JP2005291384A - ヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器 - Google Patents

ヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】コンパクト化を妨げずに凹部が深く、係止部の回動を確実にして耐久性良く係止阻止できる規制部をこれまでどおり軸取付部の脚部間に簡易に構成配設できる極めて実用性に秀れた画期的なヒンジ装置を提供する。
【解決手段】開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に対して回動自在に設けた自転回動ヒンジ部HBの軸取付部10に前記自転回動軸部16を自転回動自在に設け、この自転回動軸部16の軸取付部10内側へ突出する端部に係止部7を設け、この係止部7の自転回動並びに起伏回動を規制する規制部8を前記軸取付部10の内側に設けた起伏回動軸部9に設け、この規制部8は、前記起伏回動軸部9の外面を所定形状に形成して起伏回動軸部9に一体形成する構成とせず、外面部を所定形状に形成した規制部形成部材8Aに前記起伏回動軸部9を連結して別パーツによって起伏回動部9に前記規制部8を設けた構成としたヒンジ装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、携帯電話,モバイル等の電子機器の枢着部に設けるヒンジ装置並びにこのヒンジ装置を用いた電子機器に関するものである。
例えば従来の折り畳み式の携帯電話は、数字キーやファンクションキーを配列した操作部を下側となる本体部の上面側に設け、この操作部のキー操作等により所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部を上側となる重合部(蓋部)の伏面側(重合側)に設け、この本体部と重合部とをヒンジ装置を介して連結して、本体部と重合部とを二つ折り重合して操作部を重合部により隠蔽した折り畳み閉塞状態から、ヒンジ装置により重合部を起伏回動して略反転し、操作部とディスプレイ部とが露出した開放状態に切り替えできるように構成している。
また、従来のこのような単に起伏回動する重合部で本体部の操作部を覆う電子機器においては、折り畳み重合してコンパクト化できるものの操作部を隠蔽した重合状態ではディスプレイ部も隠蔽してしまう構造となり、コンパクト化した状態での使用が制限されざるを得なく不便である場合も多い。
また、コンパクト化のため重合した閉塞状態ではディスプレイ部は隠蔽され、使用時に重合部を開放回動して立ち起こした際にはその正面側にディスプレイ部が配置されるためディスプレイ部を見やすいが、人にディスプレイ部を見せずらいし、またカメラ部をディスプレイ部とは反対面に設けている場合、自身の顔を写してディスプレイ部に表示させる場合などは本体毎操作部も裏返し反転させなければならないため、写しづらいし、シャッター操作もしにくい。
そこで出願人は、開放した重合部や開放途中の所定角度で更に自転回動により表裏反転回動できるように構成し、不使用時あるいはキー操作を不要にして折り畳んだ際においても、言い換えるとたとえディスプレイ部を設けた重合部を本体部に重合して操作部を隠蔽したコンパクト化状態においても、従来通りディスプレイ部を伏面側にして操作部と共に隠蔽することも、逆に自転回動反転させてディスプレイ部が上側に配設され、コンパクト化した閉塞状態でもディスプレイ部を視認したり、機能させたりすることが可能となるようにし、またカメラ使用に際しては重合部を起こした所定角度で反転可能にしたものなどを提案した。
即ち、起伏回動のみにより開閉動作する従来の固定観念を打破し、開放した重合部を更に自転回動により表裏反転回動できるように構成し、不使用時あるいはキー操作を不要にして折り畳んだ際においても、従来通りディスプレイ部を伏面側にして操作部と共に隠蔽することも、逆に自転回動反転させてディスプレイ部が上側に配設され、コンパクト化した閉塞状態でもディスプレイ部を視認したり、機能させたりすることが可能となり、また更に改良して例えば自転回動させた反転途中では起伏回動が規制され、例えば所定の開放位置では反転できるが、その他の開放途中では自転回動できず、また開放状態での反転途中のままでは閉塞回動できず、重合部が捩れた位置のまま閉塞することで誤って操作部を押し操作したり、本体部を傷めないようにすることもでき、機器装置として使用用途が広がり、しかも前記開閉動作も容易となり、極めて扱い易く、また誤動作を防止でき、耐久性にも秀れるなど極めて実用性に秀れた画期的な携帯電話,モバイル等の電子機器を実現可能なヒンジ装置並びにこのヒンジ装置を用いた電子機器を提案した(特願2000−40666号等)。
このようなヒンジ装置は、次ぎのような構成である(後述する本発明と同一構成部材には同一符号を付して説明する。)。
第一部材2(本体部2)と第二部材4(重合部4)とを互いに重合した閉塞状態から開放回動して重合面が露出する開放状態となるように起伏回動自在にして、且つ第一部材2に対して相対的に開放回動する第二部材4を相対的に自転回動自在にして第二部材4の重合伏面と露出面とを反転切り替え自在に連結するヒンジ装置Hであって、起伏回動軸部9を備えた開閉回動ヒンジ部HAの一方の取付部5を前記第一部材2に連結し、他方の取付部6を前記自転回動軸部16を備えた自転回動ヒンジ部HBを介して前記第二部材4に連結して、前記自転回動ヒンジ部HBを前記開閉回動ヒンジ部HAにより起伏回動自在に設け、この開閉回動ヒンジ部HAと自転回動ヒンジ部HBとに、前記第一部材2に対して前記第二部材4が互いに重合した閉塞状態から所定角度開放回動した所定の回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態においては、前記第二部材4を前記第一部材2に対して少なくとも180度反転回動自在となり、且つ少なくとも前記所定角度以上開放回動していない回動位置では、前記第二部材4を前記第一部材2に対して、前記第二部材4と第一部材2とが重合し得る捩れのない自転回動位置から自転回動不能若しくは所定角度以上自転回動不能となる回動規制機構Sを設け、前記開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に対して回動自在に設けた前記自転回動ヒンジ部HBの軸取付部10に前記自転回動軸部16を自転回動自在に設け、この前記自転回動ヒンジ部HAの前記軸取付部5内側へ突出する端部に、前記第二部材4の自転回動と共に自転回動し、且つ前記第二部材4の起伏回動により起伏回動する係止部7を設け、この係止部7の自転回動並びに起伏回動を規制する規制部8を前記軸取付部10の内側であってこの軸取付部10を回動自在に設けた前記開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に設けた構成としている。前記軸取付部10はコ字状部材とし、このコ字状部材の両脚部10Aを前記起伏回動軸部9に回動自在に設けると共に、架設部10Bに前記自転回動軸部16を自転回動自在に設け、このコ字状の軸取付部10の内側の脚部10A間の起伏回動軸部9の外面を次のような形状に設計している。即ち、前記第一部材2と前記第二部材4とが重合し得る捩れのない自転回動位置では前記第二部材4の起伏回動を許容し、且つ互いに重合した閉塞状態から所定角度開放回動した所定の回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態においては、前記第二部材4を前記第一部材2に対して少なくとも180度反転回動することを許容するが、前記所定角度以上開放回動していない回動位置では、前記第二部材4を前記第一部材2に対して、前記第二部材4と第一部材2とが重合し得る捩れのない自転回動位置から自転回動不能若しくは所定角度以上自転回動不能となるように前記係止部7に対する前記規制部8の外面形状を設定して、前記回動規制機構Sを構成している。
例えば、前記係止部7が重合部4の自転回動と共に規制部8に対して自転回動し、重合部4の起伏回動と共に規制部8に対して公転回動するが、この係止部7を太鼓状や楕円状などの短径部と長径部とを有する平板形状や凹面形状とし、規制部8をこれを受ける凹状形状としている。この係止部7と規制部8の形状はこれに限らず様々に設計可能であるが、例えば係止部7を自転回転面に対して、長辺部と短辺部とを有する平板形状とした場合には、起伏回動軸部9の太径部間を凹設状態に設けて規制部8を形成するが(太径の起伏回動軸部9の中央部を堀り込んだ状態として起伏回動軸部9の外面部に規制部8を形成するが)、自転回動自在とすべき位置に係止部7が配されるときには、これを許容するように四方に十分な径を有する凹部形状とし、且つ所定自転回動向きで起伏回動を許容するため、起伏回動軸部9の回動方向に係止部7の公転移動(起伏回動)を許容する凹部形状とし、前記凹部空間とこの凹部空間とが連設するように形成し、この起伏回動を許容する連設凹部部分は、自転回動を阻止するため、短辺部より幅広いが長辺部より幅狭い形状とする。
また、別例としては、係止部7を下面が起伏回動軸部9を逃げる凹面形状として起伏回動に際して起伏回動軸部9を覆い配設しつつ起伏回動方向に公転移動できるようにし、且つこのときは自転回動が邪魔されて自転回動は阻止されるが、十分に起伏回動した位置では四方に広い凹部によって自転回動が阻止されないように構成するなど様々に設計可能である。
即ち、例えば重合部4を90度起伏回動するまでは重合部4は係止部7が規制部8に当たり干渉して自転回動できず、また、例えば本体部2と重合部4とを重合し得る捩れのない位置(0度,180度自動回動位置)では、規制部8内で起伏回動し、規制部8に干渉しないが、また例えば90度重合部4を自転回動した位置では、係止部7が完全に規制部8に突き当たり略立ち起こし位置(本体部2と重合部4とが略直角となる回動位置)以上は閉塞回動できないように構成することが可能である。
従って、前述のようにヒンジ装置を構成することで、自転回動させた反転途中では起伏回動が規制され、例えば開放位置では反転できるが、開放途中では自転回動できず、また開放状態での反転途中のままでは閉塞回動できず、重合部が捩れた位置のまま閉塞することで誤って操作部を押し操作したり、本体部を傷めないようにすることもでき、機器装置として使用用途が広がり、しかも前記開閉動作も容易となり、極めて扱い易く、また誤動作を防止でき、耐久性にも秀れるなど一層実用性に秀れた画期的な携帯電話,モバイル等の電子機器並びにこれらに用いられるヒンジ装置となる。
しかしながら、これまでの構成は、起伏回動軸部9の外面部を、係止部7に対応して(係止部7との関係から)所定形状に形成して起伏回動軸部9に規制部8を形成している。
即ち、起伏回動軸部9の係止部7と対応する位置を所定形状に成形若しくは加工して起伏回動軸部9に規制部8を一体形成している。
しかし一方この起伏回動軸部9にコ字形の軸取付部10を回動自在に設ける構成、即ち、起伏回動軸部9を軸取付部10の脚部10Aに設けた軸支孔10Cに通して起伏回動軸部9に軸取付部10を回動自在に設け、この軸取付部10の脚部10A間の起伏回動軸部9の外面に規制部8を一体形成する構成としている。
そのため、起伏回動軸部9自体径大とすることができず、起伏回動軸部9の外面部を凹設する段差は十分に大きくする(凹部を深くする)ことができない構成であった。言い換えると、規制部8を成形あるいは加工する母体となる起伏回動軸部9自体の外径(規制部8の最大外径)は脚部10Aを通す必要から制約があり大きくできないため、深い凹部を形成できず(深い凹部による規制部8が形成できず)、そのため係止部7の回動を阻止する段差縁は十分に高く形成できず、所期どおり係止部7の回動を阻止できるものの、強い回動力が加わったり、長期の使用によってこの凹部の段差による阻止が磨耗等によって不十分となるなどのおそれがあり、耐久性が図れない問題を生じ得る。
一方、軸取付部10の脚部10Aの軸支孔10Cを大きくして十分に深い凹部を有する規制部8とすべく起伏回動軸部9(規制部8)の径を大きくしてこれを通すと、軸取付部10が背高となるなどヒンジ装置のコンパクト化が図れず、要求スペースに組み込めない問題が逆に生じてしまう。
そのため、起伏回動軸部9に形成する規制部8の加工精度やこの材料の硬質化など様々な改良を必要とする構成とならざるを得なかった。
本発明は、このような問題を鑑み画期的な発想の転換を図って容易な改良によって、コンパクト化を妨げずに凹部が深く、係止部7の回動を確実にして耐久性良く係止阻止できる規制部8をこれまでどおり軸取付部10の脚部10A間に簡易に構成配設できる極めて実用性に秀れた画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
第一部材2と第二部材4とを互いに重合した閉塞状態から開放回動して重合面が露出する開放状態となるように起伏回動自在にして、且つ第一部材2に対して相対的に開放回動する第二部材4を相対的に自転回動自在にして第二部材4の重合伏面と露出面とを反転切り替え自在に連結するヒンジ装置Hであって、起伏回動軸部9を備えた開閉回動ヒンジ部HAの一方の取付部5を前記第一部材2に連結し、他方の取付部6を前記自転回動軸部16を備えた自転回動ヒンジ部HBを介して前記第二部材4に連結して、前記自転回動ヒンジ部HBを前記開閉回動ヒンジ部HAにより起伏回動自在に設け、この開閉回動ヒンジ部HAと自転回動ヒンジ部HBとに、前記第一部材2に対して前記第二部材4が互いに重合した閉塞状態から所定角度開放回動した所定の回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態においては、前記第二部材4を前記第一部材2に対して少なくとも180度反転回動自在となり、且つ少なくとも前記所定角度以上開放回動していない回動位置では、前記第二部材4を前記第一部材2に対して、前記第二部材4と第一部材2とが重合し得る捩れのない自転回動位置から自転回動不能若しくは所定角度以上自転回動不能となる回動規制機構Sを設け、前記開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に対して回動自在に設けた前記自転回動ヒンジ部HBの軸取付部10に前記自転回動軸部16を自転回動自在に設け、この前記自転回動ヒンジ部HAの自転回動軸部16の前記軸取付部10内側へ突出する端部に、前記第二部材4の自転回動と共に自転回動し、且つ前記第二部材4の起伏回動により起伏回動する係止部7を設け、この係止部7の自転回動並びに起伏回動を規制する規制部8を前記軸取付部10の内側であってこの軸取付部10を回動自在に設けた前記開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に設け、この規制部8は、前記起伏回動軸部9の外面を所定形状に形成して起伏回動軸部9に一体形成する構成とせず、外面部を所定形状に形成した規制部形成部材8Aに前記起伏回動軸部9を連結して別パーツによって起伏回動部9に前記規制部8を設けた構成とし、前記第一部材2と前記第二部材4とが重合し得る捩れのない自転回動位置では前記第二部材4の起伏回動を許容し、且つ互いに重合した閉塞状態から所定角度開放回動した所定の回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態においては、前記第二部材4を前記第一部材2に対して少なくとも180度反転回動することを許容するが、前記所定角度以上開放回動していない回動位置では、前記第二部材4を前記第一部材2に対して、前記第二部材4と第一部材2とが重合し得る捩れのない自転回動位置から自転回動不能若しくは所定角度以上自転回動不能となるように前記係止部7に対する前記規制部8の規制部形成部材8Aの外面形状を設定して前記回動規制機構Sを構成したことを特徴とすることを特徴とするヒンジ装置に係るものである。
また、前記軸取付部10はコ字状部材とし、このコ字状部材の両脚部10Aを前記起伏回動軸部9に回動自在に設けると共に、架設部10Bに前記自転回動軸部16を自転回動自在に設け、このコ字状の軸取付部10の内側の脚部10A間に前記規制部形成部材8Aを配設し、この規制部形成部材8Aに連結して前記規制部8を前記脚部10A間に設ける前記起伏回動軸部9に前記脚部10Aを回動自在に設けたことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置に係るものである。
また、前記規制部形成部材8Aに前記起伏回動軸部9を貫通して連結若しくは差し込み連結する軸連結孔8Bを設けると共に、前記軸取付部10の脚部10Aに前記起伏回動軸部9を挿通若しくは差し込み回動自在に連結する軸支孔10Cを設けたことを特徴とする請求項2記載のヒンジ装置に係るものである。
また、前記閉塞状態から所定角度開放回動した回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態において、前記第二部材4を自転回動して180度反転回動途中の捩れ位置にある場合には、少なくとも前記第二部材4の端部が前記第一部材2の上面に接触するに至る角度以上は閉塞回動し得ないように前記回動規制機構Sを構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒンジ装置に係るものである。
また、操作部1を設けた本体部2と、ディスプレイ部3を設けた重合部4とを、重合した状態から前記重合部4を相対的に起伏回動できるように、且つ重合部4を表裏反転自在となるべく自転回動できるように、前記本体部2と前記重合部4とを起伏回動自在且つ自転回動自在に連結するヒンジ装置Hを有し、このヒンジ装置Hには、前記本体部2を前記第一部材2若しくは第二部材4とし、前記重合部4を前記第二部材4若しくは第一部材2とした前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒンジ装置を用いたことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、例えば開放位置では反転できるが、開放途中では自転回動できず、また開放状態での反転途中のままでは閉塞回動できず、重合部が捩れた位置のまま閉塞することで誤って操作部を押し操作したり、本体部を傷めないように設計することもでき、機器装置として使用用途が広がり、しかも前記開閉動作も容易となり、極めて扱い易く、また誤動作を防止でき、耐久性にも秀れ、しかも本発明は、たとえ規制部を形成する規制部形成部材の外径を大きくしても、この規制部は軸取付部に通す起伏回動軸部に一体形成する構成ではなく、規制部形成部材を軸取付部に通す必要はない構成のため、軸取付部を大きくしなくても大きな規制部形成部材を軸取付部の内側に配することができ、しかも起伏回動軸部と規制部形成部材とを連結するため、起伏回動軸部にこれまでどおり規制部を設けることができ、そのため、従来どおりコンパクト化を図れる構成にして、十分に深い凹部を規制部形成部材に形成でき、係止部の回動を阻止する当たり面(段差面)を十分に高く形成でき、係止部の回動を確実に阻止でき、耐久性にも秀れた画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器をこの簡易な改良によって容易に実現できることとなる。
また、請求項2,3,4記載の発明においては、一層容易に本発明を実現でき、また請求項4記載の発明においては、例えば開放位置では反転できるが、開放途中では自転回動できず、また開放状態での反転途中のままでは閉塞回動できず、重合部が捩れた位置のまま閉塞することで誤って操作部を押し操作したり、本体部を傷めないようにすることもでき、機器装置として使用用途が広がり、しかも前記開閉動作も容易となり、極めて扱い易く、また誤動作を防止でき、耐久性にも秀れるなど一層実用性に秀れた画期的な携帯電話,モバイル等の電子機器並びにこれらに用いられるヒンジ装置となる。
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
例えば閉塞状態から所定角度略以上開放回動した開放状態において、第二部材4(重合部4)を第一部材2(本体部2)に対して180度自転回動して再び閉塞回動し互いに重合した閉塞状態とすることで、閉塞状態における重合部4の露出面と伏面とを反転切り替えでき、前記開放状態において重合部4を自転回動して180度反転回動途中の捩れ位置にある場合には、少なくとも前記重合部4の端部が前記本体部2の上面に接触するに至る角度以上は閉塞回動し得ないように設計できる。
従って、重合部4の自転回動と共に自転回動し重合部4の起伏回動により自転回動ヒンジ装置HBと共に起伏回動する係止部7を、自転回動ヒンジ部HBの自転回動軸部16の端部にして軸取付部10内に設け、この係止部7の自転回動並びに起伏回動を規制する規制部8を前記本体部2側の開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に設け、本体部2と重合部4とが重合し得る捩れのない自転回動位置ではこの規制部8に対して係止部7が干渉することなく重合部4の起伏回動が許容され、且つ互いに重合した閉塞状態から所定角度開放回動した開放状態においても同様に重合部4を本体部2に対して180度反転回動することが許容されるが、所定角度以上開放回動していない回動位置では、係止部7の動きが規制部8に邪魔されて、重合部4と本体部2とが重合し得る捩れのない自転回動位置から所定角度以上の自転回動が阻止されるなど閉塞回動に際して常に捩れなく重合部4を本体部2に重合閉塞でき、捩れている場合は閉塞回動できず重合部4の端部が本体部2の上面に接触しないように、前記係止部7に対する前記規制部8の形状を設定することができる。
しかも、本発明は、これまでの構成と異なり、起伏回動軸部9と規制部8とを別パーツとしたため、即ち、起伏回動軸部9の所定部分を所定形状に一体成形したり加工形成する構成とせず、起伏回動軸部9とは別パーツとして軸取付部10の脚部10A間に配設する規制部形成部材8Aに例えば起伏回動軸部9を貫通したり、起伏回動軸部9を側方から差し込み連結するなどして起伏回動軸部9と別体で設けた規制部形成部材8Aに起伏回動軸部9を連結することで起伏回動軸部9に規制部8を設けた構成としたため、起伏回動軸部9は細く、規制部形成部材8Aは大きく設計できる。これにより例えば起伏回動軸部9は細いためこれまでどおり軸取付部10の例えば脚部10A(軸支孔10C)に挿通して起伏回動軸部9に軸取付部10を回動自在に設けることができる構成でありながら、たとえ規制部形成部材8Aの外径を大きくしても脚部10A(軸支孔10C)に規制部形成部材8Aを通す必要はない構成のため、脚部10Aを大きく(軸取付部10を大きく)しなくても大きな規制部形成部材8A(深い凹部が形成可能な規制部形成部材8A)を軸取付部10の内側配することができ、しかも起伏回動軸部9と規制部形成部材8Aとを連結するため、起伏回動軸部9にこれまでどおり規制部8を設けることができる。
そのため、従来どおりコンパクト化を図れる構成にして十分に深い凹部を規制部形成部材8Aに形成でき、係止部7の回動を阻止する当たり面(段差面)を十分に高く形成でき、係止部7の回動を確実に阻止でき、耐久性にも秀れた画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器をこの簡易な改良によって容易に実現できることとなる。
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
本実施例は、重合コンパクト化の図れる携帯電話に本発明を適用したもので、回路基板,電源等の電子部品をケースに内装した板状の本体部2(第一部材2)の上面側に数字キーやファンクションキーなどを配列したキーボード機能を果たす操作部1を設け、この本体部2に重合して操作部1を覆う略同形の板状の重合部4(第二部材4)を起伏回動自在にヒンジ装置Hにより軸着連結した構成としている。
この重合部4の下面側(伏面)には予め設定した画面や前記操作部1の操作や着信等により所定の表示がなされる液晶パネルなどのディスプレイ部3を設けている。
この本体部2と重合部4との連結は、双方の端部同志の重合部分を、幅方向に配される起伏回動軸部9と、これと直交する方向に配される自転回動軸部16を有する二軸のヒンジ装置Hにより連結し、従来通り重合部4は起伏回動自在となり、且つ左右方向に180度自転回動自在(反転自在)となり、開放状態として180度反転回動することで、重合部4の表裏向きを切り替えでき、また互いに重合した閉塞状態における重合部4の伏面と露出面とを反転切り替えできるように構成している。
次に本実施例のヒンジ装置Hについて説明する。
本実施例では、前述のように本体部2と重合部4とを互いに重合した閉塞状態から起伏回動軸部9を軸として所定角度まで開放回動して重合面が露出する開放状態となるように起伏回動自在にして、且つ本体部2に対して開放回動する重合部4を自転回動軸部16を軸として自転回動自在にして重合部4の重合伏面と露出面とを反転切り替え自在に連結するヒンジ装置Hであって、前記起伏回動軸部9を備えた開閉回動ヒンジ部HAの一方の取付部5を前記本体部2に連結し、他方の取付部6を前記自転回動軸部16を備えた自転回動ヒンジ部HBを介して前記重合部4に連結して、前記自転回動ヒンジ部HBを前記開閉回動ヒンジ部HAにより起伏回動(公転回動)自在に設け、この開閉回動ヒンジ部HAと自転回動ヒンジ部HBとに、閉塞状態から所定角度以上開放回動した回動範囲(開放状態)において、前記重合部4を前記本体部2に対して180度だけ正逆自転回動自在となり、前記所定角度まで開放回動した回動位置には至らない回動位置では、自転回動が阻止されて所定角度以上は自転回動不能で、互いに重合する捩れのない状態が保持規制される回動規制機構Sを設けた構成としている。
即ち、本実施例では、前記閉塞状態から所定角度以上開放回動した開放状態において、重合部4を本体部2に対して180度自転回動して再び閉塞回動し互いに重合した閉塞状態とすることで、閉塞状態における重合部4の露出面と伏面とを反転切り替えでき、前記開放状態において重合部4を自転回動して180度反転回動途中の捩れ位置にある場合には、少なくとも前記重合部4の端部が前記本体部2の上面に接触するに至る角度以上は閉塞回動し得ないように前記回動規制機構Sを構成している。
具体的には、重合部4の自転回動と共に自転回動し重合部4の起伏回動により自転回動ヒンジ装置HBと共に起伏回動する係止部7を自転回動ヒンジ部HBの自転回動軸部16の端部にしてこの自転回動軸部16を自転回動自在に設けるコ字形の軸取付部10内に設け、この係止部7の自転回動並びに起伏回動を規制(許容・阻止)する規制部8を前記本体部2側の開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に設け、本体部2と重合部4とが重合し得る捩れのない自転回動位置ではこの規制部8に対して係止部7が干渉することなく重合部4の起伏回動が許容され、且つ互いに重合した閉塞状態から所定角度以上開放回動した開放状態においても同様に重合部4を本体部2に対して180度反転回動することが許容されるが、所定角度以上開放回動していない回動位置では、係止部7の動きが規制部8に邪魔されて、重合部4と本体部2とが重合し得る捩れのない自転回動位置から所定角度以上の自転回動が阻止されて閉塞回動に際して重合部4の端部が本体部2の上面に接触しないように、前記係止部7に対する前記規制部8の形状が設定されている。
即ち本実施例では、本実施例の開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に前記係止部7の起伏回動と自転回動を許容する空間(前記係止部7配設空間)としての凹所部を形成し、この凹所部を規制部8としている。
更に具体的に説明すると、自転回動ヒンジ部HBの自転回動軸部16の取付座ベースとなる軸取付部10(ベース部10)をコ字形に形成し、このベース部10の対向脚部10Aには起伏回動軸部9を挿通する軸支孔10C孔を設け、上片部(架設部10B)には自転回動軸部16を挿通する軸孔を設けている。
先ず、開閉回動ヒンジ部HAについて説明すると、前記ベース部10に挿通した起伏回動軸部9を、ベース部10の側方に配した回り止め形状の筒状ケース12内に配し、この筒状ケース12内に前記起伏回動軸部9を軸として互いに凹凸係合するカム部13とカム係合部14の少なくとも一方を相対回動自在にしてスライド自在に内装し、この筒状ケース12を取付部5として第一部材2の被嵌連結部15に連結すると共に、起伏回動軸部9の反対端も第一部材2に係合している。従って、所定起伏回動位置では、カム係合付勢とバネ11による係合付勢とで位置決め(カムロック)されるように構成し、例えば閉塞状態ではカム係合途中にあって閉塞付勢され、開放状態ではカム係合保持(カムロック)され、また起伏回動途中ではバネ付勢により回動抵抗が生じ、手を放した回動位置が保持されるフリーストップを実現できるように構成している。
本実施例では、起伏回動軸部9に挿通して共回りする前記カム部13をスライド自在に前記筒状ケース12に内装し、他方のカム係合部14は、起伏回動軸9に対して相対的に起伏回動する前記ベース部10の一方の対向脚部10Aに凹凸を形成してこれ自体をカム係合部14としている。
また、この対向脚部10A間の起伏回動軸部9に前記凹所部を形成して規制部8を設けている。
そしてこの本体部2(筒状ケース12,起伏回動軸部9)に対して起伏回動するベース部10に、重合部4を自転回動ヒンジ部HBを介して自転回動自在に連結している。
この自転回動軸部16を備えた自転回動ヒンジ部HBは、前記ベース部10(軸取付部10)の上片部(架設部10B)の軸孔に、一端(上端)に設けた取付部6を介して重合部4に連結し、他端(下端)に前記係止部7を設けた自転回動軸部16を挿通し、この自転回動軸部16(と前記取付部6)に回り止めされるカム部17を挿通すると共にこのカム部17にカム係合するカム係合部18を本実施例ではベース部10の上片部(架設部10B)に凹凸を形成して設け、前記カム部13を自転回動軸部16に沿ってスライド自在に設けると共にバネ19により係合付勢されるように構成している。
従って、重合部4は自転回動軸部16を軸に自転回動し、前記カム部17とカム係合部18とのカム係合により、重合閉塞状態できる捩れない回動向きではカムロックされるように構成している。
また、捩れのない向きから180度自転回動する際には、バネ19に抗してカム部17がカム係合部18に対して離脱して相対回動し、0度と180度反転位置で開閉回動ヒンジ部HAと略同様に互いに凹凸係合してカムロックされると共に、回動途中位置ではバネ付勢によりフリーストップが実現されるようにして、閉塞回動可能となる捩れのない0度,180度回動位置で位置決めされ、ふらつき回動しないように構成している。
また、本実施例では配線に支障のないように略180度以上回動せずこの範囲において正逆自転回動自在となるようにカム部17若しくはこのカム部17(自転回動軸部16)と共に回動する部材と、カム係合部18若しくはこれと一体となる部材とに互いに突き合い係止するストッパー部20を設けている。
また、本実施例では、前記係止部7が重合部4の自転回動と共に規制部8に対して自転回動し、重合部4の起伏回動と共に規制部8に対して公転回動するが、この係止部7を太鼓状や楕円状などの短径部と長径部とを有する平板形状や凹面形状とし、規制部8をこれを受ける凹状形状としている。この係止部7と規制部8の形状はこれに限らず様々に設計可能であるが、例えば係止部7を自転回転面に対して、長辺部と短辺部とを有する形状とした場合には、起伏回動軸部9と同軸である規制部形成部材8Aの太径部間を凹設状態に設けて規制部8を形成するが、自転回動自在とすべき位置に係止部7が配されるときには、これを許容するように四方に十分な径を有する凹部形状とし、且つ所定自転回動向きで起伏回動を許容するため、起伏回動軸部9の回動方向に係止部7の公転移動(起伏回動)を許容する凹部形状とし、前記凹部空間とこの凹部空間とが連設するように形成し、この起伏回動を許容する連設凹部部分は、自転回動を阻止するため、短辺部より幅広いが長辺部より幅狭い形状としている。
また、別例としては、係止部7を下面が起伏回動軸部9を逃げる凹面形状として起伏回動に際して起伏回動軸部9を覆い配設しつつ起伏回動方向に移動できるようにし、且つこのときは自転回動が邪魔されて自転回動は阻止されるが、十分に起伏回動した位置では四方に広い凹部によって自転回動が阻止されないように構成するなど様々に設計可能である。
即ち、例えば重合部4を90度起伏回動するまでは重合部4は係止部7が規制部8に当たり干渉して自転回動できず、また、例えば本体部2と重合部4とを重合し得る捩れのない位置(0度,180度自動回動位置)では、規制部8内で起伏回動し、規制部8に干渉しないが、また例えば90度重合部4を自転回動した位置では、係止部7が完全に規制部8に突き当たり略立ち起こし位置(本体部2と重合部4とが略直角となる回動位置)以上は閉塞回動できないように構成する。
更に説明すれば、本実施例では、前記開閉回動ヒンジ部HAによりカム係合による位置決めロックされた開放状態(並びに略立ち起こした位置に至るまでの開放状態にある回動位置)では、係止部7が規制部8に干渉することなく自由に180度正逆自転回動可能な状態となり、またカムロックしていた開放状態からの閉塞回動に際しては、係止部7の向きが起伏回動可能な状態にあり、また、開放状態で重合部4を自転回動して捩れた回動位置にある場合は、係止部7が規制部8に干渉して前記開放回動位置以上は閉塞回動できず、従って正しい重合向きでない場合には重合部4は閉塞回動できないように構成している。
従って、捩れた状態で閉塞回動することも阻止され、また正しい向きで閉塞回動する途中で捩れた向きに自転回動することも阻止されるため、重合部4の端部角部が本体部2に突き当たることを防止でき、また本体部2上の操作部1を誤って押し操作することも防止できるように構成している。
また、規制部8の端部を所定形状に面取り設定することで、少し捩れた回動位置で重合部4を閉塞回動すると、前記規制部8の上端形状に沿って自動的に重合部4が正しい向きに修正自転回動して重合閉塞するように構成することもでき、また、前述のようにどの開放範囲まで自転回動可能とし、どのくらい捩れていたら、どの位置以上閉塞回動不能とするかも微妙に調整設定できることとなる。
従って、重合部4が捩れ位置にあるにもかかわらず重合部4を閉塞回動することで重合部4の端部角部が前述のように本体部2に接触することを容易に阻止でき、しかも、本実施例では、係止部7と規制部8との形状設定により前述のように回動規制することを容易に実現することができるため、この回動規制を様々なバリエーションに簡単に設計できることとなる。
また、本実施例では、前述のように前記自転回動ヒンジ部HAの前記軸取付部5内側へ突出する端部に、前記第二部材4の自転回動と共に自転回動し、且つ前記第二部材4の起伏回動により起伏回動する係止部7を設け、この係止部7の自転回動並びに起伏回動を規制する規制部8を前記軸取付部10の内側であってこの軸取付部10を回動自在に設けた前記開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9に設けるが、この規制部8は、前記回動軸部16の外面を所定形状に形成して起伏回動軸部9に一体形成する構成とせず、外面部を所定形状に形成した規制部形成部材8Aに前記起伏回動軸部9を連結して別パーツによって起伏回動部9に前記規制部8を設けた構成としている。
即ち、前記軸取付部10はコ字状部材とし、このコ字状部材の両脚部10Aを前記起伏回動軸部9に回動自在に設けると共に、架設部10Bに前記自転回動軸部16を自転回動自在に設け、このコ字状の軸取付部10の内側の脚部10A間に前記規制部形成部材8Aを配設し、前記起伏回動軸部9を両脚部10Aの軸支孔10Cに通して起伏回動軸部9に軸取付部10を回動自在に設けると共にこの起伏回動軸部9を前記規制部形成部材8Aの軸連結孔8Bに貫通して連結して、前記規制部8を前記脚部10A間にして起伏回動軸部9に設けた構成としている。
従って、これまでの構成と異なり、起伏回動軸部9と規制部8とを別パーツとしたため、即ち、起伏回動軸部9の所定部分を所定形状に一体成形したり加工形成する構成とせず、起伏回動軸部9とは別パーツとして軸取付部10の脚部10A間に配設する規制形成部材8Aに起伏回動軸部9を貫通したり、起伏回動軸部9を側方から差し込み連結するなどして起伏回動軸部9と別体で設けた規制部形成部材8Aに起伏回動軸部9を連結することで起伏回動軸部9に規制部8を設けた構成としたため、起伏回動軸部9は細く、規制部形成部材8Aは大きく設計できる。これにより起伏回動軸部9は細いためこれまでどおり軸取付部10の脚部10A(軸支孔10C)に挿通して起伏回動軸部9に軸取付部10を回動自在に設けることができる構成でありながら、たとえ規制部形成部材8Aの外径を大きくしても脚部10A(軸支孔10C)に規制部形成部材8Aを通す必要はない構成のため、脚部10Aを大きく(軸取付部10を大きく)しなくても大きな規制部形成部材8A(深い凹部が形成可能な規制部形成部材8A)を軸取付部10の内側配することができ、しかも起伏回動軸部9と規制部形成部材8Aとを連結するため、起伏回動軸部9にこれまでどおり規制部8を設けることができる。
そのため、従来どおりコンパクト化を図れる構成にして十分に深い凹部を規制部形成部材8Aに形成でき、係止部7の回動を阻止する当たり面(段差面)を十分に高く形成でき、係止部7の回動を確実に阻止でき、耐久性にも秀れた画期的なヒンジ装置並びにヒンジ装置を用いた電子機器をこの簡易な改良によって容易に実現できることとなる。
また、本実施例では、前記開閉回動ヒンジ部HAの前記起伏回動軸部9若しくはこの起伏回動軸部9の軸方向に設ける部材、前記第一部材2に設ける回路部と前記第二部材4に設ける回路部とを電気接続する配線21を巻回する配線巻回部22を設けている。
即ち、前記開閉回動ヒンジ部HAの起伏回動軸部9の一部若しくはこの軸方向に設けた部分であって前記規制部8の側方部に、外周部に前記配線21の巻回スペースが確保される部分を形成して前記配線巻回部22を設けている。
具体的には、前記ベース部10のカム係合ロック機構(筒状ケース12)を設けた側と反対側に延長した起伏回動軸部9を第一部材2に係合するが、この反対側は単に起伏回動軸部9を延長するだけの構成、即ち、延長した軸部にはカム係合機構は設けず、この延長した部分(起伏回動軸部9の一部)を配線巻回部22としている。
即ち、本実施例では、起伏回動軸部9の片側には、配線21、具体的にはフレキシブル配線21を数回巻回固定保持する巻回部分としての配線巻回部22を設けている。また一方、前記自転回動ヒンジ部HBの前記自転回動軸部16にも、前記第一部材2に設ける回路部と前記第二部材4に設ける回路部とを電気接続する配線21を巻回する配線巻回部22を設けている。
即ち、自転回動軸部16に巻回用リング23を被嵌し、これも配線巻回部22としている。従って、本発明は、このような開閉動作や規制動作に支障をきたすことなく、容易に配線することができる。
また、実施例1では、軸取付部10の脚部10Aに配した規制部形成部材8Aに、脚部10Aの軸支孔10Cに挿通した起伏回動軸部9をこの規制部形成部材8Aの軸連結孔8Bに貫通して起伏回動軸部9と規制部形成部材8Aとを連結したが、本実施例では、脚部10A間に配する規制部形成部材8Aに起伏回動軸部9を貫通する軸連結孔8Bを設けず、左右の脚部10Aの軸支孔10Cに夫々通す起伏回動軸部9と差し込み連結する軸連結孔8Bを規制部形成部材8Aの左右に設けて左右の起伏回動軸部9と中央の規制部形成部材8Aとを連結して起伏回動軸部9に規制部8を設ける構成としている(他の構成は実施例1と同様である。)。
この実施例では規制部形成部材8Aには貫通孔が不要であり、そのため中心部に通し軸がないため、更にこの規制部形成部材8Aには深い凹部を形成可能となり、それ故係止部7の当たり段差を一層高く(深く)設計でき、確実に係止部7を規制でき、耐久性にも極めて秀れた一層本発明の作用・効果が良好に発揮できるものとなる。
尚、本発明は、本実施例1,2に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
本実施例1の使用状態を示す説明斜視図である。 本実施例1のヒンジ装置の斜視図である。 本実施例1のヒンジ装置の分解斜視図である。 従来のヒンジ装置規制部の説明図である。 本実施例1のヒンジ装置規制部の説明図である。 本実施例1の起伏回動軸部,規制部,軸取付部の説明図である。 本実施例1のヒンジ装置の説明断面図である。 本実施例2のヒンジ装置の斜視図である。 本実施例2のヒンジ装置の分解斜視図である。 本実施例2のヒンジ装置規制部及び回動軸をオフセットにしたヒンジ装置規制部の説明図である。 本実施例2の起伏回動軸部,規制部,軸取付部の説明図である。 本実施例2のヒンジ装置の説明断面図である。 従来のヒンジ装置の説明斜視図である。 従来のヒンジ装置の説明分解斜視図である。 従来のヒンジ装置の起伏回動及び自転回動の動きを示す説明斜視図である。
符号の説明
1 操作部
2 第一部材(本体部)
3 ディスプレイ部
4 第二部材(重合部)
5 取付部
6 取付部
7 係止部
8 規制部
8A 規制部形成部材
8B 軸連結孔
9 起伏回動軸部
10 軸取付部
10A 脚部
10B 架設部
10C 軸支孔
16 自転回動軸部
H ヒンジ装置
HA 開閉回動ヒンジ装置
HB 自転回動ヒンジ部
S 回動規制機構

Claims (5)

  1. 第一部材と第二部材とを互いに重合した閉塞状態から開放回動して重合面が露出する開放状態となるように起伏回動自在にして、且つ第一部材に対して相対的に開放回動する第二部材を相対的に自転回動自在にして第二部材の重合伏面と露出面とを反転切り替え自在に連結するヒンジ装置であって、起伏回動軸部を備えた開閉回動ヒンジ部の一方の取付部を前記第一部材に連結し、他方の取付部を前記自転回動軸部を備えた自転回動ヒンジ部を介して前記第二部材に連結して、前記自転回動ヒンジ部を前記開閉回動ヒンジ部により起伏回動自在に設け、この開閉回動ヒンジ部と自転回動ヒンジ部とに、前記第一部材に対して前記第二部材が互いに重合した閉塞状態から所定角度開放回動した所定の回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態においては、前記第二部材を前記第一部材に対して少なくとも180度反転回動自在となり、且つ少なくとも前記所定角度以上開放回動していない回動位置では、前記第二部材を前記第一部材に対して、前記第二部材と第一部材とが重合し得る捩れのない自転回動位置から自転回動不能若しくは所定角度以上自転回動不能となる回動規制機構を設け、前記開閉回動ヒンジ部の起伏回動軸部に対して回動自在に設けた前記自転回動ヒンジ部の軸取付部に前記自転回動軸部を自転回動自在に設け、この前記自転回動ヒンジ部の自転回動軸部の前記軸取付部内側へ突出する端部に、前記第二部材の自転回動と共に自転回動し、且つ前記第二部材の起伏回動により起伏回動する係止部を設け、この係止部の自転回動並びに起伏回動を規制する規制部を前記軸取付部の内側であってこの軸取付部を回動自在に設けた前記開閉回動ヒンジ部の起伏回動軸部に設け、この規制部は、前記起伏回動軸部の外面を所定形状に形成して起伏回動軸部に一体形成する構成とせず、外面部を所定形状に形成した規制部形成部材に前記起伏回動軸部を連結して別パーツによって起伏回動部に前記規制部を設けた構成とし、前記第一部材と前記第二部材とが重合し得る捩れのない自転回動位置では前記第二部材の起伏回動を許容し、且つ互いに重合した閉塞状態から所定角度開放回動した所定の回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態においては、前記第二部材を前記第一部材に対して少なくとも180度反転回動することを許容するが、前記所定角度以上開放回動していない回動位置では、前記第二部材を前記第一部材に対して、前記第二部材と第一部材とが重合し得る捩れのない自転回動位置から自転回動不能若しくは所定角度以上自転回動不能となるように前記係止部に対する前記規制部の規制部形成部材の外面形状を設定して前記回動規制機構を構成したことを特徴とすることを特徴とするヒンジ装置。
  2. 前記軸取付部はコ字状部材とし、このコ字状部材の両脚部を前記起伏回動軸部に回動自在に設けると共に、架設部に前記自転回動軸部を自転回動自在に設け、このコ字状の軸取付部の内側の脚部間に前記規制部形成部材を配設し、この規制部形成部材に連結して前記規制部を前記脚部間に設ける前記起伏回動軸部に前記脚部を回動自在に設けたことを特徴とする請求項1記載のヒンジ装置。
  3. 前記規制部形成部材に前記起伏回動軸部を貫通して連結若しくは差し込み連結する軸連結孔を設けると共に、前記軸取付部の脚部に前記起伏回動軸部を挿通若しくは差し込み回動自在に連結する軸支孔を設けたことを特徴とする請求項2記載のヒンジ装置。
  4. 前記閉塞状態から所定角度開放回動した回動位置若しくは所定角度以上開放回動した開放状態において、前記第二部材を自転回動して180度反転回動途中の捩れ位置にある場合には、少なくとも前記第二部材の端部が前記第一部材の上面に接触するに至る角度以上は閉塞回動し得ないように前記回動規制機構を構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒンジ装置。
  5. 操作部を設けた本体部と、ディスプレイ部を設けた重合部とを、重合した状態から前記重合部を相対的に起伏回動できるように、且つ重合部を表裏反転自在となるべく自転回動できるように、前記本体部と前記重合部とを起伏回動自在且つ自転回動自在に連結するヒンジ装置を有し、このヒンジ装置には、前記本体部を前記第一部材若しくは第二部材とし、前記重合部を前記第二部材若しくは第一部材とした前記請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒンジ装置を用いたことを特徴とするヒンジ装置を用いた電子機器。
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