JP2005298762A - 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

Info

Publication number
JP2005298762A
JP2005298762A JP2004120490A JP2004120490A JP2005298762A JP 2005298762 A JP2005298762 A JP 2005298762A JP 2004120490 A JP2004120490 A JP 2004120490A JP 2004120490 A JP2004120490 A JP 2004120490A JP 2005298762 A JP2005298762 A JP 2005298762A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filler
vinyl chloride
resin composition
chloride resin
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004120490A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Monoe
隆之 物江
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Plastics Inc
Original Assignee
Mitsubishi Plastics Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Plastics Inc filed Critical Mitsubishi Plastics Inc
Priority to JP2004120490A priority Critical patent/JP2005298762A/ja
Publication of JP2005298762A publication Critical patent/JP2005298762A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

【課題】軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を押出成形することができる塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。
【解決手段】塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、比重が0.4〜1.0の中空充填材50〜70重量部と、板状充填材30〜60重量部とを含有してなる。前記中空充填材は、耐圧強度として静水圧98MPaでの体積減少率が10%以下が好ましい。前記板状充填材は、アスペクト比が30〜100、平均粒径が1〜10μmのセリサイトが好ましい。前記中空充填材及び前記板状充填材の少なくとも一方が表面処理されている。
【選択図】 なし

Description

本発明は、塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体に係り、詳しくは軽量かつ低伸縮性、耐衝撃性に優れた成形体を押出成形可能な塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体に関する。
従来、塩化ビニル系樹脂は、耐衝撃性、耐熱性等の物理的性質、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性等の化学的性質等に優れていることから、建材、管材等に広く使用されている。しかし、一般に用いられる塩化ビニル系樹脂組成物の成形品は、金属成形品に比べて線膨張係数が大きく、また、弾性率が小さい。そのため、塩化ビニル系樹脂組成物の成形品が、住宅等の建材に用いられている場合は、気温の変化による長手方向の長さ変化が大きく、接続部又は金属製の止め金具の部分において、長さ変化に伴う変形や破損が生じたり、日射を直接受けた部分が熱膨張して歪んだり、波打ったりし易いという問題があった。これらの問題を解決する方法として、充填材の充填量を高めることが知られている。しかし、一般的な充填材は、樹脂に比べて比重が大きいので、充填量を増やすと比重も大きくなるという欠点があった。
これらの欠点を解消する手段として、塩化ビニル系樹脂100重量部、タルク5〜50重量部、平均粒径1〜2μmでかつアスぺクト比20以上の繊維状半水石膏5〜50重量部及びアゾジカルボンアミド0.1〜1重量部からなる塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている(特許文献1参照。)。また、塩化ビニル系樹脂100重量部及び熱硬化ポリウレタンで表面コートを施したガラス繊維1〜60重量部及び熱分解型発泡剤0.1〜5重量部からなる塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている(特許文献2参照。)。これらの塩化ビニル系樹脂組成物は、押出成形で線膨張係数の小さな発泡成形体が得られる。
また、塩化ビニル系樹脂100重量部に対してウィスカー状ホウ酸アルミニウム5〜100重量部、鉛系安定剤0.5〜10重量部が配合されてなる塩化ビニル系樹脂組成物が提案されている(特許文献3参照。)。この塩化ビニル系樹脂組成物は、押出成形で線膨張係数が3.0×10−5(1/℃)以下の成形品が得られる。
特開平7−118436号公報(明細書の段落[0005]〜[0022]) 特開平9−100380号公報(明細書の段落[0017]〜[0031]) 特開2002−80670号公報(明細書の段落[0005]〜[0012])
ところが、特許文献1及び特許文献2の塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形品は発泡成形体である。そして、成形が発泡成形であるが故に、加工条件、特に樹脂温度の変動によって、安定した物性の発現が困難である。
また、特許文献3の塩化ビニル系樹脂組成物から得られる成形体の線膨張係数は小さいが、ウィスカー状ホウ酸アルミニウムを配合することによる比重の増加については考慮されていない。
さらに、ガラス繊維やウィスカー状充填材を用いた場合、異方性(押出し成形時の樹脂組成物の流れ方向とその垂直方向との物性(例えば、線膨張係数)の差)が問題となる。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を押出成形可能な塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。また、第2の目的は軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を提供することにある。
前記第1の目的を達成するため、請求項1に記載の発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、比重が0.4〜1.0の中空充填材50〜70重量部と、板状充填材30〜60重量部とを含有してなる。この発明では、充填材としてガラス繊維やウィスカー等の繊維状の充填材ではなく、板状の充填材が充填されているため、押出し成形時の樹脂組成物の流れ方向とその垂直方向との物性(例えば、線膨張係数)の差が問題とならない。また、比重が0.4〜1.0の中空充填材が充填されていることにより、充填量が同じであっても、成形体の比重を小さくできる。そして、中空充填材及び板状充填材の充填量を前記の範囲にすることで、押出成形により、軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記中空充填材が、耐圧強度として静水圧98MPaでの体積減少率が10%以下である。中空充填材の前記体積減少率が10%より大きくなると、押出機による押出し成形時に、中空充填材が樹脂の圧力により破壊され易くなり、軽量化が難しくなる。従って、樹脂に掛かる圧力が低くなる特殊な押出機を使用したり、押出し速度を遅くしたりする等の対策が必要となるため好ましくない。しかし、この発明の塩化ビニル系樹脂組成物では、一般的な押出機による押出し成形時に中空充填材が破壊され難く、目的の物性の成形体が得られる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記板状充填材は、アスペクト比が30〜100、平均粒径が1〜10μmである。この発明のアスペクト比及び線膨張係数を有する板状充填材を使用することにより、板状充填材の樹脂組成物中への分散が容易になるとともに、成形加工中における板状充填材の破損が少なくなって補強効果が良好に発揮される。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記板状充填材はセリサイトである。従って、この発明では、アスペクト比が30〜100、平均粒径が1〜10μmの板状充填材の入手が容易になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記中空充填材及び前記板状充填材の少なくとも一方が表面処理されている。この発明では、樹脂と充填材との親和性が改良されて、耐衝撃性向上に対して効果が増す。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物を押し出し成形してなる成形体である。この発明の成形体は、軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れる。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明において、成形体は、比重が1.5以下、押出し成形時の流れ方向の線膨張係数が4.0×10−5(1/℃)以下、押出し成形時の流れ方向に直交する方向の線膨張係数が流れ方向の線膨張係数の3倍以下、0℃落錘強度が0.1m以上である。ここで、「0℃落錘強度」とは、JIS−K−7211の硬質プラスチックの落錘衝撃試験通則に準拠した強度試験であり、0℃で、1kgの重錘を試験片に対して落下させ、試験片の50%が破壊する高さを意味し、高さの値が大きい方が強度が大きい。この発明の成形体も、軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れる。
請求項1〜請求項5に記載の発明の塩化ビニル系樹脂組成物を使用することにより、軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を押出成形することができる。また、請求項6及び請求項7に記載の発明の成形体は、軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れる。
以下、本発明を具体化した実施形態を説明する。
塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、比重が0.4〜1.0の中空充填材50〜70重量部と、板状充填材30〜60重量部とを含有してなる。
塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、好ましくは500〜3000、より好ましくは700〜1500である。平均重合度が500未満では耐衝撃性が低く、平均重合度が3000を超えると溶融粘度が高く成形加工が困難になる。
中空充填材は、無機系及び有機系のいずれを用いてもよい。無機系の中空充填材としては、シラスバルーン、パーライト、ガラスバルーン、シリカバルーン、フライアッシュバルーン、アルミナバルーン、ジルコニアバルーン、カーボンバルーン等がある。有機系の中空充填材としては、フェノール樹脂バルーン、エポキシ樹脂バルーン、尿素樹脂バルーン、サランバルーン、ポリスチレンバルーン、ポリメタクリレートバルーン、ポリビニルアルコールバルーン、スチレン・アクリル系バルーン等がある。
中空充填材の充填量が50%未満では、得られる成形体の比重を目的の値(1.5)以下にするのが難しい。また、中空充填材の充填量が50%より多いと、成形体の強度が不十分となる。
中空充填材は、比重が0.4〜1.0であり、好ましくは0.5〜0.9である。比重が0.4より小さいと中空球の肉厚が薄く耐圧強度が低下することで成形加工中に軽量化の効果が得られず、1.0よりも大きいと軽量化の効果が少なく大量に添加する必要があり、成形品の耐衝撃性が損なわれる。中空充填材として、比重が0.5〜0.9のものを使用することにより、取り扱いが容易となる。
中空充填材は、耐圧強度として静水圧98MPaでの体積減少率(耐圧強度)が10%以下であることが好ましい。体積減少率が10%を超えると、一般的な押出機による押出成形中に、中空充填材が樹脂の圧力により破壊されないようにするのが難しい。
板状充填材としては、タルク、天然マイカ、合成マイカ、セリサイト、ガラスフレーク、モンモリロナイト、黒鉛、六方晶窒化ホウ素、板状炭酸カルシウム、板状アルミナ、各種金属箔等が挙げられる。
板状充填材の充填量が30%未満では、得られる成形体の膨張収縮抑制機能が不十分となる。また、板状充填材の充填量が60%より多いと、成形体の強度が悪くなり、外観も悪くなる。
板状充填材は、アスペクト比が30〜100のものが好ましい。アスペクト比が30より小さいと線膨張係数を低下させる効果が少なく、100より大きいと成形加工中に破損し易くなり補強効果を発揮することが難しい。板状充填材の平均粒径は、1〜10μmが好ましい。1μm未満では充填材が凝集して均一に分散させることが困難となり、10μmより大きいと成形品の耐衝撃性を低下させる。板状充填材の中でも、低比重、高アスペクト比であるセリサイトが好ましい。セリサイトもマイカの一種であるが、アスペクト比及び平均粒径が前記の範囲のものを入手し易いため、板状充填材として好ましい。
針状又は繊維状充填材では押出成形時における樹脂の流れ方向に対しては補強効果を発現するが、それに比べて前記樹脂の流れ方向と垂直方向では補強効果が低い。さらに針状又は繊維状充填材では板状充填材に比べて成形加工中に折損し易く、アスペクト比の低下が起こり、補強効果が十分に発揮されない。一方、板状充填材の場合は、押出成形時における樹脂の流れ方向における物性と、該流れ方向と直交する方向における物性の差が、針状又は繊維状充填材を充填した場合に比較して小さくなり、物性が安定する。
充填材は表面処理を施さなくてもよいが、シラン系表面処理剤、チタネート系表面処理剤等の、充填材の表面処理用として通常用いられる表面処理剤により表面処理を施す方が好ましい。表面処理を施すことにより、樹脂と充填材との親和性が改良されて耐衝撃性がより向上する。表面処理は、板状充填材に対して行った方が、中空充填材に対して行うより効果が大きい。
シラン系処理剤としては、例えば、n−オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(3−トリエトキシ)テトラスルファン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
チタネート系表面処理剤としては、例えば、イソプロピルイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート等が挙げられる。
塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、塩化ビニル系樹脂の成形性、熱安定性などを向上させるために、安定剤、滑剤等が添加されてもよい。
安定剤としては、塩化ビニル系樹脂の成形に用いられる一般的な安定剤、即ち鉛系安定剤、錫系安定剤、金属石鹸系安定剤を用いることができるが、比重の点で好ましくは錫系安定剤を用いるのが良い。錫系安定剤の量が0.5重量部未満になると充分な熱安定性が得られない。また、2重量部を超えると物性が低下する。錫系安定剤としてはアルキル錫化合物やアルキル錫メルカプト化合物等が用いられる。アルキル錫化合物としては、例えば、メチル錫、ブチル錫、オクチル錫、混合金属アルキル錫、ジアルキル錫2カルボン酸塩が挙げられる。アルキル錫メルカプト化合物としては、メチル錫メルカプト、オクチル錫メルカプト、ブチル錫メルカプト、ジアルキル錫ビス(アルキルメルカプトカルボン酸塩)、ジ−n−オクチル錫−S,S’−ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)等が用いられる。
滑剤としては、金属石鹸、高級脂肪酸、高級アルコール、エステルワックス、パラフィンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化パラフィンワックス、酸化ポリエチレンワックス等が挙げられ、それらが押出機、口金等の成形加工設備に応じて、単独あるいは適宜数種類組み合わされて用いられる。
上記塩化ビニル系樹脂組成物には、必要に応じて、可塑剤、顔料、帯電防止剤、難燃剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
単軸押出機、2軸押出機又は多軸押出機を用いて前記塩化ビニル系樹脂組成物を押出し成形することにより、本発明の成形体が得られる。成形体は、比重が1.5以下、押出し成形時の流れ方向の線膨張係数が4.0×10−5(1/℃)以下、押出し成形時の流れ方向に直交する方向の線膨張係数が流れ方向の線膨張係数の3倍以下、0℃落錘強度が0.1m以上である。
(実施例及び比較例)
以下、実施例及び比較例により、更に詳しく説明する。
表1及び表2に示す配合で、塩化ビニル樹脂(PVC)及び充填材等を一般的な混合装置であるスーパーミキサーにて混合し、塩化ビニル系樹脂組成物を得た。中空充填材としては、比較例9を除き、比重0.75のガラスビーズを使用した。比較例9で使用した中空充填材は、それより比重が小さなガラスビーズである。板状充填材として実施例7以外は、平均粒径が3μmのセリサイトを使用し、実施例7では一般のマイカを使用した。
得られた樹脂組成物を異方向2軸押出機に供給し、樹脂温度200℃にてそれぞれ厚さ1.5mm、幅120mmの押出板(成形体)を作成した。得られた成形体につき、比重、線膨張係数及び衝撃強度を測定した。結果を表3及び表4に示す。
(比重の測定)
比重は、JIS−K−7112に基づいて測定した。
成形体の比重が1.5以下を合格とする。
(線膨張係数)
線膨張係数は、JIS−K−7197に基づいて測定した。
押出し成形時の流れ方向の線膨張係数は、4.0×10−5(1/℃)以下を合格とする。また、押出し成形時の流れ方向に直交する方向の線膨張係数は、流れ方向の線膨張係数の3倍以下を合格とする。
(落錘強度)
落錘強度は、0℃で、1kgの重錘による、落錘50%破壊高さを測定した。「落錘50%破壊高さ」とは、複数の試験片に対して前記重錘を落下させ、試験片の50%が破壊される高さを意味する。
落錘強度は、0.1m以上を合格とする。
比重、線膨張係数及び落錘強度のすべてが合格の成形体が合格となる。
Figure 2005298762
Figure 2005298762
Figure 2005298762
Figure 2005298762
表1及び表3から、塩化ビニル樹脂100重量部に対し、中空充填材50〜70重量部と、板状充填材30〜60重量部とを含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物から得られた成形体は、所望の物性値を有することが確認された。成形体に対する所望の物性値は、比重が1.5以下、押出し成形時の流れ方向の線膨張係数が4.0×10−5(1/℃)以下、押出し成形時の流れ方向に直交する方向の線膨張係数が流れ方向の線膨張係数の3倍以下、0℃落錘強度が0.1m以上である。
比較例6から、中空充填材の充填量が50〜70重量部という条件を満たしても、板状充填材の充填量が30〜60重量部という条件を満たしていないときは、得られる成形体が不合格となることを確認できる。また、比較例7から、板状充填材の充填量が30〜60重量部という条件を満たしても、中空充填材の充填量が50〜70重量部という条件を満たしていないときは、得られる成形体が不合格となることを確認できる。
実施例2、実施例3及び比較例2から、中空充填材及び板状充填材の合計充填量が同じであっても、中空充填材の充填量が多い方が得られる成形体の比重が小さくなることを確認できる。
実施例5及び比較例5から、板状充填材に代えて繊維状(針状)充填材を使用した場合は、押出し成形時の流れ方向に直交する方向の線膨張係数が流れ方向の線膨張係数の3倍より大きくなり、不合格となることを確認できる。
実施例3及び実施例6から、表面処理を施した充填材(実施例6では板状充填材)を使用することにより、落錘強度が向上することが確認できる。
実施例3及び比較例9から、中空充填材及び板状充填材の充填量が特許請求の範囲の条件を満たしても、中空充填材として静水圧98MPaでの体積減少率が10%より大きなもの(比較例9では体積減少率が20%)を使用すると、比重が不合格となった。従って、静水圧98MPaでの体積減少率が10%より大きな中空充填材を使用する場合は、一般的な押出成形の条件に比較して中空充填材に作用する圧力が小さな条件で行わないと、成形体の比重が1.5より大きくなって、目的とする軽量化ができないことが確認された。
比較例8では、中空充填材に代えて発泡剤を配合し、押出し成形時に発泡させて成形体の比重を小さくすることを試みたが、サンプルの安定採取ができなかった。
この実施形態では次の効果を有する。
(1)塩化ビニル系樹脂組成物として、塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、比重が0.4〜1.0の中空充填材50〜70重量部と、板状充填材30〜60重量部とを含有してなるものを使用し、押出機で押出し成形することにより、軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れた塩化ビニル系樹脂成形体を得ることができる。従って、例えば、雨樋に適用した場合、気温の変化等による長手方向の長さ変化に伴う変形や破損を抑制することができる。
(2)前記中空充填材が、耐圧強度として静水圧98MPaでの体積減少率が10%以下であるため、押出機による押出し成形時に、中空充填材が樹脂の圧力により破壊されるのが抑制され、一般的な押出機による押出し成形により、目的の物性を有する塩化ビニル系樹脂製の成形体が得られる。
(3)前記板状充填材として、アスペクト比が30〜100、平均粒径が1〜10μmのものを使用した場合、目的の物性を有する塩化ビニル系樹脂製の成形体を容易に得ることができる。
(4)板状充填材としてセリサイトを使用することにより、所望のアスペクト比及び平均粒径を有する板状充填材を入手するのが容易となる。
(5)前記中空充填材及び前記板状充填材の少なくとも一方が表面処理されている場合、樹脂と充填材との親和性が改良されて、耐衝撃性向上に対して効果が増す。
(6)成形体は、比重が1.5以下、押出し成形時の流れ方向の線膨張係数が4.0×10−5(1/℃)以下、押出し成形時の流れ方向に直交する方向の線膨張係数が流れ方向の線膨張係数の3倍以下、0℃落錘強度が0.1m以上であるため、軽量かつ低伸縮で耐衝撃性に優れる。
(7)中空充填材として、比重が0.4〜1.0の物を使用することにより、所定の充填量で軽量化と強度低下抑制を両立させるのが容易になる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルの単独重合体に限らず、塩素化塩化ビニル重合体、塩化ビニルを主たる構成単位とした他の共重合可能な単量体との共重合体をも含む。共重合可能な単量体としては塩化ビニリデン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、アクリル酸アルキル類、メタアクリル酸アルキル類、アクリル酸アルキルエステル類、アクリロニトリル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。しかし、熱安定性や成形加工性等を考慮すると、塩化ビニルの単独重合体を使用することが好ましい。
○ 中空充填材は、一種類の充填材を充填することに限らず、複数種類の中空充填材を混合して充填してもよい。
○ 板状充填材も一種類の充填材を充填することに限らず、複数種類の板状充填材を混合して充填してもよい。
前記実施形態から把握できる技術的思想(発明)について以下に記載する。
(1)請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記中空充填材は比重が0.5〜0.9である。

Claims (7)

  1. 塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、比重が0.4〜1.0の中空充填材50〜70重量部と、板状充填材30〜60重量部とを含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物。
  2. 前記中空充填材が、耐圧強度として静水圧98MPaでの体積減少率が10%以下である請求項1に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 前記板状充填材は、アスペクト比が30〜100、平均粒径が1〜10μmである請求項1又は請求項2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 前記板状充填材は、セリサイトである請求項3に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 前記中空充填材及び前記板状充填材の少なくとも一方が表面処理されている請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の塩化ビニル系樹脂組成物を押出し成形してなる成形体。
  7. 成形体は、比重が1.5以下、押出し成形時の流れ方向の線膨張係数が4.0×10−5(1/℃)以下、押出し成形時の流れ方向に直交する方向の線膨張係数が流れ方向の線膨張係数の3倍以下、0℃落錘強度が0.1m以上である請求項6に記載の成形体。
JP2004120490A 2004-04-15 2004-04-15 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体 Pending JP2005298762A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004120490A JP2005298762A (ja) 2004-04-15 2004-04-15 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004120490A JP2005298762A (ja) 2004-04-15 2004-04-15 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005298762A true JP2005298762A (ja) 2005-10-27

Family

ID=35330692

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004120490A Pending JP2005298762A (ja) 2004-04-15 2004-04-15 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005298762A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021008541A (ja) * 2019-06-28 2021-01-28 リケンテクノス株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形物
CN114484091A (zh) * 2022-01-22 2022-05-13 绍兴高新技术产业开发区迪荡新城投资发展有限公司 一种高强度抗压路政排水工程用施工管材

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021008541A (ja) * 2019-06-28 2021-01-28 リケンテクノス株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形物
JP7285709B2 (ja) 2019-06-28 2023-06-02 リケンテクノス株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物およびその成形物
CN114484091A (zh) * 2022-01-22 2022-05-13 绍兴高新技术产业开发区迪荡新城投资发展有限公司 一种高强度抗压路政排水工程用施工管材
CN114484091B (zh) * 2022-01-22 2024-04-05 绍兴高新技术产业开发区迪荡新城投资发展有限公司 一种高强度抗压路政排水工程用施工管材

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4692480A (en) Thermoplastic resin composition
EP2894196B1 (en) Rigid ipvc pipe resin composition and rigid ipvc pipe, with excellent stiffness and resistance to water pressure
JP2005298762A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体
KR100314456B1 (ko) 목질감이풍부한염화비닐계수지조성물
JPH09263667A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH06256569A (ja) ガラス繊維強化熱可塑性樹脂組成物
JP2008063423A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JP2000017095A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物およびそれを用いた成形物
WO2005005538A1 (ja) 塩化ビニル系熱可塑性エラストマー組成物
JPS6067550A (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
JP5031008B2 (ja) 塩化ビニル樹脂組成物
KR100341868B1 (ko) 내충격 보강재가 함유된 경질 염화 비닐 수지
JP3642097B2 (ja) 発泡成形用塩化ビニル系樹脂組成物
JP2008063424A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂用添加剤およびその製造方法
JP2000007855A (ja) 異形押出成形用ポリプロピレン樹脂組成物及び異形押出成形品
JPH11209547A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JPH10101832A (ja) 発泡成形用塩化ビニル系樹脂組成物
KR101743794B1 (ko) 금속 파이프 코팅 조성물 및 이를 이용한 압출품의 제조방법
PL143283B1 (en) Moulding mix in particular for moulding shaped bricks
JPH0124821B2 (ja)
JPH09143298A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP4882661B2 (ja) 発泡成形用塩化ビニル樹脂組成物および発泡成形品
CN116239856A (zh) 一种低尺寸变化率的墙面装饰发泡材料及其制备方法
JPH0859873A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
KR100487785B1 (ko) 목분함유염화비닐계수지조성물및그제조방법