JP2005301082A - 複合光学機能型素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光モジュール等への組み込み調整時間を短縮することの出来る複合光学機能型素子を提供すること。
【解決手段】 円形の開口を有する円盤状の光機能素子である誘電体多層膜フィルタ22の入射面と射出面の各々に、屈折力を有する光学素子21及び23が誘電体多層膜フィルタ22の開口の全域にわたり接合されてなる複合光学機能型素子である。また、その外形が球状である。誘電体多層膜フィルタ22に換えて、吸収型偏光子、反射型偏光子、ファラデー回転子などからなる光機能素子を用いることも可能である。
【選択図】 図3
Description
本発明は、主に光ファイバ通信に用いられる各種能動/受動モジュールの構成部品である複合光学機能型素子に関する。
光通信においては、光導波路内を伝搬したレーザー光を一旦空間に放出させ、各種光機能素子に入射させた後、再び光導波路に結合させて光導波路内を伝搬させるという手法が用いられる。このような場合、光導波路から射出したレーザービームを光導波路に導く為に、通常、屈折力を有する光学素子が用いられる。一例として、特許文献1の光制御デバイスを挙げることができる。図7に、その光制御デバイスの要部を示す。同図において、130、132、134、136は光導波路である。114及び115はレンズである。116は光機能素子である。光導波路130、132から射出したビームは、レンズ114によってコリメートビームに変換された後、光機能素子116に入力せられ、所望の変調を与えられた後、光機能素子116を射出する。光機能素子116を射出したコリメートビームは、レンズ115で収束ビームに変換された後に、光導波路134、136に結合するものである。
しかしながら従来技術には、以下のような問題点があった。光導波路から出たレーザービームを、レンズで一旦、収束光束或いは発散光束とした上で、光機能素子を透過、又は光機能素子にて反射させた上で、再びレンズを透過させて収束ビームとした上で再び光導波路に収束させる為には、レーザービームの収束位置及び光導波路への入射角度を調整せねばならず、レンズ及び光導波路の位置及び傾きを調整しなければならなかった。調整の際には、レンズ及びファイバが別体の場合には各々の位置及び傾きを調整しなければならなかった。また光機能素子のアパーチャサイズと入射ビームサイズとの比により、入射ビームが光機能素子のアパーチャのエッジで遮蔽される恐れがある場合には、光機能素子の位置調整も併せて行わなければならず、組み込みの際の調整時間が長くなるという欠点があった。
本発明は、従来技術のこのような課題を解決し、光モジュール等への組み込み調整時間を短縮することの出来る複合光学機能型素子を提供するものである。
上記課題を解決するために、第一の発明の複合光学機能型素子は、円形の開口を有する円盤状の光機能素子の入射面と射出面の各々の全域に、屈折力を有する光学素子が少なくとも1つ接合されてなることを特徴とする。
第二の発明の複合光学機能型素子は、第一の発明の複合光学機能型素子において、前記屈折力を有する光学素子は球面の光透過面を有し、前記球面は共通する1つの球の表面上にあることを特徴とする。
第三の発明の複合光学機能型素子は、第二の発明の複合光学機能型素子において、外形が球状であることを特徴とする。
第四の発明の複合光学機能型素子は、第一から第三の発明のいずれかの複合光学機能型素子において、前記光機能素子は、光フィルタ、吸収型偏光子、反射型偏光子、ファラデー回転子のいずれか若しくはそれらの組み合わせからなることを特徴とする。
このように本発明によれば、光機能素子とレンズを一体化したことにより、従来組み込み時に必要であった、光導波路、レンズ、光機能素子の間の位置調整に換えて、簡便に光導波路と結合させることが可能であり、容易に光モジュール等への組み込みが可能な複合光学機能型素子を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面によって説明する。図1は第一の発明の複合光学機能型素子の構成を示す概念図である。図1において、光軸は紙面の左右方向に向かっている。1及び3は屈折力を有する光学素子であり、2は光機能素子である。屈折力を有する光学素子1は、光機能素子2の、ほぼ円形の開口を有する面に接合されている。また屈折力を有する光学素子3は、光機能素子2のほぼ円形の開口を有する他の面に接合されている。
図1において、屈折力を有する光学素子1に入射した光束は、屈折力を有する光学素子1の屈折力の影響を受けて収束又は発散した上で光機能素子2へと入射する。入射光束は光機能素子2にて変調を受け、屈折力を有する光学素子3の側へと射出する。或いは入射光束は光機能素子2で反射し、再び屈折力を有する光学素子1へと戻る。或いは入射光束は光機能素子2で進行光路の位置若しくは方向に変化を与えられ、屈折力を有する光学素子3の側へと射出する。
次に屈折力を有する光学素子1又は3へ入射した光束は、屈折力を有する光学素子1又は3の屈折力の影響を受け、収束状態或いは発散状態を変化させられた上で、屈折力を有する光学素子1又は3を射出する。
このような形で予め、屈折力を有する光学素子1及び屈折力を有する光学素子3を、光機能素子2に一体化しておけば、屈折力を有する光学素子1、光機能素子2、及び屈折力を有する光学素子3の相互の位置調整を行う必要がなく、デバイスの組み立て調整工程を簡略化、短時間化することが出来る。
また図2は、本発明の第二の発明の複合光学機能型素子の構成を示す概念図である。図2において、4及び6は屈折力を有する光学素子であり、5は光機能素子である。同図で示すように、屈折力を有する光学素子の、光機能素子と接合されない面の形状はほぼ球面であり、かつ球面の曲率半径は、円盤状の光機能素子5の半径とほぼ等しい。
このような構成であると、一体化した複合光学機能型素子を球として扱うことが可能となり、加工の際には板状の各素子を接合した上で、ボール研磨等の、形状を球状化するプロセスを使用すれば、屈折力を有する光学素子と光機能素子との加工を一括して行うことが出来、加工工数の短縮化に繋がる。
また一体化した上で形状を球状化すれば、屈折力を有する光学素子4の曲率中心位置と屈折力を有する光学素子6の曲率中心位置を一致させることが可能にあり、屈折力を有する光学素子4、光機能素子5、屈折力を有する光学素子6の相互の位置調整を行う必要が無くなり、組み立て調整工数の短縮化に繋がるものである。
実施例を挙げてさらに詳しく説明する。図3は本発明の複合光学機能型素子の第一の実施例を示す図である。図3において、21は屈折力を有する光学素子であり、光学硝子であるSF58(ショット社製)の片面に曲率半径2mmの球面加工を施し、もう一方の面に光学平面研磨を施したものである。22はTiO2及びSiO2を積層した誘電体多層膜フィルタであり、1500nm未満の波長の光を反射し、1520nm以上の光を透過するエッジフィルタである。23は屈折力を有する光学素子であり、光学硝子であるSF58(ショット社製)の片面に曲率半径2mmの球面加工を施し、もう一方の面に光学平面研磨を施したものである。また屈折力を有する光学素子21の中心厚みは1.75mm、誘電体多層膜フィルタ22の中心厚みは0.5mm、屈折力を有する光学素子23の中心厚みは1.75mmに設定してある為、これら三者を接合した光学素子の厚みは4mmとなり、また21及び23の曲率半径は2mmに加工されている為、この素子はほぼ球状の外形をなしている。
また24は光導波路であり、25は端面射出型のレーザーダイオードであり、波長1310nmのレーザー光を発する。また26はフォトダイオードであり、1550nm帯に感度を有するものである。
次に図3に基づき、本実施例の作用について説明する。光導波路24から射出した波長1550nmのレーザービームは、屈折力を有する光学素子21に入射し、コリメートビームとなって誘電体多層膜フィルタ22に入射する。この誘電体多層膜フィルタ22の特性から、レーザービームは誘電体多層膜フィルタ22にて反射し、光学素子21内部を逆に伝搬する。その波長1550nmのレーザービームは、光学素子21を射出するが、その際、球面の屈折力により収束ビームとなってフォトダイオード26に入射する。
また端面射出型のレーザーダイオード25から射出した波長1310nmのレーザービームは、屈折力を有する光学素子23に入射する。ここでレーザービームは平行ビームとなって光学素子23内部を伝搬し、誘電体多層膜フィルタ22に入射する。その誘電体多層膜フィルタ22の特性上、波長1310nmのレーザービームは誘電体多層膜フィルタ22を透過し、光学素子21に入射する。次にレーザービームは光学素子21内部を伝搬し、射出する際に光学素子21の球面の屈折力によって収束ビームとなって、光導波路24に入射する。
本実施例においては、誘電体多層膜フィルタが屈折力を有する光学素子と一体化されている為、図示しないが例えば溝加工したシリコン等の基板上に各部品を載置することにより、実装を簡易に済ますことが出来る。また各部品をホルダに納め、各々の位置を調整する、いわゆるバルク型の構成においても、フィルタの位置及び角度調整を個別に行う必要がない。
また本実施例において、誘電体多層膜フィルタは、基準波長より短波長側を透過し長波長側を反射するエッジフィルタと呼ばれる光フィルタであるが、波長合分波の仕様によっては、特定の波長帯域のみを透過する特性を有する、いわゆるバンドパスフィルタを用いても差し支えない。
本実施例におけるレーザーダイオード及びフォトダイオードの代わりに、シングルモードファイバ等の光導波路を用いても差し支えない。
また本実施例においては、屈折力を有する光学素子の球面の曲率半径と、光機能素子の半径がほぼ等しく、すなわち全体の外形はほぼ球状をしているが、有効径を損なわない範囲で、外周を丸め加工し、直径を小さくしても構わない。或いは固定のための平面を設けてもよい。
図4は本発明の第二の実施例の複合光学機能型素子を示す図である。
図4において、31は屈折力を有する光学素子であり、複屈折結晶であるルチルより出来ている。片面は曲率半径2mmに球面研磨されており、また光路方向のもう一方の面は光学平面研磨されている。またルチルの光学軸は、紙面に−45°の角度で交わる平面内にあり、素子の中心軸に対して47.8°の角度を成す方向に指向している。
32は反射型偏光子であり、フォトニック結晶と呼ばれる、周期0.5μm程度の鋸歯状の構造を有するSiとSiO2とを交互に積層した素子である。本実施例の素子は波長1480nmにおいて、TM波を透過しTE波を反射する性質を有する。
33は屈折力を有する光学素子であり、複屈折結晶であるルチルより出来ている。片面は曲率半径2mmに球面加工されており、またもう一方の面は光学平面研磨されている。
34はもう1つの屈折力を有する光学素子であり、複屈折結晶であるルチルより出来ている。片面は曲率半径2mmに球面研磨されており、また光路方向のもう一方の面は光学平面研磨されている。そのルチルの光学軸は、図4の紙面に平行な面に対して45°の角度を成す角度で交わる平面内で、素子の中心軸に対して47.8°を成す角度に指向している。
ここで、屈折力を有する光学素子31及び34は、図4に示すように、合わせて1つの球面を形成するように、反射型偏光子32に対して、上下に並んで配置されている。また35及び36はBi置換磁性ガーネット厚膜であり、各々入射偏波を45°回転させる機能を有する。
屈折力を有する光学素子31、33及び34の光路方向の厚みは1.4mm、Bi置換磁性ガーネット厚膜35及び36の厚みは0.5mm、反射型偏光子32の厚みは0.2mmであり、また屈折力を有する光学素子31、33、34の曲率半径は2mmである為、本実施例の光学素子はほぼ球形状をしている。
37はBi置換磁性ガーネット厚膜35及び36にファラデー回転の為に必要な磁場を印加する永久磁石である。
また38はレーザーダイオードであり、射出ビームの偏光方向は、紙面に水平な方向である。また39もレーザーダイオードであり、射出ビームの偏光方向は、紙面に垂直な方向である。
40は、レーザーダイオード38及びレーザーダイオード39から射出したレーザービームが結合するシングルモードファイバである。
次に図4に基づき本実施例の作用について説明する。レーザーダイオード38を射出したレーザービームは、屈折力を有する光学素子31の球面形状をした入射面で収束作用を与えられ、コリメートビームとなって屈折力を有する光学素子31内部を伝搬する。この際、入射ビームの偏光方向は、屈折力を有する光学素子31を形成するルチルの光学軸を含む面と直交している為、入射ビームは屈折力を有する光学素子31内を常光として伝搬する。
この屈折力を有する光学素子31を射出したビームは、Bi置換磁性ガーネット厚膜35に入射する。そのBi置換磁性ガーネット厚膜35内部を伝搬する間に、入射ビームはその偏波方向を45°回転される。Bi置換磁性ガーネット厚膜35を透過したレーザービームは、反射型偏光子32に入射する。この反射型偏光子32に対しては、入射ビームはTE波として入射する為、レーザービームは反射型偏光子32の表面で反射し再びBi置換磁性ガーネット厚膜35に入射する。
その入射レーザービームは、Bi置換磁性ガーネット厚膜35内部を伝搬する間に偏波方向を再び45°回転される。したがって入射ビームはその偏光方向を2回、各々45°回転させられる為に、Bi置換磁性ガーネット厚膜35を射出する際には、元の偏光方向に対して90°偏光方向を回転される。
次にBi置換磁性ガーネット厚膜35を射出したレーザービームは、屈折力を有する光学素子34に入射する。この屈折力を有する光学素子34はルチルから出来ており、入射ビームの偏光方向はこのルチルの光学軸を含む面と直交する為、入射ビームは屈折力を有する光学素子34内部を常光として伝搬する。
この屈折力を有する光学素子34を射出するレーザービームは、射出時に屈折力を有する球面にて収束ビームとなり、シングルモードファイバ40に入射、結合する。
他方、レーザーダイオード39を射出したレーザービームは、屈折力を有する光学素子33に入射する。この屈折力を有する光学素子33の屈折力により、コリメートビームとなって屈折力を有する光学素子33の内部を伝搬し、Bi置換磁性ガーネット厚膜36に入射する。Bi置換磁性ガーネット厚膜36において、入射ビームの偏光方向は45°回転される。
そのBi置換磁性ガーネット厚膜36を射出したレーザービームは、反射型偏光子であるフォトニック結晶に入射する。このフォトニック結晶にとって、入射偏光方向はTM波となるので、レーザービームはフォトニック結晶を透過して、Bi置換磁性ガーネット厚膜35に入射する。ここで再び、入射レーザービームの偏光方向は、再び45°回転させられる。入射ビームはその偏光方向を2回、各々45°回転させられる為に、Bi置換磁性ガーネット厚膜35を射出する際には、元の偏光方向に対して90°偏光方向を回転される。
次にBi置換磁性ガーネット厚膜35を射出したレーザービームは、屈折力を有する光学素子34に入射する。この屈折力を有する光学素子34はルチルから出来ており、入射ビームの偏光方向はルチルの光学軸を含む面と直交する為、入射ビームは屈折力を有する光学素子34内部を常光として伝搬する。その屈折力を有する光学素子34を射出するレーザービームは、射出時に屈折力を有する球面にて収束ビームとなり、シングルモードファイバ40に入射、結合する。このような動作により、2つのレーザーダイオードから射出したレーザービームを、1本のファイバに結合し合成することが可能となる。
なお、シングルモードファイバ40の先端部の反射点にて、レーザービームの一部が本複合光学機能型素子に戻ってくる場合がある。戻り光がレーザーダイオード38又は39に戻った場合、レーザーダイオードの発振が不安定になる、光誘起雑音が増加するなどの不具合が生じるが、本複合光学機能型素子においては、構成する各素子の作用により、戻り光に対して光アイソレータとして動作する為に、反射光による不具合を防止することが可能である。
すなわち、シングルモードファイバ40を射出した戻り光は、屈折力を有する光学素子34に入射するが、ここで屈折力を有する光学素子34は複屈折結晶であるルチルで出来ている為、屈折力を有する光学素子34の内部で常光成分と異常光成分とに分離される。
まず常光成分は、屈折力を有する光学素子34の内部を直進し、Bi置換磁性ガーネット厚膜35に入射する。このBi置換磁性ガーネット厚膜35の内部を直進する間に、入射ビームの偏光方向は、45°回転させられる。
そのBi置換磁性ガーネット厚膜35を射出したビームは、反射型偏光子であるフォトニック結晶に入射する。入射ビームはフォトニック結晶に対してTM波として入射することになる為、フォトニック結晶を透過し、Bi置換磁性ガーネット厚膜36に入射する。
そのBi置換磁性ガーネット厚膜36においては、入射ビームの偏波は45°回転され、屈折力を有する光学素子33に入射する。屈折力を有する光学素子33において、入射ビームは異常光となり、屈折力を有する光学素子33内でビームシフトを生じる。その結果、入射ビームは屈折力を有する光学素子33の中心部を外れて伝搬し、屈折力を有する光学素子33の周縁部に達した上で、屈折力を有する光学素子33を射出する。この際にビームは、屈折力を有する光学素子33の屈折力の影響を受けて収束ビームとなる。収束ビームはレーザーダイオード39の側に射出するが、屈折力を有する光学素子33内部においてビームシフトを生じている為に、レーザーダイオード39の位置からは外れて射出することになり、反射点からの戻り光がレーザーダイオード39に戻るのを防ぐことが出来る。
他方、異常光成分は屈折力を有する光学素子34内部でビームシフトを生じ、Bi置換磁性ガーネット厚膜35に入射する。このBi置換磁性ガーネット厚膜35の内部を直進する間に、入射ビームの偏光方向は、45°回転させられる。Bi置換磁性ガーネット厚膜35を射出したビームは、反射型偏光子32であるフォトニック結晶に入射する。そのとき入射ビームはフォトニック結晶に対してTE波として入射することになる為、フォトニック結晶にて反射し、再びBi置換磁性ガーネット厚膜35に入射する。
Bi置換磁性ガーネット厚膜36においては、入射ビームの偏波は45°回転され、屈折力を有する光学素子31に入射する。屈折力を有する光学素子31においては、入射ビームは異常光として振る舞うことになるので、屈折力を有する光学素子31内部を透過する際にビームシフトを生じながら、屈折力を有する光学素子31の端面に達する。ビームは、屈折力を有する光学素子31の光学面の屈折力の影響を受けて、収束ビームとなって屈折力を有する光学素子31を射出する。
このときビームは、レーザーダイオード38の側に射出することになるが、屈折力を有する光学素子31の内部でビームシフトを生じている為に、レーザーダイオード38の位置からは外れて射出することとなり、反射点からの戻り光がレーザーダイオード38に戻るのを防ぐことが出来る。
本実施例においては、屈折力を有する光学素子に複屈折結晶で分離型偏光子の機能を有するルチルを使用したが、同様に偏光分離作用を有する複屈折結晶であるYVO4やLiNbO3を用いてもよい。
また本実施例においては、屈折力を有する光学素子31、33及び34に同一の材料を用いたが、レーザーダイオード38、レーザーダイオード39、シングルモードファイバ40の有するモードフィールド半径に応じ、使用する材料に、同様の複屈折材料のYVO4やLiNbO3を用い、各光学素子の屈折力を調整しても構わない。
また本実施例においては、反射型偏光子にはフォトニック結晶を用いたが、回折素子や偏光フィルムなど同様の機能を有する反射型偏光子を用いても構わない。
図5及び図6は本発明の第三の実施例を示す図である。図5において、41は屈折力を有する光学素子であり、複屈折結晶であるルチルで出来ている。42はBi置換磁性ガーネット厚膜である。43も屈折力を有する光学素子であり、複屈折結晶であるルチルで出来ている。
44は光学素子にレーザービームを入射する為のシングルモードファイバであり、また45は光学素子から射出したビームを結合させる為のシングルモードファイバである。また46は、Bi置換磁性ガーネット厚膜に磁場を印加する為の永久磁石である。
屈折力を有する光学素子41を構成するルチルの光学軸は、図5において紙面の左から右に向かう光路方向にZ軸、紙面の下から上に向かう方向にX軸、紙面で垂直に手前に向かう方向にY軸をとり、直交座標系を設定したとき、XY面内にあってX軸と成す角度が22.5°の方向に指向している。また屈折力を有する光学素子43は、X軸と成す角度が−22.5°の方向に指向している。
また図6は、ビームが逆方向に伝搬する場合の光路を示す図である。
次に図5及び図6に基づき、本実施例の作用を説明する。図5において、シングルモードファイバ44から射出したビームは、屈折力を有する光学素子41に入射する。ここで入射ビームは、屈折力を有する光学素子41の入射面の屈折力の影響を受け、平行ビームとなるが、それと同時に、構成材料であるルチルの複屈折性の影響を受けて、簡略化のために図示は省略したが、常光成分と異常光成分の2つの成分のビームに分離する。
分離した2つのビームは、屈折力を有する光学素子41中を伝搬し、Bi置換磁性ガーネット厚膜42との界面が傾斜している為にここで屈折する。ここで常光成分のビームと、異常光成分のビームとは、異なる屈折率が関与する為、界面での屈折角度は、常光成分のビームと異常光成分のビームとで異なる。
屈折力を有する光学素子41を射出する際に屈折したビームは、Bi置換磁性ガーネット厚膜42に入射し、各々その偏波方向を−45°回転される。Bi置換磁性ガーネット厚膜42を射出した2つのビームは、屈折力を有する光学素子43に入射する。ここで、屈折力を有する光学素子41の光学軸方向に対して、屈折率を有する光学素子43の光学軸の方位は、反時計回り方向に45°ずれており、これはBi置換磁性ガーネット厚膜42によるファラデー回転の方向と同一方向である。従って、屈折力を有する光学素子41を常光成分として透過したビームは、屈折力を有する光学素子43に対しても常光成分として入射する。また同様に、光学素子41を異常光成分として透過したビームは、光学素子43に対しても異常光成分として入射する。
入射の際、Bi置換磁性ガーネット厚膜42と、屈折力を有する光学素子43との界面は傾斜している為、屈折を生じるが、界面の傾斜方向は、光学素子41とBi置換磁性ガーネット厚膜42との間の界面の傾斜方向と同一である為、屈折力を有する光学素子41とBi置換磁性ガーネット厚膜42との間の界面で生ずる屈折とは逆の方向に光線が指向することとなる。
加えて、各界面での屈折に寄与する屈折率は、屈折力を有する光学素子41とBi置換磁性ガーネット厚膜42との界面と、Bi置換磁性ガーネット厚膜42と屈折力を有する光学素子43との界面とで、各ビームごとに等しくなる。すなわち、屈折力を有する光学素子41を透過した光束は、Bi置換磁性ガーネット厚膜42との間で一旦、図5における下方に屈折し、屈折力を有する光学素子43に入射する際に、同じ大きさの角度で今度は上方に屈折する。従って、屈折力を有する光学素子43内部におけるビームの進行方向は、屈折力を有する光学素子41内部におけるビームの進行方向と同一となる。
屈折力を有する光学素子43内部を伝搬した2つのビームは、屈折力を有する光学素子43を射出する際に、屈折力を有する光学素子43の、屈折力を有する面で収束され、収束ビームとなって射出する。この場合、屈折力を有する面への入射角について2つのビームの間で差はない為、2つのビームは、屈折力を有する光学素子43の焦点位置近傍の同じ位置に収束し、焦点位置近傍に配置されたシングルモードファイバ45に結合する。
逆にシングルモードファイバ45からビームが射出する場合について図6を参照して説明する。シングルモードファイバ45から射出したビームは、屈折力を有する光学素子43の屈折力を有する面に入射し、前記屈折力により平行光束となって、屈折力を有する光学素子43の内部を伝搬する。
その屈折力を有する光学素子43の内部を伝搬したビームは、屈折力を有する光学素子43と、Bi置換磁性ガーネット厚膜42との界面にて屈折し進行方向が変化するが、その際ビームは、屈折力を有する光学素子43の光学軸の方向に電場の振動方向を有する異常光成分と、前記光学軸と直交する方向に電場の振動方向を有する常光成分の2つに分離して射出する。2つのビームの屈折に関与する屈折率は、常光成分と異常光成分とで異なる為、常光と異常光では異なる角度で屈折し、Bi置換磁性ガーネット厚膜42に入射する。
Bi置換磁性ガーネット厚膜42に入射した2つのビームは、その偏波方向を、シングルモードファイバ45の側から見て、各々45°回転させられる。
Bi置換磁性ガーネット厚膜42を射出した2つのビームは、屈折力を有する光学素子41に入射する。ここでも界面が傾斜している為に、2つのビームは屈折するが、屈折に寄与する屈折率は、屈折率を有する光学素子41内部において、ビームが各々常光として振る舞うか、異常光として振る舞うかによって異なる。
ここで、屈折力を有する光学素子43の光学軸の方位に対して、屈折力を有する光学素子41の光学軸の方位は、−45°の方位に位置するが、それに対して、2つのビームがBi置換磁性ガーネット厚膜42を透過する間に及ぼされるファラデー回転角は45°である為、常光及び異常光の関係が、屈折力を有する光学素子43透過時と、屈折力を有する光学素子41透過時とでは逆転する。すなわち、屈折力を有する光学素子43を常光として透過したビームは、屈折力を有する光学素子41においては異常光として透過し、一方、屈折力を有する光学素子43を異常光として透過したビームは、屈折力を有する光学素子41においては常光として透過する。
従って、ビームが2つの界面を透過する際、各々の界面で与えられる屈折角の総和は零にはならないことになる。屈折力を有する光学素子41及び屈折力を有する光学素子43を構成するルチル結晶の場合、異常光に対応する屈折率のほうが大きな値である為、各ビームは、異常光として透過する側の光学素子がビームを曲げる側に指向した状態で、屈折力を有する光学素子41内部を伝搬する。
屈折力を有する光学素子41内部を伝搬した光束は、屈折力を有する面の屈折力の影響により、収束ビームとなって、屈折力を有する光学素子41を射出する。この場合ビームは、屈折力を有する面へ斜めに入射することとなる為、シングルモードファイバ44から離間した位置に収束することとなり、シングルモードファイバ45から射出した光束は、シングルモードファイバ44には結合せず、光アイソレータ動作がなされる。
本実施例においては、屈折力を有する光学素子41と、Bi置換型磁性ガーネット厚膜42、屈折力を有する光学素子43とが一体となっており、かつ全体が球状となっている為に、各素子を構成する材料を接合した後、所望の大きさに切断の上、表面を球状に加工すれば製作することが出来、製作工程を単純にすることが可能となる。
また本実施例においては、複合光学機能型素子の全体形状は球形のままであるが、細径化の為に、全体を球面加工した後に、周縁部を除去し、円筒状にしても構わない。
また本実施例においては、屈折力を有する光学素子に複屈折結晶で分離型偏光子の機能を有するルチルを使用したが、同様に偏光分離作用を有する複屈折結晶であるYVO4やLiNbO3を用いてもよい。
また本発明の実施例においては、光機能素子として、(1)光フィルタ、(2)ファラデー回転子と反射型偏光子の組み合わせ、(3)ファラデー回転子のみを用いた場合を示したが、同様に、光フィルタ、吸収型偏光子、反射型偏光子、ファラデー回転子のいずれか、若しくはそれらの組み合わせからなる光機能素子を用いた場合に本発明の実施例と同様な効果が得られることは明らかである。
以上のように本発明によれば、従来組み込み時に調整を要した、光機能素子及びレンズを一体化したことにより、光機能素子の光モジュールへの組み込みを簡便化することが可能となる。
1,3,4,6,21,23,31,33,34,41,43 屈折力を有する光学素子
2,5,116 光機能素子
22 誘電体多層膜フィルタ
24 光導波路
25 端面射出型のレーザーダイオード
26 フォトダイオード
32 反射型偏光子
35,36,42 Bi置換磁性ガーネット厚膜
37,46 永久磁石
38,39 レーザーダイオード
40,44,45 シングルモードファイバ
114,115 レンズ
130,132,134,136 光導波路
2,5,116 光機能素子
22 誘電体多層膜フィルタ
24 光導波路
25 端面射出型のレーザーダイオード
26 フォトダイオード
32 反射型偏光子
35,36,42 Bi置換磁性ガーネット厚膜
37,46 永久磁石
38,39 レーザーダイオード
40,44,45 シングルモードファイバ
114,115 レンズ
130,132,134,136 光導波路
Claims (4)
- 円形の開口を有する円盤状の光機能素子の入射面と射出面の各々の全域に、屈折力を有する光学素子が少なくとも1つ接合されてなることを特徴とする複合光学機能型素子。
- 請求項1に記載の複合光学機能型素子において、前記屈折力を有する光学素子の各々は球面の光透過面を有し、前記球面は共通する1つの球の表面上にあることを特徴とする複合光学機能型素子。
- 請求項2に記載の複合光学機能型素子において、外形が球状であることを特徴とする複合光学機能型素子。
- 請求項1から請求項3のいずれかに記載の複合光学機能型素子において、前記光機能素子は、光フィルタ、吸収型偏光子、反射型偏光子、ファラデー回転子のいずれか若しくはそれらの組み合わせからなることを特徴とする複合光学機能型素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004119689A JP2005301082A (ja) | 2004-04-15 | 2004-04-15 | 複合光学機能型素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004119689A JP2005301082A (ja) | 2004-04-15 | 2004-04-15 | 複合光学機能型素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005301082A true JP2005301082A (ja) | 2005-10-27 |
Family
ID=35332665
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004119689A Pending JP2005301082A (ja) | 2004-04-15 | 2004-04-15 | 複合光学機能型素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005301082A (ja) |
-
2004
- 2004-04-15 JP JP2004119689A patent/JP2005301082A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20060822 |