JP2005302546A - 自己復帰型保護素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、薄型、小型であって、異常発熱時から一定の間は電流遮断を継続させる自己保持タイプの自己復帰型保護素子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、基板2と、基板2の上に設けられた温度維持部品3と、温度維持部品3の上に設けられ、温度維持部品3と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子4と、一対のリード端子4の一方に固定接続され、他方のリード端子4とは離合可能である可動電極6と、一対のリード端子4の少なくとも一部と、可動電極6と、温度維持部品3を覆うカバー10を有し、温度維持部品3が一対のリード端子4と接続される面において電極が分割されている構成とする。
【選択図】図2
【解決手段】本発明は、基板2と、基板2の上に設けられた温度維持部品3と、温度維持部品3の上に設けられ、温度維持部品3と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子4と、一対のリード端子4の一方に固定接続され、他方のリード端子4とは離合可能である可動電極6と、一対のリード端子4の少なくとも一部と、可動電極6と、温度維持部品3を覆うカバー10を有し、温度維持部品3が一対のリード端子4と接続される面において電極が分割されている構成とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、電源回路、電池、その他の電子機器などにおいて用いられ、過電流や異常発熱などからこれら電子機器などの破損を防止するために好適に用いられる、特に電池や電源回路に装着が容易な薄型の自己復帰型保護素子に関するものである。
携帯電話などに用いられる電池や電源回路などの異常発熱による電子危機の損傷発生を未然防止するために、電池などに温度ヒューズが装着されることがあった。
しかしながら温度ヒューズは異常発熱により溶断してしまい、部品取替えを行わなければならないため、異常発熱時には導電を遮断し、その後復帰する自己復帰型保護素子が用いられるようになってきている。
自己復帰型保護素子としては、温度膨張係数の異なる金属を多層にしたバイメタルと呼ばれる可動電極が用いられものがある。通常時には可動電極が端子同士を接続して電流が導通し、異常発熱時には温度膨張係数の異なる金属の多層構造により可動電極が反り返って、端子の一方の接点から離隔して導通を遮断して機器が保護される(たとえば特許文献1参照)。
図22は従来の自己復帰型保護素子の側面図であり、100は自己復帰型保護素子、101は信号線、102、103は可動電極、104は接続部、105は接点電極、106はケースである。
ケース106に格納された可動電極103は通常は接点電極105と接しており、信号線101において電流が導通している。過剰電流が流れたりして異常発熱が発生すると、可動電極102と103においては、103が熱膨張係数が高いためその体積が増加し、全体として、上方に可動電極102が反り返る状態が発生する。このため接点電極105との接触がはずれ、電流の導通が遮断され、回路の保護が実現される。温度が下がって可動電極103の膨張が消失すると、再び接点電極105と接触し、電流導通が再開される。
しかしながら、このような自己復帰型保護素子100では可動電極102、103がわずかな時間に膨張が終了してしまい、即座に復帰してしまう。しかしながら復帰したときにはいまだ異常電流が生じている場合も多く、回路や電子機器の保護が不十分となることもある。
このため、可動電極が非接触となる状態を一定時間維持させる自己保持タイプの自己復帰型保護素子が提案されている(たとえば特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)
このような自己保持タイプの自己復帰型回路保護素子は、バイメタルなどで形成される可動電極が、異常発熱により接点電極と非接触となった後でも、バイメタルの温度が一定時間維持されて、即座に膨張収縮が起こらないため非接触状態が維持される。このため、電流導通復帰までに一定の時間を要し、異常電流の発生状態が終了してから電流導通が復帰することが可能で、回路や機器の保護でメリットがある。
特開平6−119859号公報
特開平8−222103号公報
特開平7−45170号公報
特開平6−29560号公報
このような自己保持タイプの自己復帰型回路保護素子は、バイメタルなどで形成される可動電極が、異常発熱により接点電極と非接触となった後でも、バイメタルの温度が一定時間維持されて、即座に膨張収縮が起こらないため非接触状態が維持される。このため、電流導通復帰までに一定の時間を要し、異常電流の発生状態が終了してから電流導通が復帰することが可能で、回路や機器の保護でメリットがある。
しかしながら、(特許文献2)に記載の自己保持型サーモスイッチでは、電子機器における異常発熱により導通がオフされるが、再度導通するには、電子機器のスイッチが切られて導電が解除されたときに初めてサーモスイッチが再度オンとなる。このため、自己復帰型保護素子と言いながら、ユーザーがそのつど電気スイッチの解除などを行う必要があり、煩に耐えず、特に携帯機器やゲーム機などの携帯型の民生機器では不適切である。特にスイッチ解除を必要とすると、そのつどそれまでの実行処理のやり直しや、命令記憶のリセットが起こるため、近年の携帯機器などには使用できない問題があった。
また、(特許文献3)に記載の自己保持型過電流保護装置は、バイメタルに直接温度維持部品であるPTC(Positive Temperature Coefficient thermister)サーミスタが接続されているため、通常状態においての電気抵抗が高くなりすぎる問題があった。
さらに、可動電極たるバイメタルに直接温度維持部品が接続されているため、温度維持部品が保持する温度の影響が直接的過ぎて、バイメタルに悪影響を与え、過剰な場合にはバイメタルの耐久性を劣化させる問題もあった。また、自己復帰も遅れ気味となり、十分に異常電流が解消されていながらいつまでも電流導通復帰が行われず、電子機器のユーザーフレンドリーが不十分となる問題もあった。
さらに、温度維持部品を上面に配置してバイメタルと接続させるため、可動電極たるバイメタルの可動領域を少なくとも温度維持部品の大きさよりも大きくとる必要があるため、ケース内部が大型化する問題があった。このため電源回路やパック電池などの薄型や小型が求められる機器への実装には不適合である問題があった。
次に、(特許文献4)に記載のサーモスイッチは、ばね部材とバイメタルを複合させることで、スイッチとしているため、その可動領域の確保などのために非常に大型化する問題があった。さらに、温度維持部品とバイメタルが、縦型に組まれた部材により設置、接続されるために、さらに大型となってしまい、これを覆うケースまでを含めると、その耐久性も考慮して、非常に大型の素子となってしまい、同様に電源回路やパック電池など、近年究極的に小型化、薄型化が求められる機器に装着するのには非常に不適切である問題があった。
また、温度維持部品とバイメタルとが縦型部材により接続されるため、空中放射を除けば温度維持部品からの熱伝導が悪く、十分な自己保持が得られない問題があった。
更に、温度維持部品などの温度維持部品を端子に通常の形態で接続した場合には、可動電極が離れた場合であっても、すぐにその温度が下がってしまい、一定時間温度を維持することで、電流の遮断状態を、電子機器が十分に安全状態に戻るまで維持する本来の目的を十分に達成できない問題もあった。
本発明は、携帯機器や電子機器など小型化が求められる電子機器、とりわけパック電池や電源回路など薄型、小型で装着されることが望まれる自己保持タイプの自己復帰型保護素子であり、かつ、異常電流が流れている期間を十分に確保して自己保持が行われ、その後、的確に復帰する自己復帰型保護素子を提供することを目的とする。
本発明は、基板と、基板の上に設けられた温度維持部品と、温度維持部品の上に設けら
れ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子とは離合可能である可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極と、温度維持部品を覆うカバーを有し、温度維持部品が一対のリード端子と接続される面において電極が分割されている構成とする。
れ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子とは離合可能である可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極と、温度維持部品を覆うカバーを有し、温度維持部品が一対のリード端子と接続される面において電極が分割されている構成とする。
本発明は、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができる。
さらに、温度維持部品を用いることで、異常発熱により非接触となった可動電極の非接触状態を一定時間維持して、未だ、過電流が流れている可能性のある状態で、電流の再導通を行わせないようにすることができ、回路や機器の保護がさらに促進される。このとき、温度維持部品としてPTCを用いることで、コスト低減が図られるものである。すなわち、温度コントロール機器を別途設ける必要がなく、省スペース化、部品削減化、コスト削減が図られるものである。
また、温度維持部品の上部の電極を分割し、下部を分割しない電極に構成することにより、従来使用されていた上部と下部の電極が分割されていない対向電極から構成された温度維持部品と比較して、温度維持部品に印加する耐電圧を低下させることなく、単位面積での発熱量を上げることができ、電流遮断状態となる可動電極が離れている状態を十分に長い時間維持することができる。
更に、単位面積あたりの発熱量を上げることができるので、温度維持部品の厚みを薄くすることができ、自己復帰型保護素子の薄型化をさらに促進することができるものである。
例えば、その厚みを約半分にすることができる。
また、温度維持部品の上部の分割した電極の面積比を変えることにより、温度維持部品に印加する耐電圧を低下させることなく可動電極に与える熱量をコントロールすることができる。特に、可動電極が固定接続される側となるリード端子が接続される側の電極の面積を広くすることで電流遮断時であって可動電極が離れている場合であっても、電流が到達する側となる、固定接続側の温度維持部品の電極への発熱が、その面積に従って大きくなるため、より効率的に温度維持時間を確保して、十分に通常状態に戻るまで電流遮断状態を継続させて、電子機器の安全を図る事ができる。
また、基板と、基板の上に配置された温度維持部品と、これの上に配置されたリード端子と、リード端子をまたがるように配置された可動電極とこれらを覆うカバーとの構成により、非常に小型かつ薄型の自己復帰型保護素子を実現することができる。
また、温度維持部品と可動電極が直接的に接続されていないため、ダイレクトな熱伝導が起こらず、可動電極の耐久性に悪影響を与えない効果がある。
また、温度維持部品と可動電極が直接的に接続されていないため、温度維持部品の大きさを含めて可動電極の可動領域を確保する必要がないために、内部体積を削減して、更なる薄型化が可能となる。
また、温度維持部品に面取りを設けたり、多角形などにすることで、温度維持部品の強
度を向上させることができ、外部に頑丈なケースを設けなくとも温度維持部品の耐久性を確保できるようになり、コスト低下と薄型化、小型化がさらに促進される効果がある。また、温度維持部品と基板との間にゲル状樹脂などの緩衝材を設けることでも同様に薄型化を維持したまま耐久性を確保することができる。
度を向上させることができ、外部に頑丈なケースを設けなくとも温度維持部品の耐久性を確保できるようになり、コスト低下と薄型化、小型化がさらに促進される効果がある。また、温度維持部品と基板との間にゲル状樹脂などの緩衝材を設けることでも同様に薄型化を維持したまま耐久性を確保することができる。
また、温度維持部品がリード端子や可動電極よりも底面に配置されるため、基板とともに、底面形状の頑丈性の確保が可能となる支持部材として兼用も可能となり、薄型でありながら素子強度が確保される。特に、温度維持部品を、基板と同等程度の面積とすることで、底面の形状確保と頑丈性の確保がさらに促進される効果がある。
以上の効果により、電子機器の小型化、高寿命化を実現することが可能となる。
本発明の請求項1に記載の発明は、基体と、基体表面に設けられた電極を有し、一定の温度以上で急激に電気抵抗が高くなる温度維持部品であって、電極が基体の主面の内少なくとも一方の主面において二分割されていることを特徴とする温度維持部品であって、電圧に対して発熱効率の高い温度維持部品を実現することができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、基体表面上で分割された電極が、面積非対称に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の温度維持部品であって、発熱効率をより高いものにし、更に温度維持期間を長くすることを可能とする。
本発明の請求項3に記載の発明は、非対称面積となる電極において、広い面積を有する電極に可動電極の固定接続部側のリード端子が配置され、狭い面積を有する電極に可動電極の離合部分が配置されることを特徴とする温度維持部品であって、発熱効率をより高いものにし、更に温度維持期間を長くすることを可能とする。
本発明の請求項4に記載の発明は、基板と、基板の上に設けられた温度維持部品と、温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子とは離合可能である可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極と、温度維持部品を覆うカバーを有し、温度維持部品が一対のリード端子と接続される面において電極が分割されていることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、異常電流が充分に排除されるまで充分な時間、電流遮断状態を維持することができ、更に、温度維持部品の電極が分割されていることで発熱効率と温度維持期間の効率を向上させることができるため、より充分な時間の電流遮断状態を実現することができ、発熱効率が高くなることから温度維持部品の厚みを薄くすることができて、自己復帰型保護素子の薄型化が更に促進されることができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、基板と、対向面が相互に離隔した一対のリード端子と、基板と一対のリード端子の間に設けられ、一対のリード端子のそれぞれと接続される温度維持部品と、一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーとを有し、温度維持部品が一対のリード端子と接続される面において電極が分割されていることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、異常電流が充分に排除されるまで充分な時間、電流遮断状態を維持することができ、更に、温度維持部品の電極が分割されていることで発熱効率と温度維持期間の効率を向上させることができるため、より充分な時間の電流遮断状態を実現することができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、基板と、基板の上に設けられた温度維持部品と、温
度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、一対のリード端子と基板との間であって温度維持部品の周囲に設けられた第一補強材、もしくは一対のリード端子に設けられた第二補強材の少なくとも一方と、一対のリード端子の少なくとも一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーとを有し、温度維持部品が一対のリード端子と接続される面において電極が分割されていることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、異常電流が充分に排除されるまで充分な時間、電流遮断状態を維持することができ、更に、温度維持部品の電極が分割されていることで発熱効率と温度維持期間の効率を向上させることができるため、より充分な時間の電流遮断状態を実現することができ、更に、薄型を実現しながらも、充分な強度と、可動電極の可動領域の充分な確保を実現することができる。
度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、一対のリード端子と基板との間であって温度維持部品の周囲に設けられた第一補強材、もしくは一対のリード端子に設けられた第二補強材の少なくとも一方と、一対のリード端子の少なくとも一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーとを有し、温度維持部品が一対のリード端子と接続される面において電極が分割されていることを特徴とする自己復帰型保護素子であって、異常電流が充分に排除されるまで充分な時間、電流遮断状態を維持することができ、更に、温度維持部品の電極が分割されていることで発熱効率と温度維持期間の効率を向上させることができるため、より充分な時間の電流遮断状態を実現することができ、更に、薄型を実現しながらも、充分な強度と、可動電極の可動領域の充分な確保を実現することができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、分割されている電極が、面積非対称に分割されていることを特徴とする請求項3〜6いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、発熱効率と温度維持効率を更に高めることができる。
本発明の請求項8に記載の発明は、温度維持部品が基体と基体表面に設けられた電極からなり、一対のリード端子が接続される電極が分割されており、これと対向する底面の電極は分割されていないことを特徴とする請求項3〜7いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、発熱効率と温度維持効率を高めることができる。
本発明の請求項9に記載の発明は、温度維持部品は、その電極が一対のリード端子と電気的接続するように電着されたことを特徴とする請求項3〜8いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品へのリード端子からの電流導通を可能とする。
本発明の請求項10に記載の発明は、温度維持部品は、その電極が一対のリード端子と電気的接続するように圧接されたことを特徴とする請求項3〜8いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、半田溶着などを不要として、温度維持部品の製造時などの欠損を防止することができる。
本発明の請求項11に記載の発明は、面積非対称に分割された温度維持部品の電極において、広い面積を有する電極側に、可動電極が固定接続される一対のリード端子の一方が接続され、狭い面積を有する電極側に、可動電極が離合可能であるリード端子の他方が接続されることを特徴とする請求項3〜10いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、電流の到達する側となる電極の相対面積が広がるために、発熱効率が更に高くなり、温度維持効率も上がり、電流遮断状態が充分に維持されるメリットがある。
本発明の請求項12に記載の発明は、温度維持部品において、セラミックの基体と、その表面に単層又は多層で設けられためっき面による電極から形成され、基体の主面の一方における一部において帯状に非めっき部分が形成されることで、面積非対称に分割された電極が形成されることを特徴とする請求項3〜11いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、発熱効率、温度維持効率の高い温度維持部品を容易に形成することができる。
本発明の請求項13に記載の発明は、電極が分割されている温度維持部品の代わりに、表面の電極が分割されていない二つの温度維持部品を、導電性部材上に電気的接続するように配置した温度維持部品を、一対のリード端子と基板との間に配置して用いたことを特徴とする請求項3〜12いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、発熱効率、温度維持効率の高い温度維持部品を容易に形成することができる。
本発明の請求項14に記載の発明は、可動電極における離合部分、もしくはこれと接するリード端子の面、もしくはこれらの両方に接点電極が設けられたことを特徴とする請求項1〜13いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、可動電極の接続時の接続電気抵抗を充分に下げ、更に、離合部分の損傷や磨耗を防止して、長寿命化を可能とする。
本発明の請求項15に記載の発明は、接点電極が、凸状体であることを特徴とする請求項14に記載の自己復帰型保護素子であって、離合部分の損傷や磨耗を防止して、長寿命化を可能とする。
本発明の請求項16に記載の発明は、接点電極においては可動電極の他の部分よりもめっきを多層とするか、もしくはめっき層の厚みを厚くしたこと、もしくはその両方であることを特徴とする請求項14に記載の自己復帰型保護素子であって、可動電極の接続時の接続電気抵抗を充分に下げ、更に、離合部分の損傷や磨耗を防止して、長寿命化を可能とする。
本発明の請求項17に記載の発明は、可動電極が、任意の温度以下ではリード端子と接し、任意の温度以上ではリード端子と離れることを特徴とする請求項3〜16いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、異常電流、異常温度時の電流遮断と、解除による復帰とを可能とする。
本発明の請求項18に記載の発明は、可動電極が複数の金属層からなるバイメタルであることを特徴とする請求項3〜17いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、容易に可動電極を実現することができる。
本発明の請求項19に記載の発明は、バイメタルが、リード端子に対向する内層側の金属層が温度膨張係数の高い金属から形成され、外層側の金属層が温度膨張係数の低い金属から形成されることを特徴とする請求項18に記載の自己復帰型保護素子であって、容易に性能の高い可動電極を実現することができる。
本発明の請求項20に記載の発明は、温度維持部品の電気抵抗が、可動電極の電気抵抗よりも高いことを特徴とする請求項3〜19いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、発熱効率をより高めることが可能となる。
本発明の請求項21に記載の発明は、可動電極の離合可能な部位がリード端子に接続している場合には、可動電極に電流の大半が流れ、可動電極の離合可能な部位がリード端子と離れている場合には温度維持部品に電流が流れることを特徴とする請求項3〜20いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、電流導通時である通常時の電気抵抗を充分に低い状態にしておくことができる。
本発明の請求項22に記載の発明は、温度維持部品の角部に面取りが施されていることを特徴とする請求項1〜21いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品の損傷や欠けなどを防止することができる。
本発明の請求項23に記載の発明は、温度維持部品の面積が、リード端子幅と、可動電極のリード端子との接続部分と離合位置を結ぶ長さとから定まる面積以上であることを特徴とする請求項3〜22いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品を基板と同様に自己復帰型保護素子の形状の確保や強度確保を行う支持部材として兼用できるものである。
本発明の請求項24に記載の発明は、温度維持部品の面積が、基板と同等の面積を有す
ることを特徴とする請求項3〜20いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品を基板と同様に自己復帰型保護素子の形状の確保や強度確保を行う支持部材として兼用できるものである。
ることを特徴とする請求項3〜20いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品を基板と同様に自己復帰型保護素子の形状の確保や強度確保を行う支持部材として兼用できるものである。
本発明の請求項25に記載の発明は、基板と、温度維持部品との間に衝撃緩衝材が設けられたことを特徴とする請求項3〜24いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品を保護することが可能となる。
本発明の請求項26に記載の発明は、衝撃緩衝材がゲル状樹脂であることを特徴とする請求項25に記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品の保護を容易に行うことができる。
本発明の請求項27に記載の発明は、温度維持部品が多角形もしくは楕円形もしくは円形のいずれかであることを特徴とする請求項1〜26いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、バリエーションを確保しつつ、強度を確保した温度維持部品を実現できる。
本発明の請求項28に記載の発明は、温度維持部品がPositive Temperature Coefficient thermister(以下「PTC」という)であることを特徴とする請求項1〜27いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、温度維持部品を容易に実現することができる。
本発明の請求項29に記載の発明は、基板、第一補強材、第二補強材、カバーのうち少なくとも一つが、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されていることを特徴とする請求項3〜28いずれか1に記載の自己復帰型保護素子であって、フィルム素材により、非常に薄型の自己復帰型保護素子を実現できる。
本発明の請求項30に記載の発明は、基板を設置するステップと、基板の上に温度維持部品を接着するステップと、温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、リード端子の一方に可動電極の一部を接合するステップと、リード端子の一部と可動電極と温度維持部品を覆うカバーが形成されるステップとを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法であって、薄型で強度が確保され、一定期間の電流遮断状態を実現できる自己復帰型保護素子を容易に製造することができる。
本発明の請求項31に記載の発明は、基板を設置するステップと、基板の上に温度維持部品を接着するステップと、温度維持部品の周囲に第一補強材を接着するステップと、
温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、
第一補強材とリード端子の上に設けられる第二補強材とを相互溶着するステップと、リード端子の一方に可動電極を接合するステップと、第二補強材と溶着され、可動電極と温度維持部品とリード端子の一部を覆うカバーが形成されるステップを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法であって、薄型でかつ充分に強度が確保され、一定期間の電流遮断状態を実現できる自己復帰型保護素子を容易に製造することができる。
温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、
第一補強材とリード端子の上に設けられる第二補強材とを相互溶着するステップと、リード端子の一方に可動電極を接合するステップと、第二補強材と溶着され、可動電極と温度維持部品とリード端子の一部を覆うカバーが形成されるステップを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法であって、薄型でかつ充分に強度が確保され、一定期間の電流遮断状態を実現できる自己復帰型保護素子を容易に製造することができる。
本発明の請求項32に記載の発明は、電池と、電池を収納する本体と、本体から導出され電池と電気的に接合された配線と、配線間に設けられしかも本体に接触するよう設けられた自己復帰型保護素子とを備え、自己復帰型保護素子として請求項3〜29いずれか1記載の自己復帰型保護素子を用いたことを特徴とするパック電池であって、異常電流、異常発熱時に電流供給を遮断して電子機器の保護を実現することができる。
本発明の請求項33に記載の発明は、電源部と、電源を制御する制御部と、電源部から出力された出力線路と、出力線路上に実装された請求項3〜26いずれか1記載の自己復帰型保護素子を有することを特徴とする電源回路であって、異常電流、異常発熱時に電流供給を遮断して電子機器の保護を実現することができる。
本発明の請求項34に記載の発明は、請求項33の電源回路と、データ処理部と、制御部と、マンマシンインターフェースと、これらを格納する筐体を有することを特徴とする電子機器であって、異常電流、異常発熱時に電流供給が遮断されることで保護される電子機器が実現される。
本発明の請求項35に記載の発明は、基板とカバーとを接着フィルムで溶着したことを特徴とする請求項3〜28いずれか1記載の自己復帰型保護素子であって、フィルム素材で形成していながら、充分な強度と密封性を確保し、更に可動電極の可動領域を確保して、高耐久性、長寿命性の自己復帰型保護素子を実現できる。
なお、本明細書での自己復帰型保護素子は、バイメタルスイッチや、温度スイッチ、温度センサなどとして用いられるものである。
また、本明細書での可動電極は温度膨張係数の異なる複数の金属層からなるバイメタルが用いられることが多いが、これ以外であってもよく、バイメタルは2層構造、3層構造、これ以上の層構造を有するものであってもよい。本明細書では可動電極として説明されているが、これの具体例としてバイメタル片が用いられることが多い。
また、可動電極の可動とは、可動電極の一端が固定接続されている場合に、他端が基本的の上下に動いて、その先端部がリード端子表面、あるいはリード端子に設けられた接点電極と接触したり、非接触となったりする離合を行う動作を主にいう。また、もちろん横方向に動作して接触、非接触となる離合を行うものであってもよい。
また、温度維持部品とは、一定の時間その温度を維持する部品をいい、特に高温となった場合に、その高温状態を一定時間維持する役割を有するものを言う。特に、低温時には抵抗値が低く、高温時には抵抗が高くなって、その高温状態を維持するPTCが用いられることが多く、本明細書では温度維持部品としての一例としてPTCが説明される。
以下、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1、図4は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図、図2、図3、図7、図8、図9、図10は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図、図5(a)は従来の技術における温度維持部品の斜視図であり、図5(b)、図5(c)と図5(d)は本発明の実施の形態1における温度維持部品の斜視図であり、図5(e)、図5(f)は本発明の実施の形態1における温度維持部品の電圧−発熱温度特性図であり、図6は本発明の実施の形態1における可動電極の側断面図である。
図1、図4は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の斜視図、図2、図3、図7、図8、図9、図10は本発明の実施の形態1における自己復帰型保護素子の側面図、図5(a)は従来の技術における温度維持部品の斜視図であり、図5(b)、図5(c)と図5(d)は本発明の実施の形態1における温度維持部品の斜視図であり、図5(e)、図5(f)は本発明の実施の形態1における温度維持部品の電圧−発熱温度特性図であり、図6は本発明の実施の形態1における可動電極の側断面図である。
1は自己復帰型保護素子、2は基板、3は温度維持部品、4はリード端子、5は接続面、6は可動電極、7は固定接続部、8は接点電極、9は第二補強材、10はカバー、11は第一補強材、12a、12b、12c、12eは基体、13a、13b、13c、13d、13e、13f、13g、13i、13jは電極、13は電極、14は外層、15は内層、16は中間層、I1は電流である。
最初に、各部の詳細について説明する。
まず、基板2について説明する。基板2は図1〜図4などに示されている。
基板2は、自己復帰型保護素子1の底面に位置して配置され、素子全体の形態の確保と強度の確保が実現される。基板2としてアルミナなどのセラミック板が使用されることもあるが、十分な強度を有するものであれば、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されてもよいものである。これらの素材で形成される場合には、非常に薄型として実現され、また軽くなるというメリットもある。
また、基体2は方形板状のみでなく、円形状、楕円形状、三角形状、五角形以上の多角形状の板状体を用いても良い。
次に温度維持部品3について説明する。
温度維持部品3は、他のリード端子4や可動電極6などのような金属に比較して、通常時にはその抵抗がやや高く、通常状態においては大半の電流がリード端子4から可動電極6を通じてもう一方のリード端子4に流れる。この状態においては、温度維持部品3にはほとんど電流が流れず、発熱もほとんど起こらない。
これに対して、可動電極6が発熱により反り返り、接点電極8がリード端子4と離れると、電流はリード端子4から温度維持部品3に流れるようになり、温度維持部品は発熱する。ここで温度維持部品3は、抵抗が急激に高くなって電流が流れなくなるキュリー点が100℃前後にあるため、それ以上には温度があがらず、温度が維持される。さらに、この温度では温度維持部品3はキュリー点の作用により電流が流れず、リード端子4同士の間での電流の導通が起こらず、電流が遮断されたままである。この維持された温度が可動電極6にも伝導されるため、可動電極6もしばらくは反り返って接点電極8がリード端子4と離れた状態が維持されて通常の電流が遮断された状態が継続される。
温度が下がってくると、可動電極6が再びリード端子4と接触して通常状態に戻るものである。温度維持部品3は以上のような役割を果たすものである。
温度維持部品3は基板2の上に配置されており、接着剤などで接着されて基板2に固定されている。なお、接着に当たっては、溶着などでもよく、基板2との間に衝撃緩衝材(図示せず)が設けられることも好適である。衝撃緩衝材は、たとえばゲル状の樹脂などがあり、このような衝撃緩衝材が設けられることで、温度維持部品3の上に一対のリード端子4が接続される際の衝撃により、温度維持部品3が破損したり、クラックが生じたりするのを防止することが可能となる。もちろん、温度維持部品3による基板2への損傷も防止することが可能となる。
なお、基板2の上に温度維持部品3を接着する材料としては、プラスチック樹脂、ガラス及びプラスチック樹脂またはガラスを含有する金属皮膜などが使用できる。金属被膜を接着剤として用いる場合には、基体2上に印刷などによって、金属被膜を形成し、この金属被膜上に温度維持部品3を載置し、超音波溶接等を用いて基板2と温度維持部品3とを接合する。基板2の材料が熱可塑性プラスチックである場合には、温度維持部品3を基盤2に配置した後、急速加熱、急速冷却して基板の表面を融かし接着することもできる。特に好適な接着剤として、アルミナ及びシリカのフィラーを含有したエポキシ樹脂が使用される。
ここで、温度維持部品3としては、いわゆる「Positive Temperature Coefficient thermister」(以下「PTC]という)が用いられることが多く、PTCを任意の形状に形成したものが、基板2の上に配置される。
PTCはその基体がチタンバリウム(BaTiO3)にLaなどの希土類をドープしたチタンバリウム半導体などの材料で形成され、その表面に電極13が形成される。図5には、このPTCの形態が表されている。
あるいは、樹脂にカーボンなどのフィラーを入れた樹脂ベースの温度維持部品3を用いてもよい。この場合には、セラミックなどで形成するよりも耐衝撃性の強い温度維持部品3を形成することが可能である。
また、温度維持部品3の強度確保のために、その角部に面取りを施すことも好適であり、形状を角形のみならず、多角形や円形、楕円形とする、あるいは角部をとった計上とすることなどで、温度維持部品3の強度を確保することができる。これは、温度維持部品3がリード端子4と基板2にはさまれて配置されること際に受けやすい衝撃に対する対応性を確保できるメリットがあるものである。
ここで、機器保護における安全性をより高める、温度維持部品3における本発明でのポイントとなる構成とそのメカニズムを説明する。
温度維持部品3は、例えば樹脂やセラミックなどの基体12aなどの表面に金属めっき、金属蒸着、金属塗布などを用いた導電性の電極13aなどが形成される。この電極13aなどがリード端子4と接続されて、電気的接続が実現されて、一対のリード端子4間を電流が可動電極6を通じて流れるとともに、ある一定の範囲では、この温度維持部品3を経由して電流が流れるものである。但し、温度維持部品3は一定温度以上(キュリー点)で急激に抵抗が増加して、一対のリード端子4間での電流導通は遮断される。
なお、リード端子4と温度維持部品3との電気接続は半田付けなどの接合でも良く、あるいは圧接や圧着でも良い。
図5(a)には従来の技術における温度維持部品3が表されており、その表面全体に電極13a、13bが形成されている。このため異常発熱時に、可動電極6の離合部分がリード端子4からはなれて電流遮断となった場合には、可動電極6が固定接続されている側のリード端子4に到達する電流が電極13a、13b全体に分散してしまい、温度維持部品3の発熱時間が長くなる上、同じ大きさの温度維持部品3であれば、任意の温度で維持される時間が短くなるデメリットがあった。このため、後に述べるように、温度維持部品3を用いて、可動電極6が離れて電流遮断状態となったことを一定時間維持させたい場合でも、その維持時間などが不十分となるなどの問題がある。
これに対して、図5(b)に示されるように、電極13cと13dに分割された場合には、可動電極6が固定接続されているリード端子4から流れ込む電流の分散が無くなり、可動電極6が離れた後での温度維持部品3の発熱が早くなり、温度上昇が早くなる上、温度下降も遅くなり、温度維持期間が十分なものとなって、電流遮断期間が十分に確保されるメリットがある。
更に、図5(c)に示されるように、電極13f、13gのように面積非対称に分割することは、上記の発熱の加速と、温度下降の遅延を引き伸ばして、電流遮断期間を充分にするための、温度維持期間を更に充分とすることができるものである。
即ち、面積が広い電極13g側に、可動電極6が固定接続される側のリード端子4を接続させ、面積の狭い電極13f側に、可動電極6の離合部分となる側のリード端子4を接続させることで、電流分散は無い上に、電流が届く電極13gでの発熱量が相対的に大きくなって、発熱時間の加速、温度下降時間の遅延化が可能となるものである。
これにより、更に、可動電極6が離れた後の温度維持部品3の温度維持期間を充分に維持でき、電流遮断状態の十分な維持、および、十分に異常電流が無くなった後での電流導通復帰が実現される(温度維持部品3が冷却され可動電極6の離合部分がリード端子4に接続する)ことで、電子機器を充分に保護する自己復帰型保護素子1が実現される。
これは同様に図5(d)に表されるように、2つの温度維持部品3を電気的に接続した形態として、上記と同様の効果を得ることが可能となる。
次に、このように温度維持部品3表面の電極13aなどを分割した場合の効果についての実験結果を説明する。
図5(e)には、図5(a)に示される従来の技術における温度維持部品3を用いた場合の、電圧と発熱との関係をグラフにしたものが表されており、図5(f)には図5(b)に示される電極が分割されている温度維持部品3を用いた場合の、電圧と発熱との関係をグラフにしたものが表されている。
それぞれのグラフから明らかな通り、電極13c、13dが分割されている温度維持部品3を用いた場合のほうが、同一電圧では発熱量が高く、発熱特性がよいことがわかる。グラフと同じ実験結果を表す(表1)と(表2)も参考として添付する。
(表1)は従来の技術における温度維持部品3を用いた自己復帰型保護素子1の温度維持部品3の電圧と発熱量との比を表したものであり、(表2)は図5(b)に表されるように電極が分割されている温度維持部品3を用いた自己復帰型保護素子1での、電圧と発熱量との比を表したものである。それぞれの表から明らかな通り、電極が分割されている場合が発熱量が高くなる。
以上、実験結果からも明らかな通り、温度維持部品3の表面に形成される電極を分割することで、発熱効率を高め、温度維持期間を充分長くすることができるため、機器で発生した異常電流や異常発熱から機器を保護する自己復帰型保護素子1の、電流遮断状態を充分に維持することが可能となる。特に、遮断状態維持のために温度維持部品3を用いる効果が更に高まるものである。
また、この電極の分割を面積非対称とすることで、更に発熱効率や温度維持期間の効率を向上させることができるものである。
以上の様に、本発明では電流遮断状態を一定時間維持させるためにPTCなどの温度維持部品3を用いる場合に、この温度維持部品3の電極の分割、および面積非対称分割により、電流遮断状態の維持をより充分なものとすることのできる、安全性の非常に高い自己復帰型保護素子1が実現されるものである。
更に、発熱効率が上げられるため、温度維持部品3の小型化、薄型化が実現でき、電子機器や電源、電池の小型化、薄型化とともに求められる自己復帰型保護素子1の小型化、薄型化が実現されるものである。実験においては、約半分の厚みで従来同等品を実現することができた。
なお、温度維持部品3の面積を少なくとも可動電極6の固定接続部7と接点電極8とリード端子4の幅から囲まれる範囲を超える面積とすることが好ましい。これにより、一定の硬さを持つ温度維持部品3が基板2とともに自己復帰型保護素子1の底面を形成して、一定の形状を確保でき、さらにその強度も確保できるようになるメリットがある。さらには、基板2と同等の面積とすることも好適であり、これによりさらに底面の形状と強度を確保でき、これとカバー10とをあわせて薄型を実現しながら、十分な強度を確保することができるメリットがある。
また、温度維持部品3とリード端子4の接続においては、半田や金属ペーストによる接続のほかに、作業時の破壊や損傷防止のために、いわゆる密着させることで電気伝導される圧着や圧接が用いられることも好適である。
次にリード端子4について説明する。
リード端子4は一対のリード端子になっており、温度維持部品3の上に電気的にそれぞれ対向するように接続されている。リード端子4の対向面はそれぞれ任意の距離離れており、リード端子4の一端側の底面が温度維持部品3の電極と接続されている。接続には半田付けや、銀ペーストなどの金属ペーストによる溶着、あるいは圧接などで実現され、接続強度や接続精度を高めるために、接続面に表面あらしが設けられることも好適である。
また、温度維持部品3がセラミックなどの非常にデリケートな部材で形成される場合には、半田付けや金属ペーストによる溶着ではなく、リード端子4との間では圧着されることでもよい。
リード端子4は、電気伝導性の有る材料から形成され、特に金属が好ましく、具体的には、鉄、ニッケル、銅、アルミニウム、金、銀、スズから選ばれる少なくとも一つの単体材料もしくはそれら金属材料の合金、或いは前述の材料グループから選ばれる少なくとも一つの単体もしくは合金に材料グループ以外の元素を含有させた金属材料等が使用できる。
また、表面に単層あるいは多層のめっき処理が施されることで導電性や耐久性の向上などを高めることも好適である。
また、リード端子4は相互に対向しているが、その対向距離があまりに狭いと、可動電極6の先端がリード端子4と非接触となることで非導通となった場合であっても、リード端子4同士で導通してしまう可能性があり、回路の保護に不適切となる。このため、リード端子4の対向距離は一定以上あることが好ましい。
接続面5は可動電極6の一端を固定接続するための部分であり、リード端子4の一方の先端部分に設けられる。固定接続の接続強度を確保するために、表面があらされていることが好ましく、半田や金属ペーストなどで接続されて、リード端子4と可動電極6との間が高抵抗とならないように、十分な面積を確保しておくことが好ましい。
次に、可動電極6について説明する。
可動電極6は、温度によって反り返るなどして、その固定接続部7と反対側の先端が、リード端子4と接触したり非接触となったりするスイッチの役割を有する部材である。
可動電極6は、通常バイメタルと呼ばれる温度膨張係数の異なる多層の金属から形成される。たとえば、リード端子4と対向する内層15には、温度膨張係数の高い金属で層が形成され、外層14には温度膨張係数の低い金属で層が形成される。また、強度確保や可動動作の機敏性を高めるために、内層15と外層14の間にさらに別の中間層16を形成することも好適である。内部に存在する中間層16は2層以上であってもよい。また、温度膨張係数が、内層15よりも低いが、外層14よりも高い金属を用いて、反り返りと復帰の動作をより機敏にすることも好適である。
可動電極6の材料としては、一般的に、高膨張側はMn―Ni−Co系合金材料が用いられ、低膨張側はFe−Ni系のインバー合金材料が用いられることが多く、もちろん、これら以外の材料であっても良いものである。
また、可動電極の他の材料としては、形状記憶(合金、樹脂)材料も好適に用いられるものである。
図6に可動電極の即断面図が示されている。図6にあるように、可動電極6を屈曲させることで、ばね性などの弾性を持たせて、先端がリード端子4と接触する際の圧接力を高めることも好適である。これにより、余分なばね材料やばね部品を用いる必要がなく、小型化、低コスト化に貢献するものである。
また、可動電極6が接続される部分において、角部に切り取りが設けられておくことで、接続処理などの部材の位置確保が容易となるメリットがある。たとえば、切り取られた角部に電気プローブを当ててリード端子4と可動電極6とに電流を流して温度を上昇させて、リード端子4と可動電極6の間に挟まれた接続溶融体を溶融させて接続を容易に実現することができる。これは、素子の小型化が進むにつれ、効果的な手法である。
次に、固定接続部7について説明する。
固定接続部7はリード端子4の一方と、可動電極6の一方を固定的に接続する部位であり、可動電極6の一端がリード端子4に確実に固定されてリード端子4と可動電極6の電気導通が確実になる。接続には半田付けや金属ペーストによるものでもよく、上述のよう
に、あらかじめ可動電極6と固定接続部7の間に溶着用金属を挟んでおいて、リード端子4に電流プローブを当てて電流を流して発熱させて溶着用金属を溶融させて、リード端子4と可動電極6とを接続させる。
に、あらかじめ可動電極6と固定接続部7の間に溶着用金属を挟んでおいて、リード端子4に電流プローブを当てて電流を流して発熱させて溶着用金属を溶融させて、リード端子4と可動電極6とを接続させる。
このとき、可動電極6の四隅に切り落としをつけることで、リード端子4に電流プローブを当てるスペースを確保して、確実に溶着を行うことに加えて、フィルムなどで形成される補強材の溶着時の電流プローブ設置スペースの確保が兼用されている。
次に、接点電極8について説明する。
接点電極8は可動電極6の先端につけられてもよく、リード端子4の可動電極6の可動側の先端と接する部分につけられてもよく、その両方につけられてもよい。接点電極8は半球形などの凸部により形成されることが多く、その表面は金属層が形成され、めっきなどが施される。また、接触と非接触を繰り返しに対応するため、接点電極8やこれに接触する可動電極6やリード端子4の接触部分のめっき層の多層化や、厚みを増すなども好適である。また接点電極8が、図2のように凸部として形成されていなくてもよく、可動電極6とリード端子4がその先端で接触するだけでもよいが、凸部からなる接点電極8が存在することで、可動電極6とリード端子4の確実な接触が可能となって、低抵抗の導通が可能となる。
また、接点電極8の厚みは、可動電極6のリード端子4から遠ざかる上下方向の可動領域を妨げない程度の厚みとすることが好ましく、接触する表面積を十分に確保することで、接触時の電気抵抗を下げることが好ましい。
また、接点電極8の耐久性をさらに高めるために可動電極6やリード端子4に用いられる金属よりも硬度の硬い金属を用いることも好適である。また、可動電極6側のみに接点電極8が形成される場合には、リード端子4のこれと接触する位置のめっき厚や金属厚を厚くし、逆に、リード端子4側のみに接点電極8が形成される場合には、可動電極6のこれと接触する部位のめっき厚や金属厚を厚くすることも好適である。
なお、図3などでは、可動電極6の一方がリード端子4の一方に固定的に接続され、他方がリード端子4と離合可能な構成が表されているが、図3に示されるように、可動電極6がそれぞれリード端子4と固定接続されて、中途部分に離合可能な離合接点6bを形成して、電流の導通と遮断を切り替えることも好適である。このような構成により、可動電極6の離合接点における相互の接触面積を広くすることができて、電気抵抗を低下させることが可能となるものである。
次に、カバー10について説明する。
図2、図3、図4にはカバー10により覆われている場合があらわされている。
カバー10は自己復帰型保護素子1のほぼ全体を覆うものであり、素子としての形状、耐久性を確保するために用いられる。カバー10は可動電極6、温度維持部品3とリード端子4の一部を少なくとも覆うものであり、これに伴い接点電極8や固定接続部7なども覆われるものである。
カバー10は少なくとも可動電極6が動作する可動領域を確保できることが好ましい。また、カバー10が衝撃などにより底面側に押し込まれると、可動電極6が上方に反り返って非接触となる動作が困難となるので、一定の形状を確保できる強度を有していることが好ましい。たとえばカバー10の周囲側面に面取り(R)を設けて強度向上を実現し、
あるいは折り曲げとなる部分の厚みを他の部分より厚くし、あるいは面取りを設けて強度向上を図ることも好適である。
あるいは折り曲げとなる部分の厚みを他の部分より厚くし、あるいは面取りを設けて強度向上を図ることも好適である。
また、カバー10は基板2とリード端子4の外周において溶着接続されて、カバー10による素子を覆うことが実現される。
次に補強材について説明する。
第一補強材11と第二補強材9は、必要に応じて設けられる。
第一補強材11は図3に示されるように、基板2とリード端子4との間に設けられ、温度維持部品3の配置空間を形成しつつ、その周囲の強度を確保するために用いられる。図2に示されるように、リード端子4の途中部分を折り曲げることで、その折り曲げられた空間に温度維持部品3を配置する空間を設ける場合には、基板2とリード端子4が直接接するので、温度維持部品3の配置空間の確保は不要である。しかしこのような場合であっても強度を向上させるために、第一補強材11が用いられることも好適である。
また、図3に示されるような場合には、温度維持部品3の配置空間確保に加えて、リード端子4と基板2との間に非充填空間が発生すると、リード端子4と温度維持部品3との接続の耐久性が弱くなるなどの問題も発生するため、これを防止して強度向上させるための補強材としても好適に用いられる。
さらに、第一補強材11と第二補強材9とをリード端子4の外周において相互に溶着させることで、リード端子4、温度維持部品3を挟み込む力が強くなり、これにカバー10を加えて薄型でありながら十分な強度確保ができる素子を実現することができる。
次に第二補強材9は図1、図2などに示されるように、リード端子4の上であって、固定接続部7や接点電極8よりも外側の位置において形成される。第二補強材9はカバー10により形成される内部空間の空間確保と強度確保を実現する。
また、第二補強材9は第一補強材11、およびカバー10、基板2とを相互接続するための溶着の仲介部としても用いられることで、基板2とカバー10を基本として構成される本体と可動電極6の可動領域が確保される空間が構成される。
特に、カバー10が樹脂フィルムなどで形成される場合には、金属であるリード端子4とを直接溶着させることができないため、中間層としての第二補強材9を活用することが効果的であるメリットもある。
ここで、基板2と同様に、カバー10、第一補強材11、第二補強材9はそれぞれ、あるいは少なくとも一部がPET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されてもよいものである。これらの素材で形成される場合には、非常に薄型として実現され、また軽くなるというメリットもある。
また、ポリイミドも好適に用いられる。これは基板2、第一補強材11、第二補強材9、カバー10のいずれでも同様である。
次に、自己復帰型保護素子1の動作について説明する。
図7には、自己復帰型保護素子1の通常状態が示されている。
通常状態では、リード端子4から電流I1が流れ込み、接点電極8がリード端子4と接触状態である可動電極6においても同様に電流I1が導通して、他方のリード端子4に電流I1が流れ出す。すなわち、可動電極6を経由して電流I1が導通し、たとえばこの自己復帰型保護素子1が接続された電極間の導通が実現されている。
次に、何らかの異常電流が発生し、可動電極6が異常発熱する。可動電極6はその内層15の熱膨張係数が高く、外層14が低いため、内層15側の体積が大きくなって、留め金がはじけるように外層14側に向かって反り返ることになる。この結果、接点電極8がリード端子4から離れ非接触となり、可動電極6を経由したリード端子4間の電流導通が遮断される。代わりに電流I1がリード端子4から温度維持部品3に流れ込むように電流経路が切り替わる。図8に示される状態である。
電流I1が温度維持部品3に流れ込むと、温度維持部品3は即座に温度上昇し、キュリー点付近まで早急に温度が上昇する。キュリー点付近まで温度が上昇すると、抵抗値が非常に大きくなり電流I1が流れなくなり、温度維持部品3を経由した電流導通も遮断される。このとき、可動電極6の非接触発生から生ずる電流遮断から即座に温度維持部品3の電流遮断も起こるので、リード端子4間に電流が流れるのはごくわずかである。
キュリー点付近まで温度上昇した温度維持部品3は、一定時間その温度状態が維持される。特に、異常電流が残っている間は温度状態が維持される。このため、温度維持部品3の発生させる高い温度が伝導された可動電極6は、未だ反り返った状態が維持されて接点電極8はリード端子4と非接触状態を維持し続ける。図9に示される状態である。
徐々に、電子機器の異常が是正され、異常電流がなくなり、温度維持部品3の温度が低下すると、可動電極6の温度も低下し、その反り返り状態が解消されて、再び接点電極8がリード端子4と接触する状態に戻る。図10に示される状態である。これにより、再び可動電極6を経由してリード端子4同士の電流導通が確保され、電子機器の通常動作が行われる。
このように、温度維持部品3が存在し、これがリード端子4間において、可動電極6と直接接触しない位置において、可動電極6と並列に接続される構成により、発熱により可動電極6が非接触となって電流が遮断されたあとでも、異常電流状態が終了するまでの間、その電流遮断が維持されて、回路や機器の保護が十分に確保されるメリットがある。これに対して、温度維持部品3が存在しない場合には、可動電極6が非常に早い時間で非接触状態に戻ってしまい、未だ異常電流などの状態が継続されている場合であっても、電流導通の再開が発生してしまい、回路や機器の保護が不十分であった問題があったが、本発明ではこのような問題がなく、回路保護に優れた自己復帰型保護素子1を実現できる。
さらに、基板2とカバー10をこれらの樹脂フィルムで形成し、リード端子4の下に温度維持部品3を配置して、温度維持部品3を底面形状確保の部材として活用し、さらに必要に応じて形状と強度確保のための第一補強材11、第二補強材9を基板2やカバー10との封止溶着の中間層として用いるという以上の構成により、可動電極6の動作を確保しつつ、従来のように樹脂や絶縁体ケースを用いる場合に比べて、非常に薄型の自己復帰型保護素子1を実現することができる。
すなわち、基板2の上に温度維持部品3を配置して、その上に一対のリード端子を重ね、リード端子間に渡って可動電極6が設けられて、可動電極6の可動空間を確保するカバーを形成する構成で、ケースの中にスイッチを格納して、ケースから銅線を突出させる場
合より、非常に薄型とできるものである。このため、電池に装着したり、電源回路などの回路基板に装着したりすることも容易となる。また、装着できることで、電池や基板からの熱や電流の感知が容易となって、より機敏な自己復帰型保護素子1の動作が実現されるメリットがある。
合より、非常に薄型とできるものである。このため、電池に装着したり、電源回路などの回路基板に装着したりすることも容易となる。また、装着できることで、電池や基板からの熱や電流の感知が容易となって、より機敏な自己復帰型保護素子1の動作が実現されるメリットがある。
また、従来のように、可動電極6と温度維持部品3とが直列になっている場合には、素子も大型化する上、温度維持部品3のメリットが十分に活用できないが、本発明の自己復帰型保護素子1ではこのようなデメリットが生じない。
また、従来のような温度維持部品3を可動電極6に直接接続しない構成により、可動電極6が非接触となって電流遮断状態の場合でも、電流導通を温度維持部品3側に切り替えて温度維持部品3の温度を即座に上昇させて、その温度維持に入る時間を短縮化できて、可動電極6が非接触となる状態の維持を確実にできるメリットがある。もちろん、温度維持部品3の熱を効率的に可動電極6に伝導させることができるために、未だ異常電流が存在する間の電流遮断状態維持を確実にできるようになり、高い精度をもつ小型、薄型を実現しつつ性能の高い自己復帰型保護素子1を実現できる。
なお、このようにして作成される自己復帰型保護素子の大きさは、カバー10などで形成される本体サイズとしては、縦の長さL1、横の長さL2、厚みL3としたときに、
2.0mm≦L1≦12.0mm
4.0mm≦L2≦20.0mm
1.0mm≦L3≦3.0mm
であって、更に好ましくは、
3.0mm≦L1≦6.0mm
4.0mm≦L2≦8.0mm
1.0mm≦L3≦2.0mm
である。
2.0mm≦L1≦12.0mm
4.0mm≦L2≦20.0mm
1.0mm≦L3≦3.0mm
であって、更に好ましくは、
3.0mm≦L1≦6.0mm
4.0mm≦L2≦8.0mm
1.0mm≦L3≦2.0mm
である。
(実施の形態2)
実施の形態2において、本発明の自己復帰型保護素子の製造工程について説明する。
実施の形態2において、本発明の自己復帰型保護素子の製造工程について説明する。
図11〜図20(a)、(b)は本発明の実施の形態2における自己復帰型保護素子の製造工程図である。それぞれ、製造工程における順序に図面番号が従っている。なお、これは製造工程の一例であり、もちろん、これ以外の工程で製造されてもよいものである。
20は貫通孔、21はドーム、22は接点薄膜面、23はフィルム溶着部、24は内部空間、25は溶着物、26はカバー部材である。
図11には基板2を形成する基板フィルムに温度維持部品3が接着されている状態が示されている。基板フィルムは、実施の形態1で説明したように、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーなどで形成される。あるいはセラミックや絶縁処理が施された金属板で形成されてもよい。
温度維持部品3はチタン酸バリウム半導体などで形成されたセラミックの表面に電極が形成されたPTCなどであり、プラスチック樹脂、ガラス及びプラスチック樹脂またはガラスを含有する金属皮膜などなどの接着剤などで接着、固定される。超音波溶着なども用いられる。貫通孔20は、製造工程を自動化する際に、部品を固定する固定具を通すために用いられるものである。
図12には可動電極6が示されており、熱膨張係数の異なる多層金属から形成されるバイメタル片などである。ドーム21はドーム形状に湾曲した部分であり、これにより、先端の接点電極8がリード端子4に対して接触する際にばね性、弾性力を持たせることで、圧接力を向上させることができる。
図13にはリード端子4が基板2上の温度維持部品3の上に接続された状態が示されている。また、図示されていないが、リード端子4と基板2の間には第一補強材が形成されていてもよい。
リード端子4と温度維持部品3は半田や金属ペーストによる接続や、圧接により接続され、リード端子4上には第二補強材11を接続するフィルム溶着部23が形成され、さらに可動電極6の先端が接触する部位には接点薄膜面22が形成されている。接点薄膜面22は導通製のよい低抵抗で、かつ耐久性と耐衝撃性のよい金属膜やめっきにより実現される。
図14には可動電極6がリード端子4に固定接続部7を用いて接続された状態が示されている。可動電極6の根元は、リード端子4と固定接続部7により固定接続され、先端(必要に応じて接点電極8が設けられている)は対向するもう一方のリード端子4上の接点薄膜面22と接触する。このときドーム21のもつ弾性力により、接点での接圧が高くなる。
図15には、第二補強材9が示されており内部空間となる部分が切り抜かれたフィルムであって、その形状、大きさが素子本体に合わせた形状で構成されている。材質としては、PENなど基板2と同様のものが用いられる。
図16には第二補強材9が基板2やリード端子4と接続された状態が示されている。第二補強材9のもつ開口部が、可動電極6やこれに接続される固定接続部7、接点薄膜面22が存在する内部空間24として確保される。第二補強材9はフィルム溶着部23とあわせられて溶着され、さらに基板2とも溶着される。このとき貫通孔20をあわせることで、位置ずれなどなく製造することができる。
図17には第二補強材9が溶着された状態が示されている。溶着物25は超音波溶着などにより溶着された結果、溶着物25がはみ出した状態であり、この溶着物25が十分な量を有していることで、内部空間24の封止が十分に確保される。このため、この溶着部の適正量を十分に確認しつつ、溶着を実行することが好ましいものである。溶着が不十分であると、外部との密封性が不十分となり、熱の漏れや水分や酸素の本体内部への混入による接点電極8や可動電極6の腐食などが発生する可能性がある。耐久性の高い自己復帰型保護素子1とするために、十分に溶着を確保する必要がある。
図18には、カバー10を形成するカバー部材26が示されている。カバー10は盛り上がりを有した形態をしており、基板などと同じくPENなどにより形成される。
カバー10はその角部に面取りが施されたり、Rを設けたりすることで、その強度を向上させることが好適である。またカバー10の大きさは、図16に示された第二補強材9に設けられた開口部、すなわち可動電極6などの格納される本体部をすっかり覆う大きさのものであればよい。このため、カバー10は可動電極6、接点電極8、リード端子4の一部、温度維持部品3を覆うものとなる。
図19には、カバー部材26が第二補強材9の上に溶着されて、素子にカバー10がか
ぶせられた状態が示されている。溶着においては、第二補強材9と基板2との間での接続に用いたのと同じように超音波溶着などが用いられる。溶着において溶着物25が生じ、これにより十分な封止が実現されるので、内部空間24に存在する可動電極6などの腐食や劣化を防止するためには、十分な溶着物25による溶着が実現されているかを確認することが好ましい。
ぶせられた状態が示されている。溶着においては、第二補強材9と基板2との間での接続に用いたのと同じように超音波溶着などが用いられる。溶着において溶着物25が生じ、これにより十分な封止が実現されるので、内部空間24に存在する可動電極6などの腐食や劣化を防止するためには、十分な溶着物25による溶着が実現されているかを確認することが好ましい。
以上のような工程で、最終的に製造される自己復帰型保護素子1は非常に薄型のものとすることができる。
従来のように、絶縁性ケースや樹脂ケースに、可動電極などを格納して、銅線などのリード線を引き出す構成では、製造工程での歩留まりも悪く、さらに大型になってしまうデメリットがあったが、実施の形態2の構成と製造工程であれば、基板2とカバー10同士の溶着時の位置ずれもなく、歩留まり高く薄型の自己復帰型保護素子1が実現されるものである。
図20には余分な部分が切り取られた最終的な自己復帰型保護素子1が表されている。以上のような工程を経て、最終的に温度維持部品3により一定の自己保持機能を有する、薄型で小型で、遮断、復帰精度の高い自己復帰型保護素子1が実現される。
なお、図20(b)に示されるようにリード端子4に孔部40が空けられる事で、強度確保や重量、抵抗の調整を行うことも好適である。
(実施の形態3)
実施の形態3においては、自己復帰型保護素子1を携帯端末などに用いられるパック電池に装着された状態が示されている。
実施の形態3においては、自己復帰型保護素子1を携帯端末などに用いられるパック電池に装着された状態が示されている。
なお、パック電池以外の電池や電源回路、基板回路に用いられてもよく、携帯端末だけでなく、照明機器や発熱機器などのさまざまな電子機器に用いられてもよいものである。
図21は本発明の実施の形態3におけるパック電池の斜視図である。パック電池に実施の形態1、2で説明した自己復帰型保護素子が装着されている。
31はパック電池、32は電池、33は本体、34、38は配線、35、37はリード端子、36は自己復帰型保護素子である。
自己復帰型保護素子36は実施の形態1、2で説明した自己復帰型保護素子であり、以上発熱からの保護素子として用いられている。自己復帰型保護素子36は基体の上に一対のリード端子35、37が接着され、電池32の配線34、38とそれぞれ接続されている。自己復帰型保護素子36は電池32のプラス、もしくはマイナスのいずれかの電極のみから導出された配線の途中に置かれた状態で接続されているもので、途中に自己復帰型保護素子36により、その配線が34と38に分かれている状態である。配線34もしくは38はそのまま外部に導出されて他の電子部品に接続される。また、これと別個に(図示せず)プラス、もしくはマイナスの別の極からの配線が電池32から導出されて、他の電子部品に接続されて給電される。
ここで、パック電池32に異常発熱が発生した場合には、実施の形態1で説明したとおり、可動電極6とリード端子4と非接触となり、電流導通が遮断される。さらには温度維持部品3の温度が上昇し、この維持された温度により可動電極6がそのまま非接触の状態を維持する。これにより電流遮断状態がさらに一定期間維持される。これにより電子部品への給電が一時停止状態となって、回路や機器が異常電流や異常発熱から保護される。
このとき、温度維持部品3の働きにより、可動電極6の非接触が一定時間は維持されて、少なくとも異常電流がなくなるまでは非接触状態が維持されるので、即座に可動電極6が接触状態に復帰して、電流供給が再開されることでの回路や機器への悪影響回避が十分に確保される。
さらに、異常電流が消滅して、温度維持部品3の温度が低下することで、可動電極6が再び接触状態となり、可動電極6を経由した電流導通が再開されて、電池32からの回路への給電が再開される。
これにより、溶断することで電流が遮断される温度ヒューズなどと異なり、素子の交換無に動作状態へ安全に復帰させることができる。
このため、携帯端末やノートブックパソコンなど、命令処理実行中であっても、これを再開することができるので、それまでのユーザーの処理が無駄とならず、記憶されたデータを失うこともないので非常にユーザーフレンドリーであるメリットがある。
このため、異常電流や異常発熱から機器を守りつつ、ユーザーへの余分な負担を減じさせたい電子機器のパック電池、電池、電源回路、その他の回路に最適に用いることが可能である。
なお、パック電池以外であっても、電源回路、電源装置、発電装置、発熱機器、二次電池系電池、燃料電池などの電源周辺の部品、機器、装置をはじめ、ノートブックパソコン、携帯電話、携帯端末、カーナビゲーションシステムなどの車載電子機器、ビデオデッキやDVD機器などの種々の機器に幅広く適用されるものである。
また、本発明に係わる自己復帰型保護素子の薄型、小型化が実現されていることにより、携帯型の機器などをはじめとした、小型、薄型、軽量化が求められる電子機器の温度上昇に対する保護素子として、効果的に用いられるものである。
本発明は、基板と、基板の上に設けられた温度維持部品と、温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子とは離合可能である可動電極と、一対のリード端子の少なくとも一部と、可動電極と、温度維持部品を覆うカバーを有し、温度維持部品が一対のリード端子と接続される面において電極が分割されている構成により、薄型、小型を実現し、異常電流などで異常発熱した場合に電流の導通を遮断し、異常状態が解消された後に導通を再開して、電子機器への影響を適切に防止しつつ、部品の取り替えを不要とすることができる必要な用途にも適用できる。
1 自己復帰型保護素子
2 基板
3 温度維持部品
4 リード端子
5 接続面
6 可動電極
6b 離合接点
7 固定接続部
8 接点電極
9 第二補強材
10 カバー
11 第一補強材
12a 基体
12b 基体
12c 基体
12d 基体
12e 基体
13a 電極
13b 電極
13c 電極
13d 電極
13e 電極
13f 電極
13g 電極
13h 電極
13i 電極
13j 電極
13k 導電性樹脂板
14 外層
15 内層
16 中間層
20 貫通孔
21 ドーム
22 接点薄膜面
23 フィルム溶着部
24 内部空間
25 溶着物
26 カバー部材
31 パック電池
32 電池
33 本体
34、38 配線
35、37 リード端子
36 自己復帰型保護素子
2 基板
3 温度維持部品
4 リード端子
5 接続面
6 可動電極
6b 離合接点
7 固定接続部
8 接点電極
9 第二補強材
10 カバー
11 第一補強材
12a 基体
12b 基体
12c 基体
12d 基体
12e 基体
13a 電極
13b 電極
13c 電極
13d 電極
13e 電極
13f 電極
13g 電極
13h 電極
13i 電極
13j 電極
13k 導電性樹脂板
14 外層
15 内層
16 中間層
20 貫通孔
21 ドーム
22 接点薄膜面
23 フィルム溶着部
24 内部空間
25 溶着物
26 カバー部材
31 パック電池
32 電池
33 本体
34、38 配線
35、37 リード端子
36 自己復帰型保護素子
Claims (35)
- 基体と、
前記基体表面に設けられた電極を有し、一定の温度以上で急激に電気抵抗が高くなる温度維持部品であって、
前記電極が前記基体の主面の内少なくとも一方の主面において二分割されていることを特徴とする温度維持部品。 - 前記基体表面上で分割された電極が、面積非対称に分割されていることを特徴とする請求項1に記載の温度維持部品。
- 前記非対称面積となる電極において、広い面積を有する電極に可動電極の固定接続部側のリード端子が配置され、狭い面積を有する電極に可動電極の離合部分が配置されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の温度維持部品。
- 基板と、
前記基板の上に設けられた温度維持部品と、
前記温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、
前記一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子とは離合可能である可動電極と、
前記一対のリード端子の少なくとも一部と、前記可動電極と、前記温度維持部品を覆うカバーを有し、前記温度維持部品が前記一対のリード端子と接続される面において電極が分割されていることを特徴とする自己復帰型保護素子。 - 基板と、
対向面が相互に離隔した一対のリード端子と、
前記基板と前記一対のリード端子の間に設けられ、前記一対のリード端子のそれぞれと接続される温度維持部品と、
前記一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、
前記一対のリード端子の少なくとも一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーとを有し、前記温度維持部品が前記一対のリード端子と接続される面において電極が分割されていることを特徴とする自己復帰型保護素子。 - 基板と、
前記基板の上に設けられた温度維持部品と、
前記温度維持部品の上に設けられ、温度維持部品と接続されるとともに相互に対向面が離隔している一対のリード端子と、
前記一対のリード端子の一方に固定接続され、他方のリード端子と離合可能な可動電極と、
前記一対のリード端子と前記基板との間であって前記温度維持部品の周囲に設けられた第一補強材、もしくは前記一対のリード端子に設けられた第二補強材の少なくとも一方と、前記一対のリード端子の少なくとも一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーとを有し、前記温度維持部品が前記一対のリード端子と接続される面において電極が分割されていることを特徴とする自己復帰型保護素子。 - 前記分割されている電極が、面積非対称に分割されていることを特徴とする請求項3〜6いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品が基体と前記基体表面に設けられた電極からなり、前記一対のリード端子が接続される電極が分割されており、これと対向する底面の電極は分割されていないことを特徴とする請求項3〜7いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品は、その電極が前記一対のリード端子と電気的接続するように電着されたことを特徴とする請求項3〜8いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品は、その電極が前記一対のリード端子と電気的接続するように圧接されたことを特徴とする請求項3〜8いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記面積非対称に分割された温度維持部品の電極において、広い面積を有する電極側に、前記可動電極が固定接続される前記一対のリード端子の一方が接続され、狭い面積を有する電極側に、前記可動電極が離合可能であるリード端子の他方が接続されることを特徴とする請求項3〜10いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品において、セラミックの基体と、その表面に単層又は多層で設けられためっき面による電極から形成され、前記基体の主面の一方における一部において帯状に非めっき部分が形成されることで、面積非対称に分割された電極が形成されることを特徴とする請求項3〜11いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記電極が分割されている温度維持部品の代わりに、表面の電極が分割されていない二つの温度維持部品を、導電性部材上に電気的接続するように配置した温度維持部品を、前記一対のリード端子と前記基板との間に配置して用いたことを特徴とする請求項3〜12いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記可動電極における離合部分、もしくはこれと接するリード端子の面、もしくはこれらの両方に接点電極が設けられたことを特徴とする請求項1〜13いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記接点電極が、凸状体であることを特徴とする請求項14に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記接点電極においては前記可動電極の他の部分よりもめっきを多層とするか、もしくはめっき層の厚みを厚くしたこと、もしくはその両方であることを特徴とする請求項14に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記可動電極が、任意の温度以下では前記リード端子と接し、任意の温度以上ではリード端子と離れることを特徴とする請求項3〜16いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記可動電極が複数の金属層からなるバイメタルであることを特徴とする請求項3〜17いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記バイメタルが、リード端子に対向する内層側の金属層が温度膨張係数の高い金属から形成され、外層側の金属層が温度膨張係数の低い金属から形成されることを特徴とする請求項18に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品の電気抵抗が、前記可動電極の電気抵抗よりも高いことを特徴とする請求項3〜19いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記可動電極の離合可能な部位が前記リード端子に接続している場合には、可動電極に電
流の大半が流れ、前記可動電極の離合可能な部位が前記リード端子と離れている場合には前記温度維持部品に電流が流れることを特徴とする請求項3〜20いずれか1記載の自己復帰型保護素子。 - 前記温度維持部品の角部に面取りが施されていることを特徴とする請求項1〜21いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品の面積が、前記リード端子幅と、可動電極の前記リード端子との接続部分と離合位置を結ぶ長さとから定まる面積以上であることを特徴とする請求項3〜22いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品の面積が、前記基板と同等の面積を有することを特徴とする請求項3〜20いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
- 前記基板と、前記温度維持部品との間に衝撃緩衝材が設けられたことを特徴とする請求項3〜24いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
- 前記衝撃緩衝材がゲル状樹脂であることを特徴とする請求項25に記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品が多角形もしくは楕円形もしくは円形のいずれかであることを特徴とする請求項1〜26いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
- 前記温度維持部品がPositive Temperature Coefficient thermister(以下「PTC」という)であることを特徴とする請求項1〜27いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
- 前記基板、前記第一補強材、前記第二補強材、前記カバーのうち少なくとも一つが、PET(ポリエチレンテレフタレート)もしくはPEN(ポリエチレンナフタレート)、PPS(ポリフェニレンサルファイト)もしくはPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を主成分とする熱可塑性樹脂フィルムまたは液晶ポリマーで形成されていることを特徴とする請求項3〜28いずれか1に記載の自己復帰型保護素子。
- 基板を設置するステップと、
前記基板の上に温度維持部品を接着するステップと、
前記温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、
前記リード端子の一方に可動電極の一部を接合するステップと、
前記リード端子の一部と前記可動電極と前記温度維持部品を覆うカバーが形成されるステップとを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法。 - 基板を設置するステップと、
前記基板の上に温度維持部品を接着するステップと、
前記温度維持部品の周囲に第一補強材を接着するステップと、
前記温度維持部品の上に対向面が相互に離隔する一対のリード端子を接合するステップと、
前記第一補強材と前記リード端子の上に設けられる第二補強材とを相互溶着するステップと、
前記リード端子の一方に可動電極を接合するステップと、
前記第二補強材と溶着され、前記可動電極と前記温度維持部品と前記リード端子の一部を
覆うカバーが形成されるステップを有することを特徴とする自己復帰型保護素子の製造方法。 - 電池と、前記電池を収納する本体と、前記本体から導出され前記電池と電気的に接合された配線と、前記配線間に設けられしかも前記本体に接触するよう設けられた自己復帰型保護素子とを備え、前記自己復帰型保護素子として請求項3〜29いずれか1記載の自己復帰型保護素子を用いたことを特徴とするパック電池。
- 電源部と、
前記電源を制御する制御部と、
前記電源部から出力された出力線路と、
前記出力線路上に実装された請求項3〜26いずれか1記載の自己復帰型保護素子を有することを特徴とする電源回路。 - 請求項33の電源回路と、
データ処理部と、
制御部と、
マンマシンインターフェースと、
これらを格納する筐体を有することを特徴とする電子機器。 - 基板とカバーとを接着フィルムで溶着したことを特徴とする請求項3〜28いずれか1記載の自己復帰型保護素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004117612A JP2005302546A (ja) | 2004-04-13 | 2004-04-13 | 自己復帰型保護素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005302546A true JP2005302546A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35333778
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004117612A Pending JP2005302546A (ja) | 2004-04-13 | 2004-04-13 | 自己復帰型保護素子 |
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-
2004
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