明において、瞬目の測定方法は従来技術を用いて測定される。好ましくは、CCDカメラによる目の撮影を行い、画像解析から瞬目の状態を測定することが考えられる。この方法では、カメラを人から直接見えないように配置することが可能である。例えば、図2のように、車のミラーをマジックミラーにし、その鏡の裏に配置したり、ミラーとカメラを一体としたものを用いたり、工場においてはピンホールカメラを用いたりすることにより、カメラで撮影されているストレスを人に与えない点で優れている。
従来の技術により測定された目の開閉情報として、例えば、1/30秒毎や1/60秒毎の目の開閉情報が測定される。これは、30FPSや60FPSで撮影された目の画像から、瞬目状態の開閉を画像解析から判定し、1F(フレーム)毎に、目を閉じている・開いているという情報に変換したものである。
この測定した情報から、以下に説明するDFA解析を行うために、瞬目の開から次の開までの1瞬き毎の時間情報への変換を行う。
例を示すと、あるサンプリング間隔で開閉情報が得られたとして、それは以下のような時系列となる。上段と中段の値は、説明のための番号を示しており、それぞれ連続する開閉情報についての連続する番号の10の桁、1の桁を示している。下段が開閉情報である。
10桁:0 1 2
1桁:12345678901234567890123456
開閉情報:開開開開閉閉閉閉開開開開開開開開閉閉閉閉開開開開開開
この場合、最初の開は1番目であり、2番目の開は9番目、3番目の開は21番目となる。
先の「瞬目の1瞬き毎の時間情報への変換」とは、開から開への時間であり、この場合、1番目から2番目までの時間は、9−1で8サンプリング時間であり、3番目から2番目までの時間は21−9で12サンプリング時間である。このような変換処理を行うことにより、8サンプリング時間、12サンプリング時間・・・・という1瞬き毎の時間情報が得られる。
本例では、閉から開への変化時点を基準に、1瞬目の時間を定義したが、閉から閉の時間や、開いている期間の中心から次の開いている期間の中心とすることも可能である。また、測定装置から直接1瞬目毎の時間を出力するようにすることも可能である。
このようにして測定された1瞬目の時間変動は、一定のリズムではない。例えば、3.1秒、2.8秒、3.0秒などのように変動しており、ゆらぎのリズムを持っている。この時間的な情報を解析するために、従来、フーリエ解析を用いた周波数解析が用いられてきた。
世界の様々な研究者により、人の心拍変動のフーリエ解析などが行われ、通常・健康な人の生体信号には1/fに近いゆらぎがあることが発表されている。また、病的な状態では、1/fゆらぎからずれることも報告されている。心臓は人が直接意識的に拍動を制御することはできないが、瞬目は、呼吸と同じように、人が直接意識的に制御することも可能であるし、また、通常は無意識下でも人は瞬きを行っている。これは、生理的には、心臓が自律神経による支配のみであるが、瞬目は自律神経と中枢神経からの支配になることによる。
しかしながら、生体信号を解析するときに、フーリエ解析で行うことには問題がある。フーリエ解析は定常な信号を周波数解析するのに適しているが、生体信号は定常的でないことが多い。非定常な生体信号を解析するのに適した解析方法にDFAがある。
非定常な信号には、非常にゆっくりと変動する成分、いわゆるトレンドが含まれる。このトレンドを除去した後、スケーリングを調べる方法がDFA(Detrended Fluctuation Analysis)である。生物の分野では、DNAのモザイク構造の解析や、心拍変動の解析への応用がなされている。本発明では、このDFA解析方法を瞬目に適応する。
DFA計算アルゴリズムは、全ての非定常データで計算可能なアルゴリズムではなく、トレンド(傾向)がゆっくり変わる非定常データの計算に適したアルゴリズムである。非定常データとは、平均値、相関関数(あるいはパワースペクトル密度)などの統計量が測定時刻によって変化するデータのことである。
DFAの解析(計算)は以下のようにして求められる。時系列データをX(1),X(2),X(3),K,X(N)とした場合、まず、全体の平均値を計算する。時系列データの各値から、平均値を引きそれを積分しy(k)を求める。下の式では、時系列データが、時間について離散的なデータであるため、積分は和に置き換えられている。
Figure 2005312868
次に、積分後の時系列y(k)を、等間隔nの区分時間で分割し、その区分時間内で最小2乗近似直線y(k)(ローカルトレンド)を求める。図3に、ある区分時間での、区分を示す等間隔の区分線と、区分時間内でのローカルトレンドが直線として図示してある。
y(k)からy(k)のトレンドを除去し二乗して平均をとり平方根をとったF(n)(平均二乗誤差)は、
Figure 2005312868
となる。区分時間の大きさを全ての時間スケールに対して変化させ、各区分時間毎にF(n)を計算し、横軸に区分時間の対数logn、縦軸に平均二乗誤差F(n)の対数logF(n)をプロットする。このようにして求まるF(n)とlogF(n)のプロット図が、図4の各点になる。このとき、lognとlogF(n)のなす傾きが、スケール指数αである。図4において、最小二乗法で求められる直線の傾きがこれにあたる。
この傾きがDFA解析として導かれる値である。
DFA解析では、このαの値により、時系列データX(i)を、一般的に以下のように分類することができる。
0<α<0.5 の時;反相関
α=0.5 の時;無相関、ホワイトノイズ
0.5<α<1.0の時;長距離相関
α=1 の時;1/fゆらぎ
α>1 の時;相関はあるが、lognとlogF(n)の間の直線関係(Power Law)が崩れる
α=1.5 の時;ブラウンノイズ(ホワイトノイズの積分)、ランダムウォーク
このように、DFA解析では、有限の時系列データから1つのα値が導かれる。
このようなDFA解析は、心電RRの解析に用いられており、生体が健全な状態にある場合にはα値が1に近く(1/fゆらぎ)、心房細動など病気の人のα値が0.5に近いことが、様々な研究により知られている。
以上が、本発明で用いられるDFA解析であるが、その特徴として、正体から得られる情報等のゆっくりとした非定常なデータに対して有効な解析方法であるということが特徴となる。また、FFTに比較して、短時間の観測データでも解析が可能であることも特徴となる。
DFAの計算自体は、一定の有限長の測定データをもとに、1つのDFAの値が計算されるものであり、時間についてリアルタイムにDFA解析した値が出力されるものではない。このため、リアルタイムに値を求めるために、本発明ではウィンドウとスライドを用いてDFA解析のための計算を行う。
スライド計算とは、以下のような時系列データD1からD10があったとする。
D1 D2 D3 D4 D5 D6 D7 D8 D9 D10
ここで、例えば、ウィンドウ4とは、4データから計算をすることを意味する。1つのDFAの計算を、例えば{D1、D2、D3、D4}の4データから行う。ウィンドウ6の場合においては、{D1、D2、D3、D4、D5、D6}の6データから計算を行う。
スライドとは、1つの計算から次の計算まで、どのくらいデータ数をずらすのかを表している。例えば、ウィンドウ6スライド2の場合には、最初の計算を、{D1、D2、D3、D4、D5、D6}の6データから行い、次の計算を、2つづらした{D3、D4、D5、D6、D7、D7}の6データで計算を行う。その次には、更に2つづらした{D5、D6、D7、D8、D9、D10}の6データで計算を行う。
このウィンドウとスライドを用いて、ウィンドウ6スライド2の場合の、{D1、D2、D3、D4、D5、D6}の6データから得られたDFAをDFA1、{D3、D4、D、D6、D7、D7}の6データから得られたDFAをDFA2、{D5、D6、D7、D、D9、D10}の6データから得られたDFAをDFA3とする。この、DFA1,DFA2.DFA3は、例えば1秒毎や10秒毎に得られた値ではない。今、DFAの計算で用いているD1、D2等は時間間隔であるので、DFA1からDFA2までの時間はD1+D2であり、DFA2からDFA3までの時間はD3+D4となる。
具体例を示すと、瞬目の周期である、D1からD10が以下のような時間であったとする。単位は秒とする。
3.1 2.6 3.2 1.1 2.3 4.1 3.2 3.5 5.1 3.2
先のウィンドウ6スライド2の場合、DFA1は{3.1 2.6 3.2 1.1 2.3 4.1}から計算され、DFA2は{3.2 1.1 2.3 4.1 3.2 3.5}から計算され、DFA3は{2.3 4.1 3.2 3.5 5.1 3.2}から計算される。DFA1を0秒での測定値とすると、DFA1からDFA2の経過時間は3.1+2.6=5.7秒であり、それにDFA1の測定時間の0秒を加えて、DFA2は5.7秒での測定値である。DFA3は、DFA2からDFA3の経過時間3.2+1.1=4.3秒と、DFA2の測定時間5.7秒を加えて、10.0秒での測定値である。
従って、時間とDFAの関係は以下のようになる。
時間: 0秒 5.7秒 10.0秒
DFA: DFA1 DFA2 DFA3
以上のウィンドウとスライドという概念を用いたスライド計算を行うことにより、擬似的なリアルタイム情報が得られることになる。
本発明では、瞬目の1周期毎に計算が行われるので、最大にリアルタイム性を求める場合には、スライド1となる。瞬目の周期は約1〜5秒程度であるので、スライド1、つまり約1〜5秒毎にDFA値が得られることになる。一般には、疲れや睡眠を測定するには、人は数秒で急に疲れや睡眠に陥るわけではないので、数10秒から数分程度毎の計算を行うことで十分である。
図5に本発明の基本的なフローチャートを示す。
まず、ステップ1にて、CCDカメラにより人の顔、特に目の撮影が行われる。次に、ステップ2により、画像解析により目の開閉状態が測定される。次にステップ3により、30fpsや60fps等の撮影間隔を考慮して、開閉間隔の計算を行う。次に、ステップ4にて、本発明で用いられるDFA解析が行われる。この解析値を用いて、ステップ5にて、判定処理が行われる。判定は、通常状態であるのか・眠い状態であるのかの判定が行われるが、典型的には解析によって求められたDFA値が0.5より大きいのか、以下であるのかということにより判定が行われる。通常状態であると判定された場合には、ステップ6,7に進み、何もしない。眠い状態であると判定された場合には、ステップ8,9と進み、人を取り巻く環境の変化を行い、人の注意や覚醒を促す処理を行う。
図5の基本的なフローチャートにおいては、ウィンドウやスライドというものがない。そこで、図6に、ウィンドウとスライドを組み込んだ場合の、本発明の実施例を示す。また、DFAの解析は、目の開閉変化が生じた時のみ行えばいいので、その点もフローチャートに入れる。
基本的な動作は図5に示したフローチャートと同様であるので、違いの部分について説明する。図6のステップ3にて、目の開閉変化の判定処理が行われ、目の開閉の変化があったのか・無かったのかの判定が行われる。目の開閉変化がなかった場合には、ステップ4,5と進み、処理はステップ1に戻る。目の開閉変化があった場合には、ステップ6,7と進む。ステップ7では、図5のフローチャートと同様な開閉間隔情報に変換される。ステップ8にて、目の開閉間隔情報がバッファに蓄積される。このバッファは、典型的には、リングバッファ構造をもつ。バッファは、測定された開閉間隔情報を有限の過去まで保持し、最も古い過去の情報が、今回測定された情報に置き換えられる。この有限の過去の長さがウィンドウに相当する。次に、ステップ9にてカウンタがインクリメントされる。このカウンタは目の開閉変化が何回行われたものかをカウントするためのものであり、スライドを計算するためのものである。ステップ10にて、カウント値が、予め設定されたスライド設定値以上であるのかどうかが判定される。以上でない場合には、ステップ11,12に進み、何もせずステップ1に戻る。以上である場合には、ステップ13,14に進み、開閉間隔情報のDFA解析が行われる。その後の、DFA値の値による判定は、図5と同様である。違いとして、1へ戻る前の、ステップ17,21にて、カウンタの値がリセットされる。
以上のようにして、ウィンドウとスライドを用いた、リアルライムの瞬目のDFA解析が可能となる。
次に、本発明により瞬目を解析した例を示す。
これはドライビングコースをテストドライバーが実車で運転しているものを解析したものである。グラフでは「瞬目情報を解析した結果」と共に、比較のための「目視覚醒度」とプロットしてある。
比較のための覚醒度とは、走行中のドライバーの状況、特にドライバーの上半身、を撮影しておき、走行後、ビデオ撮影されたドライバーの画像から、30秒ごとに、(1)かなり眠そう(2)眠そう(3)眠くなさそう、という3段階の評価を第三者が主観的に行ったものである。
図8に、従来技術の1分間の目を閉じている割合(秒)と、比較のための「目視覚醒度」とを示している。図8グラフの、横軸は時間であり、縦軸は割合と「目視覚醒度」を示している。
実験からは、ドライバーはグラフの5分程度から、疲れと眠さを感じはじめ、開始から15分後くらいに起きるように努力する。しかし、ドライバーは開始から約30分後に居眠りに陥る。その直後の、開始から35分後くらいには、ドライバーは眠ってはいけないと思い、目を開け覚醒をしようとする。いわゆる、眠さと意識との拮抗状態が生じる。しかし、その後、開始から38分後くらいには、再び居眠りに陥り、その後運転不能となる。以上が時間経過による大まかなドライバーの状況変化である。
これは、撮影されたビデオからわかることであり、また、主観評価による「目視覚醒度」からわかることである。グラフ中で、「目視覚醒度」の縦軸は明確に明示していないが、グラフで3段階あるものの、一番上段に相当するものが(1)かなり眠そう、中段が(2)眠そう、一番下段が(3)眠くなさそう、ということを示している。
図8では、この覚醒度と、従来技術における、1分間の閉目割合を示している。閉目割合からも、15分頃の起きた時期の閉目の減少、30分頃における居眠り時期の閉目の増加、35分頃の起きようとした時期の閉目の減少、その後38分頃における居眠り時期の閉目の増加などがわかる。
一般に、覚醒時には閉目割合が小さい値をとり、疲れたり・眠そうな場合には、閉目割合は大きな値を取る。また、全体としては、図8の矢印で示しているように、全体として閉目割合は時間と共に増加傾向にある。
しかしながら、閉目割合の値として、どの程度以上が眠りそうなのか、または、どの程度以下が起きているのか、という閾値は不明である。また、個人によっても、この閾値は異なると思われる。
次に、図9に、本発明によるDFAによる瞬目の解析結果を示す。これも、図8と同様に、本発明による解析結果と共に「目視覚醒度」をプロットしている。
この場合、1例として、DFA値の計算は、ウィンドウ90スライド30で行っている。図9中に、W90S30としてある。
瞬目DFAの解析結果からは、15分までのDFA値のゆるやかな減少と、15分に起こる覚醒による急激なDFA値の上昇、また、30分から起こるDFA値の急激な減少と、35分からにおこる急激なDFA値の上昇がわかる。上昇や下降の傾向は、図9中に、矢印として示している。
この結果からは、一般に、目視による覚醒時には、DFA値は0.6以上程度の値を取り、疲れたり・眠くなるとDFA値は減少する。そして、居眠りに近い状態ではDFA値は0.5以下の値をとる。また、疲れにより眠くなる場合のDFA値は減少の仕方は、ゆるやかな場合と、急激な場合があり、急激な場合ほど、より疲れ・眠気が強いことを示している。
本発明では、典型的には、DFA値が0.5以下の場合に、人が疲れている・眠くなっているという判断を行い、この場合、人に注意を促す音響、光、振動などワーニング処理を行い、作業椅子角度、硬さの変更あるいはエアコン吹き出し調整、窓の開閉による換気調整等を行う。これにより、人が安定した運転や作業を行うことが可能となる。
また、DFA値の傾きを測定し、傾きがゆるやかな場合、急激な場合の判定を行うことも可能である。
これは図7のフローチャートになる。
ステップ1からステップ14までは、図6のフローチャートと同一である。
ステップ15にて、DFAの値と共に、DFAの傾向を基に判定が行われる。DFAの傾向は、バッファに蓄積された、過去のDFA値から、例えば、最小二乗法を用いて傾きを求め、これを傾向とする。このバッファは、典型的にはリングバッファである。DFAの傾きの傾向が緩やかで、DFAの値が一定の値以下である場合には、ステップ19、20へ進み、第1段階の人への警報や、人を取り巻く環境の制御が行われる。DFAの傾きの傾向が急で、DFAの値が一定の値以下である場合には、ステップ23、24へ進み、第2段階の人への警報や、人を取り巻く環境の制御が行われる。典型的には、第2段階の警報や制御は、第1段階のそれよりも、人に与える影響が大きいものである。例えば、エアコンの温度設定がより低いものであったり、音量が大きかったりというものである。それ以外の場合には、ステップ16へ進む。いずれの場合においても、その後、ステップ21,25,17にてカウンタがリセットされ、ステップ1へ処理が戻る。
バッファに保存するデータはDFA値のみでなく、DFA値と共に経過時間も保存し、例えば、近接した10分間の傾向を求めることも可能である。
本発明の説明として、傾きと値により、この場合2段階の制御が行われたが、DFAの傾向もより細かく複数の場合として判定することも可能であるし、DFA値も0.5のみで判断するのではなく、0.6以下の場合には警告のみを行うなど、より細かく設定をすることも可能である。
また、本発明では、瞬目の周期間隔をそのままDFA解析に用いたが、瞬目の周期間隔に関しスプライン補完等を用いて再サンプリングし、等間隔時間とした後DFA解析することも可能である。これら再サンプリング等は通常用いられる方法である。
本発明の構成図 車中における、ミラーと鏡の配置の一例を示す図 DFAの解析方法を説明するための図その1 DFAの解析方法を説明するための図その2 本発明の基本的フローチャート 本発明の第1の例としてのフローチャート 本発明の第2の例としてのフローチャート 従来の技術による瞬目の統計のよる解析例 本発明による瞬目のDFA解析による解析例
符号の説明
1 カメラ
2 ミラー

Claims (16)

  1. 瞬目の開閉情報を測定し出力する測定機能と、測定機能により出力された瞬目の開閉情報を非線形解析する解析機能を含むことを特徴とする解析装置。
  2. 上記解析機能が、DFA解析を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
  3. 上記解析機能が、DFA解析した結果と、予め決められた一定の値と比較することにより、睡眠予兆を判定することを含むことを特徴とする請求項2に記載の解析装置。
  4. 上記解析機能が、DFA解析した結果の一定期間における傾向により、睡眠予兆を判定することを含むことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の解析装置。
  5. 上記解析機能において、予め決められた一定の値が0.5であることを特徴とする請求項2、請求項3または請求項4に記載の装置。
  6. 上記解析機能において、予め決められた一定の値が0.5から1.0の範囲にあり、段階的に比較されることを特徴とする、請求項2、請求項3または請求項4に記載の装置。
  7. 上記解析装置が、人に注意を促すための装置を制御する機能を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  8. 上記解析装置が、人を覚醒させるための装置を制御する機能を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  9. 瞬目の開閉情報を測定し出力する測定機能と、測定機能により出力された瞬目の開閉情報を非線形解析する解析機能を含むことを特徴とする解析方法。
  10. 上記解析機能が、DFA解析を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  11. 上記解析機能が、DFA解析した結果と、予め決められた一定の値と比較することにより、睡眠予兆を判定することを含むことを特徴とする請求項10に記載の解析方法。
  12. 上記解析機能が、DFA解析した結果の一定期間における傾向により、睡眠予兆を判定することを含むことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の解析方法。
  13. 上記解析機能において、予め決められた一定の値が0.5であることを特徴とする請求項10、請求項11または請求項12に記載の方法。
  14. 上記解析機能において、作業内容により予め決められた一定の値が0.5から1.0の範囲にあり、段階的に比較されることを特徴とする、請求項10、請求項11または請求項12に記載の方法。
  15. 上記解析装置が、人に注意を促すための装置を制御する機能を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 上記解析装置が、人を覚醒させるための装置を制御する機能を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
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