JP2005289723A - アルミナ・ムライト質焼成用治具 - Google Patents

アルミナ・ムライト質焼成用治具 Download PDF

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Kazunori Yamada
和典 山田
Yutaka Okada
裕 岡田
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Coorstek KK
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Toshiba Ceramics Co Ltd
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Abstract

【課題】 耐用性に優れたアルミナ・ムライト質焼成用治具の提供。
【解決手段】 熱衝撃抵抗係数Rが0.9以上、かつ熱衝撃損傷抵抗係数R''' が0.2以上である。
但し、R及びR''' は、次式から算出した。
R=曲げ強さ/動弾性率/熱膨張率
R''' =動弾性率/曲げ強さ/曲げ強さ
ここで、曲げ強さ及び動弾性率は室温での、又、熱膨張率は1000℃での測定値である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、セラミックコンデンサ、ソフトフェライト、点火プラグ等のセラミック電子部品素体の焼成に使用される匣鉢、セッター、棚板等のアルミナ・ムライト質焼成用治具に関する。
セラミック電子部品素体の焼成は、一般に、1000〜1700℃の温度域で行われるため、焼成用治具としては、耐熱性に優れるアルミナ・ムライト質セラミックスからなるものが使用される。
これらの上に直接被焼成物を載せた時に、治具成分との反応が起こる場合には、難反応性のアルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)等を表面にコーティングした治具が使用されている。
しかし、従来のアルミナ・ムライト質焼成用治具では、使用に伴って割れが発生し、使用不可となる不具合がある。
割れの代表的な発生形態としては、以下の2つが認められている。
(1)耐熱衝撃性の不足により、使用初期の急熱、急冷による熱的スポーリングによる割れ。
(2)使用初期には割れは発生しないが、使用回数の増加に伴いクラックの追展が大きくなり、割れに至る。
特開2003−252677号公報
本発明は、耐用性に優れたアルミナ・ムライト質焼成用治具を提供することを課題とする。
本発明のアルミナ・ムライト質焼成用治具は、熱衝撃抵抗係数Rが0.9以上、かつ熱衝撃損傷抵抗係数R''' が0.2以上であることを特徴とする。
但し、R及びR''' は、次式から算出した。
R=曲げ強さ/動弾性率/熱膨張率
R''' =動弾性率/曲げ強さ/曲げ強さ
ここで、曲げ強さ及び動弾性率は室温での、又、熱膨張率は1000℃での測定値である。
より好ましいアルミナ・ムライト質焼成用治具は、アルミナ5〜70wt%にムライト35〜95wt%が配合され、45μm以下のアルミナとムライトの重量比率が5〜50:50〜95、45μm以下のアルミナのうち、0.1〜5.0μmのものが95wt%以上であるアルミナ、ムライト原料を用いたことを特徴とする。
本発明のアルミナ・ムライト質焼成用治具によれば、熱膨張率及び弾性率と強度との兼ね合が良好となり、スポーリング試験での割れ(クラック)発生温度が大幅に上昇するので、耐用性を格段に高めることができる。
熱衝撃抵抗係数Rが0.9未満であると、熱的スポーリングが低位となる。
熱衝撃損傷抵抗係数R''' が0.2未満であると、クラックの進展が大きくなる可能性が高い。
アルミナの配合量が5wt%未満である(ムライト(3Al23・2SiO2)の配合量が95wt%を超える)と、使用回数の増加に伴い被焼成物成分の影響により早期に耐ベンド性が低下する可能性が高い。一方、アルミナの配合量が70wt%を超えると(ムライトの配合量が30wt%未満である)と、熱膨張率が高位となり熱的スポーリング性が低位となる。
アルミナの配合量は、10〜60wt%(ムライトの配合量40〜90wt%)がより好ましい。
45μm以下のアルミナの重量比率が5%未満である(ムライトの重量比率が95%を超えると)と、被焼成物成分の影響により早期に耐ベンド性が低下する可能性が高い。一方、アルミナの重量比率が50%を超える(ムライトの重量比率が50%未満となると、熱膨張率が高位となり熱的スポーリンが低位となる。
45μm以下のアルミナとムライトの重量比率は、10〜45:55〜90がより好ましい。
45μm以下のアルミナのうち、0.1〜5.0μmのものが95wt%未満であると、熱的スポーリングが低位となる。
又、焼成温度は、1650〜1750℃が好ましく、より好ましくは1670〜1730℃である。
焼成温度が、1650℃未満であると、治具の耐ベンド性が低位となる。一方、1750℃を超えると、焼結が進み過ぎ、耐熱衝撃性が低下する可能性がある。
(実施例1〜4、比較例1、2)
アルミナ16wt%にムライト84wt%を配合する一方、45μm以下のアルミナ、ムライト原料の重量比率を25wt%、45μm以下のアルミナ原料とムライト原料の重量比率を表1に示すように変え、かつ、45μm以下のアルミナ原料のうち、95wt%以上となる粒度範囲を表1に示すように変え、各種の配合土を調製し、それらの配合土を使用して縦200mm、横200mm、高さ50mm、肉厚10mmの箱形に成形し、1700℃の温度で焼成して各種の匣鉢を製造した。
得られた各匣鉢の気孔率、かさ比重、室温での曲げ強さ、室温での動弾性率及び1000℃の温度での熱膨張率を調べ、又、スポーリング試験を行ったところ、表1に示すようになった。
スポーリング試験は、各匣鉢を所定の温度(450℃からスタート)に保持した電気炉内に装入し、30分保持した後、出炉し、クラックの発生状況を確認した。
クラックの発生がない場合、25℃ずつ昇温し、クラックが発生するまで試験を繰り返した。
Figure 2005289723
表1から分かるように、アルミナ、ムライト原料における45μm以下のアルミナの比率が45wt%以下で、その粒度において0.1〜4.5μmの範囲が95wt%以上を占める実施例1〜4の場合、アルミナの比率が低下するに伴いR値及びR''' 値が増大し、スポーリング試験での割れ発生温度も上昇した。特に、実施例4に示すように、アルミナの粒度を更に細粒化することによってR値及びR''' 値が増大し、スポーリング試験での割れ発生温度が上昇した。
一方、アルミナ、ムライト原料における45μm以下のアルミナの比率を55wt%とし、そのアルミナの粒度が実施例1〜3と同粒度(0.1〜4.5μmが重量比率95wt%以上)であるものを使用した比較例1の場合、R値は0.9未満で、R''' 値も0.2未満となり、かつ、スポーリング試験での割れ発生温度が625℃と低位な結果となった。
又、実施例1、2と同じくアルミナ、ムライト原料における45μm以下のアルミナの比率を20wt%とし、アルミナの粒度を増大(0.5〜10μmが重量比率95wt%以上)させた比較例2の場合、R''' 値は0.2以上となったが、R値が0.9未満となり、かつ、スポーリング試験での割れ発生温度が613℃と低位な結果となった。

Claims (2)

  1. 熱衝撃抵抗係数Rが0.9以上、かつ熱衝撃損傷抵抗係数R''' が0.2以上であることを特徴とするアルミナ・ムライト質焼成用治具。
    但し、R及びR''' は、次式から算出した。
    R=曲げ強さ/動弾性率/熱膨張率
    R''' =動弾性率/曲げ強さ/曲げ強さ
    ここで、曲げ強さ及び動弾性率は室温での、又、熱膨張率は1000℃での測定値である。
  2. アルミナ5〜70wt%にムライト30〜95wt%が配合され、45μm以下のアルミナとムライトの重量比率が5〜50:50〜95、45μm以下のアルミナのうち、0.1〜5.0μmのものが95wt%以上であるアルミナ・ムライト原料を用いたことを特徴とする請求項1記載のアルミナ・ムライト質焼成用治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008201658A (ja) * 2007-02-21 2008-09-04 Yotai Refractories Co Ltd セラミックス電子部品(以下電子部品)焼成用道具材
US9758434B2 (en) 2015-06-01 2017-09-12 Saint-Gobain Ceramics & Plastics, Inc. Refractory articles and methods for forming same

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