JP2005299614A - タービン動翼及びそれを用いたタービン - Google Patents

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Abstract

【課題】
本発明の目的は、軸方向厚みが変化する段差部において大きな曲率半径を確保でき、ピン穴中心と軸方向厚みが減少する開始点の半径方向距離を十分に確保し、これらを両立させることによりフォーク段差部の応力を低減し、応力腐食割れ及び疲労に対する強度を高めることのできるタービン動翼及びそれを用いたタービンを提供することにある。
【解決手段】
本発明は、翼と、軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備え、前記足の少なくとも1本は、軸方向厚さが減少する段差部の終止点における周方向の全長に亘って同じ曲率半径において生じる最大応力に比較してそれより小さくなるように前記段差部の開始点と終止点における形状が周方向において異なっていることを特徴とするタービン動翼にある。
【選択図】 図1

Description

本発明はフォーク型植込部による結合構造を有する新規なタービン動翼及びタービンに係り、特に蒸気タービン動翼及び蒸気タービンに関する。
図2は従来の蒸気タービンにおけるフォーク型翼植込部を有するタービン動翼とロータディスクの植込部構造を示す鳥瞰図である。タービン動翼は、翼1と、ロータディスクの植込部の内周側にタービン軸方向に配列した複数の翼側フォーク2とを有し、一方ロータディスク4にも軸方向に複数のディスク側フォーク3が形成されている。翼1の翼側フォーク2をディスク側フォーク3に交互に挿入した後、半径方向位置の異なる複数の箇所に軸方向にディスク側フォークのピン穴7を設け、半径方向位置の異なる複数のフォークピン20を貫通させることにより翼1をロータディスク4に取り付ける構造である。又、翼1は、翼側フォーク2の周方向に対して紙面において表側が背側及びその裏側が腹側が形成される。
図3は翼側フォークをディスク側フォークとが交互に挿入された断面図である。図3に示すように、このような構造では、フォークの断面平均応力を適正化するために翼側フォーク2の軸方向厚み30を内周側に位置するほど小さくなるように形成している。そのため、翼側フォーク2、及びディスク側フォーク3には軸方向厚みが変化する段差部5が存在し、段差部5において応力集中が生じる。
近年、高効率化のために蒸気タービンの低圧最終段では長翼化が進められており、長翼化に伴って翼に作用する遠心力が増大する。また長期間の運転により翼植込部の隙間に蒸気中に含まれる腐食生成物が濃縮するため、タービン動翼とディスクの結合部は厳しい使用条件下にある。このような使用条件においても、翼側フォークのピン穴6、及びディスク側フォークのピン穴7、さらに翼側フォークの軸方向厚み30の異なる段差部5において、応力腐食割れや疲労に対して十分な強度を有している必要がある。
従来技術では、図3(b)に示すように翼側フォーク軸方向厚み30の異なる段差部5において、段差部の直線部と半径方向がなす角度15を設けてフォーク段差部の直線部9で繋ぎ、さらに応力集中を低下させるため翼側フォーク2とディスク側フォーク3の段差部底に曲率半径8a、8bを形成している。従来技術では段差部の曲率半径8a、8bは周方向の位置によらず一定に形成されていた。ここで、段差部5の局所応力を低減させるためには、段差部底の曲率半径8a、8bを大きく形成すれば良いが、その場合に以下の問題が生じた。
即ち、図4(a)に示すように翼側フォーク2の段差部5の曲率半径底の位置Aを従来構造による段差部の形状線12の曲率半径底の位置と同じにして翼側フォーク2の曲率半径を拡大した翼側フォーク段差部の曲率半径を増加した場合の形状線11にすると、翼側フォーク2の軸方向の厚みが減少する開始点Dが外周側に移動することにより、ピン穴6aと開始点Dの翼側フォーク2の曲率半径を増加した場合の翼側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離14が従来構造における翼側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離13よりも短くなる。翼側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離13が短くなると翼側フォーク2のピン穴6aまわりの剛性低下によりピン穴6aの応力集中が増加するという問題がある。
一方、図4(b)に示すように翼側フォーク2の軸方向の厚みが減少する開始点Dを従来構造と同じにして翼側フォークの曲率半径を増加した場合の形状線16にすると、翼側フォーク2とディスク側フォーク3が干渉しないように両者の間に十分な軸方向隙間21を設ける必要があることから、ディスク側フォーク3の段差部の形状を従来構造による形状線22に対して内周側に移動させた翼側フォークの曲率半径増加した場合におけるディスク側フォーク段差部の形状線17にする必要がある。この場合、ディスク側フォーク3の軸方向厚みが減少する開始点Eとディスク側フォークのピン穴7b中心の翼側フォークの曲率半径を増大させた場合のディスク側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離18が従来構造によるディスク側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離19よりも短くなることにより、ディスク側フォークのピン穴7の局所応力が増加する問題があった。
特許文献1ではピン穴とその近傍に圧縮残留応力を形成させること、特許文献2ではピン穴の位置を調整して翼腹側と翼背側での応力の均衡化を図ることが示されている。
特開昭63-248901号公報 特開2001-193406号公報
上述した従来技術では、腐食環境下で高い局所応力が発生するタービン翼とディスクの結合部において、フォーク軸方向厚みが変化する段差部において大きな曲率半径を確保することと、ピン穴中心と翼側フォークの軸方向厚みが減少する開始点の半径方向距離を十分に確保することを両立させることが困難であった。又、いずれの特許文献においても、フォークに掛かる最大応力の軽減については全く示されていない。
本発明の目的は、軸方向厚みが変化する段差部において大きな曲率半径を確保でき、ピン穴中心と軸方向厚みが減少する開始点の半径方向距離を十分に確保し、これらを両立させることによりフォーク段差部の最大応力を低減し、応力腐食割れ及び疲労に対する強度を高めることのできるタービン動翼及びそれを用いたタービンを提供することにある。
本発明は、翼と、軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備え、前記足の少なくとも1本は、軸方向厚さが減少する段差部の終止点における周方向の全長に亘って同じ曲率半径において生じる最大応力に比較してそれより小さくなるように前記段差部の開始点と終止点における形状が周方向において異なっていることを特徴とするタービン動翼にある。
又、本発明は、翼と、軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備え、前記足のうち少なくとも1本の前記翼背側の周方向端部における最大応力が前記翼腹側の周方向端部のそれより小さくなる形状を有することを特徴とするタービン動翼にある。
更に、本発明は、ロータシャフトに形成されたロータディスクに、翼と軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備えた複数のタービン動翼を前記フォークによって前記ピン穴へのピンの挿入より結合されるタービンにおいて、前記タービン動翼は前記複数の足のうちその中心の1〜3本のいずれかの足がそれ以外の足と比較して最大応力がそれより小さくなる形状を有することを特徴とするタービンにある。
又、本発明は、ロータシャフトに形成されたロータディスクに、翼と軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備えた複数のタービン動翼を前記フォークによって前記ピン穴へのピンの挿入より結合されるタービンにおいて、前記タービン動翼は前記複数の足のうち少なくとも1本の前記翼背側の周方向端部における最大応力が前記翼腹側の周方向端部のそれより小さくなる形状を有することを特徴とするタービンにある。
本発明によれば、軸方向厚みが変化する段差部において大きな曲率半径を確保でき、ピン穴中心と軸方向厚みが減少する開始点の半径方向距離を十分に確保し、これらを両立させることによりフォーク段差部の応力を低減し、応力腐食割れや疲労に対する強度を高めることのできるタービン動翼を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体的な実施例によって説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1は本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの正面図(a)と斜視図(b)である。本実施例におけるタービンは、前述の図2と同様である。タービン動翼は、図1(a)に示すように、翼1と、軸方向に厚さが3段階に異なり2つの段差部5及び各段に各々ピン穴6a〜6cを有する7本の足2a〜2gから成る翼側フォーク2とを備えている。又、図1(b)に示すように、翼側フォーク2の軸方向厚み30が変化する段差部5において、フォーク周方向端部における段差部の曲率半径31を段差部5を上下に挟んで半径方向に配置された2箇所のピン穴6a, 6bの中心を結んだ線32上における段差部の曲率半径33よりも大きく形成している。ここで曲率半径として、周方向を法線方向とする面内の曲率半径と定義する。更に、段差部5の周方向端部における翼側フォーク軸方向厚み30が減少する開始点とピン穴6a中心との半径方向距離35を、段差部5のピン穴6a中心線上における翼側フォーク軸方向厚み30が減少する開始点とピン穴6a中心との半径方向距離36よりも小さく形成している。
即ち、段差部5において高い応力が発生する周方向端部に対して大きな曲率半径31を確保することにより、段差部の応力を低減する効果がある。又、ピン穴中心線32上においてフォーク軸方向幅が減少する開始点とピン穴中心の半径方向距離36を大きく確保することにより、段差部の曲率半径拡大に伴うピン穴の応力増加を最小限に抑える効果がある。このようにフォーク段差部とフォークピン穴の両方の箇所において局所応力を適正化することにより、応力腐食割れや疲労に対して強度を高める効果が期待できる。
翼側フォーク2の周方向端部と段差部5を挟んで半径方向に配置された2箇所のピン穴の中心を結んだ線で示されるピン穴中心線32との間において、フォーク軸方向厚み30が減少する開始点を結んだ線42は連続性を保つように滑らかに形成されている。線42の位置として、ピン穴6a周りの剛性低下を抑制するために次の領域にあることが望ましい。すなわち、線42は、ピン穴6aの中心を中心点にとり、ピン穴中心線32上における翼側フォーク2の軸方向厚みが変化する開始点とピン穴6a中心との半径方向距離36を半径としたピン穴を中心としてピン穴中心から軸方向厚みが減少する開始点までの距離を半径とする円弧43よりも内周側に位置するのがよい。
図5は、本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの部分側面図である。周方向端部における段差部の形状としては、図5(a)に示すように段差部の周方向端部における直線部の形状線37と円弧の組み合わせでもよいし、図5(b)のように曲率半径31の1円弧で形成してもよい。また、図5(c)に示すように、2円弧など複数円弧の組み合わせでもよい。いずれの形状であっても、周方向端部における曲率半径31をピン穴中心線32上における段差部のピン穴中心線上の形状線39の曲率半径33よりも大きく形成することにより、応力腐食割れや疲労に対して強度を高める効果が期待できる。フォーク段差部の周方向端部の曲率半径を増加させる範囲40としては、高応力が発生する領域を十分に網羅できることを考慮して、フォーク周方向幅41の10%以上設けることが望ましい。
一般に、タービン動翼材料に使われる高強度材においては、材料の強度を高めるほど応力腐食割れに対する感受性が高くなる傾向がある。Cr含量が10〜18%のマルテンサイト系ステンレス鋼を翼材として採用する場合には、引張強さが1000 MPa以上に対して適用するのが望ましい。また段差部の曲率半径加工部にショットピーニングを施して圧縮残留応力を負荷すると、応力腐食割れや疲労に対して強度が向上するので望ましい。
図6は、本発明に係るタービン動翼を有限要素解析した事例を示す説明図である。段差部の曲率半径底とピン穴中心との半径方向距離c0を一定に固定し、フォーク軸方向厚み比t2/t1=1.53、ピン穴径dとフォーク周方向幅Hの比d/H=0.32の条件で解析を行った。解析を実施したのは、 (1)翼側フォークの段差部の曲率半径R1が小さく、周方向幅に対して一定の場合(図6(a), R1/t1=0.116、c1/d=0.86))、(2) 翼側フォークの段差部の曲率半径R2が大きく、周方向幅に対して一定の場合(図6(b), R2/t1=0.87、c2/d=0.63))、(3)周方向端部における段差部の曲率半径R2をピン穴中心線32上の段差部における曲率半径R1よりも大きく形成した本発明の条件(図6(c), R1/t1=0.116、R2/t1=0.87, c1/d=0.86, c2/d=0.63))である。上記3条件による段差部の最大応力発生位置50の応力を図6(d)、ピン穴の最大応力発生位置51の応力を図6(e)に示す。これらの図では解析条件(a)の応力で規格化して示している。周方向端部の段差部の曲率半径を大きく確保した条件(2), (3)では、条件(1)と比較して段差部の最大応力を約30%低下させることができる。一方、ピン穴の最大応力の増加率について、本発明の条件(3)では従来技術による条件(2)よりも応力増加量を小さく抑えることができることが確認された。なお、本実施例の効果は有限要素解析した寸法比に限定されるものではなく、本実施例の趣旨を反映させた形状であれば同様の効果が期待できるのは言うまでもない。
本実施例においては、最終段タービン動翼において、3本の足2c、2d、2eの中心部で、軸方向厚さがもっとも大きい段差部5が、軸方向厚さが減少する段差部5の終止点における周方向の全長に亘って同じ曲率半径において生じる最大応力に比較してそれより小さくなるように段差部5の開始点42と終止点における形状が周方向において異なっているものである。
又、周方向端部における開始点が6ピン穴の半径方向中心線上における位置よりも半径方向外周側にあり、終止点が周方向でほぼ同じ位置にあること、又終止点の周方向端部における曲率半径31がピン穴の半径方向中心線上における曲率半径33より大きくなっている。
更に、曲率半径33は、ピン穴6の半径方向中心線上における周辺部が同等で、周辺部より周方向の両側で各々遠ざかるにつれて徐々に大きく、開始点42はピン穴6の半径方向中心線上における周辺部が平坦で、周辺部より周方向の両側で各々遠ざかるにつれて半径方向外周側に形成されている。
又、本実施例は、周方向端部の曲率半径31がピン穴6の半径方向中心線上の曲率半径33よりも大きく、開始点42とピン穴6の周方向中心線上との間の半径方向距離において周方向端部における距離35がピン穴6の周方向中心線上における距離36よりも小さい。
本実施例においては、翼側フォーク2は7本の足2a〜2gを有するものであるが、その足のうち中心の1本、2本、3本のいずれかにおいて、少なくとも軸方向厚さが最も大きい部分で前述の形状を有すること、又、複数の足の全数及び段差部を有する全段が前述の形状を有すること、更に、足は9本を有するものであること、最終段の前段にも適用するのが好ましい。
本実施例では、新規のタービン翼に適用できるだけでなく、長年運用してきた既存のタービン翼に対しても適用可能である。既存のタービン翼に適用する際に特別な加工設備を必要とせず現地で適用可能なため、容易に実施できる。
本実施例においては、フォーク段差部において高い応力が発生する周方向両端部に対して大きな曲率半径を確保することにより、段差部の応力を低減する効果がある。さらに段差部をはさんだ2箇所のピン穴の中心線上においてフォーク軸方向幅が減少する開始点とピン穴中心の半径方向距離を大きく確保することにより、段差部の曲率半径の拡大に伴うピン穴の応力増加を最小限に抑える効果がある。このようにフォーク段差部とフォークピン穴の両方の箇所において局所応力を適正化することにより、応力腐食割れや疲労に対する強度を高める効果がある。
又、長期間運用してきたタービン動翼に対しては、周方向端部にグルーブを設けることにより、微小き裂の除去と応力集中の低減の両方の効果を図ることができる。さらに、適用部位をフォーク周方向端部のうち翼背側に限定することにより、生産性を高める効果が期待できる。
図7は本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの部分斜視図である。翼側フォーク2の軸方向厚み30が変化する段差部5において、フォーク周方向両端部の翼背側における段差部の曲率半径44を段差部5を挟んで半径方向に配置された2箇所のピン穴6a, 6bの中心線32上における曲率半径33、及び翼腹側における段差部の曲率半径45よりも大きく形成している。本実施例では、曲率半径33及び曲率半径45を同じにしたものである。ここで曲率半径としては、周方向を法線方向とする面内の曲率半径と定義する。又、段差部5が減少する開始点42は周方向中心部から腹側では一定の位置に形成されているが、背側では周方向中心部から遠ざかるにつれて外周側に形成したものであり、曲率半径も同様に大きくなっている。
又、段差部5において、軸方向厚みが減少する開始点と段差部5よりも外周側に位置する最も近いピン穴6aの中心との半径方向距離について、翼背側の周方向端部における半径方向距離47を、ピン穴6a, 6bの中心線32上における前記距離36及び翼腹側の周方向端部における半径方向距離48よりも小さく形成している。翼背側の周方向端部とピン穴中心線の間において、フォーク軸方向厚みが減少する開始点を結んだ線42は連続性を保つように滑らかに形成されている。
本実施例においては、翼側フォーク2は7本の足2a〜2gを有するものであるが、実施例1と同様に、3本の足2c、2d、2eの中心部で、軸方向厚さがもっとも大きい段差部5が、翼背側の周方向端部における最大応力が翼腹側の周方向端部のそれより小さくなる形状を有するものである。
翼背側の周方向端部における曲率半径44がピン穴6aの半径方向中心線上における曲率半径33及び翼腹側の周方向端部における曲率半径45よりも大きく、翼背側の周方向端部における開始点42がピン穴6aの半径方向中心線上及び翼腹側の周方向両端部よりも外周側に形成されている。
又、ピン穴6aの半径方向中心線上における曲率半径33及び翼腹側の周方向端部における曲率半径45が同等であり、ピン穴6aの半径方向中心線上の開始点と翼腹側の周方向両端部の開始点とが同等の位置に形成されている。
更に、翼背側の周方向端部の曲率半径44がピン穴6aの半径方向中心線上の曲率半径33及び翼腹側の周方向端部の曲率半径45よりも大きく、開始点と前記ピン穴の周方向中心線上との間の半径方向距離において周方向端部における半径方向距離47がピン穴6aの中心における半径方向距離36よりも小さい。
本実施例においては、翼側フォーク2は7本の足2a〜2gを有するものであるが、その足のうち中心の1本、2本、3本のいずれかにおいて、少なくとも軸方向厚さが最も大きい部分が前述の形状を有すること、複数の足の全数及び段差部5の全段が前述の形状を有すること、更に、足は9本を有するものであることが好ましい。
翼設計にあたって翼重心と植込部の配置の調整は重要な検討項目であり、それらのバランスを考慮して最適に設計される。しかしながら、一般的に翼側フォーク2において翼背側の応力が翼腹側の応力よりも高くなる。したがって、本実施例では高応力が発生する翼背側位置に対して選択的に適用することにより、実施例1で述べた効果に加えて生産性を高める効果が得られる。
更に、本実施例の適用例として、軸方向中央付近に位置するフォークに対して適用するのが効果的である。また半径方向位置の異なる3本のフォークピン20により締結されている構造の場合には、一般に最外周ピン穴6aと中間位置のピン穴6bの間の段差部のほうが、中間ピン穴6bと最内周側ピン穴6cの間の段差部よりも高い応力が発生することを考慮して、最外周ピン穴6aと中間位置のピン穴6bの間の段差部のみに適用するのが効果的である。
図8は本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの部分側面図である。本実施例は、前述の実施例1及び2に加えて、図8に示すように、軸方向厚さが減少する段差部5の周方向端部の片側又は両側の曲率半径を周中心部における曲率半径よりも大きい形状として、段差部5の周方向端部における曲率半径54に対して表面からあるグルーブ深さ53を削り取ったフォーク段差部の周方向端部におけるグルーブ52を設けた構造である。長期間運用したタービン動翼では、応力腐食割れなどにより段差部に微小なき裂が発生している可能性があるが、その場合にグルーブ52を設けることにより、微小き裂の除去と応力集中の低減との両方の効果が図れる。本実施例においても、実施例1及び2と同様の効果が得られる。
本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの正面図(a)と斜視図(b)である。 蒸気タービンにおけるフォーク型翼植込部を有するタービン動翼とロータディスクの植込部構造を示す鳥瞰図である。 従来構造による翼側フォークをディスク側フォークとが交互に挿入された断面図である。 従来構造による翼側フォークをディスク側フォークとが交互に挿入された断面図である。 本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの部分側面図である。 本発明に係るタービン動翼を有限要素解析した事例を示す説明図である。 本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの部分斜視図である。 本発明に係るタービン動翼の翼側フォークの部分側面図である。
符号の説明
1… 翼、2…翼側フォーク、3…ディスク側フォーク、4…ロータディスク、5…段差部、6…翼側フォークのピン穴、7…ディスク側フォークのピン穴、8…フォーク段差部底の曲率半径、9…フォーク段差部の直線部、 10…ピン穴中心を通る軸方向に平行な線、11…翼側フォーク段差部の曲率半径を増加した場合の形状線、12…段差部の形状線、13…翼側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離、14…翼側フォークの曲率半径を増加した場合の翼側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離、15…段差部の直線部と半径方向がなす角度、16…翼側フォークの曲率半径を増大させた場合の形状線、17…翼側フォークの曲率半径増加した場合におけるディスク側フォーク段差部の形状線、18…翼側フォークの曲率半径を増大させた場合のディスク側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離、19…従来構造によるディスク側フォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離、20…フォークピン、21…翼側フォークとディスク側フォークの軸方向隙間、22…従来構造によるディスク側フォーク段差部の形状線、30…翼側フォークの軸方向厚み、31…フォーク周方向端部における段差部の曲率半径、32…段差部を挟んで半径方向に配置された2箇所のピン穴の中心を結んだ線、33…ピン穴中心線上の段差部の曲率半径、35…段差部の周方向端部におけるフォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離、36…段差部のピン穴中心線上におけるフォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心との半径方向距離、37…段差部の周方向端部における直線部の形状線、38…段差部の周方向端部における2円弧形状における外周側に位置する円弧の曲率半径、39…段差部のピン穴中心線上における形状線、40…フォーク段差部の曲率半径を増加する範囲、41…フォーク周方向幅、42…フォーク軸方向厚みが減少する開始点を結んだ線、43…ピン穴を中心としてピン穴中心から軸方向厚みが減少する開始点までの距離を半径とする円弧、44…フォーク段差部の翼背側の周方向端部における曲率半径、45…フォーク段差部の翼腹側の周方向端部における曲率半径、47…フォーク段差部の翼背側の周方向端部におけるフォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心の半径方向距離、48…フォーク段差部の翼腹側の周方向端部におけるフォーク軸方向厚みが減少する開始点とピン穴中心の半径方向距離、50…段差部の最大応力発生位置、51…ピン穴の最大応力発生位置、52…フォーク段差部の周方向端部におけるグルーブ、53…グルーブの深さ、54…段差部の周方向端部における曲率半径。

Claims (20)

  1. 翼と、軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備え、前記足の少なくとも1本は、軸方向厚さが減少する段差部の終止点における周方向の全長に亘って同じ曲率半径において生じる最大応力に比較してそれより小さくなるように前記段差部の開始点と終止点における形状が周方向において異なっていることを特徴とするタービン動翼。
  2. 請求項1において、周方向端部における前記開始点が前記ピン穴の半径方向中心線上における位置よりも半径方向外周側にあることを特徴とするタービン動翼。
  3. 請求項1又は2において、前記終止点が周方向でほぼ同じ位置にあることを特徴とするタービン動翼。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記終止点の周方向端部における曲率半径が前記ピン穴の半径方向中心線上における前記曲率半径より大きくなっていることを特徴とするタービン動翼。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記曲率半径は、前記ピン穴の半径方向中心線上における周辺部が同等で、該周辺部より周方向の片側又は両側で各々遠ざかるにつれて徐々に大きくなっていることを特徴とするタービン動翼。
  6. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記開始点は、前記ピン穴の半径方向中心線上における周辺部が平坦で、該周辺部より周方向の片側又は両側で各々遠ざかるにつれて半径方向外周側に形成されていることを特徴とするタービン動翼。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、周方向端部の前記曲率半径が前記ピン穴の半径方向中心線上の前記曲率半径よりも大きく、前記開始点と前記ピン穴の周方向中心線上との間の半径方向距離において前記周方向端部における前記距離が前記ピン穴の周方向中心線上における前記距離よりも小さいことを特徴とするタービン動翼。
  8. 翼と、軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備え、前記足のうち少なくとも1本の前記翼背側の周方向端部における最大応力が前記翼腹側の周方向端部のそれより小さくなる形状を有することを特徴とするタービン動翼。
  9. 請求項8において、前記翼背側の周方向端部における前記曲率半径が前記ピン穴の半径方向中心線上における前記曲率半径及び前記翼腹側の周方向端部における前記曲率半径よりも大きいことを特徴とするタービン動翼。
  10. 請求項8又は9において、前記翼背側の周方向端部における前記開始点が前記ピン穴の半径方向中心線上及び前記翼腹側の周方向両端部よりも外周側に形成されていることを特徴とするタービン動翼。
  11. 請求項8〜10のいずれかにおいて、前記ピン穴の半径方向中心線上における前記曲率半径及び前記翼腹側の周方向端部における前記曲率半径が同等であることを特徴とするタービン動翼。
  12. 請求項8〜11のいずれかにおいて、前記ピン穴の半径方向中心線上の前記開始点と前記翼腹側の周方向両端部の前記開始点とが同等の位置に形成されていることを特徴とするタービン動翼。
  13. 請求項8〜12のいずれかにおいて、前記翼背側の周方向端部の前記曲率半径が前記ピン穴の半径方向中心線上の前記曲率半径及び前記翼腹側の周方向端部の前記曲率半径よりも大きく、前記開始点と前記ピン穴の周方向中心線上との間の半径方向距離において前記周方向端部における前記距離が前記ピン穴の中心における前記距離よりも小さいことを特徴とするタービン動翼。
  14. 請求項1〜13のいずれかにおいて、前記複数の足のうちその中心の1〜3本のいずれかの足が、少なくとも軸方向厚さが最も大きい部分が前記形状を有することを特徴とするタービン動翼。
  15. 請求項1〜14のいずれかにおいて、前記複数の足の全数及び前記段差部の全段が前記形状を有することを特徴とするタービン動翼。
  16. 請求項1〜13のいずれかにおいて、前記足は7又は9本を有することを特徴とするタービン動翼。
  17. ロータシャフトに形成されたロータディスクに、翼と軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備えた複数のタービン動翼を前記フォークによって前記ピン穴へのピンの挿入より結合されるタービンにおいて、前記タービン動翼は前記複数の足のうちその中心の1〜3本のいずれかの足がそれ以外の足と比較して最大応力がそれより小さくなる形状を有することを特徴とするタービン。
  18. 請求項17において、前記タービン動翼は、請求項1〜7及び14〜16のいずれかに記載のタービン動翼から成ることを特徴とするタービン。
  19. ロータシャフトに形成されたロータディスクに、翼と軸方向に複数段の厚さ及び各段に各々ピン穴を有する複数の足から成るフォークとを備えた複数のタービン動翼を前記フォークによって前記ピン穴へのピンの挿入より結合されるタービンにおいて、前記タービン動翼は前記複数の足のうち少なくとも1本の前記翼背側の周方向端部における最大応力が前記翼腹側の周方向端部のそれより小さくなる形状を有することを特徴とするタービン。
  20. 請求項19において、前記タービン動翼は、請求項8〜16のいずれかに記載のタービン動翼から成ることを特徴とするタービン。
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