JP2005291948A - 電磁波解析装置及びその解析方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シミュレーションにおけるモデル化の工数を低減し、かつシミュレーションの演算時間を短くすることができる電磁波解析装置を実現する。
【解決手段】電磁波解析装置は、複数の要素からなる構造体の電磁界状態を解析する電磁波解析装置であって、メッシュデータ生成部と、電気回路素子要素設定部と、電磁波解析部とを有する。メッシュデータ生成部は、構造体の形状データから、メッシュ分割によりメッシュデータを生成する。電気回路素子要素設定部は、メッシュデータ生成部により生成されたメッシュデータにより表現される複数の要素の中から、解析周波数に対して無視できない大きさの要素についてメッシュデータに代えて周波数特性を有する電気回路素子を用いて表現される前記要素を設定する。電磁波解析部は、メッシュデータと電気回路素子により表現された要素とに対して電磁界状態の解析を行う。
【選択図】図7
【解決手段】電磁波解析装置は、複数の要素からなる構造体の電磁界状態を解析する電磁波解析装置であって、メッシュデータ生成部と、電気回路素子要素設定部と、電磁波解析部とを有する。メッシュデータ生成部は、構造体の形状データから、メッシュ分割によりメッシュデータを生成する。電気回路素子要素設定部は、メッシュデータ生成部により生成されたメッシュデータにより表現される複数の要素の中から、解析周波数に対して無視できない大きさの要素についてメッシュデータに代えて周波数特性を有する電気回路素子を用いて表現される前記要素を設定する。電磁波解析部は、メッシュデータと電気回路素子により表現された要素とに対して電磁界状態の解析を行う。
【選択図】図7
Description
本発明は、電磁波解析装置及びその解析方法に関し、特に、解析対象のメッシュデータを利用する電磁波解析装置及びその解析方法に関する。
従来より、電磁波の影響を受ける、あるいは電磁波に影響を与える種々の装置において、例えば、アンテナの性能、ノイズ対策等のために、電磁波解析が行われている。例えば、車載用ガラスアンテアの開発設計において、アンテナのパターン形状は、試行錯誤により、設計され、製作されている。試作的に製作されたアンテナを実際の車両に搭載して、電波の伝搬室内で実際に電波を発信し、発信された電波を実測してアンテナの性能評価を行い、その評価結果に基づいて、アンテナのパターン形状を修正して再度性能評価を行う、という作業が繰り返して行われていた。この試行錯誤的なアプローチは、時間が掛かるという欠点があった。
そこで、この電磁波解析に、コンピュータによるシミュレーション技術の利用が考えられる。シミュレーション技術を用いることによって、定量的、定性的に電磁波の解析を行うことができるので、アンテナの開発工数の短縮を図ることができる。車載搭載用ガラスアンテナの性能を解析するシミュレーション方法も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
コンピュータによるシミュレーション技術を利用することは、製品開発工数の短縮を図ることができるという利点だけでなく、シミュレーション結果に基づいて、性能向上のためにアンテナ形状のチューニングをどのように行うべきか、すなわちアンテナの一部をどのように削除あるいは引き伸ばしたりすべきかの予想もできるようになるという利点もある。
特開2002-340954号公報
電磁波解析のシミュレーションプログラムを利用する場合、解析対象のモデル化が行われ、メッシュデータからなるモデルデータがシミュレーションプログラムに利用される。例えば、車載用アンテナの場合は、車両及びアンテナのモデル化が行われる。
その車両のモデル化の際、車両の構造をそのままモデル化しようとすると、非常に小さな要素にまで分割されたメッシュが生成されることになるが、解析周波数に対して無視できない、大きさの要素であれば、モデル化する必要はない。
しかし、解析周波数に対して影響のある要素であれば、解析対象の構造を非常に小さな要素にまで分割してモデル化しなければならないが、解析対象が、例えば車両等の場合、複雑な形状の部材等もあるため、それらの非常に小さな要素まで含めてメッシュ分割して多数のメッシュからなるモデルを生成するには、多大な工数が掛かってしまうという問題があった。さらに、モデルのメッシュ数が増加すれば、シミュレーションのための演算時間も長くなってしまう。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、シミュレーションにおけるモデル化の工数を低減し、かつシミュレーションの演算時間を短くすることができる電磁波解析装置及びその解析方法を提供することを目的とする。
本発明の電磁波解析装置は、複数の要素からなる構造体の電磁界状態を解析する電磁波解析装置であって、前記構造体の形状データから、メッシュ分割によりメッシュデータを生成するメッシュデータ生成部と、該メッシュデータ生成部により生成された前記メッシュデータにより表現される前記複数の要素の中から、解析周波数に対して無視できない大きさの前記要素について前記メッシュデータに代えて周波数特性を有する電気回路素子を用いて表現される前記要素を設定する電気回路素子要素設定部と、前記メッシュデータと前記電気回路素子により表現された前記要素とに対して電磁界状態の解析を行う電磁波解析部とを有する。
本発明の電磁波解析装置によれば、シミュレーションにおけるモデル化の工数を低減し、かつシミュレーションの演算時間を短くすることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず図1に基づき、本実施の形態に係わる電磁波解析装置における電磁波解析の考え方について説明する。図1は、本実施の形態に係わる電磁波解析装置における解析対象のモデル化の原理を説明するための図である。
解析対象である構造体は、通常、複数の要素からなり、電磁波解析のシミュレーションに用いられる3次元データは、各要素を表現するデータである。図1は、説明を簡単にするために、構造体が、3つの要素からなることを示している。図1に示すように、そのデータが例えば3つの要素1,2,3を表現する場合であって、要素1と2は、比較的大きな部材であり、要素3は、要素1と2と比べて小さな部材の集合体である場合がある。例えば、車両であれば、要素1と2は、比較的大きな部材からなるボディ、ドア等であり、要素3は、それらを連結するヒンジ等である。そして、ヒンジは、小さな部材の集合体であったり、形状が複雑であったりするが、電磁波解析の解析周波数に対しては無視できない大きさで、かつ解析周波数帯において周波数特性を有する。またヒンジを含む構造体全体として周波数特性を有する場合もある。解析周波数に対して無視できる大きさとは、例えば電磁波の波長の100分の1以下の長さであり、解析周波数に対して無視できない大きさとは、例えば電磁波の波長の100分の1を超える長さである。また、要素によっては、解析周波数に対して無視できない大きさの長さを持つ部材であっても、解析周波数帯において周波数特性を有しないものもある。なお、各要素が、電磁波解析の解析周波数に対しては無視できない大きさで、かつ解析周波数帯において周波数特性を有するか否かは、理論的に判断できるものもあれば、実験的に決定されるものもある。
解析対象である構造体をモデル化する場合、要素1と2は、比較的大きな部材であるため、メッシュ分割により生成されるメッシュ数も少なく、モデル化の工数は少ない。しかし、集合体である要素3は、複雑な構造であるため、メッシュ数も多くなり、モデル化の工数も多くなり、さらに、トータルのシミュレーションのための演算時間も長くなってしまう。そこで、本実施の形態では、要素1と2の部分については、幾何学的な形状のメッシュデータのモデル化を行うが、要素3の部分については、幾何学的な形状のメッシュデータのモデル化を行うのではなく、周波数特性を有する集中定数素子を用いてモデル化を行う。
すなわち、本実施の形態に係る電磁波解析においては、小さな部材の集合体等の要素については、周波数特性を有する電気回路素子を用いてモデル化、すなわち電気回路素子の要素として設定することによって、電磁波解析を行う場合に、シミュレーションにおけるモデル化の工数を低減し、かつシミュレーションの演算時間を短くすることができる。
次に、具体的な例を用いて、本実施の形態に係わる電磁波解析装置について説明する。図2は、車載用アンテナの電磁波解析のシミュレーションの方法を説明するための図である。図3は、電磁波解析シミュレーションを行うための電磁波解析装置の構成を説明するための構成図である。図4は、車両におけるドア部の構成を説明するための図である。図5及ぶ図6は、ヒンジ部33をモデル化した電気回路の回路構成の例を示す回路図である。
電磁波解析シミュレーションは、例えば、図2に示すように、モデル化された車両11が、シミュレーションの仮想空間(以下、単に空間という)12内に配置されていると仮定して行われる。車両11の所定の位置には、解析対象の車載用アンテナ13が搭載される。空間12内において、車載用アンテナ13を送信用のアンテナとし、車両11から離れた位置に設けられた受信用のアンテナ14を受信用のアンテナと仮定する。受信用のアンテナ14を、図2の矢印15で示すように、車両11の周囲を360度移動させながら、受信用のアンテナ14が車両11の置かれた仮想の地面から所定の高さの位置における、車載アンテナ13からの電波を受信したときの電波の電界強度を演算することによって、電磁波解析シミュレーションが行われる。
電磁波解析シミュレーションは、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)等のコンピュータにおいてシミュレーションプログラムが実行されることによって行われる。図3は、電磁波解析シミュレーションを行うための電磁波解析装置の構成を説明するための構成図である。電磁波解析装置21は、中央処理装置(以下、CPUという)を有するコンピュータ本体22と、各種データ及びプログラムを記憶する記憶装置23と、キー入力装置であるキーボード24と、ポインティングデバイスであるマウス25と、表示装置であるモニタ26とを含む。コンピュータ本体21に、記憶装置23、キーボード24、マウス25、及びモニタ26が接続されている。記憶装置23には、シミュレーションに必要な、後述するプログラム及びデータがストアされる。
電磁波解析シミュレーションプログラムとしては、例えば、電磁波解析ソフトウエア「ACCUFIELD2000」(富士通株式会社製)を利用することができる。電磁波解析ソフトウエア「ACCUFIELD2000」は、モーメント法により3次元形状の電磁波解析を行うことができる。従って、この電磁波解析ソフトウエアを利用して、幾何学的なメッシュにより表現された要素と、電気回路素子により表現された要素に対して、モーメント法により電磁波解析を行うことができる。電磁波解析ソフトウエア「ACCUFIELD2000」を用いた場合、平面メッシュのモーメント法を利用してシミュレーションが行われ、そのソフトウエアによれば、平面メッシュで定義された要素の部分を電気回路素子で置き換えることができる。
次に、車両のモデル化の具体的な例を説明する。車両は、複数の部材からなる複雑な構造をしているが、図1に対応させて説明を簡単にするために、ここでは、車両11のボディの一部と、ドア部と、そのボディの一部とドア部とを接続するヒンジ部の、3つの要素を例として説明する。
図4は、車両におけるドア部の構成を説明するための図である。ボディ部31と、ドア部32は、2つのヒンジ部33によって接続されている。ボディ部31とドア部32は、比較的大きな部材からなる構造体の要素、あるいは比較的大きな部材の集合の構造体の要素であるので、幾何学的な3次元データに基づいて、メッシュ分割しメッシュデータにより表現されてモデル化される。一方、ヒンジ部33は、解析周波数に対しては無視できない大きさの部材であって、かつ解析周波数帯において周波数特性を有する構造体であるので、周波数特性を有する集中定数素子を用いてモデル化を行う。
従って、車両のモデル化を行うときに、比較的大きな部材等の要素は、幾何学的な3次元のメッシュデータで表現してモデル化を行い、比較的小さな部材等の要素であって、周波数特性を有する要素は、集中定数素子を用いて電気的に等価な回路素子で表現してモデル化を行う。
解析対象は、複数の要素からなる。よって、シミュレーションを行うユーザは、電磁波解析装置21のキーボード24、マウス25及びモニタ26のマンマシンインターフェース(以下、MMIと略す)を利用して、メッシュデータにより表現された要素と集中定数素子により表現された要素のいずれであるかを各要素について指定し、かつ、各要素のパラメータを設定することによって車両のモデル化を行う。
具体的には、解析対象のメッシュデータの中から、メッシュデータにより表現する要素については、パラメータとして厚さdと導電率σを設定し、集中定数素子により表現する要素については、誘導素子、抵抗素子及び容量素子のいずれかの値、又は誘導素子、抵抗素子及び容量素子の中から少なくとも2つ以上の組み合わせの回路構成の抵抗素子、容量素子及び誘導素子の各値を、パラメータとして設定する。
上述したボディ部31と、ドア部32と、2つのヒンジ部33の場合であれば、1つの要素であるボディ部31のメッシュデータについては、パラメータとして厚さdと導電率σを設定し、同様に、1つの要素であるドア部32のメッシュデータについても、各メッシュ毎にパラメータとして厚さdと導電率σを設定する。1つの要素であるヒンジ部33については、生成されているメッシュデータに代えて、ボディ部31とドア部32とを接続する導電性部材、例えば周波数特性を有する一つの金属棒部材あるいは一つの金属線部材を仮定して、その導電性部材のパラメータとして、抵抗素子(R)、キャパシンタス(C)、誘導素子(L)の各値を設定する。
後述するように、車両とアンテナの形状データは、例えば3次元CADデータを利用して作成されているので、その3次元CADデータを用いて車両とアンテナの形状をメッシュ分割してメッシュデータが生成される。その車両とアンテナのメッシュデータの中から、メッシュデータとして利用する要素と、メッシュデータに代えて電気回路素子の表現に置き換える要素とが分けられる。その分けられた各要素について、パラメータを設定、メッシュデータであれば厚さdと導電率σを、電気回路素子であれば回路構成と各素子の値を設定する。
このような要素の選択、各要素のパラメータの設定は、電磁波解析装置21のMMIを使って、その電気回路素子に置き換える部分のメッシュ部を削除し、電気回路素子により置き換えてモデル化するという作業が行われる。
どのような要素が電気回路素子で置き換えられるか、さらに各パラメータ値をいくつにするかは、実測値を用いて決定される。例えば、設計して作成したアンテナと、そのアンテナを設置した車両について、電磁波の強度値の実測結果とシミュレーション結果とから、電気回路素子によって表現された要素の回路構成と各パラメータ値は、必要な修正をして決定される。
本実施の形態では、ドアのヒンジ部33は、FM帯に対しては十分に小さな構造的要素である。また、ヒンジ部33によって接続されたボディ部31とドア部32間のインピーダンスは周波数特性を有する。さらに、例えば、FM周波数帯において高周波域では、インピーダンスは非常に大きく、低周波域では非常に小さい。そこで、ヒンジ部33の要素を、インピーダンスに対して周波数特性を有する電気回路素子、例えば、誘導成分の誘導素子(L)を用いて電気的な等価回路の回路構成で表現する。
さらに、車体に流れる直流成分も考慮してモデル化する場合は、ヒンジ部33の要素を、電気回路素子として、誘導素子(L)と抵抗成分の抵抗素子(R)とを組み合わせた回路構成の電気回路によって表現する。さらに、ヒンジ部33の要素を、ドア部32とボディ部31の間のギャップによる容量的な成分も考慮して、誘導素子(L)と抵抗素子(R)と容量成分の容量素子(C)を組み合わせた電気的な等価回路の回路構成によって表現する。
図5及び図6は、ヒンジ部33をモデル化した電気回路の回路構成の例を示す回路図である。図5は、容量素子41と誘導素子42とが並列接続された回路43と、抵抗素子43とが直列に接続された電気回路を示す図である。図6は、容量素子51と誘導素子52と抵抗素子53とが並列に接続された54回路と、抵抗素子55とが直列に接続された電気回路を示す図である。上述したように、所定の電磁波に対するモデル化する構造体の周波数特性に応じて、図5、図6のような電気回路の各電気回路素子の値を設定することによって、電気的な等価回路によってヒンジ部33をモデル化して表現する。
なお、以上の説明では、電気回路素子によって表現すべき要素としてドアのヒンジ部を例として説明したが、車両においては、他には、シートレール部、リアシートのヒンジ部、シートブラケット部等がある。
従って、以上のように、車両のモデル化を行うときに、比較的大きな部材のみからなる構造体等の要素は、幾何学的なメッシュデータでモデル化を行い、比較的小さな部材の集合体等であって、周波数特性を有する要素は、集中定数素子を用いて電気的な等価回路によるモデル化を行う。このようにしてモデル化されたモデルデータを用いて図2に示すような車載用アンテナの電磁波解析のシミュレーションが行われる。
次に、図7は、車両に搭載される車載用アンテナの電磁波解析のシミュレーションを行う電磁波解析装置21におけるシミュレーション処理の流れの例を示す機能ブロック構成図である。なお、図7では、各処理要素が、機能ブロックによって表現されているが、各機能ブロック61から64は、それぞれソフトウエアプログラムである。
メッシュデータを生成するために必要な元となるデータとして、解析対象の車両及びアンテナの3次元的構造のデータが利用される。3次元的構造のデータを、いわゆるスクラッチで、すなわちゼロから作成してもよいが、車両の構造のデータとして、既に作成されている、例えば風洞実験用の3次元CADデータがあれば、既にあるそのデータを利用してもよい。例えば、3次元CADデータとしては、3次元CADソフトウエアであるCATIA(商品名)から出力されるNastranデータ等である。
電磁波解析装置21は、その3次元CADデータを記録媒体によって、あるいは通信によって取得して、記憶装置23にストアする。その取得した3次元CADデータは、メッシュデータを生成するメッシュ生成部61に入力される。例えば、メッシュ生成部61のソフトウエアとしては、HyperMesh(商品名)等である。
メッシュ生成部61では、入力された3次元CADデータから、プリ処理部62において処理可能なメッシュデータを生成する。メッシュ生成部61では、解析対象の構造体である車両とアンテナについて、解析周波数の10分の1の波長、すなわちλ/10(ここで、λは解析周波数)以下のサイズになるように、メッシュを生成する。例えば、解析周波数が500MHzであった場合は、1λが60cmであるので、λ/10は、6cmとなる。従って、メッシュは、6cm以下のサイズとなる。
次に、メッシュに分割された解析対象のモデルのメッシュデータは、電気回路素子要素設定部であるプリ処理部62へ供給される。プリ処理部62では、ユーザがMMIを利用して、メッシュデータの中から、電気回路素子によって表現すべき要素である、例えば、ヒンジ部等のメッシュデータを、集中定数回路素子の電気回路の表現データに変換し、各パラメータの設定を行う。さらに、シミュレーションの解析条件、解析パラメータの設定などが行われる。すなわち、メッシュデータの中で、電気回路素子の表現にすべき要素を特定あるいは選定して、電気回路素子による回路構成の作成、各電気回路素子のパラメータの設定、等がプリ処理部62において行われる。メッシュデータは、例えば、要素毎にテキストデータとして表現されるため、そのテキストデータを、MMI上に表示させ、集中定数回路素子の電気回路の表現データに変換し、さらに各パラメータの設定を行うことによって、電気回路素子によって表現すべき要素を設定することができる。
プリ処理部62から 幾何学的なメッシュにより表現された要素のデータと、電気回路素子により表現された要素のデータがソルバ部63へ供給されて、モーメント法により電磁波解析のためのシミュレーション処理が実行される。このソルバ部63は、電磁界状態の解析を行う電磁波解析部であり、上述した図2に示すように、モデル化された車両11が、シミュレーションの空間12内に配置されていると仮定して行われる。上述したように、受信用のアンテナ14を、図2の矢印15で示すように、車両11の周囲を取り囲むように360度移動させながら、受信用のアンテナ14が車両11の置かれた仮想の地面から所定の高さの位置における、車載アンテナ13からの電波を受信したときの電波の電界強度を演算することによって、電磁波解析シミュレーションが行われる。ソルバ部63は、電磁波解析ソフトウエア「ACCUFIELD2000」などのソフトウエアである。
なお、本実施の形態では、モーメント法による電磁波解析ソフトウエアを利用した例を説明したが、本発明は、モーメント法以外の電磁波解析ソフトウエアを利用した場合にも適用できるものである。
シミュレーション処理の結果は、ポスト処理部64において、解析結果等をモニタ26にグラフ表示等するための予め決められた処理であるポスト処理が行われる。
以上のように、比較的小さな部材の要素、あるいは比較的小さな部材の集合の構造体に対しては、周波数特性を有する集中定数素子を用いてモデル化を行うので、シミュレーションにおけるモデル化の工数が低減され、かつメッシュ数も少なくなりシミュレーションの演算時間を短くすることができる。
図8乃至図11は、ある車両について、ドアのヒンジ部33を、電気的な等価な電気回路でモデル化したときの、データ処理によるシミュレーション結果と、実際に試作して伝搬室等で実測した結果を示すグラフである。図2は仮想的な車両とアンテナを想定する場合を説明するため図であるが、伝搬室等で実測する方法は、図2を利用して説明した方法と同様な方法で、実際の車両をテーブル上で回転させ、送信アンテナから送信した電波を、回転する車両に搭載したアンテナで実際に受信して行う。
図8と図9は、ある車両について、ドアのヒンジ部33を、1μHの誘導素子によって、電気的な等価な電気回路でモデル化したときの、データ処理によるシミュレーション結果と、実際に試作して伝搬室等で実測した結果を示すグラフである。図8は、FMの周波数帯において、低周波域として84MHzの場合のグラフであり、図9は、高周波域として108MHzの場合のグラフである。図8と図9は、図2に示すように車両の後方の左側側のガラスにアンテナを搭載し、車両の後方を0度と、前方を180度として、左回りに受信アンテナを回転させてシミュレーション及び実測をしたときのグラフである。図10と図11も同様である。
図8と図9から、高周波域と低周波域において、共にシミュレーションの結果と実測の結果とが一致していることが確認できた。
図10と図11は、ある車両について、ドアのヒンジ部33を、1μHの誘導素子と、低周波における直流的な電流を考慮して100Ωの抵抗素子とを並列に接続した、電気的な等価な電気回路でモデル化したときの、データ処理によるシミュレーション結果と、実際に試作して伝搬室等で実測した結果を示すグラフである。図10は、FMの周波数帯において、低周波域として84MHzの場合のグラフであり、図11は、高周波域として108MHzの場合のグラフである。
図10と図11から、高周波域と低周波域において、共にシミュレーションの結果と実測の結果とが一致し、特に低周波域ではさらによく一致していることが確認できた。
なお、上述したポスト処理部64は、図8から図11のようなグラフ、すなわちシミュレーションのグラフを、解析結果としてモニタ26に表示する。
なお、以上の解析方法は、PC、携帯電話、コピー機等の電子機器における電磁波解析にも利用できる。
また、本実施の形態に係わる電磁波解析シミュレーションは、車載用アンテナの設計が車両の設計と並行して行われるような場合に、いわゆる上流工程における基本的な設計段階において、設計した車載用アンテナを定性的かつ定量的に評価する場合にも有効である。さらに、当然に、いわゆる下流工程における詳細設計段階において、最終的なアンテナパターン形状等の微調整を行うような場合にも有効である。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1,2,3 要素、11 車両、12 仮想空間、13,14 アンテナ、21 電磁波解析装置、22 本体、23 記憶装置、24 キーボード、25 マウス、26 モニタ、31 ボディ部、32 ドア部、33 ヒンジ部7 41,42,44,51,52,53,55 電気回路素子
代理人 弁理士 伊 藤 進
代理人 弁理士 伊 藤 進
Claims (6)
- 複数の要素からなる構造体の電磁界状態を解析する電磁波解析装置であって、
前記構造体の形状データから、メッシュ分割によりメッシュデータを生成するメッシュデータ生成部と、
該メッシュデータ生成部により生成された前記メッシュデータにより表現される前記複数の要素の中から、解析周波数に対して無視できない大きさの前記要素について前記メッシュデータに代えて周波数特性を有する電気回路素子を用いて表現される前記要素を設定する電気回路素子要素設定部と、
前記メッシュデータと前記電気回路素子により表現された前記要素とに対して電磁界状態の解析を行う電磁波解析部とを有することを特徴とする電磁波解析装置。 - 前記電気回路素子は、集中定数素子であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波解析装置。
- 前記集中定数素子は、誘導素子、抵抗素子及び容量素子のいずれか、又は誘導素子、抵抗素子及び容量素子の中から少なくとも2つ以上の組み合わせであることを特徴とする請求項2に記載の電磁波解析装置。
- 前記構造体は、車両及びアンテナを含み、
前記電磁波解析部は、前記アンテナの電磁波解析を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電磁波解析装置。 - 前記電気回路素子を用いて表現される前記要素は、前記車両におけるヒンジ部であることを特徴とする請求項4に記載の電磁波解析装置。
- 複数の要素からなる構造体の電磁界状態の解析手法であって、
構造体の形状データから、メッシュ分割によりメッシュデータを生成するメッシュデータ生成ステップと、
前記メッシュデータにより表現される前記複数の要素の中から、解析周波数に対して無視できない大きさの前記要素について、前記メッシュデータに代えて周波数特性を有する電気回路素子を用いて表現される前記要素を設定する電気回路素子要素設定ステップと、
前記メッシュデータと前記電気回路素子により表現された前記要素とに対して電磁界状態の解析を行う電磁波解析ステップとにより、前記構造体のモデル化を行うことを特徴とする電磁界状態の解析手法。
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