JP2005312402A - グルタミン酸伝達系を利用した骨・軟骨疾患治療薬の評価方法 - Google Patents

グルタミン酸伝達系を利用した骨・軟骨疾患治療薬の評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 グルタミン酸伝達系を介した骨・軟骨細胞の分化や増殖のメカニズムを解明し、骨・軟骨疾患の予防又は治療のための新たな手段を提供すること
【解決手段】 骨・軟骨系のグルタミン酸伝達系に対する効果を指標として、骨・軟骨疾患治療薬としての有効性を評価する。具体的には、グルタミン酸トランスポーター、グルタミン酸レセプター、セリントランスポーターから選ばれる少なくとも1つ以上のグルタミン酸伝達系シグナル分子、あるいはセリンラセマーゼの発現量又は活性に対する作用に基づいて、被験物質の骨・軟骨疾患治療薬としての有効性を評価する。
【選択図】 なし

Description

本発明はグルタミン酸伝達系を利用した、骨・軟骨疾患治療薬の評価方法に関する。より詳しくは、グルタミン酸伝達系シグナル分子の発現又は活性を指標とした、骨・軟骨疾患治療薬の評価方法に関する。
中枢神経における神経情報伝達は、おもにグルタミン酸(Glu)による興奮性シグナルとγ-アミノ酪酸(GABA)による抑制性シグナルの相互調節により成り立つ。グルタミン酸信号の関与は、記憶や学習のような脳可塑性の構築だけでなく、神経細胞の特徴的破壊や変性の出現においても頻繁に認められる。そのため、グルタミン酸による信号伝達メカニズムは、アルツハイマー病やパーキンソン病など、色々な神経変性疾患の治療や予防の標的として有用と考えられている。
最近、骨芽細胞にグルタミン酸伝達系が存在することが報告された(非特許文献1参照)。また、発明者らも、骨芽細胞や軟骨細胞に機能的なグルタミン酸及びGABAの神経性アミノ酸シグナリング機構が存在することを報告している(非特許文献2参照)。しかしながら、骨・軟骨系におけるグルタミン酸伝達系のシグナル伝達機構の詳細は未だ解明されておらず、その生理的役割も解明されていない。もし、骨・軟骨系における、グルタミン酸伝達系の全容が明らかになれば、それは新たな骨・軟骨疾患治療薬の標的として非常に有用と考えられる。
本発明は、グルタミン酸伝達系を介した骨・軟骨細胞の分化増殖のメカニズムを解明し、骨・軟骨疾患の予防又は治療のための新たな手段を提供することにある。
本発明者らは、骨・軟骨系におけるグルタミン酸伝達系の存在やその調節機構を研究し、以下に示す新たな知見を得た。
(1)破骨細胞にグルタミン酸トランスポーターが発現している。
(2)骨芽細胞におけるセリンラセマーゼを介したD-セリン合成の調節が破骨細胞の骨吸収を調節している。
(3)滑膜細胞にグルタミン酸トランスポーター及びレセプターが発現し、リウマチの発症に関与しうる。
(4)中足骨にグルタミンレセプターが存在し、軟骨石灰化を調節している。
(5)間葉系幹細胞にはグルタミン酸トランスポーター及びレセプターが発現し、グルタミン酸の添加により骨・軟骨系細胞に特異的に分化誘導される。
以上の知見に基づき、本発明者らは、グルタミン酸伝達系を介した骨・軟骨細胞の分化増殖あるいは代謝の制御により、骨・軟骨系疾患の予防や治療が可能になると考えた。
すなわち、本発明は、骨・軟骨系のグルタミン酸伝達系に対する効果を指標とした、骨・軟骨疾患治療薬の評価方法に関する。
前記方法において、被験物質のグルタミン酸伝達系に対する効果は、グルタミン酸トランスポーター、グルタミン酸レセプター、セリントランスポーターから選ばれる少なくとも1つ以上のグルタミン酸伝達系シグナル分子、あるいはセリンラセマーゼの発現量又は活性に対する作用に基づいて、評価することができる。
前記グルタミン酸伝達系シグナル分子は骨・軟骨系細胞で発現が確認されているものであって、例えば、グルタミン酸レセプターはNR2D、KA1、KA2及びmGluR1〜8であり、グルタミン酸トランスポーターはGLAST及びGLT-1であり、セリントランスポーターはATA1、ATA2、ATA3、ASCT1及びLAT2である。
ある実施形態において、本発明の方法は以下の工程を含む:
1)破骨細胞を培養し、標識したグルタミン酸を添加する;
2)被験物質の添加及び非添加条件下における、上記細胞内へのグルタミン酸取込み活性を測定する;
3)被験物質の添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性が、非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性と比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
前記方法において、骨・軟骨疾患としては、特に骨粗鬆症を含む骨吸収性骨代謝疾患が適切である。
また別な実施形態において、本発明の方法は以下の工程を含む:
1)滑膜細胞を培養し、標識したグルタミン酸を添加する;
2)被験物質の添加及び非添加条件下における、上記細胞内へのグルタミン酸取込み活性を測定する;
3)被験物質の添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性が、非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性と比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
前記方法において、骨・軟骨疾患としては、特に慢性関節リウマチ及び変形性関節症を含むリウマチ性疾患が適切である。
また別な実施形態において、本発明の方法は以下の工程を含む:
1)被験物質の添加及び非添加条件下で骨芽細胞を培養する;
2)上記細胞内におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNA発現量を測定する;
3)被験物質の添加条件下におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNAの発現量が、非添加条件下におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNAの発現量に比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
前記方法において、骨・軟骨疾患としては、特に骨粗鬆症を含む骨吸収性骨代謝疾患が適切である。
さらに別な実施形態において、本発明の方法は、中足骨培養系におけるグルタミン酸レセプターmGluR1〜8に対するアゴニスト作用に基づいて、被験物質の骨・軟骨疾患治療薬としての効果を評価する。
前記方法において、骨・軟骨疾患としては、特に慢性関節リウマチ及び変形性関節症を含むリウマチ性疾患が適切である。
本発明によれば、骨・軟骨系のグルタミン伝達系を標的とした新たな骨・軟骨疾患治療薬の探索及び開発が可能になる。
1.グルタミン酸伝達系
本発明にかかる、「グルタミン酸伝達系」とはグルタミン酸を介した細胞間情報伝達系を意味する。グルタミン酸伝達系の主なシグナル分子はグルタミン酸レセプターとグルタミ酸トランスポーターであり、それぞれについては、機能の異なるいくつかのサブユニットの存在が既に確認されている。グルタミン酸伝達系は、中枢神経においてはその機能の詳細が既に解明されているが、骨・軟骨系については、骨芽細胞等一部の細胞でシグナル分子の存在が確認されているにすぎない。
発明者らは、骨・軟骨系におけるグルタミン酸伝達系の存在と機能について研究し、以下の新たな知見を得た。
(1)破骨細胞におけるグルタミン酸トランスポーターの発現
骨芽細胞ではグルタミン酸レセプターの1種であるNMDAレセプターを活性化することにより、骨形成促進効果が見られることがすでに確認されている(Hinoi E., et al., FASEB J. 2003 Aug;17(11):1532-4.)。今回、発明者らは破骨細胞におけるグルタミン酸トランスポーターの発現と、グルタミン酸濃度の増加による破骨細胞の分化抑制を確認した。したがって、破骨細胞のグルタミン酸取り込みを阻害し、細胞間隙中のグルタミン酸濃度を上昇させることは骨芽細胞による骨形成促進と破骨細胞による骨吸収の抑制の両面から、骨代謝性を調整しうる。すなわち、破骨細胞におけるグルタミン酸トランスポーターの発現量又は活性を抑制する化合物は、骨粗鬆症等の吸収性骨代謝性疾患の予防又は治療薬として有用と考えられる。
(2)骨芽細胞におけるセリンラセマーゼを介した骨吸収の調節
骨芽細胞でセリンラセマーゼを介して合成されるDセリンは破骨細胞の骨吸収を促進する。すなわち、骨芽細胞におけるセリンラセマーゼの発現量又は活性を阻害する化合物は、骨粗鬆症等の吸収性骨代謝性疾患の予防又は治療薬として有用と考えられる。
(3)滑膜細胞におけるグルタミン酸トランスポーターの発現
慢性関節リウマチ患者の滑液中には高濃度のグルタミン酸が存在することが報告されている。今回、発明者らは、滑膜細胞において機能的なグルタミン酸トランスポーターが発現していることを確認した。また、関節炎モデルラットの滑膜細胞では正常ラットの滑膜細胞に比較して有意に高いグルタミン酸取込み活性を示すことを確認した。すなわち、滑膜細胞のグルタミン酸トランスポーターの発現又は活性を促進する化合物は、慢性関節リウマチ及び変形性関節症等のリウマチ性疾患の予防又は治療薬として有用と考えられる。
(4)中足骨におけるグルタミン酸レセプターの発現と軟骨石灰化の調節
発明者らは、中足骨(Metatarsal)にグルタミン酸レセプターが発現していること、高濃度グルタミン酸添加やグルタミン酸レセプターアゴニストの添加により軟骨石灰化が有意に抑制されることを確認した。すなわち、中足骨におけるグルタミン酸レセプターのアゴニストは、石灰化抑制を介して、変形性関節症や慢性関節リウマチ等のリウマチ性疾患の予防又は治療薬として有用と考えられる。
(5)間葉系幹細胞におけるグルタミン酸伝達系シグナル分子の発現
発明者らは、間葉系幹細胞にはグルタミン酸レセプター及びトランスポーターが存在することを確認した。また、間葉系幹細胞はグルタミン酸の添加により骨・軟骨系細胞に特異的に分化誘導されることを確認した。すなわち、間葉系幹細胞におけるグルタミン酸レテプターやトランスポーターを介した骨軟骨細胞への分化制御は、骨・軟骨疾患の治療に有用と考えられる。
2.グルタミン酸伝達系を利用した骨・軟骨疾患治療薬の評価方法
本発明は、グルタミン酸トランスポーター、グルタミン酸レセプター、セリントランスポーターから選ばれる少なくとも1つ以上のグルタミン酸伝達系シグナル分子、あるいはセリンラセマーゼの発現量又は活性に対する作用に基づいて、該被験物質の骨・軟骨疾患治療薬としての効果を評価する。
より具体的には、前記グルタミン酸伝達系シグナル分子は、骨・軟骨系細胞で発現している、グルタミン酸トランスポーター、グルタミン酸レセプター、セリントランスポーターの各種サブタイプである。下表1に、発明者らが骨・軟骨系において発現を確認したグルタミン酸伝達系シグナル分子をまとめる。
Figure 2005312402
本発明の方法において、「骨・軟骨疾患」は、特に限定されず、骨・軟骨細胞の分化増殖、あるいは代謝異常による全ての病的状態を含む。例えば、骨粗鬆症、骨大理石病等の骨代謝異常に基づく疾患や、変形性関節症や慢性関節リウマチ等のリウマチ性疾患が含まれる。また、本発明において、治療薬という用語は治療に限定されず、予防のためのものも含む。
本発明の方法は、被験物質によるシグナル分子等の発現量や活性に及ぼす効果を、比較対照なしに評価するものであってもよいし、適当な対照と比較評価するものであってもよい。例えば、生理的条件下でのシグナル分子等の発現量や活性(正常値)がわかっていれば、この正常値と被験物質の投与条件下による発現量や活性を比較することで、比較対照なしに輸送活性を評価することができる。しかしながら、より正確な評価のためには、被験物質の添加及び非添加条件下において、シグナル分子の発現量や活性を比較評価することが好ましい。
本発明において、グルタミン酸伝達系シグナル分子やセリンラセマーゼの発現量は、当該シグナル分子等のタンパクあるいはmRNAの発現量を測定することによって評価できる。
タンパクの発現量は、目的とするタンパクに特異的な抗体や適当な二次抗体を用いて、ウェスタンブロット法、ドットブロット法、スロットブロット法、ELISA法、又はRIA法等によって評価できる。
また、mRNAの発現量は、当該mRNAを特異的に増幅又は検出しうるプライマーやプローブを用いて、RT‐PCR法、リアルタイムPCR法、サブトラクション法、ディファレンシャル・ディスプレイ法、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーション法、クロスハイブリダイゼーション法、又は遺伝子チップ、cDNAアレイ、及びメンブレンフィルター等の固相化試料を用いた核酸ハイブリダイゼーション法によって評価できる。
3.破骨細胞のグルタミン酸トランスポーターを標的とした評価方法
破骨細胞のグルタミン酸トランスポーターを標的とした評価方法は、例えば、以下のようにして行う。
1)破骨細胞を培養し、標識したグルタミン酸を添加する;
2)被験物質の添加及び非添加条件下における、上記細胞内へのグルタミン酸取込み活性を測定する;
3)被験物質の添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性が、非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性と比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
前記方法において、グルタミン酸の標識は特に限定されず、例えば3H等の放射性物質を利用して容易に行うことができる。
用いられる破骨細胞は、純度が高い初代培養細胞が望ましく、そのような細胞の培養技術を本発明者らは習得している。すなわち、動物から単離した骨髄を適当な培養液(例えば10%FBS αMEM等)中に回収し、これを300g, 5分間遠心分離し、沈渣を前記培養液に懸濁し、10 ng/mL のM-CSFを加えて24時間培養する。その後、上清を回収し、これを再度300g, 5 分間遠心分離し、沈渣に20 mLの αMEMを加えて十分に懸濁し、Ficoll-Paque Plus に積層して500gで15分間遠心分離を行う。その後、単球画分を含む白色の層を回収し、500g, 5分間遠心分離を行った。その沈渣を前記培養液に懸濁し、20 ng/mLの M-CSF及び50 ng/mLのRANKLを加えて培養すればよい。
グルタミン酸の取込み活性は、標識物質の放射活性等を測定することにより評価できる。なお、取込み活性が「有意に変化する」とは、例えば、被験物質の添加及び非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性に統計的有意差(p<0.05)があることを意味する。
特に、被験物質の添加によってグルタミン酸の取込み活性が有意に低下する場合、該被験物質は骨粗鬆症を含む骨吸収性骨代謝疾患の治療薬として有用である。
4.滑膜細胞のグルタミン酸トランスポーターを標的とした評価方法
滑膜細胞のグルタミン酸トランスポーターを標的とした評価方法は、例えば、以下のようにして行う。
1)滑膜細胞を培養し、標識したグルタミン酸を添加する;
2)被験物質の添加及び非添加条件下における、上記細胞内へのグルタミン酸取込み活性を測定する;
3)被験物質の添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性が、非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性と比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
前記方法において、グルタミン酸の標識は特に限定されず、例えば3H等の放射性物質を利用して容易に行うことができる。
用いられる滑膜細胞は、純度が高い初代培養細胞が望ましく、そのような細胞の培養技術を本発明者らは習得している。例えば、動物から滑膜細胞を採取し、0.2% Collagenaseを含むDMEM中で37℃ 2時間インキュベートした後、適当な培養液(例えば、20% FBS DMEM)中で培養すればよい。
グルタミン酸の取込み活性は、標識物質の放射活性等を測定することにより評価できる。なお、取込み活性が「有意に変化する」とは、例えば、被験物質の添加及び非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性に統計的有意差(p<0.05)があることを意味する。
特に、被験物質の添加によってグルタミン酸の取込み活性が有意に上昇する場合、該被験物質は慢性関節リウマチ及び変形性関節症等のリウマチ性疾患の治療薬として有用である。
5.骨芽細胞のセリンラセマーゼを標的とした評価方法
骨芽細胞のセリンラセマーゼを標的とした評価方法は、例えば、以下のようにして行う。
1)被験物質の添加及び非添加条件下で骨芽細胞を培養する;
2)上記細胞内におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNA発現量を測定する;
3)被験物質の添加条件下におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNAの発現量が、非添加条件下におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNAの発現量に比較して有意に低下する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
前記方法において、用いられる骨芽細胞は、純度が高い初代培養細胞が望ましく、そのような細胞の培養技術を本発明者らは習得している。例えば、動物から単離した頭蓋骨を酵素溶液(0.2 % collagenaseを含むαMEM) 10 mL中で37℃、5分間攪拌させ細胞を分散後、細胞浮遊画分を吸引除去する。この処理をもう一度繰り返した後、新しい酵素溶液10 mLを添加し37℃、10分間攪拌後、細胞浮遊画分を回収する。同様の攪拌操作をさらに3回繰り返し、それぞれの細胞浮遊画分を回収する。回収画分を細胞ろ過用フィルターでろ過し、ろ液を250 g、5分間遠心分離後、得られた沈渣を適当な培養液(例えば、10 % FBS-αMEM)で懸濁して24時間培養し、さらに培養液を50 μg/mL アスコルビン酸、5 mM β-グリセオフォスフェート及び各種培養試薬を含む培養液に交換して培養すればよい。
mRNAの発現量は、前述したように、ラセマーゼ特異的プライマーやプローブを用いた、RT-PCR法、リアルタイムPCR法、サブトラクション法、ディファレンシャル・ディスプレイ法、ディファレンシャル・ハイブリダイゼーション法、クロスハイブリダイゼーション法、又は遺伝子チップ、cDNAアレイ、及びメンブレンフィルター等の固相化試料を用いた核酸ハイブリダイゼーション法によって評価することができる。
なお、ラセマーゼmRNAの発現量が「有意に変化する」とは、例えば、被験物質の添加及び非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性に統計的有意差(p<0.05)があることを意味する。
特に、被験物質の添加によってラセマーゼの発現量や活性が有意に低下する場合、該被験物質は骨粗鬆症を含む骨吸収性骨代謝疾患の治療薬として有用である。
6.中足骨のグルタミン酸レセプターを標的とした評価方法
中足骨のグルタミン酸レセプターを標的とした評価方法は、周知のアゴニストスクリーニングに準じて、被験物質の中足骨グルタミン酸レセプターmGluR1〜8に対するアゴニスト作用に基づいて、該被験物質の骨・軟骨疾患治療薬としての効果を評価すればよい。評価としては、リガンドであるグルタミン酸を用いたリガンド結合アッセイであってもよいし、セカンドメッセンジャー(cAMPやCa2+)の細胞内レベルを測定するアッセイであってもよい。
細胞内cAMP濃度は、例えば、抗cAMP抗体を用いた競合的ELISA等により測定することができる。そのような方法は当該技術分野で周知であり、そのためのキット(HitHunterTMEFC cAMP Assay(Applied Biosystems)等)も市販されている。
また、細胞内Ca2+濃度変化の測定は、例えばFLIPR(Fluorometric Imaging Plate Reader、Molecular Device)を利用して行うことができる。FLIPRは細胞内Ca2+濃度の変化を96穴または384穴プレート上でハイスループットに測定可能な装置である。蛍光試薬(Fluo3)を取り込ませた細胞にリガンド刺激した際に上昇する蛍光強度を測定することによって、その物質が細胞内Ca2+濃度に及ぼす影響を調べることができる。
中足骨グルタミン酸レセプターmGluR1〜8のアゴニストは、特に、慢性関節リウマチ及び変形性関節症等のリウマチ性疾患の治療薬として有用である。
7.組換え細胞を用いた評価方法
各種グルタミン酸伝達系シグナル分子のcDNA配列は既に公知である。したがって、本発明の方法は、該グルタミン酸伝達系シグナル分子を強制発現させた組換え細胞を用いて実施することもできる。
前記組換え細胞は、常法に従い(例えば、(Molecular Cloning, A Laboratory Manual” Maniatis, T., Fritsch, E.F., Sambrook, J. (1982) Cold Spring Harbor Laboratory Press 参照)、クローニングされた各種グルタミン酸シグナル分子遺伝子のcDNAを、適当なベクターを用いて宿主細胞に導入することにより作製される。
宿主細胞は、哺乳動物の遺伝子を発現しうる細胞であれば特に限定されず、脊椎動物、昆虫、酵母等の細胞等を用いることができる。例えば、脊椎動物細胞であれば、サルの細胞であるCOS細胞(Gluzman, Y. (1981) Cell 23, 175-182、ATCC CRL-1650)、チャイニーズ・ハムスター卵巣細胞(CHO細胞、ATCC CCL-61)やそのジヒドロ葉酸還元酵素欠損株(Urlaub, G. and Chasin, L. A. (1980) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77, 4126-4220)等のほか、間葉系幹細胞や骨軟骨系の培養細胞株を好適に用いることができる。昆虫細胞であれば、鱗翅類ヤガ科のSpodoptera frugiperdaの卵巣細胞由来株化細胞(Sf-9またはSf-21)やTrichoplusia niの卵細胞由来High Five細胞(Wickham, T. J. et al, (1992) Biotechnol. Prog.i: 391-396)等を用いることができる。
脊椎動物細胞の発現ベクターとしては、通常発現させようとする遺伝子の上流に位置するプロモーター、RNAのスプライス部位、ポリアデニル化部位、および転写終結配列等を有するものを使用できる。さらに、これは必要により複製起点を有してもよい。該発現ベクターの例としては、サイトメガロウイルス初期プロモーターを有するPCR3.1(Invitrogen社製)、SV40の初期プロモーターを有するpSV2dhfr(Subramani, S. et al. (1981) Mol. Cell. Biol. 1, 854-864)等のほか、レトロウィルスベクターpLCNX(Clontech, K1060-1)等を好適に用いることができる。
宿主細胞として、COS細胞を用いる場合を例に挙げると、発現ベクターとしては、SV40複製起点を有し、COS細胞において自立増殖が可能であり、さらに、転写プロモーター、転写終結シグナル、およびRNAスプライス部位を備えたものを好適に用いることができる。該発現ベクターは、ジエチルアミノエチル(DEAE)−デキストラン法(Luthman, H. and Magnusson, G. (1983) Nucleic Acids Res, 11, 1295-1308)、リン酸カルシウム−DNA共沈殿法(Graham, F. L. and van der Eb, A. J. (1973) Virology 52, 456-457)、および電気パルス穿孔法(Neumann, E. et al. (1982) EMBO J. 1, 841-845)等によりCOS細胞に取り込ませることができ、かくして所望の形質転換細胞を得ることができる。
また、宿主細胞としてCHO細胞や293細胞を用いる場合には、発現ベクターと共に、抗生物質G418耐性マーカーとして機能するneo遺伝子を発現し得るベクター、例えば、pRSVneo(Sambrook, J. et al. (1989) : “Molecular Cloning A Laboratory Manual“ Cold Spring Harbor Laboratory, NY)やpSV2neo(Southern, P. J. and Berg, P. (1982) J. Mol. Appl. Genet. 1, 327-341)等をコ・トランスフェクトし、G418耐性のコロニーを選択することにより、目的のポリペプチドを安定に産生する形質転換細胞を得ることができる。
昆虫細胞を宿主細胞として用いる場合には、鱗翅類ヤガ科のSpodoptera frugiperdaの卵巣細胞由来株化細胞(Sf-9またはSf-21)やTrichoplusia niの卵細胞由来High Five細胞(Wickham, T. J. et al, (1992) Biotechnol. Prog.i: 391-396)等が宿主細胞としてよく用いられ、バキュロウイルストランスファーベクターとしてはオートグラファ核多角体ウイルス(AcNPV)のポリヘドリン蛋白質のプロモーターを利用したpVL1392/1393がよく用いられる(Kidd,i. M. and V.C. Emery (1993) The use of baculoviruses as expression vectors. Applied Biochemistry and Biotechnology 420, 137-159)。この他にも、バキュロウイルスのP10や同塩基性蛋白質のプロモーターを利用したベクターも使用できる。さらに、AcNPVのエンベロープ表面蛋白質GP67の分泌シグナル配列を目的蛋白質のN末端側に繋げることにより、組換え蛋白質を分泌蛋白質として発現させることも可能である(Zhe-mei Wang, et al. (1998) Biol. Chem., 379, 167-174)。
上記のようにして得られる組換え細胞は、常法にしたがって培養することにより、その細胞膜上に目的の蛋白質を産生する。該培養に用いられる培地としては、採用した宿主細胞に応じて慣用される各種の培地を適宜選択できる。
前記のようにして作製した、グルタミン酸トランスポーターやグルタミン酸レセプター等のグルタミン酸伝達系シグナル分子を安定的に高発現している組換え細胞を被験物質の添加条件又は非添加条件下で培養する。そして、セカンドメッセンジャーである細胞内cAMP濃度やCa2+濃度の変化を測定することにより、該被験物質のグルタミン酸伝達系シグナル分子に対する効果を評価し、骨・軟骨疾患治療薬として有効か否かを判定すればよい。
8.間葉系幹細胞からの骨・軟骨細胞への特異的分化誘導
通常、間葉系幹細胞の培養ではGluは添加しないが、発明者らはBMPとグルタミン酸の添加により間葉系幹細胞が特異的に骨・軟骨細胞に分化誘導しうることを確認した。但し、グルタミン酸が高濃度になると細胞の増殖阻害をもたらすため、その添加量には一定の好適な範囲(C3H10T1/2細胞の場合は1mM未満、好ましくは10μM〜100μM)があると思われる。すなわち、間葉系幹細胞はBMPと一定範囲のグルタミン酸添加条件下で培養することにより、骨・軟骨細胞に特異的に分化誘導することが可能になる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
実施例1:破骨細胞におけるGluトランスポーターの存在
本発明者らはラットあるいはマウスから極めて純度の高い破骨細胞を初代培養する技術を習得しており、この培養破骨細胞を用いて、破骨細胞における機能的Gluトランスポーターの確認を行った。
1.実験方法
(1)マウス骨髄細胞由来初代培養破骨細胞の調製
6週齢のStd-ddY系雄性マウスの大腿骨、脛骨を摘出し筋肉組織などを取り除き、氷上に準備しておいたGPBS中に浸した。クリーンベンチ内で摘出した骨組織を一本ずつ取り出し、滅菌シャーレ上でナイフを用いて付着した肉片を殺ぎ落とした後、ナイフで骨の両端を切断し25G針のシリンジを用いて骨髄を10%FBS- αMEM中に回収した。これを300g, 5分間遠心分離し、沈渣を10% FBS-αMEMに懸濁し10 ng/mL のM-CSFを加え、15cmシャーレに播種し、37℃、5% CO2の条件下で24時間培養した。その後、上清を回収し、これを300g, 5 分間遠心分離し、沈渣に20 mLの αMEMを加え、19G1/2針のシリンジで十分に懸濁した。15 mLずつ分注したFicoll-Paque Plus にそれぞれ懸濁液を層が乱れないように10mLずつ積層して500gで15分間遠心分離を行った。その後、単球画分を含む白色の層を回収し、500g, 5分間遠心分離を行った。その沈渣を10% FBS-αMEM に懸濁し、20 ng/mLの M-CSF及び50 ng/mLのRANKL(receptor activator of NF-κB ligand:製)を加え、1×105 cells/cm2の密度で各プレートに播種した。この時点を培養0日目とし、最大6日間まで細胞を培養した。
(2)TRAP(tartrate resistant phosphatase)染色
培養5日目において、成熟破骨細胞マーカーであるTRAP(tartrate resistant phosphatase)の活性をTRAP染色により評価した。TRAP染色の手順は次のとおりである。
<TRAP染色>
細胞はPBSで2回洗浄した後、10% 中性緩衝ホルマリン液を用いて約10分間、室温で処理した。さらにPBSで1回洗浄し、EtOH:acetone=1:1の液に1分間浸した後、溶液を完全に除去し風乾した。用時調製したTRAP染色溶液 [50 mM Acetate buffer (pH 5.0), 0.22 mM Naphthol AS-MX phosphate, 1.33 mM Fast red violet LB salt, 0.11 M N,N-dimethyl formamide] を添加し、37℃ 20 〜30 分間反応させた。その後、TRAP 染色液を除去し、超純水で1回洗いさらに PBS で1回洗浄した後、PBSに置き換え、顕微鏡下で観察した。
(3)mRNA発現解析
上記培養破骨細胞について、その分化過程における各種破骨細胞マーカー、Gluレセプター及びGluトランスポーターのmRNA発現変化をRT-PCR法により検討した。なお、本明細書中の実施例で用いたPCRプライマーの配列は表2にまとめて示す。
Figure 2005312402
(4)Glu取込み量の変化
マクロファージ系の細胞であるRAW264.7を破骨細胞分化因子であるRANKL(receptor activator of NF-kappa B ligand)存在下で培養すると、破骨細胞に分化することが知られている。そこで、RANKL(10 ng/mL)で活性化したRAW264.7(2×104cells/well)を、各種濃度のGluを添加した10%FBS DMEM培地で4日間培養し、破骨細胞への分化に及ぼす影響をTRAP染色により確認した。
2.実験結果
RANKLの濃度依存的にTRAP活性の上昇が認められ、培養5日目において多核で敷石状の破骨細胞が観察された(図1)。一方、半定量的PCRの結果、破骨細胞の分化過程においてRANKLのmRNA発現は一定であるのに対し、破骨細胞マーカー遺伝子は培養日数依存的に増加を示すことが確認された(図2)。また、破骨細胞では各種Gluレセプターの発現は認められなかいが、GluトランスポーターのEAAT4及びGLT-1が発現していることが確認された(図3)。
RAW264.7細胞では、Gluの濃度依存的にTRAP活性の減少が見られ(図4)、Gluにより破骨細胞分化が抑制されることが確認された。
3.結論
以上より、破骨細胞にはGluトランスポーターEAAT4及びGLT-1が発現し、破骨細胞のGlu取込みを阻害し、細胞間隙中のGlu濃度を上昇させることで、骨芽細胞による骨形成活性化が可能なことが確認された。また、細胞間隙中のGlu濃度の上昇は破骨細胞自身の分化を抑制することも確認された。したがって、破骨細胞におけるGluトランスポーターを介したGlu取込みを調節することにより、骨粗鬆症などの吸収性骨代謝性疾患における予防・治療が可能である。
実施例2:セリンラセマーゼによる骨吸収能調節
1.実験方法
(1)ラット頭蓋骨由来初代培養骨芽細胞の調製
生後1-2日齢のWistar系新生仔ラットを断頭し、頭蓋骨皮膚を剥離したのち、後頭骨部分を除いた頭蓋骨前頭部をGPBS(5.5 mM glucoseを含むPBS)中へ摘出した。摘出後の頭蓋骨から付着した血球や髄膜を除去後、GPBSで洗浄した。頭蓋骨を酵素溶液(0.2 % collagenaseを含むαMEM) 10 mL中で37℃、5分間攪拌させ細胞を分散後、細胞浮遊画分を吸引除去した。この処理をもう一度繰り返した後、新しい酵素溶液10 mLを添加し37℃、10分間攪拌後、細胞浮遊画分を回収した。同様の攪拌操作をさらに3回繰り返し、それぞれの細胞浮遊画分を回収した。回収画分を細胞ろ過用フィルターでろ過し、ろ液を250 g、5分間遠心分離後、得られた沈渣を10 % FBS-αMEMで懸濁したのち、2.5×103 cell/cm2の密度で各プレートに播種した。細胞調製の翌日には、メディウムを50 μg/mL ascorbic acid、5 mM β-glycerophosphate及び各種培養試薬を含む10 % FBS-αMEMに交換した。この時点を培養0日目として、培養メディウムを1日おきに交換しながら、最大28日目まで培養を行った。
(2)serine racemase の発現解析
一定期間培養した初代培養骨芽細胞からtotal RNA、蛋白質を採取し、培養日数変化に伴うserine racemase の発現量変化を、それぞれNorthern blotting法、Western blotting法により検討した。Northern blotting法、及びWestern blotting法の手順は以下のとおりである。
<Northern blotting>
各細胞からISOGEN (WAKO) を用いてtotal RNAを抽出した。調整したTotal RNAを、1 .2 % Formaldehyde変性agarose gel(2.2 M Formaldehyde、1×MOPS)上で電気泳動(50 V、定電圧)を行い、キャピラリーブロティング法によりtotal RNAをナイロンメンブランにブロットした。そのメンブランをpre-hybridization buffer[50% formamide、5×Denhardt’s(2 % BSA、2 % Ficoll 400、2 % PVP)、5×SSC(1×SSC: 150 mM NaCl, 15 mM sodium citrate)、20 mg/mL salmon DNA及び0.5 % SDS]中で42 ℃、1時間前処理した後、放射標識した変性プローブ(プローブは表1のプライマー増幅物を使用)を加え、42 ℃で16時間反応させた。プローブはMultiprime DNA labelling systems(Amersham)及び[α-32P]dCTPを用いて、37 ℃で10分間反応を行うことにより放射標識した。反応後、メンブランを室温で0.1 % SDS を含む2×SSCで10分間、2回洗浄し、ついで42 ℃で0.1 % SDS を含む1×SSCで20分間、0.1 % SDS を含む0.5×SSCで20分間、それぞれ1回ずつ洗浄した。洗浄後のメンブランを、X線フィルムを用いてオートラジオグラフィーを行った。
<Western blotting>
細胞をGPBSで2回洗浄後、10 mM HEPES-NaOH 緩衝液中でホモジナイズし、100,000 gで60分間遠心分離した。得られた上清を可溶性画分として回収し、また得られた沈渣を上記10 mM HEPES-NaOH 緩衝液(pH 7.9)で再懸濁し、膜画分として回収した。ラット全脳についても同様の操作を行い、膜画分、可溶性画分を調製した。膜画分及び可溶性画分にSDS処理用緩衝液{10% glyceral、2%SDS、0.01% bromophenol blue (BPB) 及び5% 2-mercaptoethanol (2-ME) を含む10mM Tris-HCl 緩衝液(PH6.8)}を容量比4:1で添加して100℃、10分間煮沸した。ついで10%ポリアクリルアミドゲル(濃縮用ゲル濃度4.5%)を用いて室温で電気泳動(15 mA/plate)した。SDS電気泳動後のゲルを、あらかじめ100% methanolで活性化したpolyvinylidene difluoride (PVDF) 膜に、95 mAで30分間ブロッティングした。ブロッティング終了後、同膜を5% skim milk {137 mM NaCl及び0.05 % Tween 20を含む20 mM Tris-HCl緩衝液 (TBST) (pH 7.5) に溶解} 中で1時間ブロッキングを行った。このPVDF膜を、1% skim milk (TBSTに溶解) で適度に希釈した1次抗体(Santa Cruz製)と4℃で16時間反応させたのち、TBSTを用いて5分間ずつ3回洗浄した。次に、1% skim milkを含むTBSTで希釈したperoxidase標識二次抗体(Amersham製)と室温で1時間反応させ、反応後TBSTで10分間3回洗浄した。続いて、ECL検出用試薬との反応により、X線フィルムを感光させて抗体陽性蛋白質を検出した。
(3)D-serineの破骨細胞骨吸収能への影響
RAW 264.7細胞(2×104cells/well)を各濃度のD-serineを添加した10%FBS DMEM培地(RANKL未添加)で4日間培養してTRAP染色を行い、骨吸収マーカーであるTRAP活性を指標とした破骨細胞の骨吸収能を検討した。
2.実験結果
骨芽細胞におけるserine racemaseの発現量は、培養4日目から28日目まで培養日数依存的に減少傾向を示し(図5及び図6)、同様にD-serineの取込みも減少した。
RAW 264.7細胞由来破骨細胞では、D-serine添加により濃度依存的にTRAP活性の上昇が認められた(図7)。
3.結論
培養骨芽細胞にはserine racemaseが存在し、serine racemaseにより内在的に合成されたD-serineが、破骨細胞に作用して、その骨吸収能を調節していることが確認された。すなわち、骨芽細胞におけるserine racemaseを介したD-serine合成能調節により、骨粗鬆症や骨軟化症等の骨代謝性疾患における予防・治療が可能である。
実施例3:滑膜細胞におけるGluトランスポーターの存在
1.実験方法
(1)コラーゲン誘導性関節炎(Collagen-induced Arthritis)モデルラットの作製
Lewis系雌性ラットに500μgのType II Collagenを投与し、さらに7日後及び14日後に100μgのType II Collagenを投与して28日間飼育し、コラーゲン誘導性関節炎モデルラット(CIA ラット)を作製した。
(2)ラット由来滑膜細胞の調製
正常Lewis系雌性ラット及び上記CIAラットから各々滑膜細胞を採取し、0.2% Collagenaseを含むDMEM中で37℃ 2時間インキュベートした後、20% FBSを含むDMEM中で培養した。
(3)mRNA発現解析
実施例1に準じて、各種Gluレセプター及びトランスポーターのmRNA発現を、RT-PCR法により解析した。
(4)Glu取込み活性
[3H]Gluを用いて、滑膜細胞内へのGlu取込み活性を2℃及び37℃において測定した。また、各種アミノ酸(L-Glu, D-Glu, L-Asp, D-Asp)やEAATインヒビター(THA, T3MG, CGG-III, PDC, DHK)の添加によるGlu取込み量の変化を測定した。
2.実験結果
ラット由来滑膜細胞(正常及びCIAラット双方)において、GluレセプターmGluR7及びmGluR8、ならびにGluトランスポーター GLAST、GLT-1、及びEAAC1の発現が確認された。
正常及びCIMラットのいずれについても、2℃では滑膜細胞のGlu取込み活性はほとんど認められなかったが、37℃では経時的なGlu取込み活性が認められ、それはCIAラットにおいて顕著であった(図8)。また、L-Glu、L-Asp、D-AspやEAATインヒビターTHA、CGG-III、PDCの添加によるGlu取込み活性の有意な阻害が確認された(図9)以上より、滑膜細胞では温度依存的なGlu取込み活性を示すGluトランスポーターが、機能的に発現していることが確認された。
3.結論
慢性関節リウマチ患者の滑液中には高濃度のGluが存在することが知られている。今回の結果から、滑膜細胞におけるGluトランスポーター(特に、GLAST、GLT-1、EAAC1)あるいはGluレセプター(特に、mGluR7及びmGluR8)の機能を調節することにより、変形性関節症や慢性関節リウマチ等のリウマチ性疾患の予防・治療が可能であることが示唆された。
実施例4:中足骨(Metatarsal)におけるGluシグナル伝達系の存在
1.実験方法
(1)Metatarsalの器官培養
妊娠15.5日目のマウス胎児由来metatarsalを各濃度のGlu添加条件下あるいは非添加条件下で、MEM培地を用いて最大5日間培養した。
(2)Metatarsal全長及び石灰化比率の測定
各日数経過後にMetatarsal の全長と石灰化比率を測定した。また、各種Gluレセプターアゴニスト(DHPG, DCG-4, L-AP4)を添加して同様に培養を行い、石灰化に及ぼす影響も検討した。
(3)成長マーカーの変化
上記Metatarsalにおいて、組織学的に各種成長マーカー:Col I(骨芽細胞マーカー)、Col II(軟骨細胞マーカー)、Col X(肥大化軟骨細胞マーカー)、Osteopoietin(石灰化軟骨マーカー)、TUNEL(細胞死マーカー)の変化を検討した。
(4)mRNA発現解析
MetatarsalからmRNAを抽出し、各Gluレセプターの発現をRT−PCR法より解析した。
2.実験結果
5日間培養したMetatarsalを形態学的に観察したところ、高濃度のGlu添加(500μM、1000μM)により軟骨全長には変化は見られなかったものの、軟骨石灰化部位が有意に減少することが確認された(図10)。この石灰化抑制効果は培養3日目から観察された。またグルタミンレセプターアゴニストの添加により、石灰化の有意な抑制が認められた(図11)。
また、RT-PCRにより、Metatarsalには、特定のGluレセプターサブタイプ mGluR1、mGluR2、mGluR3、mGluR4、mGluR5、mGluR6、mGluR7、及びmGluR8が発現していることが確認された。
3.結論
以上の結果より、Metatarsalでは、Gluは特定のGluレセプターを介して軟骨石灰化を抑制しうることが確認された。したがって、MetatarsalにおけるGluシグナル伝達系を調節することにより、変形性関節症や慢性関節リウマチ等のリウマチ性疾患の予防治療が可能になる。
実施例5:間葉系幹細胞におけるGluトランスポーターの存在
未分化状態のマウス由来間葉系幹細胞株C3H10T1/2を用いて、Glu及びGABAの各レセプター及び各トランスポーターのmRNA発現をRT-PCR法により解析した。
1.実験方法
(1)C3H10T1/2の培養
C3H10T1/2細胞株(ATCC)を10% FBSを含むBME培地に1x103 cells/cm2で播種して1日間培養し、さらにヒト組換えBMP-2(rhBMP-2:WAKO製)100ng/mLを加え、1mM Glu又は1mM GABAを添加して、さらに28日間培養を行った。コントロールとしてGluもGABAも添加しない条件下で同様に細胞を培養した。培養後の細胞について、ALP染色、Oil Red染色を行った。さらにGluの添加量を変化させ、培養3日、7日、14日後の生細胞数を計測した。
(2)発現解析
上記C3H10T1/2細胞とラット頭蓋骨由来初代培養骨芽細胞における、特異的遺伝子、各種Gluレセプター及びGluトランスポーターサブユニットの発現をRT-PCR法を用いて検討した。プライマーとしては、表2記載のものに加えて、以下のものを使用した。
GluR1:
Forward primer: GAGCAGATGTGGCGGTGGCC(配列番号57)
Reverse primer: CACAGACGGTTCTGCAGACTT(配列番号58)
GluR2:
Forward primer: AAGCCATTCATGAGCCT(配列番号59)
Reverse primer: AGGCATACTTCCCTTTGGATTT(配列番号60)
GluR3:
Forward primer: CAGCAGATTTAGCCCTTATG(配列番号61)
Reverse primer: AATACTGCAACGTTTACAGGCG(配列番号62)
2.実験結果
Oil Red染色及びNBT/BCIP染色の結果、BMP+Gluの添加によりC3H10T1/2細胞株は骨芽細胞に特異的に誘導されることが確認された(図12)。
Gluの添加量が10μM及び100μMにおいては、Cell Viabilityに及ぼす影響は認められなかったが、1mMの高濃度ではCell Viabilityが有意に低下した(図13)。
C3H10T1/2細胞株では、イオノトロピック型グルタミン酸レセプターのNMDA及びnon-NMDAサブタイプととともに、GLAST、GLT-1及びEAAT4の3種のグルタミン酸トランスポーターサブタイプの発現が明らかとなった。GABAシグナル関連分子では、メタボトロピック型GABAB及びイオノトロピック型GABACレセプターの発現がともに認められた。一方、C3H10T1/2細胞ではメタボトロピックなグルタミン酸レセプターの発現は見られなかった。
3.結論
通常、間葉系幹細胞の培養系ではGluは添加しないが、今回の結果から、BMP+Gluの添加により間葉系幹細胞を特異的に骨芽細胞に分化誘導しうることが明らかになった。但し、Gluが高濃度になると細胞の増殖阻害をもたらすため、Glu添加量には一定の好適な範囲(C3H10T1/2細胞の場合は1mM未満、好ましくは10μM〜100μM)があると思われる。
以上より、間葉系幹細胞において、神経性アミノ酸であるGlu及びGABAのシグナリング分子が存在することが確認された。すなわち、Glu及びGABA等の神経性アミノ酸シグナル機構を介して、間葉系幹細胞から骨・軟骨細胞への分化を調節することにより、骨・軟骨疾患の予防・治療が可能である。
本発明は、骨・軟骨系のグルタミン伝達系を標的とした新たな骨・軟骨疾患治療薬の探索及び開発に利用できる。
図1は、RANKL存在下で培養したマウス骨髄細胞由来初代培養破骨細胞のTRAP染色の結果を示す写真である。図中、の数字は培地に添加したM-CSFとRANKLの量を示す。 図2は、マウス骨髄細胞由来初代培養破骨細胞の分化過程における破骨細胞マーカーの発現解析結果を示すグラフである。グラフの横軸は培養日数を、縦軸は培養開始時に対する発現量比(% of DIV)を示す。 図3は、マウス骨髄細胞由来初代培養破骨細胞の分化過程におけるGluトランスポーター(A:GLT-1、B:EAAT4)の発現解析結果を示すグラフである。グラフの横軸は培養日数を、縦軸は培養開始時に対する発現量比(% of DIV)を示す。 図4は、RAW264.7の破骨細胞への分化に及ぼすGluの影響(TRAP活性)を示すグラフ(A:Glu(500μM)存在下でのTRAP活性をGlu非存在下と比較したグラフ、B:Glu添加量によるTRAP活性の変化をみたグラフ)である。 図5は、ラット頭蓋骨由来初代培養骨芽細胞におけるSerine Racemaseの発現をNorthern blotthingにより確認した結果を示すグラフである。 図5は、ラット頭蓋骨由来初代培養骨芽細胞におけるSerine Racemaseの発現をWestern blotthingにより確認した結果を示す写真である。 図7は、RAW267.4由来破骨細胞のD-serine添加によるTRAP活性の変化をみた結果を示すグラフである。 図8は、正常ラット及びCIAラット由来滑膜細胞におけるGluの取込み活性を示すグラフである。図中実線は37℃で培養したCIAラット由来滑膜細胞、破線は37℃で培養した正常ラット滑膜細胞、点線(上)は2℃で培養したCIAラット由来滑膜細胞、点線(下)は2℃で培養した正常ラット滑膜細胞の結果を示す。 図9は、各種アミノ酸(L-Glu, D-Glu, L-Asp, D-Asp)及びEAATインヒビター(THA, CGG-III, PDC, T3MG, DHK)の添加による、滑膜細胞におけるGlu取込み量の変化を示すグラフである。 図10は、各種濃度のGlu存在下でのMetatarsal器官培養(培養5日後)における、Metatarsal全長及び石灰化比率の測定結果を示すグラフである。 図11は、各種Gluレセプターアゴニスト存在下でのMetatarsal器官培養(培養5日後)における、Metatarsal全長及び石灰化比率の測定結果を示すグラフである。 図12は、C3H10T1/2細胞のOil red染色及びNBT/BCIP染色の結果を示す写真である。 図13は、各種濃度のGlu存在下でC3H10T1/2細胞を培養したときの、Cell Viabilityを示すグラフである。
配列番号1〜62−人工配列の説明:合成DNA(プライマー)

Claims (11)

  1. 骨・軟骨系のグルタミン酸伝達系に対する被験物質の作用を指標として、該被験物質の骨・軟骨疾患治療薬としての効果を評価する方法。
  2. グルタミン酸トランスポーター、グルタミン酸レセプター、セリントランスポーターから選ばれる少なくとも1つ以上のグルタミン酸伝達系シグナル分子、あるいはセリンラセマーゼの発現量又は活性に対する作用に基づいて、該被験物質の骨・軟骨疾患治療薬としての効果を評価することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. グルタミン酸レセプターがNR2D、KA1、KA2及びmGluR1〜8から、グルタミン酸トランスポーターがGLAST及びGLT-1から、セリントランスポーターがATA1、ATA2、ATA3、ASCT1及びLAT2から、それぞれ選ばれる少なくとも1つ以上である、請求項2記載の方法。
  4. 以下の工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法:
    1)破骨細胞を培養し、標識したグルタミン酸を添加する;
    2)被験物質の添加及び非添加条件下における、上記細胞内へのグルタミン酸取込み活性を測定する;
    3)被験物質の添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性が、非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性と比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
  5. 骨・軟骨疾患が、骨粗鬆症を含む骨吸収性骨代謝疾患である、請求項4記載の方法。
  6. 以下の工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法:
    1)滑膜細胞を培養し、標識したグルタミン酸を添加する;
    2)被験物質の添加及び非添加条件下における、上記細胞内へのグルタミン酸取込み活性を測定する;
    3)被験物質の添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性が、非添加条件下におけるグルタミン酸取込み活性と比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
  7. 骨・軟骨疾患が、慢性関節リウマチ及び変形性関節症を含むリウマチ性疾患である、請求項6記載の方法。
  8. 以下の工程を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法:
    1)被験物質の添加及び非添加条件下で骨芽細胞を培養する;
    2)上記細胞内におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNAの発現量を測定する;
    3)被験物質の添加条件下におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNAの発現量が、非添加条件下におけるセリンラセマーゼ又はそのmRNA発現量に比較して有意に変化する場合、該被験物質を骨・軟骨疾患治療薬として有効と判定する。
  9. 骨・軟骨疾患が、骨粗鬆症を含む骨吸収性骨代謝疾患である、請求項8記載の方法。
  10. 中足骨培養系におけるグルタミン酸レセプターmGluR1〜8に対するアゴニスト作用に基づいて、被験物質の骨・軟骨疾患治療薬としての効果を評価することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  11. 骨・軟骨疾患が、慢性関節リウマチ及び変形性関節症を含むリウマチ性疾患である、請求項10記載の方法。
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