JP2005291909A - 内面処理された検体用容器およびその処理方法 - Google Patents

内面処理された検体用容器およびその処理方法 Download PDF

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敬二 円福
Masanori Nagai
正則 永井
Yoshinori Sugiura
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Abstract

【課題】免疫系の分析において検体を捕捉する一次抗体を検体用容器の容器内面に固相化させるに際して、該容器内面の所要領域を覆うアミノ基またはカルボキシル基等が多数付加されたコロイダルシリカを介して結合させるようにした。
【解決手段】固相化された一次抗体に抗原を捕捉させ、更に標識マーカーによって標識化された二次抗体を該抗原に捕捉させることで該抗原を定量化する各種免疫測定法に使用される検体用容器において、多数のアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基が付加されたコロイダルシリカが、容器内面の所要領域を覆うように結合させた。
【選択図】図1

Description

この発明は、抗原抗体反応を利用して抗体または抗原(以下、検体と云う)を検出する免疫系の分析において使用される内面処理された検体用容器およびその処理方法に関し、更に詳細には、殊に極少量の検体を高い分解能で検出させる超伝導量子干渉素子(Superconducting quantum interference devices(以下、SQUIDと云う))を標識マーカーとして採用した磁気的免疫検査に好適に使用される内面処理された検体用容器およびその処理方法に関するものである。
従来公知の免疫系の検査法としては、下記の[非特許文献1]に記載されるように測定すべき抗原や、該抗原に捕捉される抗体、すなわち検体を直接または間接的に蛍光色素、アイソトープその他の標識化物質で標識化し、この標識化した検体(以下、標識化検体と云う)の蛍光量や放射線量を計測・診断に供する方法が一般的に採用されている。そして近年においては、例えばビオチン化抗体にアビジンと標識化物質との結合物を反応させた酵素を標識化抗体として用いたり、発光触媒酵素を用いる生物発光法等に代表される、所謂エンザイムイムノアッセイ(以下、ELISAと云う)法や、抗体に磁気ビーズを結合させ、磁石を用いて抗原細胞を集める検査方法も提案されている。
シンプル免疫学 南江堂
そして前記標識化検体は、一般にポリスチレン等のプラスチック製の容器内面に予め固相化された一次抗体に捕捉されることで計測・診断に供される。しかし、このような方法においては、前記標識化検体が一次抗体に捕捉されず、該一次抗体が固相化される容器内面に対して吸着されることもある。このような場合、固相化された一次抗体以外の部分、すなわち容器内面に意図しない標識化検体が吸着されることを意味する。この免疫系の検査法においては、本来特異的な抗原抗体反応で捕捉された検体の量を定量することが求められるが、容器内面に直接的に吸着されてしまう一次抗体の存在や、非特異的、すなわち意図しない分子の該容器内面への吸着が発生してしまい、これが該検体の定量の際にノイズとして測定されてしまう。
これに対して、一般的には非特異的な分子の吸着を防止するブロッキングといわれる作業が実施されている。このブロッキングは、一次抗体を固相化した後の容器内面に対して、該内面に吸着し易くかつ測定系に影響を及ぼさないタンパクを接触させて、固相化されていない部分への非特異的な分子の吸着を防止する作業である。しかしこのブロッキングは、前記タンパクの接触に際する、pH、気温または湿度等の僅かな変動によりその効果がばらついてしまうため、非特異的分子に起因するノイズが一定とならず、その結果、測定毎に正確かつ再現性のある結果が得られない問題を内在していた。このような問題を解決するため、以下の[特許文献1]記載の発明「特異結合免疫分析容器」が案出されている。この発明は、「分析に用いられる分子に対して低吸着性である材料で容器を成形し、更にその表面か覆われている基材表面は固相化される分子との結合が可能な官能基を有する」ようにすることで、測定に必要充分である程度のシグナルノイズ(SN)比を達成し得るように非特異的な分子の吸着を抑制し、これにより高感度かつ安定的な免疫系測定を可能にとするものである
特開2001−304749号公報
一方最近の免疫系測定においては、例えば測定対象者が乳幼児である場合や、または各種症状の早期確認といった場合に正確な医学的データを採取することを目的として、極微量の抗原等を正確かつ精密に測定し得る技術の確立が要求されている。例えば代表的な抗原の1つであるインターロイキン8を蛍光色素を使用する、所謂蛍光検出法においては、その測定限界は5pg/ml程度でその感度が充分ではなく、極微量の抗原を検出することは不可能であった。そしてこれを可能とするため以下の[特許文献2]、[非特許文献2]および[非特許文献3]に示す如く、磁気ナノマーカー(磁性体標識)を用いた免疫系の検査法が案出または提案・研究開発が進められている。これらは何れもSQUIDと呼ばれる超伝導状態で微弱な磁界を計測できるセンサーを用いることで、これまでの光学的な測定方法に比較して100倍以上の測定感度(分解能)を備え、かつ放射性物質を使用する方法に比較して充分な安全性を確保している。
特開2001−33455号公報 ふくおかIST 平成15年度事業計画 低温工学 Vol.38 No.9(2003)
このような状況を考える場合、前述の[特許文献1]に記載の発明「特異結合免疫分析容器」においては、そのSN比、すなわち非特異的な分子の吸着防止が充分とは云えなかった。すなわち標識化検体からの測定信号(シグナル)が、従来の強度に較べて1/100以下となってしまうため、これに対応して非特異的な分子に由来する信号(ノイズ)についても、少なくとも1/100以下とすることが求められる。またこのような極微量の抗原を高い再現性を持って測定するためには、固相化される一次抗体が、該抗原を確実に捕捉し得る「確実性」も必要とされるが、これまで採用されていた各種方法においては、これらの点について殊に考えられていない。殊にその総量が極微量である抗原の場合においては、捕捉されなかった抗体の量が極少ない場合であっても、正確な値と測定値とが大きく乖離してしまい、その結果、再現性が大きく低下してしまう問題を内在している。
また基本的に免疫系の検査法によって測定される検体は、例えば血液等(検体含有物質)の水系溶液に含まれる場合が多い。このような水系溶液を好適に保持して測定にするためには、該水系溶液に対して高い親和性を発現する親水性を持った、例えば下記の[非特許文献4]に記載のガラス製の検体用容器を使用することが望ましい。そしてガラス製の検体用容器を使用する場合、プラスチック製の検体用容器のように疎水性相互作用によってタンパク質を吸着することもなく、従って前述([0004])したブロッキングを施す手間も回避できる。しかし免疫系の検査においては、その性質上使用済み容器を焼却処分等することが必須とされているため、焼却処理後に残滓が残るガラス製の検体用容器は、実際上その使用が制限されていた。
NUNC catalogue 2002−2003
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本発明に係る検体用容器は、
固相化された一次抗体に抗原を捕捉させ、更に標識マーカーによって標識化された二次抗体を該抗原に捕捉させることで該抗原を定量化する各種免疫測定法に使用される検体用容器において、
多数のアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基が付加されたコロイダルシリカが、容器内面の所要領域を覆うように結合されており、
前記標識マーカーによって標識化された二次抗体は、一次抗体および抗原を介して、前記コロイダルシリカのアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基だけに結合されるよう構成したことを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の別の発明に係る検体用容器の内面処理方法は、
固相化された一次抗体に抗原を捕捉させ、更に標識マーカーによって標識化された二次抗体を該抗原に捕捉させることで該抗原を定量化する各種免疫測定法に使用される検体用容器の内面処理方法にあって、
検体用容器の容器内面に前処理を実施して所要の官能基を付与し、
別工程でアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基を付加した所要粒径のコロイダルシリカを、前記前処理で付与させた官能基に結合させて、前記容器内面の所要領域を被覆させ、
前記標識マーカーによって標識化された二次抗体を、一次抗体および抗原を介して、前記コロイダルシリカのアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基だけに結合させるようにしたことを特徴とする。
本発明に係る内面処理された検体用容器およびその処理方法によれば、検体を捕捉する一次抗体を検体用容器の容器内面に固相化させるに際して、該容器内面の所要領域を覆うアミノ基またはカルボキシル基等が多数付加されたコロイダルシリカを介して結合させるようにしたので、測定における高いSN比を達成するために必要不可欠であった該容器内面のブロッキングを不要とすると共に、該一次抗体を捕捉するアミノ基またはカルボキシル基を増加させることで、免疫系の測定で使用される標識マーカーの検体への捕捉量を増大させて感度の高度化を達成し得る。またプラスチック製の検体用容器に、ガラスコーティングを施したと同様に状態となるため、ブラスチックおよびガラスが夫々備える処分容易性および親水性を併有させた検体用容器が得られる。
次に本発明に係る内面処理された検体用容器およびその処理方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながらその処理方法と共に以下説明する。本願の発明者は、抗原等を特異的に捕捉する一次抗体(固定用抗体)を検体用容器の内面に固相化するに際し、アミノ基またはカルボキシル基といったタンパク質と結合し得る官能基が多数付加された所要粒径のコロイダルシリカを容器内面の所要領域に結合させ、これにより当該容器における免疫系の測定に必要とされる部位を覆うようにする、すなわちプラスチック製の検体容器をガラスコーティングした状態とすることで、ブラスチック製の検体用容器が備える処分容易性とガラス製の検体用容器が備える親水性とを併有させ、一次抗体を固相化した後に実施されていたブロッキングを実施しなくても、非特異的な分子の該容器内面に対する吸着を皆無に近い状態にし得ることを知見したものである。またコロイダルシリカにアミノ基またはカルボキシル基等を付加することで、容器内面に直接的にアミノ基またはカルボキシル基を付加する場合に比較して、該アミノ基またはカルボキシル基に固相化される一次抗体の量を少なくとも5倍程度以上としつつ、かつその変動を抑制し得ることも併せて知見した。なお本発明で云う容器内面の所要領域とは、免疫系の測定をするに際して、検体用容器内に供給される検体によって覆われて、該検体を捕捉する必要がある領域を指す。
また本発明においては、殊にその優位性が大きく発現する、SQUIDにより測定される磁気マーカーを標識マーカーとして採用して高い感度を達成すると共に、該SQUIDによる測定において測定ノイズ源となる鉄分等の存在を大きく低減し得ることが本願出願人により確認されているアクリル樹脂製の検体用容器を用い、更にアミノ基が使用された場合について説明することとする。なお本実施例では、前述した条件での記載をするが、本発明はこれに限定されるものではない。一般にタンパク質を結合させ得る官能基としては、測定すべき抗原を捕捉する一次抗体を最も好適に結合させるアミノ基およびカルボキシル基が選択され、この他、アミノ基と略同様の構造を有する例えばイミド基や、カルボキシル基と略同様な構造を有するカルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基等の、タンパク質の末端をなすアミノ基およびカルボキシル基に対して結合し得る官能基も採用可能である。またこれらの各官能基は、単独使用の他、化学構造が類似して同様の官能基に対して特異的な結合をなし得る官能基同士であれば混合状態での使用も可能である。
実施例に係る内面処理された検体用容器20は、図1に示す如く、一般的に用いられる形状の検体用容器(図1(a)参照)に対して、処分容易性等の高いプラスチック製の検体用容器に対して本発明に係る内面処理方法を実施することで得られ、容器底面22aと容器側面22bとからなる容器内面22の所要領域に対して、アミノ基が付加された所要粒径のコロイダルシリカ10が結合されている(図1(b)参照)。なお図1(b)においては、コロイダルシリカ10が容器内面22の全面を覆うように構成されているが、実際の検体測定に使用される部分、すなわち検体用容器20に供給される、例えば血液等の検体含有物質(溶液)の総容量に対応した部分だけ、具体的には、少なくとも容器底部22aにだけにコロイダルシリカ10を結合させるようにしてもよい。殊にSQUID測定においては、図2に示すような測定機器が使用されるが、この際、測定器と検体用容器20内に捕捉された標識化された二次抗体、すなわち標識マーカーMである磁気マーカーとの距離は、好適には2mm以下に設定される。このため測定器との距離が離れてしまう容器側面22bにおいては、磁化マーカーが捕捉されていても好適な測定が困難であるため、実際の使用においては殆ど利用されない。
実施例に係る検体用容器20の内面処理方法は、図3に示す如く、前処理工程S1、コロイダルシリカ準備工程S2およびコロイダルシリカ結合工程S3から構成される。そしてこれら一連の処理が完了した後に、通常の免疫系測定に係る各種準備、具体的にはコロイダルシリカ10により覆われた容器内面22への一次抗体ab1の固相化を実施する一次抗体固相化(結合)工程S4、該一次抗体ab1への抗原agの捕捉をなす抗原捕捉工程S5、捕捉された抗原agへの二次抗体ab2、すなわち磁気マーカー(標識マーカー)Mで標識化された二次抗体ab2の捕捉をなす二次抗体捕捉工程S6が実施されて、図4に示すような構造体が容器内面22上に形成される。そしてこれを標識マーカーの測定が可能な装置を使用してその量を測定して、検体の量を算出する標識マーカー測定・検体算出工程S7が実施される。
前処理工程S1は、後述([0018])するコロイダルシリカ準備工程S2で準備される多数のアミノ基が付加された所要粒径のコロイダルシリカ10を、容器内面22に対して結合させるための処理を実施する工程である。具体的には、コロイダルシリカ10に付加されるアミノ基と強固に結合する、例えばカルボキシル基やメタクリル基といったアミノ基の結合を許容する官能基(前処理で付与される官能基)を容器内面22に結合(吸着)するものである。この付与は公知の方法によって実施され、例えばアルカリ加水分解を実施した後に、カルボキシル基を有する物質を導入する等することでなされる。
またこれに対して、カルボキシル基を付加したコロイダルシリカ10を容器内面22に対して結合させるためには、コロイダルシリカ10に付加されるカルボキシル基等と強固に結合する、例えばアミノ基といったカルボキシル基の結合を許容する官能基(前処理で付与される官能基)の官能基を容器内面22に結合すればよい。この付与は公知の方法によって実施され、例えばアルカリ加水分解を実施し、続いてポリアリルアミンとの縮合反応とを実施することで5〜15nmol/cmのアミノ基を容器内面22に結合するものである。なおここでは容器内面22に対して、アミノ基またはカルボキシル基を結合する場合を説明しているが、コロイダルシリカ10に付加されたアミノ基またはカルボキシル基等のタンパク質の末端をなすアミノ基およびカルボキシル基に対して結合し得る官能基を強固に結合させる官能基であれば如何なるものでも採用可能であり、その場合には官能基導入に好適な処理方法が適宜選択されて実施される。
この前処理によって、容器内面22に吸着(結合)される官能基は、5〜15nmol/cmの範囲に設定される。この値が範囲外となると、容器内面22に付与された官能基が不安定となり、容器内面22に対するコロイダルシリカ10の安定的な結合が達成されなくなる。また検体用容器20が、本実施例の如く、アクリル樹脂製である場合には、20nmol/cmを越えるとその化学的骨格構造が崩壊を始める虞が指摘される。なおこの官能基の付与数は、コロイダルシリカ10を多数結合させるために多い方が好ましいが、前述したアクリル樹脂製の検体用容器20の如く、その化学的安定性から算出される官能基の付与限界量を越えない程度とすることが最適である。ここまてでコロイダルシリカ10に対してアミノ基またはカルボキシル基を付加する場合の前処理を述べたが、前述([0013])した各官能基を付加する場合には、該官能基を結合を許容する官能基が、公知の方法によって容器内面22に結合される。
コロイダルシリカ準備工程S2は、所要粒径のコロイダルシリカ10に対して、アミノ基を付加する工程である。ここで付加されるアミノ基は、容器内面22に付与されたカルボキシル基および一次抗体ab1に対する結合子としての役割を果たすものである。そしてコロイダルシリカ10の粒径は、50〜500nmの範囲に、好ましくは80〜200nmの範囲に設定される。この粒径が50nm未満であると、コロイダルシリカ10が凝集を起こして凝集二次粒子、すなわちその大きさがミクロン単位となってしまって溶媒(後述[0029])中で沈殿してしまい、一方500nmを越えた場合であっても同様に溶媒中で沈殿してしまい、容器内面22に対して好適な結合がなされなくなってしまう。またこのコロイダルシリカ10については、多数の粒子が揃って配列され、粒子の間に画成される隙間に入り込まない粒径、具体的にはある1つの粒子の粒子寸法を1とした場合に、0.16〜6.45の範囲にとなる粒径に設定される。好ましくは各コロイダルシリカ10の粒径が揃っている、所謂単分散状態であることが望まれ、その粒径の多分散度(粒径の標準偏差値を平均粒径で割った値)が0.1以下となるように設定される。具体的には、粒径を±1.5%程度の範囲内となるように揃えればよい。この値が大きくなり個々のコロイダルシリカ10の粒径が不揃いな状態となると、後述([0019])するように規則正しい配列を形成せず、覆うべき容器内面22の所要領域を好適に覆うことが困難になってしまう。
このコロイダルシリカ10に付加されるアミノ基の大きさは、コロイダルシリカ10の大きさ比べて非常に小さなものであるため、コロイダルシリカ10には多数のアミノ基が付加されることになる。また前処理(前述[0015])によって付与され、コロイダルシリカ10に付加されたアミノ基を介して、コロイダルシリカ10を容器内面22上に保持するための官能基であるカルボキシル基についても、コロイダルシリカ10に比べて非常に小さなものであるため、アミノ基が付加されたコロイダルシリカ10を容器内面22上に供給する場合には、コロイダルシリカ10の下方にはやはり多数のカルボキシル基等が存在することになる。更に容器内面22に付与された多数のカルボキシル基等の分子長さおよびコロイダルシリカ10に付加される多数のアミノ基の分子長は、夫々略同等であるため、1つのコロイダルシリカ10が存在する位置には他のコロイダルシリカ10は高さ方向に重複的に存在できなくなる。従ってコロイダルシリカ10は、個々の粒子がその存在位置を確保し、かつ最も充填効率がよくなるように配列され、その事実が図5に示す電子顕微鏡(SEM)写真からも確認されている。
このような配列においては、多数のコロイダルシリカ10で容器内面22における所要領域が覆われることになるため、このコロイダルシリカ10が容器内面22に対して結合された後にあっては、どのような分子でも容器内面22に結合する事態は殆どなくなる。すなわちブロッキングを実施しなくとも、非特異的な分子の容器内面22への結合は排除されることになる。
そしてコロイダルシリカ10に対してアミノ基を付加する方法としては、公知の方法が採用可能であるが、本実施例においてはその結合力が強固である3−メタクリルプロピルトリメトキシシラン(3−methacryl propyl trimetoxisilane(以下、MPSと云う))の使用がが好適である。この工程は、図6に示す如く、コロイダルシリカ10の表面に多数のMPSを結合させた(第1段階)後、アミノ基を少なくとも2つ以上備えるアミン化合物を反応させて該MPSにおいてフリーとなっている有機質物質との反応をなすメタクリル基に対して、少なくとも1個の活性なアミノ基を付加させる(第2段階)ものである。具体的には、コロイダルシリカ10およびMPSについては、プロピルアルコールの如き溶媒に所定時間保持することで分散させた状態とされて使用される。
ここで好適に使用される少なくともアミノ基を2つ以上備えるアミン化合物としては、エチレンジアミンやヘキサメチレンジアミン等のジアミン類、ビス−2−アミノエチルエーテル等のエーテルジアミン類またはポリアリルアミン等のポリアミン類等が挙げられる。またこれらアミン化合物には、コロイダルシリカ10が結合される検体用容器20が備える耐熱性や耐薬品性等への考慮も必要であり、本実施例の如く、その材質がアクリル樹脂である検体用容器20の場合、50℃以下で水またはアルコール等の溶媒に対して溶解可能な物性を備えるアミン化合物の使用が要求される。このような物性をはずれたアミン化合物を使用すると、検体用容器20の構造が崩壊してしまう。
そしてこれらのアミン化合物を使用することで、コロイダルシリカ10に付加され、一次抗体ab1と結合するアミノ基の量は、少なくとも5nmol/cm以上とされる。殊にポリアリルアミン等のアミノ基を一分子中に多数備えるポリアミン類を使用した場合には、更に多くのアミノ基を付加し得る。これは、これまでの検体用容器におけるアミノ基の量が1nmol/cm程度(参考:[非特許文献5])であったことと比較して顕著な向上が認められる(実験2−1および実験2−2[0046]〜[0052]参照)。なお、これまでの免疫系の測定(磁気マーカー程の感度を有しない光学系の標識マーカー等を使用した測定)においては、一般にアミノ基の量が0.1nmol/cm程度確保されれば、検体の結合には問題はないことが確認されている。
SUMITOMO BAKELITE Co.JP ホームページ資料「SUMILON」2002
このアミノ基の量の増加は、以下のように説明される。すなわち(1)アミノ基が結合される部分(ここでは容器内面22に結合したカルボキシル基)の数と、(2)そこにアミノ基が結合できる確率と、(3)1つのアミノ基が結合される部分(カルボキシル基)に対して結合するアミノ基の数とよって決定されている。すなわち(1)、(2)または(3)の何れかが小さければ、その他の要素が大きくても結果的にアミノ基の量は増大しない。従来の検体用容器に直接的にアミノ基を付加する場合を考えると、(1)の数は前処理等によって決定され、(2)の確率は100%、すなわち1を超えることがなく、更に(3)1つのアミノ基が結合される部分には、1つのアミノ基しか結合し得ない。このため(1)と、1以下である(2)によってアミノ基の量が決定され、(1)のアミノ基が結合される部分の数以上のアミノ基が結合されることはない。
これに対して本発明に係るコロイダルシリカ10を介して検体用容器にアミノ基を付加する場合を考えると、(1)は従来と同様に前処理等によって決定されるが、図4に記載するようにコロイダルシリカ10には多数のアミノ基が付加されているため、あるアミノ基が結合できなくても同一のコロイダルシリカ10に付加されている他のアミノ基が結合する場合が想定され、(2)はほぼ100%に近い確率、すなわち1となる。(3)については、1つの該アミノ基が結合される部分に結合したコロイダルシリカ10には、前述の如く、多数のアミノ基が付加されているので、1つのアミノ基が結合される部分に多数のアミノ基が結合したのと同じ状態となる。従って(1)と、ほぼ1である(2)と、1以上である(3)との積によってアミノ基の量が決定される。
またアミノ基を付加するアミン化合物を、ジアミン類→ポリアミン類と変化させて、一分子のアミン化合物から得られるアミノ基の量を増大させた場合には、(3)の数がアミン化合物一分子中のアミノ基の数で掛けられたものとなり、その差はいっそう顕著となる。更に前述([0019])した如く、アミノ基が付加されるコロイダルシリカ10は、容器内面22の所要領域に隙間のない状態、すなわち最も多くのコロイダルシリカ10を存在させるよう、例えば六方最密充填の形態に従って結合されるため、理論的に最も多くのアミノ基を供給し得る(図5参照)。
この他、単に面積的に考えた場合でも、図7に示す如く、球はその表面積(図7(a)参照)が平面、すなわち円(図7(b)参照)の状態に比較して大きなものとなるので、付加されるアミノ基の量は増大する。また容器内面22への結合構造を考えると、従来においてはタンパク質を疎水性相互作用および静電相互作用によって結合させているのに対して、本発明においてはアミノ基の結合を許容する官能基を化学的に結合させている。前述の静電相互作用は等電点によって変動し、この等電点は検体用容器20の材質や、結合時のpH等の外的要因によって容易に変化するものであるので、安定的に高い再現性を達成することが困難であり、この点においても本発明の結合形態が優位である。
このように多数のアミノ基を付加したコロイダルシリカ10を介して、一次抗体ab1を容器内面22に固相化させることで、容器内面22への一次抗体ab1の確実な固相化(結合)を達成している。なお一般に本コロイダルシリカ準備工程S2は、前処理工程S1と同時に実施されており、内面処理された検体用容器の作製時間の短縮に貢献し得る。またここではアミノ基をコロイダルシリカ10に付加した場合を述べたが、カルボキシル基をコロイダルシリカ10に対して付加する場合も 基本的に官能基の違いに由来する差異以外はなく、前述([0018]〜[0027])した内容については全く同じであり、従来技術に比べてその付加量が著しく増大する。具体的な例を挙げると、その結合力が強固であるMPSを使用し、図8に示す如く、コロイダルシリカ10の表面に多数のMPSを結合させて、その端部に存在するメタクリル基をタンパク質結合官能基として使用する方法や、MPSで処理してアミノカルボン酸とのマイケル付加反応を利用する方法や、カルボシルキ基をもつポリマーシランカップリング剤(ポリメタクリル酸ーシランや、ポリアクリル酸−シランカップリング剤等)との反応を利用する方法が挙げられる。この他、公知の方法を用いてもよい。ここまてでコロイダルシリカ10に対してアミノ基またはカルボキシル基を付加する場合を述べたが、前述([0013])した各官能基の場合には、該官能基毎の公知の方法によってなされる。基本的にはアミノ基またはカルボキシル基と化学構造が類似して同様の官能基に対しては、同様の処理が実施される。
コロイダルシリカ結合工程S3は、前述の前処理工程S1で前処理された検体用容器20に対して、コロイダルシリカ準備工程S2で準備されたアミノ基が付加されたコロイダルシリカ10を供給し、容器内面22に結合されているカルボキシル基と、コロイダルシリカ10とを該アミノ基を介して結合させる工程である。具体的には、アミノ基が付加されたコロイダルシリカ10を、(1)所定の溶媒、例えばリン酸緩衝溶液に分散させ、これを容器内面22に対して滴下またはスプレー塗布する等の手段により供給し、所要時間その状態を保持して溶媒を蒸発させる方法や、あるいは(2)アミノ基が付加されたコロイダルシリカ10自体を直接的に付与等する方法によってなされる。殊に(1)の方法の場合、図9に示す如く、溶媒の蒸発によって徐々に分散状態にある個々のコロイダルシリカ10(図9(a)参照)が互いに接近することになる(図9(b)参照)ため、時間の経過によって自然に図5に示したような充填密度が高い状態に至ることになる(図9(c)参照)。
ここまでの全工程S1〜S3を経ることで、容器内面22に対する内面処理は完了する。そして、この処理に引き続いて、以後に一次抗体ab1、抗原agおよび標識マーカーMで標識化された二次抗体ab2が供給され、最終的には抗原agに捕捉された標識マーカーMで標識化された二次抗体ab2の量を測定する(ここでは、標識マーカーMとして磁気マーカーが採用されているのでSQUIDを用いる)ことで、免疫系の測定が終了する。そしてコロイダルシリカ10により覆われた容器内面22への一次抗体ab1の固相化を実施する一次抗体固相化工程S4と、一次抗体ab1への抗原agの捕捉をなす抗原捕捉工程S5と、一次抗体ab1へ捕捉された抗原agへの標識化された二次抗体ab2の捕捉をなす二次抗体捕捉工程S6と、検体の量を算出する標識マーカー測定・検体算出工程S7については、従来のELISAと略同様の方法によって実施されるので、詳細な説明は省略する。なお一次抗体ab1および標識化された二次抗体ab2については、多種多様なものが市販されているが、測定すべき抗原agと最も親和性が高く、被捕捉量や捕捉量が高い物質が採用される。
(変更例)
前述の実施例においては標識化された二次抗体ab2として、抗原agに対して特異性を有する二次抗体ab2と標識マーカーMとを単に結合した形態の例を挙げているが(図4参照)、本発明はこれに限定されるのではなく、必要に応じて二次抗体ab2と標識マーカーMとを、別の特異性を有する抗体同士の結合を介して結合させるようにしてもよい。例えば標識マーカーMとして使用される磁気マーカーは、現在においてはその経時変化による安定性が6ヶ月程度であり、長期保存にあまり向いていないことが確認されている。その一方で抗原agの迅速な測定を考える場合、磁気マーカーは予め二次抗体ab2と結合した状態として保存しておくことが望ましい。しかし磁気マーカーは前述の如く、その長期に亘る安定性が低いため、二次抗体ab2と結合させた状態で長期に亘って保存をすると、磁気マーカーの構造が崩壊し、これに伴って該磁気マーカーに結合された二次抗体ab2までもが崩壊、すなわち抗原に捕捉されなくなってしまう。
一方、二次抗体ab2は、特定の抗原(タンパク質)に対して特異的に結合する特殊なタンパク質であるため、一般的にそのコストが高いことは周知の事実である。従って、長期保存に際してその構造が崩壊する磁気マーカーとの結合については、コスト的な問題を内在している。そこでこのような問題を解決するために、予め二次抗体ab2とビオチンとを結合させてビオチン化抗体とすると共に、磁気マーカーMについてはビオチンと特異的に結合するアビジンと結合させ、これを測定直前に結合させて標識化させる方法が好適に採用される。このような手法を用いた場合、図10に示すような構造体が容器内面22上に形成されることになる。この場合、ビオチンとアビジンとの結合は特異的かつ迅速であるため、前述の問題は全て解決される。なお、抗原や二次抗体ab2の種類によっては、ビオチンおよびアビジンの配置位置を入れ替えるようにしてもよい。
また本発明において、一次抗体ab1の容器内面22上への直接的な固相化は、容器内面22上にコロイダルシリカ10を結合させることで発現される親水性によっても阻害される。これは前述([0027])した如く、一次抗体ab1の容器内面22への固相化の主な駆動力となっている疎水性相互作用を阻害するためである。従って、例えば容器内面22にコロイダルシリカ10を結合させた後に、物理的な要因でコロイダルシリカ10の一部か剥離しても、容器内面22への一次抗体ab1の固相化は最小限に抑制される。またコロイダルシリカ10を採用することで、前述([0012])した如く、プラスチック製の検体容器をガラスコーティングした状態となり親水性を発現するため、血液等の水系溶液に存在する検体の測定実施が好適になされることは云うまでもない。
(実験例)
以下に本発明に係る検体用容器の処理方法の一例と、該処理方法によって得られる検体用容器の一次抗体の捕捉量(度合い)、すなわち標識化された二次抗体の捕捉量についての実験例を示す。なお、本発明に係る内面処理された検体用容器およびその処理方法は、この実験例に限定されるものではない。
(実験1)本発明に係る検体用容器の処理方法の一例について
前処理工程S1:図1に示した形状のアクリル樹脂製の検体用容器を、メタノールで充分に脱脂した後、温度50℃、時間15分間の条件で1規定NaOH水溶液に浸漬し表面処理を行ない、その後にカルボキシル基を結合させた。このとき結合されたカルボキシル基を定量したところ、8〜12nmol/cm(50〜70個/nm)であった。なお測定方法は以下の通りである。
(カルボキシル基の定量方法)
検体用容器をN,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)の1%シクロヘキサン溶液中で2時間撹拌し、その後、P−ニトロフェノールを加えて8時間撹拌し、更に4%アンモニア水を加えて8時間撹拌した後、上澄み中の反応したP−ニトロフェノールの400nmにおける吸光度を測定する。なお測定値は、予め作成した検量線によって算出した。
コロイダルシリカ準備工程S2:例えば下記の[非特許文献6]に記載される如く、粒径120nmのコロイダルシリカ4重量部と、MPS1重量部とを2−プロピルアルコール100重量部を溶媒として使用することで分散させ、温度50℃、時間96時間の条件で撹拌し、その後、遠心洗浄しMPSが付加されたコロイダルシリカ(以下、SiO−MPS粒子と云う)とした。そしてこのSiO−MPS粒子1重量部を、分散用の溶媒であるエタノール30重量部に分散させ、更にアミノ基を付加させるアミン化合物としてのエチレンジアミン0.1重量部を加え、室温、時間24時間の条件で撹拌し、更に遠心洗浄後に減圧乾燥させることでアミノ基が付加されたコロイダルシリカを作製した。
Langmuir2000,16,9031−9034
コロイダルシリカ結合工程S3:次に図11に示す如く、容器内面1cm当たりに5mgになるように1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC)をpH7.0のリン酸緩衝溶液(以下、PSBと云う)に溶解させた溶液を容器内に供給し、室温、時間1時間の条件で放置した後に該溶液を取除き乾燥する予備処理を実施した後、容器内にPBSを溶媒として5wt%になるように調整したアミノ基が付加されたコロイダルシリカを滴下して、前処理工程S1で容器内面に結合されたカルボキシル基に対して、アミノ基が付加されたコロイダルシリカを結合させた。そしてその後、温温、時間2時間の条件で放置し、緩衝溶液と純水とを個別に使用して洗浄ほ実施した後に室温で乾燥させた。なお滴下は、アミノ基が付加されたコロイダルシリカ/緩衝溶液が、容器底面に万遍なく広がるように行なったが、表面張力の関係で容器側面にも広がることが確認された。このとき結合されたアミノ基を定量したところ、5〜15nmoll/cm(30〜90個/nm)であった。なお測定方法は以下の通りである。
(アミノ基の定量方法)
検体用容器を0.1molのピクリン酸エタノール溶液に入れて測定すべきアミノ基を反応させ、超音波照射後、検体用容器を乾燥させてジイソプロピルエチルアミン(DIEA)の5%ターシャルブタノール液を加えて遠心分離を行ない、上澄み液の吸光度を測定する、所謂Gizin法によって定量した。
一次抗体固相化工程S4:PBS1000μl当たりIgEモノクロナール抗体200μg混合した希釈溶液を、内面処理された検体用容器に200μl供給し、温度37℃、時間3時間の条件で放置し、容器内面にIgEモノクロナール抗体を固相化した。
抗原捕捉工程S5:容器内面をpH7.4のPBSで3回洗浄し、pH7.4のPBS1000μlに所定量のヒトIgE(抗原)を混合した抗原溶液を加え、室温、時間1時間の条件で放置し、抗体抗原反応を起こさせ、一次抗体であるIgEモノクロナール抗体に対してヒトIgEを捕捉させた。反応終了後には0.1%の界面活性剤入りPBSで未反応の抗原を洗い落とす、所謂「洗い」を実施した。
二次抗体捕捉工程S6:二次抗体として用いるIgEポリクロナール抗体(以下、単に二次抗体と云う)にビオチンを結合させてビオチン化検出抗体とし、これをを検体用容器に供給して、温度37℃、時間1時間の条件で放置し、抗原に捕捉させた。次に未反応のビオチン化検出抗体をpH7.4のPBSで3回洗浄し、下記の方法により調整したアビジンが結合された磁気マーカー(1gの磁気マーカーにアビジン10mgが結合)を分散させたpH7.4のPBS200μllを検体用容器に供給し、アビジンとビオチンとを結合させて二次抗体を磁気マーカーで標識化させた。なお磁気マーカーの作製方法についても下に記す。
(アビジンが結合された磁気マーカーの作製方法)
pH7.0のリン酸緩衝溶液5mlに対して、WSC10mgと磁気マーカー10mgとを加え、超音波照射後、アビジン15mggを添加し、氷冷下で1時間撹拌し、更に室温下で6時間撹拌し、その後リン酸緩衝溶液を使用した超音波洗浄・遠心洗浄を3回繰り返して磁気マーカーのカルボキシル基と、アビジンのアミノ基とを反応させた該磁気マーカーへのアビジンの固定化を行なった。なお遠心分離後の上澄み液中の未反応物質のUV測定により、磁気マーカーへのアビジンの固定化量を測定したところ、10mg/gであった。
(磁気マーカーの作製方法)
図12に示す如く、メタノール10mlに、マイクロモノマーとしてのポリビニルピロリドン(0.004〜0.04mg範囲内の一定量)にフェライト(Fe)微粒子0.05gを加え、超音波照射し、更に攪拌ほ実施した後に遠心分離を行なうことによってポリビニルピロリドンを吸着したフェライト微粒子を作製し、次いでテトラヒドロフラン(THF)5mlに、N−アクロイル−L−グルタミン酸0.20g(フェライト微粒子に吸着したポリビニルピロリドンのビニル基量の100倍量)と、0〜100倍量の架橋剤トリ(アクロイルオキシ)アミン塩酸塩とを溶解させて準備溶液とし、これに粒子1g当たりに0.2gのポリビニルピロリドンを吸着したフェライト微粒子0.018gと、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)0.01gとを加え、温度35℃、時間10時間の条件で攪拌し、更に遠心分離(5回繰り返し)を実施して磁気マーカーを得る。なおこの方法で得られたフェライト微粒子のポリマー量は、架橋剤の増加に伴って増大し、最大値はフェライト微粒子1g当たり947mgであった。また磁気マーカーの粒径は、29〜30nmであることが分散溶液の動的光散乱法から測定された。粒子間凝集は起こっておらず、水溶液中で4週間以上分散状態の保持が確認された。更に磁気マーカーの表面に結合したカルボキシル基は、最大97μmol/gであった。
標識マーカー測定・検体算出工程S7:ここまでの各工程を経た検体用容器を、室温、時間20分の条件で放置した後、SQUID測定を行なった。その結果を参考として、図13に示す。この結果から、IgE抗体重量10pgに対して280pTの残留磁気量が検出されたことが確認された(図13(a)参照)。更にIgE抗体重量1pgの場合には27pT(図13(b)参照)、0.3pgの場合には15pT(図13(c)参照)の残留磁気が検出され、0.3pgといった極微量の抗原の測定が可能であることが確認された。
(実験2−1)内面処理の有無について
本発明に係る内面処理(実験1における[0035]、[0037]および[0038])を実施した検体用容器(実施例1)と、全く何の処理も実施しない検体用容器(比較例1)とにおける一次抗体(抗原)の捕捉量(度合い)、すなわちアミノ基の付加量についての実験を行なった。なお実験方法については、免疫反応の簡便な評価法として用いられるサンドイッチELISA法を採用した。
実施例1および比較例1に係る検体用容器に対して、温度37℃、時間2時間、pH9.5の条件で2.5%グルタルアルデヒドによる処理を行ない、水洗した後、温度37℃、時間2時間、pH7.5の条件でビオチンヒドラジド(10μg/100μl)による処理を行ない、更に表面にブロッキング剤(商品名 ブロックエース;雪印製)を塗布して2時間放置してPBSで洗浄する。次いで前述の処理を行なった各検体用容器を、西洋わさびペルオキシナーゼ(HRP)結合ストレプトアビジンを分散させたブロックエースおよびPBSからなる溶媒中で1時間放置して、PSBで洗浄した後、ペルオキシナーゼの基質(以下、ABTSと云う)溶液100μl供給し、室温、時間20分の条件で放置する作業を実施した。そしてこの作業を各検体用容器毎に4回行なった。そして全作業終了後に各検体用容器の上澄み液について、分光光度計(商品名 UV2000;日本分光製)を用いてABTS溶液を特定する650nmの吸光度を測定した。そして実施例1または比較例1について4回分の吸光度の平均値を算出した。
(実験2−1の結果)
実験2−1から得られる結果を下記の表1に記する。この表1に記載の結果から、本発明に係る内面処理を施した検体用容器は、なにも処理を施さない検体用容器と比較して平均で8倍程度の高い抗原捕捉量を発現することが確認された。
Figure 2005291909
(実験2−2)コロイダルシリカの有無について
実験2−1で作製した検体用容器(実施例1)と、コロイダルシリカに対してアミノ基を付加させ、このコロイダルシリカを容器内面に結合させる代わりに、アミノ基を直接的に容器内面に結合させた検体用容器(比較例2)とにおける抗原の捕捉量(度合い)、すなわちアミノ基の付加量についての実験を行なった。
比較例2については、前処理工程S1だけを実施し、コロイダルシリカ準備工程S2およびコロイダルシリカ結合工程S3の代わりに、500mgのWSCを溶解させたPH7.0PBS250mlに浸漬し、室温、時間1時間の条件で撹拌した後、エチレンジアミン2mg(17μmol)を添加して室温、時間12時間の条件で撹拌した。そしてpH7.0のPBSで洗浄・乾燥を実施した。そして前述([0036]および[0039])の方法で、実施例1および比較例2に結合したカルボキシル基およびアミノ基の定量を行なった。
Figure 2005291909
(実験2−2の結果)
実験2−2から得られる結果を下記の表2に記する。この表2に記載の結果から、カルボキシル基の結合量が略同一であっても、コロイダルシリカを用いる場合(実施例1)と、そうでない場合(比較例2)との間では10倍以上の差がついていた。すなわちコロイダルシリカを用いる本発明に係る内面処理方法は、一次抗体を捕捉するためのアミノ基の結合方法として優れていることが確認された。
(実験2−1および実験2−2の結果のまとめ)
前述の実験2−1および実験2−2(実施例1、比較例1および比較例2)の結果を、一次抗体(抗原)の捕捉量(度合い)を指標とすると共に、比較例1を1に設定して比較すると、下記の表3のように纏めることができた。すなわち本発明の内面処理方法によって処理された検体用容器の検体の捕捉量、言い換えれば一次抗体の固相化量は、従来の検体捕捉に使用される各種処理方法に比較して大きく増大(比較例1に較べて約8倍、比較例2に較べて10〜15倍)していると確認された。これは検体量をこれまでの1/8程度しか含有しない被測定溶液についても、これまでと同様に測定し得ることを意味する。
Figure 2005291909
本発明の好適な実施例に係る内面処理された検体用容器を示す(a)斜視図と、(b)標識化された二次抗体を結合させた検体用容器の断面図である。 実施例に係る検体用容器に結合された標識マーカーを測定するSQUID測定装置の一例を示す概略図である。 実施例に係る内面処理方法を示す工程図である。 実施例に係る内面処理を施した検体用容器上の様子を示す状態図である。 実施例に係る内面処理を施した検体用容器上に結合されるコロイダルシリカの状態を示すSEM写真である。 実施例に係るコロイダルシリカ準備工程S2の反応を示すモデル図である。 一次抗体が捕捉される(a)従来の検体用容器上の様子と、(b)本発明に係る検体用容器上の様子を夫々示す状態図である。 カルボキシル基が付加されたコロイダルシリカを準備するコロイダルシリカ準備工程S2の反応を示すモデル図である。 所要の溶媒に分散されたコロイダルシリカが検体用容器上に結合されていく状態を示した工程図である。 変更例に係る内面処理を施した検体用容器上の様子を示す状態図である。 実施例に係るコロイダルシリカ結合工程S3の反応を示すモデル図である。 実験1で使用される標識マーカーとしての磁気マーカーを作製する反応を示すモデル図である。 実験1で作製された抗体抗原反応に対するSQUID測定結果の一例を示すグラフ図である。
符号の説明
10 コロイダルシリカ
22 容器内面
ab1 一次抗体
ab2 二次抗体
ag 抗原
M 標識マーカー

Claims (18)

  1. 固相化された一次抗体(ab1)に抗原(ag)を捕捉させ、更に標識マーカー(M)によって標識化された二次抗体(ab2)を該抗原(ag)に捕捉させることで該抗原(ag)を定量化する各種免疫測定法に使用される検体用容器において、
    多数のアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基が付加されたコロイダルシリカ(10)が、容器内面(22)の所要領域を覆うように結合されており、
    前記標識マーカー(M)によって標識化された二次抗体(ab2)は、一次抗体(ab1)および抗原(ag)を介して、前記コロイダルシリカ(10)のアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基だけに結合されるよう構成した
    ことを特徴とする内面処理された検体用容器。
  2. 前記コロイダルシリカ(10)の粒径は、50〜500nmの範囲に設定される請求項1記載の内面処理された検体用容器。
  3. 前記コロイダルシリカ(10)の粒径の多分散度は、0.1以下に設定される請求項1または2記載の内面処理された検体用容器。
  4. 前記コロイダルシリカ(10)に付加され、前記一次抗体(ab1)と結合するアミノ基の量は、少なくとも5nmol/cm以上とされる請求項1〜3の何れかに記載の内面処理された検体用容器。
  5. 前記アミノ基の付加は、エチレンジアミン等のジアミン類、ビス−2−アミノエチルエーテル等のエーテルジアミン類またはポリアリルアミンの如きポリアミン類から選択されたアミン化合物の使用によってなされる請求項1〜4の何れかに記載の内面処理された検体用容器。
  6. 前記容器内面(22)には、アミノ基を付加する前処理としてアルカリ加水分解により5〜15nmol/cmのアミノ基の結合を許容する官能基が付与されている請求項1〜5の何れかに記載の内面処理された検体用容器。
  7. 前記アミノ基の結合を許容する官能基は、カルボキシル基である請求項6記載の内面処理された検体用容器。
  8. 前記コロイダルシリカ(10)に付加され、前記一次抗体(ab1)と結合するカルボキシル基の量は、少なくとも5nmol/cm以上とされる請求項1〜3の何れかに記載の内面処理された検体用容器。
  9. 前記容器内面(22)には、カルボキシル基の付加する前処理としてアルカリ加水分解と、それに続くポリアリルアミンとの縮合反応とを実施することで5〜15nmol/cmのカルボキシル基の結合を許容する官能基が付与されている請求項1〜3または8記載の内面処理された検体用容器。
  10. 前記カルボキシル基の結合を許容する官能基は、アミノ基である請求項9記載の内面処理された検体用容器。
  11. 固相化された一次抗体(ab1)に抗原(ag)を捕捉させ、更に標識マーカー(M)によって標識化された二次抗体(ab2)を該抗原(ag)に捕捉させることで該抗原(ag)を定量化する各種免疫測定法に使用される検体用容器の内面処理方法にあって、
    検体用容器(20)の容器内面(22)に前処理を実施して所要の官能基を付与し、
    別工程でアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基を付加した所要粒径のコロイダルシリカ(10)を、前記前処理で付与させた官能基に結合させて、前記容器内面(22)の所要領域を被覆させ、
    前記標識マーカー(M)によって標識化された二次抗体(ab2)を、一次抗体(ab1)および抗原(ag)を介して、前記コロイダルシリカ(10)のアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、メタクリル基またはメルカプト基だけに結合させるようにした
    ことを特徴とする検体用容器の内面処理方法。
  12. 前記コロイダルシリカ(10)として、その粒径が50〜500nmの範囲に設定されたものが使用される請求項11記載の検体用容器の内面処理方法。
  13. 前記コロイダルシリカ(10)として、その粒径の多分散度が0.1以下に設定されたものが使用される請求項11または12記載の検体用容器の内面処理方法。
  14. 前記コロイダルシリカ(10)は、所要の溶媒に分散させられた状態で容器内面(22)に供給される請求項11〜13の何れかに記載の検体用容器の内面処理方法。
  15. 前記前処理で付与される官能基として、カルボキシル基が使用される請求項11〜14の何れかに記載の検体用容器の内面処理方法。
  16. 前記前処理としてアルカリ加水分解が実施され、前記容器内面(22)に5〜15nmol/cmのカルボキシル基を付与するようにした請求項13記載の検体用容器の内面処理方法。
  17. 前記前処理で付与される官能基として、アミノ基が使用される請求項11〜14の何れかに記載の検体用容器の内面処理方法。
  18. 前記前処理としてアルカリ加水分解と、それに続くポリアリルアミンとの縮合反応とが実施され、前記容器内面(22)に5〜15nmol/cmのアミノ基を付与するようにした請求項17記載の検体用容器の内面処理方法。
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