JP2005291775A - 超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置及び抽出分析法 - Google Patents
超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置及び抽出分析法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005291775A JP2005291775A JP2004103857A JP2004103857A JP2005291775A JP 2005291775 A JP2005291775 A JP 2005291775A JP 2004103857 A JP2004103857 A JP 2004103857A JP 2004103857 A JP2004103857 A JP 2004103857A JP 2005291775 A JP2005291775 A JP 2005291775A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- extractors
- extraction
- supercritical fluid
- samples
- extracting
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Sampling And Sample Adjustment (AREA)
Abstract
【課題】 安全な食品の要求から食品中に含まれる農薬などの抽出、分析が要求されている。超臨界抽出が主流になりつつあるが、抽出成分の劣化、分析の高精度化、分析効率の向上から、多量の食品を同時に抽出することが要求されている。
【解決手段】 超臨界流体を用いて試料の抽出を行う超臨界抽出装置1において、超臨界流体を昇圧し恒温槽11内の調整器7に供給し、調整器7によりバルブを経て超臨界流体を均一に複数の抽出器8a〜8fに入れ、圧力制御器9で圧力を制御し、恒温槽11で温度を制御して複数の抽出器で一定時間、同時に抽出した後、抽出器8a〜8fの出口のバルブを切り替え、キャピラリー管18a〜18fで複数の抽出液を取り出し、その後分析することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 超臨界流体を用いて試料の抽出を行う超臨界抽出装置1において、超臨界流体を昇圧し恒温槽11内の調整器7に供給し、調整器7によりバルブを経て超臨界流体を均一に複数の抽出器8a〜8fに入れ、圧力制御器9で圧力を制御し、恒温槽11で温度を制御して複数の抽出器で一定時間、同時に抽出した後、抽出器8a〜8fの出口のバルブを切り替え、キャピラリー管18a〜18fで複数の抽出液を取り出し、その後分析することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、超臨界流体を用いて複数の試料を抽出、分析する抽出装置および超臨界流体を用いた複数の試料の抽出分析法に関するものである。
コーヒー、茶等に含まれる香気成分の評価、化粧品、香水に含まれる揮発成分の評価、食品に含まれる農薬の評価等には、従来、有機溶剤を用いたソックスレー抽出法が用いられていた。
図6は従来の食品に含まれる残留農薬の抽出、分析工程である。従来方法では野菜、果物などの作物を粉砕し、ソックスレー抽出法を用いた溶媒抽出を行った後、溶媒を分離し、塩析法等で脱水する。その後、油性成分を分離し、一定容積の試料を取りガスクロマトグラフ質量分析計、液体クロマトグラフ質量分析計等で分析していた。
しかし、ソックスレー抽出法は、試料に含まれる微量成分を抽出するために、数時間が必要であり、抽出後の有機溶媒を気化して抽出物から分離する操作も、多くの時間を要する。また、抽出、分離工程が複雑など多くの問題がある。そのため超臨界流体による抽出が注目されてきた。
超臨界流体は、流体を、臨界点以上の温度および圧力に保つことにより作ることができる。この超臨界流体を用いて試料中に含まれる成分を抽出する場合、超臨界流体は試料内への拡散力が強く、多くの物質に対して優れた溶解性を示す特徴を利用する。
また、食品中の成分などは、加熱処理など過酷な条件により、成分が分解や変質する恐れがあるが、二酸化炭素などの低臨界点の流体による超臨界抽出では、これらの問題も無いことから、食品中に含まれる成分の抽出に広く利用されつつある。抽出された成分は、ガスクロマトグラフ質量分析計、液体クロマトグラフ質量分析計などで分析されている。
近年、環境問題や健康に対する関心が高まっており、有機栽培野菜や無農薬野菜などの農薬を用いない自然食品への志向が急速に高まっている。しかしながら、野菜や果物などの無農薬栽培は生産効率が悪いため、生産コストが高く、多くの労働力を必要とすることから、一般には農薬を用いた栽培が主流である。
また、海外からは種々の食品が輸入され、その量も年々増加しているが、これらも農薬を用いた栽培が主流である。さらに、家畜の飼料となる穀物類も農薬が含まれていると、家畜を通して人間に影響を与えるが、これらの飼料も農薬を用いて栽培されており、海外より多量に輸入される。
一方、安全で安心な農産物を求める消費者の要望は年々強くなっており、とりわけ残留農薬への関心は年々高いものになりつつある。また、食品に含まれる残留農薬の許容基準も次第に厳しくなってきている。
食品に含まれる農薬は、そのため、市場に出る前に正確に分析し、食品の安全性を確認した後、安全で新鮮な状態を保ち市場に出す必要がある。また、食品に含まれる残留農薬を迅速に抽出して分析し、食品の安全性に対する正確で早い評価を行う必要がある。
特開平4−332863号公報
超臨界抽出分析では、試料の前処理、超臨界流体による抽出および分析工程が必要であり、分析までには早いものでも約2時間を要する。また、食品に含まれる農薬などは、同一食品においても、例えば、野菜、穀物、果物等に含まれる残留農薬の分析を例に取ると、食品の品種、あるいは同じ畑での同一食品の試料の採取場所、一つの食品での採取位置により残留農薬の量が異なる問題があり、これらの試料を採取し精度の高い同一条件で抽出して、分析し農薬の評価をする必要がある。
そのため、複数の異なる試料を採取し同一条件で抽出し、分析することで、信頼性を高める必要がある。食品の種類が多い場合も同様に、多くの種類の食品を対象にして抽出、分析をしなければならない。特に、野菜や果物などの生鮮食品は、鮮度を維持するため、できるだけ早く、多くの試料を対象に抽出、分析し、残留農薬を評価して市場に出す必要がある。
複数の試料の抽出、分析は短時間で実施することが強く要求されている。さらに分析精度を高めるためには、抽出条件の信頼性を高めることが重要になる。超臨界抽出装置を用いて、精度の高い抽出をするためには、温度、圧力の制御および超臨界流体の流量を高い精度で管理することが重要になる。
超臨界流体は流体の臨界点を超える領域での操作であり、温度、圧力の微妙な変化により流体の性状が大きく変わる性質がある。特に、流体の密度、粘度、試料中への拡散性、溶解力が変化する。密度、粘度の変化は超臨界流体を流す場合の流動性に影響し、拡散性、溶解力は抽出性能に大きく影響する。そのため、温度、圧力および流体流量の管理は特に重要である。
従来は複数の試料を、それぞれ単独に超臨界抽出し、分析する方法が一般的である。食品中の残留農薬などは微量であり、抽出時の温度、圧力に微妙な差が生じると、抽出性能が一定しないことになる。そのため、抽出成分の分析値の精度も信頼性の低い結果になり、再分析が要求されるなど、作業効率を低下させることになる。
本発明は上述した問題点に鑑みてなされ、超臨界流体を用いて試料の抽出を行う装置において、二酸化炭素などの流体を昇温、昇圧し、超臨界流体とし、恒温槽内の熱交換器を経由して調整器に供給し、前記調整器により前記超臨界流体を均一流量で複数の抽出器に供給し、前記複数の抽出器の出口を統合した圧力制御器で抽出圧力を制御し、前記恒温槽で抽出温度を制御して、複数の前記抽出器で試料を一定時間、同時に抽出処理した後、前記複数の抽出器の出口バルブを切り替え、複数のキャピラリー管で、前記複数の抽出器からの複数の抽出液を取り出すことを特徴とする。これにより複数の抽出器を備えた抽出装置を実現できる。
また、本発明では、前記複数のキャピラリー管の出口を分析装置に接続し、前記複数の抽出液を直接分析することを特徴とする。
更に、本発明では、前記調整器を、前記複数の抽出器の入口に設けたことを特徴とする。
更に、本発明では、前記複数の抽出器で抽出した後、前記複数の抽出器の出口バルブを切り替え、前記複数の抽出器から、前記複数のキャピラリー管で、前記複数の抽出液をそれぞれ独立して、取り出すことを特徴とする。
更に、本発明では、複数の試料を個別に複数の抽出器に入れ、抽出装置内に設置し、超臨界流体として用いられる二酸化炭素などの流体を昇圧し、超臨界流体とし、前記各抽出器に同時に供給し、前記複数の抽出器で前記試料を一定時間同時に抽出した後前記複数の抽出器からの複数の抽出液を個別に同時に採取し、前記複数の抽出液を分析することを特徴とする。これにより複数の試料を同時に個別に抽出液を取り出し、分析できる抽出分析法を実現できる。
更に、本発明では、採取場所、品種、産地等の異なる複数の試料を同時に抽出した後、複数の抽出液を分析することを特徴とする。これにより採取場所、品種、産地等の異なる複数の試料を短時間で分析できる抽出分析法を実現できる。
本発明によれば、複数の抽出器を同一の恒温槽に設置することで、複数の抽出器の抽出温度を精度よく均一にできる。また、複数の抽出器の抽出圧力を同じ圧力制御バルブで制御することで、各抽出器の圧力条件を精度よく均一にできる特徴がある。自動制御により抽出時間を設定し複数の抽出器の前後に取り付けられているバルブを開閉することで、臨界流体を均一流量で複数の抽出器へ同時に供給し、抽出後の抽出物を同時に取り出すことで、抽出時間、抽出量を一定にすることができる。
試料中の微量成分の分析は、複数の試料を多量に採取し分析することで、精度の高い分析値を求めることになるが、試料を単独に抽出し分析すると、抽出条件の微妙な違いによる誤差もが発生する。本発明では複数の試料を精度よく同一条件で抽出できるため、精度の高い複数の抽出物が得られる。
さらに、1台あるいは複数の分析器を、超臨界抽出装置の直接分析系に接続することにより、抽出器を恒温槽に設置した後は、自動的に抽出および分析ができる。また、各抽出器は取り外しできる構造になっているため、抽出器の容量、内部構造物等は抽出する試料により自由に選択することができる。
本発明は複数の抽出を同時に処理することができるため、抽出時間が大幅に短縮できる。抽出物を一旦保存することにより、他の試料の抽出を行っている間に、分析を行うことができ、この点でも時間を大幅に短縮できる。
試料の抽出、分析には個別に抽出、分析を行うと1試料について約2時間を要する。そのため、例えば、試料が30種ある場合、全ての試料を抽出、分析するには従来法では約60時間必要になる。これに対し、本発明の複数の抽出方式を用いると、例えば、6種の試料を同時に抽出し、分析した場合、6種の試料を約2時間で同時に抽出、分析できるため全ての試料を抽出、分析するのに約10時間で処理することができ、迅速な評価が可能である。すなわち、6分の1に処理時間を短縮できる。当然であるが、異なる作物、品種、産地の異なる試料についても複数の試料が同時に処理できるため、同一条件で迅速な評価が可能である。
図1は本発明に基づく超臨界流体を用いた抽出法の系統の一例である。図1は6基の抽出器を用いて同時に抽出する系統を示しており、この系統に従って次に説明する。
本装置は超臨界流体を充填したボンベ2、冷却器4、高圧ポンプ5、溶剤供給口3および恒温槽11内の熱交換器6からなる抽出剤供給系と恒温槽11内に設置された調整器7、抽出器8a〜8f、複数のバルブ、さらに圧力制御器9からなる抽出系と、抽出系からバルブ22a〜22f介し6種の抽出物が供給される吸着カプセル10a〜10fおよび複数のバルブからなる分析系から構成される。
ボンベ2は超臨界流体として用いられる、たとえば液体の二酸化炭素を充填しており、二酸化炭素はボンベ2より、配管で冷却器4に送られる。
冷却器4は高圧ポンプ5で二酸化炭素を昇圧する時に、圧縮熱を発生するため事前に冷媒で冷却する役割を持っている。
高圧ポンプ5は二酸化炭素を昇圧し、恒温槽11内の熱交換器6に供給する。恒温槽11内は抽出温度に維持されており、二酸化炭素は熱交換器6により、この温度の近傍まで昇温され超臨界流体になる。
二酸化炭素はさらに調整器7に送られる。調整器7は温度、圧力、および6基の抽出器8a〜8fに二酸化炭素を一定流量入れるための、均等化を図っている。調整器7から二酸化炭素はバルブ20a〜20fを介して6基の抽出器8a〜8fに入る。6基の抽出器8a〜8fには、それぞれ試料が充填されており、超臨界流体である二酸化炭素で抽出物が抽出される。抽出器8a〜8fの抽出圧力は、出口配管が一本の配管に統合された位置に設置されている圧力制御器9で設定以上の圧力にならないように制御されている。
抽出器8a〜8fで抽出された抽出物はバルブ22a〜22fを介してキャピラリー管18a〜18fに入る。キャピラリー管18a〜18fは二酸化炭素を減圧すると同時に流量を制御し、吸着カプセル10a〜10fに供給する。吸着カプセル10a〜10fは分析用の試料容器として用いられる。なお、恒温槽11内には熱交換器6、調整器7、抽出器8a〜8fおよびバルブ類が設置されており、環境温度の影響をなくし、抽出温度を精密に制御する役割を持っている。
本発明は超臨界流体である例えば二酸化炭素を調整器7で均一量分配し6基の抽出器8a〜8fに供給している。6基の抽出器8a〜8fは同一恒温槽11内に設置されており、ファン13により恒温槽11内を十分に攪拌しているため、抽出温度も同一である。また抽出圧力は6基の抽出器8a〜8fの出口配管が、一本の配管に統合された位置に設置されている圧力制御器9で、設定以上の圧力にならないように制御されている。
すなわち、6基の抽出器8a〜8fは同量の超臨界流体である二酸化炭素が供給され、温度、圧力も同一条件であり、抽出に必要な条件を高精度で同一にすることができる。これらの抽出物を分析することにより、信頼性の高い結果を得ることができる。
従って、野菜、穀物、果物等に含まれる残留農薬の分析を例に取ると、食品の種類、品種、あるいは同一食品の試料の採取場所、採取位置により残留農薬の量が異なる問題があるため、これらの試料を精度の高い同一条件で抽出し、分析し農薬の評価をする必要があるが、本発明は精度の高い同一条件での抽出が可能であり、そのため、信頼性の高い比較結果がえられる。
続いて、操作手順について具体的に説明する。食品を粉砕するなど前処理された試料を、あらかじめ洗浄した6基の抽出器8a〜8fに充填する。試料を充填した抽出器8a〜8fを、超臨界抽出装置1の恒温槽11内に取り付け、抽出器供給管15a〜15fと抽出器出口管16a〜16fを超臨界抽出装置1内の系統に接続する。恒温槽11の温度は加熱器12およびファン13により、所定の温度まで高め安定させる。
この時バルブ22a〜22fは閉じており、他のバルブは開けられている。
その後、超臨界流体として用いる二酸化炭素はボンベ2より供給され、高圧ポンプ5で昇圧されて、熱交換器6を経由して調整器7に供給される。超臨界流体の二酸化炭素は熱交換器6で恒温槽11内の温度近傍まで、すなわち抽出温度近傍まで昇温され、超臨界流体になる。なお、調整器7については後述する。
二酸化炭素が高圧ポンプ5により昇圧される時に、圧縮熱を発生し流量が不安定になるため、高圧ポンプ5の入口に冷媒を用いた冷却器4を設置し、冷却しており、図示していないが高圧ポンプ5自身も冷媒を送り冷却している。
食品に含まれる残留農薬の抽出に関する一例を示すと、二酸化炭素は高圧ポンプ5で約10MPaから約50MPaまで昇圧され超臨界流体になる。昇圧された超臨界流体の二酸化炭素は、必要に応じて溶剤供給口3から供給されるアルコール、アセトン等の溶剤と混合され、恒温槽11内に送られ、熱交換器6により恒温槽11内の温度近傍まで昇温され、調整器7に送られる。
食品中の農薬など微量成分を、安定に高精度で抽出するためには、微妙な温度変化、圧力変化および流量変化を制御する必要がある。特に複数の抽出器8a〜8fで同時に抽出する場合、一系列の超臨界流体である二酸化炭素を、複数の抽出器8a〜8fに同時に流すことになるため、温度、圧力および流量が微妙に変化し、それぞれの抽出器8a〜8fにおける抽出条件が異なることになる。
これらの問題は調整器7を設置することで解決している。調整器7は十分な容積と熱容量を持っており、二酸化炭素の温度および圧力を高精度で安定化させる役目がある。さらに、各抽出器に流体を均一に流すため圧力損失が均一になるように流路内径等の構造を同一にしており、二酸化炭素が各抽出器供給管15a〜15fを通り、6基の抽出器8a〜8fへ供給される時の、供給量を均一し、6基の抽出器8a〜8fの抽出条件を、高精度で一定にする重要な役目を持っている。
さらに、調整器は複数の抽出器に超臨界流体である二酸化炭素を分配し均一流量で供給することになるが、分配するための継ぎ手の数を低減する効果も持っている。
調整器7に送られた二酸化炭素は、バルブ20a〜20fを通り6基の抽出器8a〜8fに入る。各抽出器8a〜8fからの各抽出器出口管16a〜16fは、圧力制御器入口管17に統合されており、6基の抽出器8a〜8fの圧力は圧力制御器9で均一に制御される。6基の抽出器8a〜8fが所定の圧力に達した段階で、高圧ポンプ5の運転を止め、バルブ20a〜20fを閉め、臨界状態の二酸化炭素により、各抽出器8a〜8f内の試料に含まれる成分を同一時間で抽出する。
抽出後はバルブ21a〜21fおよびバルブ23a〜23fを閉め、バルブ20a〜20fおよびバルブ22a〜22fを開ける。その後、高圧ポンプ5を稼動し、二酸化炭素を6基の抽出器8a〜8fに供給するが、二酸化炭素の供給量は高圧ポンプ出口圧力検知器30が設定値を保つように自動調整される。
抽出器8a〜8f内の超臨界流体である二酸化炭素を含む6種の抽出物は、バルブ22a〜22fを通りキャピラリーで形成されるキャピラリー管18a〜18fを通り、吸着カプセル10a〜10fに送られる。充分に抽出物を含んだ二酸化炭素が流出した時点で、バルブ24a〜24fおよびバルブ25a〜25f閉め、吸着カプセル10a〜10fを取り外す。
取り外された吸着カプセル10a〜10fは順次ガスクロマトグラフ質量分析計、液体クロマトグラフ質量分析計等で分析される。必要流量に対してはキャピラリー管18a〜18fの管径を替えることで対応できる。キャピラリー管18a〜18fは管径の異なるものを準備することにより種々の流量を確保することができる。
吸着カプセル10a〜10fを取り外した後は、バルブ20a〜20fを閉め、バルブ21a〜21f、バルブ22a〜22f、バルブ23a〜23f開け、系内に残っている二酸化炭素等をパージ管19a〜19fより放出する。
さらに、抽出器8a〜8fから抽出された抽出物を直接ガスクロマトグラフ質量分析計、液体クロマトグラフ質量分析計等の分析装置へ送り、連続的に分析をすることもできる。すなわち、抽出器内の超臨界流体である二酸化炭素を含む抽出物は、バルブ22a〜22fを通りキャピラリーで形成されるキャピラリー管18a〜18fに送られるが、キャピラリー管18a〜18fから分析器に直結することにより、連続的な分析を行うことができる。
高圧ポンプ5は、設置された抽出器の基数により流量が変わる等の問題があり、高圧ポンプ出口圧力検知器30で計測された圧力により、高圧ポンプ5出口の圧力を設定値に保つように自動的に制御している。また、各抽出器8a〜8fの圧力は圧力制御器入口圧力検知器31で圧力を計測し提示し、この値により圧力制御器9の設定圧力を調整する。
また、各抽出器8a〜8fの抽出温度を決める恒温槽11内の温度制御は、抽出器温度検知器32で温度を測定し、加熱器12で行っている。恒温槽11内の上限温度は、恒温槽温度検知器33で温度を計測し、加熱器12で制御している。なお、ファンを恒温槽11内に設置することで、恒温槽11内の温度分布を均一に保っている。各バルブの開閉は、時間設定等により自動的に制御できるようになっている。すなわち本装置は試料の抽出操作を自動的に処理することができる。
また、複数の試料を同一条件で抽出し評価するためには温度、圧力を高精度で制御する必要がある。温度に関しては複数の抽出器と抽出性能に影響を与える抽出器まわりの配管およびバルブを同一の恒温槽内に設置し抽出温度を均一化している。圧力に関しては複数の抽出器を同一の圧力制御バルブで制御することにより各抽出器を均一圧力に保つことができる。
次に抽出器の構成の1例を説明する。
図2は開閉が容易な高圧容器である抽出器の外観図である。
高圧容器である抽出器40には上部に上蓋41および下部に下蓋42が取り付けられている。上ノズル43に上蓋41は押し付けられており、この上ノズル43は上ノズル固定板49に固定されており、この上ノズル固定板49は、加圧レバー固定台48に取り付けられた、加圧レバー47の操作により上下に移動できる構造になっている。
下ノズル44に下蓋42は押し付けられており、この下ノズル44にはバネ52が取り付けられており、バネ52により下ノズル44に押し付ける力が確保されている。下ノズル44は下ノズル固定板51に保持されている。加圧レバー固定台48および下ノズル固定板51は高圧装置固定台50に固定されている。また、抽出器40は左右への傾きを防ぐために高圧容器固定ガイド53に固定されている。
抽出器40は加圧レバー47の操作により上ノズル43と下ノズル44を抽出器40の上蓋41と下蓋42から容易に脱着することができる。すなわち簡単に抽出器40を超臨界抽出装置から取り付け、あるいは取り外すことができる。取り外した抽出器40は容易に上下の蓋を取り外すことができるため、従来、数十分を要していた抽出器40の開放作業を数分で行うことができる。
図3は本発明に基づく超臨界流体を用いた抽出分析法の基本工程である。食品中の残留農薬の抽出、分析を例に説明する。本発明では食品を粉砕し、抽出試料として抽出器に充填する。抽出後は抽出物を一定量採取し、分析することになる。
従来法に比べ、抽出時間が短く、抽出物を処理する工程がシンプルであるため、分析結果を判別するまでの時間は短く約2時間程度である。また、複数の抽出を同時に実施することにより、例えば6基の抽出器を用いた場合は、当然であるが抽出時間は約6分の1に短縮される。
図4は本発明に基づく超臨界流体を用いた6種の試料を同時に抽出する基本的な抽出法の例である。野菜、穀物、果実などの作物に含まれる残留農薬の分析を例に取り説明する。作物の品種、あるいは同じ畑での同一作物の試料の採取場所、一つの作物においても採取位置により残留農薬の量が異なる問題があるため、多くの試料を採取し、精度の高い同一条件で抽出して分析することで、正確で迅速な評価をする必要がある。
本発明は、超臨界流体を用いて試料の抽出を行う場合において、6種の異なる試料を個別に6基の抽出器に入れる。すなわち、作物1から作物6を6基の抽出器に充填する。超臨界流体として用いられる液化二酸化炭素などの流体を高圧ポンプで昇圧し、超臨界流体にし6基の抽出器に供給する。抽出条件を同一にするために、制御器で抽出温度、抽出圧力、抽出時間、抽出に必要な超臨界流体の量を同一にするため、それぞれの設定値を決め、制御を行うことになる。
6基の抽出器の抽出温度は恒温槽の温度制御で行い、抽出圧力は6基の抽出器の出口配管を統合した圧力制御器で制御している。調整器で超臨界流体を均一流量で複数の抽出器に供給しており、供給量は時間設定よる6基の抽出器の前後にあるバルブを開閉することで正確に制御している。そのため、6基の抽出器は異なる作物を、同一抽出条件で抽出することができるため、回収された抽出物である農薬は抽出条件の差のない精度の高い抽出成分と抽出量を得ることができる。
厚生労働省は食品衛生法において、約130種類の食品に約300の農薬の残留基準を決めており、これ以外の農薬については、環境省が、357の農薬に登録保留基準を定めている。また、残留農薬の濃度基準は、食品ごとに異なっている。このように、多種の分析が必要な上、食品衛生法の改正や市場の国際化の中で、残留農薬の分析項目は増加の傾向にあり、規制は厳しくなっている。
図5は本発明に基づきイチゴの灰色かび病の防除に使用されるプロシミドン農薬を抽出、分析し求めた結果の1例である。ここでは、3種のイチゴについて、栽培面積を6区に分け、無作為に採取した試料を対象に本発明に基づく6区の試料を同時に抽出して分析した結果である。3区で採取したE種、6区で採取したA種、C種が登録保留基準値以上であることが分かる。この場合の試料の抽出、分析には個別に抽出、分析を行うと1試料について約2時間を要する。そのため、図5で示す試料を全ての試料を抽出、分析するには約60時間必要になる。これに対し、本発明の複数の抽出方式を用いると、例えば、図5では6種の試料を同時に抽出し、分析したが、6種の試料を約2時間で同時に抽出し、分析できるため全ての試料を抽出、分析するのに約10時間で処理することができ、迅速な評価が可能である。当然であるが、品種、産地等の異なる試料についても複数の試料が同時に処理できるため、同一条件で迅速な評価が可能である。
食品に含まれる農薬の抽出の外、コーヒー、茶等に含まれる香気成分の抽出、化粧品、香水に含まれる揮発成分の抽出等に適用することができる。
1 超臨界抽出装置
2 ボンベ
3 溶剤供給口
4 冷却器
5 高圧ポンプ
6 熱交換器
7 調整器
8a〜8f 抽出器
9 圧力制御器
10a〜10f 吸着カプセル
11 恒温槽
12 加熱器
13 ファン
15a〜15f 抽出器供給管
16a〜16f 抽出器出口管
17 圧力制御器入口管
18a〜18f キャピラリー管
19a〜19f パージ管
20a〜20f、21a〜21f、22a〜22f、23a〜23f バルブ
24a〜24f、25a〜25f バルブ
30 高圧ポンプ出口圧力検知器
31 圧力制御器入口圧力検知器
32 抽出器温度検知器
33 恒温槽温度検知器
40 抽出器
41 上蓋
42 下蓋
43 上ノズル
44 下ノズル
45 流体抜き出し管
46 流体供給管
47 加圧レバー
48 加圧レバー固定台
49 上ノズル固定板
50 高圧装置固定台
51 下ノズル固定板
52 バネ
53 高圧容器固定ガイド
2 ボンベ
3 溶剤供給口
4 冷却器
5 高圧ポンプ
6 熱交換器
7 調整器
8a〜8f 抽出器
9 圧力制御器
10a〜10f 吸着カプセル
11 恒温槽
12 加熱器
13 ファン
15a〜15f 抽出器供給管
16a〜16f 抽出器出口管
17 圧力制御器入口管
18a〜18f キャピラリー管
19a〜19f パージ管
20a〜20f、21a〜21f、22a〜22f、23a〜23f バルブ
24a〜24f、25a〜25f バルブ
30 高圧ポンプ出口圧力検知器
31 圧力制御器入口圧力検知器
32 抽出器温度検知器
33 恒温槽温度検知器
40 抽出器
41 上蓋
42 下蓋
43 上ノズル
44 下ノズル
45 流体抜き出し管
46 流体供給管
47 加圧レバー
48 加圧レバー固定台
49 上ノズル固定板
50 高圧装置固定台
51 下ノズル固定板
52 バネ
53 高圧容器固定ガイド
Claims (6)
- 超臨界流体を用いて試料の抽出を行う装置において、二酸化炭素などの流体を昇圧し、超臨界流体とし、恒温槽内の熱交換器を経由して調整器に供給し、前記調整器により前記超臨界流体を均一流量で複数の抽出器に供給し、前記複数の抽出器の出口を統合した圧力制御器で抽出圧力を制御し、前記恒温槽で抽出温度を制御して、複数の前記抽出器で試料を一定時間、同時に抽出処理した後、前記複数の抽出器の出口バルブを切り替え、複数のキャピラリー管で、前記複数の抽出器からの複数の抽出液を取り出すことを特徴とする超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置。
- 前記複数のキャピラリー管の出口を分析装置に接続し、前記複数の抽出液を直接分析することを特徴とする請求項1に記載の超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置。
- 前記複数の抽出器の入口に前記調整器を設けたことを特徴とする請求項1に記載の超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置。
- 前記複数の抽出器で抽出した後、前記複数の抽出器の出口バルブを切り替え、前記複数の抽出器から、前記複数のキャピラリー管で、前記複数の抽出液をそれぞれ独立して、取り出すことを特徴とする請求項1に記載の超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置。
- 複数の試料を個別に複数の抽出器に入れ、抽出装置内に設置し、超臨界流体として用いられる二酸化炭素などの流体を昇温、昇圧し、超臨界流体とし、前記各抽出器に同時に供給し、前記複数の抽出器で前記試料を一定時間同時に抽出処理した後、前記複数の抽出器からの複数の抽出液を個別に同時に採取し、前記複数の抽出液を分析することを特徴とする超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出分析法。
- 採取場所、品種、産地等の異なる複数の試料を同時に抽出した後、複数の抽出液を分析することを特徴とする請求項5に記載の超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出分析法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004103857A JP2005291775A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置及び抽出分析法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2004103857A JP2005291775A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置及び抽出分析法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2005291775A true JP2005291775A (ja) | 2005-10-20 |
Family
ID=35324885
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2004103857A Pending JP2005291775A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置及び抽出分析法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2005291775A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101150832B1 (ko) | 2010-07-05 | 2012-06-14 | 한국전력공사 | 절연유 가스분석용 바이알 전처리 장치 |
| JP2014160055A (ja) * | 2013-01-22 | 2014-09-04 | Shimadzu Corp | 超臨界流体成分抽出装置 |
| CN105806971A (zh) * | 2014-12-31 | 2016-07-27 | 张海燕 | 一种腐霉利的残留量测定方法 |
| CN113533540A (zh) * | 2020-04-13 | 2021-10-22 | 株式会社岛津制作所 | 使用超临界流体的分析系统以及分析方法 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004103857A patent/JP2005291775A/ja active Pending
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101150832B1 (ko) | 2010-07-05 | 2012-06-14 | 한국전력공사 | 절연유 가스분석용 바이알 전처리 장치 |
| JP2014160055A (ja) * | 2013-01-22 | 2014-09-04 | Shimadzu Corp | 超臨界流体成分抽出装置 |
| CN105806971A (zh) * | 2014-12-31 | 2016-07-27 | 张海燕 | 一种腐霉利的残留量测定方法 |
| CN113533540A (zh) * | 2020-04-13 | 2021-10-22 | 株式会社岛津制作所 | 使用超临界流体的分析系统以及分析方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5954954A (en) | Method and apparatus for determination of analyte concentration | |
| Cornelio-Santiago et al. | Supercritical CO2 extraction of oil from green coffee beans: Solubility, triacylglycerol composition, thermophysical properties and thermodynamic modelling | |
| Duba et al. | Supercritical CO2 extraction of grape seed oil: Effect of process parameters on the extraction kinetics | |
| Zabot et al. | Influence of the bed geometry on the kinetics of the extraction of clove bud oil with supercritical CO2 | |
| Sodeifian et al. | Optimization of Ferulago Angulata oil extraction with supercritical carbon dioxide | |
| Shahsavarpour et al. | Extraction of essential oils from Mentha spicata L.(Labiatae) via optimized supercritical carbon dioxide process | |
| CN114127552B (zh) | 使用完全蒸发真空萃取、热解吸和gcms分析改善液体样品中有机化合物的回收率 | |
| KR20180036354A (ko) | Gc-ims를 이용하여 동백 오일의 품질을 평가하는 방법 | |
| Nejad-Sadeghi et al. | Optimization of supercritical carbon dioxide extraction of essential oil from Dracocephalum kotschyi Boiss: An endangered medicinal plant in Iran | |
| US20190366230A1 (en) | High intensity targeting (hit) supercritical fluid extraction system and related methods | |
| Soares et al. | Supercritical CO2 extraction of black poplar (Populus nigra L.) extract: experimental data and fitting of kinetic parameters | |
| US6783668B2 (en) | Integrated pressurized liquid extraction and purification system | |
| JP2005291775A (ja) | 超臨界流体を用いた複数試料の成分の抽出装置及び抽出分析法 | |
| Langa et al. | The evolution of hyssop oil composition in the supercritical extraction curve: Modelling of the oil extraction process | |
| Vidović et al. | Extraction of fatty acids from Boletus edulis by subcritical and supercritical carbon dioxide | |
| Andrade-Avila et al. | Supercritical extraction process of allspice essential oil | |
| EP3072568B1 (en) | Pump-less method and apparatus for solvent extraction from a sample | |
| US20210187414A1 (en) | Systems and methods for extraction of compounds from botanical matter | |
| Acar et al. | Fatty acids, minerals contents, total phenol, antioxidant activity and proximate analyses of Nigella sativa seed cake and seed cake oil | |
| Pannusch et al. | Predicting the essential oil composition in supercritical carbon dioxide extracts from hop pellets using mathematical modeling | |
| KR20250054319A (ko) | 화학적 품질 평가 인자에 기반한 딸기 신선도 예측 방법 및 딸기 품종의 신선도 예측 시스템 | |
| US12436071B2 (en) | Method | |
| Tikunov et al. | Metabolomic profiling of natural volatiles: headspace trapping: GC-MS | |
| Reineccius | Gas chromatography and mass spectrometry in quality control and research | |
| Obek et al. | Extraction and solubility modelling of Sarawak Black Pepper Oil in Supercritical Carbon Dioxide |