JP2005295856A - 油脂封入微小粉体の製造方法および油脂封入微小粉体 - Google Patents

油脂封入微小粉体の製造方法および油脂封入微小粉体 Download PDF

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Abstract

【課題】タンパク質からなる球状の殻内に油脂を充填した油脂封入微小粉体を粒子径を所望の値に制御しつつ製造できる製造方法を提供する。
【解決手段】油脂とタンパク質とを混合して得られた流動性を有する乳化油脂をノズル12から吐出させつつ気流により破砕して乳化油脂からなる微粒子を発生させる微粒子発生ステップと、ノズル12からの乳化油脂の吐出量を制御する粒子径制御ステップと、微粒子発生ステップで発生させた微粒子を温風または乾燥雰囲気中で噴霧乾燥させる乾燥ステップとを有する。この製造方法によれば、内側部分が油脂からなり外側部分がタンパク質からなる層構造の微粒子を粒子径を制御しつつ発生させ、その微粒子を層構造を忠実に保ったまま乾燥させて油脂封入微小粉体を製造することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、油脂封入型の粉体薬品や粉体食品等を製造するための微小粉体製造技術に関し、より詳細には、タンパク質からなる球状の殻と当該殻内を充たす油脂とを有する油脂封入微小粉体の製造技術に関する。
医薬品の最終製品の形態が微粒子であるものは多い。あらゆる粉体において、その粒子径が最も重要な物性であるように、医薬品においても粒子径がその機能に決定的に関与する。微粒子薬品等の製造には、流動層コーティング法が汎用される。しかし、流動層コーティング法は、芯粒子を流動させながらその表面に所望の物質をコーティングする方法であるため、芯粒子となるものがない樹脂封入微小粉体の製造には適用できない。また、粒子径を所望の値に制御して必要な機能を粉体に付与することは、粒子径が小さくなるほど困難である(たとえば、非特許文献1参照)。
福森義信、「医薬品微粒子製剤の機能化設計と製法−ミクロ・ナノ・フェムト微粒子工学の展開」、PHARM TECH JAPAN、株式会社じほう、Vol.19 No.2(2003)、p.79−86
本発明が解決しようとする課題は、タンパク質からなる球状の殻内に油脂を充填した構造の油脂封入微小粉体を粒子径を所望の値に制御しつつ製造することができる製造方法、およびこの方法によって製造された油脂封入微小粉体を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の製造方法は、油脂とタンパク質とを混合して得られた流動性を有する乳化油脂をノズルから吐出させつつ気流により破砕して当該乳化油脂からなる微粒子を発生させる微粒子発生ステップと、前記ノズルからの乳化油脂の吐出量を制御する粒子径制御ステップと、前記微粒子発生ステップで発生させた微粒子を温風または乾燥雰囲気中で噴霧乾燥させる乾燥ステップと、を有する。
この製造方法によれば、微粒子発生ステップにおいて、内側部分が油脂からなり外側部分がタンパク質からなる層構造の微粒子を発生させることができ、乾燥ステップにおいて、その微粒子を層構造を忠実に保ったまま乾燥させることができるので、タンパク質からなる球状の殻とその殻内を充たす油脂とを有する構造の油脂封入微小粉体を製造することができる。その際、粒子径制御ステップにおいて、ノズルからの乳化油脂の吐出量を調節することにより製造される油脂封入微小粉体の粒子径を所望の値に制御できる。
本発明の製造方法において、前記微粒子発生ステップで発生させた微粒子を上昇気流によって搬送するとともに、当該上昇気流の流路を複数の貫通孔を有する微粒子選別プレートで遮ることにより、粒子径がより小さい微粒子を優先的に上昇させる選別ステップを更に有し、当該微粒子選別プレートを通過した微粒子に対して前記乾燥ステップを実施することが望ましい。
この製造方法によれば、微粒子発生ステップにより発生した微粒子は、上昇気流によって搬送されるが、上昇気流の流路が微粒子選別プレートによって遮られているため、微粒子選別プレートの上流(下方)に一旦滞留する。その滞留している間に、粒子径が当初から所定の値よりも大きい微粒子や、微粒子同士の結合等により粒子径が所定の値よりも大きくなった粒子は自身の重さの影響で落下することになる。そして、粒子径が所定の値以下の微粒子だけが微粒子選別プレートを通過する。したがって、微粒子選別プレートを通過した微粒子に対して乾燥ステップを実施することにより、最終的に得られる油脂封入微小粉体の粒子径のばらつきを小さくすることができる。
前記乾燥ステップを実行するに際し、前記微粒子に電荷を供給する電荷供給ステップを実施することが望ましい。すなわち、微粒子を温風または乾燥雰囲気中で噴霧乾燥させるに際し、微粒子に電荷を供給して微粒子の帯電状態を制御するのである。これにより微粒子同士の付着や製造に使用する装置の内壁への付着を防止して、粒子径の揃った油脂封入微小粉体を効率良く製造することができる。
本発明の油脂封入微小粉体は、タンパク質からなる球状の殻と当該殻内を充たす油脂とを有する粉体であって、平均粒子径が11μm以下であり、且つ、粒子径の標準偏差が0.085以下であることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、タンパク質からなる球状の殻とその殻内を充たす油脂とを有する粒子構造の油脂封入微小粉体をその粒子径を所望の値に制御しつつ製造することができる。
本発明の油脂封入微小粉体は、その平均粒子径が11μm以下であり、且つ、粒子径の標準偏差が0.085以下であるので、経口投与、経皮投与、気管吸入など各種投与法によるDDS(Drug Delivery System)のデリバリー薬剤に適用することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の製造方法により油脂封入微小粉体を製造する粉体製造装置の構成図である。この粉体製造装置1は、微粒子発生装置2と噴霧乾燥装置4とを備えて構成されている。
図2は、粉体製造装置を構成する微粒子発生装置2の構成を示す図である。この図に示すように、微粒子発生装置2は、下端部が閉じ上端部に蓋部10aを有する円筒形状の微粒子分別容器10を備えている。この微粒子分別容器10の蓋部10aには、油脂とタンパク質とを混合して得られた流動性を有する乳化油脂(以下、液状乳化油脂と記す。)を気体により破砕微細化する二流体ノズル(微粒子発生ノズル)12が設けられている。ここで二流体ノズル12は、ノズルの先端部に設けられた液体噴出口から噴出された液状乳化油脂の外周部に気体噴出口から気体を噴出させ、液状乳化油脂を気体により破砕微細化することにより液状乳化油脂の微粒子を噴出させるものである。
微粒子分別容器10内には、二流体ノズル12により発生された微粒子を微粒子分別容器10の下部まで整流して導く整流コーン(整流部材)14が設けられている。ここで整流コーン14の上部の開口部には、二流体ノズル12の先端部が配置されている。また、微粒子分別容器10内には、二次気体用コンプレッサ16から延びる二次気体供給管18が配置されており、二次気体用コンプレッサ16からの二次気体は、整流コーン14の下部の開口部付近に供給される。また、微粒子分別容器10内には、整流コーン14により微粒子分別容器10の下部まで導かれた微粒子の浮上を抑制し、微粒子の選別を行う3枚の微粒子選別プレート20,22,24が設けられている。
図3に示すように、微粒子選別プレート20は、中央部に整流コーン14が貫通する開口部20aが設けられた円板形状のプレート状部材であり、多数の貫通孔20bが設けられている。また、図4に示すように、微粒子選別プレート22は、中央部に整流コーン14が貫通する開口部22aが設けられた円板形状のプレート状部材であり、多数の貫通孔22bが設けられている。貫通孔22bは、微粒子選別プレート20の貫通孔20bの大きさよりも大きく形成されている。更に図5に示すように、微粒子選別プレート24は、中央部に整流コーン14が貫通する開口部24aが設けられた円板形状のプレート状部材であり、多数の貫通孔24bが設けられている。なお、貫通孔24bは、微粒子選別プレート22の貫通孔22bの大きさよりも大きく形成されている。
微粒子分別容器10の底部には、液体貯留容器26に連通する液体排出口10bが設けられている。微粒子分別容器10の底部にたまった液状乳化油脂は、液体排出口10bから排出され液体貯留容器26内に貯留される。
また、微粒子分別容器10の蓋部10aには、微粒子分別容器10内において微粒子から分別された超微粒子を吐出する吐出部28が設けられている。ここで、吐出部28は、微粒子分別容器10の蓋部10a取付けられた取付部28a、取付部28aに接続された誘導管28bにより構成されている。誘導管28bには、吐出部28から吐出される超微粒子に電荷を供給する電源装置40が接続されている。
この電源装置40により所望の直流高電圧を吐出部28の誘導管28bに給電し、吐出部28から吐出される超微粒子に電荷を供給して帯電させる。このようにして超微粒子を帯電させ帯電量を制御することにより、吐出される超微粒子が装置の内壁等に付着したり粒子同士が再付着したりするのを防止することができる。
また、液体貯留容器26と二流体ノズル12との間には、液状乳化油脂を二流体ノズル12へ供給するための液体供給管30が設けられている。この液体供給管30には、二流体ノズル12への液体供給量を調整するための電磁弁32が設けられている。なお、二流体ノズル12へは、液体貯留容器26以外からも分岐供給管30aを介して溶液を供給することができる。また、ノズル供給用コンプレッサ34と二流体ノズル12との間には、ノズル用気体を二流体ノズル12へ供給するための気体供給管36が設けられている。
上述の二次気体用コンプレッサ16により微粒子分別容器10内に供給される二次気体の圧力、ノズル供給用コンプレッサ34により二流体ノズル12に供給されるノズル用気体の圧力及び電磁弁32を介して二流体ノズル12に供給される液状乳化油脂の量は、制御装置42によって制御される。また、制御装置42により、電源装置40によって吐出部28の誘導管28bに供給される電荷量が制御される。
また、制御装置42には、吐出部28から吐出される微粒子の粒子径の分布を検出する粒子径検出部S1及び微粒子の粒子量を検出する粒子量検出部S2が接続され、粒子径検出部S1及び粒子量検出部S2から検出値が入力される。なお、粒子径検出部S1及び粒子量検出部S2は、誘導管28bに設けられている微粒子取出口(図示せず)から取出された微粒子の粒子径の分布及び超微粒子の粒子量を検出する。
また、制御装置42には、吐出部28から吐出させる微粒子の粒子径を設定する粒子径設定部44a、微粒子の粒子量を設定する粒子量設定部44b及び微粒子の帯電量(供給電荷量)を設定する帯電量設定部44cが接続されている。
図6は、粉体製造装置1を構成する噴霧乾燥機4の構成を示す図である。この図に示すように、噴霧乾燥機4は、乾燥容器50を有している。乾燥容器50の上部には、微粒子発生装置2の吐出部28の誘導管28bが接続されており、微粒子発生装置2により発生された微粒子が乾燥容器50内に供給される。また、この乾燥容器50の上部には、ヒータ52及びフィルタ54を介して送風機56が接続されており、送風機56を運転することにより温風が乾燥容器50内に供給される。
乾燥容器50の排出口50aには、パイプ58の一端が接続されており、パイプ58の他端が第1サイクロン60と接続されている。この第1サイクロン60の下端部には、排気口60aが設けられ、上端部はパイプ62を介して第2サイクロン64の上端部と接続されている。この第2サイクロン64の下端部には、取出口64aが設けられている。
次に、この実施の形態の粉体製造装置1を用いた樹脂封入微小粉体の製造方法について説明する。
まず、微粒子発生装置2の粒子径設定部44aにより吐出部28から吐出させる微粒子の粒子径を設定し、粒子量設定部44bにより吐出部28から吐出させる微粒子の粒子量を設定する。ここで微粒子の粒子径の設定値は、製造すべき樹脂封入微小粉体の平均粒子径に応じて、たとえば11μm以下の任意の値に設定される。また、帯電量設定部44cにより、吐出部28から吐出させる微粒子の帯電量を設定する。ここで帯電量の設定は、吐出部28の誘導管28b及び噴霧乾燥装置4の内壁等の不要な部分に微粒子が付着せず、好ましくは発生した微粒子同士が再結合しないような値を適宜設定する。微粒子同士が再結合しないようにするには、微粒子を電気的に中性にすることが好ましい。
この微粒子の粒子径の設定、微粒子の粒子量の設定及び微粒子の帯電量の設定が終了した後、原料油脂と原料タンパク質とを混合してなる液状乳化油脂の超微粒子を発生させる。すなわち、この微粒子発生装置2においては、ノズル供給用コンプレッサ34から気体供給管36を介して二流体ノズル12に空気(ノズル用気体)が供給されると、この空気が二流体ノズル12の先端部の気体噴出口から噴出され、この噴出力により液体貯留容器26内の液状乳化油脂が吸上げられ、液体供給管30を介して二流体ノズル12に供給される。
二流体ノズル12においては、液体噴出口から噴出される溶液が気体噴出口から噴出される空気により破砕微細化されて、液状乳化油脂の微粒子が噴出される。この二流体ノズル12から噴出された液状乳化油脂の微粒子は、整流コーン14内を通って微粒子分別容器10の下部まで導かれる。一方、二次気体用コンプレッサ16からの空気(二次気体)が二次気体供給管18を介して整流コーン14の下部の開口部付近に供給される。
微粒子分別容器10の下部まで導かれた液状乳化油脂の微粒子は、二流体ノズル12から噴出された空気及び二次気体による上昇流により、微粒子選別プレート20,22,24により急速な上昇を抑制されつつ、微粒子選別プレート20,22,24に設けられた貫通孔20b,22b,24bを通って、徐々に微粒子分別容器10内を上昇する。すなわち、まず微粒子選別プレート24を通過した微粒子は、微粒子選別プレート22により上昇が抑制され、微粒子選別プレート24と微粒子選別プレート22の間に所定の粒子径分布を有する微粒子が滞留する。ここで粒子径の大きい微粒子は、自重により微粒子分別容器10の底部に落下する。また、微粒子選別プレート22を通過した微粒子は、微粒子選別プレート20により上昇が抑制され、微粒子選別プレート22と微粒子選別プレート20の間に所定の粒子径分布を有する微粒子が滞留する。ここで粒子径の大きい微粒子は、重力により微粒子分別容器10の底部に落下する。微粒子選別プレート22と微粒子選別プレート20の間に滞留する微粒子の粒子径は、微粒子選別プレート24と微粒子選別プレート22の間に滞留する微粒子の粒子径よりも小さくなっている。
このようにして微粒子が微粒子分別容器10内を浮上するにしたがい、粒子径の大きい微粒子は、微粒子分別容器10の底部に落下し、粒子径が所定値以下の微粒子のみが微粒子分別容器10の吐出部28から吐出される。ここで吐出部28から吐出される微粒子は、帯電量設定部44cにより設定した帯電量に対応する電荷を有している。すなわち、制御装置42は、帯電量設定部44cにより設定した値に基づいて、電源装置40に対して制御信号を出力し、電源装置40により吐出部28の誘導管28bに供給される電荷量の制御を行う。なお、微粒子分別容器10の底部にたまった液状乳化油脂は、液体排出口10bから排出され液体貯留容器26に貯留され再利用される。
吐出部28から吐出される微粒子の粒子径の分布は、粒子径検出部S1により検出され、微粒子の粒子量は、粒子量検出部S2により検出される。粒子径検出部S1及び粒子量検出部S2により検出された検出値は、制御装置42に入力される。制御装置42においては、吐出部28から吐出される微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定された値になるように、また微粒子の粒子量が粒子量設定部44bにより設定された値になるように、二次気体用コンプレッサ16、電磁弁32及びノズル供給用コンプレッサ34に対して制御信号を出力し、二流体ノズル12に供給される空気の圧力及び二流体ノズル12に供給される溶液の量を制御すると共に、微粒子分別容器10内に供給される二次気体の圧力を制御する。
すなわち、制御装置42においては、粒子径検出部S1により検出された微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定された大きさよりも大きい場合には、ノズル供給用コンプレッサ34を制御して、二流体ノズル12に供給される空気の圧力を高くする。また、二次気体用コンプレッサ16を制御して微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力を高くする。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子径を小さくする。
一方、粒子径検出部S1により検出された微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定された大きさよりも小さい場合には、ノズル供給用コンプレッサ34を制御して、二流体ノズル12に供給される空気の圧力を低くする。また、二次気体用コンプレッサ16を制御して微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力を低くする。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子径を大きくする。
なお、二流体ノズル12に供給される空気の圧力、微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力の何れか一方を制御することにより、吐出部28から吐出される微粒子の粒子径を制御することができるが、二流体ノズル12に供給される空気の圧力と微粒子分別容器10内に供給される空気の圧力の両方を制御することにより、より精度良く微粒子の粒子径を制御することができる。
また、粒子量検出部S2により検出された微粒子量が粒子量設定部44bにより設定された量よりも少ない場合には、電磁弁32に対して制御信号を出力して、二流体ノズル12に供給される溶液の量を増加させる。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子量が多くなる。一方、粒子量検出部S2により検出された微粒子量が粒子量設定部44bにより設定された量よりも多い場合には、電磁弁32に対して制御信号を出力して、二流体ノズル12に供給される溶液の量を減少させる。これにより吐出部28から吐出される微粒子の粒子量が少なくなる。
この微粒子発生装置2においては、粒子径検出部S1により検出された微粒子の粒子径が粒子径設定部44aにより設定され粒子径となり、粒子量検出部S2により検出された粒子量が粒子量設定部44bにより設定された粒子量となるまで上述の制御が繰り返される。そして、その後、超微粒子発生装置2において発生させた微粒子を噴霧乾燥機4に供給する。
噴霧乾燥機4の乾燥容器50内に供給された微粒子は、送風機56の運転によりヒータ52及びフィルタ54を介して乾燥容器50内に供給される温風により浮遊(流動)しつつ乾燥され粉末化して、徐々に落下し取出口50aから第1サイクロン60に供給される。また、第1サイクロン60に供給された微粒子は、更に第2サイクロン64に供給され、熱風は第1サイクロン60の排気口60aから排気される。なお、乾燥された微粒子は、第2サイクロン64の取出口64aから取出される。
上記のように、この製造方法では、二流体ノズル12の液体噴出口から液状乳化油脂を噴出させつつ、二流体ノズル12の気体噴出口から気体を噴出させることにより、液状乳化油脂を気流により破砕微細化して液状乳化油脂の微粒子を発生させる微粒子発生ステップと、この微粒子発生ステップにて発生させた微粒子の中から微粒子選別プレート24、22、20を使用して粒子径が小さい微粒子を優先的に取り出す選別ステップと、この選別ステップにて取り出された微粒子を噴霧乾燥機4の乾燥容器50内にて温風により浮遊させつつ乾燥させる乾燥ステップと、この乾燥ステップを実行するに際し、微粒子に電荷を供給する電荷供給ステップと、ノズル12からの液状乳化油脂の吐出量を制御する粒子径制御ステップと、を経ることにより油脂封入微小粉体を製造する。
この製造方法によれば、微粒子選別プレート20、22、24の貫通孔20b、22b、24bの径およびプレート同士の間隔を適切に選定し、且つノズル12からの液状乳化油脂の吐出量および気流の噴射量を適切に制御することにより、平均粒子径が所定の値以下の均一な粒子径を有する液状乳化油脂の微粒子群を発生させることができる。したがって、最終的に乾燥されて製造される微粒子郡からなる油脂封入微小粉体は、平均粒子径が所定の値以下で粒子径の揃ったものとすることができる。
また、液状乳化油脂の微粒子群を温風により浮遊させつつ乾燥させるに際し、微粒子に電荷を供給して微粒子の帯電状態を制御するようにしたので、微粒子同士または装置の内壁との微粒子の衝突や付着を抑制して、粒子径および形状が均一である液状乳化油脂を効率良く製造することができる。すなわち、乾燥処理中における微粒子の損傷を防止して、凹みや破損などの少ない油脂封入微小粉体を製造することができる。
図7は原料として市販の一般的なマヨネーズを用いて製造した油脂封入微小粉体の粒子径と存在個数(相対粒子量)との関係(実測結果)を示している。マヨネーズは、植物油、卵黄および食酢を主成分とする液状乳化油脂である。下記の表1は、図7中の各測定結果I、II、IIIにおける粒子径のメディアン、モード、平均値および標準偏差を示している。測定結果I、IIは本発明の製造方法により油脂封入微小粉体を製造した場合、測定結果IIIは本発明の製造方法における粒子選別(分別ステップ)を実施しなかった場合の結果を示している。
Figure 2005295856
この測定結果から、本発明の製造方法によれば標準偏差が0.085以下の粒子径の均一な油脂封入微小粉体を製造できることが分かる。一方、粒子選別を実施しなかった場合には、標準偏差が本発明の製造方法の場合の2倍以上となり、粒子径が不均一な油脂封入微小粉体しか製造できないことが分かる。
本発明の製造方法によれば、その平均粒子径が11μm以下であり、且つ、粒子径の標準偏差が0.085以下である油脂封入微小粉体を製造することが可能であり、使用する油脂およびタンパク質、油脂中に含有させる薬剤等を目的や条件に応じて選定することにより、経口投与、経皮投与、気管吸入など各種投与法によるDDSのデリバリー薬剤に適用することができる。たとえば原料タンパク質として、αグロブリン、βグロブリン、γグロブリンのうちのいずれかを選択すれば、αグロブリン、βグロブリン、またはγグロブリンからなる粒径の揃った球状の微小な殻内に薬剤含油脂を充填してなる粉体薬品を製造することができる。
また、原料脂質やタンパク質に、その他のタンパク薬剤、インスリン、ステロイドまたは低分子化合物を含有させておくことにより、その他のタンパク薬剤、インスリン、またはステロイドを含有したタンパク質からなる粒径の揃った球状の微小な殻内に薬剤含油脂を充填してなる粉体薬品を製造することができる。
本発明の製造方法により製造した油脂封入微小粉体の球状殻の結晶構造を調べたところ、球状殻が非晶質タンパク質で構成されていることが分かった。液状乳化油脂の微細粒子を温風で浮遊させつつ急速に乾燥させたことにより、液状乳化油脂中のタンパク質が結晶化する前に微細粒子の乾燥が終了したため、非晶質になったものと考えられる。液状乳化油脂の球状殻が非晶質タンパク質からなることにより、これが結晶タンパク質からなる場合と比較して、球状殻の溶け易さ(溶け難さ)の調整が容易になる。
また、本発明の製造方法によれば、平均粒子径が1μm以下の油脂封入微小粉体を製造することも可能である。したがって、非経口薬剤や血管内注入用分散性薬剤としても適用可能な油脂封入微小粉体を製造することも可能である。
本発明の製造方法は、粉状食品の製造方法としても利用できる。平均粒子径が11μm以下の粒子径の揃った粒子からなる、なめらかな食感の粉状食品を製造することが可能である。したがって乳化油脂として、たとえばマヨネーズを用いることにより、粒子径の揃った微細な粒子からなる、異物感やざらつきのない、粉状マヨネーズを製造することができる。
本発明の製造方法により油脂封入微小粉体を製造する粉体製造装置の構成例を示すブロック図である。
図1中の超微粒子発生装置の構成例を示す概略構成図である。
図2中の微粒子選別プレートの構成例を示す平面図である。
図2中の微粒子選別プレートの構成例を示す平面図である。
図2中の微粒子選別プレートの構成例を示す平面図である。
図1中の噴霧乾燥機の構成の構成例を示す概略構成図である。
油脂封入微小粉体の粒子径と存在個数(相対粒子量)との関係(実測結果)を示す図である。
符号の説明
1 粉体製造装置
2 微粒子発生装置
4 噴霧乾燥機
10 微粒子分別容器
12 二流体ノズル
14 整流コーン
20,22,24 微粒子選別プレート
20b,22b,24b 貫通孔
44a 粒子径設定部
50 乾燥容器

Claims (4)

  1. 油脂とタンパク質とを混合して得られた流動性を有する乳化油脂をノズルから吐出させつつ気流により破砕して当該乳化油脂からなる微粒子を発生させる微粒子発生ステップと、
    前記微粒子発生ステップで発生させた微粒子を温風または乾燥雰囲気中で噴霧乾燥させる乾燥ステップと、
    前記ノズルからの乳化油脂の吐出量を調節することにより前記微粒子の粒子径を制御する粒子径制御ステップと、
    を有することを特徴とする油脂封入微小粉体の製造方法。
  2. 前記微粒子発生ステップで発生させた微粒子を上昇気流によって搬送するとともに、当該上昇気流の流路を複数の貫通孔を有する微粒子選別プレートで遮ることにより、粒子径がより小さい微粒子を優先的に上昇させる選別ステップを更に有し、
    当該微粒子選別プレートを通過した微粒子に対して前記乾燥ステップを実施することを特徴とする請求項1記載の油脂封入微小粉体の製造方法。
  3. 前記乾燥ステップを実行するに際し、前記微粒子に電荷を供給する電荷供給ステップを実施することを特徴とする請求項1または2に記載の油脂封入微小粉体の製造方法。
  4. タンパク質からなる球状の殻と当該殻内を充たす油脂とを有する粉体であって、平均粒子径が11μm以下であり、且つ、粒子径の標準偏差が0.085以下である油脂封入微小粉体。
JP2004114660A 2004-04-08 2004-04-08 油脂封入微小粉体の製造方法および油脂封入微小粉体 Pending JP2005295856A (ja)

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WO2007043414A1 (ja) 2005-10-11 2007-04-19 Nikon Corporation 多層膜反射鏡、多層膜反射鏡の製造方法、光学系、露光装置及びデバイスの製造方法
WO2007117023A1 (ja) 2006-04-11 2007-10-18 Wingturf Co., Ltd. リポソーム分散液の製造方法ならびに製造装置

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