JP2005294128A - エネルギーフィルタおよび電子顕微鏡ならびにスリット移動機構 - Google Patents
エネルギーフィルタおよび電子顕微鏡ならびにスリット移動機構 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 スリット選択のために電子線を偏向させることなく、しかも簡単な構造のフィルタを備えたエネルギーフィルタを提供する。
【解決手段】 スリットホルダ35のy軸方向への移動は、Y動レバー47を軸39まわりに回転させることにより行われる。ホルダ33の回転は、回転レバー38を軸39まわりに回転させることにより行われる。ホルダ33のx軸方向への移動は、アクチュエータ29aに接続されたシャフト29bをx軸方向に移動させて、ベース23をx軸方向に移動させることにより行われる。
【選択図】 図2
【解決手段】 スリットホルダ35のy軸方向への移動は、Y動レバー47を軸39まわりに回転させることにより行われる。ホルダ33の回転は、回転レバー38を軸39まわりに回転させることにより行われる。ホルダ33のx軸方向への移動は、アクチュエータ29aに接続されたシャフト29bをx軸方向に移動させて、ベース23をx軸方向に移動させることにより行われる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、特定のエネルギーを持つ荷電粒子のみを選択するためのエネルギーフィルタ、およびそのエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡、ならびにスリットを移動させるためのスリット移動機構に関する。
最近の透過電子顕微鏡の中には、電子銃と試料間にエネルギーフィルタ(モノクロメータ)を配置しているものがある。このエネルギーフィルタは、特定のエネルギーを持つ電子のみを選択するためのものであり、電子銃からの電子線を単色化して試料に照射するためのものである。
このようなエネルギーフィルタを備えた透過電子顕微鏡は、試料を照射する電子線のエネルギー幅を小さくすることができ、それによって色収差を小さくすることができる。その結果、高空間分解能の透過電子顕微鏡像を得ることができる。
また、電子エネルギー損失分光(EELS:electron energy-loss spectroscopy)による固体試料の電子状態解析を行える透過電子顕微鏡において、前記エネルギーフィルタを電子銃と試料間に配置して電子線を単色化するようにすれば、EELSにおけるエネルギー分解能を向上させることができる。
さて、上述したエネルギーフィルタは、フィルタ(たとえばウィーンフィルタ)とエネルギー選択スリットを備えている。このフィルタは、電子銃からの電子線を所定方向にエネルギー分散させるためのものである。また、エネルギー選択スリットは、フィルタによってエネルギー分散された電子線の一部を通過させるためのスリットであり、試料を照射する電子線のエネルギーを選択するためのスリットである。このようなエネルギーフィルタに関する特許文献として、特開2003−331764号公報(特許文献1)が知られている。
この特許文献1には、上記スリットの改良について記載されている。すなわち特許文献1には、それまでのV字形(楔形)スリットや、スリット巾を機械的に調整するタイプのものに代えて、巾の異なる複数のスリットを有したスリット板をウィーンフィルタ後段に固定配置することが記載されている。そして、このようなスリット板を備えた特許文献1のエネルギーフィルタにおいては、試料を照射する電子線のエネルギーを選択する際、ウィーンフィルタの電場または磁場強度が増減されて電子線が偏向され、エネルギー分散された電子線がスリット板の所望スリット上に位置される。
このようなエネルギーフィルタを備えた透過電子顕微鏡は、試料を照射する電子線のエネルギー幅を小さくすることができ、それによって色収差を小さくすることができる。その結果、高空間分解能の透過電子顕微鏡像を得ることができる。
また、電子エネルギー損失分光(EELS:electron energy-loss spectroscopy)による固体試料の電子状態解析を行える透過電子顕微鏡において、前記エネルギーフィルタを電子銃と試料間に配置して電子線を単色化するようにすれば、EELSにおけるエネルギー分解能を向上させることができる。
さて、上述したエネルギーフィルタは、フィルタ(たとえばウィーンフィルタ)とエネルギー選択スリットを備えている。このフィルタは、電子銃からの電子線を所定方向にエネルギー分散させるためのものである。また、エネルギー選択スリットは、フィルタによってエネルギー分散された電子線の一部を通過させるためのスリットであり、試料を照射する電子線のエネルギーを選択するためのスリットである。このようなエネルギーフィルタに関する特許文献として、特開2003−331764号公報(特許文献1)が知られている。
この特許文献1には、上記スリットの改良について記載されている。すなわち特許文献1には、それまでのV字形(楔形)スリットや、スリット巾を機械的に調整するタイプのものに代えて、巾の異なる複数のスリットを有したスリット板をウィーンフィルタ後段に固定配置することが記載されている。そして、このようなスリット板を備えた特許文献1のエネルギーフィルタにおいては、試料を照射する電子線のエネルギーを選択する際、ウィーンフィルタの電場または磁場強度が増減されて電子線が偏向され、エネルギー分散された電子線がスリット板の所望スリット上に位置される。
上述したように特許文献1においては、ウィーンフィルタの中心軸から外れた位置にあるスリットを使用する場合、電子線はウィーンフィルタの電子線偏向場によって適宜偏向される。しかしながら、このようにスリット選択のために電子線を偏向させると、その偏向された電子線の収差は大きくなり、最終的に得られる像に歪みなどが発生してしまう。
また、上述した電子線偏向場をウィーンフィルタで発生させようとすると、そのウィーンフィルタの構造は複雑になってしまう。
本発明はこのような点に鑑みて成されたもので、その目的は、スリット選択のために電子線を偏向させることなく、しかも簡単な構造のフィルタを備えたエネルギーフィルタを提供することにある。
また、上述した電子線偏向場をウィーンフィルタで発生させようとすると、そのウィーンフィルタの構造は複雑になってしまう。
本発明はこのような点に鑑みて成されたもので、その目的は、スリット選択のために電子線を偏向させることなく、しかも簡単な構造のフィルタを備えたエネルギーフィルタを提供することにある。
上記目的を達成する本発明のエネルギーフィルタは、
(a)フィルタに入射した荷電粒子線を、その入射方向とほぼ直交する所定方向にエネルギー分散させる前記フィルタと、
(b)前記フィルタによってエネルギー分散された荷電粒子線の一部を通過させるためのスリットを有するスリット部材と、
(c)前記スリット部材を、前記荷電粒子線のフィルタへの入射方向とほぼ直交する方向に移動させるためのスリット移動機構
を備えたことを特徴としている。
(a)フィルタに入射した荷電粒子線を、その入射方向とほぼ直交する所定方向にエネルギー分散させる前記フィルタと、
(b)前記フィルタによってエネルギー分散された荷電粒子線の一部を通過させるためのスリットを有するスリット部材と、
(c)前記スリット部材を、前記荷電粒子線のフィルタへの入射方向とほぼ直交する方向に移動させるためのスリット移動機構
を備えたことを特徴としている。
したがって本発明によれば、スリット選択のために電子線を偏向させることなく、しかも簡単な構造のフィルタを備えたエネルギーフィルタを提供できる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明のエネルギーフィルタを備えた電子顕微鏡を示した図である。図1において1は本発明のエネルギーフィルタ(モノクロメータ)であり、エネルギーフィルタ1は電子銃2の内部に配置されている。このエネルギーフィルタ1は、電場と磁場を組み合わせたウィーンフィルタ3a,3bと、そのウィーンフィルタ3a,3bを外乱磁場や電場からシールドするシールドケース4と、エネルギー選択スリット板5を保持したスリット移動機構6とを備えており、このスリット移動機構6は前記シールドケース4に保持されている。前記ウィーンフィルタ3a,3bは絶縁碍子を介してシールドケース4にそれぞれ固定されている。なお、スリット移動機構6の構造については後で図2と図3を用いて詳しく説明する。
図1において7は電子銃の外筒であり、外筒7の内部には内筒8が配置されている。内筒8は絶縁碍子9を介して前記外筒7に接続されており、内筒8と絶縁碍子9と外筒7とで密閉された空間10はたとえばSF6のような絶縁ガスで満たされている。一方、内筒8の内部は図示しない排気装置により高真空に排気されている。
前記内筒8の内部には、上から順に、電子を発生する電子源11、電子源11から射出する電子線を収束させるための第1電極12、電子源11から電子を引き出すための第2電極13、前記エネルギーフィルタ1が配置されている。それらの構成要素(11,12,13,1)は、絶縁碍子14を介して内筒8にそれぞれ固定されている。そして、前記エネルギーフィルタ1の後段には加速電極15が配置されており、加速電極15は前記絶縁碍子9に固定されている。
さらに加速電極15の後段には、上から順に、集束レンズ16、対物レンズ17、中間レンズ18、投影レンズ19、蛍光板20が配置されている。なお、試料21は対物レンズ17のポールピース間に配置されている。
このような構成において、前記外筒7はアース電位に保たれ、内筒8はたとえば−200kV、シールドケース4は−200kV+αkV、スリット板5はシールドケース4と同電位(−200kV+αkV)、ウィーンフィルタ3a,3bは−200kV+βkVに保たれる。そして、電子源11から射出して電極12,13を通過した電子線は、シールドケース4の電子線通過孔4aを通り、光軸O(z軸)に沿ってウィーンフィルタ3aに入射する。上段のウィーンフィルタ3aは、入射した電子線をその入射方向(−z方向)と直交する所定方向にエネルギー分散させてスリット板5上に集束させる。この場合、電子線はy方向にエネルギー分散されるものとする。
そして、スリット板5のスリットSを通過した電子線は、下段のウィーンフィルタ3bにより分散が戻されて円形の電子線となり、シールドケース4の電子線通過孔4bから出射する。その後、前記スリットSを通過した電子線、すなわちスリットSによって選択された特定のエネルギーを持つ電子線は、加速電極15で加速されて集束レンズ16に入射する。
集束レンズ16は入射電子線を試料21上に集束させる。この電子線照射によって試料21を透過した電子線は、対物レンズ17と中間レンズ18と投影レンズ19により結像拡大され、蛍光板20上に試料21の拡大像が投影される。
集束レンズ16は入射電子線を試料21上に集束させる。この電子線照射によって試料21を透過した電子線は、対物レンズ17と中間レンズ18と投影レンズ19により結像拡大され、蛍光板20上に試料21の拡大像が投影される。
以上、図1の電子顕微鏡の動作について説明した。以下、図1におけるスリット移動機構6の構造を図2と図3を用いて詳しく説明する。なお、図2および図3において、図1と同じ構成要素に対しては図1と同じ番号が付けられている。
さて、図2(a)はスリット移動機構6を前記ウィーンフィルタ3a側から見た図であり、図2(b)は図2(a)のA−A断面図である。また、図3(a)は図2(a)のB−B断面図であり、図3(b)は前記スリット板5を示した図である。
図2において、22は円板状の支持部材であり、支持部材22は2段のウィーンフィルタ3a,3bの中間に位置し、シールドケース4に固定されている。支持部材22の中央部分には電子線通過孔22aが設けられている。
この支持部材22上には円板状のベース23が配置されており、ベース23の中央部分には電子線通過孔23aが設けられている。図2(a)および図3(a)に示すように、ベース23にはx軸方向に延びる長穴23b,23cが設けられており、バネ(24)付きのガイドネジ25が長穴23b,23cを通されて支持部材22にねじ込まれている。このようなネジ止めにより、ベース23は支持部材22上をx軸方向にのみ移動可能であり、ベース23はバネ24によって支持部材22に押し付けられている。
また、図2に示すように、前記ベース23にはピン26が立てられている。そして、前記支持部材22にもピン27が立てられており、それらのピン26,27間にはバネ28が張られている。このバネ28によって前記ベース23はx方向に引っ張られているが、そのベース23のx方向への移動はX動移動機構29によって受け止められている。
X動移動機構29は前記内筒8に固定されており、X動移動機構29はアクチュエータ(たとえば圧電素子体)29aとシャフト29bを備えている。シャフト29bの先端は前記ベース23に当接しており、アクチュエータ29aが動作されると、そのアクチュエータ29aに接続されたシャフト29bがx軸方向に移動するように構成されている。なお、シャフト29bの周りに配置されたベローズ29cにより、内筒8内部の気密が保たれている。
また、図2において30〜32はローラであり、ローラ30〜32は前記ベース23上に等間隔に取り付けられている。これら3つのローラ30〜32の内側にはホルダ33が配置されており、円板状のホルダ33は前記ベース23上に配置されている。このホルダ33の外周には溝33aが形成されており、溝33aには前記ローラ30〜32がはまっている。このようなローラ30〜32により、ホルダ33は回転軸Rまわりに回動可能である。なお、図2(a)の状態においては、回転軸Rは光軸Oと一致している。
今説明したホルダ33はホルダ本体(34)部分とスリットホルダ(35)部分とに分かれており、電子線通過孔35aを有するスリットホルダ35は、蛇腹部分36a,36bを介してホルダ本体34に接続されている。このような蛇腹構造により、スリットホルダ35はホルダ本体34に対して一方向にのみ移動可能である。すなわち、図2(a)の状態においては、スリットホルダ35はホルダ本体34に対してy軸方向にのみ移動可能である。なお、このような蛇腹構造を持つホルダ33は、貫通孔37が開けられることによって作製される。
そして、スリットホルダ35上には前記スリット板(スリット部材)5がセットされている。図3(b)に示すように、スリット板5には4つのスリットS1〜S4が一列に設けられており、隣り合うスリット間の距離はΔである。この距離Δは、エネルギー分散された電子線が隣り合う2つのスリットを同時に通過しないように設定されている。スリットS1〜S4の形状は長方形であり、各スリットは平行な2つの直線部分a1,a2を有している。また、スリット巾dはスリット毎に異なっており、スリットS1,S2,S3,S4のスリット巾はそれぞれd1,d2,d3,d4である。なお、図3(b)に示すように、現在のスリットS1〜S4の並びは前記ウィーンフィルタ3のエネルギー分散方向Eに一致しており、各スリットの直線部分a1,a2はそのエネルギー分散方向Eに直交している。
また、図2において38は回転レバーである。回転レバー38は、光軸Oに平行な軸39まわりに回動可能に支持部材40に取り付けられている。この支持部材40は前記支持部材22に固定されている。そして、回転レバー38の一端には凹部38aが形成されており、前記ホルダ本体34に固定されたピン41が凹部38aにはまっている。一方、回転レバー38の他端にも凹部38bが形成されており、シャフト42の先端に固定されたピン42aが凹部38bにはまっている。シャフト42は、光軸Oに平行な軸43まわりに回動可能に前記内筒8に取り付けられている。
44はアクチュエータ固定台であり、アクチュエータ固定台44は内筒8の外側に固定されている。アクチュエータ固定台44と前記シャフト42の端部42b間にはバネ45が張られている。このバネ45によりシャフト端部42bは固定台44側に引っ張られているが、そのシャフト端部42bの固定台方向(−y方向)への移動は、固定台44上に取り付けられたアクチュエータ46によって受け止められている。アクチュエータ46の先端はシャフト42に当接しており、アクチュエータ46が動作されてアクチュエータ先端がy軸方向に移動されると、シャフト42は軸43まわりに回動するように構成されている。また、シャフト42の周りに配置されたベローズ42cにより、内筒8内部の気密が保たれている。
なお、前記ホルダ本体34を前記回転軸Rまわりに回動させるための本発明の回転機構は、回転レバー38と支持部材40とシャフト42とアクチュエータ固定台44とバネ45とアクチュエータ46とで構成されている。
また、図2において47はY動レバーである。Y動レバー47は、上述した軸39まわりに回動可能に前記支持部材40に取り付けられている。そして、Y動レバー47の一端には凹部47aが形成されており、前記スリットホルダ35が凹部47aにはまっている。一方、Y動レバー47の他端にも凹部47bが形成されており、シャフト48の先端に固定されたピン48aが凹部47bにはまっている。シャフト48は、光軸Oに平行な軸49まわりに回動可能に前記内筒8に取り付けられている。
前記シャフト48の端部48bと前記アクチュエータ固定台44間にはバネ50が張られている。このバネ50によりシャフト端部48bは固定台44側に引っ張られているが、そのシャフト端部48bの固定台方向(y方向)への移動は、固定台44上に取り付けられたアクチュエータ51によって受け止められている。アクチュエータ51の先端はシャフト48に当接しており、アクチュエータ51が動作されてアクチュエータ先端がy軸方向に移動されると、シャフト48は軸49まわりに回動するように構成されている。また、シャフト48の周りに配置されたベローズ48cにより、内筒8内部の気密が保たれている。
なお、前記スリットホルダ35を前記回転軸Rに垂直な方向(図2の状態ではy軸方向)に移動させるための本発明の移動機構は、Y動レバー47と支持部材40とシャフト48とアクチュエータ固定台44とバネ50とアクチュエータ51とで構成されている。
以上、図1におけるスリット移動機構6の構造を図2と図3を用いて説明した。以下、このスリット移動機構6の動作説明を行う。
まず、スリットS1〜S4の選択について説明する。
今、図3(b)に示すように、スリットS1が選択されて光軸O上に配置されているものとする。この状態からスリットS2を光軸O上に位置させるときには、アクチュエータ51(図2(a)参照)が動作される。この場合、シャフト48に当接しているアクチュエータ(51)先端が−y方向に移動するように、アクチュエータ51は動作される。こうしてシャフト48がアクチュエータ51で押されると、シャフト48は軸49を中心として時計回り(電子源11側から見て時計回り)に回転される。
このシャフト48の回転に伴い、シャフト48のピン48aと係合するY動レバー47は軸39を中心として反時計回りに回転される。このY動レバー47の回転により、Y動レバー47の凹部47aにはまっているスリットホルダ35は、そのY動レバー47の先端部分で−y方向に押される。そして、蛇腹部分36aが伸びて蛇腹部分36bが縮むため、スリットホルダ35は−y方向に移動する。この移動に伴い、スリットホルダ35に保持されたスリット板5は−y方向に移動する。その結果、図4に示すように、スリット板5中のスリットS2が光軸O上に配置される。
なお、このスリットS2の光軸O上への位置合わせは、蛍光板20(図1参照)上においてスリット像が確認されながら行われる。すなわち、オペレータは、スリットS2を通過した電子線によるスリット像が蛍光板20上の所定位置に来るように、アクチュエータ51を動作させてスリットS2をy軸方向に移動させる。
以上、スリットS2を光軸O上に配置する場合について説明した。他のスリットS3,S4を光軸O上に配置する場合にも、アクチュエータ51が適宜動作され、選択されたスリットが光軸O上に配置される。
次に、スリット板5の回転について説明する。
今、たとえば図5(a)に示すように、スリットS1が光軸O上に位置しているものの、スリットS1の前記直線部分a1,a2が前記エネルギー分散方向Eに直交していないものとする。このままでは、スリットS1を通過して試料21を照射する電子線のエネルギー幅は、所望のエネルギー幅よりも大きくなってしまう。すなわち、試料を照射する電子線のエネルギー幅は、スリット巾d1に相当するエネルギー幅よりも大きくなってしまう。このようなときには、スリットS1の直線部分a1,a2がエネルギー分散方向Eに直交するように、スリット板5を回転させる必要がある。
そこで、このときには、アクチュエータ46(図2(a)参照)が動作される。この場合、シャフト42に当接しているアクチュエータ(46)先端が−y方向に移動するように、アクチュエータ46は動作される。こうしてアクチュエータ46が縮められると、シャフト42は軸43を中心として時計回りに回転される。
このシャフト42の回転に伴い、シャフト42のピン42aと係合する回転レバー38は軸39を中心として反時計回りに回転される。この回転レバー38の凹部38aには、ホルダ33に固定されたピン41がはまっている。このため、回転レバー38の回転に伴い、ホルダ33は前記回転軸R(図5(a)の状態では回転軸Rと光軸Oは一致している)を中心として時計回りに回転する。このホルダ33の回転により、ホルダ33に保持されたスリット板5は回転する。その結果、図5(b)に示すように、スリットS1の直線部分a1,a2がエネルギー分散方向Eに直交する。
次に、スリット板5のx軸方向への移動について説明する。
さて、電子線を同じスリット位置に照射し続けると、そのスリット周縁部は次第に汚れてくる。そこで本発明のスリット移動機構6においては、スリット板5をx軸方向へ移動させて、清浄なスリット部分を光軸O上に配置できるように構成されている。
今、図3(b)に示すように、スリットS1の中央部分が光軸O上に位置しているものとする。このような状態において、スリットS1を−x方向に移動させて清浄なスリット部分を光軸O上に配置させる場合には、アクチュエータ29a(図2(a)参照)が動作される。この場合、シャフト29bが−x方向に移動するように、アクチュエータ29aは動作される。こうしてシャフト29bが−x方向に移動すると、そのシャフト(29b)先端に当接しているベース23も同じ量だけ−x方向に移動する。このベース23の移動に伴い、ベース23上のホルダ33に保持されたスリット板5は−x方向へ移動する。その結果、図6に示すように、スリットS1は−x方向に移動する。
以上、図2に示した本発明のスリット移動機構6の動作を説明した。
このようなスリット移動機構を備えた本発明のエネルギーフィルタにおいては、スリット選択はそのスリット移動機構によって行われる。このため本発明では、スリット選択のために電子線をフィルタで偏向させなくて済み、そのフィルタの構造を従来よりも簡単にすることができる。しかも本発明では、スリット選択のために電子線はフィルタで偏向されないので、電子線偏向による収差を抑えることができ、歪みなどのない良好な試料像を得ることができる。
なお、本発明は上記例に限定されるものではない。上記例では、巾の異なるスリットを一列にスリット板上に設けたが、そのスリットの並びは真っ直ぐでなくても良い。たとえば、巾の異なるスリットを放射状にスリット板上に設けるようにしても良い。また、電子源からの電子線をすべて通過させるための開放スリットをスリット板上に追加して設けるようにしても良い。
この支持部材22上には円板状のベース23が配置されており、ベース23の中央部分には電子線通過孔23aが設けられている。図2(a)および図3(a)に示すように、ベース23にはx軸方向に延びる長穴23b,23cが設けられており、バネ(24)付きのガイドネジ25が長穴23b,23cを通されて支持部材22にねじ込まれている。このようなネジ止めにより、ベース23は支持部材22上をx軸方向にのみ移動可能であり、ベース23はバネ24によって支持部材22に押し付けられている。
また、図2に示すように、前記ベース23にはピン26が立てられている。そして、前記支持部材22にもピン27が立てられており、それらのピン26,27間にはバネ28が張られている。このバネ28によって前記ベース23はx方向に引っ張られているが、そのベース23のx方向への移動はX動移動機構29によって受け止められている。
X動移動機構29は前記内筒8に固定されており、X動移動機構29はアクチュエータ(たとえば圧電素子体)29aとシャフト29bを備えている。シャフト29bの先端は前記ベース23に当接しており、アクチュエータ29aが動作されると、そのアクチュエータ29aに接続されたシャフト29bがx軸方向に移動するように構成されている。なお、シャフト29bの周りに配置されたベローズ29cにより、内筒8内部の気密が保たれている。
また、図2において30〜32はローラであり、ローラ30〜32は前記ベース23上に等間隔に取り付けられている。これら3つのローラ30〜32の内側にはホルダ33が配置されており、円板状のホルダ33は前記ベース23上に配置されている。このホルダ33の外周には溝33aが形成されており、溝33aには前記ローラ30〜32がはまっている。このようなローラ30〜32により、ホルダ33は回転軸Rまわりに回動可能である。なお、図2(a)の状態においては、回転軸Rは光軸Oと一致している。
今説明したホルダ33はホルダ本体(34)部分とスリットホルダ(35)部分とに分かれており、電子線通過孔35aを有するスリットホルダ35は、蛇腹部分36a,36bを介してホルダ本体34に接続されている。このような蛇腹構造により、スリットホルダ35はホルダ本体34に対して一方向にのみ移動可能である。すなわち、図2(a)の状態においては、スリットホルダ35はホルダ本体34に対してy軸方向にのみ移動可能である。なお、このような蛇腹構造を持つホルダ33は、貫通孔37が開けられることによって作製される。
そして、スリットホルダ35上には前記スリット板(スリット部材)5がセットされている。図3(b)に示すように、スリット板5には4つのスリットS1〜S4が一列に設けられており、隣り合うスリット間の距離はΔである。この距離Δは、エネルギー分散された電子線が隣り合う2つのスリットを同時に通過しないように設定されている。スリットS1〜S4の形状は長方形であり、各スリットは平行な2つの直線部分a1,a2を有している。また、スリット巾dはスリット毎に異なっており、スリットS1,S2,S3,S4のスリット巾はそれぞれd1,d2,d3,d4である。なお、図3(b)に示すように、現在のスリットS1〜S4の並びは前記ウィーンフィルタ3のエネルギー分散方向Eに一致しており、各スリットの直線部分a1,a2はそのエネルギー分散方向Eに直交している。
また、図2において38は回転レバーである。回転レバー38は、光軸Oに平行な軸39まわりに回動可能に支持部材40に取り付けられている。この支持部材40は前記支持部材22に固定されている。そして、回転レバー38の一端には凹部38aが形成されており、前記ホルダ本体34に固定されたピン41が凹部38aにはまっている。一方、回転レバー38の他端にも凹部38bが形成されており、シャフト42の先端に固定されたピン42aが凹部38bにはまっている。シャフト42は、光軸Oに平行な軸43まわりに回動可能に前記内筒8に取り付けられている。
44はアクチュエータ固定台であり、アクチュエータ固定台44は内筒8の外側に固定されている。アクチュエータ固定台44と前記シャフト42の端部42b間にはバネ45が張られている。このバネ45によりシャフト端部42bは固定台44側に引っ張られているが、そのシャフト端部42bの固定台方向(−y方向)への移動は、固定台44上に取り付けられたアクチュエータ46によって受け止められている。アクチュエータ46の先端はシャフト42に当接しており、アクチュエータ46が動作されてアクチュエータ先端がy軸方向に移動されると、シャフト42は軸43まわりに回動するように構成されている。また、シャフト42の周りに配置されたベローズ42cにより、内筒8内部の気密が保たれている。
なお、前記ホルダ本体34を前記回転軸Rまわりに回動させるための本発明の回転機構は、回転レバー38と支持部材40とシャフト42とアクチュエータ固定台44とバネ45とアクチュエータ46とで構成されている。
また、図2において47はY動レバーである。Y動レバー47は、上述した軸39まわりに回動可能に前記支持部材40に取り付けられている。そして、Y動レバー47の一端には凹部47aが形成されており、前記スリットホルダ35が凹部47aにはまっている。一方、Y動レバー47の他端にも凹部47bが形成されており、シャフト48の先端に固定されたピン48aが凹部47bにはまっている。シャフト48は、光軸Oに平行な軸49まわりに回動可能に前記内筒8に取り付けられている。
前記シャフト48の端部48bと前記アクチュエータ固定台44間にはバネ50が張られている。このバネ50によりシャフト端部48bは固定台44側に引っ張られているが、そのシャフト端部48bの固定台方向(y方向)への移動は、固定台44上に取り付けられたアクチュエータ51によって受け止められている。アクチュエータ51の先端はシャフト48に当接しており、アクチュエータ51が動作されてアクチュエータ先端がy軸方向に移動されると、シャフト48は軸49まわりに回動するように構成されている。また、シャフト48の周りに配置されたベローズ48cにより、内筒8内部の気密が保たれている。
なお、前記スリットホルダ35を前記回転軸Rに垂直な方向(図2の状態ではy軸方向)に移動させるための本発明の移動機構は、Y動レバー47と支持部材40とシャフト48とアクチュエータ固定台44とバネ50とアクチュエータ51とで構成されている。
以上、図1におけるスリット移動機構6の構造を図2と図3を用いて説明した。以下、このスリット移動機構6の動作説明を行う。
まず、スリットS1〜S4の選択について説明する。
今、図3(b)に示すように、スリットS1が選択されて光軸O上に配置されているものとする。この状態からスリットS2を光軸O上に位置させるときには、アクチュエータ51(図2(a)参照)が動作される。この場合、シャフト48に当接しているアクチュエータ(51)先端が−y方向に移動するように、アクチュエータ51は動作される。こうしてシャフト48がアクチュエータ51で押されると、シャフト48は軸49を中心として時計回り(電子源11側から見て時計回り)に回転される。
このシャフト48の回転に伴い、シャフト48のピン48aと係合するY動レバー47は軸39を中心として反時計回りに回転される。このY動レバー47の回転により、Y動レバー47の凹部47aにはまっているスリットホルダ35は、そのY動レバー47の先端部分で−y方向に押される。そして、蛇腹部分36aが伸びて蛇腹部分36bが縮むため、スリットホルダ35は−y方向に移動する。この移動に伴い、スリットホルダ35に保持されたスリット板5は−y方向に移動する。その結果、図4に示すように、スリット板5中のスリットS2が光軸O上に配置される。
なお、このスリットS2の光軸O上への位置合わせは、蛍光板20(図1参照)上においてスリット像が確認されながら行われる。すなわち、オペレータは、スリットS2を通過した電子線によるスリット像が蛍光板20上の所定位置に来るように、アクチュエータ51を動作させてスリットS2をy軸方向に移動させる。
以上、スリットS2を光軸O上に配置する場合について説明した。他のスリットS3,S4を光軸O上に配置する場合にも、アクチュエータ51が適宜動作され、選択されたスリットが光軸O上に配置される。
次に、スリット板5の回転について説明する。
今、たとえば図5(a)に示すように、スリットS1が光軸O上に位置しているものの、スリットS1の前記直線部分a1,a2が前記エネルギー分散方向Eに直交していないものとする。このままでは、スリットS1を通過して試料21を照射する電子線のエネルギー幅は、所望のエネルギー幅よりも大きくなってしまう。すなわち、試料を照射する電子線のエネルギー幅は、スリット巾d1に相当するエネルギー幅よりも大きくなってしまう。このようなときには、スリットS1の直線部分a1,a2がエネルギー分散方向Eに直交するように、スリット板5を回転させる必要がある。
そこで、このときには、アクチュエータ46(図2(a)参照)が動作される。この場合、シャフト42に当接しているアクチュエータ(46)先端が−y方向に移動するように、アクチュエータ46は動作される。こうしてアクチュエータ46が縮められると、シャフト42は軸43を中心として時計回りに回転される。
このシャフト42の回転に伴い、シャフト42のピン42aと係合する回転レバー38は軸39を中心として反時計回りに回転される。この回転レバー38の凹部38aには、ホルダ33に固定されたピン41がはまっている。このため、回転レバー38の回転に伴い、ホルダ33は前記回転軸R(図5(a)の状態では回転軸Rと光軸Oは一致している)を中心として時計回りに回転する。このホルダ33の回転により、ホルダ33に保持されたスリット板5は回転する。その結果、図5(b)に示すように、スリットS1の直線部分a1,a2がエネルギー分散方向Eに直交する。
次に、スリット板5のx軸方向への移動について説明する。
さて、電子線を同じスリット位置に照射し続けると、そのスリット周縁部は次第に汚れてくる。そこで本発明のスリット移動機構6においては、スリット板5をx軸方向へ移動させて、清浄なスリット部分を光軸O上に配置できるように構成されている。
今、図3(b)に示すように、スリットS1の中央部分が光軸O上に位置しているものとする。このような状態において、スリットS1を−x方向に移動させて清浄なスリット部分を光軸O上に配置させる場合には、アクチュエータ29a(図2(a)参照)が動作される。この場合、シャフト29bが−x方向に移動するように、アクチュエータ29aは動作される。こうしてシャフト29bが−x方向に移動すると、そのシャフト(29b)先端に当接しているベース23も同じ量だけ−x方向に移動する。このベース23の移動に伴い、ベース23上のホルダ33に保持されたスリット板5は−x方向へ移動する。その結果、図6に示すように、スリットS1は−x方向に移動する。
以上、図2に示した本発明のスリット移動機構6の動作を説明した。
このようなスリット移動機構を備えた本発明のエネルギーフィルタにおいては、スリット選択はそのスリット移動機構によって行われる。このため本発明では、スリット選択のために電子線をフィルタで偏向させなくて済み、そのフィルタの構造を従来よりも簡単にすることができる。しかも本発明では、スリット選択のために電子線はフィルタで偏向されないので、電子線偏向による収差を抑えることができ、歪みなどのない良好な試料像を得ることができる。
なお、本発明は上記例に限定されるものではない。上記例では、巾の異なるスリットを一列にスリット板上に設けたが、そのスリットの並びは真っ直ぐでなくても良い。たとえば、巾の異なるスリットを放射状にスリット板上に設けるようにしても良い。また、電子源からの電子線をすべて通過させるための開放スリットをスリット板上に追加して設けるようにしても良い。
また、電子エネルギー損失分光(EELS)による固体試料の電子状態解析を行える透過電子顕微鏡に本発明を適用するようにしても良い。すなわち、試料の後段に順に、結像レンズ系、第1スリット、アナライザ、第2スリット、結像レンズ系、撮像装置を備えた透過電子顕微鏡において、上述した本発明のエネルギーフィルタを電子源と試料間に配置して電子線を単色化するようにしても良い。また、そのEELSによる固体試料の電子状態解析を行える透過電子顕微鏡において、本発明のエネルギーフィルタを、前記アナライザと第2スリットに代えて配置するようにして良い。
1…エネルギーフィルタ、2…電子銃、3a,3b…ウィーンフィルタ、4…シールドケース、5…スリット板、6…スリット移動機構、7…外筒、8…内筒、9…絶縁碍子、10…空間、11…電子源、12…第1電極、13…第2電極、14…絶縁碍子、15…加速電極、16…集束レンズ、17…対物レンズ、18…中間レンズ、19…投影レンズ、20…蛍光板、21…試料、22…支持部材、23…ベース、24…バネ、25…ガイドネジ、26…ピン、27…ピン、28…バネ、29…X動移動機構、30、31、32…ローラ、33…ホルダ、34…ホルダ本体、35…スリットホルダ、36a、36b…蛇腹部、37…貫通孔、38…回転レバー、39…軸、40…支持部材、41…ピン、42…シャフト、43…軸、44…アクチュエータ固定台、45…バネ、46…アクチュエータ、47…Y動レバー、48…シャフト、49…軸、50…バネ、51…アクチュエータ
Claims (8)
- 特定のエネルギーを持つ荷電粒子のみを選択するためのエネルギーフィルタであって、以下の(a)〜(c)の構成要素を備えたことを特徴とするエネルギーフィルタ
(a)フィルタに入射した荷電粒子線を、その入射方向とほぼ直交する所定方向にエネルギー分散させる前記フィルタ
(b)前記フィルタによってエネルギー分散された荷電粒子線の一部を通過させるためのスリットを有するスリット部材
(c)前記スリット部材を、前記荷電粒子線のフィルタへの入射方向とほぼ直交する方向に移動させるためのスリット移動機構。 - 前記スリット部材には複数のスリットが設けられており、各スリットは平行な2つの直線部分を有しており、その2つの直線部分間の距離はスリット毎に異なっていることを特徴とする請求項1記載のエネルギーフィルタ。
- 前記スリット移動機構は、前記スリット部材を、前記荷電粒子線のフィルタへの入射方向とほぼ平行な軸まわりに回動させるための回転機構を備えていることを特徴とする請求項1記載のエネルギーフィルタ。
- 前記スリット移動機構は、以下の(d)〜(h)の構成要素を備えていることを特徴とする請求項1記載のエネルギーフィルタ
(d)荷電粒子線通過部を有するベース
(e)荷電粒子線通過部を有し、前記荷電粒子線のフィルタへの入射方向とほぼ平行な回転軸まわりに回動可能に前記ベース上に配置されたホルダ本体
(f)荷電粒子線通過部を有し、前記回転軸にほぼ垂直な所定方向に移動可能に前記ホルダ本体上に配置されたスリットホルダ
(g)前記ホルダ本体を前記回転軸まわりに回動させるための回転機構
(h)前記スリットホルダを前記回転軸にほぼ垂直な所定方向に移動させるための移動機構。 - 前記ベースは、荷電粒子線通過部を有する支持部材上に配置されており、前記ベースを前記回転軸にほぼ垂直な所定方向に移動させるための移動機構を更に備えたことを特徴とする請求項4記載のエネルギーフィルタ。
- 電子を発生する電子源と観察試料との間に、前記請求項1から5の何れかに記載のエネルギーフィルタを配置したことを特徴とする電子顕微鏡。
- 荷電粒子線の一部を通過させるためのスリットを有するスリット部材を、前記荷電粒子線のスリットへの入射方向とほぼ直交する方向に移動させるためのスリット移動機構であって、以下の(i)〜(m)の構成要素を備えていることを特徴とするスリット移動機構
(i)荷電粒子線通過部を有するベース
(j)荷電粒子線通過部を有し、前記荷電粒子線のスリットへの入射方向とほぼ平行な回転軸まわりに回動可能に前記ベース上に配置されたホルダ本体
(k)荷電粒子線通過部を有し、前記回転軸にほぼ垂直な所定方向に移動可能に前記ホルダ本体上に配置されたスリットホルダ
(l)前記ホルダ本体を前記回転軸まわりに回動させるための回転機構
(m)前記スリットホルダを前記回転軸にほぼ垂直な所定方向に移動させるための移動機構。 - 前記ベースは、荷電粒子線通過部を有する支持部材上に配置されており、前記ベースを前記回転軸にほぼ垂直な所定方向に移動させるための移動機構を更に備えたことを特徴とする請求項7記載のスリット移動機構。
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JP2004109563A JP2005294128A (ja) | 2004-04-02 | 2004-04-02 | エネルギーフィルタおよび電子顕微鏡ならびにスリット移動機構 |
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ID=35326815
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018514050A (ja) * | 2016-03-23 | 2018-05-31 | 韓国標準科学研究院Korea Reserch Institute Of Standards And Science | モノクロメーターおよびこれを備えた荷電粒子線装置 |
US10134558B2 (en) | 2014-03-07 | 2018-11-20 | Hitachi High-Technologies Corporation | Scanning electron microscope |
JP2019140012A (ja) * | 2018-02-14 | 2019-08-22 | 株式会社荏原製作所 | ウィーンフィルタ、電子光学装置 |
-
2004
- 2004-04-02 JP JP2004109563A patent/JP2005294128A/ja not_active Withdrawn
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