以下、図面に基づき本発明の端子台ユニットの実施の形態を示す電源分配システムについて説明する。
(実施の形態1)
図1は第1の実施の形態を示す電源分配システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図1において電源分配システム100内の端子台ユニット1は、端子台制御手段2、直流電源装置PSを接続する入力端子I1,I2、直流電源装置PSから供給される直流電圧VDを分岐して負荷L1〜負荷nに、それぞれ直流電圧VDおよび負荷電流IL1〜ILnを供給する出力端子A1,B1〜An,Bnを備える。
端子台制御手段2は、出力端子A1,B1〜An,Bn(電源供給端子)毎に、複数の負荷(負荷L1〜負荷ln)に供給する直流電源(直流電圧VD)の接続/切断のタイミング、切断電流値を制御するとともに、電流値/電圧値の表示および過電流の通報を制御する。
図2は第1の実施の形態に関わる端子台制御手段内部の概略構成を示すブロック図である。なお、端子台制御手段2は、出力端子A1,B1から負荷L1に直流電源(直流電圧VD)を供給する1ブロック(チャネルCH1)について説明するが、出力端子A2,B2〜An,Bnから負荷L2〜Lnに直流電源(直流電圧VD)を供給する2ブロック〜nブロック(チャネルCH2〜CHn)についても同じ構成である。
図2において、端子台制御手段2は、制御手段3、制御手段3に含まれるシーケンス手段4、電流検出手段5、電圧検出手段6、スイッチング手段7、表示手段8、通報手段9、設定手段10、記憶手段11を備える。
制御手段3は、マイクロプロセッサを基本にA/D変換機能、各種演算機能、比較機能、タイマ機能、処理機能を有し、シーケンス手段4からのタイミング決定された情報に基づいてスイッチデータDSをスイッチング手段7に供給して、スイッチング素子7a,7bをオン/オフさせ、出力ラインLP−出力ラインLM間の直流電圧VDを設定されたタイミングで出力端子A1,B1に接続させたり、切断させたりする。
また、制御手段3は、電流検出手段5から提供される負荷電流IL1を対応する電圧に変換した変換電圧Vdを記憶手段11に記憶されている電圧値と比較し、変換電圧Vdが過電流IKに対応する電圧値を超えた場合には、通報データDTを供給して、通報手段9から警告音を発生させ、負荷L1に異常電流が流れたことを通知する制御を行う。また、通報データDTに基づいてトランジスタやリレーを動作させて、電気信号を外部に出力し、外部の表示器や警報器に異常電流が流れたこと表示し、通知するようにする制御を行う。
さらに、制御手段3は、電流検出手段5から提供される変換電圧Vdが過電流IKに対応する電圧値をさらにオーバした場合には、スイッチデータDSをスイッチング手段7に供給してスイッチング素子7a,7bをオフさせ、出力ラインLP−出力ラインLM間の直流電圧VDを出力端子A1,B1から切断させる制御を実行する。
また、制御手段3は、負荷L1に直流電源(直流電圧VD)を供給する初期状態で、電圧検出手段6から提供される検出電圧VPを記憶手段11に記憶されている電圧値と比較し、検出電圧VPが直流電圧VDの定常値(例えば、24V)に近い電圧値(例えば、22V)を越える値が所定時間を越える場合には、スイッチデータDSをスイッチング手段7に供給してスイッチング素子7a,7bをオンさせ、負荷L1を直流電源の初期供給時から正常な電圧で駆動する制御を行う。
さらに、制御手段3は、直流電圧VDを負荷L1に供給中に、電圧検出手段6から提供される検出電圧VPが直流電圧VDの定常値(例えば、24V)に近い電圧値(例えば、22V)を下回る値が所定時間を越える場合には、スイッチデータDSをスイッチング手段7に供給してスイッチング素子7a,7bをオフさせ、負荷L1を直流電源の異常な電圧で駆動しない制御を実行する。
また、制御手段3は、電流検出手段5から提供される変換電圧Vdおよび電圧検出手段6から提供される検出電圧VPに基づいて表示データDGを表示手段8に供給し、表示手段8に過電流IKを含む負荷電流IL1および直流電圧VDをそれぞれ電流値および電圧値で表示させる制御を行う。
さらに、制御手段3は、設定手段10から供給される直流電源(直流電圧VD)の接続や切断のタイミング情報、過電流IKの複数レベルの過電流値データ、直流電圧VDの供給開始下限電圧データならびに供給停止上限電圧データ、突入電流IRに対する過電流IKの過電流値データおよび継続時間のタイミング情報等の設定情報JSを記憶情報JMとして記憶手段11に格納させる制御を実行する。
また、制御手段3は、設定手段10からの設定情報JSまたは記憶手段11からの記憶情報JMを表示データDGとして表示手段8に供給し、各種情報およびデータを表示手段8に表示させる制御を行う。
さらに、制御手段3は、負荷L1が容量性負荷のような直流電源(直流電圧VD)を供給する初期状態に突入電流IRが流れる場合、電流検出手段6が過電流過電流IKを検出しても、検出した過電流IKと継続時間τに基づいて過電流IKの通報および電源切断をさせない制御を実行する。
シーケンス手段4は、順序機能、タイマ機能を備え、設定手段10からの設定情報JSに基づいてスイッチング手段7のスイッチング素子7a,7bをオン/オフさせるスイッチデータDSを発生するタイミングを決定する。
また、シーケンス手段4は、突入電流IRが流れた場合、電流検出手段5から供給される過電流IKの値と継続時間τを監視し、突入電流IRが規定の過電流IKを超えても、規定の継続時間τを下回る場合には、本来ならスイッチング手段7のスイッチング素子7a,7bをオフさせるスイッチデータDSの発生を禁止し、直流電源(直流電圧VD)を負荷L1に継続して供給し、容量性負荷に直流電源(直流電圧VD)を印加する初期状態で必然的に発生する突入電流IRに起因する直流電源(直流電圧VD)の切断を防止する。
電流検出手段5は、出力ラインLMに挿入した電流検出用抵抗器r、電流検出用抵抗器rに流れる負荷電流IL1による電圧降下を増幅する差動増幅器などで構成し、負荷電流IL1を対応する変換電圧Vdで検出し、変換電圧Vdを制御手段3に提供する。
電圧検出手段6は、出力ラインLP−LM間の直流電圧VDを抵抗分割、差動増幅器などで降圧し、降圧した直流電圧VDに対応する検出電圧VPで検出し、検出電圧VPを制御手段3に提供する。
スイッチング手段7は、リレーや、MOSFET、トランジスタ等の半導体スイッチで構成して出力ラインLP,LMに挿入し、制御手段3から供給されるスイッチデータDSに基づいてスイッチング素子7aおよびスイッチング素子7bをオン(実線表示)またはオフ(破線表示)に駆動し、直流電源(直流電圧VD)を出力端子A1,B1に接続し、または切断する。
なお、スイッチング素子7aおよびスイッチング素子7bは、リレー接点、MOSFETのドレインとソース、トランジスタのコレクタとエミッタに相当し、スイッチデータDSをリレー巻線、FETのゲート、トランジスタのベースに供給することにより、リレーや半導体スイッチをオン状態あるいはオフ状態にする。
表示手段8は、表示駆動回路、LCD(液晶表示器)などで構成し、制御手段3から供給される表示データDGに応じて表示駆動信号を発生し、LCDに電流値や電圧値などを表示する。
また、表示手段8は、複数の発光ダイオード(LED)を備え、スイッチング手段7がオン状態にある場合には、例えば青色発光ダイオードLED(B)を点灯し、スイッチング手段7がオフ状態にある場合には、例えば赤色発光ダイオードLED(R)を点灯して表示する。
通報手段9は、発振器、スピーカ、トランジスタ出力やリレー出力等で構成し、制御手段3から供給される通報データDTに応じて警告信号を発生し、例えばスピーカから警告音を発生して直流電圧VDまたは負荷電流IL1の異常を通知する。尚、通報手段9がトランジスタ出力やリレー出力等の場合、制御手段3からの通報データDTに応じて警告信号を発生し、この警告信号を通報出力(表示出力)するものである。
設定手段10は、キー、ボリューム、またはロータリスイッチなどで構成し、直流電源(直流電圧VD)の接続や切断のタイミング情報、過電流IKの複数レベルの過電流値データ、直流電圧VDの供給開始下限電圧データならびに供給停止上限電圧データ、突入電流IRに対する過電流IKの過電流値データ、継続時間のタイミング情報等の設定または変更のための設定情報JSを制御手段3に供給する。
このように、この発明に係る端子台制御手段2は、電源(直流電圧VD)接続/切断のタイミング、過電流IK値を設定または変更する設定手段10を備えたので、負荷L1に供給する直流電源(直流電圧VD)の電源接続/切断のタイミング、直流電源(直流電圧VD)を切断する過電流IK値の設定または変更を顧客の思いどおりに行うことができ、ユニットの自由度ならびに拡張性を実現することができる。
記憶手段11は、ROM等の固定メモリ、フラッシュメモリ等の書替え可能なメモリで構成し、各種制御プログラム、設定手段10からの設定情報JSに基づいて制御手段3の制御により、直流電源(直流電圧VD)の接続や切断のタイミング情報、過電流IKの複数レベルの過電流値データ、直流電圧VDの供給開始下限電圧データならびに供給停止上限電圧データ、突入電流IRに対する過電流IKの過電流値データおよび継続時間のタイミング情報等を記憶情報JMとして記憶(格納)する。
また、記憶手段11は、記憶(格納)した記憶情報JMを制御手段3に提供する。
このように、この発明に係る端子台制御手段2は、通報を開始する過電流IK値およびスイッチング手段7を切断する過電流IK値の過電流データを記憶するとともに、電源接続/切断のシーケンスデータを記憶する記憶手段11を備えたので、過電流の通報、過電流に対する直流電源の切断、電源接続/切断のシーケンスなどを自由に設定し、実行することができ、利便性をアピールすることができる。
なお、制御手段3、シーケンス手段4、通報手段9、設定手段10および記憶手段11は、1ブロック(チャネルCH1)に属することで説明したが、2ブロック〜nブロック(チャネルCH2〜CHn)で共用してもよい。
このように、この発明に係る端子台制御手段2は、電源接続/切断のタイミングを決定するシーケンス手段4、電流(負荷電流IL1)を検出する電流検出手段5、端子電圧(直流電圧VD)を検出する電圧検出手段6、直流電源(直流電圧VD)の接続/切断を実行するスイッチング手段7、電流値/電圧値を表示する表示手段8、過電流IKおよび異常電圧の通報を行う通報手段9、ユニットの全体動作を制御する制御手段3を備えたので、負荷L1に応じて電源接続/切断のタイミングを設定し、運転状態の電流値/電圧値の表示ならびに負荷に過電流が流れたことを通知することができ、使い勝手の良さをアピールすることができる。
図3は第1の実施の形態に関わる制御手段の突入電流防止機能イメージ図である。(a)図は突入電流防止機能がない場合の負荷電流特性、(b)〜(d)図は突入電流防止機能を有する各ブロック(チャネルCH1〜CH3)の時間−負荷電流特性を表わす。なお、1ブロック〜3ブロック(チャネルCH1〜CH3)で、負荷L1〜L3を駆動し、負荷電流IL1〜IL3が流れるものとして説明する。
(a)図において、突入電流防止機能がない状態で、負荷L1〜L3を接続して直流電源装置PSの直流電圧VDを印加した場合、容量性負荷には直流電圧VDの印加時点(時間t=0)で負荷電流ILの波高値が突入電流IRの最大値に達し、容量値と抵抗値の時定数で指数関数的に減少する特性を示す。
直流電源装置PSに過電流防止機能があり、突入電流Irが継続時間Tτよりも少ない時間で動作するものとすると、直流電圧VDの印加後の時間Tτで端子台ユニット1への電源供給を停止してしまう。
(b)図〜(d)図において、シーケンス手段4を含む制御手段3は、負荷L1〜負荷L3に直流電源(直流電圧VD)を供給開始するタイミングをt1,t2およびt3とし、それぞれ負荷電流IL1の突入電流制限値IR1が継続時間τ、負荷電流IL2の突入電流制限値IR2が継続時間τ、負荷電流IL3の突入電流制限値IR3が継続時間τを越えた場合には、スイッチング手段7のスイッチング素子7aおよびスイッチング素子7bをオフ状態にして負荷L1〜L3への直流電源(直流電圧VD)の供給を停止するように制御手段3が制御すると、負荷電流IL1、負荷電流IL2および負荷電流IL3を停止することなく、負荷L1〜負荷L3に直流電源(直流電圧VD)を継続して供給することができる。
負荷L1〜負荷L3に流す負荷電流IL1〜負荷電流IL3を同時に流さず、負荷電流IL1を流してから負荷電流IL2を流すまで時間Taだけタイミングを遅らせ、負荷電流IL2を流してから負荷電流IL3を流すまで時間Tbだけタイミングを遅らせることにより、負荷電流IL1〜負荷電流IL3の突入電流の波高値を低く抑え、波高値の継続時間も短くすることができ、直流電源装置PSの過電流防止機能を動作させることなく、定常電流が流れる負荷と同様に扱うことができる。
このように、この発明に係る制御手段3は、電流検出手段5が過電流IKを検出しても、検出した過電流値IKと継続時間τに基づいて過電流の通報および電源切断を実行しないように制御するので、容量性負荷に突入電流IRが流れても、過電流IKの通報および電源切断することなく負荷に電源を供給することができ、信頼性を損なうことなく安定した電源供給を行うことができる。
以上説明したように、この発明に係る端子台ユニット1は、電源装置PSから供給される直流電源(直流電圧VD)を収容し、複数の負荷L1〜Lnに分配して供給する端子台ユニットであって、電源供給端子(出力端子A1,B1〜An,Bn)毎に複数の負荷L1〜Lnに供給する直流電源(直流電圧VD)の接続/切断のタイミング、切断電流値を制御するとともに、電流値/電圧値の表示、過電流および異常電圧の通報を制御する端子台制御手段2を備えたので、負荷に供給する直流電源の状態を顧客が自由に設定し、直流電源の運転状態を一目で確認することができ、使い勝手が良く、利便性の向上を図ることができる。
図4は第1の実施の形態に関わる端子台ユニットの外観構成を示すイメージ図である。なお、端子台ユニット1は、チャネルCH1〜CH3の構成を示し、負荷L1〜L3に直流電源を供給する。
チャネルCH1〜CH3は、それぞれ電圧値および電流値を表示する液晶表示器LCD、負荷電流が正常なことを表示する青色発光ダイオードLED(B)、負荷電流が異常なことを表示する赤色発光ダイオードLED(R)、各種データを設定し、データを選択するための設定/選択つまみVRを備える。
スピーカSPは、チャネルCH1〜CH3に共通して警報音を発生する。また、各種データの設定は、パソコン接続コネクタCNを設けて外部パーソナルコンピュータから実行するように構成してもよい。
次に、端子台ユニットの制御方法について説明する。図5はこの発明に係る端子台ユニットの制御方法の一実施の形態動作フロー図である。なお、動作フローは、図2を参照して説明する。
図5において、ステップS1では、直流電源を設定したタイミングで接続する。なお、ステップS1の動作は、シーケンス手段4、制御手段3およびスイッチング手段7が実行する。
ステップS1Aでは、電流値及び電圧値を検出する。尚、ステップS1Aの動作は、電流検出手段5及び電圧検出手段6が実行する。
ステップS2では、電流値および電圧値を表示する。なお、ステップS2の動作は、電流検出手段5、電圧検出手段6、制御手段3および表示手段8が実行する。
ステップS3では、電流値が第1設定値を越えたか否かを判定し、第1設定値を越えた場合にはステップS4に移行する。一方、第1設定値を越えない場合には現在の電流値及び電圧値を検出すべく、ステップS1Aに移行する。なお、ステップS3の動作は、制御手段3が実行する。
ステップS4では、過電流を通報する。なお、ステップS4の動作は、制御手段3および通報手段9が実行する。
ステップS5では、電流値が第2設定値を越えたか否かを判定し、第2設定値を越えた場合にはステップS6に移行する。一方、第2設定値を越えない場合には現在の電流値及び電圧値を検出すべく、ステップS1Aに移行する。なお、ステップS5の動作は、制御手段3が実行する。
ステップS6では、電源を切断する。なお、ステップS6の動作は、制御手段3およびスイッチング手段7が実行する。
このように、この発明に係る端子台ユニットの制御方法は、直流電源を設定したタイミングで接続するステップS1と、電流値及び電圧値を検出するステップS1Aと、電流値および電圧値を表示するステップS2と、電流値が第1設定値を越えたか否かを判定するステップS3と、第1設定値を越えた場合に、過電流の通報を実行するステップS4と、電流値が第2設定値を越えたか否かを判定するステップS5と、第2設定値を越えた場合に、電源を切断するステップS6とを備えたので、負荷に過電流が流れたことを通知し、過電流が増加すると直流電源を切断することができ、ユニットの信頼性を向上させることができる。
(実施の形態2)
次に第2の実施の形態を示す電源分配システムについて説明する。図6は第2の実施の形態を示す電源分配システム内部の概略構成を示すブロック図である。
図6に示す電源分配システム20は、直流電力を供給する直流電源装置PSと、この直流電源装置PSと接続し、この直流電源装置PSからの直流電力を複数の負荷L1〜Lnに分配供給する端子台ユニット1Aとで構成している。
端子台ユニット1Aは、直流電源装置PSからの直流電力を供給する入力端子I1、I2と、この入力端子I1,I2を通じて直流電力を各負荷L(L1〜Ln)に分岐出力する複数の出力端子A1、B1〜An,Bnと、この端子台ユニット1A全体を制御する端子台制御回路30とを有している。尚、説明の便宜上、端子台ユニット1Aの出力端子A1,B1〜A3,B3の3組として説明する。
尚、出力端子A,B(A1,B1〜A3,B3)毎に負荷L(L1〜L3)と接続することで、入力端子I1,I2及び出力端子A,B(A1,B1〜A3,B3)間でCHブロックX(X1〜X3)を構成し、例えば入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間でCHブロックX1を構成し、例えば入力端子I1,I2及び出力端子A3,B3間でCHブロックX3を構成する。
図7は同端子台ユニット1A内の端子台制御回路30内部の概略構成を示すブロック図、図8は同端子台ユニット1Aの外観構成を示すイメージ図である。
図7に示す端子台制御回路30は、出力端子A,B(A1,B1〜A3,B3)毎のCHブロックX(X1〜X3)と、端子台ユニット1Aの周囲温度を検出する周囲温度センサ部31と、各種情報を記憶する記憶部32と、各種情報を表示する表示部33と、各種情報を通報出力する通報部34と、記憶部32の記憶内容を変更設定する設定部35と、この端子台制御回路30全体を制御する制御部36とを有している。尚、端子台制御回路30は、複数のCHブロックX1〜X3を収容することになるが、説明の便宜上、CHブロックX1の構成は他のCHブロックX2及びX3の構成と同一になることから、同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
表示部33は、図8に示すLCD表示部33Aに相当し、後述するCHブロック毎の過電流発生、過電圧発生、不足電圧発生、現在電流値や現在電圧値等を表示すると共に、端子台ユニット1Aの交換時期到来、周囲温度の異常等の各種情報を表示するものである。
通報部34は、図8に示すスピーカ34A等に相当し、後述するCHブロック毎の過電流発生、過電圧発生及び不足電圧発生等を警報出力すると共に、端子台ユニット1Aの交換時期到来、周囲温度の異常等の各種情報を警報出力するものである。
設定部35は、図8に示す操作部35A及び、PC用接続コネクタ35Bに接続するPC(図示せず)に相当し、記憶部32の記憶内容を設定変更可能とするものである。
CHブロックX1は、入力端子I1及び出力端子A1間をプラス側ライン、入力端子I2及び出力端子B1間をマイナス側ラインとし、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間を接続又は切断するスイッチ部41と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の電流を検出する電流検出部42と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の電圧を検出する電圧検出部43とを有している。
スイッチ部41は、プラス側ライン及びマイナス側ライン両方に、例えばMOSFET等のスイッチ素子41Aを配置することで構成する。尚、スイッチ部41は、リレー装置等で構成するようにしても良い。
記憶部32は、例えば端末台ユニット1Aの周囲温度の異常を判断するための温度に相当する第1周囲温度と、例えば交換時期を判断するための積算稼働時間に相当する第1積算稼働時間と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の過電流発生の有無を判断するための電流値に相当する第1電流値と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間のスイッチ部41の接続切断動作を起動するための電流値に相当する第2電流値と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の過電圧発生の有無を判断するための電圧値に相当する第1電圧値と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間のスイッチ部41の接続切断動作を起動するための電圧値に相当する第2電圧値と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の不足電圧発生の有無を判断するための電圧値に相当する不足電圧値等とを設定記憶している。尚、第1電流値、第2電流値、第1電圧値及び第2電圧値はCHブロックX(X1〜X3)毎に設定記憶するものである。
端末台ユニット1Aのユーザは、設定部35を通じて、記憶部32に記憶中の第1周囲温度、第1積算稼働時間、第1電流値、第2電流値、第1電圧値、第2電圧値及び不足電圧値等を設定変更可能にしている。
制御部36は、電流検出部42にて検出した現在の電流値が記憶部32に記憶中の第1電流値を超えたか否かを判定する第1電流値判定部51と、電流検出部42にて検出した現在の電流値が記憶部32に記憶中の第2電流値を超えたか否かを判定する第2電流値判定部52と、電圧検出部43にて検出した現在の電圧値が記憶部32に記憶中の第1電圧値を超えたか否かを判定する第1電圧値判定部53と、電圧検出部43にて検出した現在の電圧値が記憶部32に記憶中の第2電圧値を超えたか否かを判定する第2電圧値判定部54と、電圧検出部43にて検出した現在の電圧値が記憶部32に記憶中の不足電圧値未満であるか否かを判定する不足電圧値判定部55と、周囲温度センサ部31にて検出した現在の周囲温度が第1周囲温度を超えたか否かを判定する周囲温度判定部56と、端末台ユニット1Aの現在の積算稼働時間を計測する稼働時間計測部57と、稼働時間計測部57にて計測した現在の積算稼働時間が記憶部32に記憶中の第1積算稼働時間を経過したか否かを判定する積算稼働時間判定部58と、スイッチ部41を駆動制御するスイッチ制御部59と、通報部34を駆動制御する通報制御部60と、表示部33を表示制御する表示制御部61とを有している。
通報制御部60は、第1電流値判定部51にてCHブロックX1の現在の電流値が第1電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間に過電流が発生したものと判断し、過電流発生に関わる通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御するものである。また、同様に、表示制御部61では、過電流発生を表示出力すべく、表示部33を表示制御するものである。
また、通報制御部60は、第1電圧値判定部53にてCHブロックX1の現在の電圧値が第1電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間に過電圧が発生したものと判断し、過電圧発生に関わる通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御するものである。同様に表示制御部61は、過電圧発生を表示出力すべく、表示部33を表示制御するものである。
また、通報制御部60は、不足電圧値判定部55にてCHブロックX1の現在の電圧値が不足電圧値未満であると判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の電圧値が不足電圧である旨の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御するものである。同様に表示制御部61は、不足電圧発生を表示出力すべく、表示部33を表示制御するものである。
また、スイッチ制御部59は、第2電流値判定部52にてCHブロックX1の現在の電流値が第2電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断するものと判断し、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間に配置したスイッチ部41の切断動作を実行すべく、スイッチ部41を駆動制御すると共に、第2電圧値判定部54にてCHブロックX1の現在の電圧値が第2電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間を切断するものと判断し、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間に配置したスイッチ部41の切断動作を実行すべく、スイッチ部41を駆動制御するものである。
また、制御部36は、電流検出部42にて検出した現在の電流値及び電圧値検出部43にて検出した現在の電圧値を、表示制御部61を通じて表示部33にリアルタイム表示するものである。
尚、端子台ユニット1Aの交換時期は、端子台ユニット1Aの負荷率及び周囲温度変化の影響が大である。図9は第2の実施の形態に関わる端子台ユニット1Aの交換時期の関係を示す説明図、図9(a)は寿命期待時間及び周囲温度の関係を示す説明図、図9(b)は寿命期待時間及び負荷率の関係を示す説明図である。
アレニウスの法則から明らかなように、図9(a)に示すように、例えば端子台ユニット1Aの周囲温度が10℃高くなると、同端子台ユニット1Aの寿命期待時間は半減、周囲温度が10℃低くなると、同端子台ユニット1Aの寿命期待時間は2倍増えることになる。例えば周囲温度が40℃の一定とし、図9(b)に示すように端子台ユニット1Aの負荷率が高くなると、寿命期待時間は短くなり、負荷率が低くなると、寿命期待時間も長くなる。
端子台ユニット1Aの負荷率及び周囲温度は端子台ユニット1Aの実際の交換時期(電源寿命時間)を予測する上で大きな目安となる。そこで、本実施の形態においては端子台ユニット1Aの周囲温度変化と、端子台ユニット1Aの周囲温度及び負荷率に対応した期待寿命時間(稼働時間)とに着目し、周囲温度センサ部31及び周囲温度判定部56、稼働時間計測部57及び積算稼働時間判定部58を設けた。
積算稼働時間判定部58は、現在の積算稼働時間が交換時期に相当する第1積算稼働時間を超えたか否かを判定するが、第1積算稼働時間は、図9(b)に示す負荷率及び周囲温度に対応した寿命期待時間を算出し、この算出した寿命期待時間に基づき、自動設定若しくはユーザ設定するものである。
また、通報制御部60は、積算稼働時間判定部58にて現在の積算稼働時間が交換時期に相当する第1積算稼働時間を超えたと判定されると、例えば交換時期到来の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御するものである。同様に表示制御部61は、交換時期到来を表示出力すべく、表示部33を表示制御するものである。
さらに、通報制御部60は、周囲温度判定部56にて現在の周囲温度が第1周囲温度を超えたと判定されると、周囲温度が異常であると判断し、周囲温度異常の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御するものである。同様に表示制御部61は、周囲温度異常を表示出力すべく、表示部33を表示制御するものである。
尚、本願請求項7記載の電源装置は直流電源装置PS、電源供給端子は出力端子A1,B1〜An,Bn、電流検出手段は電流検出部42、スイッチ手段はスイッチ部41、制御手段は制御部36、本願請求項8記載の記憶手段は記憶部32、第1電流値判定手段は第1電流値判定部51、第2電流値判定手段は第2電流値判定部52、通報出力手段は通報制御部60及び通報部34、スイッチ制御手段はスイッチ制御部59、本願請求項11記載の積算稼働時間監視手段は稼働時間計測部57、積算稼働時間判定手段は積算稼働時間判定部58、本願請求項12記載の周囲温度検出手段は周囲温度センサ部31、周囲温度判定手段は周囲温度判定部56、本願請求項13記載の電圧検出手段は電圧検出部43、第1電圧値判定手段は第1電圧値判定部53、第2電圧値判定手段は第2電圧値判定部54、本願請求項14記載の設定変更手段は設定部35、本願請求項15記載の電流値出力手段は制御部36、表示手段は表示部33に相当するものである。
次に第2の実施の形態を示す電源分配システム20の動作について説明する。図10は電流・電圧用異常監視処理に関わる端末台制御回路30内部の制御部36の処理動作を示すフロー図である。
図10に示す電流・電圧用異常監視処理は、CHブロックX(X1〜X3)単位で現在の電流値及び電圧値を監視し、この監視結果に基づき、例えば過電流発生、過電圧発生や不足電圧発生等の異常を通報出力し、場合に応じて入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断するものである。
図10において制御部36は、例えばCHブロックX1内の電流検出部42及び電圧検出部43を通じて入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間のCHブロックX1の現在の電流値及び電圧値を検出すると(ステップS11)、表示制御部61を通じて現在の電流値及び電圧値を表示部33にリアルタイム表示する(ステップS12)。尚、端子台ユニット1Aのユーザは、表示部33に表示中の電流値及び電圧値を見ることでCHブロックX1の現在の運転状況を確認することができる。
制御部36は、第1電流値判定部51にてCHブロックX1の現在の電流値が第1電流値を超えたか否かを判定する(ステップS13)。
制御部36は、第1電流値判定部51にて現在の電流値が第1電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間に過電流が発生したものと判断し、通報制御部60を通じて過電流発生の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御する(ステップS14)。尚、端子台ユニット1Aのユーザは、通報信号の通報出力に基づき、CHブロックX1での過電流の発生を認識することができる。
さらに、制御部36は、過電流発生を通報した後、第2電流値判定部52にてCHブロックX1の現在の電流値が第2電流値を超えたか否かを判定する(ステップS15)。
制御部36は、第2電流値判定部52にて現在の電流値が第2電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、スイッチ部41を駆動制御することで(ステップS16)、この処理動作を終了する。尚、スイッチ部41は、スイッチ素子41Aを駆動制御することで、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断し、CHブロックX1の過電流から負荷L1を保護することができる。
また、制御部36は、ステップS15にて現在の電流値が第2電流値を超えたのでなければ、CHブロックX1の過電流発生の通報出力を継続したまま、この処理動作を終了する。
また、制御部36は、ステップS13にて現在の電流値が第1電流値を超えたのでなければ、第1電圧値判定部53にてCHブロックX1の現在の電圧値が第1電圧値を超えたか否かを判定する(ステップS17)。
制御部36は、現在の電圧値が第1電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間で過電圧が発生したものと判断し、通報制御部60を通じてCHブロックX1での過電圧発生の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御する(ステップS18)。尚、端子台ユニット1Aのユーザは、通報信号の通報出力に基づき、CHブロックX1での過電圧の発生を認識することができる。
制御部36は、CHブロックX1での過電圧発生を通報した後、第2電圧値判定部54にてCHブロックX1の現在の電圧値が第2電圧値を超えたか否かを判定する(ステップS19)。
制御部36は、現在の電圧値が第2電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、ステップS16に移行する。尚、スイッチ部41は、スイッチ素子41Aを駆動制御することで、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断し、CHブロックX1の過電圧から負荷L1を保護することができる。
また、制御部36は、ステップS19にて現在の電圧値が第2電圧値を超えたのでなければ、過電圧発生の通報を継続したまま、この処理動作を終了する。
また、制御部36は、ステップS17にて現在の電圧値が第1電圧値を超えたのでなければ、不足電圧値判定部55にてCHブロックX1の現在の電圧値が不足電圧値未満であるか否かを判定する(ステップS20)。
制御部36は、現在の電圧値が不足電圧値未満であると判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の不足電圧が発生したものと判断し、通報制御部60を通じて不足電圧発生の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御することで(ステップS21)、この処理動作を終了する。尚、端子台ユニット1Aのユーザは、通報信号の通報出力に基づき、不足電圧の発生を認識することができる。
制御部36は、現在の電圧値が不足電圧値未満でないと判定されると、CHブロックX1内の入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間が正常運転中であると判断し、この処理動作を終了する。
図10に示す電流・電圧用異常監視処理によれば、CHブロックX(X1〜X3)単位で実行し、現在の電流値が第1電流値を超えたと判定されると、過電流の発生を通報出力すると共に、現在の電圧値が第2電圧値を超えたと判定されると、過電圧の発生を通報出力すると共に、現在の電圧値が不足電圧値未満であると判定されると、不足電圧の発生を通報出力するようにしたので、端子台ユニット1Aのユーザは、通報出力に基づき、CHブロック単位で、例えば過電流発生、過電圧発生及び不足電圧の発生等を認識することができる。
また、電流・電圧用異常監視処理によれば、現在の電流値が第2電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、スイッチ部41を駆動制御すると共に、現在の電圧値が第2電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、スイッチ部41を駆動制御するようにしたので、例えば過電流や過電圧等の異常状況から負荷L1を保護することができる。
図11は稼働時間・周囲温度監視処理に関わる端子台制御回路30内部の制御部36の処理動作を示すフロー図である。
図11に示す稼働時間・周囲温度監視処理は、CHブロックX(X1〜Xn)単位ではなく、端子台ユニット1A単位で積算稼働時間及び周囲温度を監視し、この監視結果に基づき、例えば交換時期の到来や周囲温度の異常等を通報出力する処理である。
図11において制御部36は、積算稼働時間計測部57を通じて現在の積算稼働時間を検出すると(ステップS31)、積算稼働時間判定部58にて現在の積算稼働時間が第1積算稼働時間を超えたか否かを判定する(ステップS32)。
制御部36は、現在の積算稼働時間が第1積算稼働時間を超えたと判定されると、端子台ユニット1Aの交換時期であると判断し、通報制御部60を通じて交換時期の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御することで(ステップS33)、この処理動作を終了する。尚、端子台ユニット1Aのユーザは、通報信号の通報出力に基づき、端子台ユニット1Aの交換時期到来を認識することができる。
制御部36は、ステップS32にて現在の積算稼働時間が第1積算稼働時間を超えていないと判定されると、周囲温度センサ部31を通じて現在の端子台ユニット1Aの周囲温度を検出し(ステップS34)、周囲温度判定部56にて現在の周囲温度が第1周囲温度を超えたか否かを判定する(ステップS35)。
制御部36は、現在の周囲温度が第1周囲温度を超えたと判定されると、端子台ユニット1Aの周囲温度が異常であると判断し、通報制御部60を通じて周囲温度異常の通報信号を通報出力すべく、通報部34を駆動制御することで(ステップS36)、この処理動作を終了する。尚、端子台ユニット1Aのユーザは、通報信号の通報出力に基づき、端子台ユニット1Aの周囲温度が異常であることを認識することができる。
制御部36は、現在の周囲温度が第1周囲温度を超えたのでなければ、端子台ユニット1Aは正常運転中であると判断し、この処理動作を終了する。
図11に示す稼働時間・周囲温度監視処理によれば、端子台ユニット1Aの積算稼働時間を監視し、現在の積算稼働時間が第1積算稼働時間を超えたと判定されると、端子台ユニット1Aの交換時期が到来したことを通報出力すると共に、端子台ユニット1Aの周囲温度を監視し、現在の周囲温度が第1周囲温度を超えたと判定されると、端子台ユニット1Aの周囲温度異常を通報出力するようにしたので、端子台ユニット1Aのユーザは、通報出力に基づき、端子台ユニット1Aの交換時期及び周囲温度の異常を認識することができる。
第2の実施の形態によれば、CHブロックX(X1〜Xn)単位で実行し、現在の電流値が第1電流値を超えたと判定されると、過電流の発生を通報出力すると共に、現在の電圧値が第2電圧値を超えたと判定されると、過電圧の発生を通報出力すると共に、現在の電圧値が不足電圧値未満であると判定されると、不足電圧の発生を通報出力するようにしたので、端子台ユニット1Aのユーザは、通報出力に基づき、例えば過電流発生、過電圧発生及び不足電圧の発生等を認識することができる。
また、第2の実施の形態によれば、現在の電流値が第2電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A,B(A1,B1〜An,Bn)間の接続を切断すべく、スイッチ部41を駆動制御すると共に、現在の電圧値が第2電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A,B(A1,B1〜An,Bn)間の接続を切断すべく、スイッチ部41を駆動制御するようにしたので、例えば過電流や過電圧等の異常から負荷L1〜Lnを保護すると共に、その安全性を確保することができる。
また、第2の実施の形態によれば、端子台ユニット1Aの積算稼働時間を監視し、現在の積算稼働時間が第1積算稼働時間を超えたと判定されると、端子台ユニット1Aの交換時期が到来したことを通報出力すると共に、端子台ユニット1Aの周囲温度を監視し、現在の周囲温度が第1周囲温度を超えたと判定されると、端子台ユニット1Aの周囲温度異常を通報出力するようにしたので、端子台ユニット1Aのユーザは、通報出力に基づき、端子台ユニット1Aの交換時期及び周囲温度の異常を認識することができる。
尚、上記第2の実施の形態においては、現在の電流値が第1電流値や第2電流値を超えたか否かを判定するステップS13及びステップS15の判断処理(現在の電圧値が第1電圧値及び第2電圧値を超えたか否かを判定するステップS17及びステップS19の判断処理)があるが、電流値(電圧値)は瞬間的に乱高下する場合も考えられるため、同判断処理を現在の電流値(電圧値)が第1電流値(第1電圧値)や第2電流値(第2電圧値)を所定時間以上継続して超えたと判定された場合にのみ、現在の電流値(電圧値)を第1電流値(第1電圧値)や第2電流値(第2電圧値)を超えたものと判断するようにしても良く、この場合、電流値(電圧値)が乱高下して瞬間的に第1電流値(第1電圧値)若しくは第2電流値(第2電圧値)を超えたことで過電流(過電圧)と判断してしまうような誤動作を確実に防止することで信頼性を損なうことなく安定した電力供給を確保することができる。
また、上記第2の実施の形態においては、CHブロックX1のスイッチ部41内のスイッチング素子41Aを入力端子I1及び出力端子A1間のマイナス側ライン、及び入力端子I2及び出力端子B1間のプラス側ライン両方に夫々配置するようにしたが、マイナス側ライン又はプラス側ラインのどちらか一方にのみスイッチング素子41Aを配置するようにしても良く、この場合、スイッチング素子41Aの数を減らしながら、同様の効果が得られることはいうまでもない。
また、上記第2の実施の形態においては、端子台ユニット1Aの周囲温度が第1周囲温度を超えたと判定されると、周囲温度の異常を通報出力するようにしたが、同通報出力に基づき、例えば端子台ユニット1Aの周囲温度を下げる冷却ファーン部を駆動制御するようにしても良く、この場合は自動的に端子台ユニット1Aの周囲温度を下げることができる。
また、上記第2の実施の形態においては、CHブロックX(X1〜Xn)単位で現在の電流値及び電圧値を表示部33にリアルタイムに表示するようにしたが、例えば所定時間単位の電流平均値、ピーク電流値や低電流値を表示部33に表示するようにしても良く、例えば電流平均値を表示した場合、電流変化による負荷L1〜Lnの異常をユーザ側で予測することができ、また、ピーク電流値を表示した場合、異常時の原因追求に役立ち、また、低電流値を表示した場合、例えば断線の予測が可能となる。
また、上記第2の実施の形態においては、単一の直流電源装置PSと単一の端子台ユニット1Aとを直列に接続する電源分配システム20を例に挙げて説明したが、例えば単一の直流電源装置PSと複数の端子台ユニット1Aを並列に接続し、直流電源装置PSから各端子台ユニットに電力を供給する電源分配システムであっても同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、上記第2の実施の形態においては、現在の電流値が第2電流値を超えたと判定されると、又は現在の電圧値が第2電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A,B(A1,B1〜An,Bn)の接続を切断すべく、スイッチ部41を駆動制御するようにしたが、例えば設定部35からの切断操作を検出すると、入力端子I1,I2及び出力端子A,B(A1,B1〜An,Bn)間の接続を切断すべく、スイッチ部41を駆動制御するようにしても良く、この場合、端子台ユニット1Aのユーザの操作で入力端子I1,I2及び出力端子A,B(A1,B1〜An,Bn)間の接続を切断することができる。
また、上記第2の実施の形態においては、端子台ユニット1AはCHブロックX単位で単一の負荷Lに接続して同負荷Lに対して直流電源装置PSからの電力を分岐出力するようにしたが、例えば単一の負荷L1に対して複数のCHブロックの出力端子、例えばCHブロックX1の出力端子A1,B1及びCHブロックX2の出力端子A2,B2と接続して同負荷L1に対してCHブロックX1及びX2からの電力を供給するようにしても同様の効果が得られることは言うまでもない。
また、上記第2の実施の形態においては、ブロックX単位で入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1(A2,B2〜An,Bn)間にスイッチ部41を配置し、制御部36は、現在の電流値及び電圧値の監視結果に基づき、スイッチ制御部59を通じてスイッチ部41を駆動制御することで、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1(A2,B2〜An,Bn)間の接続を切断するようにしたが、何等かの要因で制御部36が故障してしまった場合、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1(A2,B2〜An,Bn)間の接続を切断することができないと言った事態も考えられる。
(実施の形態3)
そこで、このような事態を対処すべく、第3の実施の形態を示す電源分配システム20Aについて説明する。尚、第2の実施の形態を示す電源分配システム20と同一の構成には同一符号を付すことで、その重複する構成及び動作の説明については省略する。
図12は第3の実施の形態に関わる端子台制御回路30A内部の概略構成を示すブロック図である。
図12に示す端子台制御回路30Aと図7に示す端子台制御回路30とが異なるところは、CHブロックX1内のスイッチ部41の後段に配置されたサブスイッチ部80と、このサブスイッチ部80を駆動制御するサブ制御部90とを備えた点にある。
サブスイッチ部80は、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の電流を検出するサブ電流検出部81と、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断するサブスイッチ素子82及びヒューズ83とを有している。
サブ制御部90は、制御部36から独立し、サブスイッチ部80を駆動制御するものであって、サブ電流検出部81にて入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の現在の電流値を検出すると、現在の電流値がサブ記憶部91に記憶中の第3電流値を超えたか否かを判定し、現在の電流値が第3電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、サブスイッチ部80内のサブスイッチ素子82を駆動制御するものである。尚、サブ記憶部91に記憶中の第3電流値は、前述した第2電流値以上にすることが望ましく、例えばClass2規格を満たした出力電流値4.167A(出力電圧が24Vのとき、100VA/24V=4.167Aより)にすることが望ましい。
尚、本願請求項10記載のサブスイッチ手段はサブスイッチ部80、サブ記憶手段はサブ記憶部91、第3電流値判定手段及びサブ制御手段はサブ制御部90に相当するものである。
制御部36が正常に動作中の場合、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の現在の電流値が第2電流値を超えると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、スイッチ部41のスイッチ素子41Aを駆動制御することになる。つまり、制御部36が正常に動作中の場合、制御部36及びサブ制御部80双方が独立して現在の電流値の判断処理を実行するものである。
従って、サブ制御部90は、制御部36が何等かの原因で故障したとしても、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の現在の電流値が第3電流値を超えたか否かを判定し、現在の電流値が第3電流値を超えた場合、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、サブスイッチ部80内のサブスイッチ素子82を駆動制御することになる。
また、制御部36及びサブ制御部90が故障したとしても、異常な出力電流が流れると、サブスイッチ素子82後段のヒューズにて入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断するものである。
第3実施の形態によれば、制御部36から独立してサブ制御部90にて現在の電流値が第3電流値を超えた場合、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、サブスイッチ部80内のサブスイッチ素子82を駆動制御するようにしたので、制御部36が故障したとしても、異常な出力電流が負荷に流れ込まないように、安全かつ確実に過電流から負荷を保護することができる。
第3の実施の形態によれば、サブスイッチ素子82の後段にヒューズ83を配置したので、制御部36及びサブ制御部90を故障したとしても、異常な出力電流が流れると、ヒューズ83が切断されるため、異常な出力電流が負荷に流れ込むことはない。
尚、上記第3の実施の形態においては、現在の電流値が第3電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、サブスイッチ素子82を駆動制御するようにしたが、電流値は瞬間的に乱高下する場合も考えられるため、現在の電流値が第3電流値を所定時間以上継続して超えたと判定された場合にのみ、現在の電流値が第3電流値を超えたものと判断するようにしても良く、この場合、例えば電流値が乱高下して瞬間的に第3電流値を超えたことでサブスイッチ素子82を駆動制御してしまうような誤動作を確実に防止することで信頼性を損なうことなく安定した電力供給を確保することができる。
上記第3の実施の形態においては、電流値を監視対象とし、現在の電流値が第3電流値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、サブスイッチ素子82を駆動制御するようにしたが、電圧値を監視対象とし、現在の電圧値が第2電圧値以上の第3電圧値を超えたか否かを判定し、現在の電圧値が第3電圧値を超えたと判定されると、入力端子I1,I2及び出力端子A1,B1間の接続を切断すべく、サブスイッチ素子82を駆動制御するようにしても良く、この場合、制御部36が故障したとしても、異常な出力電圧から負荷L1を保護することができる。
また、上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態においては、スイッチ素子41A及びサブスイッチ素子82としてMOSFETを例に挙げて説明したが、MOSFETのコストを考えると、許容電流には制限があるため、CHブロックXと接続する単一の負荷Lに供給する電流容量にも制限が出てくる。そこで、複数のCHブロックX経由で単一の負荷Lに電流を供給できるようにしても良いことは言うまでもない。
また、上記第2の実施の形態及び第3の実施の形態においては、図9(b)に示す負荷率及び周囲温度に対応した寿命期待時間を算出し、この算出した寿命期待時間に基づき、積算稼働時間判定部58の第1積算稼働時間を自動設定若しくはユーザ設定するようにしたが、次に説明するように第1積算稼働時間を算出するようにしても良い。
第1の算出方法としては、ある周期毎に端子台ユニット1Aの平均使用温度を演算してメモリデータの更新動作を実行する。具体的にはメモリデータ更新回数(n)、データ更新時の読取温度(T[n])及び前回の平均使用温度(Tave[n−1])を数式1に当てはめ、現在までの平均使用温度(Tave[n])を算出する。
(数1)
Tave[n]=Tave[n−1]+(1/n)*{T[n]−Tave[n−1]}(数式1)
さらにTave[n]と周囲温度40℃との差、初期設定時間(40℃時の製品の期待寿命)L0及びアレニウムの法則を用いて数式2に当てはめ、交換時期の目安時間(第1積算稼働時間)L[n]を算出する。
(数2)
L[n]=L0*2^{(40−Tave[n])/10}(数式2)
従って、第1の算出方法によれば、端子台ユニット1Aの負荷変動は周囲温度変動と比較しても小さいことから、周囲温度のみを考慮して第1積算稼働時間を算出することができる。
尚、第1の算出方法は、端子台ユニット1Aの負荷電流が大きく変動しない場合を条件として説明したが、正確な第1積算稼働時間を算出するためには負荷変動も加味する必要がある。
そこで、第2の算出方法としては、図13(a)に示すように出力電流が変動すると、この変動に応じて内部発熱量も変動することに着目し、例えば初期設定時の出力電流に対して出力電流が増加してΔT1の内部発熱量が発生したとすると、数式3に当てはめることで、現在の平均使用温度(Tave[n])を算出することができる。
(数3)
Tave[n]=Tave[n−1]+(1/n)*{T[n]−Tave[n−1]+ΔT1}(数式3)
そして、この現在の平均使用温度(Tave[n])を数式2に当てはめることで、交換時期の目安時間(第1積算稼働時間)L[n]を算出する。
従って、第2の算出方法によれば、端子台ユニット1Aの周囲温度変動の他に負荷変動を加味することで、正確な第1積算稼働時間を算出することができる。
さらに正確に第1積算稼働時間を算出する第3の算出方法としては、端子台ユニット1A内の電解コンデンサに流れるリップル電流Iiも考慮し、図13(b)に示すように出力電流が変動すると、この変動に応じて電解コンデンサに流れるリップル電流Iiも変動することに着目し、電解コンデンサ固有の電流I0及び発熱量T0、初期設定時のリップル電流Iiを数式4に当てはめることで、初期設定時のリップル電流Iiによる発熱量ΔTiを算出する。
(数4)
ΔTi=(Ii/Io)2*T0(数式4)
次に電解コンデンサ固有の電流I0及び発熱量T0、現在のリップル電流Iを数式5に当てはめることで、現在のリップル電流Iによる発熱量ΔTを算出する。
(数5)
ΔT=(I/Io)2*T0(数式5)
さらに前回のリップル電流による発熱平均値ΔTave[n−1]を数式6に当てはめることで、リップル電流による発熱平均値ΔTave[n]を算出する。
(数6)
ΔTave[n]=ΔTave[n−1]+(1/n)*{ΔT[n]−ΔTave[n−1](数式6)
そして、Tave[n]と周囲温度40℃との差、初期設定時間(40℃時の製品の期待寿命)L0、初期設定時のリップル電流による発熱量ΔT、リップル電流による発熱平均値ΔTave[n]及びアレニウムの法則を用いて数式7に当てはめ、交換時期の目安時間(第1積算稼働時間)L[n]を算出する。
(数7)
L[n]=L0*2^{(40−Tave[n])/10}*2^{(ΔTi−ΔTave[n])/5}(数式7)
従って、第3の算出方法によれば、端子台ユニット1Aの周囲温度変動及び負荷変動の他に電解コンデンサのリップル電流の変動を加味することで、第2の算出方法に比較しても、より正確な第1積算稼働時間を算出することができる。
尚、上記第1乃至第3の算出方法によれば、交換時期の目安時間となる第1積算稼働時間を算出するようにしたが、この第1積算稼働時間を利用して、第1積算稼働時間から現在までの積算稼働時間を減算することで、交換時期までの残り時間を表示部33に画面表示するようにしても良いことは言うまでもない。