JP2005292732A - 積層位相差フィルムの製造方法、積層位相差フィルム、およびそれを用いた光学フィルム - Google Patents

積層位相差フィルムの製造方法、積層位相差フィルム、およびそれを用いた光学フィルム Download PDF

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俊介 首藤
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Abstract

【課題】 位相差フィルムの新たな製造方法を提供する。
【解決手段】 複屈折性を示すポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に偏光を照射して、前記ポリマーフィルムの屈折率異方性を変化させ、前記偏光照射後のポリマーフィルム表面に、液晶性化合物を含む塗工液を塗工して塗工膜を形成し、前記塗工膜に加熱処理を施して、前記液晶性化合物を前記ポリマーフィルムの屈折率異方性に応じて配向させることによって複屈折層を形成する。これによって,光学特性が改質されたポリマーフィルム上に複屈折層が形成された積層位相差フィルムが提供できる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種画像表示装置の光学補償に有用な積層位相差フィルムの製造方法、積層位相差フィルム、ならびにそれを用いた光学フィルムに関する。
従来、各種液晶表示装置は、斜めから見た場合に、コントラスト比の低下、黒表示部での階調反転の発生等、種々の視野角特性の問題があり、これら改善するために様々な複屈折フィルム(位相差フィルム)が光学補償フィルムとして使用されている。
このような光学補償フィルムとして、例えば、光学的に二軸性を示す位相差フィルム(二軸性位相差フィルム)が報告されている。この二軸性位相差フィルムは、一般に、ポリマーフィルムを二軸延伸することによって作製されており、その延伸方法については、例えば、ロール間引張り延伸法、ロール間圧縮延伸法、テンター横一軸延伸法や(例えば、特許文献1)、フィルム強度に応じて二軸延伸を行う方法(例えば、特許文献2)等、多数の報告がなされている。また、一軸延伸したポリマーフィルムと二軸延伸したポリマーフィルムとを併用して光学的二軸性フィルムとする方法(例えば、特許文献3)や、ポリイミドをフィルム化して負の複屈折性を示すフィルムを製造する方法(例えば、特許文献4)等も開示されている。
一方、重合性液晶モノマーを使用した位相差フィルムについても開示されている。重合性液晶モノマーを使用した位相差フィルムは、通常、異方性を示す配向膜上に前記液晶モノマーを含む塗工膜を形成し、前記塗工膜中の液晶モノマーを前記配向膜の配向方向に応じて配向させ、さらにモノマー間を重合させることによって形成できる。つまり、前記液晶モノマーの配向によって複屈折性が付与されるのである。そして、このようにして形成される一軸性の位相差フィルムに対して、偏光照射を行うことによって、その光学特性を一軸性から二軸性に変化できることが報告されている(特許文献5)。
しかしながら、前述のような延伸や収縮を利用する方法によると、得られる位相差フィルムの配向軸(遅相軸)がばらつき易いという問題がある。他方、液晶モノマーの重合体からなる位相差フィルムに偏光照射を行う場合には、重合(結合)が強固であるために、光学特性を一軸性から二軸性に変化させることが非常に困難であり、また、アルキル鎖の分解により着色するという問題もあった。また、厚み方向位相差に関しては、材料の性質(例えば、配向性)に依存するため、液晶材料を用いた場合では限界がある。
特開平3−033719号公報 特開平3−024502号公報 特開平8−511812号公報 特開平4−194820号公報 特開2002−6138号公報
そこで、本発明の目的は、位相差フィルムの新たな製造方法の提供であって、さらに詳しくは、延伸や収縮処理等を必要とせず、光学特性を変化できる製造方法の提供である。
前記目的を達成するために、本発明の積層位相差フィルムの製造方法は、複屈折性を示すポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に偏光を照射して、前記ポリマーフィルムの屈折率異方性を変化させる工程;前記偏光照射後のポリマーフィルム表面に、液晶性化合物を含む塗工液を塗工して塗工膜を形成する工程;および、前記塗工膜に加熱処理を施して、前記液晶性化合物を前記ポリマーフィルムの屈折率異方性に応じて配向させることによって複屈折層を形成する工程を含む、配向フィルムと複屈折層とを含む積層位相差フィルムの製造方法である。なお、以下、偏光照射前の位相差フィルムを「ポリマーフィルム」、偏光処理後の位相差フィルムを、以下、「改質ポリマーフィルム」という。
本発明者らは、鋭意研究の結果、複屈折性を示すポリマーフィルムに、さらに偏光照射を行うことによって、前記ポリマーフィルムの光学特性を変化させるという方法を見出した。つまり、例えば、一軸性のポリマーフィルムであっても、従来のような延伸処理や収縮処理を施すことなく、偏光照射のみによって、光学特性を一軸性から二軸性に変化できることを見出したのである。このように偏光照射によって得られる改質ポリマーフィルムは、例えば、前述のような延伸や収縮が原因となる遅相軸(配向軸)のバラツキが抑制され、また、液晶モノマーの重合体からなる位相差フィルムに対する偏光照射とは異なり、安定で効率よく、光学特性を変化させることが可能である。このため、このような方法によって改質したポリマーフィルム上に、その屈折率異方性を利用して、さらに複屈折層を形成すれば、例えば、配向軸の軸精度を制御しつつ、面内位相差や厚み方向位相差を所望の範囲に調節できるという発想のもと、本発明の製造方法に想到したのである。また、本発明の積層位相差フィルムの製造方法によれば、面内位相差や厚み方向位相差を調整できるだけでなく、前記ポリマーフィルム上に任意の角に配向した複屈折層を形成することができる。すなわち、前記ポリマーフィルムに照射する偏光の角度を任意に制御すれば、その偏光照射に応じた任意の配向軸を有する改質ポリマーフィルムが得られるため、これによって、前記改質ポリマーフィルム上に形成される複屈折層の配向方向を任意に制御できるのである。このような方法は、液晶表示装置をはじめとする各種画像表示装置に使用する積層位相差フィルムの製法として極めて有用であるといえる。
本発明の積層位相差フィルムの製造方法を、一例をあげて以下に説明するが、これらには限定されない。
(1)ポリマーフィルム
まず、複屈折性を示すポリマーフィルムを準備する。このポリマーフィルムは、例えば、下記式(1)で表される光学特性(複屈折性)を示すことが好ましい。
nx’=ny’>nz’ ・・・(I)
前記式(I)において、nx’、ny’およびnz’とは、それぞれ前記ポリマーフィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記ポリマーフィルムの面内において最大の屈折率を示す軸(遅相軸)方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。なお、前記式(I)の「nx'=ny'」は、本明細書においては、厳密にnx'とny'とがイコールであることを示すものではなく、実用上、同程度と考えられる関係を示し、理想的には0である。
前記ポリマーフィルムの形成材料としては、後述する偏光照射によって配向を変化できるものであれば特に制限されないが、例えば、非液晶性ポリマーが好ましい。
前記非液晶性ポリマーとしては、例えば、耐熱性、耐薬品性、透明性に優れ、剛性にも富むことから、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド等のポリマーが好ましい。これらのポリマーは、いずれか一種類を単独で使用してもよいし、例えば、ポリアリールエーテルケトンとポリアミドとの混合物のように、異なる官能基を持つ2種以上の混合物として使用してもよい。このような非液晶性ポリマーの分子量は、特に制限されないが、前記非液晶性ポリマーの分子量および濃度によって、前記粘度を調整できることから、粘度および濃度に応じて決定することができる。具体的には、重量平均分子量(Mw)が、1,000〜1,000,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10,000〜400,000の範囲である。
前記列挙されたポリマーの中でも、高透明性、高配向性、高延伸性であることから、ポリイミドが特に好ましい。
前記ポリイミドとしては、例えば、面内配向性が高く、有機溶剤に可溶なポリイミドが好ましい。具体的には、例えば、特表2000-511296号公報に開示された、9,9-ビス(アミノアリール)フルオレンと芳香族テトラカルボン酸二無水物との縮合重合生成物を含み、下記式(1)に示す繰り返し単位を1つ以上含むポリマーが使用できる。
Figure 2005292732
前記式(1)中、R3〜R6は、水素、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC110アルキル基で置換されたフェニル基、およびC110アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。好ましくは、R3〜R6は、ハロゲン、フェニル基、1〜4個のハロゲン原子またはC110アルキル基で置換されたフェニル基、およびC110アルキル基からなる群からそれぞれ独立に選択される少なくとも一種類の置換基である。
前記式(1)中、Zは、例えば、C620の4価芳香族基であり、好ましくは、ピロメリット基、多環式芳香族基、多環式芳香族基の誘導体、または、下記式(2)で表される基である。
Figure 2005292732
前記式(2)中、Z'は、例えば、共有結合、C(R7)2基、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(C25)2基、または、NR8基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。また、wは、1から10までの整数を表す。R7は、それぞれ独立に、水素またはC(R93である。R8は、水素、炭素原子数1〜約20のアルキル基、またはC620アリール基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。R9は、それぞれ独立に、水素、フッ素、または塩素である。
前記多環式芳香族基としては、例えば、ナフタレン、フルオレン、ベンゾフルオレンまたはアントラセンから誘導される4価の基があげられる。また、前記多環式芳香族基の置換誘導体としては、例えば、C110のアルキル基、そのフッ素化誘導体、およびFやCl等のハロゲンからなる群から選択される少なくとも一つの基で置換された前記多環式芳香族基があげられる。
この他にも、例えば、特表平8-511812号公報に記載された、繰り返し単位が下記一般式(3)または(4)で示されるホモポリマーや、繰り返し単位が下記一般式(5)で示されるポリイミド等があげられる。なお、下記式(5)のポリイミドは、下記式(3)のホモポリマーの好ましい形態である。
Figure 2005292732
Figure 2005292732
Figure 2005292732
前記一般式(3)〜(5)中、GおよびG'は、例えば、共有結合、CH2基、C(CH3)2基、C(CF3)2基、C(CX3)2基(ここで、Xは、ハロゲンである。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(CH2CH3)2基、および、N(CH3)基からなる群から、それぞれ独立して選択される基を表し、それぞれ同一でも異なってもよい。
前記式(3)および式(5)中、Lは、置換基であり、dおよびeは、その置換数を表す。Lは、例えば、ハロゲン、C13アルキル基、C13ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基であり、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C13アルキル基、およびC13ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。また、前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素があげられる。dは、0から2までの整数であり、eは、0から3までの整数である。
前記式(3)〜(5)中、Qは置換基であり、fはその置換数を表す。Qとしては、例えば、水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、ニトロ基、シアノ基、チオアルキル基、アルコキシ基、アリール基、置換アリール基、アルキルエステル基、および置換アルキルエステル基からなる群から選択される原子または基であって、Qが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。前記置換アルキル基としては、例えば、ハロゲン化アルキル基があげられる。また前記置換アリール基としては、例えば、ハロゲン化アリール基があげられる。fは、0から4までの整数であり、gおよびhは、それぞれ0から3および1から3までの整数である。また、gおよびhは、1より大きいことが好ましい。
前記式(4)中、R10およびR11は、水素、ハロゲン、フェニル基、置換フェニル基、アルキル基、および置換アルキル基からなる群から、それぞれ独立に選択される基である。その中でも、R10およびR11は、それぞれ独立に、ハロゲン化アルキル基であることが好ましい。
前記式(5)中、M1およびM2は、同一であるかまたは異なり、例えば、ハロゲン、C13アルキル基、C13ハロゲン化アルキル基、フェニル基、または、置換フェニル基である。前記ハロゲンとしては、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素があげられる。また、前記置換フェニル基としては、例えば、ハロゲン、C13アルキル基、およびC13ハロゲン化アルキル基からなる群から選択される少なくとも一種類の置換基を有する置換フェニル基があげられる。
前記式(3)に示すポリイミドの具体例としては、例えば、下記式(6)で表されるもの等があげられる。
Figure 2005292732
さらに、前記ポリイミドとしては、例えば、前述のような骨格(繰り返し単位)以外の酸二無水物やジアミンを、適宜共重合させたコポリマーがあげられる。
前記酸二無水物としては、例えば、芳香族テトラカルボン酸二無水物があげられる。前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物、2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
前記ピロメリト酸二無水物としては、例えば、ピロメリト酸二無水物、3,6-ジフェニルピロメリト酸二無水物、3,6-ビス(トリフルオロメチル)ピロメリト酸二無水物、3,6-ジブロモピロメリト酸二無水物、3,6-ジクロロピロメリト酸二無水物等があげられる。前記ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3',4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記ナフタレンテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,3,6,7-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6-ナフタレン-テトラカルボン酸二無水物、2,6-ジクロロ-ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記複素環式芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、チオフェン-2,3,4,5-テトラカルボン酸二無水物、ピラジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物、ピリジン-2,3,5,6-テトラカルボン酸二無水物等があげられる。前記2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物としては、例えば、2,2'-ジブロモ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ジクロロ-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物等があげられる。
また、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物のその他の例としては、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,5,6-トリフルオロ-3,4-ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン二無水物、4,4'-ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)-2,2-ジフェニルプロパン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、4,4'-オキシジフタル酸二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)スルホン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-[4,4'-イソプロピリデン-ジ(p-フェニレンオキシ)]ビス(フタル酸無水物)、N,N-(3,4-ジカルボキシフェニル)-N-メチルアミン二無水物、ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ジエチルシラン二無水物等があげられる。
これらの中でも、前記芳香族テトラカルボン酸二無水物としては、2,2'-置換ビフェニルテトラカルボン酸二無水物が好ましく、より好ましくは、2,2'-ビス(トリハロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、さらに好ましくは、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4',5,5'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物である。
前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミンがあげられ、具体例としては、ベンゼンジアミン、ジアミノベンゾフェノン、ナフタレンジアミン、複素環式芳香族ジアミン、およびその他の芳香族ジアミンがあげられる。
前記ベンゼンジアミンとしては、例えば、o-、m-およびp-フェニレンジアミン、2,4-ジアミノトルエン、1,4-ジアミノ-2-メトキシベンゼン、1,4-ジアミノ-2-フェニルベンゼンおよび1,3-ジアミノ-4-クロロベンゼンのようなベンゼンジアミンから成る群から選択されるジアミン等があげられる。前記ジアミノベンゾフェノンの例としては、2,2'-ジアミノベンゾフェノン、および3,3'-ジアミノベンゾフェノン等があげられる。前記ナフタレンジアミンとしては、例えば、1,8-ジアミノナフタレン、および1,5-ジアミノナフタレン等があげられる。前記複素環式芳香族ジアミンの例としては、2,6-ジアミノピリジン、2,4-ジアミノピリジン、および2,4-ジアミノ-S-トリアジン等があげられる。
また、前記芳香族ジアミンとしては、これらの他に、4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノジフェニルメタン、4,4'-(9-フルオレニリデン)-ジアニリン、2,2'-ビス(トリフルオロメチル)-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン、2,2'-ジクロロ-4,4'-ジアミノビフェニル、2,2',5,5'-テトラクロロベンジジン、2,2-ビス(4-アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、3,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'-ビス(4-アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4'-ビス(3-アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン、4,4'-ジアミノジフェニルチオエーテル、4,4'-ジアミノジフェニルスルホン等があげられる。
前記ポリエーテルケトンとしては、例えば、特開2001−49110号公報に記載された、下記一般式(7)で表されるポリアリールエーテルケトンがあげられる。
Figure 2005292732
前記式(7)中、Xは、置換基を表し、qは、その置換数を表す。Xは、例えば、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基、低級アルコキシ基、または、ハロゲン化アルコキシ基であり、Xが複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。
前記ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、臭素原子、塩素原子およびヨウ素原子があげられ、これらの中でも、フッ素原子が好ましい。前記低級アルキル基としては、例えば、C16の直鎖または分岐鎖の低級アルキル基が好ましく、より好ましくはC14の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、および、tert-ブチル基が好ましく、特に好ましくは、メチル基およびエチル基である。前記ハロゲン化アルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基等の前記低級アルキル基のハロゲン化物があげられる。前記低級アルコキシ基としては、例えば、C16の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基が好ましく、より好ましくはC14の直鎖または分岐鎖のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、および、tert-ブトキシ基が、さらに好ましく、特に好ましくはメトキシ基およびエトキシ基である。前記ハロゲン化アルコキシ基としては、例えば、トリフルオロメトキシ基等の前記低級アルコキシ基のハロゲン化物があげられる。
前記式(7)中、qは、0から4までの整数である。前記式(7)においては、q=0であり、かつ、ベンゼン環の両端に結合したカルボニル基とエーテルの酸素原子とが互いにパラ位に存在することが好ましい。
また、前記式(7)中、R1は、下記式(8)で表される基であり、mは、0または1の整数である。
Figure 2005292732
前記式(8)中、X’は置換基を表し、例えば、前記式(7)におけるXと同様である。前記式(8)において、X'が複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。q'は、前記X'の置換数を表し、0から4までの整数であって、q'=0が好ましい。また、pは、0または1の整数である。
前記式(8)中、R2は、2価の芳香族基を表す。この2価の芳香族基としては、例えば、o-、m-もしくはp-フェニレン基、または、ナフタレン、ビフェニル、アントラセン、o-、m-もしくはp-テルフェニル、フェナントレン、ジベンゾフラン、ビフェニルエーテル、もしくは、ビフェニルスルホンから誘導される2価の基等があげられる。これらの2価の芳香族基において、芳香族に直接結合している水素が、ハロゲン原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基で置換されてもよい。これらの中でも、前記R2としては、下記式(9)〜(15)からなる群から選択される芳香族基が好ましい。
Figure 2005292732
前記式(7)中、前記R1としては、下記式(16)で表される基が好ましく、下記式(16)において、R2およびpは前記式(8)と同義である。
Figure 2005292732
さらに、前記式(7)中、nは重合度を表し、例えば、2〜5000の範囲であり、好ましくは、5〜500の範囲である。また、その重合は、同じ構造の繰り返し単位からなるものであってもよく、異なる構造の繰り返し単位からなるものであってもよい。後者の場合には、繰り返し単位の重合形態は、ブロック重合であってもよいし、ランダム重合でもよい。
さらに、前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの末端は、p-テトラフルオロベンゾイレン基側がフッ素であり、オキシアルキレン基側が水素原子であることが好ましく、このようなポリアリールエーテルケトンは、例えば、下記一般式(17)で表すことができる。なお、下記式において、nは前記式(7)と同様の重合度を表す。
Figure 2005292732
前記式(7)で示されるポリアリールエーテルケトンの具体例としては、下記式(18)〜(21)で表されるもの等があげられ、下記各式において、nは、前記式(7)と同様の重合度を表す。
Figure 2005292732
Figure 2005292732
Figure 2005292732
Figure 2005292732
また、これらの他に、前記ポリアミドまたはポリエステルとしては、例えば、特表平10−508048号公報に記載されるポリアミドやポリエステルがあげられ、それらの繰り返し単位は、例えば、下記一般式(22)で表すことができる。
Figure 2005292732
前記式(22)中、Yは、OまたはNHである。また、Eは、例えば、共有結合、C2アルキレン基、ハロゲン化C2アルキレン基、CH2基、C(CX3)2基(ここで、Xはハロゲンまたは水素である。)、CO基、O原子、S原子、SO2基、Si(R)2基、および、N(R)基からなる群から選ばれる少なくとも一種類の基であり、それぞれ同一でもよいし異なってもよい。前記Eにおいて、Rは、C13アルキル基およびC13ハロゲン化アルキル基の少なくとも一種類であり、カルボニル官能基またはY基に対してメタ位またはパラ位にある。
また、前記(22)中、AおよびA'は、置換基であり、tおよびzは、それぞれの置換数を表す。また、pは、0から3までの整数であり、qは、1から3までの整数であり、rは、0から3までの整数である。
前記Aは、例えば、水素、ハロゲン、C13アルキル基、C13ハロゲン化アルキル基、OR(ここで、Rは、前記定義のものである。)で表されるアルコキシ基、アリール基、ハロゲン化等による置換アリール基、C19アルコキシカルボニル基、C19アルキルカルボニルオキシ基、C112アリールオキシカルボニル基、C112アリールカルボニルオキシ基およびその置換誘導体、C112アリールカルバモイル基、ならびに、C112アリールカルボニルアミノ基およびその置換誘導体からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記A'は、例えば、ハロゲン、C13アルキル基、C13ハロゲン化アルキル基、フェニル基および置換フェニル基からなる群から選択され、複数の場合、それぞれ同一であるかまたは異なる。前記置換フェニル基のフェニル環上の置換基としては、例えば、ハロゲン、C13アルキル基、C13ハロゲン化アルキル基およびこれらの組合せがあげられる。前記tは、0から4までの整数であり、前記zは、0から3までの整数である。
前記式(22)で表されるポリアミドまたはポリエステルの繰り返し単位の中でも、下記一般式(23)で表されるものが好ましい。
Figure 2005292732
前記式(23)中、A、A'およびYは、前記式(22)で定義したものであり、vは0から3の整数、好ましくは、0から2の整数である。xおよびyは、それぞれ0または1であるが、共に0であることはない。
前記複屈折性を示すポリマーフィルムの形成方法は、特に制限されないが、前述のような非液晶性ポリマーを使用する場合は、例えば、非液晶性ポリマーを含む塗工液を基材表面に塗工して塗工膜を形成し、この塗工膜を前記ポリマーフィルムとして使用することができる。前記非液晶性ポリマーであれば、その性質上、前記基材の配向の有無に関わらず面配向(すなわち、前記塗工膜が、例えば、乾燥によって膜厚方向に収縮し、分子配向に異方性が生じる現象)が生じる。このため、前記塗工膜は、前記式(I)に示す負の一軸性の光学特性を示す複屈折性のポリマーフィルムとなる。なお、この複屈折性のポリマーフィルム(塗工膜)は、前記基材から剥離して単独で使用してもよいし、基材との積層体として使用してもよい。
前記ポリマーは、例えば、加熱溶融方法によって、前記基材上に塗工してもよいが、例えば、製造効率や光学異方性制御の点から、前記非液晶性ポリマーを溶剤に溶解または分散させたポリマー液を塗工する方法が好ましい。また、塗工処理は、例えば、スピンコート法、ロールコート法、フローコート法、プリント法、ディップコート法、流延成膜法、バーコート法、グラビア印刷法等の従来公知の方法を適宜採用できる。
前記溶媒としては、特に制限されないが、例えば、塩化メチレン、シクロヘキサノン、トリクロロエチレン、テトラクロロエタン、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等を適宜使用できる。前記ポリマー液は、例えば、粘度の点から、溶媒100重量部に対して、非液晶性ポリマーを5〜50重量部混合することが好ましく、より好ましくは10〜40重量部である。また、前記ポリマー液は、必要に応じて、さらに、安定剤、可塑剤、金属類等の種々の添加剤を含んでいてもよい。
前記塗工液を基材に塗工した後は、例えば、自然乾燥や加熱乾燥処理を施してもよく、このような乾燥処理よって、前記基材上に前記ポリマーを固定化し、前記複屈折フィルムを形成することもできる。前記加熱乾燥処理の条件は、例えば、40〜200℃程度が好ましい。
(2)偏光照射
つぎに、前記複屈折性を示すポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に偏光照射を行う。前記偏光照射によって、前記ポリマーフィルムの偏光前の光学特性(屈折率異方性)が変化し、光学特性が改質された改質ポリマーフィルムが形成されるのである。このような偏光照射であれば、例えば、従来のような延伸や収縮処理を施すことなく、ポリマーフィルムの光学特性を容易に変化できる。
なお、偏光によって屈折率異方性を変化できる理由は定かではないが、偏光照射によるポリマーの分解によって、異方性が付与できると考えられる(例えば、Liquid Crystals 26, 575-580(1999)参照)。具体的に説明すると、前記ポリマーフィルム表面への偏光照射により、その偏光方向にある前記ポリマーフィルムの構成成分(ポリマー)が選択的に分解される。このため、ポリマーフィルムにおける、前記偏光方向の屈折率が小さくなるのである。すなわち、前記ポリマーフィルムにおいて、前記偏光方向の屈折率が相対的小さくなり、一方、前記偏光方向に対して90°方向の屈折率が相対的に大きくなり、屈折率に異方性が生じると考えられる。このため、例えば、偏光照射前のポリマーフィルムが、前記式(I)で表される負の一軸性を示す場合、偏光照射によって、改質ポリマーフィルムの光学特性は、例えば、下記式(II)で表される負の二軸性を示すようになるのである。
nx”>ny”>nz” ・・・(II)
前記式(II)において、nx”、ny”およびnz”とは、それぞれ改質ポリマーフィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記改質ポリマーフィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
具体例としては、例えば、前記式(I)で表される負の一軸性を示すポリマーフィルムに対して、その正面からY軸方向の偏光を照射する。そうすると、この照射により、3方向の屈折率(nx,ny,nz)のうちnxおよびnzを大きく変化させることなくnyのみを減少させ、前記式(II)で表される負の二軸性改質ポリマーフィルムを得ることができる。これによって、改質前のポリマーフィルムにおける厚み方向位相差(Rth)の値を大きく変化させることなく、もう一つの重要なパラメーターである面内位相差(Δnd)を変化させることができる。なお、本発明の製造方法によれば、従来の延伸処理または収縮処理による二軸性フィルムに比べて、軸精度を極めて向上することができる。具体的には、延伸収縮処理では軸制度が±2°程度であるのに対して、本発明によれば軸精度を、例えば、±0.5°以下に向上させることができる。また、従来のように液晶材料を使用する際に見られる着色の問題も回避できる。
前記偏光としては、例えば、紫外線偏光、好ましくは200〜400nmの紫外線偏光である。また、直線偏光、楕円偏光が好ましく、紫外線直線偏光が特に好ましい。偏光条件の中でも、例えば、偏光の照射方向、直線偏光等の偏光方向なども、特に制限されない。
偏光照射量は、例えば、前記ポリマーフィルムの厚みや、所望の面内複屈折率(nx”-ny”)等に応じて適宜決定できるが、例えば、ポリマーフィルムの改質ならびにそれにともなう面内位相差の発現を十分に行うことができ、クラックの発生も十分に防止できることから、照射強度が、1mJ/cm2〜50J/cm2であることが好まし。
(3)複屈折層の形成
つづいて、前記改質ポリマーフィルム表面に、液晶性化合物を含む塗工液を塗工して塗工膜を形成し、さらに、前記塗工膜に加熱処理を施して、前記液晶性化合物を前記改質ポリマーフィルムの屈折率異方性に応じて配向させることによって、前記改質ポリマーフィルム上に複屈折層を形成する。
このように液晶性化合物を用いれば、液晶性という特性により、液晶相の状態で前記改質ポリマーフィルムの配向状態に応じて前記化合物を配向させることができるため、複屈折性を示す層を前記改質ポリマーフィルム上に形成できるのである。
前記塗工膜は、前記改質ポリマーフィルム表面に、前記液晶性化合物を含む塗工液を塗工することによって形成できる。前記液晶性化合物としては、前記改質ポリマーフィルムの屈折率異方性に応じて配向し、最終的に形成された層が複屈折性を有するものであれば特に制限されず、従来公知の種々の液晶性化合物が使用できる。具体例としては、例えば、ネマチック相を示す液晶性化合物(ネマチック液晶)、ネマチック液晶とカイラル剤(カイラル性液晶)との混合物、ディスコチック相を示す液晶性化合物、コレステリック相を示す液晶性化合物(コレステリック液晶)、これらを含む液晶性組成物等があげられる。また、液晶性化合物の分子形状も特に制限されず、棒状(rod-like)や円盤状(discotic)等があげられる。特に、得られる複屈折層における分子配列を傾斜配向とする場合には、例えば、前記棒状液晶性化合物を使用することが好ましい。
また、液晶性化合物は、モノマー(液晶低分子化合物)であってもポリマー(液晶高分子化合物)であってもよいが、モノマーの液晶性化合物であれば、配向後に、さらに、前記化合物間を重合等させることができるため、重合によって前記配向状態を固定できる。このように前記化合物を重合させると、使用した化合物自体は液晶性であっても、前記重合固定によって形成されたポリマーは非液晶性となる。つまり、最終的に形成された複屈折層は、材料として液晶性モノマーを使用するものの、液晶性モノマーではなく、これらが重合したポリマーから構成されることとなる。このため、前記複屈折層は、液晶相のような配向構造をとるものの、液晶性の性質を有さず、例えば、液晶性分子に特有の、温度変化による液晶相、ガラス相、結晶相への変化が起きることもない。したがって、その配向構造が温度変化に影響されない、極めて安定性に優れた複屈折層となる。前記液晶性モノマーとしては、例えば、重合可能な化合物(重合性モノマー)が使用できる。
前記塗工液は、前記液晶性化合物の他に、例えば、前述のような添加剤、架橋剤、重合剤等を含んでもよい。また、塗工液は、液晶性化合物や液晶性組成物が溶液状態の場合にはそのまま使用することもでき、また、シクロペンタノン等の溶剤に分散・溶解したり、これによって希釈したものを使用することもできる。また、前記塗工液の塗工方法、乾燥条件、加熱処理等も、前述と同様に従来公知の方法によって行うことができる。また、液晶性化合物が重合性モノマーの場合には、例えば、光重合や、熱重合などによって重合させ、その配向を固定化してもよい。
前記液晶性化合物は、例えば、特定の温度範囲で液晶相を発現することから、前記塗工膜の加熱処理条件は、使用する液晶性化合物の種類に応じて適宜決定することが好ましい。また、加熱処理後は、前記液晶性化合物の配向状態を固定化するために、急冷処理を施してもよい。
前記塗工液における液晶性化合物の含有量は、例えば、溶媒100重量部に対して10〜50重量部、好ましくは20〜30重量部であり、溶剤は、前述と同様に従来公知のものが使用できる。また、前記塗工膜は、必要に応じて、さらに、前述のような種々の添加剤や、重合剤(重合開始剤)、架橋剤等を含んでいてもよい。
また、液晶性化合物としてモノマーを使用した場合には、そのモノマーの種類や重合剤の種類等に応じて、重合処理を行えばよい。重合方法としては、特に制限されず、例えば、光重合、光重合、熱重合等があげられ、その条件も特に制限されない。
以上のような製造方法によって、光学特性が改質された改質ポリマーフィルム上に、複屈折層が直接積層された、本発明の積層位相差フィルムを製造できる。このような積層位相差フィルムは、改質ポリマーフィルムが、その性質上配向フィルムと位相差フィルムとを兼ねるため、複屈折層を直接形成でき、且つ、複屈折層の積層によって、さらに位相差等の光学特性を様々な範囲に制御することができる。このため、液晶表示装置をはじめとする種々の画像表示装置に適した積層位相差フィルムを提供でき、極めて有用な方法といえる。
本発明の積層位相差フィルムは、例えば、改質ポリマーフィルム上に形成する複屈折層の種類(例えば、使用する液晶性化合物の種類等)に応じて、得られる光学特性は様々である。面内位相差や厚み方向位相差等の光学特性の制御については、以下に例を示すが、これには限定されない。
液晶性化合物として、棒状のネマチック液晶化合物を使用した場合、前記液晶化合物は、改質ポリマーフィルムの面内の屈折率が大きい方向、すなわちX軸方向(偏光軸に対して90°の方向)に一軸配向する。したがって、この液晶化合物によって形成される複屈折層の厚みをさらに制御することにより、形成される積層位相差フィルムの面内位相差を、改質ポリマーフィルムよりも大きい値に任意に増加させることができる。
また、液晶化合物としてネマチック液晶とカイラル性液晶との混合物を使用した場合には、前記混合物は、らせん状のねじれ配向状態をとることができ、また、選択波長領域を可視光外に設定できるため、光学フィルムとして有用である。
さらに、改質ポリマーフィルム上に、ネマチック液晶の複屈折層を形成し、その上に、ネマチック液晶とカイラル性液晶との混合物の複屈折層を形成すれば、前者の複屈折層により面内位相差を、後者の複屈折層により厚み方向位相差を、それぞれ制御できる。具体的には、各複屈折層の厚みを制御することによって、面内位相差および厚み方向位相差をそれぞれ容易に制御できる。
本発明の積層位相差フィルムの複屈折は、例えば、下記式(III)を示すことが好ましい。
nx>ny>nz ・・・(III)
前記式(III)において、nx、nyおよびnzとは、それぞれ前記積層位相差フィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記積層位相差フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
本発明の積層位相差フィルムは、前述のように改質ポリマーフィルム上に形成する複屈折層の厚みによって位相差を制御できるため、その全体厚みは特に制限されず、また、複屈折層の積層数も特に制限されない。
また、積層位相差フィルム全体の複屈折や位相差は、例えば、改質位相差フィルムや複屈折層の種類やその厚み、また組み合わせによって、様々なバリエーションが調節可能である。
つぎに、本発明の光学フィルムは、本発明の積層位相差フィルムを含むことを特徴としている。この光学フィルムは、前記積層位相差フィルムを含んでいればよく、それ以外の構成や構造については何ら制限されず、例えば、さらに、従来公知の種々の光学層を含んでいてもよい。前記光学層としては、特に制限されないが、例えば、偏光素子、各種位相差板、拡散制御フィルム、輝度向上フィルム、反射板、半透過反射板等、各種画像表示装置に使用される従来公知の各種光学層があげられる。これらの光学層は、一種類でもよいし、二種類以上を併用してもよく、また、一層でもよいし、二層以上を積層してもよい。
前記偏光素子は、例えば、偏光子のみでもよいし、前記偏光子の少なくとも一方の表面に透明保護層が積層された偏光板であってもよい。前記透明保護層は、前記偏光子の両側に積層してもよいし、いずれか一方の面のみに積層してもよい。また、両面に積層する場合には、例えば、同じ種類の透明保護層を使用しても、異なる種類の透明保護層を使用してもよい。また、前記偏光子の表面に、透明保護層を兼ねるフィルムとして、本発明の光学フィルムを積層してもよい。本発明の積層位相差フィルムを使用する場合、改質ポリマーフィルムと複屈折層のいずれが偏光素子と対向してもよいが、前記複屈折層が対向するように積層することが好ましい。
本発明の積層位相差フィルムと偏光素子、また、偏光子と透明保護層とは、例えば、従来公知の接着剤や粘着剤を介して積層する等、一般的な方法により行うことができる。また、前記積層位相差フィルムと偏光素子とは、前記接着剤等によって接着するのみでもよい。この他にも、例えば、前記偏光子を基板として、前記偏光子上に、直接、本発明における改質ポリマーフィルムを形成し、さらに複屈折層を形成することも可能である。
前記偏光子(偏光フィルム)としては、特に制限されず、例えば、従来公知の方法により、ポリビニルアルコール系フィルム等の各種フィルムに、ヨウ素や二色性染料等の二色性物質を吸着させて染色し、架橋、延伸、乾燥することによって調製したもの等が使用できる。この中でも、自然光を入射させると直線偏光を透過するフィルムが好ましく、光透過率や偏光度に優れるものが好ましい。前記二色性物質を吸着させる各種フィルムとしては、例えば、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、部分ホルマール化PVA系フィルム、エチレン・酢酸ビニル共重合体系部分ケン化フィルム、セルロース系フィルム等の親水性高分子フィルム等があげられ、これらの他にも、例えば、PVAの脱水処理物やポリ塩化ビニルの脱塩酸処理物等のポリエン配向フィルム等も使用できる。これらの中でも、好ましくはPVA系フィルムである。また、前記偏光フィルムの厚みは、通常、1〜80μmの範囲であるが、これには限定されない。
前記保護層としては、特に制限されず、従来公知の透明フィルムを使用できるが、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、等方性などに優れるものが好ましい。このような透明保護層の材質の具体例としては、トリアセチルセルロール等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等があげられる。また、前記アクリル系、ウレタン系、アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等もあげられる。この中でも、偏光特性や耐久性の点から、表面をアルカリ等でケン化処理したTACフィルムが好ましい。
また、前記保護層としては、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムがあげられる。このポリマー材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有す熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物があげられる。なお、前記ポリマーフィルムは、例えば、前記樹脂組成物の押出成形物であってもよい。
また、前記保護層は、例えば、色付きが無いことが好ましい。具体的には、下記式で表されるフィルム厚み方向の位相差値(Rth)が、−90nm〜+75nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは−80nm〜+60nmであり、特に好ましくは−70nm〜+45nmの範囲である。前記位相差値が−90nm〜+75nmの範囲であれば、十分に保護フィルムに起因する偏光素子の着色(光学的な着色)を解消できる。なお、下記式において、nx、ny、nzは、前述と同様であり、dは、その膜厚を示す。
Rth=[[(nx+ny)/2]-nz]・d
また、前記透明保護層は、さらに光学補償機能を有するものでもよい。このように光学補償機能を有する透明保護層としては、例えば、液晶セルにおける位相差に基づく視認角の変化が原因である、着色等の防止や、良視認の視野角の拡大等を目的とした公知のものが使用できる。具体的には、例えば、前述した透明樹脂を一軸延伸または二軸延伸した各種延伸フィルムや、液晶ポリマー等の配向フィルム、透明基材上に液晶ポリマー等の配向層を配置した積層体等があげられる。これらの中でも、良視認の広い視野角を達成できることから、前記液晶ポリマーの配向フィルムが好ましく、特に、ディスコチック系やネマチック系の液晶ポリマーの傾斜配向層から構成される光学補償層を、前述のトリアセチルセルロースフィルム等で支持した光学補償位相差板が好ましい。このような光学補償位相差板としては、例えば、富士写真フィルム株式会社製「WVフィルム」等の市販品があげられる。なお、前記光学補償位相差板は、前記位相差フィルムやトリアセチルセルロースフィルム等のフィルム支持体を2層以上積層させることによって、位相差等の光学特性を制御したもの等でもよい。
前記透明保護層の厚みは、特に制限されず、例えば、位相差や保護強度等に応じて適宜決定できるが、通常、500μm以下であり、好ましくは5〜300μm、より好ましくは5〜150μmの範囲である。
前記透明保護層は、例えば、偏光フィルムに前記各種透明樹脂を塗布する方法、前記偏光フィルムに前記透明樹脂製フィルムや前記光学補償位相差板等を積層する方法等の従来公知の方法によって適宜形成でき、また市販品を使用することもできる。
また、前記透明保護層は、さらに、例えば、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキングの防止や拡散、アンチグレア等を目的とした処理等が施されたものでもよい。前記ハードコート処理とは、偏光素子表面の傷付き防止等を目的とし、例えば、前記透明保護層の表面に、硬化型樹脂から構成される、硬度や滑り性に優れた硬化被膜を形成する処理である。前記硬化型樹脂としては、例えば、シリコーン系、ウレタン系、アクリル系、エポキシ系等の紫外線硬化型樹脂等が使用でき、前記処理は、従来公知の方法によって行うことができる。スティッキングの防止は、隣接する層との密着防止を目的とする。前記反射防止処理とは、偏光素子表面での外光の反射防止を目的とし、従来公知の反射防止層等の形成により行うことができる。
前記アンチグレア処理とは、偏光素子表面において外光が反射することによる、偏光素子透過光の視認妨害を防止すること等を目的とし、例えば、従来公知の方法によって、前記透明保護層の表面に、微細な凹凸構造を形成することによって行うことができる。このような凹凸構造の形成方法としては、例えば、サンドブラスト法やエンボス加工等による粗面化方式や、前述のような透明樹脂に透明微粒子を配合して前記透明保護層を形成する方式等があげられる。
前記透明微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、酸化アンチモン等があげられ、この他にも導電性を有する無機系微粒子や、架橋または未架橋のポリマー粒状物等から構成される有機系微粒子等を使用することもできる。前記透明微粒子の平均粒径は、特に制限されないが、例えば、0.5〜20μmの範囲である。また、前記透明微粒子の配合割合は、特に制限されないが、一般に、前述のような透明樹脂100重量部あたり2〜70重量部の範囲が好ましく、より好ましくは5〜50重量部の範囲である。
前記透明微粒子を配合したアンチグレア層は、例えば、透明保護層そのものとして使用することもでき、また、透明保護層表面に塗工層等として形成されてもよい。さらに、前記アンチグレア層は、偏光素子透過光を拡散して視角を拡大するための拡散層(視覚補償機能等)を兼ねるものであってもよい。
なお、前記反射防止層、スティッキング防止層、拡散層、アンチグレア層等は、前記透明保護層とは別個に、例えば、これらの層を設けたシート等から構成される光学層として、偏光素子に積層してもよい。
前述のように構成物の積層は、特に制限されず、従来公知の方法によって行うことができ、使用する粘着剤や接着剤等の種類は、前記各構成物の材質等によって適宜決定できる。前記接着剤としては、例えば、アクリル系、ビニルアルコール系、シリコーン系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリエーテル系等のポリマー製接着剤や、ゴム系接着剤等があげられる。また、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のビニルアルコール系ポリマーの水溶性架橋剤等から構成される接着剤等も使用できる。前述のような粘着剤、接着剤は、例えば、湿度や熱の影響によっても剥がれ難く、光透過率や偏光度にも優れる。具体的には、前記偏光子がPVA系フィルムの場合、例えば、接着処理の安定性等の点から、PVA系接着剤が好ましい。これらの接着剤や粘着剤は、例えば、そのまま偏光子や透明保護層の表面に塗布してもよいし、前記接着剤や粘着剤から構成されたテープやシートのような層を前記表面に配置してもよい。また、例えば、水溶液として調製した場合、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。なお、前記接着剤を塗布する場合は、例えば、前記接着剤水溶液に、さらに、他の添加剤や、酸等の触媒を配合してもよい。このような接着層の厚みは、特に制限されないが、例えば、1〜500nmであり、好ましくは10〜300nmであり、より好ましくは20〜100nmである。特に限定されず、例えば、アクリル系ポリマーやビニルアルコール系ポリマー等の接着剤等を使用した従来公知の方法が採用できる。また、湿度や熱等によっても剥がれにくく、光透過率や偏光度に優れる偏光素子を形成できることから、さらに、グルタルアルデヒド、メラミン、シュウ酸等のPVA系ポリマーの水溶性架橋剤を含む接着剤が好ましい。これらの接着剤は、例えば、その水溶液を前記各構成物表面に塗工し、乾燥すること等によって使用できる。前記水溶液には、例えば、必要に応じて、他の添加剤や、酸等の触媒も配合できる。これらの中でも、前記接着剤としては、PVAフィルムとの接着性に優れる点から、PVA系接着剤が好ましい。
また、前記位相差板としては、例えば、ポリマーフィルムを一軸延伸または二軸延伸したもの、Z軸配向処理したもの、液晶性高分子の塗工膜等があげられる。前記拡散制御フィルムとしては、例えば、拡散、散乱、屈折を利用したフィルムがあげられ、これらは、例えば、視野角の制御や、解像度に関わるギラツキや散乱光の制御等に使用することができる。前記輝度向上フィルムとしては、例えば、コレステリック液晶の選択反射と1/4波長板(λ/4板)とを用いた輝度向上フィルムや、偏光方向による異方性散乱を利用した散乱フィルム等が使用できる。また、前記光学フィルムは、例えば、ワイヤーグリッド型偏光子を含んでいてもよい。
つぎに、本発明の光学フィルムの例として、さらに反射板を含む反射型偏光板、さらに半透過反射板を含む半透過型反射型偏光板についてそれぞれ説明する。
前記反射型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に配置され、視認側(表示側)からの入射光を反射させて表示するタイプの液晶表示装置(反射型液晶表示装置)等に使用できる。このような反射型偏光板は、例えば、バックライト等の光源の内蔵を省略できるため、液晶表示装置の薄型化を可能にする等の利点を有する。
前記反射型偏光板は、例えば、本発明の積層位相差フィルムの片面に、金属等から構成される反射板を形成する方法等、従来公知の方法によって作製できる。具体的には、例えば、前記偏光板における透明保護層の片面(露出面)を、必要に応じてマット処理し、前記面に、アルミニウム等の反射性金属からなる金属箔や蒸着膜を反射板として形成した反射型偏光板等があげられる。
また、前述のように各種透明樹脂に微粒子を含有させて表面を微細凹凸構造とした透明保護層の上に、その微細凹凸構造を反映させた反射板を形成した、反射型偏光板等もあげられる。その表面が微細凹凸構造である反射板は、例えば、入射光を乱反射により拡散させ、指向性やギラギラした見栄えを防止し、明暗のムラを抑制できるという利点を有する。このような反射板は、例えば、前記透明保護層の凹凸表面に、真空蒸着方式、イオンプレーティング方式、スパッタリング方式等の蒸着方式やメッキ方式等、従来公知の方法により、直接、前記金属箔や金属蒸着膜として形成することができる。
また、前述のように偏光板の透明保護層に前記反射板を直接形成する方式に代えて、反射板として、前記透明保護フィルムのような適当なフィルムに反射層を設けた反射シート等を使用してもよい。前記反射板における前記反射層は、通常、金属から構成されるため、例えば、酸化による反射率の低下防止、ひいては初期反射率の長期持続や、透明保護層の別途形成を回避する点等から、その使用形態は、前記反射層の反射面が前記フィルムや偏光板等で被覆された状態であることが好ましい。
一方、前記半透過型偏光板は、前記反射型偏光板において、反射板に代えて、半透過型の反射板を有するものである。前記半透過型反射板としては、例えば、反射層で光を反射し、かつ、光を透過するハーフミラー等があげられる。
前記半透過型偏光板は、通常、液晶セルの裏側に設けられ、液晶表示装置等を比較的明るい雰囲気で使用する場合には、視認側(表示側)からの入射光を反射して画像を表示し、比較的暗い雰囲気においては、半透過型偏光板のバックサイドに内蔵されているバックライト等の内蔵光源を使用して画像を表示するタイプの液晶表示装置等に使用できる。すなわち、前記半透過型偏光板は、明るい雰囲気下では、バックライト等の光源使用のエネルギーを節約でき、一方、比較的暗い雰囲気下においても、前記内蔵光源を用いて使用できるタイプの液晶表示装置等の形成に有用である。
つぎに、本発明の光学フィルムの例として、さらに輝度向上フィルムが積層されたフィルムについて説明する。
前記輝度向上フィルムとしては、特に限定されず、例えば、誘電体の多層薄膜や、屈折率異方性が相違する薄膜フィルムの多層積層体のような、所定偏光軸の直線偏光を透過して、他の光は反射する特性を示すもの等が使用できる。このような輝度向上フィルムとしては、例えば、3M社製の商品名「D-BEF」等があげられる。また、コレステリック液晶層、特にコレステリック液晶ポリマーの配向フィルムや、その配向液晶層をフィルム基材上に支持したもの等が使用できる。これらは、左右一方の円偏光を反射して、他の光は透過する特性を示すものであり、例えば、日東電工社製の商品名「PCF350」、Merck社製の商品名「Transmax」等があげられる。
以上のような本発明の光学フィルムは、例えば、液晶セル等の他の部材への積層が容易になることから、さらに、その最外層に、粘着剤層や接着剤層を有していることが好ましく、これらは一方の最外層のみでもよいし、両方の最外層であってもよい。前記粘着層の材料としては、特に制限されず、アクリル系ポリマー等の従来公知の材料が使用でき、特に、吸湿による発泡や剥離の防止、熱膨張差等による光学特性の低下や液晶セルの反り防止、ひいては高品質で耐久性に優れる液晶表示装置の形成性等の点より、例えば、吸湿率が低くて耐熱性に優れる粘着層となることが好ましい。また、微粒子を含有して光拡散性を示す粘着層等でもよい。前記最外層への前記粘着剤層の形成は、例えば、各種粘着材料の溶液または溶融液を、流延や塗工等の展開方式により、光学フィルムの露出面に直接添加して層を形成する方式や、同様にして後述するセパレータ上に粘着剤層を形成させて、それを前記露出面に移着する方式等によって行うことができる。なお、このような層は、光学フィルムのいずれの表面に形成してもよい。
このように光学フィルムに設けた粘着剤層等の表面が露出する場合は、前記粘着層を実用に供するまでの間、汚染防止等を目的として、セパレータによって前記表面をカバーすることが好ましい。このセパレータは、前記透明保護フィルム等のような適当なフィルムに、必要に応じて、シリコーン系、長鎖アルキル系、フッ素系、硫化モリブデン等の剥離剤による剥離コートを一層以上設ける方法等によって形成できる。
前記粘着剤層等は、例えば、単層体でもよいし、積層体でもよい。前記積層体としては、例えば、異なる組成や異なる種類の単層を組合せた積層体を使用することもできる。また、光学フィルムの両面に配置する場合は、例えば、それぞれ同じ粘着剤層でもよいし、異なる組成や異なる種類の粘着剤層であってもよい。
前記粘着剤層の厚みは、例えば、光学フィルムの構成等に応じて適宜に決定でき、一般には、1〜500nmである。
前記粘着剤層を形成する粘着剤としては、例えば、光学的透明性に優れ、適度な濡れ性、凝集性や接着性の粘着特性を示すものが好ましい。具体的な例としては、アクリル系ポリマーやシリコーン系ポリマー、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、合成ゴム等のポリマーを適宜ベースポリマーとして調製された粘着剤等があげられる。
前記粘着剤層の粘着特性の制御は、例えば、前記粘着剤層を形成するベースポリマーの組成や分子量、架橋方式、架橋性官能基の含有割合、架橋剤の配合割合等によって、その架橋度や分子量を調節するというような、従来公知の方法によって適宜行うことができる。
以上のような本発明の光学フィルムや、これを構成する各種部材は、例えば、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤で適宜処理することによって、紫外線吸収能を持たせたものでもよい。
本発明の光学フィルムは、画像表示装置の中でも特に液晶表示装置に使用することが好ましく、例えば、本発明の光学フィルムを液晶セルの片側または両側に配置して液晶パネルとし、反射型や半透過型、あるいは透過・反射両用型等の液晶表示装置に用いることができる。
液晶表示装置を形成する前記液晶セルの種類は、任意で選択でき、例えば、薄膜トランジスタ型に代表されるアクティブマトリクス駆動型のもの、ツイストネマチック型やスーパーツイストネマチック型に代表される単純マトリクス駆動型のもの等、種々のタイプの液晶セルが使用できる。具体的には、例えば、STN(Super Twisted Nematic)セル、TN(Twisted Nematic)セル、IPS(In-Plan Switching)セル、VA(Vertical Nematic)セル、OCB(Optically Aligned Birefringence)セル、HAN(Hybrid Aligned Nematic)セル、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)セル、強誘電・反強誘電セル、およびこれらに規則正しい配向分割を行ったもの、ランダムな配向分割を行ったもの等、各種セルに適用できる。これらの中でも、本発明の光学フィルムは、特にVA(垂直配向;Vertical Aligned)セルの光学補償に非常に優れているので、VAモードの液晶表示装置用の視角補償フィルムとして非常に有用である。
また、前記液晶セルは、通常、対向する液晶セル基板の間隙に液晶が注入された構造であって、前記液晶セル基板としては、特に制限されず、例えば、ガラス基板やプラスチック基板が使用できる。なお、前記プラスチック基板の材質としては、特に制限されず、従来公知の材料があげられる。
また、液晶セルの両面に光学部材を設ける場合、両面ともに本発明の光学フィルムを配置してもよいし、いずれか片面のみに本発明の光学フィルムを配置してもよい。それらは同じ種類のものでもよいし、異なっていてもよい。さらに、液晶表示装置の形成に際しては、例えば、プリズムアレイシートやレンズアレイシート、光拡散板やバックライト等の適当な部品を、適当な位置に1層または2層以上配置することができる。
本発明の光学フィルムは、前述のような液晶表示装置以外に、例えば、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、PDP、FED等の自発光型表示装置にも使用できる。これらの画像表示装置に関しても、本発明の光学フィルムを備えていればよく、それ以外は特に制限されず、従来と同様の構成、構造をとることができる。自発光型表示装置に本発明の光学フィルムを使用する場合、例えば、本発明の光学フィルムの面内位相差値Δndをλ/4にすれば、円偏光を得ることができるため、反射防止フィルターとして非常に有用である。
以下、実施例および比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、遅相軸方向の検出、進相軸方向の位相差ならびに前記位相差の極角依存性の測定は、分光エリプソメーター(商品名M−220;日本分光社製)を使用し、膜厚は、商品名MCPD-2000(大塚電子社製)を用いた波長700〜900nmの光干渉法によって測定した。
(実施例1)
(1)改質ポリマーフィルムの形成
2、2’−ビス(3、4−ジカルボキフェニル)ヘキサフルオロプロパンおよび2、2’−ビス(トリフオロメチル)−4、4’−ジアミノビフェニル)を用いて、前記式(6)で表されるポリイミド粉末を合成した。なお、このポリイミドの重量平均分子量は13万であった。
このポリイミド粉末をメチルイソブチルケトンに20重量%となるように溶解し、ポリイミド溶液を調製した。そして、前記ポリイミド溶液を、ブレードコート法によりTACフィルム(長さ200m、幅350mm、厚み80μm、富士写真フィルム製)表面に連続的に塗工し、ポリイミド塗工膜を130℃で2分間乾燥した。乾燥後のポリイミド塗工膜の厚みは5.5μmであった。このポリイミド塗工膜は、位相差(Δnd)が0nm、厚み方向位相差Rthが260nmであり、屈折率が「nx=ny>nz」で表される負の一軸性を示した。
そして、前記負の一軸性を示すポリイミド塗工膜に、偏光UV露光装置(波長310nmにおける照射エネルギー5mW/cm2 ;センエンジニアリング株式会社製)よって、偏光UV光(波長310nm)を30分間照射することによって、前記TACフィルム上にポリイミドフィルムを形成した。このポリイミドフィルムの遅相軸方位は、照射した偏光の偏光方向に対して90°ずれた方位であり、その位相差(Δnd)が3nm、厚み方向位相差Rthが262nmであり、屈折率が「nx>ny>nz」で表される負の二軸性を示した。すなわち、前記偏光照射によって、ポリイミド塗工膜の光学特性が、負の一軸性から二軸性に改質されたのである。このTACフィルムと前記二軸性ポリイミドフィルムとの積層体を基材サンプルとした。
(2)複屈折層の形成
次に、紫外線重合性のネマチック液晶(商品名Paliocolor LC242;BASF社製)100重量部に対して、光重合開始剤(商品名Irgacure907;チバスペシャルティーケミカルズ社製)3重量部を添加し、これらをブタノール/トルエン混合溶媒(体積比50:50)に溶解して、固形分が20重量%の液晶溶液を調製した。
この液晶溶液を、ワイヤーバー(商品名ワイヤーバー#5)によって、前記基材サンプルのポリイミドフィルム表面に塗布し、この塗工膜を90℃で1分間乾燥させた。この乾燥処理によって、前記塗工膜中の液晶を配向させた。続いて、液晶が配向している前記塗工膜に、メタルハイドライドUVランプによりUV光を照射し、液晶を重合させた。この重合によって、前記液晶の配向状態が固定化された。なお、液晶自身は、重合することにより液晶性を失っており、重合反応により形成された複屈折層は、非液晶性の配向層である。このようにして、前記二軸性ポリイミド表面に複屈折層が積層された積層位相差フィルムを得た。
この積層位相差フィルムは、前記二軸性ポリイミドと同じ遅相軸方位であり、その位相差(Δnd)が135nm、厚み方向位相差Rthが258nmであり、屈折率が「nx>ny>nz」で表される負の二軸性を示した。
(実施例2)
実施例1のネマチック液晶100重量部に対して、カイラル剤(カイラル性液晶、商品名Paliocolor LC756;BASF社製)7重量部を添加し、この混合物を前記ブタノール/トルエン混合溶媒に溶解して固形分が20重量%の液晶溶液を調製した以外は、実施例1と同様にして積層位相差フィルムを作製した。
なお、ポリイミドフィルムの遅相軸方位は、実施例1と同様に、照射した偏光の偏光方向に対して90°ずれた方位であり、面内位相差(Δnd)3nm、厚み方向位相差Rth262nm、屈折率が「nx>ny>nz」で表される負の二軸性を示した。そして、得られた積層位相差フィルムは、二軸性ポリイミドと同じ遅相軸方位であり、面内位相差(Δnd)3nm、厚み方向位相差Rth355nm、屈折率が「nx>ny>nz」で表される負の二軸性を示した。
(実施例3)
実施例1で作製した積層位相差フィルムの複屈折層(ネマチック液晶を用いて形成した層)上に、実施例2で使用したネマチック液晶とカイラル剤とを含む液晶溶液を塗布して、さらに複屈折層を形成して、三層構造の積層位相差フィルムを作製した。最終的に得られた三層構造の積層位相差フィルムは、二軸性ポリイミドと同じ遅相軸方位であり、面内位相差(Δnd)145nm、厚み方向位相差Rth352nm、屈折率が「nx>ny>nz」で表される負の二軸性を示した。
各実施例での測定結果を下記表1に併せて示す。
(表1)
Δnd Rth
ポリイミドフィルム 3 262
実施例1 135 258
実施例2 0 3 355
実施例3 0 145 352
表1に示すように、偏光UV照射により形成した負の二軸性を示す改質ポリマーフィルム上に、液晶を用いた複屈折層をつくることによって、ΔndやRthを適宜設定できることがわかった。すなわち、実施例1のように、二軸性の改質ポリマーフィルム上にネマチック液晶を用いて複屈折層を形成すれば、Δndの発現によって、積層位相差フィルム全体のΔndを制御できる。また、実施例2のように、ネマチック液晶とカイラル剤とを用いて複屈折層を形成すれば、Rthの発現によって、積層位相差フィルム全体のRthを制御できる。さらに、実施例3のように、実施例1と実施例2の複屈折層をさらに形成すれば、一方の複屈折層がΔndを、他方の複屈折層がRthを発現するため、積層位相差フィルム全体のΔndおよびRthを制御できる。
以上のように本発明の積層位相差フィルムの製造方法によれば、複屈折性を示すポリマーフィルムの屈折率異方性(光学特性)を容易に変化させることができ、また、遅相軸のバラツキも抑制できるため、最終的に、軸精度に優れ、且つ、任意の光学特性に制御された積層位相差フィルムを容易に得ることができる。

Claims (19)

  1. 複屈折性を示すポリマーフィルムの少なくとも一方の表面に偏光を照射して、前記位相差フィルムの屈折率異方性を変化させる工程
    前記偏光照射後のポリマーフィルム表面に、液晶性化合物を含む塗工液を塗工して塗工膜を形成する工程、および、
    前記塗工膜に加熱処理を施して、前記液晶性化合物を前記ポリマーフィルムの屈折率異方性に応じて配向させることによって複屈折層を形成する工程を含む、
    ポリマーフィルムと複屈折層とを含む積層位相差フィルムの製造方法。
  2. 偏光照射により、前記ポリマーフィルムの光学特性を、下記式(1)で表される光学特性から下記式(2)で表される光学特性に変化させる請求項1記載の製造方法。
    nx’=ny’>nz’ ・・・(I)
    nx”>ny”>nz” ・・・(II)
    前記式(I)において、nx’、ny’およびnz’とは、それぞれ偏光照射前のポリマーフィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記ポリマーフィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
    前記式(II)において、nx”、ny”およびnz”とは、それぞれ偏光照射後のポリマーフィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記ポリマーフィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
  3. 偏光が、直線偏光である請求項1または2記載の製造方法。
  4. 偏光が、紫外線偏光である請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 偏光が、200〜400nmの紫外線偏光である請求項4記載の製造方法。
  6. 前記ポリマーフィルムが、非液晶性ポリマーを含むフィルムである請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記非液晶性ポリマーが、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミドおよびポリエステルイミドからなる群から選択される少なくとも1つポリマーである請求項6記載の製造方法。
  8. 非液晶性ポリマーを含む塗工液を基材表面に塗工して塗工膜を形成し、この塗工膜を、前記ポリマーフィルムとして使用する請求項6または7記載の製造方法。
  9. 偏光照射前の前記ポリマーフィルムの下記式で表される複屈折率(Δn)が、0.01以下である請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
    Δn=nx’‐nz’
    前記式において、nx’およびnz’は、それぞれ偏光照射前のポリマーフィルムにおけるX軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記ポリマーフィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Z軸は、前記X軸に垂直な厚み方向を示す。
  10. 前記液晶性化合物が、液晶性ポリマーおよび液晶性モノマーの少なくとも一方を含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 液晶性化合物が、ネマチック液晶を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 液晶性化合物が、ネマチック液晶およびカイラル剤を含む請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の製造方法によって製造された積層位相差フィルム。
  14. 光学特性が、下記式(III)のいずれかを示す請求項13記載の積層位相差フィルム。
    nx>ny>nz ・・・(III)
    前記式(III)において、nx、nyおよびnzとは、それぞれ前記積層位相差フィルムにおけるX軸、Y軸およびZ軸方向の屈折率を示し、前記X軸方向とは、前記積層位相差フィルムの面内において最大の屈折率を示す軸方向であり、Y軸は、前記面内において前記X軸に対して垂直な軸方向であり、Z軸は、前記X軸およびY軸に垂直な厚み方向を示す。
  15. 請求項13または14記載の積層位相差フィルムを含む光学フィルム。
  16. さらに偏光素子を含む請求項15記載の光学フィルム。
  17. 請求項15または請求項16記載の光学フィルムを含む画像表示装置。
  18. 液晶表示装置である請求項17記載の画像表示装置。
  19. エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置、有機エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ、プラズマディスプレイ(PD)およびFED(電界放出ディスプレイ:Field Emission Display)からなる群から選択された少なくとも一つの自発光型画像表示装置である請求項17記載の画像表示装置。

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