JP2005291284A - ダンパ - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡易な構成で、移動位置に対応して減衰力の大きさを調整することができるダンパを提供する。
【解決手段】 磁性材料の上側、下側筒状体7a,7bの間に非磁性材料の環状体8を設け、シリンダ2の第1室3内に上下動可能にピストン16を収納した。ピストン16は、外周部に流通路20を形成したガイド部材17及び磁性材料からなるピストン本体18からなり、ピストン本体18とシリンダ2との間には流通路20と共に流路21を構成する隙間19を形成させている。環状体8に対応するシリンダ2の外周側に永久磁石15を備えた。ピストン16の移動に伴ない、ピストン本体18の環状体8及び筒状体7に対する対面状況が変化し、磁性流体6に作用する磁場の大きさが変化する。このため、磁性流体6の粘度が変化して、ピストン16に作用する減衰力の大きさが変化する。
【選択図】 図2
【解決手段】 磁性材料の上側、下側筒状体7a,7bの間に非磁性材料の環状体8を設け、シリンダ2の第1室3内に上下動可能にピストン16を収納した。ピストン16は、外周部に流通路20を形成したガイド部材17及び磁性材料からなるピストン本体18からなり、ピストン本体18とシリンダ2との間には流通路20と共に流路21を構成する隙間19を形成させている。環状体8に対応するシリンダ2の外周側に永久磁石15を備えた。ピストン16の移動に伴ない、ピストン本体18の環状体8及び筒状体7に対する対面状況が変化し、磁性流体6に作用する磁場の大きさが変化する。このため、磁性流体6の粘度が変化して、ピストン16に作用する減衰力の大きさが変化する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、全自動洗濯機、車両及び建物などに用いられるダンパに係り、特に作動流体として磁性流体を用いたダンパに関する。
従来の磁性流体を用いたダンパの一例として、特許文献1に示すダンパがある。このダンパは、磁性材料から作製された筒状ケーシング内に、磁性材料製のピストン状部材をその軸線方向に摺動可能に嵌合保持させ、ピストン状部材の外周部にその摺動方向に沿い上下二段の環状凹部を形成し、これら環状凹部内に環状形の二つの電磁石をそれらの同極が対向する状態で収納配置して固定し、筒状ケーシングの内周面とピストン状部材の外周面との対向面間に、その全周囲がシール部材で密封状態に包囲されてカプセル状に構成された磁性流体を環状形に介在させている。
そして、このダンパでは、電磁石のコイルに、磁束制御装置を接続し、コイルへの通電電流を調整して磁力を変化させて、電磁石、ピストン状部材及びカプセル状磁性流体の介在領域に磁束を高密度に収束させてその高密度磁束によりカプセル状磁性流体の粘度、ひいてはピストン状部材の移動抵抗を急速に大きくさせるようにしている。
特開2003−214480号公報
ところで、磁性流体を用いたダンパは、近時、種々の装置に用いられ、その用途拡大に伴ない、例えばシリンダに対するピストンのような変位部材(上記従来技術ではピストン状部材)の変位に対応した減衰力の大きさ変更を、簡易な構成で果すことが要望されるようになってきている。
例えば、全自動洗濯機では、静音化を図る上で、洗濯槽の振動が大きい共振時においては十分な減衰力が必要であると共に、振動が小さい脱水時には減衰力の低減が求められ、かつ、周囲部材との干渉抑制及び高寿命化が要望され、これにより、全自動洗濯機には変位部材の変位に対応した減衰力の大きさ変更を、簡易な構成で果すダンパが望まれている。
例えば、全自動洗濯機では、静音化を図る上で、洗濯槽の振動が大きい共振時においては十分な減衰力が必要であると共に、振動が小さい脱水時には減衰力の低減が求められ、かつ、周囲部材との干渉抑制及び高寿命化が要望され、これにより、全自動洗濯機には変位部材の変位に対応した減衰力の大きさ変更を、簡易な構成で果すダンパが望まれている。
しかしながら、上述した従来技術では、ピストン状部材及び筒状ケーシングが相対変位する際、磁性流体を包囲するシール部材に対してピストン状部材及び/又は筒状ケーシングが摺動し、シール部材には大きな負担がかかる。このため、シール部材が破損して磁性流体が漏れないようにする必要があることから、ピストン状部材の移動範囲が制約されることになる。また、ピストン状部材の移動範囲を広げようとする場合には、シール部材の破損防止を図るための何らかの対策を施す必要があり、構造の複雑化を招くことになる。このため、上述した従来技術では、ピストン状部材の変位に対応させた減衰力調整を、簡易な構造で果すことは難しいというのが実情である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で、移動位置に対応して減衰力の大きさを調整することができるダンパを提供することを目的とする。
請求項1記載の発明に係るダンパは、磁場によって粘度が変化する流体が封入されたシリンダと、シリンダ内を上室及び下室に画成するようにシリンダ内に摺動可能に収納されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記上室及び前記下室間の前記流体の流れを許容するように前記ピストンの外周部側に設けられた流路と、前記シリンダの外周部又は前記ピストンに備えられた磁石と、を備え、前記シリンダは、磁界を内部に形成する材料からなる筒状体と、該筒状体の軸方向に沿って定められる1又は2以上の部分に形成された透磁率の低い部分とから構成されることを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のダンパにおいて、前記透磁率の低い部分は環状領域として前記シリンダの長手方向の略中間部分の1箇所設けたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載のダンパにおいて、前記透磁率の低い部分は環状領域として前記シリンダの長手方向の略中間部分の1箇所設けたことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載のダンパにおいて、前記磁石は、前記シリンダの外周部に備えられ、かつ、その中心が環状領域に臨み、かつ両端側が筒状体にそれぞれ臨むように配置されることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載のダンパにおいて、前記磁石は、前記ピストンに備えられ、かつ、前記環状領域は、前記筒状体の内側部分であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4までの何れかに記載のダンパにおいて、磁石は、電磁石であることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項2記載のダンパにおいて、前記磁石は、前記ピストンに備えられ、かつ、前記環状領域は、前記筒状体の内側部分であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1から4までの何れかに記載のダンパにおいて、磁石は、電磁石であることを特徴とする。
請求項1又は2記載の発明によれば、ピストンが筒状体に対面する位置にある場合と、透磁率の低い部分に対面する位置にある場合で、磁石が発生する磁束が流路を通過する量が異なるので、流路に存在する流体の粘度が、異なったものになり、流体が流路を通過することに伴なって発生する減衰力の大きさが、上記2つの場合で異なる。このため、ピストンの移動に伴ない、シリンダの長手方向に少なくとも3箇所で、異なる大きさの減衰力を発生できる。すなわち、ピストンの移動位置に対応して減衰力の大きさを調整することができる。
また、このような移動位置に対応した減衰力の大きさ調整を、前記シリンダについて、磁界を内部に形成する材料からなる筒状体と、該筒状体の軸方向に沿って定められる1又は2以上の部分に形成された透磁率の低い部分と、から構成して果たしているので、構造の複雑化を招くことがない。
請求項3記載の発明によれば、磁石をピストン側に設ける場合に比して、構造が簡易になる。
また、このような移動位置に対応した減衰力の大きさ調整を、前記シリンダについて、磁界を内部に形成する材料からなる筒状体と、該筒状体の軸方向に沿って定められる1又は2以上の部分に形成された透磁率の低い部分と、から構成して果たしているので、構造の複雑化を招くことがない。
請求項3記載の発明によれば、磁石をピストン側に設ける場合に比して、構造が簡易になる。
請求項4記載の発明によれば、シリンダの外周部が簡易化され、周囲部材に対する干渉が少なくなる。
請求項5記載の発明によれば、電磁石への供給電流を変化させる事により減衰力の調整が可能となる。
請求項5記載の発明によれば、電磁石への供給電流を変化させる事により減衰力の調整が可能となる。
以下、本発明の第1実施の形態に係るダンパを図1ないし図3に基づいて説明する。
図1ないし図3において、ダンパ1は、シリンダ2と、シリンダ2内を第1、第2室3,4に画成するように液密及び気密状態でシリンダ2内に摺動可能に収納されるフリーピストン5と、を備えている。第1室3には磁性流体6(磁場によって粘度が変化する流体)が封入され、第2室4にはガスが封入されており、第1室3内の圧力変化に対応して、第2室4内のガスの圧縮・膨張を伴ないつつフリーピストン5が上下動する。
図1ないし図3において、ダンパ1は、シリンダ2と、シリンダ2内を第1、第2室3,4に画成するように液密及び気密状態でシリンダ2内に摺動可能に収納されるフリーピストン5と、を備えている。第1室3には磁性流体6(磁場によって粘度が変化する流体)が封入され、第2室4にはガスが封入されており、第1室3内の圧力変化に対応して、第2室4内のガスの圧縮・膨張を伴ないつつフリーピストン5が上下動する。
シリンダ2は、磁性材料(透磁率の高い磁場の作用を受け易い材料)からなる有底の筒状体7と、筒状体7における長手方向の略中央領域40に、前記磁性材料に代えて配置される、非磁性材料(透磁率の低い磁場の作用を受け難い材料)からなる環状体8と、筒状体7の開口部(符号省略)を閉塞すると共に、ピストンロッド9を挿通させてこれを案内するガイド用蓋部10と、から構成されている。筒状体7は、環状体8を間にして2部材に分離された形態となっており、以下、適宜、2部材のうちガイド用蓋部10が装着される方を上側筒状体7aといい、底部を備えている方を下側筒状体7bという。下側筒状体7bの底部には、取付フランジ11が固着されている。
シリンダ2の外周部には、内側と外側で異なる磁極とした(この実施の形態では、内側がN極、外側がS極とされている。)環状の永久磁石15が装着されている。永久磁石15は、その中心を環状体8の軸方向(図1上下方向)の中心部に略一致させ、両端側がそれぞれ下側筒状体7b、上側筒状体7aに臨むように配置されている。
第1室3内には、ピストン16が第1室3内を上室3a及び下室3bに画成するように摺動可能に収納されている。ピストン16には、ピストンロッド9の一端部9aが連結され、他端部9bが第1室3(シリンダ2)の外部へ延出されている。
ピストン16は、ピストンロッド9の一端部9aに嵌合してこれに固着されシリンダ2に摺動して移動する環状のガイド部材17と、ピストンロッド9の一端部9aの先端に設けられた雄ねじ(符号省略)に螺合してピストンロッド9に固定されるピストン本体18と、からなっている。ガイド部材17は非磁性材料からなり、ピストン本体18は磁性材料からなっている。
ピストン16は、ピストンロッド9の一端部9aに嵌合してこれに固着されシリンダ2に摺動して移動する環状のガイド部材17と、ピストンロッド9の一端部9aの先端に設けられた雄ねじ(符号省略)に螺合してピストンロッド9に固定されるピストン本体18と、からなっている。ガイド部材17は非磁性材料からなり、ピストン本体18は磁性材料からなっている。
ピストン本体18の外径寸法はシリンダ2の内径寸法より小さくなっており、ピストン本体18とシリンダ2との間には隙間19が形成されている。ピストン本体18の厚さ寸法は、環状体8の軸方向の長さ寸法に比して小さくなっている。ガイド部材17の外周部には周方向に複数個の切欠状の流通路20が形成されており、隙間19及び流通路20を通して、磁性流体6が上室3a及び下室3b間を流通するようになっている。隙間19及び流通路20により流路21が構成されている。
上述したように構成されたダンパ1では、シリンダ2に連結した固定部(図示省略)に対して、ピストンロッド9に連結した可動部(図示省略)が振動してピストンロッド9が軸方向に大きな力を受けると、ピストン16は例えば環状体8を中心にして振動する。ピストン16の振動の振幅が充分に大きければ、ピストン16は、下側筒状体7b、上側筒状体7aに臨む部分まで移動することになる。上述したピストン16の移動に伴ない、シリンダ2を間にしたピストン16(磁性材料からなるピストン本体18を有している)と永久磁石15との配置状態が変化し、磁性流体6に作用する磁場の大きさが変化する。このため、磁性流体6の粘度が変化して、ピストン16に作用する減衰力の大きさが変化することになる。
例えば、図1及び図3に示すように、ピストン本体18の中心P1が環状体8の軸方向の中心K1に一致する(図3横軸0の位置)ようにピストン本体18が環状体8に対面しているときには、ピストン本体18及び永久磁石15間に環状体8(非磁性材料)が介在することから、環状体8を介してピストン本体18及び永久磁石15を接続する磁路は形成されない。このため、永久磁石15が発生する磁束は、ピストン本体18を殆ど通過しないので、流路21に存在する磁性流体6にかかる磁場は小さくなり、ひいてはその粘度が小さくなって、ダンパ1が発生する減衰力は図3縦軸Tの近傍部分に示すように、小さくなる。
そして、図2に示すように、ピストン16が図2上方から下方にさらに移動して、ピストン本体18が下側筒状体7bに侵入し、例えばピストン本体18の中心が環状体8及び下側筒状体7bの接合部25に達すると、ピストン本体18及び永久磁石15間に下側筒状体7b(磁性材料)が介在することから、下側筒状体7bを介してピストン本体18及び永久磁石15を接続する磁路26が形成される。そして、永久磁石15が発生する磁束Fは、磁路26を通ってピストン本体18に伝わる。このため、流路21に存在する磁性流体6には大きな磁場がかかり、ひいてはその粘度が大きくなる。このため、ダンパ1が発生する減衰力は、図3の接合部25の近傍部分に示すように、大きくなる。さらに、ピストン16が図2下方向に移動し、ピストン本体18の全面が下側筒状体7bに対面した状態で最大の減衰力を発生し、その後、さらにピストン16が図2下方向に移動して永久磁石15と対面する面積が小さくなるのに伴ない発生する減衰力が低下する。
また、ピストン16が図1上方向に移動する(図3ではピストン16は右から左に方向に推移する)際にも、上述した図1下方向への移動の場合と略同等にピストン16の移動に伴ない減衰力の大きさが変化することになる。
また、ピストン16が図1上方向に移動する(図3ではピストン16は右から左に方向に推移する)際にも、上述した図1下方向への移動の場合と略同等にピストン16の移動に伴ない減衰力の大きさが変化することになる。
上述したように、ピストン16の移動位置に対応して減衰力の大きさを調整することができる。そして、このような移動位置に対応した減衰力の大きさ調整を、前記シリンダ2について、磁性材料(透磁率の高い磁場の作用を受け易い材料)からなる筒状体7と、筒状体7の軸方向に沿って定められる一つの環状領域に、磁性材料に代えて配置される、非磁性材料(透磁率の低い磁場の作用を受け難い材料)からなる環状体8と、から構成して果たしているので、構造の複雑化を招くことがない。
本実施の形態のダンパ1は、ピストン16の移動位置に対応して減衰力の大きさを調整することができるので、近時要望されている全自動洗濯機の静音化のためにも用いることができる。すなわち、全自動洗濯機では、洗濯槽の振動が大きい共振時においては十分な減衰力が必要であると共に、振動が小さい脱水時には減衰力の低減が求められている。これに対して、ピストン16が環状体8に対面しているときは発生する減衰力は小さく、また、振動が大きくなり、ピストン16が上側筒状体7a又は下側筒状体7bに対面するように振動が大きくなると、ピストン16が上側筒状体7a又は下側筒状体7bに対面したことに伴ない、大きな減衰力を発生する。このため、本実施の形態のダンパ1を全自動洗濯機に用いることにより、全自動洗濯機で起こり得る振動を、この振動の発生状況に対応して適切に抑制でき、その静音化を良好に図ることができる。
また、本実施の形態では、永久磁石15をシリンダ2の外周側に設けているので、磁石をピストン側に設ける場合に比して、構造が簡易になる。
また、本実施の形態では、永久磁石15をシリンダ2の外周側に設けているので、磁石をピストン側に設ける場合に比して、構造が簡易になる。
前記第1実施の形態では、磁石として環状の永久磁石15を用いた場合を例にしたが、本発明はこれに限らず、永久磁石15に代えて、図4に示すように、シリンダ2の環状体8の外周部に、放射状に配置された棒状の複数本の永久磁石15Aを設けてダンパ1Aを構成してもよい(第2実施の形態)。
また、前記第1実施の形態では、環状の永久磁石15の内側及び外側で磁極が異なるようにした場合を例にしたが、本発明はこれに限らず、永久磁石15に代えて、図5に示すように、例えば上側端部をN極とし、下側端部をS極として軸方向の両端部で磁極が異なるようにした永久磁石15Bを設けてダンパ1Bを構成してもよい(第3実施の形態)。
次に、本発明の第4実施の形態に係るダンパを図6ないし図10に基づいて説明する。
この第4実施の形態に係るダンパ1Cは、第1実施の形態に係るダンパ1に比して、ピストン16に代わるピストン16Cを設けたこと、シリンダ2の外周部に設けた永久磁石15を廃止し、第1実施の形態と異なる永久磁石15Cをピストン16C側に設けた(ピストン16Cが永久磁石15Cを含んでいる)こと、及び図6に示すように、ピストンロッド9が、中央部分のロッド本体9cに対して一端部9a及び他端部9bが小径となっていることが主に異なっている。
この第4実施の形態に係るダンパ1Cは、第1実施の形態に係るダンパ1に比して、ピストン16に代わるピストン16Cを設けたこと、シリンダ2の外周部に設けた永久磁石15を廃止し、第1実施の形態と異なる永久磁石15Cをピストン16C側に設けた(ピストン16Cが永久磁石15Cを含んでいる)こと、及び図6に示すように、ピストンロッド9が、中央部分のロッド本体9cに対して一端部9a及び他端部9bが小径となっていることが主に異なっている。
ピストン16Cは、環状の上側、下側磁石30,31と、上側、下側磁石30,31間に配置される環状のガイド部材17Cと、下側磁石31の下側に配置されるナット32と、からなっている。上側、下側磁石30,31により永久磁石15Cが構成されている。
上側磁石30は、環状の大径部(以下、上側磁石大径部33という。)と、上側磁石大径部33の内側部分に連接され、かつガイド部材17に挿入される環状の小径部(以下、上側磁石小径部34という。)と、からなっている。上側磁石大径部33の外周部と下側磁石31の外周部とは異なる極性とされている。本実施の形態では、下側磁石31の外周部がN極とされ、上側磁石大径部33の外周部がS極とされている。
上側磁石大径部33は、外径寸法がシリンダ2の内径寸法より小さくて、シリンダ2との間に隙間(以下、上側隙間35という。)が形成されている。下側磁石31は、外径寸法がシリンダ2の内径寸法より小さくて、シリンダ2との間に隙間(以下、下側隙間36という。)が形成されている。
上側磁石30は、環状の大径部(以下、上側磁石大径部33という。)と、上側磁石大径部33の内側部分に連接され、かつガイド部材17に挿入される環状の小径部(以下、上側磁石小径部34という。)と、からなっている。上側磁石大径部33の外周部と下側磁石31の外周部とは異なる極性とされている。本実施の形態では、下側磁石31の外周部がN極とされ、上側磁石大径部33の外周部がS極とされている。
上側磁石大径部33は、外径寸法がシリンダ2の内径寸法より小さくて、シリンダ2との間に隙間(以下、上側隙間35という。)が形成されている。下側磁石31は、外径寸法がシリンダ2の内径寸法より小さくて、シリンダ2との間に隙間(以下、下側隙間36という。)が形成されている。
ガイド部材17は、厚さ寸法が上側磁石小径部34の軸方向の長さと同等とされ、かつ外周部がシリンダ2の内壁に摺動可能とされている。ガイド部材17の外周部には周方向に複数個の切欠状の流通路20Cが形成されており、流通路20Cを通して、磁性流体6が上室3a及び下室3b間を流通するようになっている。本実施の形態では、上側隙間35、流通路20C及び下側隙間36から流路21Cが構成されている。
この第4実施の形態では、図7に示すように、ピストン16Cが環状体8の位置で摺動しているときは、下側磁石31が発生した磁束Fは、流路21Cの磁性流体6を通して上側磁石大径部33に向うが、上側磁石30及び下側磁石31が環状体8(非磁性材料)に対面していることから、下側隙間36、環状体8(非磁性材料)及び上側磁石30を介しては磁束Fは、殆ど流れない。このため、流路21Cを通過する磁束量は制約されたものになり、これに伴ない、流路21Cに存在する磁性流体6にかかる磁場は小さくなり、その分、図10の左側部分に示すように、磁性流体6の粘度が小さくなり、ひいてはダンパ1Cが発生する減衰力は小さくなる。
そして、図8に示すように、ピストン16Cが上方から下方にさらに移動して、ピストン16Cが下側筒状体7bに侵入して、下側磁石31が下側筒状体7bに対面し、かつ上側磁石30の一部が下側筒状体7bに対面した状態でピストン16Cが摺動していると、上側磁石30の一部及び下側磁石31が下側筒状体7b(磁性材料)に対面していることから、下側磁石31、下側筒状体7b(磁性材料)及び上側磁石30の一部からなる磁路26Cが形成される。そして、下側磁石31が発生した磁束Fは、下側隙間36から、流通路20C(ひいてはここに存在する磁性流体6)のみならず下側隙間36、下側筒状体7b(磁路26C)及び上側隙間35を通して上側磁石30の一部に流れる。このため、下側磁石31が発生した磁束Fのうち多くの量が流路21Cを通過するので、流路21Cに存在する磁性流体6にかかる磁場は、図7に示した場合より大きくなり、その分、図10の接合部25近傍部分に示すように、磁性流体6の粘度が大きくなり、ひいてはダンパ1Cが発生する減衰力は大きくなる。
そして、図9に示すように、ピストン16Cが下方にさらに移動して、上側磁石30の全体及び下側磁石31の全体が下側筒状体7bに対面した状態でピストン16Cが摺動していると、下側磁石31が発生した磁束Fのうち大部分が流路21Cを通過するので、流路21Cに存在する磁性流体6にかかる磁場は、図8に示した場合よりさらに大きくなり、その分、図10の右側部分に示すように、磁性流体6の粘度が大きくなり、ひいてはダンパ1Cが発生する減衰力がさらに大きくなる。
また,第4実施の形態によれば、ピストン16C側に永久磁石15Cが設けられているので、シリンダ1の外周部が簡易化され、周囲部材に対する干渉が少なくなる。
また,第4実施の形態によれば、ピストン16C側に永久磁石15Cが設けられているので、シリンダ1の外周部が簡易化され、周囲部材に対する干渉が少なくなる。
なお、上記第4実施の形態では、シリンダ2が、磁性材料(磁場の作用を受け易い材料)からなる筒状体7を有し、筒状体7を下側筒状体7b及び上側筒状体7aの2部材から構成し、下側筒状体7b及び上側筒状体7a間に非磁性材料(磁場の作用を受け難い材料)からなる環状体8を配置した場合を例にしたが、本発明はこれに限らない。例えば、図11に示すように、シリンダ2に代わるシリンダ2Dを設け、シリンダ2Dを、磁性材料(磁場の作用を受け易い材料)からなる1つの筒状体7Dと、筒状体7Dの長手方向の略中間部分でかつ所定厚さの内側の環状領域40Dに、磁性材料に代えて配置される、非磁性材料からなる環状体(便宜上、内側環状体8Dという。)と、から構成してもよい(第5実施の形態)。
上記第4、第5実施の形態では、磁石が永久磁石15C(上側磁石30及び下側磁石31)である場合を例にしたが、本発明はこれに限らず、図12に示すように、ピストン16Cに代えてピストン16Eを設け、永久磁石15Cに代えて、電磁石41を用いてダンパ1Eを構成してもよい(第6実施の形態)。この第6実施の形態では、ピストンロッド9に他端部9bに開口する中空部45を形成、コイル42の引出し線46を通して外部の駆動回路(図示省略)に接続するようにしている。
この第6実施の形態によれば、ピストン16Eに摺動する減衰力の効果は、磁石として永久磁石15C(上側磁石30及び下側磁石31)を用いた第4、第5実施の形態の場合と同様であるが、電磁石41が発生する磁束量を電磁石41のコイル42に流す電流Iにより変えることができる。このため、流路21Eに存在する磁性流体6にかかる電場の大きさひいては磁性流体6の粘度を、容易に調整することができ、減衰力の調整範囲が広くなる。例えば、コイル42に1〔A〕、1.5〔A〕、2〔A〕の電流を流すと、図13に示すように、電流Iの大きさに応じて磁性流体6の粘度が変化する。
上述したように、永久磁石に代えて、電磁石41を用いることは、前記第4、第5実施の形態に限らず、第1〜第3実施の形態に採用してもよい。
上述したように、永久磁石に代えて、電磁石41を用いることは、前記第4、第5実施の形態に限らず、第1〜第3実施の形態に採用してもよい。
上述した各実施の形態では、環状体8(又は内側環状体8D)が1つである場合を例にした、本発明はこれに限らず、1つのシリンダ2に対して複数の環状体8(又は内側環状体8D)を設けるように構成してもよい。このように構成することにより、ピストン16の移動位置に対応した減衰力の大きさ調整を、より精度高く行なうことができる。
また、上述したように複数の環状体8(又は内側環状体8D)を用いる場合、複数の環状体8(又は内側環状体8D)については、磁場による粘度変化程度〔磁場の作用の受け易さ(又は受け難さ)の程度〕がそれぞれ異なる材料で構成してもよい。また、例えば4つの環状体8(又は内側環状体8D)のうち3つは磁場による粘度変化程度が同等の材料で、残り1つは他の3つと磁場による粘度変化程度が異なる材料で構成するようにして、複数の環状体8の全てについて材料が異なるものでなくてもよい。このように構成することにより、ピストンの移動位置に対応した減衰力の大きさ調整を、より精度高く行なうことができる。
なお、各上記実施の形態では、材料を異ならせる例を示したが、これに限らず、シリンダ2をすべて同一材料で構成し、その肉厚を変化させ、ピストンとシリンダまたはシリンダと磁石の間に隙間を作る事により透磁率を変化させるようにしてもよい。
なお、各上記実施の形態では、材料を異ならせる例を示したが、これに限らず、シリンダ2をすべて同一材料で構成し、その肉厚を変化させ、ピストンとシリンダまたはシリンダと磁石の間に隙間を作る事により透磁率を変化させるようにしてもよい。
1…ダンパ、2…シリンダ、3a…上室、3b…下室、7…筒状体、7a,7b…上側、下側筒状体、8…環状体、15…永久磁石。
Claims (5)
- 磁場によって粘度が変化する流体が封入されたシリンダと、シリンダ内を上室及び下室に画成するようにシリンダ内に摺動可能に収納されたピストンと、一端が前記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記上室及び前記下室間の前記流体の流れを許容するように前記ピストンの外周部側に設けられた流路と、前記シリンダの外周部又は前記ピストンに備えられた磁石と、を備え、
前記シリンダは、磁界を内部に形成する材料からなる筒状体と、
該筒状体の軸方向に沿って定められる1又は2以上の部分に形成された透磁率の低い部分とから構成されることを特徴とするダンパ。 - 前記透磁率の低い部分は環状領域として前記シリンダの長手方向の略中間部分の1箇所設けたことを特徴とする請求項1記載のダンパ。
- 前記磁石は、前記シリンダの外周部に備えられ、かつ、その中心が環状領域に臨み、かつ両端側が筒状体にそれぞれ臨むように配置されることを特徴とする請求項2記載のダンパ。
- 前記磁石は、前記ピストンに備えられ、かつ、前記環状領域は、前記筒状体の内側部分であることを特徴とする請求項2記載のダンパ。
- 磁石は、電磁石であることを特徴とする請求項1から4までの何れかに記載のダンパ。
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