JP2005299427A - 発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】 下水処理場等の水処理施設において常に一定の発電量を供給することができる発電システムを提供する。
【解決手段】 発電システム10は、被処理水を貯留する曝気槽11と、曝気槽11に設けられ、曝気槽11内に被処理水の旋回水流を生じさせる散気装置13と、被処理水の旋回水流を受けて回転する水車15と、水車15の回転動力により発電を行う発電機17と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 発電システム10は、被処理水を貯留する曝気槽11と、曝気槽11に設けられ、曝気槽11内に被処理水の旋回水流を生じさせる散気装置13と、被処理水の旋回水流を受けて回転する水車15と、水車15の回転動力により発電を行う発電機17と、を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、水力を利用した発電システムに関する。
従来から、下水処理場等における放流水のエネルギを利用して発電を行う技術が提案されている(例えば、以下の特許文献1参照)。
特開2003−269310号公報
下水処理場等における放流水は一定でなく、時間や季節毎でその流量が大きく変動する。例えば、ある都市での下水処理場への流入水量は一日のうち次のように変動する。最も流入水量が多い10時の流入水量を100Qとすると、10時以降は徐々に減少し、16時には約54Qとなる。16時以降、流入水量は増加し、20時に二次のピークを迎え約87Qとなる。その後、流入水量は減少し24時に69Q、2時に33Q、6時に最低の流量である20Qとなる。また、一年を通じては夏期に流入水量が多く、冬場の流入水量は少ない。このように、下水処理場では、処理する流入水の水量が変動することから、放流水の水量もそれに応じて変動することとなる。従って、放流水による発電では、一定の発電量を確保することができない。
本発明は、上記課題を解決するために成されたものであり、下水処理場等の水処理施設において常に一定の発電量を供給することができる発電システムを提供することを目的とする。
本願発明者は、下水処理場等に設置されている曝気槽に滞留する水量が年間を通してほぼ一定であり、また散気装置により曝気槽内の被処理水に一定の流速の旋回水流が発生している点に着目し、本発明を完成させるに至った。
本発明に係る発電システムは、(1)被処理水を貯留する曝気槽と、(2)曝気槽に設けられ、曝気槽内に被処理水の旋回水流を生じさせる散気装置と、(3)被処理水の旋回水流を受けて回転する水車と、(4)水車の回転動力により発電を行う発電機と、を備えることを特徴とする。
この発電システムでは、曝気槽に被処理水が入れられた状態で散気装置により散気がなされると、旋回水流が生じる。この水流により水車が回転し、発電機により発電が行われる。この発電システムは、例えば、水処理施設において常にほぼ一定の水量の被処理水を保持する曝気槽を用いて構成されることにより、一定の発電量を供給することができる。
また、発電システムにおいて、水車は、当該水車の周方向に設けられ前記旋回水流を受ける面を有する複数の羽根を有し、上記面は、凹状に湾曲している、ことを特徴としてもよい。曝気槽では、水車に懸垂しやすい篩渣や藻類等が被処理水に含まれていることが多い。上記の構造では、水車が回転した際、羽根の上を水がより勢いよく流れるため、篩渣や藻類等が羽根に懸垂しにくく、篩渣や藻類等が懸垂することによる発電能力の低下等を防ぐことができる。
また、発電システムにおいて、複数の羽根の各々は、水車の放射方向にある一対の端縁の少なくとも一方が外側に向かって先細っていることを特徴としてもよい。上記の構造では、水車が回転した際、先細り形状の先端に向かって水が流れるようになっているため、更に篩渣や藻類等が羽根に懸垂しにくくすることができる。
本発明によれば、下水処理場等の水処理施設において常に一定の発電量を供給することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
本実施形態に係る発電システムは、水処理施設において用いられる。水処理施設は、例えば、下水処理施設、産業排水処理施設及び農業集落排水処理施設等が該当する。そのうちの下水処理施設における処理の流れを、以下簡単に説明する。
下水処理施設に集められた被処理水(下水)は、まず沈砂池に入れられる。沈砂池では、土砂類が沈殿させられ取り除かれる。沈砂池で処理された被処理水は、ポンプで汲み上げられ初沈槽に送られる。初沈槽では、被処理水は2〜3時間程度滞留させられ、沈砂池で沈まなかった細かい汚泥が底に沈められる。初沈槽を滞留した被処理水は、曝気槽に送られる。曝気槽では、被処理水に活性汚泥が加えられ、散気装置により散気されながら、被処理水は6〜8時間程度かけてかき混ぜられる。これにより、被処理水中の汚れが分解される。曝気槽で処理された被処理水は、後沈槽に送られる。後沈槽では、被処理水は3〜4時間程度停留させられ、曝気槽で生じた汚泥のかたまりが底に沈められる。底に溜まった汚泥は、掻き寄せ装置により掻き寄せされ、集められて引き出された後、汚泥処理施設に送られる。上澄みの綺麗な被処理水は、必要に応じて塩素消毒されて高度処理施設に送られた後、河川等の系外へ排出される。
上記の下水処理施設における処理の流れにおいて、曝気槽には年間を通してほぼ一定の水量の被処理水が滞留している。また、散気装置により曝気槽内の被処理水には一定の流速の旋回水流が発生している。本実施形態における発電システムは、このような水処理施設における曝気槽を用いて構成される。
図1は、本実施形態に係る発電システム10の構成を示す正断面図である。図1に示すように、発電システム10は、曝気槽11、仕切壁12、散気装置13、ブロワ14、水車15及び発電機17を備えている。
曝気槽11は、底壁部、四方の側壁部を有しており、被処理水を貯留することができるようになっている。仕切壁12は、曝気槽11の前後の側壁部の間に横架され、曝気槽11の底面より所定間隔を隔てた高さ位置から、左右の側壁部に平行になるように鉛直方向に立設されている。これにより、曝気槽11は第1の水路21及び第2の水路22の2つの水路に区分される。
散気装置13は、第2の水路22の深さ方向における中央部に設けられている。ここで、中央部とは、曝気槽11の深さをDWとしたとき、その1/3〜2/3の深さの部分をいう。よって、10m程度の深さの深槽曝気槽を考えたとき、散気装置13は水面から4m〜6mの深さ位置に設けられていると好ましい。水面から4mよりも浅い位置に散気装置13が設けられていると、散気された空気との接触時間が短くなって、旋回水流が生じ難くなる傾向にある。また、水面から6mよりも深い位置に散気装置13が設けられていると、ブロワ14への付加が高くなる傾向にある。なお、散気装置13の深さ位置は、気泡が放出される散気面を基準として考える。
ブロワ14は、散気装置13と空気供給ラインにより接続されており、ブロワ14から空気が送られることにより、散気装置13から散気が行われる。
水車15は、被処理水の旋回水流を受けて回転するように曝気槽11の上部に設けられている。水車15は、曝気槽11に通常滞留している量の被処理水により最下部の羽根16が浸される程度の高さに位置している。また、水車15は、図2に示すように、周方向に設けられた複数の羽根16を有しており、当該複数の羽根16の各々が順次旋回水流を受けることにより回転する。また、水車15が設けられる水路方向の位置は、散気装置13からの散気により発生した旋回水流をよりよく受けられるように、散気装置13が無い第1の水路21の上部とするのが好ましい。また図3に示すように、水車15は、曝気槽11における水車15の軸方向の長さ(曝気槽11の奥行き)に合わせて、複数連結させてもよい。通常、曝気槽11における奥行き方向の長さは、幅方向の長さの5倍以上あることが多いので、上記のように複数の水車15を用いることが好ましい。
図4に水車15に備えられる羽根16の斜視図を示す。また、図5(a)に正面図、図5(b)に側面図、及び図5(c)に底面図を示す。また、図6には、図5のVI(a)断面、VI(b)断面及びVI(c)断面で示した各切断部における端面図を示す。また、図7には、図5のVII(a)断面、VII(b)断面及びVII(c)断面で示した各切断部における端面図を示す。
羽根16は、図4及び図5に示すように、ほぼ六角形の形状をしており、旋回水流を受けることができるよう適度の厚さを有している。この羽根16は、両端部16a,16bの辺が水車15の中心に向かうように、図2に示す水車15の外輪部15a,15bに接合されている。また、主に旋回水流を受ける部分である、両端部16a,16bに挟まれた水受部16cは、図4〜図7に示すように、凹状に湾曲した面を有している。また、水車15の放射方向にある一対の端縁16d,16eは、図4〜図7に示すように、先端に向けて尖った形状となっている。
発電機17は、水車15の回転動力により発電を行う。発電機17は、図2に示すように、水車15に接続された軸18から回転動力を得る。
次に、発電システム10の作用及び効果について説明する。まず、図1に示すように、曝気槽11内に被処理水が停留される。このとき、水面は仕切壁12の上端よりも上にある。そして、ブロワ14を作動させて空気供給ラインから散気装置13に向けて空気を供給する。すると、散気装置13から微細気泡が被処理水中に散気され、第2の水路22において上昇水流が生じる。そして、この上昇水流が第1の水路21に流れ込み、図1の矢印αで示すように、第1の水路21と第2の水路22との間で旋回水流が生じる。
発生した旋回水流により、水車15の羽根16の各々に水の圧力が加わり、水車15が回転する。この水車15の回転動力により発電機17が発電を行う。また、羽根16の各々は、水車15の回転に伴い被処理水への出入りを繰り返す。羽根16の各々が被処理水から出る際、被処理水が羽根から滴り落ちるが、水受部16c及び一対の端縁16d,16eの凹状の湾曲、及び形状により、端縁の先端へ向かうような流れができ、より被処理水が滴り落ちやすくなっている。
上述したように、水処理施設における曝気槽11は、常にほぼ一定の水量の被処理水を保持しているので、一定の流速の旋回水流が常に発生している。従って、この一定の旋回水流により、一定の発電量を供給することができる。通常、曝気槽11における旋回水流の速度は、約0.3m/secであるので、数〜数十KWの出力の発電を行うことができる。例えば、旋回水流を受ける面が1m四方の羽根16を十数枚有する水車15を5基備えている発電システム10は、約20KWの発電を行うことができる。
ところで、曝気槽11では、被処理水が下水であることが多く、従って、水車15に懸垂しやすい篩渣や藻類等が被処理水に含まれていることが多い。本実施形態のように、水車15の羽根16の各々における、旋回水流を受ける面を凹状に湾曲させることとすれば、羽根16の水が滴り落ちやすくなるので、篩渣や藻類等が羽根に懸垂しにくく、篩渣や藻類等が懸垂することによる発電能力の低下等を防ぐことができる。
また、本実施形態のように羽根16の各々を、水車15の放射方向の両縁を先細っている形状とすれば、更に篩渣や藻類等が羽根に懸垂しにくくすることができる。
また、水車15が回転した際に、水車15の周囲の空気が被処理水に取り込まれるため、被処理水中に含まれる活性汚泥に空気を供給するという、曝気槽11の本来の効果も更に向上させることができる。
また、水処理施設において曝気槽11は地下深いところにあり、蛍光灯等の証明装置が必要となることが多い。ブロワ14を作動させるのにも電力が必要となる。これらの箇所に本発電システム10で発電された電気を供給することにより、水処理施設全体の省電力化に貢献することができる。
なお、本実施形態における曝気槽11は、従来から水処理施設で用いられているものでもよく、水車15及び発電機17を曝気槽11に設置するだけで実施することができ、容易な実施が可能である。
10…発電システム、11…曝気槽、12…仕切壁、13…散気装置、14…ブロワ、15…水車、16…羽根、17…発電機。
Claims (3)
- 被処理水を貯留する曝気槽と、
前記曝気槽に設けられ、前記曝気槽内に前記被処理水の旋回水流を生じさせる散気装置と、
前記被処理水の前記旋回水流を受けて回転する水車と、
前記水車の回転動力により発電を行う発電機と、
を備える発電システム。 - 前記水車は、当該水車の周方向に設けられ前記旋回水流を受ける面を有する複数の羽根を有し、
前記面は、凹状に湾曲している、
ことを特徴とする請求項1に記載の発電システム。 - 前記複数の羽根の各々は、前記水車の放射方向にある一対の端縁の少なくとも一方が外側に向かって先細っていることを特徴とする請求項2に記載の発電システム。
Priority Applications (1)
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JP2004113573A JP2005299427A (ja) | 2004-04-07 | 2004-04-07 | 発電システム |
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2004
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