JP2005312710A - 灸材及び灸付きカイロ - Google Patents

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Abstract

【課題】 皮膚に耐え難い熱感を付与することがなく、火傷の痕が残ることがなく、広い範囲に亘って灸治作用を付与することができる灸付き使い捨てカイロを提供する。
【解決手段】 使い捨てカイロ部12と灸部14とを備え、使い捨てカイロ部12は、一方の面に貼付層16を有する袋体(内袋)18と、この袋体18の中央部分に封入されたカイロ発熱体20とから成り、灸部14は、使い捨てカイロ部12のカイロ発熱体20を有する発熱領域20Aに貼り付けられ灸治作用を有する艾等の薬草22から成り、薬草22は、焙焼されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、身体の経穴(つぼ)に配置し身体に灸成分を浸透させて疾病の予防又は治療に使用する灸材及びこの灸材を使用した使い捨てカイロに関するものである。
灸材は、ヨモギの葉を乾燥し、揉んで形成された艾から成っている。この灸材は、身体の経穴に小さくひねって載せ、火を付けて使用されており、この火付けによる加熱によって艾の成分が身体に抽出され温熱作用と相俟って身体の痛み等を緩和している。
しかし、身体上にある艾に直接火を付けると、皮膚に耐え難い熱感を付与する上に、皮膚に火傷の痕が残り、また灸は、艾を小さく絞って身体上に載せて行うので、点の治療が行われるだけであり、広い範囲に亘って灸治療をすることができない欠点があった。
一方、最近、所謂使い捨てカイロの熱を利用してこの使い捨てカイロに灸材を併用して灸材をカイロの熱を利用して加熱して灸治作用を付与する灸付き使い捨てカイロが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、従来技術の灸付き使い捨てカイロは、使い捨てカイロの袋体内に艾を収納する薬草用ポケットを設け、この薬草用ポケットに艾を収納して使用するので、艾を直接皮膚に触れさせることができないため、灸治作用が充分に働かない欠点があった。
なお、貼り付け型の使い捨てカイロに艾を併用することも考えられるが(特許文献2参照)、カイロの熱程度では艾に充分な灸治作用を付与することができない欠点がある。
特開2003−235886号公報 特開平10−201787号公報
本発明が解決しようとする1つの課題は、皮膚に耐え難い熱感を付与することがなく、火傷の痕が残ることがなく、広い範囲に亘って灸治作用を付与することができる灸材を提供することにある。
本発明が解決しようとする他の課題は、使い捨てカイロの熱を利用して皮膚を通して確実に灸治作用を付与することができる灸付き使い捨てカイロを提供することにある。
本発明の第1の課題解決手段は、 灸治作用を有する薬草から成る灸材において、薬草は、焙焼されていることを特徴とする灸材を提供することにある。
本発明の第2の課題解決手段は、使い捨てカイロ部と灸部とを備え、使い捨てカイロ部は、一方の面に貼付層を有する袋体とこの袋体の中央部分に封入されたカイロ発熱体とから成り、灸部は、使い捨てカイロ部のカイロ発熱体を有する発熱領域に貼り付けられ灸治作用を有する薬草から成り、この薬草は、焙焼されていることを特徴とする灸付きカイロを提供することにある。
本発明の第2の課題解決手段において、薬草は、灸成分透過性の保持袋内に封入され、灸部は、この保持袋を使い捨てカイロ部の発熱領域に貼り付けられていてもよいし、薬草は、使い捨てカイロ部の発熱領域に配置され、この薬草を包むように発熱領域の周縁に貼り付けられた灸成分浸透性の保持シートによって保持されていてもよい。
このように、灸治作用を有する薬草が焙焼されていると、単に薬草を乾燥して揉んで形成しただけのものに比べて灸成分の皮膚への浸透作用が向上し、従って、特に、加熱することなく皮膚に触れさせるだけで灸治療を行うことができるので、皮膚に耐え難い熱感を付与することがない上に、火傷の痕跡が残ることがなく、また皮膚に面状に拡げて治療することができるために、点治療ではなく、面治療を行うことができる。この灸材は、特に、アトピー性皮膚炎や水虫などの皮膚炎の治療に好適に使用することができる。
また、使い捨てカイロと併用する場合、このカイロは、中央部分にのみ設けられたカイロ発熱体を有する発熱領域に対応して焙焼された薬草を配置し、この発熱領域の回りの非発熱領域を皮膚に直接貼り付けるので、薬草を皮膚に直接触れさせることができ、特に、薬草は、カイロ発熱体の低温によって灸成分が皮膚に浸透して灸治作用が付与される上に、カイロ発熱体の熱が直接皮膚に伝わることがなく、低温火傷を防止しつつ、灸治作用と温熱作用とを受けることができる。
本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1乃至図3は、本発明に係わる灸材を用いて作られた灸付き使い捨てカイロ10を示し、この灸付き使い捨てカイロ10は、使い捨てカイロ部12と灸部14とを備えている。なお、この使い捨てカイロ10は、通常の使い捨てカイロと同様に、ビニール袋の如き通気性のない外袋に入れられて使い捨てカイロ10の後に述べる発熱体が空気に触れないようにしており、使用時にこの外袋を破り、使い捨てカイロの内袋を取り出して空気に触れさせて発熱するようにしている。
使い捨てカイロ部12は、一方の面に貼付層16を有する袋体(内袋)18と、この袋体18の中央部分に封入されたカイロ発熱体20とから成っている。袋体18は、空気透過性を有し薄く可撓性があるが強靱な材料、例えば、ゴム又はポリウレタンその他の適宜のプラスティック性の多孔性フィルムから作られている。また、カイロ発熱体20は、通常の使い捨てカイロに使用されている空気に触れると発熱しながら酸化する発熱体、例えば、細かい鉄粉、活性炭、食塩、水分等を混合して得られた発熱体から成っている。
一方、灸部14は、図1から解るように、使い捨てカイロ部12のカイロ発熱体20を有する発熱領域20Aに貼り付けられ灸治作用を有する艾等の薬草22から成り、この薬草は、通常の艾を焙焼して作られている。薬草22の焙焼作業は、コンロ上で例えば約150℃程度に加熱された鉄板上にアルミ箔を載せ、このアルミ箔のほぼ中央部分の上に艾を拡げアルミ箔の艾が載っていない周囲部分を折り曲げて閉じ3−4分程度維持し、次いで反転して同様に3−4分程度維持し、その後、アルミ箔と共に艾全体を鉄板から取り出して行われる。なお、焙焼時間は、加熱温度によってことなり、温度が低ければ、所定の焙焼効果を得るためには焙焼時間が長くなる傾向がある。
図1及び図2の形態では、薬草22は、灸成分透過性のメッシュ状保持袋24、例えばポリエチレンの如きプラスティック製のメッシュ状袋内に封入され、灸部14は、この保持袋24を使い捨てカイロ部12の発熱領域20Aに貼り付けられている。メッシュ状の保持袋24は、例えば、使い捨てカイロ部12に使用される袋体と同じ材質でそれを多孔性を有するように加工したものとしてもよい。
薬草22が焙焼されていることは、本発明の重要な特徴である。薬草22が焙焼されていると、焙焼しない薬草に比較して灸成分の抽出が向上し、また使い捨てカイロ部12のカイロ発熱体20からの60℃程度の低い温度でも灸成分の皮膚への浸透が充分に行われる。このため、低い温度で長時間かけて灸治療を行うことができる。
従って、皮膚に耐え難い熱感を付与することがない上に、火傷の痕跡が残ることがなく、また低い温度で治療することができるために、高い温度で集中的に行われる点治療だけではなく、広い面積に亘って面治療を行うことができる。
また、使い捨てカイロ部12のカイロ発熱体20は、中央部分にのみ設けられてその回りの袋体18の貼付層16は、カイロ発熱体20を介して灸部14を皮膚に保持するように皮膚に貼り付けられるので(図3及び図4参照)、灸部14の薬草22は、薄い保持袋24の網目を介して皮膚に触れるように保持され、灸治作用を確実に行うことができる。カイロ発熱体20と皮膚との間には薬草22が介在するので、皮膚がカイロ発熱体20によって火傷することはなく、皮膚に温熱効果を付与する。
このようにして、カイロ発熱体20は、薬草22を加熱して薬草22に灸治作用を付与すると共に、この薬草22を介して皮膚に温熱作用を付与する2つの機能を有する。
図5及び図6の形態では、薬草22は、保持袋に収納されるのではなく、使い捨てカイロ部12の発熱領域20Aに配置され、この薬草22を包むように発熱領域20Aの周縁に貼り付けられた熱浸透保持シート26によって保持されている。
なお、上記の実施の形態では、薬草22は、使い捨てカイロ部12と併用したが、焙焼された薬草自体も本発明の対象である。この薬草は、皮膚に直接載せ、火を付けることなく灸治療に用いられるが、灸成分は、焙焼によって抽出されており、従来の焙焼していない薬草のように火を付けて灸成分を抽出する必要がなく、従って皮膚に耐え難い熱感を付与したり、火傷の痕を残したりすることがなく、従来よりも広い面積で皮膚に拡げて使用することができるので、灸治療効果が向上する。
本発明によれば、灸治作用を有する薬草が焙焼されているので、加熱することなく高い灸成分を皮膚に浸透することができ、従ってこの薬草を単独で使用する場合に耐え難い熱感を受けたり火傷の痕が残ったりすることがなく、また付き捨てカイロと併用してその低い温度でも灸治作用を発揮して灸材の灸治作用とカイロの温熱作用とを併用することができる。
本発明の1つの実施の形態による灸付き使い捨てカイロの縦断面図である。 図1のA−A線拡大断面図である。 図1の灸付き使い捨てカイロの上面図である。 図1の灸付き使い捨てカイロの下面図である。 本発明の他の実施の形態による灸付き使い捨てカイロの縦断面図である。 図5のB−B線拡大断面図である。
符号の説明
10 灸付き使い捨てカイロ
12 使い捨てカイロ部
14 灸部
16 貼付層
18 袋体
20 カイロ発熱体
20A 発熱領域
22 薬草
24 灸成分透過性のメッシュ状保持袋
26 灸成分透過性シート


















Claims (4)

  1. 灸治作用を有する薬草から成る灸材において、前記薬草は、焙焼されていることを特徴とする灸材。
  2. 使い捨てカイロ部と灸部とを備え、前記使い捨てカイロ部は、一方の面に貼付層を有する袋体と前記袋体の中央部分に封入されたカイロ発熱体とから成り、前記灸部は、前記使い捨てカイロ部のカイロ発熱体を有する発熱領域に貼り付けられ灸治作用を有する薬草から成り、前記薬草は、焙焼されていることを特徴とする灸付きカイロ。
  3. 請求項2に灸付きカイロであって、前記薬草は、灸成分透過性の保持袋内に封入され、前記灸部は、前記保持袋を前記使い捨てカイロの発熱領域に貼り付けられて取り付けられていることを特徴とする灸付きカイロ。
  4. 請求項2に灸付きカイロであって、前記薬草は、前記使い捨てカイロの発熱領域に配置され、前記薬草を包むように前記発熱領域の周縁に貼り付けられた灸成分透過性の保持シートによって保持されていることを特徴とする灸付きカイロ。












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