JP2005294665A - 熱拡散装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ノート型パソコン等の電子機器の熱拡散装置に係り、広範囲に熱を拡散させ、冷却効率を向上させること、更に冷却水漏れを防止することを課題とする。
【解決手段】 流路構造3は、金属板内で冷却水を循環させる経路となる空間である流路を囲み、タンク構造4は、二つ以上の口で流路とつながり、経路方向の長さあたりの容量が、流路よりも大きい空間であるタンクを囲む。そして、二つ以上の口で流路とつながるポンプは、流路の一方向に冷却水を循環させる。流路構造3は、溝を設けた金属板をロウで密着させることにより構成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ノート型パソコン等の電子機器の熱拡散装置に係り、広範囲に熱を拡散させ、冷却効率を向上させる技術に関する。
近年の半導体素子の小型化、高性能化により、発熱密度が年々増大している。そのような素子の冷却には、熱を広げる(拡散させる)ためのヒートスプレッタが必要となる。最も単純なヒートスプレッタは、熱伝導率の良い材料(銅、アルミなど)を板状にしたものであるが、近年そのような固体の熱伝導だけでは熱拡散が不十分となってきている。そのため、最近では金属のパイプ又は板内部に流体を密閉し、その流体の相変化(沸騰/凝縮)を利用して熱を拡散(輸送)するヒートパイプ、ヒートレーンが使われている。
一方、ノート型パソコンの水冷システムでは、キーボード下の基板上のCPUの発熱を液晶画面の裏面から放熱する構造になっている。その放熱部は、液晶画面の裏側のベース板の上に配管を取り付けた構造になっており、ベース板がヒートスプレッタの構造になっている。ただし、CPUを冷却する受熱部と放熱部は離れており、その間にポンプ、リザーブタンクがパイプで接続されている。
ヒートパイプ、ヒートレーンは、銅のような熱伝導率が大きい金属より広い範囲に熱を拡散(輸送)させることができるが、ヒートパイプ、ヒートレーンには最大熱輸送量/最大熱輸送距離に限界値が存在する。そのため近年のパワーエレクトロニクス素子のような局所的に1[KW]以上の発熱がある発熱素子の熱を十分に拡散することができない。特に、ヒートパイプ、ヒートレーンの場合、許容熱量以上の熱量が加わった場合、ドライアウトという加熱部分に作動流体が戻ってこなくなる現象が発生し、ドライアウトが発生すると加熱部分が異常高温になり、素子が焼損する。
一方、ノート型パソコンの水冷システムにおいては、受熱部、放熱部、ポンプ、リーザーブタンクがパイプで接続されているため、パイプの継ぎ目で水漏れが発生する危険性がある。
特開2002−032659号公報 特開平11−320655号公報
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、広範囲に熱を拡散させ、冷却効率を向上させることを課題とする。
本発明に係る熱拡散装置は、
平板形状を有し、当該平板の内部に以下の構造を有することを特徴とする
(1)平板内で冷却水を循環させる経路となる空間である流路を囲む流路構造
(2)二つ以上の口で流路とつながり、経路方向の長さあたりの容量が、流路よりも大きい空間であるタンクを囲むタンク構造
(3)二つ以上の口で流路とつながり、流路の一方向に冷却水を循環させる動力源。
本発明においては、広範囲に熱を拡散させ、冷却効率を向上させることができる。また、冷却水漏れを防止することができる。
実施の形態1.
以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1は、実施の形態1に係る熱拡散装置の断面(側面と平行の断面)を示す図である。図2は、実施の形態1に係る熱拡散装置の断面(上面と平行の断面)を示す図である。
熱拡散装置(ヒートスプレッダ)は、金属板1の内部に流路構造3と、タンク構造4と、ポンプ2(動力源の例)を有している。流路構造3は、平板内で冷却水を循環させる経路となる空間である流路を囲んでいる。タンク構造4は、二つ以上の口で流路とつながり、経路方向の長さあたりの容量が、流路よりも大きい空間であるタンクを囲んでいる。ポンプ2は、二つ以上の口で流路とつながり、流路の一方向に冷却水を循環させるように構成されている。
このようにして、広範囲に熱を拡散させ、冷却効率を向上させることができる。
実施の形態2.
図3は、実施の形態2に係る熱拡散装置(その1)を示す図である。図4は、実施の形態2に係る熱拡散装置(その2)を示す図である。図に示すように、熱拡散装置(ヒートスプレッダ5)の外側に冷却面7を取り付けることも有効である。冷却面7に代えて、放熱フィンやファンを設けることも有効である。尚、6は、熱源となる発熱体である。
また、図3のようにこれらを片面に設ける場合でも有効であるが、図4のように両面に設ける方がより効率的である。
このようにして、冷却体等により、放熱を促進することができる。
実施の形態3.
図5は、実施の形態3に係る熱拡散装置の断面(その1)を示す図である。図6は、実施の形態3に係る熱拡散装置の断面(その2)を示す図である。
熱拡散装置は、複数の金属板8(板状部品の例)を重ね合せて構成されている。接する面は、ロウ9により密着されている。少なくとも一方の金属板8は、溝を有する。そして、他の金属板8とを密着させることにより、流体路構造10が構成される。
図5では、図で上側に位置する他の金属板8は、溝を有さないが、図6では、他の金属板8も、一方の金属板8の溝と対向する溝を有している。
このようにして、冷却水漏れを防止することができる。
実施の形態4.
図7は、実施の形態4に係る動力源を示す図である。図に示すように、動力源は、ブラシレスモータを用い、水車に取り付けられた磁石により水車を回転させる非接触式ポンプである。
11は、コイル、12は、磁石、13は、羽根車である。
このようにして、冷却水を循環させることができる。
実施の形態5.
図8は、実施の形態5に係る動力源を示す図である。図に示すように、冷却水として、磁性流体16を用い、動力源は、リニアモータの原理で磁性流体を動かす。14は、鉄芯であり、15は、鉄芯14に巻き付けられたコイルである。コイル15に流す電流を制御することにより、磁界を変化させる。磁性流体16は、変化する磁界に応じて移動する。
このようにして、冷却水を循環させることができる。
実施の形態6.
図9は、実施の形態6に係る動力源を示す図である。冷却水として、導電性流体19を用い、動力源は、電極18により導電性流体19に電気を流し、磁石17による磁界により発生する力により導電性流体19を駆動する。
このようにして、冷却水を循環させることができる。
実施の形態7.
図10は、実施の形態7に係る熱拡散装置の断面(その1)を示す図である。図11は、実施の形態7に係る熱拡散装置の断面(その2)を示す図である。流路構造は、当該流路構造が囲む流路内に保持されるフィン20を設ける。
図10は、一方の金属板の溝から内側にフィンが突き出ている。図11では、両方の金属板の溝から内側にフィン20が突き出ている。このフィン20により、冷却水から金属板8への熱伝達の効率が向上する。
このようにして、熱伝達率を上げ、冷却を促進することができる。
実施の形態8.
図12は、実施の形態8に係る熱拡散装置の断面(その1)を示す図である。図13は、実施の形態8に係る熱拡散装置の断面(その2)を示す図である。金属板8の外側に冷却用のフィン21が突き出ている。
このようにして、冷却を促進することができる。
実施の形態9.
ヒートシンクのベース面に溝を設け、その溝を流路とすることも有効である。
以上のように、本発明に係る熱拡散装置(ヒートスプレッダ)を構成する為に、平板内に溝を設け、水路とする。同様にリザーブタンク、ポンプ用の溝を設ける。ポンプに電極が必要な場合、電極用の穴を設ける。また、水路内に液体を注入するため、一つ以上の穴を設ける。平板内にポンプを内蔵し、平板間、電極部をロウ付けなどで密封する。最後に水路内に液体を注入し、穴を塞ぐ。
実施の形態1に係る熱拡散装置の断面(側面と平行の断面)を示す図である。 実施の形態1に係る熱拡散装置の断面(上面と平行の断面)を示す図である。 実施の形態2に係る熱拡散装置(その1)を示す図である。 実施の形態2に係る熱拡散装置(その2)を示す図である。 実施の形態3に係る熱拡散装置の断面(その1)を示す図である。 実施の形態3に係る熱拡散装置の断面(その2)を示す図である。 実施の形態4に係る動力源を示す図である。 実施の形態5に係る動力源を示す図である。 実施の形態6に係る動力源を示す図である。 実施の形態7に係る熱拡散装置の断面(その1)を示す図である。 実施の形態7に係る熱拡散装置の断面(その2)を示す図である。 実施の形態8に係る熱拡散装置の断面(その1)を示す図である。 実施の形態8に係る熱拡散装置の断面(その2)を示す図である。
符号の説明
1 金属板、2 ポンプ、3 流路構造、4 タンク構造、5 ヒートスプレッダ、6 発熱体、7 冷却面、8 金属板、9 ロウ、10 流体路構造、11 コイル、12 磁石、13 羽根車、14 鉄芯、15 コイル、16 磁性流体、17 磁石、18 電極、19 導電性流体、20 フィン、21 フィン。

Claims (7)

  1. 平板形状を有し、当該平板の内部に以下の構造を有することを特徴とする熱拡散装置
    (1)平板内で冷却水を循環させる経路となる空間である流路を囲む流路構造
    (2)二つ以上の口で流路とつながり、経路方向の長さあたりの容量が、流路よりも大きい空間であるタンクを囲むタンク構造
    (3)二つ以上の口で流路とつながり、流路の一方向に冷却水を循環させる動力源。
  2. 熱拡散装置は、複数の板状部品を重ね合せて構成され、
    流体路構造は、溝を有する一方の板状部品と、他の板状部品とを密着させることにより構成されることを特徴とする請求項1記載の熱拡散装置。
  3. 動力源は、ブラシレスモータを用い、水車に取り付けられた磁石により水車を回転させる非接触式ポンプであることを特徴とする請求項1記載の熱拡散装置。
  4. 冷却水として、磁性流体を用い、
    動力源は、磁界を変化させ、磁性流体を動かすことを特徴とする請求項1記載の熱拡散装置。
  5. 冷却水として、導電性流体を用い、
    動力源は、導電性流体に電気を流し、磁石による磁界により発生する力により当該導電性流体を駆動することを特徴とする請求項1記載の熱拡散装置。
  6. 流路構造は、当該流路構造が囲む流路内に保持されるフィンを設けることを特徴とする請求項1記載の熱拡散装置。
  7. ヒートシンクのベース面に溝を設け、その溝を流路とすることを特徴とする請求項1記載の熱拡散装置。
JP2004109709A 2004-04-02 2004-04-02 熱拡散装置 Withdrawn JP2005294665A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013145920A (ja) * 2013-03-27 2013-07-25 Nakamura Mfg Co Ltd 放熱装置
JP2018206790A (ja) * 2017-05-30 2018-12-27 カルソニックカンセイ株式会社 半導体装置の冷却装置

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