JP2005289489A - 接着剤注出用容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 細い隙間や極小の接着面にも適量の接着剤を注出して塗布することができ、接着面全体に確実に塗布することが可能な接着剤注出用容器を提供すること。
【解決手段】 細径状のノズル20を有する容体11内に接着剤Sを充填し、この容体11は可撓性の材質で形成され、かつ指等の押圧力で内部の接着剤Sをノズル20より注出させる容器であって、このノズル20の開口先端部26よりノズル20の長さ方向に沿って所定長さの複数の縦割部27を設けた接着剤注出用容器である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、内部に収容した接着剤をノズルを介して外部に注出する接着剤注出用容器に関する。
従来より、容器先端側に設けた吐出ノズルから接着剤を吐出してこの接着剤を塗布する接着剤容器がある。この接着剤容器は、接着剤を小さい面積の接着面に吐出したり、細い隙間などに吐出ノズルを挿入した状態で接着箇所に吐出したりするため、吐出ノズルの接着剤吐出口を小径にし、又、吐出ノズル全体を細長い形状に設けている。このような接着剤容器としては、例えば、ひび割れた壁面を補修する際に使用される接着剤容器があり、この容器は、使用時に吐出口から接着剤をひび割れ内に沿わせるように接着剤を吐出して補修を行っている。
さらに、この極小の接着面に対して接着剤をはみ出したりすること無く正確に塗布しなければならない場合、例えば、ビーズを手芸製品に接着する際にビーズの孔内に接着剤を塗布したり、或は、小さいリング状体を装飾体に接着する際にリングの孔内に接着剤を塗布する際には、はみ出すことなく接着剤を塗布するためには吐出口から接着剤を極微小量ずつ吐出しなければならず、このため、吐出ノズル全体が細長い形状であることに加えて、ノズル吐出口の口径をより極小口径にする必要がある。
このような接着剤を塗布するノズルとしては、粘性液体が通過する略角筒状の粘性液体流路の先端面を下向きの斜度20度〜40度の範囲の斜面とし、この斜面の中央部に粘性液体吐出口を連通した粘性液体塗布ノズルがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、塗布面材の頂部の中心部周辺に多数の突山と、この突山と突山の谷間に小孔が貫設され、この塗布部材を熱可塑性合成樹脂の射出成形によって形成した塗布器がある(例えば、特許文献2参照。)。
特開平8−99060号公報 実用新案登録第3065182号公報
しかしながら、ノズルを細長状に形成しつつ吐出口を極小口径にする場合には、接着剤がノズル吐出口から軸方向に微小量ずつ吐出されるため、塗布しようとする箇所に対して点状、或は線状に塗布され、吐出後に孔や隙間などの狭い箇所には接着面全体に接着剤が行き渡らない場合があった。この場合、吐出後の接着剤を接着面全体に塗り拡げる必要があらたに生じ、例えば、ビーズを手芸製品に接着する場合には、連通孔内に接着剤を吐出した後に、更にハケやヘラ、或は、先細形状の棒状部材などで接着剤を連通孔全体に均一に塗り伸ばすことになり、手が汚れたり作業が面倒になるという問題があった。
特許文献1の粘性液体塗布ノズルは、塗布後のならし作業を不要とし、粘性液体の吐出量が変化しても塗布部位に対して塗布量が均一に保たれるノズルであるが、このノズルは、吐出口が略扁平四角状に開口され、吐出口から平面状に粘性液体を塗布するものであるため孔への接着剤の塗布は対象とされておらず、連通孔などの孔の接着面全体に確実に塗布することは難しい。
また、特許文献2の塗布器は、塗布面材に設けられる針状の突山と、塗布液物吐出用小孔の口径とその数を変えて吐出される塗布液物を適量にし、また、滑らかな塗布を行えるようにしたものであるが、この塗布器に関しても、被塗布面への塗布幅が10mm程度である場合が対象であり、平面的な被塗布面に対して塗布するものであって孔などの内周に塗布するようにしたものではない。
本発明は、従来の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、細い隙間や極小の接着面にも適量の接着剤を注出して塗布することができ、接着面全体に確実に塗布することが可能な接着剤注出用容器を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1記載の発明は、細径状のノズルを有する容体内に接着剤を充填し、この容体は可撓性の材質で形成され、かつ指等の押圧力で内部の接着剤をノズルより注出させる容器であって、このノズルの開口先端部よりノズルの長さ方向に沿って所定長さの複数の縦割部を設けた接着剤注出用容器である。
請求項2記載の発明は、前記複数の縦割部は、ノズルの先端部にレーザ光線で縦割線を形成して構成した接着剤注出用容器である。
請求項3記載の発明は、前記複数の縦割線で注出機能とハケ又はヘラ機能を有するようにした接着剤注出用容器である。
請求項4記載の発明は、前記ノズルを有する容体は、ポリプロピレン樹脂で成形した接着剤注出用容器である。
請求項1に係る発明によると、細い隙間や極小の接着面にも適量の接着剤を注出して塗布することができ、接着面全体に確実に塗布することが可能であり、この接着剤を注出し易い接着剤注出用容器である。
請求項2に係る発明によると、高い精度で加工したノズル先端側によって接着剤の注出をノズル先端に周面的に均等に行うことができ、この高精度の先端部を低コストで製作することのできる接着剤注出用容器である。
請求項3に係る発明によると、注出後の接着剤を接着面に均一に塗布することができ、接着剤を注出し難い狭い箇所や孔状の接着面にも確実に塗布することができる接着剤注出用容器である。
請求項4に係る発明によると、収容する接着剤が容器本体内部に固着したり、固形化したりすることを防止して優れた保存性を発揮する接着剤注出用容器である。しかも、剥離性に優れ、接着剤がノズル付近や本体外周面などに塗着して固形化した場合でも迅速に剥すことができ、円滑に使用することのできる接着剤注出用容器である。
本発明における接着剤注出用容器の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図5において、本発明の接着剤注出用容器の容体11はノズル20を有しており、この容体11を指等の押圧力で押圧したときに内部に充填した接着剤Sをノズル20先端より注出可能に設けている。
容体11は、内部に収容部13を有し、容体11の上部には筒状に突設した筒状凸部12を形成し、この筒状凸部12上部の開口部12aより収容部13に接着剤Sを充填可能に設けている。接着剤Sは、各種の接着性を有する接着性物質を用いることができるが、例えば、手芸においてビーズを接着する場合には、酢酸ビニル系接着剤や、天然ゴム・ラテックス系接着剤、或は液状のりなどを使用するのがよい。
筒状凸部12の外周側にはおねじ12bを形成しており、このおねじ12bにノズル20の装着部24に形成しためねじ24aを螺着可能に設けて、容体11に対してノズル20を着脱自在にし、接着剤Sの充填後にノズル20を装着している。脚部14は、容体11の下部を外径方向に膨出させたものであり、容器を立設しやすくしている。脚部14は、図に示すような断面略十字形状に膨出させた形状以外であってもよく、或は、脚部自体を省略するようにしてもよい。容体11は、可撓性の材質で形成し、本実施形態においては、ポリプロピレン樹脂で成形するようにしているが、これ以外の材質であってもよく、例えば、ポリエチレン等の他のポリオレフィン樹脂や、又は、それ以外の他の熱可塑性合成樹脂などであってもよい。
ノズル20は細径状に形成し、このノズル20において、先端側の開口先端部26より、ノズル20の長さ方向に沿って所定長さの複数の縦割部27を設けており、この複数の縦割部27は、レーザ光線によるレーザ加工によって縦割線28を形成することで構成している。縦割線28はレーザ加工以外の加工手段によって設けるようにしてもよく、例えば、ウォータージェット加工や、或は、薄刃を有する工具によって切断したり、他の特殊工具で設けるようにしてもよい。本実施形態における開口先端部26の内径、外径は、例えば、それぞれ約1mm、約1.5mmに設け、縦割線28は、開口先端部26から適宜の長さによって周方向に8分割しているが、この縦割線28は任意の間隔、分割数にすることができ、開口先端部26の口径やノズル20の材質の変更などに応じて適宜の分割数にすることができる。
テーパ筒状部21は、開口先端部26からやや拡径して略テーパ円筒状に形成しており、このようにノズル20をテーパ筒状部21と開口先端部26の2段に分けることにより、ノズル20内部に形成した注出流路29は拡径流路29aと縮径流路29bとに分けられている。容体11内に収容された接着剤Sは、テーパ筒状部21内の拡径流路29a、開口先端部26内の縮径流路29bを通過した後に注出される。テーパ筒状部21先端側の外周面には当接部21aを設けており、この当接部21aが後述するキャップ30の内部に段状に形成した段部31aに密着してノズル20とキャップ30を確実にシールしている。このとき、開口先端部26は段部31aより先端側の嵌合凹部36に嵌合するように収納される。
筒状部22は、テーパ筒状部21から拡径して筒状に設け、この筒状部22の外周側にはやや突設するように環状凸部22aを周設しており、この環状凸部22aとキャップ30を嵌合させることによってキャップ30の取付け状態を維持している。
装着部24は外周側をテーパ状に形成し、この外周面には複数の溝状部24bを形成しているため、装着部24を把持したときに手との間に摩擦力が生じて回転し易くなり、ノズル20を着脱しやすくしている。このため、接着剤Sの充填作業が容易となる。装着部24と筒状部22との間には筒状部22より拡径するような拡径部23を形成している。
延設部22bは、装着部24の内側に筒状部22から下方に延設したものであり、この延設部22bを、筒状部22の外周径と略同径に形成した容体11の開口部12aに挿入しながらノズル20を容体11に取付けることで、延設部22bがガイド機能を果たし、ノズル20が曲がった状態で取付けられることがなく、また、容体11とノズル20の隙間からおねじ12b、めねじ24a側に接着剤Sが漏れ出すことがない。
キャップ30は、ノズル20先端側に着脱自在に設けており、このキャップ30の内側にはノズル20先端側を収容可能な収納部31を有している。係合凹部32は、ノズル20の環状凸部22aと対応する位置に凹状に設けており、キャップ30をノズル20に被蓋したときには、この係合凹部32と環状凸部22aとがスナップ嵌合して確実にキャップ30の装着状態を維持している。
把持部34の外周には、複数の溝状部位を形成しており、把持部34を把持してキャップ30を回転したときにこの溝状部位によってキャップ30が回転し易くなり、ノズル20への着脱が容易となる。
凹状溝35は、キャップ30の底面側に凹状に設けており、ノズル20を被蓋したときにこの凹状溝35にノズル20の拡径部23が密接嵌合している。
図6においては、本発明における接着剤注出用容器の使用状態を示しており、使用時には、指で容体11を押圧することでノズル20先端側より接着剤Sが注出される。このとき接着剤Sは、主に縦割部28の間の縦割線28から注出され、図7のようなビーズ等の被接着体38の小径の連通孔からなる接着面38aに接着剤Sを注出したときに縦割線28から周方向ににじみ出るように接着剤Sを注出する注出機能を有している。更に、この縦割線28を設けていることで縦割部27は接着剤Sを接着面38aに薄く均一に接着剤S´の状態に塗布できるハケ機能、又はヘラ機能を有し、注出後の接着剤Sを接着面38a全体に塗布できるようにしている。
本発明の接着剤注出用容器は、連通孔38aを有する被接着体38を接着する以外にも、例えば、人形などの他の手芸製品や、或は、細かいアクセサリー、造花の花びらを接着したり、更には、建築物における壁面を補修したり等の各種の用途に利用できる。
次に、本発明の接着剤注出用容器における上記実施形態の作用を説明する。
本発明の接着剤注出用容器は、ノズル20の開口先端部26よりノズル20の長さ方向に沿って所定長さの複数の縦割部27を設けているので、容体11内の接着剤Sを注出させたときに、接着剤Sを縦割部27、27の間の縦割線28よりノズル20先端外周面側に円周状ににじみ出すように注出させることができ、接着面に対して点状、線状に注出することに加えて面状にも注出させることができる。従って、孔状や隙間などの接着面に対して容器を軸方向に動かすだけで接着剤Sを周面的に塗布でき、例えば、図7に示すように、被接着体38がビーズ状である場合には、この小径孔状の接着面38aに対してノズル20先端側より接着剤Sを注出して連通孔38a全体に一度に接着剤Sを塗布することができる。また、ひび割れた壁面を補修する際などにも、ひび割れ面全体に接着剤Sを容易に塗布することができる。
しかも、複数の縦割線28は、この注出機能に加えてハケ又はヘラ機構を有しているので、注出した接着剤Sが均一にならない場合にも手を汚すことなく薄く塗り伸ばすことができ、容器のみで接着面38a全体に接着剤Sを容易に均一厚さに塗布することができ、接着の作業効率をアップすることができる。また、このように先端部位がハケ状であることにより接着剤が分散してつまることがない。
更に、ノズル20は、容体11とは別体に設けているため、ノズル20のみを既製の容体に装着可能に製作することもできる。
図8に示した本発明の接着剤注出用容器の第2実施形態においては、図3に示した一点鎖線において開口先端部26をテーパ筒状部21との境界付近で切断し、切断したテーパ筒状部21先端側にレーザ光線等の加工手段で縦割線28´を形成して縦割部27´を設けている。この場合、開口先端部26よりもテーパ筒状部21の径が大きいことから、より多くの縦割部27´に分割することができ、接着剤Sの注出時には、接着剤Sは拡径流路29aからそのまま注出されるため、縮径流路29bを通過して開口先端部26の先端側より注出される場合と比較して、より大量の接着剤Sを注出することができる。このように開口先端部26を切断し、テーパ筒状部21先端側に縦割部27´を設けることで1つのノズル20で異なる接着剤Sの注出量にすることができる。また、予め開口先端部26を設けないようにし、拡径状のテーパ筒状部21のみを設けるようにしてもよい。
縦割線28´を形成する場合には、特殊ペンチ等の工具でこの縦割線28´を4〜5本程度形成することもできる。なお、第2及び以下に示す第3実施形態において、前記第1実施形態と同一箇所は同一符号によって示し、その説明を省略する。
図9においては、本発明における接着剤注出用容器の第3実施形態を示しており、この接着剤注出用容器においては、ノズル40の先端部42に内外周を連通する複数の小孔43を形成している。このノズル40を装着した接着剤注出用容器を押圧した際には、接着剤Sをノズル40の小孔43より主に注出して面状に注出することができるため、接着剤を確実に接着面全体に塗布することができる。
本発明は、接着剤を極小の接着面に注出する接着剤注出用容器として特に好適であり、例えば、手芸製品を製作する際の接着剤や、或は、建築関係等で使用される接着剤の収納容器として利用できるが、これ以外にも、各種の成分からなる接着剤を収納して、接着する被接着体に拘ることなく使用したり、更には、粘性を有する液体であれば、糊材、剥離剤等の各種の液体を収容・注出する容器としても利用できる。
本発明の接着剤注出用容器の第1実施形態を示す正面図である。 図1の一部拡大図である。 図2の半截断面図である。 図3のA−A線拡大端面図である。 図3の接着剤注出用容器にキャップを被せた状態の半截断面図である。 本発明の接着剤注出用容器の使用状態を示した斜視図である。 ノズルの先端付近を示した一部拡大断面図である。 本発明の接着剤注出用容器の第2実施形態を示す正面図である。 本発明の接着剤注出用容器の第3実施形態を示す正面図である。
符号の説明
11 容体
20、40 ノズル
26、41 先端部
27 縦割部
28 縦割線
43 小孔
S 接着剤

Claims (4)

  1. 細径状のノズルを有する容体内に接着剤を充填し、この容体は可撓性の材質で形成され、かつ指等の押圧力で内部の接着剤を前記ノズルより注出させる容器であって、このノズルの開口先端部よりノズルの長さ方向に沿って所定長さの複数の縦割部を設けたことを特徴とする接着剤注出用容器。
  2. 前記複数の縦割部は、前記ノズルの先端部にレーザ光線で縦割線を形成して構成した請求項1記載の接着剤注出用容器。
  3. 前記複数の縦割線で注出機能とハケ又はヘラ機能を有するようにした請求項2記載の接着剤注出用容器。
  4. 前記ノズルを有する容体は、ポリプロピレン樹脂で成形した請求項1乃至3の何れか1項に記載の接着剤注出用容器。
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